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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】能動電界分極媒体型エアクリーナ
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/155 20060101AFI20240725BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20240725BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20240725BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20240725BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20240725BHJP
   B32B 27/02 20060101ALI20240725BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B03C3/155 C
B03C3/02 A
A61L9/18
B32B7/025
B32B27/34
B32B27/02
B32B27/32 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021530040
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019045146
(87)【国際公開番号】W WO2020028908
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】62/714,482
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517178449
【氏名又は名称】エンヴァイロメンタル マネージメント コンフェデレーション,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】ENVIRONMENTAL MANAGEMENT CONFEDERATION,INC.
【住所又は居所原語表記】330 Carter Road, Building #3, Princeton, NJ, USA
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】ワイザー,フォーウッド,シー.
(72)【発明者】
【氏名】カエップナー,ベンジャミン
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-522498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0183201(US,A1)
【文献】特表2002-514494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0018320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00-11/00
A61L 9/00-9/22
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電性外部スクリーンと、
前記第1導電性外部スクリーンに実質的に平行な第2導電性スクリーンと、
前記第1導電性外部スクリーンと前記第2導電性スクリーンとの間に配設されたフィルタ媒体であって、1または複数のスクリムレス媒体層と、前記1または複数のスクレリムレス媒体層を両側から挟む2つの支持層とを含む、フィルタ媒体と、
第1端子および第2端子を有する高電圧電源であって、前記第1端子が前記第1導電性外部スクリーンに接続されており、前記第2端子が前記第2導電性スクリーンに結合されている高電圧電源と、を備えることを特徴とする能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項2】
記フィルタ媒体は、摩擦帯電材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項3】
前記摩擦帯電材料は、アラミドであることを特徴とする請求項2に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項4】
記フィルタ媒体は、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維を有するポリプロピレン繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項5】
記フィルタ媒体は、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維のポリプロピレン繊維に対する重量比が5:95~50:50である材料の層を含むことを特徴とする請求項4に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項6】
