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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/10 20060101AFI20240725BHJP
   B65B 61/02 20060101ALI20240725BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20240725BHJP
   B65B 9/06 20120101ALI20240725BHJP
【FI】
B65B57/10 C
B65B61/02
B65B57/00 H
B65B9/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020081668
(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公開番号】P2021176760
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真一
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/236687(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/244364(WO,A1)
【文献】特開平10-101005(JP,A)
【文献】特開2020-037444(JP,A)
【文献】特開2018-087039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/10
B65B 61/02
B65B 57/00
B65B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次供給される異なる商品を包装資材で包装する包装機本体と、
その包装機本体に対し帯状の前記包装資材を供給する包装資材供給装置を備え、
前記包装機本体は、供給された前記包装資材を筒状に製袋する製袋器と、その製袋器の下流側に配置され前記包装資材の両側端縁部を重合させてシールするセンターシール装置を備え、
前記製袋器の設置区間或いはその製袋器と前記センターシール装置の間の所定位置で、前記商品に対応する内容を印刷するとともに、その印刷した印刷物を前記包装資材に貼付ける貼付け装置を配置し、
前記印刷物を貼付ける位置で、前記商品を確認するようにし、
前記印刷物に印刷された内容と、前記印刷物が貼付けられた箇所に置かれた前記商品とが一致しているか否かを確認し、一致していない時には、異常時処理を行う包装機。
【請求項2】
前記商品の確認は、前記商品或いはその商品に添付された部材に設けたコード情報を読み取った情報に基づき行う請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記商品の確認は、前記商品を画像認識して得た情報に基づき行う請求項1に記載の包装機。
【請求項4】
前記印刷物に印刷された内容は、前記貼付け装置から出力される情報に基づき特定する請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項5】
前記印刷物に印刷された内容は、印刷された内容を読み取ることで特定する請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項6】
前記包装資材は、不透明な材質から構成される請求項1から5のいずれか1項に記載の包装機。
【請求項7】
前記包装資材供給装置は、前記包装機本体に対し前記包装資材を下側から供給するものであり、
前記製袋器は、下側から供給された前記包装資材の左右両側を立ち上げて筒状に製袋するようにし、
前記商品の確認は、前記印刷物を貼付ける位置の上方側から、前記包装資材の前記側端縁部間から露出する前記商品に対して行うようにした請求項1から6のいずれか1項に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる商品に対して包装する包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、包装体の表面には、内容物に関連する情報を表示する表示部位を備えている。係る表示部位は、例えば予め包装フィルムに印刷をしたものを用いたり、所定の情報を印刷したラベルを用いたりする。例えば、包装機本体に連続して供給される商品が、果物などの農産物、手作りパン、通販商品のように、個々に異なる場合には、印刷済みのフィルムでは、印刷の切り替えが個々にできない。
【0003】
