(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】板状材での浮き出し模様を得るための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B41M 3/06 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
B41M3/06 C
(21)【出願番号】P 2021531706
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(86)【国際出願番号】 ES2018070773
(87)【国際公開番号】W WO2020115337
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516277439
【氏名又は名称】バルベラン ラトーレ, イエズス フランシスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】バルベラン ラトーレ, イエズス フランシスコ
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225492(JP,A)
【文献】特開2012-31388(JP,A)
【文献】国際公開第2008/047127(WO,A1)
【文献】特開2005-119285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0326718(US,A1)
【文献】国際公開第2003/020519(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 1/00-3/18
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状材(1)で浮き出し模様を得る方法であって、
-1つの表面(1’)を有する板状材(1)を移動させるステップと、
-それと同時に、第1の表面(8.1)を備えたフィルム(8)を
、前記板状材と並行して供給するステップと、
-
前記フィルム(8)を前記板状材と並行して同時に供給しながら、デジタル印刷技術を使用して、前記第1の表面(8.1)に浮き出し模様の生産物(9’)を射出して、前記第1の表面(8.1)に凸型の浮き出し模様を変更可能な方法で連続して生成するステップと、
このステップにおいて、前記凸型の浮き出し模様は、前記デジタル印刷技術によって前記フィルム(8)に配置され、
-前記フィルム(8)での前記凸型の浮き出し模様を固定するステップと、
-液体の覆い生産物(4)を塗布するステップと、
-
前記凸型の浮き出し模様が前記フィルム(8)に配置されて固定された直後に、前記凸型の浮き出し模様との接触により、前記覆い生産物(4)に凹型の浮き出し模様を得るステップと、
-前記板状材(1)の前記表面(1’)での前記凹型の浮き出し模様を固定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記板状材(1)の前記表面(1’)に印刷がされ、該印刷に関する情報が、前記凸型の浮き出し模様の生成及び前記印刷が同期して行われるようにして送信されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凹型の浮き出し模様の取得と、前記凹型の浮き出し模様の固定が同時に行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記覆い生産物(4)で前記凹型の浮き出し模様が得られたら、前記凹型の浮き出し模様が固定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルム(8)の供給が閉じた経路により行われることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記フィルム(8)が前記板状材(1)に対して除去されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記板状材(1)の前記表面(1’)で前記凹型の浮き出し模様を備えた前記覆い生産物(4)を完全に硬化させた後に、前記フィルム(8)が除去されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記板状材(1)の前記表面(1’)で前記凹型の浮き出し模様を備えた前記覆い生産物(4)を完全に硬化させる前に、前記フィルム(8)が除去されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記凹型の浮き出し模様が固定されたら、前記覆い生産物(4)が前記フィルム(8)から除去されることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記凹型の浮き出し模様が固定されたら、前記凸型の浮き出し模様が前記フィルム(8)から除去されることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記覆い生産物(4)が前記板状材(1)の前記表面(1’)に塗布されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記覆い生産物(4)が、前記第1の表面(8.1)で前記フィルム(8)に塗布されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
