(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】自立型差し金
(51)【国際特許分類】
G01B 3/04 20060101AFI20240725BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G01B3/04
E04G21/18 A
(21)【出願番号】P 2022015227
(22)【出願日】2022-01-17
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】516018728
【氏名又は名称】吉田 修一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 修一
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-017394(JP,U)
【文献】特開2001-317902(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0054296(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00- 3/08
G01B 3/11- 3/56
E04G 21/14-21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
自立片を短辺部に設けてなる請求項1記載の自立型差し金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自立片を有する自立型の差し金に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、差し金は多用されているが、本発明にて示すような自立型のものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
差し金は、鋼や真鍮で作った板状で直角に折れ曲がった形の物差しで、距離や直角度などを測定するもので、おもに大工が木材を工作する場合に用いるものである。
しかし、自立機能を有さないので、手で測定対象物に押さえつけて固定させて用いなければならず、その扱いには慣れが必要であり、より簡便に使うことの出来る差し金が望まれている。
本発明は以上に鑑み、従来形状の差し金の一辺に自立辺を一体化して設けることにて、従来の不便さを解消することのできる、新規かつ有用なる差し金を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、細長の長辺部と細長の短辺部とからなる正面視L形の金属板を設け、該長辺部の下端に、側面視にて該長辺部と直角となる所定幅の細長形状の自立片を上記長辺部に一体に設けるとともに、この自立片の中央上に該長辺部が位置し、この長辺部および短辺部に各々目盛を設ける。
本発明は以上の構成よりなる自立型差し金である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、従来の差し金と異なり、自立片を設けているので、木材等の測定対象物上に自立して載置することが出来るので、より容易な測定を可能とする有用なる物品を得ることが出来る。なお、この自立片は、
図7にて示す別例のごとく短辺部に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は長辺部、2は短辺部、3は自立片である。4は長辺部目盛、5は短辺部目盛である。長辺部および短辺部は金属製板状の細長長方形部分で、正面視において互いに直角となるL形部分で、双方は一体化している。
3の自立片は、長辺部と一体化している部分であって、細長長方形であり、その長さは長辺部と同一である。また、この自立片は側面視において、長辺部と直角となっており、この自立片の中央上に長辺部が位置している。この長辺部には長辺部目盛が、短辺には短辺部目盛が各々刻設されている。以上が本発明の一実施形態である。
【0008】
次ぎに、本発明の使用について説明する。
従来の差し金は、単なる目盛りの付いたL形の板体のため、使用時はその差し金を手で支えていなければならないが、本発明には自立片があるので、木材の平面部に本品を置くと、この自立片下面は木材上に当接し、短辺部は直立して位置する。そのために、この差し金から手を離しても差し金は直立状態を維持するので、寸法測定や直角度の測定を容易に行うことが出来る。
【0009】
つまり、従来品を用いて木材の水平などを測るためには、手で差し金を支える必要があるが本発明は自立する構造になっているので、置くだけで作業が出来て正確で早い作業をすることができるのである。従来の差し金には自立機能がないので、手で支えなければならず、差し金の押さえ方によっては左右にぐらついて正確に測ることが困難であったが、本発明では自立機能にて正しく容易に測定することができる。
【0010】
以上、本発明について記したが、既述のごとく自立機能を有し、安定直立で一人での作業を可能として、従来品に比べてより容易正確な測定を行うことが出来る。
なお、
図9は下げ振り7を用いた場合であって、図の矢印の距離を下げ振りの糸の上と下とで測って比較することにて正しい水平位置を測ることが出来る。
また、体の不自由な人、指の不自由な人、片腕の人でも上記の測定作業を行うことが出来る。
以上のごとく、本発明によってより容易正確な計測を行うことを可能とする有用なる物品としての差し金を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0011】
1 長辺部
2 短辺部
3 自立片
4 長辺部目盛
5 短辺部目盛
6 短辺部自立片
7 下げ振り