(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】動画データ処理プログラム、動画データ処理方法、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/488 20110101AFI20240725BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20240725BHJP
H04L 51/04 20220101ALI20240725BHJP
H04L 51/52 20220101ALI20240725BHJP
H04L 51/10 20220101ALI20240725BHJP
【FI】
H04N21/488
H04N21/431
H04L51/04
H04L51/52
H04L51/10
(21)【出願番号】P 2023072096
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2020085983の分割
【原出願日】2019-08-05
【審査請求日】2023-04-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成31年4月26日~令和1年5月6日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://le.wrightflyer.net/reality/,https://reality-public.akamaized.net/viewer/download.htmlで特定されるvTuber専用ライブアプリ「REALITY」で開催された「GWチームバトル」において、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成31年4月23日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://reality-notice.wrightflyer.net/180fde13eff5a1236a71156f469312e6dde7bee0.html(https://reality-notice.wrightflyer.net/d65ef14afce6007410149e4e5c1410aa571cd686.html?t=1557397810と同様)にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成31年4月23日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://twitter.com/WFLE_REALITY/,https://twitter.com/wfle_reality/status/1120613765966225408,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1120613869360050177,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1121700499227435009,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1125324462013014021,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1126434437598593024にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和1年6月17日~令和1年6月23日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://le.wrightflyer.net/reality/,https://reality-public.akamaized.net/viewer/download.htmlで特定されるvTuber専用ライブアプリ「REALITY」で開催された「ケモミミチームバトル」において、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和1年6月14日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://reality-notice.wrightflyer.net/de2d8d3d5a14ac33b02ff84e800b1861c49645e0.html(https://reality-notice.wrightflyer.net/de2d8d3d5a14ac33b02ff84e800b1861c49645e0.html?t=1560501824と同様)にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和1年6月14日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://twitter.com/WFLE_REALITY/,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1139465259989626880,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1140544687763152896,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1140544951480020992,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1144168604906086400,https://twitter.com/WFLE_REALITY/status/1144169028908228609にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和1年5月9日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://reality-notice.wrightflyer.net/d65ef14afce6007410149e4e5c1410aa571cd686.html(https://reality-notice.wrightflyer.net/d65ef14afce6007410149e4e5c1410aa571cd686.html?t=1557395962と同様)にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、令和1年6月27日、株式会社 Wright Flyer Live Entertainmentは、ウェブサイトhttps://reality-notice.wrightflyer.net/402a4563af334385c3d8ef4953899364f3fadd6a.html(https://reality-notice.wrightflyer.net/402a4563af334385c3d8ef4953899364f3fadd6a.html?t=156265と同様)にて、高桑宗一郎が発明した動画配信システム、動画配信方法、情報処理装置及び動画配信プログラムについて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高桑 宗一郎
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特許第6545349(JP,B1)
【文献】特開2019-071959(JP,A)
【文献】特許第6378850(JP,B1)
【文献】特許第6526898(JP,B1)
【文献】特開2012-093734(JP,A)
【文献】特許第6491388(JP,B1)
【文献】特許第6431233(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04L 51/04
H04L 51/52
H04L 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至複数のコンピュータを、
参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をサーバに送信する参加要求送信部と、
動画の配信を開始することによって、前記動画を表示するためのデータを前記サーバに送信するデータ送信部と、
前記イベントの開催中に前記イベントへの参加要求を送信した他のユーザが動画の配信を開始した場合に、当該他のユーザが属するグループを識別可能に表示部に表示するグループ表示部と、
前記イベントの開催中に、前記サーバから受信した動画データに基づく動画を前記表示部に表示する第1表示制御部と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果をサーバから受信し、受信した前記評価結果を表示する結果表示部として機能させる
動画データ処理プログラム。
【請求項2】
前記第1表示制御部は、前記動画を配信する他のユーザの動作情報を適用したアバターオブジェクトの動画を含む動画データを前記表示部に出力する
請求項1に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項3】
前記グループ表示部は、前記アバターオブジェクトの所定部位に関連付けられた装着オブジェクトであって前記グループ毎に異なる装着オブジェクトを表示することによって、前記イベントへの参加要求を送信したユーザが属するグループを識別可能に表示する