板状材(1)で浮き出し模様を得るための装置であって、
-前記装置を通って板状材(1)を移動させるための移動手段(2)と、
-覆い生産物(4)を塗布するための塗布手段(3)と、
-第1の表面(8.1)を備えたフィルム(8)を供給するための供給手段と、
-前記第1の表面(8.1)に凸型の浮き出し模様を生成するように浮き出し模様の生産物(9)を射出するための、デジタル印刷技術を使用する射出手段(9)と、
-前記フィルム(8)での前記凸型の浮き出し模様を固定するための固定手段(10)と、
-前記板状材(1)に凹型の浮き出し模様を得るための転写手段(13)と、
-請求項1から12のいずれかに記載の方法を実施するように設計された制御手段と
を含むことを特徴とする装置。
【請求項14】
前記板状材(1)に対して前記フィルム(8)を除去するための除去手段(15)を更に含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状材で浮き出し模様を作成することに関する産業に関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、板状材に浮き出し模様を形成することが知られており、板状材はパネルとして構成され、例えば木材(チップボード、中密度繊維板「MDF」、高密度繊維板「HDF」又は合板)、プラスチック(PVC)、セルロース系材料(紙又はボール紙)及び金属から選択されることができる材料で出来ている。
【0003】
現在、木又は石などの天然素材を再現する際に良好な結果を得るために、画像に加えて、手触りについても高い類似性を得るために、その天然素材の浮き出し模様を再現する必要がある。
【0004】
既知の方法は、最初に板状材の表面にフィルム又は層の形態の材料を付けて、次に型、ローラー又は同様の物などの圧力要素によって板状材のその表面に圧力を加えることを含む。圧力要素は凸型の彫り又は浮き出し模様を有し、それが圧力によって板状材のその表面に付けられたフィルムに逆に、つまり凹型の浮き出し模様として、転写される。この方法の主な欠点は、とりわけ板状材に転写される彫りを変更するために、対応する圧力要素を変更する必要があるため、柔軟性があまりないということにある。
【0005】
浮き出し模様の再現に柔軟性を提供する他の既知の方法は、浮き出し模様を含んだフィルム形態のプラスチック材料の層を板状材の対応する表面に付けることを含む。したがって、フィルムはリールから供給され、そのフィルムに含まれた浮き出し模様は、圧力によって板状材の表面に配置されたフィルムに転写される。フィルムは、圧力要素としてのローラー又は型の接触表面よりもより多くの種類の浮き出し模様を提供するようにして、長さを有することができる。更に、所望のフィルムが選択された後に、板状材に転写される彫りを変更する場合は、対応するリールのみが変更される必要があり、これは交換が軽量で迅速である。しかし、この最後の方法は、市場が求める程度の柔軟性を十分に提供していない。市場では、多くの場合、凹型の浮き出し模様に関連付けられた又は板状材の対応する表面に配置されたある模様の繰り返しをほとんど必要としないか、又はまったく必要としない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在存在する方法によって示される記載された欠点又は制限を考慮して、浮き出し模様を板状材に提供する時に柔軟性の程度を高めることを可能にする方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成し、これまでに述べた技術的問題を解決するために、後に見出されるかもしれない追加の利点を提供することに加えて、本発明は、板状材での浮き出し模様を得るための方法及び装置を提供する。
【0008】
本発明の方法は、1つの表面を有する板状材を移動させることと、第1の表面を備えたフィルムを、任意で閉じた経路により供給することと、その第1の表面に凸型の浮き出し模様を生成するために、デジタル印刷技術を使用して浮き出し模様の生産物をその第1の表面に射出することと、フィルムでの凸型の浮き出し模様を固定することと、覆い生産物を塗布することと、その凸型の浮き出し模様と接触することにより、覆い生産物に凹型の浮き出し模様を得ることと、板状材の表面での凹型の浮き出し模様を固定することとを含む。
【0009】
この方法では、浮き出し模様の生成において、及び浮き出し模様の起こり得る変更において、それはフィルムに連続して生成されるので、最大の柔軟性が提供される。
【0010】
本発明の方法によれば、印刷が板状材の表面にされ、その印刷に関する情報は、凸型の浮き出し模様の生成及びその印刷が同期して行われるようにして送信される。
【0011】
好ましくは、凹型の浮き出し模様が覆い生産物で得られたら、凹型の浮き出し模様は固定される。あるいは、凹型の浮き出し模様の取得と凹型の浮き出し模様の固定は同時に行われる。
【0012】
好ましくは凹型の浮き出し模様が固定されたら、覆い生産物はフィルムから取り除かれる。更に又はあるいは、凹型の浮き出し模様が固定されたら、凸型の浮き出し模様がフィルムから除去される。凸型の浮き出し模様のフィルムからのこの除去は、覆い生産物をフィルムから除去した後に、又はそれを除去せずに、いずれかで行うことができる。