記フィルタ媒体は、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維のポリプロピレン繊維に対する重量比が10:90~30:70である材料の層を含むことを特徴とする請求項4に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項7】
前記支持層の一方が上部層であり、前記支持層の他方が下部層であり、前記上部層は、気流の方向に対面していることを特徴とする請求項に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項8】
前記スクリムレス媒体層は、モダクリル繊維を含むことを特徴とする請求項に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項9】
前記スクリムレス媒体層は、ポリプロピレン混合繊維を含むことを特徴とする請求項に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項10】
前記上部支持層は、不織布材料であることを特徴とする請求項に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項11】
前記不織布材料は、ポリエステル、ガラス、およびウールからなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項12】
前記下部支持層は、不織布材料、プラスチックネット、ビニール、および非導電性スクリーンからなる群から選択されることを特徴とする請求項に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項13】
UV光源をさらに含み、
記フィルタ媒体は、前記UV光源のUV光にさらされることを特徴とする請求項1に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項14】
第2導電性スクリーンから上流の第2導電性外部スクリーンと、
前記第2導電性外部スクリーンおよび前記第2導電性スクリーンの間の摩擦帯電スケールの両側からの材料を有する追加の摩擦帯電フィルタ層とをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項15】
第1導電性外部スクリーン、第2導電性スクリーン、第2導電性外部スクリーン、およびフィルタ媒体は、全てモジュール内に含まれることを特徴とする請求項14に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項16】
前記モジュールは、フィルタ媒体にアクセスするためのヒンジを有することを特徴とする請求項15に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項17】
前記モジュールは、自己完結型カートリッジであることを特徴とする請求項15に記載の能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【請求項18】
第1導電性外部スクリーンと、
前記第1導電性外部スクリーンに実質的に平行な第2導電性スクリーンと、
前記第1導電性外部スクリーンおよび前記第2導電性スクリーンの間に配設されたアラミド摩擦帯電フィルタ媒体であって、アラミド摩擦帯電材料を含む1または複数のスクリムレス媒体層と、前記1または複数のスクレリムレス媒体層を両側から挟む2つの支持層とを含む、アラミド摩擦帯電フィルタ媒体と、
第1端子および第2端子を有する高電圧電源であって、前記第1端子が前記第2導電性スクリーンに接続され、前記第2端子が前記第1導電性外部スクリーンに結合されている高電圧電源とを備えることを特徴とする能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
エアフィルタは通常、粒子を捕獲するために、空気流路に1以上の層のフィルタ媒体を使用する。空気は媒体を通過し、浮遊粒子は媒体繊維によって収集される。フィルタ媒体は多くの材料から作製することができ、特定のフィルタ媒体、たとえばいくつかの不織布は、支持体なしではその形状を保持することができないので、スクリムまたはベース層に取り付けられる。スクリム層は、パターンで緩く織られた開放層または不織布であってよい。不織スクリムは、密に詰まった構造を含んでよく、その構造間に開口部を残す角度で糸を配設してもよい。不織スクリムの糸密度(一方向の1インチあたりの糸数)は、1インチあたり1~20本の範囲であってもよいが、不織スクリムの量は1インチあたり1~10本の範疇に分類される。理論的には、不織スクリムは、糸の配置を妨げるインターレースがないので、糸の充填密度に達することが可能である。多くのスクリムは、(織物構造におけるように)直交した糸で作製されるが、不織布製法は様々な角度で糸を配置し、様々な方向を向いた複数層の糸を並べることができる。
【0002】