請求項2に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項4】
前記第1表示制御部は、ユーザ装置に設けられた撮影装置により撮影された撮影データに基づく現実世界の動画を含む動画データを出力する
請求項1~3のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記動画へのオブジェクトの表示要求を送信する表示要求送信部としてさらに機能させ、
前記結果表示部は、前記第1の評価値及び前記第2の評価値に加え、前記グループ毎の前記オブジェクトの表示要求に基づき得られる第3の評価値に基づき評価された評価結果を表示する
請求項1~4のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記表示要求の対象のギフトオブジェクトとともに、前記表示要求を行ったユーザに関連付けられたメッセージを表示するメッセージ表示部としてさらに機能させる
請求項5に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項7】
前記グループ表示部は、動画配信リストに、動画を配信する他のユーザが属するグループを示す指標を表示する
請求項1~6のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記グループの評価後に配信される動画において、前記グループの評価結果に応じて付与された報酬に関する情報を前記サーバから受信し、前記報酬を、前記動画に表示する報酬表示部として機能させる、請求項1~7のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項9】
前記報酬表示部は、前記グループに属するユーザの動作情報が適用されるアバターオブジェクトの所定部位に関連付けられた装着オブジェクトであって、前記グループに属するユーザに共通する装着オブジェクトを前記報酬として表示する
請求項8に記載の動画データ処理プログラム。
【請求項10】
1乃至複数のコンピュータが、
参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をサーバに送信する参加要求送信工程と、
動画の配信を開始することによって、前記動画を表示するためのデータを前記サーバに送信するデータ送信工程と、
前記イベントの開催中に前記イベントへの参加要求を送信した
他のユーザが動画の配信を開始した場合に、当該他のユーザが属するグループを識別可能に表示部に表示するグループ表示工程と、
前記イベントの開催中に、前記サーバから受信した動画データに基づく動画を前記表示部に表示する第1表示制御工程と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果をサーバから受信し、受信した前記評価結果を表示する結果表示工程と、を実行する
動画データ処理方法。
【請求項11】
参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をユーザが用いるユーザ装置から受信し、前記ユーザに前記グループを関連付けて登録するグループ登録部と、
前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計部と、
前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計部と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価部と、を備える
情報処理システム。
【請求項12】
ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な1乃至複数のコンピュータが、
参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をユーザが用いるユーザ装置から受信し、前記ユーザに前記グループを関連付けて登録するグループ登録工程と、
前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計工程と、
前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計工程と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価工程と、を実行する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画データ処理プログラム、動画データ処理方法、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アクターの動きに基づいてキャラクタオブジェクトのアニメーションを生成し、かかるキャラクタオブジェクトのアニメーションを含む動画を配信する動画配信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の動画配信システムにおいて、動画に、視聴ユーザの操作によって任意のオブジェクトを表示させるものが提案されている。視聴ユーザにより動画に表示させるオブジェクトは、例えば、装着オブジェクトへのギフトオブジェクト等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような動画配信システムにおいては、動画を配信する配信ユーザは、他の配信ユーザの動画を視聴する視聴ユーザともなりうる。配信ユーザ同士の交流が活発化すれば、これに起因して動画配信システム全体の交流も活発化されることが期待される。そして、動画配信システム全体の交流が活発化されることによって、動画の視聴時間、視聴ユーザ数、視聴回数が増加を図ることができる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、動画を配信する配信ユーザ同士の交流を活発化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する動画処理プログラムは、1乃至複数のコンピュータを、参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をサーバに送信する参加要求送信部と、動画の配信を開始することによって、前記動画を表示するためのデータを前記サーバに送信するデータ送信部と、前記イベントの開催中に前記イベントへの参加要求を送信した他のユーザが動画の配信を開始した場合に、当該他のユーザが属するグループを識別可能に表示部に表示するグループ表示部と、前記イベントの開催中に、前記サーバから受信した動画データに基づく動画を表示部に表示する第1表示制御部と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果をサーバから受信し、受信した前記評価結果を表示する結果表示部として機能させる。
上記課題を解決する動画データ処理方法は、1乃至複数のコンピュータが、参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をサーバに送信する参加要求送信工程と、動画の配信を開始することによって、前記動画を表示するためのデータを前記サーバに送信するデータ送信部と、前記イベントの開催中に、前記イベントへの参加要求を送信したユーザが動画の配信を開始した場合に、当該他のユーザが属するグループを識別可能に表示部に表示するグループ表示工程と、前記イベントの開催中に、前記サーバから受信した動画データに基づく動画を前記表示部に表示する第1表示制御工程と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果をサーバから受信し、受信した前記評価結果を表示する結果表示工程と、を実行する。
上記課題を解決する情報処理システムは、参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をユーザが用いるユーザ装置から受信し、前記ユーザに前記グループを関連付けて登録するグループ登録部と、前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計部と、前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計部と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価部と、を備える。
上記課題を解決する情報処理方法は、ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な1乃至複数のコンピュータが、参加の対象のグループの識別情報を含むイベントへの参加要求をユーザが用いるユーザ装置から受信し、前記ユーザに前記グループを関連付けて登録するグループ登録工程と、前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計工程と、前記グループに属するユーザが用いる前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計工程と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価工程と、を実行する。