【0013】
選択的に、フィルムは板状材に対して除去される。したがって、フィルムは、好ましくは、板状材の表面で凹型の浮き出し模様を備えた覆い生産物を完全に硬化させた後に除去される。あるいは、板状材の表面で凹型の浮き出し模様がある覆い生産物を完全に硬化させる前に、フィルムを除去する。
【0014】
好ましくは、覆い生産物は、板状材の表面に塗布される。更に又はあるいは、覆い生産物は第1の表面でフィルムに塗布される。
【0015】
本発明の装置は、その装置を通って板状材を移動させるための移動手段と、覆い生産物を塗布するための塗布手段と、第1の表面を備えたフィルムを供給するための供給手段と、その第1の表面に凸型の浮き出し模様を生成するように浮き出し模様の生産物を射出するための、デジタル印刷技術を使用する射出手段と、フィルムでの凸型の浮き出し模様を固定するための固定手段と、板状材に凹型の浮き出し模様を得るための転写手段と、上述した請求項のいずれかの方法を実施するように設計された制御手段とを含む。任意で、本発明の装置は、板状材に対してフィルムを除去するための除去手段を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】例示の実施形態による、本発明の板状材での浮き出し模様を得るための装置の概略図を示す。
【
図2】覆い生産物が塗布された板状材の概略図を示す。
【
図3】凸型の浮き出し模様を備えたフィルムの概略図を示す。
【
図4】板状材に塗布された覆い生産物に凹型の浮き出し模様を得た時の概略図を示す。
【
図5】凹型の浮き出し模様を備えた板状材の概略図を示す。
【
図6-13】異なる例示の実施形態による、本発明の板状材での浮き出し模様を得るための装置の概略図を示す。
【
図14-23】複数の例示の実施形態による、本発明の板状材での浮き出し模様を得るための装置の部分的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、板状材(1)、より具体的には板状材(1)の表面(1’)での浮き出し模様を得る方法、及びその方法を適用することによって板状材(1)での浮き出し模様を得るための装置に関する。板状材(1)は、好ましくは平らである。
【0018】
本発明の方法では、所望の浮き出し模様を提供する時及びそれを定める時の両方で、より大きな柔軟性を得ることができる。本発明の方法では、得られる板状材(1)は、そこに配置される浮き出し模様に関して制限がなく、模様を繰り返さずに常に変わることができる。更に、本発明の装置の作動若しくは方法の適用の停止、又はその装置の構成要素若しくは部品の交換を必要とすることなしに、設定を変えて浮き出し模様が適用可能である。
【0019】
1つの選択肢によれば、板状材(1)は、独立した又は有限の構成単位として構成され、それにより2つの続いて供給される板状材間が分離して供給され得る。例えば、板状材(1)は、例えば木材(チップボード、中密度繊維板「MDF」、高密度繊維板「HDF」又は合板)、プラスチック(PVC、PET、PS、ABS、PC又はPP)、セルロース系材料(紙又はボール紙)、複合材料(SPC又はWPC)及び金属から選択されることができる材料のパネル、厚板又は平板である。板状材(1)のこの構成は、例えば、
図1、6、8、10及び12に示される。
【0020】
別の選択肢によれば、板状材(1)は構成単位が連続して構成される。板状材(1)は、連続して巻かれること又は供給されることができ、積層板、プレート、又は平板として構成される、例えば、メラミンの入った又は入っていない紙、ボール紙、プラスチック、金属、木材、及びいずれかの他の材料で出来ている。板状材(1)のこの構成は、
図7、9、11、及び13に示される。
【0021】
更に、本発明の方法は、プラスチック材料の層としてフィルム(8)を供給することを含む。フィルム(8)は、第1の表面(8.1)及び第2の表面(8.2)を含み、これらは好ましくは滑らかであり、つまり、構造、突起、突出及び他の種の表面の凹凸がない。フィルム(8)は、放射物が通過するように透過性であり、例えばUV、UV-LED、EB、熱風又は赤外線であり得る。
【0022】
この供給は、フィルム(8)が射出手段(9)に移動されるようにして与えられ、射出手段(9)は、デジタルインクジェット印刷技術を使用することによって、浮き出し模様の生産物(9’)を、フィルム(8)の第1の表面(8.1)に配置されるようにしてフィルム(8)に放出又は射出する。この浮き出し模様の生産物(9’)は、エネルギーを加えることによって、好ましくは放射物を当てることによって硬化されることができる。放射物は、例えばUV、UV-LED、EB、熱風、赤外線などであり得る。
【0023】
したがって、射出手段(9)によって、フィルム(8)での凸型の浮き出し模様が連続して得られる。言い換えれば、凸型の浮き出し模様は、射出手段(9)によってフィルム(8)に配置される。このようにして、本発明の方法は、いかなる時にも変更可能な方法で浮き出し模様を生成する選択肢を更に提供し、更にリール、ローラー又は他の要素を変更する必要がない。
【0024】
本発明の装置は、射出手段(9)によって使用されるデジタルインクジェット印刷技術をリアルタイムで使用することによって、フィルム(8)に生成される凸型の浮き出し模様を定めるように構成された制御手段を備える。このようにして、板状材(1)に転写される浮き出し模様の設定及びそれが設定される時間に関する柔軟性が完全なものとなる。その浮き出し模様は、時間と共に繰り返される模様でなく生成されることができる。
