(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】釣り用手首保護帯
(51)【国際特許分類】
A01K 97/10 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
A01K97/10 B
(21)【出願番号】P 2023511663
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 KR2021007714
(87)【国際公開番号】W WO2022045549
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109337
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523046534
【氏名又は名称】イ、ソク チョン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソク チョン
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0092342(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0031227(KR,A)
【文献】実開昭63-165178(JP,U)
【文献】実開昭57-091480(JP,U)
【文献】実開昭57-028671(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0381850(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289933(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0144064(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣竿を手首又は前腕の身体部位に支持するための釣り用手首保護帯であって、
前記釣竿を包み込むための釣竿包み込み部材と、
前記身体部位との間に前記釣竿包み込み部材を位置させて前記釣竿包み込み部材と前記身体部位を一緒に包み込むためのメイン包み込み部材と、
前記釣竿包み込み部材と前記メイン包み込み部材とを分離可能に連結する連結部と、を含む、釣り用手首保護帯。
【請求項2】
前記連結部は、
前記メイン包み込み部材が前記釣竿包み込み部材と前記身体部位を包み込む間に、その包み込まれる形状に合わせて形状変更が可能な材質又は構造で構成される、請求項
1に記載の釣り用手首保護帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣りに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣りは、魚を獲る行為である。このような釣りをするためには、釣竿、リール、及び釣り仕掛け(釣糸や重り、釣り針など)などを必要とする。
【0003】
すなわち、釣り仕掛けを釣竿に構成する際に、釣竿に釣糸、ウキ、重り、サルカン、釣り針の順に連結する。よって、通常、水に浸される釣糸には、重量体からなる重りが水中に沈むことができるように連結され、釣糸の端には釣針がハリスを介して結び付けられる。一方、ユーザ(釣人など)が手で釣竿を長時間握っていると、手首にかなり無理を与えることができるので、通常、スポーツ用手首保護帯を着用する実情である。ちなみに、リール、餌、重りなどが仕掛けられた釣竿をもって1日8時間程度魚を獲るために、水(海水を含む)に対して浸けたり上げたりすることを繰り返すと、手首に疲労が蓄積されてかなりの疼痛が発生する。
【0004】
既存のスポーツ用手首保護帯は、手首を包み込む構造を持つ。特に、既存のスポーツ用手首保護帯は、手首に着用され、必要に応じて釣竿の荷重を一部支持する役割をする。つまり、既存のスポーツ用手首保護帯は、釣竿から分離されており、この状態で長時間使用するときに手首の保護に物足りなさがあるので、新しい構造の釣り専用手首保護帯の必要性が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、このような必要性に応じて、釣竿のハンドルとの結合が可能であるため、重りから釣竿にかかる荷重を分散させて手首を保護し、かつ重りから伝達される釣り感度(すなわち、海の底形態、隣りの釣人との釣糸もつれ、魚のアタリなどを把握することができる感度)を増加させることにより、釣りの興味を誘発させることができる釣り用手首保護帯を提供することにある。