例外はあるが、織布スクリムと不織スクリムとの基本的な違いは、織布スクリムにはアンダーおよびオーバーのインターレースが必要であるが、不織スクリムでは、糸は互いに重なり合って化学的に共に保持される。最も重要な違いの1つは、不織スクリムにおける糸の「真直度(straightness)」である。不織布では、糸の特性はさらに直接的に織物の特性に変換される。なぜなら、織られた形状に関連する「クリンプのない(uncrimping)」伸びおよび糸/糸摩擦がほとんどないからである。さらに、不織スクリムでは、糸は所定位置に固定されてもよく、古典的な不織布格子のように折りたたむことができない。
【0003】
ほとんどの不織スクリムは、ポリエステル、ナイロン、ガラス、レーヨン、またはポリプロピレンのマルチフィラメント糸を使用する。マルチフィラメント糸は市販されており、費用効果が高く、処理が比較的簡単で、広がる傾向があり、望ましい「平坦な」断面を提供し、ポリマー特性を糸形態に適切に変換する。モノフィラメントが使用されるが、それらの相対的な剛性は、バインダの付着力が低いなどの処理上の問題が生じる可能性がある。
【0004】
織布スクリムまたは不織スクリムを用いて、フィルタ層は、繊維をスクリム上に針で打ち抜くことによって、または化学薬品、熱、樹脂、もしくはステッチ結合を使用することによって、スクリムに取り付けることができる。
【0005】
スクリム材料フィルタ媒体は、長年にわたって広く使用されており、多くの利点を提供している。しかしながら、スクリム自体は圧力損失およびエネルギ消費に寄与するが、除去効率はほとんど向上しないか、またはまったく向上しない。また、以下に示すように、他にも欠点がある。
【0006】
他のフィルタ分野では、静電引力の原理が、気流からの汚染物質の除去を強化するために長年使用されてきた。空気静電クリーナには、3つの主なカテゴリ、すなわち電気集塵装置、受動静電フィルタ、能動電界分極媒体型エアクリーナがあり、これらは別の名称でも知られている。
【0007】
電気集塵装置は、粒子を帯電させ、その後、逆帯電したおよび/または接地された収集プレート上に粒子を捕獲する。
【0008】
受動静電フィルタ(エレクトレットとしても知られている)は、処理および/または固有の各特性の組合せによって静電荷を有する媒体(または異なる媒体の組合せ)を使用する。静電荷および/または相対電荷の部位を有するフィルタ媒体に入った粒子は、逆の静電荷を有する帯電した媒体フィルタ媒体に吸着される。
【0009】
能動電界分極媒体型エアクリーナは、2つの電極間の電圧差によって生成された静電界を使用する。実質的に誘電体フィルタ媒体は、2つの電極間の静電界に配置される。静電界は、媒体繊維と入った粒子との両方を分極し、これによって媒体およびエアクリーナの捕獲効率および負荷能力を上昇させる。誘電体材料は、電気絶縁体、または電気エネルギを蓄えることもできる電流に対して高度に耐性のある物質である。誘電体材料は、印加された電界をそれ自体の中に集中させる傾向があり、したがって静電界の効率的な支持体である。
【0010】
さらなる静電空気フィルタ設計は、カナダ特許番号1,272,453に開示されており、使い捨て矩形カートリッジが高電圧電源に接続される。カートリッジは、導電性内部中央スクリーンから成り、誘電体繊維材料(プラスチックまたはガラス)の2つの層間に挟持される。2つの誘電体層は、順に、導電性材料の2つの外部スクリーン間にさらに挟持される。導電性内部中央スクリーンは、高電圧まで上昇し、これによって内部中央スクリーンと逆のまたは接地電位に保持された2つの導電性外部スクリーンとの間に静電界を生じる。高電圧静電界は、2つの誘電体層の繊維を分極させる。
【0011】
エアクリーナは、暖房換気および空調(HVAC)システムの一部として、またスタンドアローンの空気移動/清浄システムにおいて、様々な構成および状況で設置されてもよい。より小型のHVACシステム(たとえば住居用および軽商業用)において、エアクリーナパネルは、しばしば平坦な構造(気流に対して垂直)においてまたは傾斜フィルタトラックにおいて設置される。より大きなシステムにおいて、エアクリーナのバンクは、典型的に、複数の別個のパネルが気流の軸線に垂直なエアクリーナモジュラアセンブリを形成するように配設された、Vバンク構造に配設される。
【0012】
米国特許第7,708,813号明細書;米国特許第8,252,095号明細書;米国特許第8,795,601号明細書;および米国特許第9,764,331号明細書は特に以下を示し、その内容は、本明細書にすべて記述されているものとして、参照によって組み込まれる。
【0013】
1)低抵抗誘電体(ポリエステル)層の間に挟まれた高抵抗空気透過性材料(たとえば、ガラス繊維スクリーン)を有する繊維状誘電体材料(たとえば、ポリエステル)の2つの層を含むフィルタ媒体。
【0014】
2)能動電界分極媒体型エアクリーナで使用するための帯電列の材料(摩擦帯電スケール)の異なる端部からの繊維を有する混合繊維層を形成する繊維状誘電体材料の層を含むフィルタ媒体。
【0015】
3)比較的低密度の誘電体材料(たとえば、繊維状ポリエステル)の層と、それに続く比較的高密度の材料(たとえば、より高密度の繊維状ポリエステル)の層とを含むフィルタ媒体、および
4)静電界におけるフィルタ媒体としての摩擦帯電材料の使用。
【0016】