上記課題を解決する動画処理プログラムは、1乃至複数のコンピュータを、動画を配信する配信モードと、他のユーザが配信する動画を視聴する視聴モードとを切り替えるモード切替部と、動画配信リストの中から動画を選択して動画の視聴を開始することによって、動画データに基づく動画を表示部に表示する第1表示制御部と、ユーザが動画の配信を開始することによって、前記動画を視聴する視聴ユーザが用いるユーザ装置の画面に、前記ユーザが属するグループを識別可能に表示するグループ表示部と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値と、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値とに基づき前記グループが評価された評価結果を表示する結果表示部と、前記グループの評価後に配信される動画において、前記グループの評価結果に応じて付与された報酬を、前記報酬が付与されたユーザと関連付けて前記動画に表示する報酬表示部として機能させる。
【0008】
上記課題を解決する動画データ処理方法は、1乃至複数のコンピュータが、動画を配信する配信モードと、他のユーザが配信する動画を視聴する視聴モードとを切り替えるモード切替工程と、動画配信リストの中から動画を選択して動画の視聴を開始することによって、動画データに基づく動画を表示部に表示する第1表示制御工程と、ユーザが動画の配信を開始することによって、前記動画を視聴する視聴ユーザが用いるユーザ装置の画面に、前記ユーザが属するグループを識別可能に表示するグループ表示工程と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値と、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値とに基づき前記グループが評価された評価結果を表示する結果表示工程と、前記グループの評価後に配信される動画において、前記グループの評価結果に応じて付与された報酬を、前記報酬が付与されたユーザと関連付けて前記動画に表示する報酬表示工程とを実行する。
【0009】
上記課題を解決する情報処理装置は、ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な情報処理装置であって、ユーザにグループを関連付けて登録するグループ登録部と、動画を視聴する視聴モードの前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計部と、動画を配信する配信モードの前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計部と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値と、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値とに基づき前記グループを評価する評価部と、前記グループの評価結果に応じて前記グループに属するユーザに報酬を付与する報酬付与部とを備える。
【0010】
上記課題を解決する情報処理方法は、ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な1乃至複数のコンピュータが、ユーザにグループを関連付けて登録するグループ登録工程と、視聴モードの前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計工程と、配信モードの前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計工程と、前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値と、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値とに基づき前記グループを評価する評価工程と、前記グループの評価結果に応じて前記グループに属するユーザに報酬を付与する報酬付与工程とを実行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、動画を配信する配信ユーザ同士の交流を活発化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】動画配信システムの第1実施形態を示す模式図。
【
図2】同実施形態のサーバに格納されるデータの構成を示し、(a)はユーザ管理情報、(b)は保有リスト情報、(c)はギフトオブジェクト情報、(d)はイベント情報を示す図。
【
図3】同実施形態における現実空間でのユーザ装置とユーザとの位置関係を示す模式図。
【
図4】同実施形態におけるイベントを説明する概念図。
【
図5】同実施形態のユーザ装置に表示されるイベント参加画面の説明図。
【
図6】同実施形態のユーザ装置に表示される動画画面の一例を示す図。
【
図7】同実施形態のユーザ装置に表示される動画配信リストの一例を示す図。
【
図8】同実施形態のユーザ装置に表示される画面であって、(a)は動画が表示された画面、(b)はギフトボタンが操作された場合に表示される視聴画面、(c)はギフトオブジェクトが表示された視聴画面を示す。
【
図9】同実施形態におけるイベント後の動画の画面の一例を示す図。
【
図10】同実施形態のイベントにおいてギフトオブジェクトに基づくポイントを累積する手順を示すフローチャート。
【
図11】同実施形態のイベントにおいて、異なる評価軸に基づいて順位を決定する手順を示すフローチャート。
【
図12】第2実施形態におけるイベント中に表示される動画画面の一例を示す図。
【
図13】同実施形態において、イベント中に共通の装着オブジェクトを付与する手順を示すフローチャート。
【
図14】変形例のユーザ装置に表示される視聴画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して動画配信システムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、動画配信システム11は、複数のユーザ装置12とサーバ13とを備える。動画配信システム11は、ユーザが、ユーザ装置12を用いて、ユーザに対応するアバターオブジェクトを含む動画を、サーバ13を介して他のユーザが用いるユーザ装置12に配信するシステムである。ユーザ装置12には、動画を視聴及び配信するための動画アプリケーションプログラムがインストールされている。以下、動画を配信するユーザを「配信ユーザ」、配信ユーザにより配信された動画を視聴するユーザを「視聴ユーザ」といい、これらを区別しない場合には単に「ユーザ」という。配信ユーザは、自身が動画を配信していない場合には、他の配信ユーザが配信する動画を視聴する視聴ユーザにもなりうる。なお、ユーザ装置12は、配信装置及び視聴装置に対応する。
【0014】
(ユーザ装置)
ユーザ装置12は、スマートフォン(多機能電話端末)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、コンソールゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルコンピュータ、及びこれらの装置以外の動画を再生可能な情報処理装置である。
【0015】
ユーザ装置12は、コンピュータプロセッサ20、メモリ21、ストレージ22(記憶媒体)、通信インターフェース(I/F)23を備える。コンピュータプロセッサ20は、ストレージ22又はそれ以外のストレージからオペレーティングシステムやその他のプログラムをメモリ21にロードし、メモリ21から取り出した命令を実行する演算装置である。コンピュータプロセッサ20は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、NPU(Neural network Processing Unit)等の1乃至複数の演算回路である。通信I/F23は、ネットワーク14を介して、サーバ13及び他のユーザ装置12とデータを送受信することができる。ネットワーク14は、ローカルエリアネットワーク、インターネット等、各種のネットワークを含む。通信I/F23は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0016】
メモリ21は、コンピュータプロセッサ20が直接的に読み出し及び書き込みが可能な主記憶装置(記録媒体)であり、半導体メモリ等から構成される。ストレージ22は、補助記憶装置(記録媒体)であり、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体である。ストレージ22は、複数のストレージを組み合わせて用いることもできる。ストレージ22には、動画アプリケーションプログラム22A、アバターオブジェクトを描画するためのアバターデータ22B、動画アプリケーションプログラム22Aを実行するためのその他の情報が格納されている。動画アプリケーションプログラム22Aは、動画配信プログラム及び動画視聴プログラムを含み、ユーザの指示に応じて、ユーザ自身が動画を配信する配信モードと、他の配信ユーザが配信する動画を視聴する視聴モードとに切り替えられる。アバターデータ22Bは、3次元のアニメーションを生成するための3次元モデルデータである。ユーザ装置12は、アバターデータ22Bを、サーバ13から所定のタイミングで取得する。例えば、アバターデータ22Bは、骨格データ、骨格データに追従してアバターオブジェクトをレンダリングするメッシュデータを有している。アバターデータ22Bは、少なくとも頭部、目、口、髪等を動かすことが可能なモデルデータである。
【0017】
また、ユーザ装置12は、センサユニット24、スピーカ25、マイク26、操作部27、ディスプレイ28を備える。センサユニット24、スピーカ25、マイク26、操作部27及びディスプレイ28の少なくとも一つは、コンピュータプロセッサ20と同じ装置として設けられていてもよく、別体として設けられていてもよい。なお、センサユニット24は検出部に対応し、ディスプレイ28は表示部に対応する。