【0025】
浮き出し模様の生産物(9’)が塗布されると、本発明の方法は、フィルム(8)を射出手段(9)から固定手段(10)に移動させることを含む。固定手段(10)は放射物を加えるように構成され、放射物は、例えばUV、UV-LED、EB、熱風、赤外線などであり得る。したがって、固定手段(10)によって、浮き出し模様の生産物(9’)は、フィルム(8)に固定されて維持されるようにして、硬化、固定、乾燥又は固くされる。つまり、固定手段(10)は、フィルム(8)に凸型の浮き出し模様を固着させる。このようにして、凸型の浮き出し模様は、射出手段(9)によって生成されて、固定手段(10)によって恒久的に固着される。
【0026】
任意で、本発明の方法は、浮き出し模様の生産物(9’)が塗布される前に、フィルム(8)に、より具体的には浮き出し模様の生産物(9')を受ける第1の表面(8.1)にプライマーを塗布することを含む。言い換えれば、フィルム(8)が射出手段(9)に移動される前に、フィルム(8)は、浮き出し模様の生産物(9’)の適切な保持がフィルム(8)に与えられるよう、プライマーを塗布するように構成されたプライマー塗布手段(11)に移動される。
【0027】
プライマー塗布手段(11)は従来のものである。プライマー塗布手段(11)は、デジタルインクジェット印刷技術、ローラーのセット(塗布ローラー、添加ローラー及び逆圧ローラー)、少なくとも1つのカーテン、ガン、スプレー又はエアロゾルを用いることができる。
【0028】
この最後の選択肢によれば、プライマー塗布手段(11)の直後に、本発明の方法を適用するためのフィルム(8)の移動の方向及び向きに従って、プライマーがフィルム(8)の第1の表面(8.1)に固定されるようにして、フィルム(8)にプライマーを硬化又は乾燥するための硬化手段(12)が存在する。硬化手段(12)及びプライマー塗布手段(11)は、
図6~13に概略的に示されている。
【0029】
更に、同時にではあるが、本発明の方法を実行するために、板状材(1)は移動手段(2)によって、及びそれ自身によって、使用される装置に移動される。この移動手段(2)は、独立した構成単位としての板状材(1)の移動の場合及び連続した構成単位としての板状材(1)の移動の場合の両方について、従来のものである。
【0030】
独立した構成単位としての板状材(1)の場合、移動手段(2)は、本発明の方法の開始として、すなわち供給手段として、板状材(1)を装置に移動させるように構成された第1の部分(2.1)を有する。この第1の部分(2.1)は、
図1に概略的に示されている。同様に、この場合には移動手段(2)は、対応する浮き出し模様を板状材(1)に提供するように処理している間に、装置を通って板状材(1)を移動させるように構成された輸送部分(2.2)を有する。
【0031】
輸送部分(2.2)は、得られた板状材(1)、つまり対応する浮き出し模様が配置されて完全に固定された板状材(1)の、他の製造工程、例えば仕上げ生産物を塗布するための機械を使用する他の製造工程への出口を提供するように更に構成される。
【0032】
任意で、連続した構成単位としての板状材(1)の場合、移動手段(2)は、好ましくはロール又はリールから構成される開始要素(2.A)を有し、そこから板状材(1)が連続して始まる。この開始要素(2.A)は、最初に供給手段として装置への板状材(1)の移動を可能にするために回転するように構成され、その後に板状材(1)は、装置によって対応する浮き出し模様が提供されるように処理される。
【0033】
更に、移動手段(2)は、好ましくは別のロール又は別のリールから構成される回収要素(2.B)を有し、板状材(1)は本発明の方法が適用された後に回収及び巻かれ、したがって対応する浮き出し模様を備える。この場合、移動手段は、上記の輸送部分(2.2)を更に含む。
【0034】
開始要素(2.A)及び回収要素(2.B)は、図ではそれらの方向、したがって板状材(1)の移動方向を示す矢印を含む。
【0035】
この後者の場合において、あるいは、移動手段(2)は、本発明の装置が他の製造工程、例えば、押出機、積層機などを用いる他の製造工程から連続的に来る板状材(1)を受け取って、得られた板状材(1)、つまり対応する浮き出し模様が配置されて完全に固定された板状材(1)の、他の製造工程、例えば仕上げ生産物を塗布するための機械を使用する他の製造工程への出口を提供するように構成されるので、開始要素(2.A)及び回収要素(2.B)が無い。
【0036】
本発明の装置は、覆い生産物(4)を塗布するための塗布手段(3)を備える。塗布手段(3)は従来のものである。好ましくは、覆い生産物(4)は、液体状態で塗布される。したがって、塗布手段(3)は、覆い生産物(4)をその液体状態により塗布するように構成されている。
【0037】
好ましくは、塗布手段(3)は、ローラーの別のセット(別の塗布ローラー、別の添加ローラー、及び別の逆圧ローラー)を含む。あるいは、覆い生産物(4)は、デジタルインクジェット印刷技術、少なくとも1つのカーテン、ガン、スプレー又はエアロゾルを使用することによって塗布されることができる。
【0038】
