(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】ゴルフクラブケース
(51)【国際特許分類】
A63B 55/10 20060101AFI20240725BHJP
A63B 55/50 20150101ALI20240725BHJP
【FI】
A63B55/10
A63B55/50
(21)【出願番号】P 2024011690
(22)【出願日】2024-01-30
【審査請求日】2024-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523055617
【氏名又は名称】株式会社シャンロン
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】慎 ▲海▼竜
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特許第6777353(JP,B1)
【文献】特公平6-26640(JP,B2)
【文献】特許第6532952(JP,B2)
【文献】特開昭51-90631(JP,A)
【文献】特開平3-165787(JP,A)
【文献】特開平8-289948(JP,A)
【文献】特開2023-115912(JP,A)
【文献】特許第3897693(JP,B2)
【文献】特開2016-147078(JP,A)
【文献】特開2005-224546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/00 - 55/60
A45C 7/00 - 7/02
A45C 13/00 - 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブが挿入されるべき開口を備え、前記ゴルフクラブを受容する袋体と、
前記袋体を支持するフレームと、を有し、
前記フレームは
、
所定の延在方向に沿って延びるフレーム本体と
、
前記フレーム本体
の前記延在方向における一端側に固定された固定部と、
前記固定部に接続され、且つ、前記開口に連通する貫通孔を備え
た環状部と、
前記フレーム本体に結合され前記袋体の底部を支持するフレーム底部と
、
前記フレーム本体に沿う引込位置及び前記フレーム本体を支持可能な展開位置の間で変位可能に、
前記固定部に枢支された一対の脚部と、を有し、
前記フレーム本体が
前記延在方向に伸縮自在に構成され、
前記環状部が前記固定部に対して、前記脚部の開閉とは独立に回転可能に接続されることにより、前記環状部が前記フレーム本体に対して折畳可能に構成されているゴルフクラブケース。
【請求項2】
前記環状部にユーザが把持可能なグリップ部が設けられている
請求項1に記載のゴルフクラブケース。
【請求項3】
前記袋体には、前記開口を画定する縁部を第1縁部と第2縁部とに分割するスリットが設けられ、
前記第1縁部は
前記固定部に連結され、前記第2縁部は
前記環状部に連結されている
請求項1に記載のゴルフクラブケース。
【請求項4】
前記フレーム底部は前記袋体の底部と係脱可能に構成されている
請求項1に記載のゴルフクラブケース。
【請求項5】
前記環状部は前記貫通孔が前記フレーム本体の前記延在方向に沿って開口する使用位置と、前記使用位置から前記固定部に対して前記フレーム本体の他端側に近づくように90度回転した折畳位置とに変位可能に構成されている請求項1に記載のゴルフクラブケース。
【請求項6】
ゴルフクラブが挿入されるべき開口を備え、前記ゴルフクラブを受容する袋体と、
前記袋体を支持するフレームと、を有し、
前記フレームは、
所定の延在方向に沿って延びるフレーム本体と、
前記フレーム本体の前記延在方向における一端側に固定された主部と、
前記主部に接続された副部と、
前記フレーム本体に結合され前記袋体の底部を支持するフレーム底部と、
前記フレーム本体に沿う引込位置及び前記フレーム本体を支持可能な展開位置の間で変位可能に、前記主部に枢支された一対の脚部と、を有し、
前記フレーム本体が前記延在方向に伸縮自在に構成され、
前記副部が前記主部に対して、前記脚部の開閉とは独立に回転可能に接続されることにより、前記主部が前記フレーム本体に対して折畳可能に構成されているゴルフクラブケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴルフクラブケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤーがラウンド中にゴルフバッグ(キャディバッグともいう)とは別にゴルフクラブを運搬するためのゴルフクラブケースが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のゴルフクラブケースは、ゴルフクラブを収容可能なケース本体部と、ケース本体部に開閉可能に支持された2本の支持脚(脚部)とを備えている。ケース本体部は地面に対して傾いた状態で2本の支持脚により支持される。
【0003】