【0018】
センサユニット24は、ユーザの表情の変化(瞬きや口の開閉等を含む)、頭部の動き、センサユニット24に対するユーザの相対位置の変化を検出するセンサ群である。例えば、センサユニット24は、ユーザに向かって赤外線を射出する射出部及びユーザの顔等に反射した赤外線を検出する赤外線カメラと、ユーザの顔を撮影するカメラ及びカメラが撮影したデータを画像処理する画像処理部との少なくとも一方を有する。又は、センサユニット24は、これ以外のセンサであってもよいし、例えば、加速度センサやジャイロセンサ等といった上記のセンサ以外のセンサをさらに組み合わせてもよい。
【0019】
スピーカ25は、音声データを音声に変換して出力する。マイク26は、ユーザが発話した音声を入力し、音声データに変換する。操作部27は、ディスプレイ28と一体化されたタッチパネルや、ユーザ装置12の筐体等に設けられた操作ボタン、キーボード、マウス、コントローラ等である。ディスプレイ28は、コンピュータプロセッサ20の出力指示に応じて、各種画像を出力する。
【0020】
コンピュータプロセッサ20は、ストレージ22に記憶された動画アプリケーションプログラム22Aを実行することにより、アプリケーション管理部20A、モーションデータ生成部20B、表示制御部20Cとして機能する。アプリケーション管理部20Aは、動画アプリケーションプログラムを管理する。アプリケーション管理部20Aは、操作部27からの要求又はサーバ13からの要求を入力して、それらの要求の内容に応じて、要求をモーションデータ生成部20B又は表示制御部20Cへ出力する。また、アプリケーション管理部20Aは、モーションデータ生成部20B及び表示制御部20Cからの要求をサーバ13へ送信したり、サーバ13から受信した各種データをストレージ22に記録したりする。なお、アプリケーション管理部20Aは、送信部及び表示要求送信部に対応し、モーションデータ生成部20Bは、動作検出部に対応し、表示制御部20Cは、オブジェクト表示部、一覧表示部、報酬表示部に対応する。
【0021】
モーションデータ生成部20Bは、センサユニット24から、ユーザの表情、頭部の動き、センサユニット24に対するユーザの相対位置を検出した検出データを取得する。また、モーションデータ生成部20Bは、取得した検出データをアバターデータ22Bに適用してモーションデータを生成する。
【0022】
表示制御部20Cは、配信モードにおいて、検出データを適用したアバターオブジェクトを表示しつつ、サーバ13から受信したデータを表示する。表示制御部20Cは、配信モードにおいて、自身が生成した動画データとサーバ13から受信したデータとを組み合わせて動画をディスプレイ28に出力してもよいし、動画を表示するためのデータ全体をサーバ13から受信してディスプレイ28に出力してもよい。また、表示制御部20Cは、動画を配信又は視聴していない場合に、アプリケーション管理部20Aの要求に応じて、ストレージ22に記憶された画像データを読み出して、ディスプレイ28に各種の画面を表示する。このような画面が表示される場合は、配信ユーザによって自身のアバターオブジェクトが編集される場合や、動画アプリケーションプログラムの設定が行われる場合等が含まれる。さらに、表示制御部20Cは、視聴モードにおいて、サーバ13から受信した動画データを用いて動画を再生する。表示制御部20Cは、サーバ13からダウンロードしストレージ22に記憶したデータファイルを再生してもよいし、サーバ13からデータを受信しながら再生するストリーミング再生を行ってもよい。
【0023】
(サーバ)
次にサーバ13について説明する。サーバ13は、動画を配信するためのプラットフォームサービスを提供するサービス提供者等が用いるものである。サーバ13は、コンピュータプロセッサ30と、メモリ31と、ストレージ32と、通信I/F33とを備えている。コンピュータプロセッサ30は、ユーザ装置12のコンピュータプロセッサ20と同様な構成である。コンピュータプロセッサ30は、複数の演算回路を組み合わせて構成されていてもよい。また、メモリ31、ストレージ32、通信I/F33は、ユーザ装置12と同じ構成である。サーバ13は複数の装置から構成されていてもよく、コンピュータプロセッサ30、メモリ31、ストレージ32、通信I/F33はそれらの装置に分散されて設けられていてもよい。
【0024】
ストレージ32には、配信プログラム32Aが格納されている。コンピュータプロセッサ20は、配信プログラム32Aを実行することにより、配信管理部30A、動画生成部30B、及び購入処理部30Cとして機能する。なお、配信管理部30Aは、動画配信部、グループ登録部、第1評価部、第2評価部、第3評価部、順位決定部、付与部に対応する。
【0025】
配信管理部30Aは、ユーザ装置12から受信した各種データをストレージ32に記憶するとともに、ユーザ装置12から受信した要求に基づき、動画生成部30B、及び購入処理部30Cに要求を出力する。さらに、配信管理部30Aは、動画生成部30B及び購入処理部30Cからの要求を受信して、ユーザ装置12に送信する。具体的には、配信管理部30Aは、ユーザ装置12からの要求に応じて、配信中の動画のリストを送信する。配信管理部30Aは、ユーザ装置12からリクエストされた動画の識別情報を受信すると、動画生成部30Bが生成した動画データを、リクエストを行ったユーザ装置12に配信する。また、配信管理部30Aは、動画生成部30Bが生成した動画データ全体又は動画に対して投稿されたメッセージや表示要求が行われたオブジェクトのデータ等といった動画データの一部を配信ユーザのユーザ装置12にも配信する。これにより、配信ユーザは、ユーザ装置12の画面にて、メッセージや表示要求の行われたオブジェクトを見ることができる。
【0026】
動画生成部30Bは、物理演算エンジンを含み、配信ユーザが用いるユーザ装置12から受信したアバターオブジェクトのモーションデータを用いて、音声及び画像を含めた仮想空間の動画を生成する。また、動画生成部30Bは、動画を視聴する視聴ユーザが用いるユーザ装置12から、視聴中の動画へのオブジェクトの表示要求、及びメッセージの表示要求を受信し、表示要求に応じた処理を行う。表示要求が行われるオブジェクトは仮想空間内に表示されるオブジェクトであって、視聴ユーザから、動画を配信する配信ユーザに提供されるギフトオブジェクトを含む。ギフトオブジェクトは、対価を支払わずに表示要求を行うことのできるものであってもよく、対価を払うことによって表示要求を行うものであってもよい。又は、ギフトオブジェクトは、表示要求に応じて表示がなされた場合に対価を支払うものであってもよい。
【0027】
さらに、動画生成部30Bは、ユーザ装置12から受信したメッセージを動画に表示させるための処理を行う。メッセージには、メッセージの内容の他、視聴ユーザの識別情報(ユーザのアカウント名等)、投稿日時等が含まれる。
【0028】
購入処理部30Cは、ユーザの操作にしたがって、オブジェクトの購入処理を行う。購入処理には、動画アプリケーションプログラム内で利用可能なコイン等の対価の購入、コイン等の対価(媒体)を支払って有償オブジェクトを入手する購入、無償オブジェクトの取得のほか、オブジェクトの交換、売却、譲渡の処理も行う。なお、無償オブジェクトは、対価を全く必要としないものであってもよく、動画の視聴により獲得可能なポイントと交換可能なものであってもよい。購入処理部30Cは、購入されたオブジェクトを、ユーザによって保有されるものとしてサーバ13に記憶する。購入可能なオブジェクトの売上は、例えば配信ユーザ及びサービス提供者に分配される。
【0029】
次に、サーバ13のストレージ32に格納された各種のデータについて説明する。ストレージ32には、アセットデータ32B、ユーザ管理情報32C、保有リスト情報32D、ギフトオブジェクト情報32E及びイベント情報32Fが格納されている。
【0030】
アセットデータ32Bは、動画を構成する仮想空間を描画するためデータである。具体的には、アセットデータ32Bには、仮想空間の背景を描画するためのデータ、効果音等のオーディオデータ、動画に表示される各種オブジェクトを描画するための3次元モデルデータ(オブジェクトモデルデータ)、テクスチャデータ等が含まれる。
【0031】
オブジェクトモデルデータに含まれるオブジェクトは、ユーザの利用形態によって区別される。具体的には、配信ユーザが表示させることのできるオブジェクトのほか、視聴ユーザから配信ユーザに提供されるギフトオブジェクトが含まれる。ギフトオブジェクトには、エフェクトオブジェクトと、装着オブジェクトと、通常オブジェクトとが含まれる。エフェクトオブジェクトは、配信動画の視聴画面全体の印象に影響を与えるオブジェクトであり、例えば紙吹雪を模したオブジェクトや、花火を模したオブジェクト等である。装着オブジェクトは、アバターオブジェクトの特定の部位と関連付けて表示画面に表示されるオブジェクトである。装着オブジェクトは、例えば、アバターオブジェクトに装着されるアクセサリー(帽子、めがね、ネコミミ等)、衣服(Tシャツなど)、コスチューム、及びこれら以外のアバターオブジェクトに装着可能なオブジェクトである。装着オブジェクトは、視聴ユーザから提供された後、配信ユーザに選択されることによってアバターオブジェクトに装着される。通常オブジェクトは、仮想空間内に物体として配置される装着オブジェクト以外のギフトオブジェクトであって、例えばぬいぐるみや花束を模したオブジェクトである。
【0032】
次に