覆い生産物(4)は、任意のワニス、ラッカー、及び重合性樹脂から選択されることができる。したがって、覆い生産物(4)は反応性ポリウレタンにすることができる。更に、覆い生産物(4)は、エネルギーを加えることによって、好ましくは放射物を当てることによって硬化されることができ、例えばUV、UV-LED、EB、熱風、赤外線などであることができる。または、覆い生産物(4)は、2つの成分を含む材料、又は反応性ポリウレタンなどの他の重合機構を備えた材料であることのいずれかにより、化学重合によって硬化されることができる。したがって、塗布手段(3)は、覆い生産物(4)を塗布するように構成されており、これは上述した反応性ポリウレタンである。
【0039】
1つの選択肢によれば、板状材(1)は表面(1’)に予め印刷されて、例えば第1の部分(2.1)から、若しくは開始要素(2.A)から、又は対応する製造工程から装置に供給される。一方、別の選択肢によれば、本発明の方法は、板状材(1)、より具体的には板状材(1)の表面(1’)に印刷及び乾燥することを含む。つまり、板状材(1)が装置に供給されると、板状材(1)は最初に、板状材(1)の表面(1’)に印刷するように構成された印刷手段(5)へ、そして表面(1’)での印刷を乾燥するように構成された乾燥手段(6)へ移動される。
【0040】
この乾燥手段(6)及びこの印刷手段(5)は、本発明の装置に含まれる。乾燥手段(6)は、本発明の方法を適用する板状材(1)の移動の方向及び向きに従って、印刷手段(5)の直後に配置される。印刷手段(5)及び乾燥手段(6)は、
図10~13に概略的に示されている。
【0041】
印刷手段(5)は、好ましくは、デジタルインクジェット印刷技術を使用してインクを放出し、それにより印刷を行う。あるいは、この手段(5)は、グラビア印刷、オフセット、フレキソ印刷、又は他の同様の技術を使用する。乾燥手段(6)は、好ましくは放射物を当てることによってエネルギーを加え、放射物は、例えばUV、UV-LED、EB、熱風、赤外線などであることができる。
【0042】
更に、本発明の方法が板状材(1)に印刷及び乾燥することを含む場合、制御手段は、印刷の実行を、フィルム(8)への浮き出し模様の生産物(9’)の放出又は射出と同期させるように更に構成される。したがって、対応する複雑な計算に加えて、板状材(1)の始まりを読み取るための要素又は印刷などを観察及び検出するための要素を使用する必要がない。
【0043】
したがって、制御手段を使用することにより、本発明の方法は、デジタルインクジェット印刷技術を使用することによってフィルム(8)に生成される凸型の浮き出し模様を定めることに加えて、任意でフィルム(8)への浮き出し模様の生産物(9’)の放出又は射出を、印刷の実行と同期させることを含む。次に、同じく制御手段を使用することによって、本発明の方法は、覆い生産物(4)及び浮き出し模様の生産物(9’)の特性、並びにそれらが受ける硬化又は乾燥に従って、最終生成物で得られる浮き出し模様が定められるようにして、つまり板状材(1)で得られる凹型の浮き出し模様が定められるようにして、フィルム(8)での凸型の浮き出し模様を定めることを含む。
【0044】
したがって、板状材(1)に表示される印刷のデザイン及び浮き出し模様を定める情報があると、特に制御手段において、視覚及び触覚の両方で認識されるために、この情報は特に制御手段によって、印刷手段(5)及び射出手段(9)の両方にそれらの手段(5、9)の相互の同期が確立されるよう送信される。
【0045】
本発明の方法によれば、覆い生産物(4)が塗布され、それに対して3つの好ましいもの、つまり第1、第2、及び第3の好ましいものがある。
【0046】
これらの好ましいもののうちの第1のものによれば、塗布手段(3)は、覆い生産物(4)を、好ましくは層として、板状材(1)の表面(1’)のみに塗布するように配置される。このようにして、覆い生産物(4)は、板状材(1)の表面(1’)のみに塗布又は配置される。
図1及び6~13を参照されたい。この第1の好ましいものでは、記載された選択肢に加えて、表面(1’)は、印刷手段(5)及び乾燥手段(6)によって印刷が実行されて乾燥されても、それらがされなくてもよい。
【0047】
これらの好ましいもののうちの第2のものによれば、塗布手段(3)は、覆い生産物(4)を、好ましくは層として、フィルム(8)の第1の層(8.1)のみに、したがってまた第1の層(8.1)に生成及び固定された凸型の浮き出し模様にも塗布するように配置される。これにより覆い生産物(4)は、フィルム(8)の第1の層(8.1)のみに塗布又は配置される。
図14及び15を参照されたい。したがって、更に、凹型の浮き出し模様が、第1の層(8.1)に配置された凸型の浮き出し模様及び第1の層(8.1)自体に対する接触によって、その生産物(4)で同時に得られる。
【0048】
これらの好ましいもののうちの第3のものによれば、塗布手段(3)は、覆い生産物(4)を、好ましくは層として、印刷のある又はない板状材(1)の表面(1’)と、フィルム(8)の第1の層(8.1)、したがってまた第1の層(8.1)に生成及び固定された凸型の浮き出し模様の両方に塗布するように配置される。このようにして、覆い生産物(4)は、印刷のある又はない板状材(1)の表面(1’)と、凸型の浮き出し模様が配置されたフィルム(8)の第1の層(8.1)の両方に塗布又は配置される。したがって、更に、凹型の浮き出し模様は、第1の層(8.1)に配置された凸型の浮き出し模様及び第1の層(8.1)自体との接触によって、その生産物(4)で同時に得られる。