能動電界分極媒体型エアクリーナの全ての構成において、静電界は、フィルタ媒体の粒子捕獲および負荷能力を著しく増強する。しかしながら、特定の標準試験(たとえば、ASHRAE 52.2)、および特定の産業環境では、導電性の高い粉塵が存在する。これらは、電圧が電極間を移動するための経路をもたらし、静電界は存在しないことになる。したがって、静電界が失われた後の能動電界分極媒体型エアクリーナのフィルタ媒体の性能は、システム全体の評価および用途において重要な要素である。
【0017】
したがって、能動電界分極エアフィルタで使用するための改良されたフィルタ媒体が必要である。
【発明の概要】
【0018】
本発明は、能動電界分極媒体型エアクリーナおよびそれらの組合せのための、フィルタ媒体に対するいくつかの個別の改良で具現化される。スクリムレス媒体は、スクリムを用いた同じまたはそれ以上の繊維重量のフィルタ媒体よりもサブミクロンの粒子効率をより良く維持可能であることが見出された。スクリムレス媒体層は、自身の構造的完全性を有する摩擦帯電ブレンド物、たとえばアラミドブレンド物であってもよく、またはスクリムレス層は、必要な支持を提供する層のアセンブリであってもよい。本発明の一実施形態では、個々の特徴は、以下を含む。以下に記載された能動電界分極媒体型エアクリーナであって、アラミドブレンド物を含む能動電界分極媒体型エアクリーナおよび/または、スクリムレスであってもよく、かつポリプロピレン繊維とポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維との混合物を含んでもよい他の摩擦帯電材料フィルタ媒体。
【0019】
この混合物は、本明細書にすべて記述されているものとして、参照によって組み込まれる、米国特許第6,328,788号明細書に記載された、商品名TEXELで販売されているものであってもよく、その特許に記載されているように、好ましくは繊維(2)の繊維(1)に対する重量比が5:95~50:50、さらに好ましくは10:90~30:70である不織布材料の形態であってもよい。
【0020】
本発明の他の実施形態:以下に記載されたような能動電界分極媒体型エアクリーナであって、自身の構造的完全性を有さなくてもよいスクリムレス摩擦帯電層であって、媒体パッドアセンブリの他の層によって所定位置に保持されるスクリムレス摩擦帯電層を含む能動電界分極媒体型エアクリーナ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】Vバンク構造に配設された複数の能動電界分極媒体型エアクリーナパネルの等角投影図である。
図2】誘電体媒体支持枠の使用を示す組立図である。
図3】高電圧プローブおよび高電圧接点およびスクリーンを示す組立図である。
図4】誘電体媒体支持枠の使用を示す。
図5】高電圧プローブおよび高電圧接触シールドを含む、剛性の導電性外部スクリーンおよび導電性保持枠を示す。
図6】Vバンク構造に配設された複数の能動電界分極媒体型エアクリーナフィルタの断面図である。
図7】Vバンク構造に配設された複数の能動電界分極媒体型エアクリーナフィルタの断面図の詳細部分であり、下部フィルタ保持枠への交換用フィルタ媒体の挿入を示す。
図8】Vバンク構造に配設された複数の能動電界分極媒体型エアクリーナフィルタの断面図の詳細部分であり、上部フィルタ保持枠への交換用フィルタ媒体の挿入を示す。
図9図4の枠を通る、それぞれ異なる断面を示しており、フィルタ材料の層化の詳細図を示す。
図10図4の枠を通る、それぞれ異なる断面を示しており、フィルタ材料の層化の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
フィルタハードウェア
図1は、Vバンク構造100に配設された複数の能動電界分極媒体型エアクリーナパネル(フィルタ)101を示す。個々のフィルタパネル101は、本明細書において、「パネル」、「フィルタ」、および/または「エアクリーナ」と称されてもよい。複数の能動電界分極媒体型エアクリーナ101は、複数の積層可能なモジュール102に編成され、各モジュールは、用途に応じて変更可能な幅W、高さH、および奥行きDを有する。特に、図1のVバンク100は8つの積層可能なモジュール102を含み、各モジュール102は8つの個別の能動電界分極媒体型エアクリーナを含み、合計64のエアクリーナを含む。Vバンク構造100に示されているが、エアクリーナは、気流に対して個別に垂直に、もしくは他の角度で、または他のグループおよび/もしくは配置で挿入可能であることを理解されたい。
【0023】
能動電界分極媒体型エアクリーナは、図2に示されている。繊維状誘電体材料の第1パッド16Aは、中央スクリーン110上に配設され、電界カバレッジ(Field coverage)を最大化するために枠の端まで延びるように示されているが、延びる必要はない。中央スクリーン110の反対側には、誘電体フィルタ材料16Bの第2パッドがある。誘電体フィルタ材料の第1パッドは密封され、および/または接着剤121A、超音波溶接、もしくは圧縮のような好適な手段によって誘電体媒体支持枠120に取り付けられる。組立またはメンテナンスの費用を節約するために、アセンブリ内の媒体、および気流中のアセンブリのシーリングが最大シングルパス性能に重要であるが、たとえば、性能要件がそれほど厳しくない用途、たとえば住宅または軽商業ビルを設計する場合には、フィルタ材料はシーリングされなくてもよい。
