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特許7526376情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240725BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240725BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240725BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06Q50/10
G06T19/00 600
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020026579
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2021131722
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】516231062
【氏名又は名称】谷川 浩治
(74)【代理人】
【識別番号】100218970
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 肇
(72)【発明者】
【氏名】谷川 浩治
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-083011(JP,A)
【文献】特表2019-520859(JP,A)
【文献】特表2019-511276(JP,A)
【文献】特開2018-160878(JP,A)
【文献】特表2015-518406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06Q 50/10
G06T 19/00
A45D 44/00
G09B 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の髪又は毛をカットする人物を支援するための情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
前記髪又は毛をカットされる前記対象が撮像された画像を取得し、
前記画像から解析される前記対象の位置に基づいて、前記対象に施す髪又は毛の型を示す展開図を表示部に表示させ、
前記人物により前記髪又は毛がカットされている態様の画像に基づいて、前記人物によるカットのログを示すデータを生成し、ここで
前記表示部は、現実空間において前記人物の視線の先に存在する物体を視認可能に、情報を表示するように構成され、これによりカットに際して前記人物が前記髪又は毛とともに前記展開図を視認することを可能とし、
前記展開図は、過去に生成された前記データに基づいて生成される、システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記画像に基づいて、第1の位置と第2の位置との位置関係に応じた位置関係情報を前記表示部に表示させ、ここで
前記第1の位置は、前記人物が前記髪又は毛をカットしようとする位置であり、
前記第2の位置は、前記展開図に基づく、前記対象の髪又は毛をカットすべき位置であり、
前記位置関係情報は、前記第1の位置と前記第2の位置とが合っていることを示す情報、又は、前記第1の位置と前記第2の位置とが合っていないことを示す情報である、システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、前記第1の位置と前記第2の位置とが合っていない場合に、前記人物がカットに用いている電子バサミを介して、前記位置関係情報を通知する、システム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
サーバ装置及びスマートグラスの少なくとも一方を有し、
前記制御部は、前記少なくとも一方に備えられ、上述の各処理を実行するように構成され、
前記スマートグラスは、
前記人物によって装着可能に構成され、
前記表示部と、前記対象を撮像する撮像部と、をさらに有する、システム。
【請求項5】
情報処理方法であって、
請求項1~3の何れか1つに記載の情報処理システムの制御部が実行する各処理をステップとして備える、方法。
【請求項6】
プログラムであって、
コンピュータを、請求項1~3の何れか1つに記載の情報処理システムの制御部として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
東京の有名店で髪をカットして貰ったのと同じように地元のお店で髪をカットして貰いたいという要望がある。
特許文献1には、ビデオフロッピーに録画記録された顧客のヘアスタイルの画像を、スチルビデオプレーヤー・レコーダーとTVモニターで再生する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-142505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、美容師等は、ヘアスタイルの画像をみながら髪をカットしなくてはならず、正確にヘアスタイルを再現することは困難であった。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、本発明の一つは、正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置であって、表示制御部を有し、前記表示制御部は、カットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、利用者の頭に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、前記利用者の髪をカットする人物が装着する、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つによれば、正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、スマートグラスのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4図4は、電子バサミのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図6図6は、サーバ装置による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図7図7は、変形例1の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図8図8は、変形例3のサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図9図9は、変形例4の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、携帯端末装置110と、スマートグラス120と、電子バサミ130と、を含む。