図16~19を参照されたい。この好ましいものは、前の2つのものの組み合わせである。
【0049】
記載された第1又は第3の好ましいものに従って、覆い生産物(4)が塗布されると、本発明の方法は、任意で、覆い生産物(4)の塗布手段(3)から半硬化手段(7)への板状材(1)の移動を含む。半硬化手段(7)は、例えばUV、UV-LED、EB、熱風、赤外線などであり得る放射物を加えるように構成され、それにより覆い生産物(4)は部分的にのみ硬化され、つまりゲル化され、従って塑性変形の能力を維持する。
【0050】
本発明の方法に任意で含まれる覆い生産物(4)の部分的な硬化又は固定のこの段階は、適当であるならば、覆い生産物(4)の特性そのものに応じて、更に覆い生産物(4)で得られる浮き出し模様の特徴及び特性に応じて行われる。したがって、この段階が行われるならば、それは例えば覆い生産物(4)が、浮き出し模様が生成されることができるように、塑性変形可能であるように部分的な硬化又は乾燥を必要とする場合に行われる。
【0051】
記載された第1の好ましいものによれば、フィルム(8)の供給及び対応する板状材(1)の移動は、フィルム(8)に固着された凸型の浮き出し模様及び板状材(1)での覆い生産物(4)の層が、それぞれ同時に転写手段(13)に移動されるようにして継続する。この転写手段(13)は、凹型の浮き出し模様が得られるようにして、凸型の浮き出し模様を板状材(1)に、より具体的には板状材(1)の表面(1’)に配置された覆い生産物(4)に、転写するように構成される。
【0052】
この第1の好ましいものによれば、本発明の方法は、覆い生産物(4)に凹型の浮き出し模様を維持又は固着させるように、覆い生産物(4)を完全に固定又は硬化させることを含む。覆い生産物(4)のこの完全な固定は、好ましくは、覆い生産物(4)が、フィルム(8)に配置された凸型の浮き出し模様及びフィルム(8)自体の両方と順次接触した状態で行われ、それにより凹型の浮き出し模様が、空気、より具体的には酸素と接触せずに完全に固定又は硬化される。これは、硬化がより効率的に行われることに加えて、浮き出し模様のより正確な転写が確実に行われるようにする。
【0053】
記載された第2の好ましいものによれば、フィルム(8)の供給及び対応する板状材(1)の移動は、板状材(1)と、フィルム(8)に固着された凸型の浮き出し模様が、フィルム(8)の第1の層(8.1)(したがってまたその凸型の浮き出し模様)に塗布された覆い生産物(4)の層と共に、同時に転写手段(13)に移動されるようにして継続する。この第2の可能であるものによれば、この転写手段(13)は、フィルム(8)での先に得られた凹型の浮き出し模様を備えた覆い生産物(4)を、板状材の表面(1’)に移動させるように構成される。このようにして、凹型の浮き出し模様と覆い生産物(4)の両方が、同時に板状材(1)の表面(1’)に配置されるか又は板状材(1)の表面(1’)で得られる。
【0054】
この第2の好ましいものによれば、本発明の方法は、覆い生産物(4)に凹型の浮き出し模様を維持又は固着するように、覆い生産物(4)を完全に固定又は硬化させることを含む。覆い生産物(4)のこの完全な固定は、覆い生産物(4)が板状材(1)の表面(1)と順次接触した状態で行われる。更に、覆い生産物(4)のこの完全な固定は、好ましくは、覆い生産物(4)が、フィルム(8)に配置された凸型の浮き出し模様及びフィルム(8)自体の両方と同様にして接触した状態で行われ、それにより凹型の浮き出し模様が、空気、より具体的には酸素と接触せずに完全に固定又は硬化される。
【0055】
記載された第3の好ましいものによれば、フィルム(8)の供給及び対応する板状材(1)の移動は、板状材(1)と、フィルム(8)に固着された凸型の浮き出し模様が、板状材(1)の表面(1’)及びフィルム(8)の第1の層(8.1)(したがってまたその凸型の浮き出し模様に)の両方に塗布された覆い生産物(4)の層と共に、同時に転写手段(13)に移動されるようにして継続する。この第3の可能であるものによれば、この転写手段(13)は、フィルム(8)での先に得られた凹型の浮き出し模様を備えた覆い生産物(4)を、板状材の表面(1’)に配置された覆い生産物(4)に移動させるように構成される。このようにして、フィルム(8)の覆い生産物(4)とこの覆い生産物(4)の凹型の浮き出し模様の両方が、板状材(1)の表面(1’)に配置された覆い生産物に同時に配置される。
【0056】
この第3の好ましいものによれば、本発明の方法は、覆い生産物(4)に凹型の浮き出し模様を維持又は固着するように、覆い生産物(4)を完全に固定又は硬化させることを含む。覆い生産物(4)のこの完全な固定は、凹型の浮き出し模様が維持されながら、フィルム(8)及び板状材(1)の覆い生産物(4)が一体となった状態で行われる。更に、覆い生産物(4)のこの完全な固定は、好ましくは、覆い生産物(4)が、フィルム(8)に配置された凸型の浮き出し模様及びフィルム(8)自体の両方と順次接触した状態で行われ、それにより凹型の浮き出し模様が、空気、より具体的には酸素と接触せずに完全に固定又は硬化される。
【0057】
3つの好ましいものによれば、本発明の方法は、板状材(1)及びフィルム(8)を、それらが転写手段(13)、及び覆い生産物(4)が板状材(1)の表面(1’)で凹型の浮き出し模様を備えて固化及び固着されるようにして覆い生産物(4)を完全に固定又は硬化するように構成された硬化手段(14)に至るよう、移動させることを含む。
