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  • 特許-冷却装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/14 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
F25D21/14 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023102103
(22)【出願日】2023-06-21
【審査請求日】2023-08-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518313489
【氏名又は名称】株式会社ナガオカ
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】長岡 昭彦
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038013(JP,A)
【文献】実開昭51-031868(JP,U)
【文献】特開平07-332833(JP,A)
【文献】特開2001-012844(JP,A)
【文献】特開平06-074635(JP,A)
【文献】特開2022-178367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/00-21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンと、
前記ファンの下方に設けられた冷却コイルと、
それぞれ前記冷却コイルの下方に設けられ、平面視して隙間を空けずに延び、受けた除霜水を流す流路が形成されているとともに該冷却コイルを通った冷却風の向きを変える複数の偏向部材と、
前記複数の偏向部材にそれぞれ設けられた第1のヒーターと、
前記複数の偏向部材から流れ出た除霜水を流す排水部材と、
前記排水部材に設けられた第2のヒーターと、
前記排水部材を流れる除霜水を外部へと排出するためのドレン管と、
前記ドレン管に設けられた第3のヒーターと、を備え、
前記複数の偏向部材の一端部の側が、他端部の側よりも低くなるように配置され、
前記第1のヒーターが、前記偏向部材の下面に設けられている冷却装置。
【請求項2】
請求項記載の冷却装置において、
前記排水部材が、平面視して前記複数の偏向部材と交差して延び、該複数の偏向部材を支持する冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貯蔵室上面から貯蔵室内に結露水が垂れ落ちないようにするための露受け板を有する高湿度冷却貯蔵庫が記載されている。
この高湿度冷却貯蔵庫は、断熱材にて形成された断熱箱体と、断熱箱体内に所定の間隔を存して設けられ、熱良導部材にて形成された貯蔵箱と、貯蔵箱にて画成され、内部に貯蔵物を収納する貯蔵室と、貯蔵室の外側に冷気を流して貯蔵室を冷却する冷却装置と、天板の下側に左右に並べて設けた複数の露受け板とを具え、複数の露受け板の一方の露受け板の他方の露受け板との対向縁に、他方の露受け板の対向縁まで覆う庇状片を前後方向にわたって一体的に形成したことを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-83283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、除霜水が被冷却物に付着することが抑制された冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ファンと、前記ファンの下方に設けられた冷却コイルと、それぞれ前記冷却コイルの下方に設けられ、平面視して隙間を空けずに延び、受けた除霜水を流す流路が形成されているとともに該冷却コイルを通った冷却風の向きを変える複数の偏向部材と、前記複数の偏向部材にそれぞれ設けられた第1のヒーターと、前記複数の偏向部材から流れ出た除霜水を流す排水部材と、前記排水部材に設けられた第2のヒーターと、前記排水部材を流れる除霜水を外部へと排出するためのドレン管と、前記ドレン管に設けられた第3のヒーターと、を備え、前記複数の偏向部材の一端部の側が、他端部の側よりも低くなるように配置され、前記第1のヒーターが、前記偏向部材の下面に設けられている冷却装置である。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項記載の冷却装置において、前記排水部材が、平面視して前記複数の偏向部材と交差して延び、該複数の偏向部材を支持する。
【0010】
【0011】
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、除霜水が被冷却物に付着することが抑制された冷却装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(A)、(B)は、それぞれ、本発明の一実施の形態に係る冷却装置を正面視した説明図及び内部構造図である。
図2】(A)、(B)は、それぞれ、同冷却装置が備えるファン、冷却コイル及び偏向部材の位置関係を示す正面図及び側面図である。
図3】(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、同冷却装置が備える偏向部の正面図、側面図及び平面図である。
図4】同冷却装置が備える偏向部材の断面形状を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0015】
本発明の一実施の形態に係る冷却装置10は、例えば冷凍庫や冷蔵庫であり、図1(B)に示すように、ファン20、冷却コイル30、偏向部40、排水部50及びヒーター60a~60e(図3(B)参照)を備え、庫内の空間Sに保管された食材等の被冷却物を冷蔵又は冷凍できる。
【0016】
ファン20は、空間Sの上方に複数隣接して配置され、下方に向かってエアを送り出すことができる。
【0017】
冷却コイル30は、図2(A)、(B)に示すように、ファン20の下方に配置され、接触した空気を冷却できる。ファン20から送られたエアは、冷却コイル30を通って冷却され、冷却風として、庫内の下方へと抜ける。なお、冷却風は、図2(B)の矢印で示すように、前方及び後方にも抜ける。
【0018】