また、ゴルフバッグにバンドにより取外可能に固定されるゴルフクラブケースが知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2のゴルフクラブケースは、2、3本のゴルフクラブの持ち運びのために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6777353号公報
【文献】特開2005-224546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のゴルフクラブケースは、キャディバッグとは別体であるため、プレイヤーはゴルフ場までキャディバッグとゴルフクラブケースとを別箇に持ち運ぶ必要がある。特許文献2のゴルフクラブケースはキャディバッグに固定することができるものの、その全体の体積が大きくなるため、携帯が容易ではない。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、ゴルフクラブを収容可能なゴルフクラブケースであって、携帯容易なゴルフクラブケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、ゴルフクラブが挿入されるべき開口(4)を備え、前記ゴルフクラブを受容する袋体(2)と、前記袋体を支持するフレーム(3)と、を有し、前記フレームは、フレーム本体(5)と、前記フレーム本体に結合され前記開口に連通する貫通孔(21)を備えた環状体(6)と、前記フレーム本体に結合され前記袋体の底部を支持するフレーム底部(7)と、前記フレーム本体に沿う引込位置及び前記フレーム本体を支持可能な展開位置の間で変位可能に、前記フレーム本体に枢支された一対の脚部(8)と、を有し、前記フレーム本体が伸縮自在に構成され、前記環状体の少なくとも一部が前記フレーム本体に対して前記フレーム本体に向けて折畳可能に構成されている。
【0008】
この態様によれば、ゴルフクラブケースを上下方向に伸縮自在に構成することができる。更に、環状体を下方に折り曲げることによって、ゴルフクラブケースをコンパクトにすることができる。よって、携帯容易なゴルフクラブケースを提供することができる。
【0009】
上記の態様において、好ましくは、前記環状体は、前記フレーム本体に固定された主部(12)と、前記主部に対して回転可能に接続され、前記主部に対して折畳可能に構成された副部(13)とを備える。
【0010】
この態様によれば、環状体を折畳可能に構成することができる。
【0011】
上記の態様において、好ましくは、前記副部にユーザが把持可能なグリップ部(45)が設けられている。
【0012】
この態様によれば、ゴルフクラブケースが持ち運びやすくなり、また、環状体を容易に折り畳むことができる。
【0013】
上記の態様において、好ましくは、前記袋体には、前記開口を画定する縁部(50)を第1縁部(51)と第2縁部(52)とに分割するスリット(53)が設けられ、前記第1縁部は前記主部に連結され、前記第2縁部は前記副部に連結されている。
【0014】
この態様によれば、主部と副部とに分けて袋体の開口部分を接続することができるため、袋体による折畳時の副部の移動が阻害され難くなる。
【0015】
上記の態様において、好ましくは、前記フレーム底部は前記袋体の底部と係脱可能に構成されている。
【0016】
この態様によれば、袋体をフレームと分離することができるため、フレーム本体を収縮させるときに、袋体を容易に折り畳むことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上の態様によれば、ゴルフクラブを収容可能なゴルフクラブケースであって、携帯容易なゴルフクラブケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】脚部が引込位置にあるときのゴルフクラブケースの斜視図
【
図2】脚部が引込位置にあるときのフレームの斜視図
【
図4】副部が(A)使用位置にあるとき、及び、(B)折畳位置にあるときのゴルフクラブケースの側面図
【
図7】フレーム底部と、袋体の底部との間の係脱構造を示す斜視図
【
図8】脚部が展開位置にあるときのゴルフクラブケースの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係るゴルフクラブケースの実施形態について説明する。ゴルフクラブケース(以下、クラブケース)は主として、キャディバッグに収容されたクラブを選択して持ち運ぶために使用される。
【0020】
図1に示すように、クラブケース1は、袋体2と、フレーム3とを有している。
【0021】
袋体2は開口4を備えた袋状をなしている。袋体2は布部材より形成されるとよい。袋体2は有底な筒状をなすように、フレーム3に固定されている。ゴルフクラブ(以下、クラブ)はユーザによって開口4から袋体2に挿入されると、そのクラブはその一部が袋体2に受容された状態で、クラブケース1に収容される。
【0022】
以下、説明の便宜上、
図1に示す袋体2の開口4が上側に位置する状態を基準とし、
図1に基づいて前後上下左右の各方向を定めて説明を行う。但し、これらの方向の記載は説明の便宜上のものであって、本発明はこの方向の記載には限定されない。
【0023】
図2及び
図3に示すように、フレーム3は、フレーム本体5と、環状体6と、フレーム底部7と、一対の脚部8とを備えている。