係る場合、例えば包装機本体に供給される商品を検知し、その商品に対応する情報を包装機本体における商品の送りに同期してシフトし、そのシフト数に同期したタイミングでラベラーを動作させ、当該情報を印刷したラベルを包装体や包装フィルム等に貼付けることで対応することができる。なお、ラベルに印刷する内容は、例えば商品の品種や材料等の商品を特定する情報などがある。また、通販商品の場合、ラベルに印刷する内容は、配送先を特定する情報(住所、氏名、電話番号等)等がある。この種の包装システムとしては、例えば特許文献1に開示された技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2018-514474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個々の商品が正常に、順番通りに包装されていれば問題無い。しかし、トラブル等による人手作業が介在した場合には、例えば搬送ライン上を流れている商品の前後が入れ替わったり、一部の商品が抜けたりして、システムで管理する商品のシフトと、実際の商品の位置が異なり、別の商品に対応する情報を印刷したラベルを貼付けてしまうおそれがある。係る事態が発生した場合、例えば、商品名などがラベルに表示されていると、透明のフィルムを用いた包装であれば、包装後の工程で包装済みの商品確認、すなわち、内容物とラベルの整合性の確認が行える。一方、近年、環境意識の高まりから、紙を包装資材に使う要望が増えている。紙の包装の場合には、包装資材が不透明のために包装済み品の商品を目視確認することが困難となる。従って、ラベルの表示内容と、商品の対応が不一致となったとしても、紙製の包装体の場合、係る不一致になったことを確認することができない。
【0006】
そして、万一、ラベルに記載された商品情報と、包装内の商品が異なって出荷された場合には、重大クレームとなるので、係る事態の発生を避ける必要がある。よって、包装の自動化のネックとなる。そこで既存の通販包装のように、サイズや種類が千差万別の商品を包装する場合には、作業者が人手作業にて商品を確認しつつ箱または袋に入れ込み、作業員がハンドラベラーを操作して宛名ラベルを貼るようにしている。このように作業員による手作業による包装処理では、長時間の作業が困難となる。
【0007】
上述した課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、本発明は、必ずしも記載した課題の全てを解決できる必要はなく、少なくとも一つの課題が解決できれば良い。またこの課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の包装機は、(1)順次供給される異なる商品を包装資材で包装する包装機本体と、その包装機本体に対し帯状の前記包装資材を供給する包装資材供給装置を備え、前記包装機本体は、供給された前記包装資材を筒状に製袋する製袋器と、その製袋器の下流側に配置され前記包装資材の両側端縁部を重合させてシールするセンターシール装置を備え、前記製袋器の設置区間或いはその製袋器と前記センターシール装置の間の所定位置で、前記商品に対応する内容を印刷するとともに、その印刷した印刷物を前記包装資材に貼付ける貼付け装置を配置し、前記印刷物を貼付ける位置で、前記商品を確認するようにし、前記印刷物に印刷された内容と、前記印刷物が貼付けられた箇所に置かれた前記商品とが一致しているか否かを確認し、一致していない時には、異常時処理を行うようにした。
【0009】
このようにすると商品を確認できる位置で印刷物を貼ることができる。例えば製袋器の直後等に貼付け装置を配置すると、この位置はセンターシールをして包装資材を閉じる前であり、商品が確認できる位置であるため、印刷物を貼っているときの商品を確認することができる。貼付け装置は実施形態ではラベラーに対応する。印刷物は、実施形態ではラベルに対応する。
【0010】
商品は、例えば、物品に個別の情報(例えば、注文伝票、宛先情報など)が付加されている場合には、その個別の情報が付加された全体となり、そのような個別の情報が付加されていない場合には、例えば物品そのものとなる。異なる商品は、例えば通販商品のように個別の情報(例えば、注文伝票、宛先情報など)が付加された物品の場合には、その情報も含めて異なるか否かを区別する。例えば、同じ物品・物品の組み合わせであっても、送り先等が異なる場合には、異なる商品となる。またそのような個別の情報がないものについては、商品の種類・重量・サイズ等、所定の選別条件に従い他の商品と区別するものは異なる商品となる。例えば、印刷物に印刷する内容が異なるものは、異なる商品とするとよい。
【0011】
記印刷物に印刷された内容と、前記印刷物が貼付けられた箇所に置かれた前記商品とが一致しているか否かを確認し、一致していない時には、異常時処理を行う機能を備えると、印刷物を貼っているときの商品を直接確認でき、印刷物の印刷内容と商品が一致していることを同時確認することができ、一致していない時には、異常時処理を行うことができる。
【0012】
(2)前記商品の確認は、前記商品或いはその商品に添付された部材に設けたコード情報を読み取った情報に基づき行うとよい。簡単に商品に関する情報を取得することができる。コードは、例えばバーコード、二次元コードなどの画像に基づくものや、RFタグなどのデジタルコードなど各種のものがある。
【0013】
(3)前記商品の確認は、前記商品を画像認識して得た情報に基づき行うとよい。このようにすると、コード情報を備えていない商品でも識別することができる。
【0014】
(4)前記印刷物に印刷された内容は、前記貼付け装置から出力される情報に基づき特定するとよい。このようにすると、印刷された内容を簡単かつ迅速に取得することができる。
【0015】
(5)前記印刷物に印刷された内容は、印刷された内容を読み取ることで特定するとよい。このようにすると、実際に印刷された内容を知ることができ、精度の良い確認処理が行える。内容の読み取りは、例えばバーコード等のコード情報を読み取ったり、画像データから画像認識処理等により読み取ったりするなど各種の方式が採れる。
【0016】