図2(a)を参照して、ユーザ管理情報32Cについて説明する。ユーザ管理情報32Cは、ユーザ毎に記憶されている。ユーザ管理情報32Cは、ユーザの識別情報(ユーザID)、ユーザの動画の配信履歴、動画の視聴履歴等を含む。また、ユーザ管理情報32Cは、コイン、ポイントを含む。コインは、動画アプリケーションプログラム、又はそれを提供しているプラットフォームサービス上で利用可能な媒体であって、ユーザによって購入されたものである。コインは、ギフトオブジェクト等のオブジェクトや動画アプリケーションプログラムで利用可能な他の媒体と交換することができる。ポイントは、動画を視聴することで視聴ユーザに付与される視聴ボーナスポイントを含む。なお、動画アプリケーションプログラム等で利用可能な媒体及び仮想空間に配置可能なオブジェクトを区別しない場合には「要素」として説明する。
【0033】
図2(b)を参照して、保有リスト情報32Dについて説明する。保有リスト情報32Dは、ユーザ毎に記憶されている。保有リスト情報32Dには、ユーザの識別情報(ユーザID)、ユーザが配信する動画に表示可能な保有オブジェクトの識別情報が含まれている。なお、保有オブジェクトは、例えば、帽子、Tシャツ、ネコミミ等である。また、保有リスト情報32Dには、保有オブジェクトがアバターオブジェクトに装着ができるか否かを示す情報と、装着部位とが含まれている。装着部位は、保有オブジェクトが装着オブジェクトである場合に、アバターオブジェクトのいずれの部位に装着できるかを示す情報である。ユーザの保有リスト情報32Dに含まれるオブジェクトは、ユーザ自身が配信する動画内で用いることができる。
【0034】
図2(c)を参照して、ギフトオブジェクト情報32Eについて説明する。ギフトオブジェクト情報32Eは、ユーザ毎に記憶されている。ギフトオブジェクト情報32Eは、配信ユーザの識別情報(ユーザID)、ギフトオブジェクトの識別情報、ギフトオブジェクト毎の個数、ギフトオブジェクトを提供した視聴ユーザの識別情報が含まれる。
【0035】
図2(d)を参照して、イベント情報32Fについて説明する。イベント情報32Fは、動画配信サービスで開催されるチーム対抗イベントの履歴を記録した情報である。イベント情報32Fは、チーム毎に、そのチームに属するユーザの識別情報、視聴時間、配信日数、無償ギフトオブジェクトに基づく第1累計ポイント、有償ギフトオブジェクトに基づく第2累計ポイント等を含む。
【0036】
視聴時間は、イベント期間中に、配信ユーザが配信する動画が視聴された時間を累計したものである。例えば、イベント期間中の1回目の動画の配信につき、「視聴ユーザA」が「20分間」、「視聴ユーザB」が「15分間」、「視聴ユーザC」が「10分間」視聴したとすると、その配信回における動画の視聴時間は「45分間」である。また、イベント期間中の2回目の動画の配信における視聴時間が「100分間」だった場合には、イベント情報32Fの視聴時間(「45分間」)に「100分間」が加算され、視聴時間は「145分間」となる。自身が配信する動画の「視聴時間」が長くなる配信ユーザには、過去に交流がある視聴ユーザ、友達関係にある視聴ユーザ、及び複数の配信回数に亘って視聴を行うリピーターの少なくとも一つが多い配信ユーザが含まれる。つまり、このような配信ユーザは、ギフトオブジェクトの多さに関わらず、配信を開始すれば、関係のある視聴ユーザが視聴をしてくれるユーザである。
【0037】
配信日数は、配信ユーザがイベント期間中に配信を行った日数を示す。この「配信日数」が長くなる配信ユーザには、リピーターや、多くのギフトオブジェクトを提供する熱心なファンはいなくても、配信を継続して行うことのできるユーザが含まれる。つまり、このような配信ユーザとしては、配信を開始したばかりのユーザ等である。
【0038】
第1累計ポイントは、動画に表示要求されたギフトオブジェクトが無償ギフトオブジェクトである場合に累計されるポイントである。無償ギフトオブジェクト1つにつき、所定のポイントを第1累計ポイントに加算してもよいし、無償ギフトオブジェクトの種類に応じて付与するポイントを異ならせてもよい。例えば「星スタンプ」のギフトオブジェクトには「1ポイント」、「花火」のギフトオブジェクトは「5ポイント」を付与してもよい。第2累計ポイントは、動画に表示要求されたギフトオブジェクトが有償ギフトオブジェクトである場合に、有償ギフトオブジェクトの対価等に応じて累計されるポイントである。例えば、有償ギフトオブジェクトを得るために必要なコイン又はその他の媒体が高くなるほど、高いポイントが第2累計ポイントに付与されてもよい。第1累計ポイントや第2累計ポイントが高くなる配信ユーザには、熱心なファンである視聴ユーザが多い配信ユーザが含まれる傾向がある。
【0039】
図3を参照して、動画を配信するユーザとユーザ装置12との位置関係について説明する。なお、動画の配信に用いられるユーザ装置12及び視聴に用いられるユーザ装置12を、スマートフォンに具体化して説明する。配信ユーザ100は、少なくとも自身の顔がセンサユニット24の検出範囲101に含まれるようにユーザ装置12と対峙して、動画アプリケーションプログラムを実行する。このとき、配信ユーザ100は、配信アプリケーションプログラムを配信モードにする。さらに配信モードにおいて配信を開始する操作を行うと、ユーザ装置12からサーバ13にモーションデータが送信される。動画配信中において、配信ユーザ100が用いるユーザ装置12のディスプレイ28には、アバターオブジェクトを含む仮想空間の動画が表示される。動画の視点位置は、センサユニット24の位置である。アバターオブジェクトの位置は、配信ユーザ100とセンサユニット24との相対距離の変化に応じて変化する。例えば、配信ユーザ100が
図3中y方向に移動してセンサユニット24から遠ざかり、配信ユーザ100とユーザ装置12との相対距離Lが大きくなると、相対距離Lの変化がアバターキャラクタの仮想空間内の位置にも反映され、アバターキャラクタが画面奥行方向に移動する。
【0040】
図4を参照して、動画配信サービス内で行われるチーム対抗イベントについて説明する。チーム対抗イベントに参加する配信ユーザ100は、4つのチーム「A」~「D」のうちいずれかに属する。動画を視聴する視聴ユーザ102は、
図4中矢印で示すように、配信ユーザの動画を選択して、動画の視聴を行う。また、配信ユーザ100も、他の配信ユーザ100が配信する動画を視聴する視聴ユーザとなり、他の配信ユーザ100の動画の視聴を行う。
【0041】
チーム対抗イベントで、4つのチームが、異なる3つの評価軸のパラメータで評価される。各パラメータは、チーム毎の視聴時間(第1の評価軸)に関するパラメータ、配信日数(第2の評価軸)のパラメータ、及びギフトオブジェクトに基づく累計ポイント(第3の評価軸)である。視聴時間に関するパラメータは、チームに属する配信ユーザに対応するイベント情報32Fの視聴時間の平均である。例えば、視聴時間の平均は、チームに属する全ての配信ユーザの視聴時間を合計し、配信ユーザの人数で除算したものである。視聴時間の平均を算出するとき、イベント情報32Fの視聴時間が「1分未満」である配信ユーザを除外してもよい。
【0042】
配信日数は、チームに属する配信ユーザに対応するイベント情報32Fの配信日数を平均したものである。例えば、配信日数の平均は、チームに属する全ての配信ユーザの配信日数を合計し、配信ユーザの人数で除算したものである。配信日数の平均を算出するとき、イベント情報32Fの配信日数が「1日未満」である配信ユーザを除外してもよい。
【0043】
累計ポイントは、チームに属する配信ユーザに対応するイベント情報32Fの第1累計ポイント及び第2累計ポイントに基づき算出されたものである。例えば、累計ポイントは、「第1累計ポイント+第2累計ポイント×10」等の式にしたがって算出される。
【0044】
評価軸の各々はそれぞれ単位が異なるため、各評価軸において順位を決定し、順位に応じてポイントを付与する。一例として、各評価軸において、1位のチームに「40ポイント」、2位のチームに「30ポイント」、3位のチームに「20ポイント」、4位のチームに「10ポイント」が付与される。さらに各評価軸において得られたポイントを合計して、ポイントの多さで順位を決定する。各評価軸で付与されるポイントは、第1の値、第2の値、第3の値に対応する。
【0045】
視聴時間に関するパラメータ、及び配信日数に関するパラメータが高くなるチームは、多くのファンがいる配信ユーザとは限らない。動画の配信を始めたばかりの初心者であるユーザや、リピーター等が少ないユーザであっても、少なくとも配信日数を増やしたり、同じチームに属する配信ユーザの動画を視聴することで視聴時間を増やしたりすることによってチームの勝利に貢献することができる。さらに、チーム対抗イベントを契機として、チームに属するユーザ同士で動画の視聴が促され、新たな配信ユーザの動画を視聴するきっかけがつくられる。一方、累計ポイントが高くなるチームは、多くのファンを有する配信ユーザが含まれるか、ファンを有する配信ユーザの数が比較的多い場合である。
【0046】
なお、チーム対抗イベントに参加する配信ユーザ100は、イベント期間中であれば、所属しているチームから他のチームへ移動することができる。例えば、「チームA」に所属している配信ユーザ100は、「チームA」への所属をやめて、「チームB」に新たに所属することができる。その際、配信ユーザ100が「チームA」に所属している期間中に、その配信ユーザ100の動画の配信によって「チームA」に関連付けられたイベント情報32Fに加算された「視聴時間」、「配信日数」、「第1累積ポイント」、「第2累積ポイント」はリセットされる。また、配信ユーザ100が「チームB」に所属を開始したときから、その配信ユーザ100の動画の配信による「視聴時間」、「配信日数」、「第1累積ポイント」、「第2累積ポイント」が、「チームB」に関連付けられたイベント情報32Fに新たに加算される。つまり、「チームA」に所属していたときの配信ユーザ100の「視聴時間」、「配信日数」、「第1累積ポイント」、「第2累積ポイント」は、「チームB」に持ち越すことができない。