【0024】
図2に示すように、フレーム本体5は上下方向に延在する柱部10を含む。
図2及び
図4(A)に示すように、柱部10は上下方向に伸縮自在に構成されている。本実施形態では、柱部10は径が異なる2以上の金属製の筒部材10Aが互いに嵌め合わされることにより構成されたテレスコピック構造10Bをなしている。なお、柱部10は折り畳み可能に接続された2以上の棒状部材(不図示)により構成されていてもよい。
【0025】
図3に示すように、環状体6は、フレーム本体5に固定された主部12と、主部12に接続された副部13とを備えている。
【0026】
主部12は樹脂又は金属製の部材であり、柱部10の上端に固定された主部本体15と、主部本体15から左方向に延出する左延出部16と、主部本体15から右方向に延出する右延出部17とを備えている。
【0027】
主部本体15は四角柱状を有する横断面を備え、上面視で円弧状をなすように湾曲している。柱部10は主部本体15の下面であって、上面視で略中央部に結合されて固定されている。
【0028】
左延出部16と右延出部17とはそれぞれ上面視で弧状をなす板状をなしている。左延出部16は上面視で主部本体15の後側面に沿って弧状をなして左方に延出し、右延出部17は上面視で主部本体15の後側面に沿って弧状をなして右方に延出している。これにより、主部12の後側面は円弧状をなすように構成されている。
【0029】
副部13は樹脂又は金属製の部材であり、副部本体20を備えている。副部本体20は貫通孔21を有する円環状をなしている。副部本体20と主部本体15にとの間には、副部本体20を主部本体15に対して左右方向に延びる軸線回りに回転可能に接続する枢支構造22が設けられている。この枢支構造22によって、
図4に示すように、副部13(副部本体20)はその軸線が上下方向に延びるように配置され、貫通孔21が上方に向けて開口する使用位置(
図4(A)参照)と、使用位置から副部13が主部12に対して下方に折り畳まれ、貫通孔21が後方に向けて開口する折畳位置(
図4(B)参照)とに変位可能に構成されている。
【0030】
図5に示すように、枢支構造22は主部本体15に設けられた突出部24と、副部本体20に設けられた左右一対の板片部25とを含む。突出部24は主部本体15の後面下部から下後方に突出している。板片部25はそれぞれ左右方向を向く主面を有し、突出部24を介して左右方向に対峙するように配置されている。左右の板片部25と突出部24とは左右方向に延びるピン26によって連結されている。これにより、副部13は主部12に対して左右方向に延びる軸線回りに回転可能に軸支され、副部13は主部12に対して下方に折畳可能に連結される。
【0031】
図4(A)及び
図5に示すように、副部本体20と主部本体15との間には、副部本体20の貫通孔21の軸線がフレーム本体5の延在方向に沿う方向となるように、副部本体20を主部本体15に対して係止する係止構造28が設けられている。
【0032】
図5に示すように、係止構造28は、主部本体15の後面に設けられた係止部30と、副部本体20に設けられた被係止部32とを備える。係止部30は主部本体15の後面から後方に突出する爪状をなしている。被係止部32は副部本体20に設けられ、その上面から下方に延びる受容孔33に上下方向に変位可能に収容されている。副部本体20の前面には受容孔33に連通する開口部34が設けられている。被係止部32には開口部34を介して突出する爪部35が設けられている。
【0033】
図5及び
図6に示すように、副部本体20と被係止部32との間には付勢部材38が設けられ、被係止部32は副部本体20に対して上方に付勢されている。本実施形態では、受容孔33が2つの板片部25の間に設けられ、その2つの板片部25の間に上下方向を向く面を有する底板部39が設けられている。2つの板片部25にはそれぞれ後方に切り欠かれた切欠40が設けられ、底板部39はその切欠40に嵌め込まれることにより、2つの板片部25に固定されている。付勢部材38はコイルばねによって構成され、上端において被係止部32に接し、下端において底板部39に接している。これにより、付勢部材38は被係止部32を副部本体20に対して上方に付勢している。
図6に示すように、底板部39には付勢部材38の下端を収容する収容凹部41が設けられ、被係止部32には付勢部材38の上部に挿入されるべき軸部42が設けられているとよい。また、被係止部32には、副部本体20の開口部34の上縁を画定する壁面に係合し、被係止部32の上下方向の移動範囲を規制する規制片43が設けられている。
【0034】
付勢部材38の付勢力により被係止部32の爪部35が係止部30に対して付勢されて、被係止部32が係止部30に係合する。これにより、
図4(A)に示すように、副部本体20が上方に向けて開口する位置(すなわち、使用位置)で、副部13が主部12に対して係止される。このとき、被係止部32の上端は、受容孔33から上方に突出している。
【0035】
ユーザが付勢部材38の付勢力に抗して被係止部32の上端を下方に押し込むと、被係止部32の係止爪が係止部30から離れて、副部13と主部12との係合が解除される。すなわち、係止部30と被係止部32とが係脱可能に構成されている。副部本体20と主部本体15との係合が解除され、