【0006】
本発明の他の技術的課題は、釣りをする間に手首を保護することができるだけでなく、釣竿を動きなく手首に密着するように固定させることができる釣り用手首保護帯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態による釣り用手首保護帯は、手首を保護し且つ釣竿を手首に支持するための釣り用手首保護帯であって、前記釣竿を包み込むための釣竿包み込み部材と、前記手首との間に前記釣竿包み込み部材を位置させて前記釣竿包み込み部材と前記手首を一緒に包み込むためのメイン包み込み部材と、を含む。
【0008】
上述した本発明の実施形態による釣り用手首保護帯は、前記釣竿包み込み部材と前記メイン包み込み部材とを分離可能に連結する連結部をさらに含むことができる。
【0009】
前記連結部は、前記メイン包み込み部材が前記釣竿包み込み部材と前記手首を包み込む間に、その包み込まれる形状に合わせて形状変更が可能な材質又は構造で構成できる。
【0010】
前記連結部は、前記釣竿包み込み部材に設けられる第1連結通過部と、前記メイン包み込み部材に設けられる第2連結通過部と、前記第1連結通過部に挿入される第1連結環と、前記第2連結通過部に挿入される第2連結環と、前記第1連結環と前記第2連結環とを分離可能に連結し、前記第1連結環及び第2連結環に回転自由度を付加する回転継手部と、を含むことができる。
【0011】
前記回転継手部は、前記第1連結環に連結される第1回転環と、前記第1回転環を一端部に軸を基準として回転可能に連結する回転軸部材と、前記回転軸部材の他端部にその軸を基準として回転可能に連結される第2回転環と、前記第2回転環に一端部のリングが連結され、他端部のフックが選択的に開閉され、前記第2連結環に分離可能に連結される締結部材と、を含むことができる。
【0012】
上述した本発明の実施形態による釣り用手首保護帯は、前記釣竿包み込み部材のうち、前記釣竿が置かれる内側面に設けられる摩擦部材をさらに含むことができる。
【0013】
前記第1連結通過部は、前記釣竿包み込み部材の内側面に縫製できる。
【0014】
前記釣竿包み込み部材及び前記メイン包み込み部材のそれぞれは、着脱部を含むことができ、前記着脱部は、前記部材のうち、巻回時に内側に面する内側面に設けられる雌型面ファスナーと、前記部材のうち、巻回時に外側に面する外側面に設けられ、前記雌型面ファスナーに付着する雄型面ファスナーと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の実施形態による釣り用手首保護帯は、次の効果を有することができる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、手首を保護し且つ釣竿を手首に支持するための釣り用手首保護帯であって、釣竿包み込み部材とメイン包み込み部材とを含む技術構成を提供するので、釣竿包み込み部材を介して釣竿を包み込んだ状態でこれを手首に接するように位置させた後、メイン包み込み部材で釣竿包み込み部材と手首を一緒に包み込むことができるため、手首とメイン包み込み部材との間に釣竿包み込み部材が固定されて釣竿が一緒に固定でき、究極的には、釣りをする間に手首を保護することができ、釣竿を動きなく手首に固定することができるうえ、釣竿が手首に密着してアタリに対する釣り感度を上げることができる。
【0017】
また、本発明の実施形態によれば、連結部をさらに含む技術構成を提供するので、釣竿包み込み部材と前記メイン包み込み部材とを分離可能に連結することができるため、連結部の連結を介して各部材の紛失を防ぐことができ、連結部の分離によって、予め釣竿に釣竿包み込み部材を結合し、船上で釣竿包み込み部材を結合することができるようにして、使い勝手を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の実施形態によれば、連結部は、形状変更が可能な材質又は構造で構成される技術構成を提供するので、メイン包み込み部材が釣竿包み込み部材と手首を包み込む間に、その包み込まれる形状に合わせて形状が変更できるため、連結部の妨害を最小限に抑えながら各部材間の密着力を高めることができ、究極的には、釣竿に対する固定力だけでなく、アタリに対する釣り感度を上げることができる。
【0019】
また、本発明の実施形態によれば、摩擦部材をさらに含む技術構成を提供するので、釣竿包み込み部材の内側面に釣竿が置かれる場合、摩擦部材に接しながら釣竿の遊動を防止することができるため、釣竿の固定力をさらに高めることができる。