【0047】
図5~
図10を参照して、チーム対抗イベントでユーザ装置12に表示される画面の遷移の一例について説明する。
図5に示すように、ユーザ装置12には、イベント参加画面115が表示される。イベント参加画面115は、動画アプリケーションプログラムを実行したときに画面に表示されるチーム対抗イベントのバナー等を選択することにより表示される。イベント参加画面115には、各チームを選択するための選択ボタン115A~115Dが表示される。ユーザにより選択ボタン115A~115Dのいずれか一つが選択されると、ユーザ装置12から参加チームの情報を含むイベント参加要求がサーバ13へ送信される。サーバ13は、受信したイベント参加要求に基づき、イベント情報32Fにユーザの情報を登録する。なお、サーバ13は、1つのチームに所属することのできる人数に上限を設けてもよい。例えばチームへの参加人数が上限に達すると、イベント参加画面115を表示不可能な状態とする。
【0048】
図6は、配信ユーザのユーザ装置12に表示される動画画面110である。アバターオブジェクト111の顔は、配信ユーザの表情の変化に伴い変化し、アバターオブジェクト111の頭部は、配信ユーザの頭部の動きに伴い動く。また、アバターオブジェクト111の位置は、配信ユーザ100とセンサユニット24との相対距離の変化に応じて変化する。動画画面110には、視聴ユーザから投稿されたメッセージ112が所定期間表示される。また、動画画面110には、サーバ13が、動画配信中に発生したイベントに応じて出力するメッセージ112も表示される。サーバ13は、視聴ユーザが視聴を開始したこと、ギフトオブジェクトの表示要求を行ったこと等のイベントを検知して、「入室しました」といったメッセージ112を表示したり、ユーザのアカウント名とともに「帽子を贈りました」等のメッセージ112を動画画面110に表示したりする。また、動画画面110には、配信ユーザが属するチームのチーム識別指標122を表示してもよい。チーム識別指標122は、チーム毎に色や形状が異なる画像である。
【0049】
さらに、動画画面110には、配信切替ボタン113と、音声切替ボタン114と、コラボ配信ボタン116とが表示される。配信切替ボタン113が選択されると、動画の配信を開始したり、動画の配信を停止したりすることができる。また、音声切替ボタン114の操作によって、音声の配信及び音声の配信の停止を切り替えることができる。コラボ配信ボタン116は、コラボ配信の状況を確認するためのものである。コラボ配信とは、動画を視聴中のユーザが、自身の音声を視聴中の動画に反映するものである。コラボ配信ボタン116は、配信ユーザがコラボ配信機能を許可している場合にのみ、表示される。コラボ配信ボタン116が選択されると、音声を反映させている視聴ユーザの識別情報、コラボ配信の終了を指示するボタン等が表示される。
【0050】
図7は、イベント期間中であって、動画アプリケーションが視聴モードであるときに、ユーザ装置12のディスプレイ28に表示される動画配信リスト画面120である。動画配信リスト画面120には、ライブ配信中の動画チャンネルを示すサムネイル画像121が表示されている。サムネイル画像121には、配信ユーザが属するチームを識別するためのチーム識別指標122が表示されている。チームに属さない配信ユーザの動画に対応するサムネイル画像121には、チーム識別指標122が表示されない。視聴ユーザは、動画配信リスト画面120において、チーム識別指標122によって応援したいチームに属する配信ユーザを識別し、その配信ユーザの動画を視聴する。
【0051】
図8は、視聴ユーザのユーザ装置12に表示される視聴画面130である。視聴画面130は、動画配信リストの中から一つを選択することによって表示される。
図8(a)に示すように、視聴画面130には、アバターオブジェクト111と、メッセージ投稿ボタン131と、ギフトボタン132、コラボ配信ボタン133とが含まれる。また、視聴画面130には、チーム識別指標122が表示されてもよい。メッセージ投稿ボタン131が選択されることにより表示される入力欄にメッセージが入力されると、視聴画面130にメッセージ112が表示される。メッセージ112には、視聴ユーザ自身が投稿したメッセージのほか、他の視聴ユーザが投稿したメッセージ、「入室しました」、「花束を贈りました」等といったサーバ13が視聴ユーザのアクションに基づいて自動的に投稿するメッセージが含まれる。
【0052】
コラボ配信ボタン133が選択されると、視聴ユーザのユーザ装置12から、コラボ要求がサーバ13に送信される。サーバ13は、コラボ要求を、配信ユーザのユーザ装置12に送信する。配信ユーザによって、コラボ要求を許可する操作が行われると、サーバ13は、視聴ユーザのユーザ装置12から送信された音声を動画に反映する。
【0053】
図8(b)は、ギフトボタン132が選択された場合に表示される視聴画面130である。視聴画面130には、ギフトリスト135が表示される。ギフトリスト135には、カテゴリ毎に、ギフトオブジェクトが表示される。
図8(b)には、通常オブジェクト200が表示されているが、ギフトリスト135に表示されるギフトオブジェクトには、装着オブジェクトやエフェクトオブジェクトも含まれる。視聴ユーザによってギフトオブジェクトが選択され決定ボタン136が選択されると、ユーザ装置12からそれらのオブジェクトの識別情報を含む表示要求がサーバ13に送信され、それらのオブジェクトが動画に表示される。このとき、サーバ13の購入処理部30Cは、選択されたギフトオブジェクトに応じて、ユーザ管理情報32Cのコインから所定のコインを減算するか、ポイントから所定のポイントを減算する。また、視聴ユーザによって装着オブジェクトが選択されると、ユーザ装置12からそれらのオブジェクトの識別情報を含む表示要求がサーバ13に送信される。また、オブジェクトの表示要求を行うと、動画には、オブジェクトを贈ったことを通知するメッセージが表示される。
【0054】
図8(c)は、ギフトオブジェクトが表示された視聴画面130である。視聴画面130には、「うさぎのぬいぐるみ」等の通常オブジェクト200、「花火」等のエフェクトオブジェクト201、「ネコミミ」等の装着オブジェクト202が表示されている。サーバ13は、視聴ユーザが表示要求を行ったギフトオブジェクトに応じて累計ポイントをイベント情報32Fに記録する。
【0055】
図9は、イベントが終了した後に、イベントの結果に基づき表示される画面である。例えばイベントの順位が「1位」であるチームに属している配信ユーザには、共通の装着オブジェクト202が付与される。付与された装着オブジェクト202の情報は、保有リスト情報32Dに登録される。この装着オブジェクト202は、例えば「Tシャツ」であって、共通の色や形状のものである。「Tシャツ」には、例えば同じ模様や、チームのロゴや、チームを識別可能な画像が表示されている。
図9に示す装着オブジェクト202には、チームを識別可能な画像202Aが表示されている。
【0056】
さらに、イベントの順位が「1位」ではないチームに属している配信ユーザであって、チーム内で3つの評価軸での評価が高いユーザ、一つの評価軸での評価が高いユーザに、装着オブジェクト202が付与される。例えば、チーム内で、3つの評価軸のそれぞれにおいて順位を決定し、順位に応じてポイントを付与し、合計ポイントが高い上位のユーザに、装着オブジェクト202を付与する。又は、ギフトオブジェクトの表示要求に基づく累計ポイントが大きい上位のユーザに装着オブジェクト202を付与する。
【0057】
このようにイベントにおける報酬として、共通の装着オブジェクトをユーザに付与することで、同じ装着オブジェクトを装着しているユーザ同士でのコラボ配信を行うなど、ユーザ間の連帯感を強め、ユーザ間のコミュニケーションを活発にすることができる。
【0058】
次に
図10及び
図11を参照して、サーバ13の動作について説明する。
図10は、ギフトオブジェクトの表示要求に基づいて累積ポイントを更新する処理の手順を示す。配信管理部30Aは、イベント開催期間内に配信された動画毎に、視聴ユーザのユーザ装置12からギフトオブジェクトの表示要求を受信したか否かを判断する(ステップS1)。配信管理部30Aは、ギフトオブジェクトの表示要求を受信していないと判断した場合には(ステップS1:NO)、引き続き表示要求の受信を待機する。
【0059】
配信管理部30Aは、ギフトオブジェクトの表示要求を受信したと判断すると(ステップS1:YES)、表示要求がなされたギフトオブジェクトが、コイン等の対価が不要な無償ギフトであるか否かを判断する(ステップS2)。配信管理部30Aは、表示要求がなされたギフトオブジェクトが無償ギフトであると判断すると(ステップS2:YES)、所定の無償ギフトに応じたポイントを、その動画を配信する配信ユーザに関連付けられたイベント情報32Fの第1累計ポイントに加算する(ステップS3)。また、配信管理部30Aは、表示要求がなされたギフトオブジェクトが有償ギフトであると判断すると(ステップS2:NO)、有償ギフトに対応したポイントをイベント情報32Fの第2累計ポイントに加算する(ステップS4)。
【0060】
配信管理部30Aは、チーム対抗イベントが終了したか否かを判断する(ステップS5)。配信管理部30Aは、チーム対抗イベントが終了していないと判断すると(ステップS5:NO)、ステップS1に戻り、イベント開催期間内に配信された動画毎に上記処理を繰り返す。