(6)前記包装資材は、不透明な材質から構成されるものとするとよい。不透明な包装資材であっても、包装体に収納された商品を直接目視検査することなく、商品と表示物の一致確認を行うことができる。
【0017】
(7)前記包装資材供給装置は、前記包装機本体に対し前記包装資材を下側から供給するものであり、前記製袋器は、下側から供給された前記包装資材の左右両側を立ち上げて筒状に製袋するようにし、前記商品の確認は、前記印刷物を貼付ける位置の上方側から、前記包装資材の前記側端縁部間から露出する前記商品に対して行うようにするとよい。このようにすると、包装資材の側端縁部間から商品が露出するので、上方から商品を簡単に確認できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、例えばランダムな商品を自動包装する場合において内容物を直接目視確認できない包装体、または画像による商品識別ができない包装体であっても、収納された商品と包装体に貼付けられた印刷物の関係が一致していることの確認ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る包装機の好適な一実施形態を示す正面図である。
図2】その一部を示す平面図である。
図3】製造される包装体の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0021】
図1図2は、本発明に係る包装機の一形態であるピロー包装機の好適な一実施形態を示している。本実施形態のピロー包装機10は、種類,重量等が異なる商品13が上流側からランダムに供給されてくる当該商品13を連続してピロー包装するものである。また、本実施形態では、商品13を包み込む包装資材として、紙を用いる。
【0022】
同図に示すように、本実施形態のピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の紙包材15を連続して供給する紙包材供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して商品13を所定間隔毎に供給する商品搬送供給装置14とを備えている。本実施形態の商品13は、例えば通販商品のように、個々に異なるものであり、その表面には、通販商品に対応する情報として、例えば配送先を特定する情報(住所、氏名、電話番号等)をあらわすバーコードが付されている。
【0023】
紙包材供給装置12は、商品13を包み込むための帯状の紙包材15を連続して包装機本体11に供給するためのものである。そして本形態のピロー包装機10は、逆ピロー包装機であるため、紙包材供給装置12は、包装機本体11,商品搬送供給装置14の下方側に配置し、包装機本体11に対して紙包材15を下側から供給する。
【0024】
この紙包材供給装置12は、帯状の紙包材15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラ17を配置し、原反ロール16から送り出された紙包材15は、そのローラ17に掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。このローラ17は、帯状の紙包材15に対して駆動を掛ける駆動ローラや、テンションを掛けるテンションローラや、帯状の紙包材15の搬送方向を変更したり搬送をガイドしたりするフリーローラなどがある。本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、紙包材の搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしてもよい。
【0025】
商品搬送供給装置14は、商品13を前後に所定間隔ごとに搬送し、係る商品13を、包装機本体11に順次供給するものである。この商品搬送供給装置14は、例えば、前後に配置されたスプロケット18(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット18に掛け渡されたエンドレスチェーン19と、そのエンドレスチェーン19の所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー20等により構成される。これにより、商品13の後面に押送フィンガー20が突き当たると、押送フィンガー20の移動に伴い商品13も前進移動する。
【0026】
包装機本体11は、供給される紙包材15を筒状に製袋する製袋器24と、その製袋器24の下流側に配置され、筒状に製袋された紙包材15を搬送するベルトコンベア25と、ベルトコンベア25の上方に配置されたセンターシール装置26と、ベルトコンベア25の下流側に配置されたトップシール装置30と、そのトップシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア28と、ベルトコンベア25の上方であってトップシール装置30の直前に配置された抑えベルト29等を備えている。
【0027】
製袋器24は、紙包材供給装置12から連続して供給される帯状の紙包材15を通過させることで、紙包材15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状に製袋するものである。本実施形態の製袋器24は、上側が開放されており、紙包材15の両側端縁部15aが上側に位置するように設定されている。
【0028】