【0024】
誘電体フィルタ材料16Aの第1パッド上には、第1上流誘電体外部スクリーン12Aがある。誘電体フィルタ材料16Bの第2パッドの下には、第2導電性下流外部スクリーン12Bがある(「第1」および「第2」導電性外部スクリーンの使用は、要素をその中に順番に導入するために、請求項において逆であってもよい)。誘電体フィルタ材料の第2パッドは、適切な手段、たとえば、接着剤材料121B、超音波溶接、または圧縮によって誘電体媒体支持枠120に取り付けられる。第1導電性外部スクリーン12Aは、第1導電性保持枠116Aによって所定位置に保持される。第2導電性外部スクリーン12Bは、第2導電性保持枠116Bによって所定位置に保持される。図において接地接続として示される外部スクリーンは、本明細書において導電性と呼ばれているが、いくつかの用途ではいくらか抵抗性材料を含んでもよいことを理解されたい。
【0025】
フィルタ媒体自体は、誘電体媒体支持枠120、繊維状誘電体材料16Aの第1パッド、中央スクリーン110、および誘電体フィルタ材料16Bの第2パッドを含む。フィルタ媒体を保持するフィルタ保持枠は、第1導電性外部スクリーン12Aを備える第1導電性または絶縁性保持枠116Aと、第2導電性外部スクリーン12Bを備える第2導電性または絶縁性保持枠116Bとを含む。
【0026】
動作時、高電圧電源108の一方の端子は、中央スクリーン110に接続される。高電圧電源108の他方の端子は、第1導電性外部スクリーン12Aおよび第2導電性外部スクリーン12Bに結合され、典型的には接地電位に保持される。
【0027】
図16の能動電界分極媒体型エアクリーナの誘電体フィルタ材料16A,16Bを通過した流入空気中の粒子は、その内部の電界によって分極し、誘電体フィルタ材料16A,16Bの第1パッドおよび第2パッド上に収集される。
【0028】
中央スクリーン110に確実に接触する高電圧シールドによって保護された高電圧接点が、図3に示される。接点136を中央スクリーン13の穴に通す(または、これが望ましくないか、もしくは実用的でない場合、そのような接触をスクリーンの縁に行うことができる)。導電性要素133は、接点136を中央スクリーン13に固定し、接点136と帯電電極または中央スクリーン13との間の良好な接続を提供する。接点は、リベット、双頭スラムリベット、ねじ、ボルト、ワッシャ、ボール、または同様のものであってよい。選択された接点の間で共通するのは、中央スクリーンとの接触面積を広げ、高電圧電極のためのより広い接触点を提供することである。これらの構成要素の材料は、理想的には耐食性であり、金属または導電性プラスチックまたは他の材料であってもよい。
【0029】
高電圧プローブ130は、導電性外部スクリーン12Aを通り、高電圧接点134で終端する。いくつかの実施形態においては、グロメット、ボーダー、ワッシャが、有孔のシートまたはスクリーンを切断することによってもたらされ得る不均一な点ではなく、電気的に均一に接地された表面を提供するために使用されてもよい。絶縁誘電体材料132Aの高電圧シールドは、高電圧接点134を囲んでいる。同様に、絶縁誘電体材料132Bの高電圧シールドは、リベット136の下端および金属ディスク133を囲んでいる。また、高電圧プローブは、導電性外部スクリーン12A,12Bの内側に配線することもできる。
【0030】
高電圧プローブ130は、様々な材料、種類であってもよい。高電圧プローブ130は、たとえば、硬いワイヤまたは柔らかいワイヤであってもよい。高電圧プローブ130は、高電圧を伝導可能である必要があるが、金属製でも複合材でもよい。高電圧プローブは、一体であってもよく、またはエンドキャップまたは接続金具を有していてもよい。
【0031】
図4は、図3のフィルタ媒体の平面図を示す。誘電体媒体支持枠120は、誘電体フィルタ材料16Aのパッドを囲んでいる。リベットまたは取付手段136は、誘電体フィルタ材料16Aのパッドを通る。
【0032】
図5は、フィルタ媒体を保持する枠の平面図を示す。枠片116および4つの端部コーナー128を保持する4つの導電性外部フィルタは、導電性外部スクリーン12を保持するための枠を形成する。高電圧接点134は、絶縁性高電圧シールド132A内に配設される。
【0033】
動作中、導電性外部フィルタ保持枠116Aおよび116B(図3)は、フィルタ媒体(120,16A,13,16B)の周りで閉じており、高電圧接点134はリベット136のヘッドに接触している。また、高電圧シールド132A,132Bは、誘電体フィルタ材料16A,16Bのパッドをわずかに圧迫する。高電圧接点134は、リベット136のヘッドとの信頼できる接続を確かなものにする。絶縁性高電圧シールド132A,132Bは、高電圧接点134の先端からのスプレーおよびコロナの可能性を低減する。さらに、絶縁性高電圧シールド132A,132Bは、高電圧接点134から導電性外部スクリーン12A,12Bまでのアーク放電の可能性を低減する。
【0034】