【0061】
図11を参照して、チーム対抗イベントの勝敗の決定処理の手順を説明する。配信管理部30Aは、チーム毎の視聴時間を取得する(ステップS10)。具体的には、配信管理部30Aは、チーム毎に、チームに属するユーザの視聴時間を取得して、視聴時間の平均を算出する。また、配信管理部30Aは、チーム毎に、累計ポイントを取得する(ステップS11)。このとき、例えば、配信管理部30Aは、「第1累計ポイント+第2累計ポイント×10」等の式にしたがって累計ポイントを算出する。
【0062】
さらに、配信管理部30Aは、チーム毎の配信日数を取得する(ステップS12)。具体的には、チームに属するユーザの配信日数を合計し、その合計をユーザ数で除算して、配信日数の平均を算出する。
【0063】
そして、配信管理部30Aは、視聴時間、累計ポイント、及び配信日数に基づき、獲得ポイントをチーム毎に算出する(ステップS13)。具体的には、配信管理部30Aは、各チームの視聴時間に基づいて順位を決定し、順位に応じたポイントを付与する。また、配信管理部30Aは、各チームの累計ポイントに基づいて順位を決定し、順位に応じたポイントを付与する。さらに、配信管理部30Aは、配信日数に基づいて順位を決定し、順位に応じたポイントを付与する。配信管理部30Aは、各評価軸の順位に応じて付与されたポイントを合計して各チームの獲得ポイントとする。
【0064】
次に、配信管理部30Aは、獲得ポイントに基づき順位を決定する(ステップS14)。そして、配信管理部30Aは、順位に基づき、報酬を付与する(ステップS15)。具体的には、1位のチームに属するユーザ全員に、共通の装着オブジェクトを付与する。また、チーム内で評価軸に基づく順位が上位であるユーザに、装着オブジェクトを付与する。
【0065】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)配信ユーザが属する各チームは、視聴時間に関する第1の評価軸、配信状況に関する第2の評価軸に基づきポイントが付与され、これらのポイントに基づき順位付けされる。このため、配信ユーザ同士で動画を視聴しあうことで視聴時間を増やし、チームに貢献することができる。また、配信ユーザが継続して動画を配信することで、チームに貢献することができる。このようにチームの順位付けにおいて、ユーザ同士の協力に因る要素と、ユーザ個人の努力に因る要素とを含めることによって、配信ユーザが有するファンの数や、動画の配信の経験によらず、チームの順位を高めることができる。そして、このように、初心者やファンが少ない配信ユーザであってもチームの順位に貢献することができるため、そのような配信ユーザがチーム対抗イベントに躊躇することなく参加することができる。このため、動画配信システム全体を活性化することができる。
【0066】
(2)視聴時間に関する第1の評価軸と、配信状況に関する第2の評価軸とに加え、動画へのギフトオブジェクトの表示要求に関する第3の評価軸によって、チームの順位付けが行われる。このため、チームに属する配信ユーザ同士でギフトオブジェクトの表示要求を行うことによっても、チームの順位付けに貢献することができる。
【0067】
(3)各評価軸においてチームの順位を決定し、順位に応じたポイントがチームに付与されるので、評価軸の単位が異なっていても、複数の評価軸での評価を加味した順位を決定することができる。
【0068】
(4)順位に応じて、チームに属する配信ユーザに、同じ装着オブジェクトが付与されるので、配信ユーザ同士の連帯感が強められ、配信ユーザ間で互いの動画を視聴しあう機会を増やすことができる。
【0069】
(5)配信ユーザが属するチームを識別可能に動画配信リストが表示されるため、視聴ユーザは、応援するチームの動画を選択しやすい。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0070】
・上記実施形態では、動画配信リストに、チーム識別指標を表示した(
図7参照)が、これ以外の画像であってもよい。チーム識別指標は、サムネイル画像に表示される画像の他に、サムネイル画像を囲う枠であってもよく、他の画像であってもよい。また、チーム識別指標は、アバターオブジェクトに関連付けられた装着オブジェクトであってもよい。
【0071】
図12に示すように、イベントに参加した配信ユーザは、例えば「ネコミミ」、「ウサミミ」のようなチームに応じた装着オブジェクトを付与される。配信ユーザは、ユーザ装置12を操作して、その装着オブジェクトを選択し、アバターオブジェクトに装着オブジェクト202を適用して表示する。
【0072】
図13にしたがって、装着オブジェクトがチームを識別可能に表示される手順を説明する。配信ユーザがユーザ装置12を操作してチームを選択すると、選択されたチームに応じた装着オブジェクトが付与される(ステップS20)。サーバ13は、チームに応じた装着オブジェクトを、その配信ユーザの保有リスト情報32Dに登録する。ユーザ装置12には、保有リスト情報32Dに登録された装着オブジェクトを、配信ユーザの操作に応じて、ディスプレイ28に表示する。
【0073】
配信ユーザは、ユーザ装置12を操作して、自身のアバターオブジェクトにチーム毎の装着オブジェクトを装着する(ステップS21)。これにより、視聴ユーザが動画の視聴を開始した場合に、配信ユーザが装着する装着オブジェクトを確認することによって配信ユーザが属するチームが識別可能となる。なお、配信ユーザによってチームが選択されることを契機として、自動的に装着オブジェクトがその配信ユーザのアバターオブジェクトに適用されてもよい。なお、チームに応じた装着オブジェクトは、動画アプリケーションをユーザ装置12にインストールした際に保有リスト情報32Dに含まれていたオブジェクトであってもよい。また、イベントに参加した配信ユーザは、チームに応じた装着オブジェクトを必ずしも装着しなくてもよい。
【0074】
・
図14に示すように、コラボ配信において、コラボ配信の要求を行った配信ユーザに対応するアバターオブジェクト111Bを、要求を許可した配信ユーザに対応するアバターオブジェクト111Aと同一画面に表示してもよい。このとき、同一の装着オブジェクトを装着したアバターオブジェクト111A,111Bを表示してもよい。これによれば、他のコラボ配信の動画に比べて見栄えが向上されるため、視聴時間、視聴ユーザ数、視聴回数の少なくとも一つが向上することが期待される。
【0075】
・上記実施形態では、モーションデータを、センサユニット24の検出データをアバターオブジェクトに適用したデータとした。これに代えて、モーションデータは、センサユニット24の検出データであってもよいし、検出データを所定のフォーマットにしたがってアバターオブジェクトに適用可能な形式に変換したデータであってもよい。
【0076】
・上記実施形態では、各チームの評価として、チーム対抗イベントにおいて、4つのチームの勝敗を決定するようにしたが、チームは複数であればよい。また、各チームの評価は勝敗に限定されない。
【0077】
・上記実施形態では、チーム対抗イベントの報酬は、装着オブジェクトとした。これに代えて、若しくは加えて、ギフトオブジェクト、又は、ジェム、コイン、ポイント等の媒体、報酬の抽選が実行できるガチャチケット、現実世界でのイベント出演権等、動画配信サービスの各要素を勝利チームに属していた配信ユーザに付与するようにしてもよい。イベント出演権で出演できるイベントでは、イベントに参加した時の様子をアバターオブジェクト等で表現した動画を配信することができる。また、動画配信サービス内で利用可能な称号やランク等を勝利チームに属していた配信ユーザに付与するようにしてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、装着オブジェクトは、配信ユーザが選択することによってアバターオブジェクトに装着されるようにした。これに代えて、視聴ユーザが装着オブジェクトを提供した順番に、所定時間だけ、アバターオブジェクトに装着してもよい。
【0079】
・上記実施形態では、ユーザ装置12には、動画を視聴及び配信するための動画アプリケーションプログラムがインストールされているものとした。これに代えて、動画を視聴するためのアプリケーションプログラムと、動画を配信するためのアプリケーションプログラムとを別のアプリケーションプログラムとしてもよい。動画の視聴のみを行うユーザは、視聴用のアプリケーションプログラムをユーザ装置12にインストールする。動画の配信のみを行うユーザは、配信用のアプリケーションプログラムをユーザ装置12にインストールする。動画の視聴及び配信の両方を行うユーザは、両方のアプリケーションプログラムをユーザ装置12にインストールする。
【0080】
・サーバ13のストレージ32に格納されるアセットデータ32B、ユーザ管理情報32C、保有リスト情報32D、ギフトオブジェクト情報32E、イベント情報32F等の各種情報は、ユーザ装置12のストレージ22に格納することも可能である。
【0081】
・サーバ13の配信管理部30A、動画生成部30B、購入処理部30Cの少なくとも一部の機能を、ユーザ装置12のコンピュータプロセッサ20又はその他の1乃至複数のコンピュータが担うようにしてもよい。
【0082】
・ユーザ装置12のアプリケーション管理部20A、モーションデータ生成部20B、及び表示制御部20Cの少なくとも一部の機能を、サーバ13のコンピュータプロセッサ30又はその他の1乃至複数のコンピュータが担うようにしてもよい。
【0083】