また、商品搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される商品13は、製袋器24内に挿入される。これにより、製袋器24に供給された商品13は、筒状に製袋された紙包材15内に所定間隔ごとに配置されることになる。また、このように筒状の紙包材15内に商品13が内包されることから、ベルトコンベア25は、その商品13を内包した紙包材15を搬送することになる。
【0029】
センターシール装置26は、重合された紙包材15の両側端縁部15aを両側から挟み込みながら加熱することで熱シールする。図示の例では、センターシール装置26は、紙包材15の両側端縁部15aに対して加熱する左右一対のバーシーラ23と、バーシーラ23の上流側に配置される左右一対の第一ピンチローラ21と、バーシーラ23の下流側に配置される左右一対の第二ピンチローラ22を備える。一対のバーシーラ23は、開閉して対向する加熱面が接近離反するように構成する。
【0030】
この第一ピンチローラ21,第二ピンチローラ22は、製袋器24を経て接触した紙包材15の両側端縁部15a同士を所定の圧力で挟み込むとともに、同期して回転することで、その両側端縁部15aひいては紙包材15に対して搬送力を与えるようになっている。
【0031】
また、第二ピンチローラ22は、バーシーラ23で加熱した紙包材15の両側端縁部15aを、加圧するとともに冷却して融着してシールする加圧ローラとしても機能する。このシールされた部位が、包装体33におけるセンターシール部34となる。このセンターシール部34は、筒状の紙包材15の上面の幅方向中央部位にて重合され形成される。
【0032】
トップシール装置30は、商品13を内包する筒状の紙包材15に対し、搬送方向に対して直交する方向で搬送面と平行な方向、つまり、筒状の紙包材15を水平平面で横断する方向にシールするとともにカットするものである。そのシール・カットする部位は、前後の商品13の間の所定位置である。このトップシール装置30は、紙包材15を挟んでその上下に上側トップシーラ31と下側トップシーラ32を備える。上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、ヒータが内蔵され、互いの先端のシール面が所定の温度に加熱される。さらに、例えば上側トップシーラ31のシール面31aの前後方向の中央部には、カッター刃が内蔵される。また、下側トップシーラ32のシール面32aの前後方向の中央部にはカッター溝を有する。
【0033】
本形態では、上側トップシーラ31と下側トップシーラ32は、シール面31a,32aが対向した状態のまま所定の軌跡で移動して接近離反し、接近時に上下のシール面31a,32aが紙包材15を上下から挟み込んで加熱し、カッター刃がカッター溝に進入してカットする。よって、トップシール装置30は、センターシールされた紙包材15の所定位置(商品の存在しない部分)を横方向にシール・カットし、横方向(水平方向)に延びるトップシール部35を形成する。これにより、紙包材15の先端部分(先頭の商品13を内包する部分)は、後続の紙包材15から分離され、包装体33が製造される。
【0034】
上述したように、本実施形態では、包装機本体11に対し、異なる商品13が順次供給され、包装処理される。そこで、包装機本体11の上流側、例えば、商品搬送供給装置14の上方所定位置には、図示省略する商品情報読み取り装置を配置する。この商品情報読み取り装置は、商品搬送供給装置14上を移動する商品13を特定する情報を読み取る装置であり、本実施形態では、商品13に例えば伝票などの所定の情報をあらわすバーコードが付けられているため、それを読み取るためのバーコードリーダにより構成する。なお、例えば商品にRFタグが付されている場合は、商品情報読み取り装置は無線周波数識別リーダを用いると良い。また、ラベル42に宛先では無く、商品の種類等の商品情報を印刷する場合には、バーコード等が付加されていない商品に対しては、商品情報読み取り装置は、例えばカメラを備えた画像認識装置等から構成し、画像認識して商品の種類等を特定し、その特定した商品の情報を出力するものでもよい。
【0035】
本実施形態のピロー包装機10は逆ピロータイプであるため、図2に示すように、製袋器24の上方は開放しているので、製袋器24を通過する商品13は、その上方から目し等により確認可能となる。さらに、紙包材15の左右の側端縁部15aは、製袋器24を通過後、徐々に接近していき、搬送方向の適宜の位置で重合され、センターシール装置26に至り、上述したようにその重合された両側端縁部15aはセンターシール装置26でシールされる。そして、製袋器24を通過した直後から所定区間では、左右の側端縁部15aが離れていて空間が空き、上方開放状態となるため、その側端縁部15a間から、紙包材15内に収納された商品13が露出した状態となり、上方から目視確認が可能となる。
【0036】
そこで本実施形態では、商品13が見えている製袋器24からセンターシール装置26までの搬送路の所定位置の下方に、ラベラー40を配置する。このラベラー40は、商品情報読み取り装置からの出力を受けた商品情報管理システムからの指示に従い、所定の情報を印刷したラベル42を製造するとともに、その製造したラベル42を搬送途中の紙包材15の底面側の表面に貼付ける。商品情報管理システムは、商品情報読み取り装置から受け取った情報に対応する商品が、ラベラー40の設置位置に至るタイミングに合わせて上記の指示を送る。これにより、製袋器24を通過後の紙包材15の底面側の表面に、その底面の上に置かれた商品13に対応する上方、例えば通販商品の場合の宛名等が印刷されたラベル42が貼付けられる。商品13が製袋器24内に供給され、通過した比較的早いタイミングでラベル42が貼られるので、その途中で商品の前後が入れ替わったり、脱落したりする可能性が低く、商品とラベルが不一致となるラベルの貼り間違いを生じにくくなる。商品とラベルの不一致を生じさせいないために、商品情報読み取り装置は、製袋器24の近くに配置するとよく、製袋器24の上方などとするとより良い。