本発明の一実施形態では、高圧接点134は、典型的には剛性ワイヤ、または他の弾性材料で作製される。リベット136のヘッドと接触する際に、中央スクリーン13はわずかに曲がってもよい。また、高電圧接点134は、中央スクリーン13の屈曲を低減するためのばね接点であってもよい。中央スクリーン13上の接触領域136の代替構成は、中央スクリーン13の上面の導電性ディスク、導電性要素の対であって、一方が中央スクリーンの上部にあり、他方が中央スクリーンの下部にあり、中央スクリーンを通過し、2つのディスクを保持する締め具を有する導電性要素の対を含む。高電圧プローブ134の剛性、または外側導電性外部スクリーンの剛性、またはその両方は、高電圧プローブ134の端部と、ディスク/リベットの組合せ136との間に正の機械的接触を強制する。その結果は、振動、または媒体の動き、または中央スクリーン(電極)の動きによって損なわれることのないしっかりとした接触である。
【0035】
本発明の別の実施形態において、高電圧プローブは、中央スクリーンの中央に、端部に、または電流を流すように他の方法によって永久的または着脱可能に(たとえば、ツーピーススナップ、または点火ナット/コネクタによって)取り付けられてもよい。
【0036】
本発明の別の実施形態では、磁石202,204は、安定で位置を調整された高電圧接触を容易にするように位置を動かされてもよい。また、高電圧プローブ130および接点136の部品は、磁性材料で作製することができる。
【0037】
図1の個々のモジュール102の断面図が、図6に示される。個々の能動電界分極媒体型エアクリーナ110A,110B,110,110D,110E,110F,110G,110Hは、Vバンク構成で所定位置に保持される。モジュール102の前部において、複数のカウリングが各フィルタを所定位置に保持する。特に、モジュール102の上部および下部に2つの端部カウリング104A,104Bが存在する。2つの端部カウリングの間に、3つの中間カウリング106A,106B,106Cが存在する。流線型カウリングは、より低い形状抗力気流をもたらし、それによってフィルタの静電気(空気抵抗)を低減する。
【0038】
モジュール102の後部(図6)において、複数の二重ヒンジは所定位置に各フィルタを保持してもよく、または上部枠および下部枠114a,114bは圧入における受けチャネル119内の所定位置に保持されてもよく、またはフィルタエアクリーナ110aの全体などは、ねじの取り外しまたは破壊力などのさらなるエネルギがなければ接近することができない自己完結型カートリッジに含まれてもよい。
【0039】
ヒンジ式実施形態において、各二重ヒンジは、図7および図8における動作中に見られる3つのヒンジH1,H2,H3から構成される。図7に示されるように、第1ヒンジH1は、上部枠112Aに結合した第1取付点と、下部枠112Bに結合した第2取付点とを有する。ヒンジH1は、交換用フィルタ媒体を能動電界分極媒体型エアクリーナ110Gに挿入することができるように、下部枠112Bが上部枠112Aから離れるように回転することを可能にするピボット点を有する。同様に、図8に示されるように、第2ヒンジH2は、上部枠114Aに結合した第1取付点と、下部枠114Bに結合した第2取付点とを有する。ヒンジH2は、交換用フィルタ媒体を能動電界分極媒体型エアクリーナ110Hに挿入することができるように、上部枠114Aが下部枠114Bから離れるように回転することを可能にするピボット点を有する。
【0040】
第1取付点としての第3ヒンジH3は第1ヒンジH1に結合され、第2取付点は第2ヒンジH2に結合される。第3ヒンジH3は、上部能動電界分極媒体型エアクリーナ枠(112A,112B)が下部能動電界分極媒体型エアクリーナ枠(114A,114B)に対してユニットとして回転できるように第3ピボット点を有する。モジュール102の後部に二重ヒンジを使用することによって、能動電界分極媒体型エアクリーナを互いに対して異なる角度で取り付ける際の柔軟性がもたらされる。モジュール102の後部の二重ヒンジは、個々のエアクリーナを取り付けるための異なる角度に関係なく、フィルタの後部で良好に密閉される。フィルタの後部にある二重ヒンジによってもたらされるポジティブシールは、すなわちフィルタ媒体を通過せずにフィルタ装置を通過する気流の一部によってブローを低減する。
【0041】
上述した発明は様々な実施形態を参照したが、全体として本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の構造および構成要素を修正することができる。たとえば、パネルは、個別に使用してもよく、または固定され、および/もしくは部分的もしくは完全に取り外し可能で、トラック(track)内を摺動するアレイで使用してもよい。パネルは、様々な材料で作製され、様々な電圧、間隔、および静電界強度を採用する。
【0042】
フィルタ媒体
図9および図10は、フィルタ材料の層化の詳細図を用いて、図4の枠を通る様々な断面を示している。
【0043】