・上記実施形態では、視聴時間に関する第1の評価軸のパラメータを、視聴時間の平均としてチームを評価した。これに代えて若しくは加えて、チームに属する配信ユーザが配信する動画の視聴時間の累計、すなわちイベント情報32Fの「視聴時間」でチームを評価するようにしてもよい。又は、一日あたりのチームの視聴時間のうち、最も長い視聴時間で、チームを評価するようにしてもよい。要は、動画の視聴時間に関するパラメータであればよい。
【0084】
・上記実施形態では、配信状況に関する第2の評価軸のパラメータを、配信日数の平均としてチームを評価した。これに代えて若しくは加えて、配信時間の平均、配信時間の最大値等、配信状況を示すものであれば他のパラメータで評価を行ってもよい。
【0085】
・上記実施形態では、オブジェクトの表示要求に関する第3の評価軸のパラメータを、ギフトオブジェクトに対応する所定のポイントとして評価した。これに代えて若しくは加えて、無償のギフトオブジェクトの表示要求の数、有償のギフトオブジェクトの表示要求の数、例えば装着オブジェクト等の所定のギフトオブジェクトの表示要求の数等、オブジェクトの表示要求に関するものであれば他のパラメータとしてもよい。
【0086】
・動作検出部、送信部、表示制御部、動画配信部、第1評価部、第2評価部、第3評価部、順位決定部、付与部、オブジェクト表示部、一覧表示部の各々は、サーバ13に設けてもよいし、ユーザ装置12に設けてもよい。
【0087】
・上記実施形態では、第1の評価軸、第2の評価軸及び第3の評価軸に沿って、チームを評価したが、第1の評価軸及び第2の評価軸のみであってもよい。第1の評価軸及び第2の評価軸で、同じ単位のパラメータを用いる場合、順位に基づくポイントを付与せずとも、例えば視聴時間及び配信時間を合計して、合計値が最も大きいチームを「1位」としてもよい。
【0088】
・動画に表示される仮想空間は、拡張現実(AR:Augmented Reality)又は複合現実(MR:Mixed Reality)の空間であってもよい。例えば、仮想空間の背景は、ユーザ装置12のカメラが撮影した現実世界の動画であり、この動画にアバターオブジェクトの画像を合成してもよい。
【0089】
・上記実施形態では、ユーザ装置12は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、コンソールゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルコンピュータ等の情報処理装置とした。これに代えて、ユーザ装置12は、情報処理装置の少なくとも一つと、入力装置及び出力装置から構成されるシステムであってもよい。例えば、ユーザ装置12は、コンピュータプロセッサ20等を備えるコンソールゲーム機と、これと別体に設けられたセンサユニット24、操作部27であるコントローラ、スピーカ25、ディスプレイ28等が相互にデータを送受信可能なシステムであってもよい。また、ユーザ装置12は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置と、これと別体に設けられたセンサユニット24、操作部27であるコントローラ、スピーカ25、ディスプレイ28であるウェアラブルディスプレイ等が相互にデータを送受信可能なシステムであってもよい。又は、配信用のユーザシステムは、動画配信用のスタジオに設けられたシステムであって、情報処理装置、センサユニット24、操作部27、スピーカ25、ディスプレイ28を別体として配設したものであってもよい。
【0090】
・上記実施形態では、センサユニット24をユーザ装置12側に設けたが、センサユニット24の少なくとも一部を、配信ユーザの身体や、配信ユーザの近傍に設けてもよい。つまり、センサユニット24は、ユーザ装置12と別体であってもよい。例えば、センサユニット24は、赤外線等の検出光を所定間隔で射出する射出部と、配信ユーザの身体に装着され、検出光を受光して検出結果をコンピュータプロセッサ20に送信する受光部とから構成してもよい。又は、センサユニット24は、配信ユーザの身体に装着されたマーカーを検出するカメラ等から構成してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
[1]
1乃至複数のコンピュータを、
動画を配信する配信モードと、他のユーザが配信する動画を視聴する視聴モードとを切り替えるモード切替部と、
動画配信リストの中から動画を選択して動画の視聴を開始することによって、動画データに基づく動画を表示部に表示する第1表示制御部と、
ユーザが動画の配信を開始することによって、前記動画を視聴する視聴ユーザが用いるユーザ装置の画面に、前記ユーザが属するグループを識別可能に表示するグループ表示部と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果を表示する結果表示部と、
前記グループの評価後に配信される動画において、前記グループの評価結果に応じて付与された報酬を、前記報酬が付与されたユーザと関連付けて前記動画に表示する報酬表示部として機能させる、動画データ処理プログラム。
[2]
前記第1表示制御部は、前記他のユーザの動作情報を適用したアバターオブジェクトの動画を含む動画データを前記表示部に表示する、[1]に記載の動画データ処理プログラム。
[3]
前記報酬表示部は、前記アバターオブジェクトの所定部位に関連付けられた装着オブジェクトであって、前記グループに属するユーザに共通する装着オブジェクトを前記報酬として表示する、[2]に記載の動画データ処理プログラム。
[4]
前記グループ表示部は、前記アバターオブジェクトの所定部位に関連付けられた装着オブジェクトであって前記グループ毎に異なる装着オブジェクトを表示することによって、前記ユーザが属するグループを識別可能に表示する、[2]又は[3]に記載の動画データ処理プログラム。
[5]
前記第1表示制御部は、ユーザ装置に設けられた撮影装置により撮影された撮影データに基づく現実世界の動画を含む動画データを配信する、[1]~[4]のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
[6]
前記コンピュータを、
前記動画へのオブジェクトの表示要求を送信する表示要求送信部としてさらに機能させ、
前記結果表示部は、前記第1の評価値及び前記第2の評価値に加え、前記グループ毎の前記オブジェクトの表示要求に基づき得られる第3の評価値に基づき評価された評価結果を表示する、[1]~[5]のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
[7]
前記コンピュータを、
前記表示要求の対象のギフトオブジェクトとともに、前記表示要求を行ったユーザに関連付けられたメッセージを表示するメッセージ表示部としてさらに機能させる、[6]に記載の動画データ処理プログラム。
[8]
前記グループ表示部は、前記動画配信リストに、動画を配信する他のユーザが属するグループを示す指標を表示する、[1]~[7]のいずれか1項に記載の動画データ処理プログラム。
[9]
1乃至複数のコンピュータが、
動画を配信する配信モードと、他のユーザが配信する動画を視聴する視聴モードとを切り替えるモード切替工程と、
動画配信リストの中から動画を選択して動画の視聴を開始することによって、動画データに基づく動画を表示部に表示する第1表示制御工程と、
ユーザが動画の配信を開始することによって、前記動画を視聴する視聴ユーザが用いるユーザ装置の画面に、前記ユーザが属するグループを識別可能に表示するグループ表示工程と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループが評価された評価結果を表示する結果表示工程と、
前記グループの評価後に配信される動画において、前記グループの評価結果に応じて付与された報酬を、前記報酬が付与されたユーザと関連付けて前記動画に表示する報酬表示工程とを実行する、動画データ処理方法。
[10]
ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な情報処理装置であって、
ユーザにグループを関連付けて登録するグループ登録部と、
動画を視聴する視聴モードの前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計部と、
動画を配信する配信モードの前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計部と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価部と、
前記グループの評価結果に応じて前記グループに属するユーザに報酬を付与する報酬付与部とを備える、情報処理装置。
[11]
ユーザが用いるユーザ装置と通信可能な1乃至複数のコンピュータが、
ユーザにグループを関連付けて登録するグループ登録工程と、
動画を視聴する視聴モードの前記ユーザ装置について動画の視聴時間を前記グループ毎に累計する第1累計工程と、
動画を配信する配信モードの前記ユーザ装置について動画の配信時間を前記グループ毎に累計する第2累計工程と、
前記グループ毎の前記動画の視聴時間に基づき得られる第1の評価値、及び前記グループ毎の前記動画の配信時間に基づき得られる第2の評価値に基づき前記グループを評価する評価工程と、
前記グループの評価結果に応じて前記グループに属するユーザに報酬を付与する報酬付与工程とを実行する、情報処理方法。
【符号の説明】
【0091】
11…動画配信システム、12…ユーザ装置、13…サーバ、14…ネットワーク、20…コンピュータプロセッサ、21…メモリ、22…ストレージ、23…通信インターフェース、24…センサユニット、25…スピーカ、26…マイク、27…操作部、28…ディスプレイ、30…コンピュータプロセッサ、31…メモリ、32…ストレージ。