【0020】
また、本発明の実施形態によれば、連結部の一構成要素である第1連結通過部は、釣竿包み込み部材のうち、釣竿が置かれる内側面に縫製される技術構成を提供するので、釣竿包み込み部材が釣竿を包み込む間に連結部との干渉を防ぐことができる。
【0021】
また、本発明の実施形態によれば、本発明の釣り用手首保護帯のうち、メイン包み込み部材が手首の代わりに前腕を包み込む形で着用される場合、手から前腕着用地点まで釣竿の密着部位の長さが長くなる効果により、釣り感度も上がる効果をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態による釣り用手首保護帯を概略的に示す展開図である。
【
図2】
図1の釣り用手首保護帯の釣竿包み部材に釣竿が巻かれた状態を概略的に示す図である。
【
図3】
図2の釣竿を片手で把持して手首に位置させる状態を概略的に示す図である。
【
図4】
図3のメイン包み込み部材を他の手で把持して釣竿包み込み部材と手首を一緒に巻く過程を概略的に示す図である。
【
図5】
図4のメイン包み込み部材が完全に巻かれた状態を概略的に示す図である。
【
図6】他の使用例として、
図1の釣り用手首保護帯がユーザの前腕に着用された状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々に異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0024】
図1は本発明の一実施形態による釣り用手首保護帯を概略的に示す展開図、
図2は
図1の釣り用手首保護帯の釣竿包み部材に釣竿が巻かれた状態を概略的に示す図である。
【0025】
図3は
図2の釣竿を片手で把持して手首に位置させる状態を概略的に示す図、
図4は
図3のメイン包み込み部材を他の手で把持して釣竿包み込み部材と手首を一緒に巻く過程を概略的に示す図、
図5は
図4のメイン包み込み部材が完全に巻かれた状態を概略的に示す図、
図6は他の使用例として、
図1の釣り用手首保護帯がユーザの前腕に着用された状態を概略的に示す図である。
【0026】
本発明の一実施形態による釣り用手首保護帯100は、
図1~
図5に示すように、手首1を保護し且つ釣竿10を手首1に支持するための装置であって、釣竿包み込み部材110とメイン包み込み部材120とを含む。
図1~
図5を参照して、各構成要素について詳細に説明する。
【0027】
釣竿包み込み部材110は、釣竿10の一部の周囲を包み込むための構成要素である。このような釣竿包み込み部材110は、
図1に示すように、一定の幅と長さを有するストラップ形状(strap shape)をすることができ、繊維素材又は皮革素材などから構成されてもよい。さらに、
図1及び
図2に示すように、釣竿包み込み部材110は、着脱部150によってその両端部が着脱できる。また、
図1に示すように、釣竿包み部材110の一端には、釣竿包み部材110が巻かれる場合、その一部を通過させて係止するための係止部材161が設けられてもよく、釣竿包み込み部材110の他端には、手で容易に把持することができるようにハンドル162が設けられてもよい。
【0028】
メイン包み込み部材120は、
図3~
図5に示すように、手首1との間に釣竿包み込み部材110が位置する場合、釣竿包み込み部材110と手首1とを一緒に包み込むための構成要素である。このようなメイン包み込み部材120は、
図1に示すように、釣竿包み込み部材110よりも大きい幅と長さを有するストラップ形状をすることができ、繊維素材又は皮革素材などから構成されてもよい。さらに、メイン包み込み部材120は、着脱部150によってその両端部が着脱できる。
【0029】
したがって、これらの構成要素が提供されるので、
図3に示すように、釣竿包み込み部材110を介して釣竿10を包み込んだ状態でこれを手首1に接するように位置させた後、
図4及び
図5に示すように、メイン包み込み部材120で釣竿包み込み部材110と手首1を一緒に包み込むことができるため、手首1とメイン包み込み部材120との間に釣竿包み込み部材110が固定されて釣竿10が一緒に固定されることができ、究極的には、釣り中に手首1を保護することができ、釣竿10を動きなく手首1に固定することができるうえ、釣竿10が手首1に密着してアタリに対する釣り感度を上げることができる。
【0030】
一方、他の使用形態として、