【0058】
硬化手段(14)は、好ましくはUV又はUV-LEDである、放射物を加えるように構成される。あるいは、それはEB、熱風又は赤外線であることもできる。覆い生産物(4)と接触する凸型の浮き出し模様の好ましい構成、したがってフィルム(8)の好ましい構成は、フィルム(8)と覆い生産物(4)の間に位置し得る空気を著しく減少させるか又は排除さえするので、硬化手段(14)に特に効果的である。
【0059】
1つの可能であるものによれば、転写手段(13)及び硬化手段(14)は、硬化手段(14)が転写手段(13)の後に位置するように配置される。このようにして、転写手段(13)が最初に作用し、次に完全な硬化手段(14)が作用する。この可能であるものによれば、転写手段(13)は、フィルム(8)及び覆い生産物(4)に対して制御された圧力を加えるように構成されたローラーである。例として
図1を参照されたい。
【0060】
別の可能であるものによれば、転写手段(13)及び硬化手段(14)は、それらが同時に作用するように配置される。例えば、
図6~13を参照されたい。この他の可能であるものによれば、転写手段(13)はフィルム(8)及び覆い生産物(4)に対して制御された圧力を加えるように構成されたローラーであり、覆い生産物(4)に対して硬化を行うために硬化手段(14)が転写手段(13)の中に収容されることができる。これによれば、このローラーは、放射物がローラーを通過するように透過性の外周を含み、放射物は好ましくはUV又はUV-LEDであり、あるいはEB、熱風又は赤外線であることもできる。
【0061】
同様に、やはりこの他の可能であるものによれば、本発明の方法は、硬化手段(14)を備えたローラーを板状材(1)及びフィルム(8)が、各長手方向地点から明らかに通過した後に、硬化手段(14)を再び使用することを含んでもよい。言い換えれば、硬化手段(14)は、少なくとも2つの異なる位置により配置される。
【0062】
これは、例えば、凹型の浮き出し模様を維持して、覆い生産物(4)の完全な硬化を確実に行うために、又は完全な硬化の時間を短くするために行われる。好ましくは、異なる複数の位置の硬化手段(14)によるこの硬化は、覆い生産物(4)が、板状材(1)の表面(1’)に加えて、フィルム(8)に配置された凸型の浮き出し模様と接触した状態で行われる。
【0063】
ローラー、すなわち転写手段(13)の内部とは異なる位置にある硬化手段(14)は、同時に転写手段(13)により圧力を加えて覆い生産物(4)を硬化させた後の覆い生産物(4)を硬化させるように配置される。
【0064】
他方では、本発明の方法は、完全に硬化した覆い生産物(4)との接触を維持した状態で、板状材(1)、フィルム(8)、したがってフィルム(8)に含まれる凸型の浮き出し模様の回収又は貯蔵を含むことができる。
【0065】
他方では、本発明の方法は、フィルム(8)によって提供される凹型の浮き出し模様を維持しながら、覆い生産物(4)の完全な硬化又は完全な固定が行われたら、覆い生産物(4)に対して遠ざけられる又は離されるようにして、フィルム(8)の移動を含むことができる。つまり、本発明の方法は、フィルム(8)、したがってそれが運ぶ凸型の浮き出し模様をまた、覆い生産物(4)から分離することを含むことができる。
【0066】
そのために、本発明の装置は除去手段(15)を含む。好ましくは、除去手段(15)は、1つ以上のガイドローラーとして、より好ましくは少なくとも2つのガイドローラーとして構成され、その周りで板状材(1)の移動方向に対して角度をなす移動方向を定めるようにしてフィルム(8)が移動される。
【0067】
このようにして、本発明の方法により、その表面(1’)に所望の浮き出し模様を備えた板状材(1)が得られる。したがって、板状材(1)は、構成単位ごとに回収されることができ、これは予め定められた浮き出し模様を運ぶ回収要素(2.B)で巻かれるか、又は他の対応する製造工程へ移動されることができる。
【0068】
上述したように、好ましくは、硬化手段(14)に対応して、覆い生産物(4)は、完全に正確な方法で、好ましいものに応じて正又は凹型の浮き出し模様の転写を確実にするために、フィルム(8)に配置された凸型の浮き出し模様と接触している。更に、覆い生産物(4)と接触する凸型の浮き出し模様の構成、したがってフィルム(8)の構成は、フィルム(8)と覆い生産物(4)の間に位置し得る空気を著しく減少させるか又は排除さえするので、硬化手段(14)に特に効果的である。
【0069】
しかしながら、あるいは本発明の方法は、固化されるようにして覆い生産物(4)の完全な硬化又は完全な固定が行われる前に、板状材(1)の表面(1’)での凹型の浮き出し模様が付けられた覆い生産物(4)を維持しながら、上述したようにフィルム(8)、したがってそれが運ぶ凸型の浮き出し模様をまた、覆い生産物(4)から分離することを含むことができる。
【0070】
この変形例によれば、好ましくは本発明の装置は、本発明の方法を適用する板状材(1)の移動の方向及び向きに従って、除去手段(15)の後に配置される硬化手段(14)を欠くか又は省く。
図22及び23を参照されたい。これによれば、本発明の装置は、完全な硬化が行われるように、板状材(1)の表面(1’)での凹型の浮き出し模様を備えた覆い生産物(4)を、必要な時間に亘って空気に曝すための静止領域を備える。