偏向部40は、複数の偏向部材402a~402eを有している。これらの複数の偏向部材402a~402eは、それぞれ、冷却コイル30の下方かつ被冷却物が保管される空間S(図1(B)参照)の上方に配置され、冷却コイル30を通った冷却風の向きを変えることができるとともに、除霜水を受ける受けとして機能できる。
【0019】
各偏向部材402a~402eは、一方向に延びる金属製の棒状の部材であり、実質的に同一の形状となっている。各偏向部材402a~402eの一端部の側は、図2(A)及び図3(A)に示すように、他端部の側よりも低くなるように配置されている。
各偏向部材402a~402eは、図3(C)に示すように、平面視して、隣接する偏向部材402a~402eと端縁部が重なり、隙間を空けずに並んで配置されている。
【0020】
各偏向部材402a~402eは、図4に示すように、前面側から後方側へ向かって徐々に高さ位置が低くなるように、冷却風の流れの方向に対して斜めに配置された薄板状のルーバー部404を有している。このルーバー部404の下端部の上側の面には、除霜水を流す流路となる流路形成溝403が形成されている。流路形成溝403は、ルーバー部404の縁部が上方へ折り曲げられることにより形成されている。
ルーバー部404によって向きが変更された冷却風は、隣接する偏向部材の間を通り、後方下向き(図2(B)に示す矢印参照)へと流れる。
【0021】
なお、冷却風の偏向方向は、少なくとも下方であれば、例えば前方下向きであってもよいし、左方向下向きや右方向下向きであってもよい。換言すると、偏向部材402a~402eの間を通過した偏向後の冷却風の流れが、少なくとも下向きのベクトル成分を含んでいればよい。
付言すると、偏向方向は、偏向部材402a~402eを取り付ける向きを変更することによって変えることができる。
【0022】
排水部50は、図3(A)に示すように、排水部材502及びドレン管504を有し、各偏向部材402a~402eから流れ出た除霜水を受け、外部へと排出できる。
排水部材502は、偏向部材402a~402eと交差して延びる金属製の棒状の部材であり、偏向部材402a~402eの一端部の下側に位置し、この一端部を支持している。排水部材502には、偏向部材402a~402eの一端部から流れ出た除霜水を流す流路となる排水溝が形成されている。
ドレン管504は、一端部が排水部材502の排水溝に接続され、他端が冷却装置10の外部まで延びている。ドレン管504は、排水溝を流れる除霜水を外部へと排出できる。
【0023】
ヒーター(加熱手段の一例)60a~60eは、それぞれ例えば、防水性を有するコードヒータであり、図3(B)に示すように、各偏向部材402a~402eのルーバー部404の下面(裏面)に、長手方向に沿って設けられ、流路形成溝403を流れる除霜水が凍結することを抑制できる。
ヒーター(不図示)は、除霜水が流れ、凍結する恐れのある排水部材502及びドレン管504にも設けられている。
各ヒーターは、除霜水の凍結を抑制できれば任意の加熱手段でよい。
【0024】
なお、冷却装置10の前面には、図1(A)に示すように、ドア102が設けられており、このドア102を介して庫内に対し被冷却物の搬入出が行われる。
また、前面には、ファン20その他の冷却に必要な各部を制御するための制御盤104が設けられている。
【0025】
次に、冷却装置10の動作、特に冷却コイル30に付着した霜を除去するための動作ついて説明する。
【0026】
被冷却物を冷却するための冷却運転中は、ファン20が回転し、冷却コイル30を通った冷却風が下方へと流れる。冷却風は、偏向部材402a~402eを通ることによってその流れの向きが変えられ、後方下向きへと流れる。
従って、冷却風の流れが大きく阻害されることが抑制される。
【0027】
一方で、冷却コイル30には、冷却運転に伴って徐々に霜が付着する。冷却運転が長期にわたり、冷却コイル30に多量の霜が付着した場合は、冷却装置10の使用者の操作によって、霜を除去するための霜取り運転が行われる。
【0028】
霜取り運転が行われると、ファン20が停止し、冷却コイル30が加熱される。その結果、冷却コイル30に付着した霜が解け、除霜水として落下する。
落下した除霜水は、冷却コイル30の下方に設けられた偏向部材402a~402eにて受けられる。
【0029】
ここで、偏向部材402a~402eは、図3(C)に示すように、平面視して隙間を空けずに並んでいるため、除霜水が偏向部材402a~402eの下方に落下して被冷却物に付着することが抑制される。
偏向部材402a~402eに落下した除霜水は、それぞれ流路形成溝403(図4参照)へと流れ、その後、低い位置にある一端部の側へと流れる。除霜水は、更に排水部材502へと流れ、ドレン管504から外部へと排出される。
【0030】
霜取り運転中は、ヒーター60a~60eが発熱することにより、偏向部材402a~402eが加熱される。また、図示しないヒーターにより、排水部材502及びドレン管504も加熱される。従って、除霜水が凍結して流路が詰まり、溢れてしまうことが抑制される。
【0031】
以上説明したように、冷却装置10によれば、霜取り運転中に除霜水が被冷却物に付着することが抑制される。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
前述の実施の形態に係る冷却装置は、冷凍庫や冷蔵庫に限定されるものではなく、冷凍倉庫として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 冷却装置
20 ファン
30 冷却コイル
40 偏向部
50 排水部
60a~60e ヒーター
102 ドア
104 制御盤
402a~402e 偏向部材
403 流路形成溝
404 ルーバー部
406 流路形成部
502 排水部材
504 ドレン管
S 空間
【要約】
【課題】除霜水が被冷却物に付着することが抑制された冷却装置を提供する。
【解決手段】冷却装置10は、ファン20と、ファン20の下方に設けられた冷却コイル30と、冷却コイル30の下方に設けられ、冷却コイル30を通った冷却風の向きを変える複数の偏向部材402a~402eと、を備え、複数の偏向部材402a~402eが、平面視して、それぞれ隙間を空けずに延び、複数の偏向部材402a~402eに、それぞれ、除霜水を流す流路が形成されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4