サーバ装置100は、携帯端末装置110、スマートグラス120、及び電子バサミ130と、無線を介して通信可能に接続されている。サーバ装置100は、情報処理装置の一例である。スマートグラス120は、表示デバイスの一例である。
【0013】
スマートグラス120は、利用者の髪をカットする美容師が装着している。スマートグラス120は、透過型の表示装置であり、スマートグラス120のレンズ部分に相当する位置には、透過型の表示部(後述する表示部304)が設けられている。スマートグラス120を装着した美容師は、スマートグラス120の表示部を介して、現実空間において、視線の先に存在する物体を見ることができる。更に、表示部には任意の画像が表示されるので、スマートグラス120を装着した美容師には、表示部を通して見ている現実空間に、任意の画像が重畳された状態が認識される。このように、スマートグラス120は、現実空間に重畳して画像を表示可能な表示装置である。
【0014】
(処理の概要)
サーバ装置100は、例えば、美容院に設置されている。美容院を利用する利用者は、自身の携帯端末装置110に登録されているカットデータを、サーバ装置100に送信する。ここで、カットデータは、髪型の展開図のデータであり、例えば、他の美容院等で作成されたデータである。本実施形態の例では、利用者は、カットデータを自身の携帯端末装置110に保持しているものとする。サーバ装置100は、カットデータを受け取ると、カットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像を生成する。サーバ装置100は、生成した重畳画像をスマートグラス120に送信し、重畳画像がスマートグラス120の表示部に表示されるよう制御する。この際、重畳画像は、美容師がスマートグラス120の表示部を介して利用者の頭を見た際に、利用者の頭に重畳されるように表示される。したがって、美容師は、重畳画像に基づき、利用者の髪をカットする。このようにすることによって、ある美容院でカットし、気に入った場合、そのカットに関するカットデータを携帯端末装置110に保持しておけば、利用者は同様のカットを、情報処理システム1000を有する美容院において行ってもらうことができる。
【0015】
2.ハードウェア構成
(1)サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。
【0016】
制御部201は、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部202は、プログラム及び制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。通信部203は、外部装置との無線通信を制御する。ここで、外部装置とは、例えば、携帯端末装置110、スマートグラス120、電子バサミ130等である。なお、サーバ装置100は、外部装置の一部と有線を介して接続されていてもよい。この場合、通信部203は、有線接続された外部装置との通信も制御する。但し、以下では説明の簡略化のため、無線通信を例に説明を行う。制御部201が、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、後述する図5図8等に示す機能構成、及び後述する図6に示すアクティビティ図等が実現される。
【0017】
携帯端末装置110もハードウェア構成として少なくとも図2に示したような構成を有する。携帯端末装置110の制御部が、携帯端末装置110の記憶部に記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、携帯端末装置110の機能等が実現される。携帯端末装置110の例としては、スマートフォン、タブレット型コンピュータ等がある。
【0018】
(2)スマートグラス120のハードウェア構成
図3は、スマートグラス120のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、スマートグラス120は、ハードウェア構成として、制御部301と、記憶部302と、撮像部303と、表示部304と、音声出力部305と、通信部306と、を含む。
【0019】
制御部301は、スマートグラス120の全体を制御する。記憶部302は、プログラム及び制御部301がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部301が、記憶部302に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、スマートグラス120の機能が実現される。撮像部303は、撮像方向がスマートグラス120の装着者の視線方向と、撮像部303の撮像方向とが一致するように設置されているものとする。これにより、撮像部303は、スマートグラス120を装着する美容師が見ている現実空間の画像を撮像することができる。他の例としては、撮像部303は、撮像方向と装着者の視線方向とが一定の関係になるように設置されていてもよい。
【0020】
表示部304は、透過型であり、眼鏡のレンズ部分に相当する位置に設けられている。スマートグラス120を装着した美容師は、スマートグラス120の表示部304を介して、現実空間において、視線の先に存在する物体を見ることができる。さらに、表示部304には任意の画像が表示されるので、スマートグラス120を装着した美容師には、表示部304を通して見ている現実空間に、任意の画像が重畳された状態が認識される。このように、スマートグラス120は、現実空間に重畳して画像を表示可能な表示装置である。
【0021】