【0071】
したがって、本発明の方法は、本発明の装置の位置に対応する室温に必要な時間に亘って曝露することによって、板状材(1)の表面(1’)での凹型の浮き出し模様が付けられた覆い生産物(4)を維持しながら、固化されるようにして覆い生産物(4)を完全に固定又は硬化することを含む。この変形例では、覆い生産物(4)が反応性ポリウレタンである場合に、好ましい方法によって得られるような結果をもたらす。
【0072】
この変形例に従い、本発明の装置の別の可能であるものによれば、硬化手段(14)は、本発明の方法を適用する板状材(1)の移動の方向及び向きに従って、除去手段(15)の後に配置される。
図20及び21を参照されたい。この変形例では、覆い生産物(4)が反応性ポリウレタンである場合に、好ましい方法によって得られるような結果をもたらす。
【0073】
更に、フィルム(8)は、覆い生産物(4)に対して分離又は離されると、洗浄手段(16)に移動される。これにより、凸型の浮き出し模様が生成されて固着されたフィルム(8)を再利用できる可能性を提供する。この手段(16)は、凸型の浮き出し模様を含むフィルム(8)の第1の表面(8.1)を洗浄するように構成され、その浮き出し模様はフィルム(8)に維持され、覆い生産物(4)は除去される。この洗浄手段(16)は、好ましくは、ブロー要素(回転及び/又はカーテン)と吸引要素及び/又は静電気を排除する要素(脱イオン障壁など)との組み合わせである。
【0074】
任意で、本発明の方法は、フィルム(8)を洗浄手段(16)から廃棄手段(18)に移動させることを含む。廃棄手段(18)は、フィルム(8)から凸型の浮き出し模様を取り出す、取り除く又は除去するように構成される。したがって、フィルム(8)は、本発明の方法により再び使用されることができる。
【0075】
そのため、この廃棄手段(18)は、凸型の浮き出し模様に溶剤を塗布し、その後に洗浄及び乾燥するように構成されている。更に又はあるいは、廃棄手段(18)は、凸型の浮き出し模様がフィルム(8)から機械的に分離されるようにしてスクレーパー要素を使用するように構成される。任意で、廃棄手段(18)は、記載されたものに加えて又は変えて、超音波を当てるように構成される。
【0076】
好ましくは、少なくとも洗浄手段(16)は、それらが除去手段(15)を形成するガイドローラーの間にあるように配置され、より好ましくは、洗浄手段(16)と廃棄手段(18)の両方が、除去手段(15)を形成するガイドローラーの間にあるように配置される。除去手段(15)が1つのガイドローラーである場合と2つ以上である場合の両方で、この手段(15)がフィルム(8)の移動方向を1回変更することによって、フィルム(8)が覆い生産物(4)から分離されて、想定される覆い生産物(4)の残留物が洗浄されて、凸型の浮き出し模様から放出されることをもたらすように構成される。
【0077】
一例では、
図6、7、10及び11に示されるように、本発明の方法は、フィルム(8)を廃棄手段(18)から、フィルム(8)を回収するように構成された回収要素(17)に移動させることを更に含む。
【0078】
この例によれば、フィルム(8)が洗浄手段(16)から回収要素(17)に直接移動される
図1に対応する装置の構成に加えて、本発明の装置は、フィルム(8)を供給するための供給手段を備え、供給手段は、好ましくはフィルム(8)の巻きを解くことによってフィルム(8)を供給するするように構成される。
【0079】
好ましくは、回収要素(17)及び供給要素(19)の両方が供給手段に含まれる。回収要素(17)及び供給要素(19)は、図ではそれらの回転方向を示す矢印を含む。それらの要素(17、19)は、フィルム(8)の供給又は移動を可能にするために、最初は供給手段として、その後に装置の他の部分によって対応する浮き出し模様が移されるために、最後にその回収又は巻き取りのために構成される。
【0080】
別の例によれば、
図8、9、12及び13に示されるように、本発明の方法は、浮き出し模様の生産物(9’)をフィルム(8)に再び放出又は射出するために、フィルム(8)を廃棄手段(18)からプライマー塗布手段(11)に、又はそれが無い場合は射出手段(9)に直接移動させ、同じフィルム(8)に、より具体的には同じ第1の表面(8.1)に再び凸型の浮き出し模様を生成することを含む。これによれば、フィルム(8)の供給は、閉じた経路により行われる。
【0081】
フィルム(8)の閉じた経路のこの構成は、回収要素(17)及び供給要素(19)の両方を省くことを伴う。この場合、供給手段は、除去手段(15)、転写手段(13)、及び/又はその機能を実行するために配置されたいくつかの移動要素である。フィルム(8)の閉じた経路又は閉じた延在によれば、フィルム(8)の回転方向は、
図8、12及び13の矢印によって表されており、フィルム(8)の供給は完全に連続的である。
【符号の説明】
【0082】
1 板状材
1’ 板状材の表面
2 移動手段
2.1 第1の部分
2.2 輸送部分
2.A 開始要素
2.B 回収要素
3 塗布手段
4 覆い生産物
5 印刷手段
6 乾燥手段
7 半硬化手段
8 フィルム
8.1 第1の表面
8.2 第2の表面
9 射出手段
9’ 浮き出し模様の生産物
10 固定手段
11 プライマー塗布手段
12 硬化手段
13 転写手段
14 硬化手段
15 除去手段
16 洗浄手段
17 回収要素
18 廃棄手段
19 供給要素