図6に示すように、本発明の釣り用手首保護帯100のうち、メイン包み込み部材120が手首1よりも上方に位置した前腕2を包み込む形で着用されることもできる。この場合、釣竿10と手から前腕2までとの接触面積が長くなり、密着部位も長くなって釣り感度が上がることができる。
【0031】
これと共に、本発明の一実施形態による釣り用手首保護帯100は、
図1に示すように、連結部130をさらに含むことができる。連結部130は、釣竿包み込み部材110とメイン包み込み部材120とを分離可能に連結することができる。したがって、連結部130の連結を介して各部材の紛失を防ぐことができ、連結部130の分離を介して各部材の洗浄が容易であるとともに、連結部130の分離を介して予め釣竿10に釣竿包み込み部材110を結合し、船上で釣竿包み込み部材120を結合することができるようにして、使い勝手を高めることができる。
【0032】
メイン包み込み部材120のみを手首1に着用して手首1の保護用に個別に使用することができる。
【0033】
また、連結部130は、メイン包み込み部材120が釣竿包み込み部材110と手首1を包み込む間に、その包み込まれる形状に合わせて形状変更が可能な材質又は構造で構成できる。したがって、メイン包み込み部材120が釣竿包み込み部材110と手首1を包み込む間に、その包み込まれる形状に合わせて形状が変更できるので、連結部130の妨害を最小限に抑えながら各部材間の密着力を高めることができ、究極的には、釣竿10に対する固定力だけでなく、アタリに対する釣り感度も上げることができる。
【0034】
例えば、連結部130は、
図1に示すように、第1連結通過部131、第2連結通過部132、第1連結環133、第2連結環134、及び回転継手部135を含むことができる。第1連結通過部131は釣竿包み込み部材110に設けられてもよく、第2連結通過部132はメイン包み込み部材120に設けられてもよい。より具体的には、第1連結通過部131は、釣竿包み込み部材110に別途の部材を重ねた状態で縫製されて提供されてもよく、第2連結通過部132は、釣竿メイン包み込み部材120の末端部が捲れた状態で縫製されて提供されてもよい。特に、第1連結通過部131は、
図1に示すように、釣竿包み込み部材110のうち、釣竿10が置かれる内側面に縫製できる。よって、釣竿包み込み部材110が釣竿10を包み込む間に、連結部130との干渉を防ぐことができる。
【0035】
第1連結環133は第1連結通過部131に挿入されてもよく、第2連結環134は第2連結通過部132に挿入されてもよい。回転継手部135は、第1連結環133と第2連結環134とを分離可能に連結し、第1連結環133及び第2連結環134に回転自由度を付加することができる。
【0036】
より具体的には、回転継手部135は、
図1に示すように、第1回転環135a、回転軸部材135b、第2回転環135c、及び締結部材135dを含むことができる。第1回転環135aは、第1連結環133に連結でき、回転軸部材135bは、第1回転環135aをその一端部にその軸を基準として回転可能に連結することができる。そして、第2回転環135cは、回転軸部材135bの他端部にその軸を基準として回転可能に連結できる。締結部材135dは、その一端部のリングが第2回転環135cに連結でき、その他端部のフックが選択的に開閉され、第2連結環134に分離可能に連結できる。
【0037】
これと共に、本発明の一実施形態による釣り用手首保護帯100は、
図1に示すように、摩擦部材140をさらに含むことができる。摩擦部材140は、釣竿包み込み部材110のうち、釣竿10が置かれる内側面に設けられてもよい。したがって、釣竿包み込み部材110の内側面に釣竿10が置かれる場合、摩擦部材140に接しながら釣竿10の遊動を防止することができるため、釣竿10の固定力をさらに高めることができる。
【0038】
さらに、釣竿包み込み部材110及びメイン包み込み部材120のそれぞれは、
図1及び
図2に示すように、着脱部150を含むことができる。例えば、着脱部150は、
図1及び
図2に示すように、雌型面ファスナー151と雄型面ファスナー152を含むことができる。雌型面ファスナー151は、当該包み込み部材のうち、巻回時に内側に面する内側面に縫製されて提供されてもよく、雄型面ファスナー152は、当該包み込み部材のうち、巻回時に外側に面する外側面に縫製されて提供されてもよい。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するというべきである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、釣りに関するものであって、産業上の利用可能性がある。