音声出力部305は、音声を出力する。通信部306は、外部装置との無線通信を制御する。ここで、外部装置とは、例えば、サーバ装置100、電子バサミ130等である。
【0022】
(3)電子バサミ130のハードウェア構成
図4は、電子バサミ130のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示されるように、電子バサミ130は、ハードウェア構成として、制御部401と、記憶部402と、出力部403と、通信部404と、を含む。
【0023】
制御部401は、電子バサミ130の全体を制御する。記憶部402は、プログラム及び制御部401がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶する。制御部401が、記憶部402に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによって、電子バサミ130の機能が実現される。出力部403は、情報を出力する。より具体的に説明すると、出力部403は、情報を音声で出力してもよいし、色で出力してもよい。通信部404は、外部装置との無線通信を制御する。ここで、外部装置とは、例えば、サーバ装置100、スマートグラス120等である。
【0024】
3.機能構成
図5は、サーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。図5に示されるように、サーバ装置100は、機能構成として、受取部501と、表示制御部502と、第1の生成部503と、第2の生成部504と、出力部505と、を含む。
【0025】
(受取部501)
受取部501は、利用者の携帯端末装置110からカットデータを受け取る。上述したように、実施形態1では、カットデータは、携帯端末装置110に保持されている。美容院の利用者は、美容院に来店すると、携帯端末装置110を操作して、保持されているカットデータの中から一つのカットデータを選択し、選択したカットデータに基づくカットを美容院に依頼する。携帯端末装置110は、カットデータの選択を受け付けると、選択されたカットデータをサーバ装置100に送信する。受取部501は、携帯端末装置110より送信されたカットデータを、受信する。
【0026】
(表示制御部502)
表示制御部502は、受取部501が受け取ったカットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像がスマートグラス120の表示部304に表示されるよう制御する。この際、重畳画像は、美容師がスマートグラス120の表示部304を介してスタイリングチェアに座った利用者の頭を見た際に、利用者の頭に重畳されるように表示される。美容師は、この重畳画像に基づき、髪をカットしていくことにより、カットデータを作成した人の意図した通りの髪のデザインを利用者に施すことができる。ここで、受取部501がカットデータだけではなく、後述する毛量調整データも受け取っていた場合、表示制御部502は、毛量調整データに基づく毛量調整を示す重畳画像をスマートグラス120の表示部304に表示されるよう制御してもよい。
サーバ装置100が表示制御部502を有することによって、正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0027】
(第1の生成部503)
第1の生成部503は、電子バサミ130の軌跡に基づいて、新たなカットデータを生成する。ここで、サーバ装置100は、電子バサミ130の軌跡のデータを、電子バサミ130から取得してもよいし、情報処理システム1000に含まれる複数のカメラで撮像された撮像画像から求めてもよい。例えば、電子バサミ130が位置センサー等を有している場合、位置センサーが計測した電子バサミ130の軌跡のデータを、サーバ装置100に送信する。第1の生成部503は、電子バサミ130より受信した電子バサミ130の軌跡のデータに基づいて、新たなカットデータを生成する。また、情報処理システム1000に複数のカメラが含まれる場合、サーバ装置100は、複数のカメラそれぞれで美容師が髪をカットしている様子を撮像した複数の撮像画像を、複数のカメラから受信する。そして、サーバ装置100は、これらの撮像画像を画像解析し、電子バサミ130の軌跡のデータを求めるようにしてもよい。第1の生成部503は、サーバ装置100が求めた電子バサミ130の軌跡のデータに基づいて、新たなカットデータを生成する。
【0028】
(第2の生成部504)
第2の生成部504は、ユーザの毛量調整データを生成する。より具体的説明すると、第2の生成部504は、カットを行った美容師による操作に基づき、ユーザの毛量調整データを生成する。操作は、サーバ装置100の図示しない入力装置等を介して行われてもよいし、専用の端末を介して行われてもよい。専用の端末を介して行われた場合、その操作情報は、サーバ装置100に送信される。そして、第2の生成部504は、サーバ装置100が受信したその操作情報に基づき、ユーザの毛量調整データを生成するようにしてもよい。ここで、毛量調整データとは、すきバサミ等を使って髪の毛のどの場所でどの程度、毛量を調整したかのデータである。
【0029】
(出力部505)
出力部505は、カットデータと、毛量調整データと、をセットにして出力する。実施形態1の場合、出力部505は、カットデータと、毛量調整データと、をセットにして利用者の携帯端末装置110に出力する。ここで、出力部505は、選択操作に応じて、携帯端末装置110に保持されていたカットデータと、第2の生成部504によって生成された毛量調整データと、をセットにして出力してもよいし、第1の生成部503によって生成されたカットデータと、第2の生成部504によって生成された毛量調整データと、をセットにして出力してもよい。選択操作は、サーバ装置100の図示しない入力装置等を介して行われてもよいし、専用の端末を介して行われてもよい。専用の端末を介して行われた場合、その選択操作情報は、サーバ装置100に送信される。そして、出力部505は、サーバ装置100が受信した選択操作情報に基づき、携帯端末装置110に保持されていたカットデータを用いるか、第1の生成部503によって生成されたカットデータを用いるかを選択する。
4.情報処理
図6は、サーバ装置100による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