図9に示されるように、枠部材116は、3つ以上の層と、既に本明細書に記載され、参照された、摩擦繊維ブレンド物を含んでもよく、含まなくてもよい上流層16Aと、中央スクリーン13とを保持する。枠部材116は、ポリプロピレン繊維とポリメタフェニレンイソフタルアラミドまたは他のアラミド繊維との混合物を含むスクリムレスアラミド層96を含んでもよい。この混合物は、米国特許第6,328,788号明細書に記載されている通りであってもよく、その内容は、本明細書にすべて記述されているものとして、参照によって組み込まれ、TEXELの商品名で販売され、上述の特許に記載されているように、好ましくは、不織布材料の形態であり、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維のポリプロピレン繊維に対する重量比が5:95~50:50の範囲、さらに好ましくは、10:90~30:70の範囲である。アラミドは、一般的にアミン基とカルボン酸ハロゲン化物基との間の反応によって調製される。最もよく知られているアラミド(ケブラー、トワロン、ノーメックス、ニュースター、およびテイジンコーネックス)は、AABBポリマーである。他のアラミドは、主にメタ結合を含み、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(MPIA)である。ケブラーおよびトワロンは、両方ともp-フェニレンテレフタルアミド(PPTA)であり、AABBの最も単純な形態のパラ-ポリアラミドである。PPTAは、p-フェニレンジアミン(PPD)、およびテレフタル酸ジクロライド(TDLまたはTCL)の生成物である。
【0044】
使用時には、アラミドの強度が原因で、米国特許第6,328,788号明細書によって記載された生成物は、スクリム層を必要としなくてもよい。これによって、圧力損失を減らすこともできる。
【0045】
アラミド層96の下流層16Aを配設することによって、フィルタは、全ての圧力低下を最小限に抑えながら、最初に粗いフィルタで大きな微粒子を捕獲し、続いて細かい粒子を捕獲する。しかしながら、層は交換されてもよく、または一般的な層もしくは16Aの層は、存在しなくてもよく、他の層、場合によってはアラミド層に置き換えられてもよい。本明細書では、アラミド層96は摩擦帯電材料であるが、摩擦帯電ブレンド物を含んでもよく、含まなくてもよい、より一般的な層16Aとは別に示されることを理解されたい。
【0046】
図10は、別の実施形態の断面を示しており、この実施形態は図9と同様の層と中央スクリーン13とを含んでもよい。これらに加えて、上部支持層1010、スクリムレス媒体層1020、および下部支持層1030を含むスクリムレスフィルタ層アセンブリ1000が存在する。支持層は、フィルタ媒体に形状をもたらすように構造的支持体を提供する(スクリーンもこのことを行うことが可能である)だけではなく、気流および/または接触を受けたときにアラミド層が吹き飛ばされたり、その形状が失われたりするのを防ぐ。
【0047】
スクリムレス媒体層1020は、壊れやすく、フィルタアセンブリ(スクリムなし)における使用でのその形状を保持するために十分に構造的健全性を有さないが、それ以外の点では優れた空気清浄品質を有する不織繊維ブレンド物を含んでいてもよい。このような材料の例としては、モダクリルおよびポリプロピレンブレンド物および/または他の摩擦帯電ブレンド物もしくは非摩擦帯電ブレンド物を含む。スクリムレス層は、1種類の材料からなるものであってもよい。支持層の機能は、製造、取り扱い、および使用においてスクリムレス層を無傷に保つことである。
【0048】
スクリムレス媒体層1020は、示されたように1以上の層であってもよく、または上部支持層1010および下部支持層1030の支持によって、スクリムレス媒体層1020がその形状を保持することを補助し、さらに耐久性がある他の組合せを含んでもよい。上部支持層は様々な材料であってもよいが、理想的には耐久性があり、比較的低圧損失な織布、不織布または有孔材料、たとえば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、その他のプラスチックまたは複合材料、ガラス、ウール、押し出しネットなどである。
【0049】
下部支持層1030は、支持体枠1020の設置の間にさらに接触されてもよく(「下部」上にある必要がなくてもよく)、織布、不織布または有孔材料、プラスチックネット、ビニルスクリーン、金属スクリーン、またはスクリム素材、または他の支持材料であってもよい。また、下部支持層1030は、アセンブリ内の外部導電性スクリーンとして機能してもよい。上述の説明は、現在説明されているものであるが、他の支持層であってもよい。
【0050】
図9および図10に示される断面における層、または導電性接地スクリーンは、必ずしも均一でなくてもよく、または単層でなくてもよく、以下のものを含んでもよい。
-ビニール、
-ポリエステル、
-ガラス、
-ウール、
-アラミド、および摩擦帯電スケールの反対側の材料、
-さらにポリプロピレンを含む上述の物質、
-米国特許6,328,788号明細書に記載された、および/またはTEXELとして販売される上述の物質、
-スクリムを有する、または有さない上述の物質、
-層状媒体の一部として上述の物質のいずれかであって、他の層は上述の物質のいずれかであってもよい、
-他の摩擦帯電フィルタ材料または非摩擦帯電フィルタ材料、
-上述の物質のいずれかに加えてアークブロック層、
-任意の物質のいずれかとPCO、
ならびにこれらの組み合わせ。
【0051】