【0037】
さらに本実施形態では、製袋器24内或いは製袋器24の下流側であってラベル42を貼付ける位置の上方に、商品確認装置41を配置し、ラベル42が紙包材15に貼付けられた際に、その上方に位置している商品13の情報を取得するようにした。この商品確認装置41は、本実施形態ではバーコードリーダとし、商品13に付されているバーコードを読み取る。そしてピロー包装機10は、読み取ったバーコードから、当該商品13と貼付けたラベル42に印刷された内容、例えば宛先情報が一致しているか否かを判定する判断する機能を備える。判定結果が不一致の場合には、包装機の運転を停止するなど異常時処理を行うとよい。
【0038】
ラベル42に印刷された内容についての情報の取得は、例えば、例えばラベラー40から出力したものを利用してもよいし、商品情報管理システムがラベラー40に与えた指示を利用してもよい。さらには、ラベラー40の直後にカメラ・バーコードリーダ等を配置し、実際に貼付けられたラベルの表示内容を読みとったものを利用してもよい。特に実際に貼付けられたラベルの表示内容を読み取るようにすると、より正確に商品とラベルの整合性を確認できるので良い。そして、表示内容を読み取るようにした場合には、ラベルに判断用のバーコードを印刷することで、より瞬時に情報を取得し、商品とラベルの一致/不一致の確認を行えるので良い。
【0039】
また、包装対象の商品の高さが異なる場合、紙包材で包み込んだ状態の高さ位置が異なことがある。また、例えば、前後の背の高い商品の間に、背の低い商品が位置した状態では、間の背の低い商品の上面とその上に位置する紙包材との距離が離れることがある。係る場合に、本実施形態のように紙包材の下面側にラベルを貼るので、商品の高さに関係なくラベルを貼付ける高さ位置は一定となり、ラベラー40にて綺麗に貼付けることができる。これに対し例えば正ピロー包装で紙包材の上面側にラベルを貼ろうとすると、高さが変わることに伴いラベルを貼る高さ位置も変わったり、紙包材が下側で商品で支えられずに不安定になったりするので、ラベラーでのラベル貼り付けの対応が難しい。
【0040】
上述したように、本実施形態では、通常の包装機に比較して製袋器とセンターシール装置の距離を取り、紙包材を製袋器で起こしてからセンターシールをする間で包装商品の確認が上部から可能となる。そして製袋器24の後で、商品13を確認する位置と、ラベル42の貼り付け確認をする位置は、同じ場所で行うことができる。このように、包装される商品13とラベル42が、同じ場所で同時に確認できるので、両者の一致確認の信頼性が向上する。
【0041】
また、ラベラー40を通過後は、商品とラベルが正しい関係となっているため、仮に包装機のトラブルでその後の包装処理の過程で人手作業が介在しても異なったラベルが貼られてしまう不良を防ぐことができる。
【0042】
上述した実施形態では、商品とラベルの一致確認を行うための、供給された商品の確認は、商品確認装置41で行うようにしたが、本発明これに限ることはなく、例えば人による目視確認を利用してもよい。この場合に、貼付けられたラベルの内容確認は例えば、ラベラー40の表示部を、商品の目視確認を行う際の検査員の視野内に入るように配置すると、同一タイミングで確認できるので良い。特に、ラベルに表示する内容が商品名等の商品内容に関するものの場合、実際の商品と、表示部に表示されるラベルに印刷された内容と一致確認が目視確認でも容易に行えるので良い。
【0043】
上述した実施形態では、包装機が逆ピロー包装を行うピロー包装機に適用した例について説明したが、本発明はこれに限ることは無く、例えば、包装資材を製袋器の上方側から供給し両側端縁部を筒状の包装資材の下側で重合させる正ピロー包装を行うピロー包装機や、包装資材の両側端縁部を搬送方向の横側で重合させる三方包装する包装機など各種のものに適用できる。但し、逆ピロー包装機とすると、商品が包装資材の両側端縁部間から露出する区間があるので、確認しやすいので良い。
【0044】
なお、包装資材も、紙包材に限ることは無く、不透明のものであれば各種のものを適用できる。さらには、従来のように透明のフィルムを用いてもよい。透明なフィルムであっても、本発明を適用することで、包装体の内容物と表示部の表示内容との整合性について、目視確認することなく自動的に行えるので良い。
【0045】
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や製法に限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。
【符号の説明】
【0046】
10 :ピロー包装機
11 :包装機本体
12 :紙包材供給装置
13 :商品
14 :商品搬送供給装置
15 :紙包材
15a :側端縁部
24 :製袋器
26 :センターシール装置
33 :包装体
40 :ラベラー
41 :商品確認装置
42 :ラベル
図1
図2
図3