A601において、受取部501は、利用者の携帯端末装置110からカットデータを含むデータを受信したか否かを判定する。受取部501は、カットデータを含むデータを受信したと判定すると、処理をA602に進め、カットデータを含むデータを受信していないと判定すると、A601の処理を繰り返す。ここで、利用者は携帯端末装置110に複数のカットデータを保持している場合、保持しているカットデータの中から一のカットデータを選択し、サーバ装置100に送信するようにしてもよい。
【0030】
A602において、受取部501は、受信したデータからカットデータを取得する。
A603において、表示制御部502は、受取部501が取得したカットデータに基づいて、髪型の展開図に関する重畳画像を生成する。
【0031】
A604において、表示制御部502は、生成した重畳画像がスマートグラス120の表示部304に表示されるよう制御する。この際、表示制御部502は、重畳画像を、美容師がスマートグラス120の表示部304を介してスタイリングチェアに座った利用者の頭を見た際に、利用者の頭に重畳されるように表示制御する。なお、表示制御部502は、スマートグラス120から表示の開始要求があった場合、重畳画像をスマートグラス120の表示部304に表示するよう制御してもよい。また、表示制御部502は、スマートグラス120から表示の終了要求があった場合、重畳画像をスマートグラス120の表示部304に表示するのを終了するよう制御してもよい。この場合、表示の開始要求を受け取ってから表示の終了要求を受け取るまで、表示制御部502は、重畳画像を、美容師がスマートグラス120の表示部304を介してスタイリングチェアに座った利用者の頭を見た際に、利用者の頭に重畳されるように表示制御する。
【0032】
A605において、第1の生成部503は、電子バサミ130の軌跡に基づいて、新たなカットデータを生成する。なお、第1の生成部503は、電子バサミ130等から新たなカットデータの生成の開始要求があった場合に、新たなカットデータの生成処理を開始するようにしてもよい。また、第1の生成部503は、電子バサミ130から新たなカットデータの生成の終了要求があった場合に、新たなカットデータの生成処理を終了するようにしてもよい。この場合、新たなカットデータの生成の開始要求を受け取ってから新たなカットデータの生成の終了要求を受け取るまで、第1の生成部503は、新たなカットデータを生成する。例えば、美容師と話し合った結果、携帯端末装置110に保持されていたカットデータに基づくカットとは異なるカットを行う場合、新たなカットデータの生成が行われる。
【0033】
例えば、所定の入力部(図示せず)を介して、新たなカットデータの生成の開始指示を受け取ると、電子バサミ130は、サーバ装置100に新たなカットデータの生成の開始要求を送信する。また、所定の入力部を介して、新たなカットデータの生成の終了指示を受け取ると、電子バサミ130は、サーバ装置100に新たなカットデータの生成の終了要求を送信する。
【0034】
A606において、第2の生成部504は、カットを行った美容師による操作に基づき、ユーザの毛量調整データを生成する。なお、第2の生成部504は、例えば、専用の端末等からユーザの毛量調整データの生成の開始要求があった場合に、ユーザの毛量調整データの生成処理を開始するようにしてもよい。また、第2の生成部504は、専用の端末等からユーザの毛量調整データの生成の終了要求があった場合に、ユーザの毛量調整データの生成処理を終了するようにしてもよい。
【0035】
A607において、出力部505は、カットデータと、毛量調整データと、をセットにして利用者の携帯端末装置110に出力する。出力部505は、選択操作に応じて、携帯端末装置110に保持されていたカットデータと、第2の生成部504によって生成された毛量調整データと、をセットにして出力してもよいし、第1の生成部503によって生成されたカットデータと、第2の生成部504によって生成された毛量調整データと、をセットにして出力してもよい。
【0036】
5.実施形態1の効果
実施形態1によれば、正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0037】
(変形例1)
変形例1を説明する。図7は、変形例1の情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。変形例1の情報処理システム1000では、更に、システム全体を制御するサーバ装置150を有する。変形例1では、利用者がある美容院で購入等したカットデータは、サーバ装置150の記憶部に保持される。なお、サーバ装置150のハードウェア構成も、図2に示したサーバ装置100のハードウェア構成と同様である。
【0038】
変形例1においても、サーバ装置100は、例えば、美容院に設置されている。美容院を利用する利用者は、自身の携帯端末装置110等を利用して自身の識別情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、利用者の識別情報を取得すると、取得した識別情報を含む、カットデータの取得要求を、サーバ装置150に送信する。サーバ装置150は、カットデータの取得要求に含まれる識別情報に基づいて、その識別情報と関連付けて記憶されているカットデータを記憶部等より取得し、サーバ装置100に送信する。即ち、変形例1ではユーザはカットデータを、ユーザの携帯端末装置110内に保持せず、サーバ装置150のそのユーザに割り当てられた記録領域に記憶している。
【0039】
ここで、利用者がサーバ装置150に複数のカットデータを登録している場合、利用者の識別情報のみならず、複数のカットデータのうちどのカットデータを使うか、カットデータの識別情報もサーバ装置100に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置100は、利用者の識別情報と、カットデータの識別情報とを含む、カットデータの取得要求を、サーバ装置150に送信する。サーバ装置150は、カットデータの取得要求に含まれるユーザの識別情報に基づいて、そのユーザの識別情報と関連付けられる記憶部の記憶領域を特定すると共に、その記憶領域に記憶されている複数のカットデータから、カットデータの識別情報で識別されるカットデータを取得し、サーバ装置100に送信する。
【0040】