本発明のさらなる実施形態において、媒体の層の1つは、光触媒材料で処理可能である。次いで、エアクリーナは、気相汚染物質の分解のためにUV光源と結合可能である。本実施形態において生成されるヒドロキシル基は、生物製剤を不活性化し、気相汚染物質を分解することができる。このような実施形態において、UV光の影響の下、媒体は、ヒドロキシルラジカルと超酸化物イオンとを生成して、捕獲した空中浮遊バイオエアロゾルおよび気相汚染物質と反応する。光触媒層は、最も下流側の層であってもよい。これによって、粒子汚染が実質的になくなる。
【0052】
本発明のさらなる実施形態では、フィルタ枠の外部スクリーン/電極は、光触媒で処理される。
【0053】
本発明のさらなる実施形態において、導電性スクリーン(中央または接地)の一部または全ては、炭素含浸発泡材またはメッシュなどの臭気/気相汚染物吸着特性を有する。
【0054】
本発明のさらなる実施形態において、1以上の層は、VOC、他の反応性気相汚染物質および/またはオゾンおよび/または生物的汚染物質を分解するための触媒で処理されてもよい。
【0055】
本発明のさらなる実施形態において、1以上の層は、吸着性もしくは化学吸着性であり、および/または吸着性もしくは化学吸着性のコーティングを保持している繊維を含む。
【0056】
本発明のさらなる実施形態において、1以上の層は、殺菌性であり、および/または殺菌性のコーティングを担持する繊維を含む。
【0057】
試験結果
表1は、ASHRAE規格52.2試験で結果を比較した、様々な第三者の試験を示す。52.2試験は、0.3~10.0ミクロンまでの12種類のサイズ範囲で上流および下流の効率を測定する。試験の過程において、複数の効率が測定された。なぜなら、装置は、典型的な大気粉塵とは異なり、高度に導電性のカーボンブラックを高い割合で含む試験粉塵が入れられるからである。達成された最小効率は、3つの群、E1(0.3~1.0ミクロン)、E2(1.0~3.0ミクロン)、およびE3(3.0~10.0ミクロン)に分けられる。群内の各サイズの個々の結果は、共に平均化された。効率評価は、各カテゴリで達成された平均数に基づき、装置の最低捕集効率(MERV)定格をもたらす。高効率のエアフィルタおよびクリーナの場合、E1の効率が重要である。能動電界分極媒体型エアクリーナの場合、導電性の粉塵は電圧を中央スクリーンから接地スクリーンに移動させ、システムが短絡して静電界が非通電になるので、粒子および媒体繊維に影響を及ぼす。フィルタ評価は、E1効率の10%以下の変動に基づいていることに注意することが重要である。したがって、サブミクロン粒子除去のわずかな改善は、重要であり、特定の市場での製品の適合性および用途に大きな影響を与える。たとえば、病院での大部分の空気清浄は、E1が75%~85%の間であり、最少のMERV14を満たす必要がある。
【0058】
表1は、様々なエアクリーナアセンブリを示し、これらの全ては、本質的に同じ構成を有し、さらに摩擦帯電媒体の単層または複数の層を有する。それらは、規格52.2試験のE1結果に従って評価される。スクリムレス媒体を採用するアセンブリは、スクリムを備えた同等以上の摩擦帯電媒体重量の媒体よりも顕著に優れた性能を発揮する。このことは、重要なサブミクロン範囲に特に当てはまる。たとえば、最も際立った比較は、試験1と試験8との間の比較である。ここで、スクリムを有する摩擦帯電媒体350gが、スクリムなしの摩擦帯電媒体330gと比較される。スクリムレス媒体は、E1効率および最小0.3ミクロン性能の両方でほぼ20%優れている。スクリム媒体に対するスクリムレス媒体の全ての比較は、本質的に同じ関係性を示す。全ての場合において、相違は、サブミクロン/E1範囲で最も顕著であり、E2およびE3は本質的に同じである。さらに、重量および圧力損失あたりの基準において、アラミドブレンド物のスクリムレス媒体は、スクリムレスモダクリル/プロピレンブレンド物を一般的に上回っている。
【表1】
【0059】
上記に開示された本発明は、HVACシステム、自己完結型フィルタ/ファンユニット、および産業用空気清浄システム、および集塵装置での使用を含むがこれらに限定されない様々な方法で使用することができる。上述の実施形態は、主に平坦なフィルタ構成を記載しているが、本発明は、多層フラットパネルのVバンクグループ、パネルとVバンクユニットとの相互接続されたグループ、バッグフィルタ、プリーツおよびミニプリーツフィルタ、カートリッジフィルタ、ならびに集塵システムのための円筒状フィルタを含むがこれらに限定されない他の構造にも適応することができる。
【0060】
上述した本発明は様々な実施形態を参照しているが、全体として本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の構造および構成要素を修正することができる。特に、様々な層または要素を組み合わせ、交換し、および/または繰り返して、様々な効果を達成することができる。たとえば、ある図はエアクリーナの基本概念を示しているが、別の図はある種類の組み立てられたシステムの構成を示している。明確にするために様々な要素は別個の層として示されているが、2つ以上の「層」が単一の層または材料に組み合わされてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10