サーバ装置100は、カットデータを受け取ると、カットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像を生成する。サーバ装置100は、生成した重畳画像をスマートグラス120に送信し、重畳画像がスマートグラス120の表示部に表示されるよう制御する。この際、重畳画像は、美容師がスマートグラス120の表示部を介して利用者の頭を見た際に、利用者の頭に重畳されるように表示される。したがって、美容師は、重畳画像に基づき、利用者の髪をカットする。このようにすることによって、ある美容院でカットし、気に入った場合、そのカットに関するカットデータをサーバ装置150に登録しておけば、利用者は同様のカットを、情報処理システム1000を有する美容院において行ってもらうことができる。
【0041】
変形例1の受取部501は、サーバ装置より利用者のカットデータを受け取る。変形例1の表示制御部502は、受取部501が受け取ったカットデータに基づく重畳画像がスマートグラス120の表示部304に表示されるよう制御する。
【0042】
変形例1によっても、正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0043】
(変形例2)
変形例2を説明する。カットデータに基づく髪型の展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、変形例2の表示制御部502は、カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを示す画像をスマートグラス120の表示部304に表示するよう制御する。例えば、表示制御部502は、利用者から受け取ったカットデータと、第1の生成部503が生成しているカットデータと、を比較し、第1の生成部503が生成しているカットデータのうち、利用者から受け取ったカットデータと異なる箇所がある場合、異なる箇所及び異なる箇所に関する情報の何れか又は双方を示す画像をスマートグラス120の表示部304に表示するよう制御する。例えば、表示制御部502は、「右に○○センチズレています!」とか、「5mmほど深くハサミを入れすぎています!」等の情報をスマートグラス120の表示部304に表示するようにしてもよい。また、例えば、表示制御部502は、異なりを治すための本来あるべき手の位置、電子バサミ130の角度等の重畳画像をスマートグラス120の表示部304に表示するようにしてもよい。
【0044】
変形例2によれば、ユーザから提供されたカットデータに基づく髪型の展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、重畳画像を用いて美容師にそのことを知らせることができるので、より正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0045】
(変形例3)
変形例3を説明する。図8は、変形例3のサーバ装置100の機能構成の一例を示す図である。変形例3のサーバ装置100は、機能構成として、上述したサーバ装置100に比べて、通知制御部801を更に含む。カットデータに基づく髪型の展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、通知制御部801は、カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを、電子バサミ130を介して利用者の髪をカットする美容師に通知する。例えば、通知制御部801は、カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを示す情報を電子バサミ130に送信する。電子バサミ130は、サーバ装置100よりカットデータに対応する位置から外れた位置にあることを示す情報を受信すると、出力部403を介して、音を出力したり、色を出力したりして美容師に通知する。
【0046】
例えば、表示制御部502は、利用者から受け取ったカットデータと、第1の生成部503が生成しているカットデータと、を比較し、第1の生成部503が生成しているカットデータのうち、利用者から受け取ったカットデータと異なる箇所がある場合、カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを示す情報を電子バサミ130に送信する。
【0047】
変形例3によれば、ユーザから提供されたカットデータに基づく髪型の展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、電子バサミ130を介して美容師にそのことを知らせることができるので、より正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0048】
(変形例4)
変形例4を説明する。図9は、変形例4の情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図9に示されるように、変形例4の情報処理システム1000は、サーバ装置100を含まない。サーバ装置100の機能構成をスマートグラス120が有していてもよい。
【0049】
変形例4によれば、より簡便なシステム構成において、より正確にヘアスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0050】
(変形例5)
カットデータの生成は、上述した方法ではなく、他の方法でなされてもよい。例えば、ハサミ等で利用者の髪をカットした後に、位置を測定可能なデバイスで髪をはさみ、カットデータを生成するようにしてもよい。生成されたカットデータは、デバイスを介して、利用者の携帯端末装置110に格納されるか、サーバ装置150の利用者に関する所定の記憶領域に記憶される。
【0051】
(変形例6)
上述した実施形態等では、カットデータは、人の髪型のカットデータを例に説明を行った。しかし、カット対象は人に限られない。例えば、カット対象は、犬、猫等であってもよい。この場合、カットデータは、犬、猫等の毛のカットデータであってもよい。以下、説明の簡略化のため、犬を例に説明を行う。変形例6の表示制御部502は、カットデータに基づく、犬のトリミングの展開図に関する重畳画像がスマートグラス120の表示部304に表示されるよう制御する。変形例6では、スマートグラス120は犬の毛をカットするトリマーが装着する。
【0052】
変形例6によれば、より正確に犬や猫等のトリミングのスタイルを再現する技術を提供することができる。
【0053】
(付記)
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、受取部を有し、前記受取部は、前記利用者の携帯端末装置から前記カットデータを受け取り、前記表示制御部は、前記受取部が受け取った前記カットデータに基づく前記重畳画像が前記表示デバイスに表示されるよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、受取部を有し、前記受取部は、サーバ装置より前記利用者の前記カットデータを受け取り、前記表示制御部は、前記受取部が受け取った前記カットデータに基づく前記重畳画像が前記表示デバイスに表示されるよう制御する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、前記表示制御部は、前記カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを示す画像を前記表示デバイスに表示する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、通知制御部を有し、前記展開図に対応する位置から外れた位置で髪がカットされている場合、前記通知制御部は、前記カットデータに対応する位置から外れた位置にあることを、前記電子バサミを介して前記利用者の髪をカットする人物に通知する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、第1の生成部を有し、前記第1の生成部は、電子バサミの軌跡に基づいて、カットデータを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、第2の生成部を有し、前記第2の生成部は、前記ユーザの毛量調整データを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記第2の生成部は、操作者による操作に基づき、前記ユーザの毛量調整データを生成する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、出力部を有し、前記出力部は、前記カットデータと、前記毛量調整データと、をセットにして出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力部は、前記カットデータと、前記毛量調整データと、をセットにして前記利用者の携帯端末装置に出力する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記出力部は、前記カットデータと、前記毛量調整データと、をセットにしてサーバ装置に出力する、情報処理装置。
情報処理装置であって、表示制御部を有し、前記表示制御部は、カットデータに基づく展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、カット対象に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、カットを行う人物が装着する、情報処理装置。
情報処理システムであって、表示制御部を有し、前記表示制御部は、カットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、利用者の頭に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、前記利用者の髪をカットする人物が装着する、情報処理システム。
情報処理システムであって、表示制御部を有し、前記表示制御部は、カットデータに基づく展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、カット対象に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、カットを行う人物が装着する、情報処理システム。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の工程と、第2の工程と、を含み、前記第1の工程では、カットデータを受け取り、前記第2の工程では、前記カットデータに基づく髪型の展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、利用者の頭に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、前記利用者の髪をカットする人物が装着する、情報処理方法。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の工程と、第2の工程と、を含み、前記第1の工程では、カットデータを受け取り、前記第2の工程では、カットデータに基づく展開図に関する重畳画像が表示デバイスに表示されるよう制御し、前記重畳画像は、カット対象に重畳されるように表示され、前記表示デバイスは、カットを行う人物が装着する、
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の各部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0054】
例えば、上述のプログラムを記憶する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
また、上述した例では、美容院及び美容師を例に説明を行ったが、理容室及び理容師であってもよい。
【0055】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0056】
100 :サーバ装置
110 :携帯端末装置
120 :スマートグラス
130 :電子バサミ
150 :サーバ装置
201 :制御部
202 :記憶部
203 :通信部
301 :制御部
302 :記憶部
303 :撮像部
304 :表示部
305 :音声出力部
306 :通信部
401 :制御部
402 :記憶部
403 :出力部
404 :通信部
501 :受取部
502 :表示制御部
503 :第1の生成部
504 :第2の生成部
505 :出力部
801 :通知制御部
1000 :情報処理システム
図1
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図9