図4(B)に示すように、副部本体20が後方に開口する位置(すなわち、折畳位置)に変位可能となる。
【0036】
副部13は更にユーザが把持可能なグリップ部45を備えている。本実施形態では、グリップ部45は副部本体20の後面から後方に突出し、その後、下後方に向かって延びている。
【0037】
図4(A)及び
図4(B)に示すように、袋体2はその開口4を画定する縁部50において副部13に結合されている。これにより、袋体2は
図1に示すように、その開口4が環状体6の貫通孔21(副部本体20の貫通孔21)に連通するように結合されている。
【0038】
本実施形態では、
図4(A)に示すように、袋体2には、開口4を画定する縁部50を第1縁部51と第2縁部52とに分割する2つのスリット53が設けられている。第1縁部51は主部12(詳細には左延出部16及び右延出部17)に連結され、第2縁部52は副部13(詳細には副部本体20)に連結されている。
【0039】
図1に示すように、フレーム底部7はフレーム本体5の下端部分に結合されている。フレーム底部7と、袋体2の底部との間には、
図7に示すように、フレーム底部7と、袋体2の底部とを係脱可能に接続する係脱構造55が設けられている。
【0040】
本実施形態では、
図2及び
図7に示すように、フレーム底部7は柱部10の下端に結合され、後方に延出する板状の底部本体56を備えている。
図7に示すように、係脱構造55は底部本体56の上面に設けられた第1面ファスナ58と、袋体2の底部外面に設けられ、第1面ファスナ58に係脱自在な第2面ファスナ59とを備えている。
【0041】
図3に示すように、脚部8はそれぞれ上端においてフレーム本体5に軸支されて、それぞれ水平方向に延びる軸線を中心として回転可能にフレーム本体5に支持されている。これにより、脚部8はそれぞれフレーム本体5に沿う引込位置(
図1参照)と、下端がフレーム本体5から離れた展開位置(
図8参照)との間で変位可能となっている。
図8に示すように、脚部8をそれぞれ展開位置とすることによって、脚部8によりフレーム本体5及び袋体2が地面に対して傾けた状態で支持可能となる。
【0042】
本実施形態では、
図3に示すように、左側の脚部8と右側の脚部8とは、ばね片61によって連結されている。ばね片61は金属製の棒状部材により構成されている。ばね片61は中央部において屈曲変形され上方向に向かって開口するコの字状をなし、その中央部両端からそれぞれ左右外方に向かって下方に傾斜する方向に延びている。
【0043】
ばね片61は中央部において主部本体15の前面に回転可能に枢支されている。左側の脚部8はばね片61の左端に、右側の脚部8はばね片61の右端にそれぞれ結合され、2つの脚部8がばね片61によって連結されている。このように2つの脚部8が連結されているため、2つの脚部8は連動して変位する。そのため、ユーザは容易に2つの脚部8を同時に引込位置と展開位置との間で変位させることができる。
【0044】
図2及び
図4(A)に示すように、左右の脚部8はそれぞれ、柱部10と同様に、上下方向に伸縮自在に構成されている。本実施形態では、脚部8はそれぞれ柱部10と同様に、径が異なる2以上の金属製の筒部材8Aが互いに嵌め合わされることにより構成されたテレスコピック構造8Bをなしている。
【0045】
次に、このように構成したクラブケース1の動作及び効果について説明する。
【0046】
袋体2が起立し、上側に開口4が位置しているときには、
図1に示すように、左右の脚部8はともに、引込位置となっている。このとき、係止構造28により、副部本体20が主部本体15に対して係止されているため、ユーザはグリップ部45を把持することによって、クラブケース1を運搬することができる。
【0047】
ユーザが一方の脚部8を展開位置に変位させると、他方の脚部8が連動して展開位置となる。その後、ユーザがフレーム本体5を地面に対して傾け、脚部8の遊端を地面に当接させると、フレーム本体5が地面に対して傾けた状態で支持される。
【0048】
次に、ユーザが、フレーム本体5を起立させると、左右の脚部8はそれぞれ回転し、展開位置から引込位置となる。
【0049】
ユーザは柱部10の下端に上に向く荷重を加えることによって、
図2から
図4(A)に示す状態まで、柱部10を収縮させることができる。ユーザは2つの脚部8の下端にそれぞれ上に向く荷重を加えて、柱部10と同様に、脚部8をそれぞれ収縮させることができる。これにより、ユーザは、フレーム本体5の上下方向の長さを短くすることができる。
【0050】
また、フレーム底部7と、袋体2の底部との間には、
図7に示すように、両者を係脱可能に接続する係脱構造55が設けられている。そのため、ユーザは、フレーム底部7と袋体2とを分離することができる。これにより、ユーザは、フレーム本体5を収縮させるときに、袋体2を容易に折り畳むことができる。
【0051】
次に、ユーザが被係止部32を下方に押し込み、副部本体20と主部本体15との係合を解除した後、グリップ部45を把持して副部本体20に押し下げると、
図4(B)に示すように、副部本体20が後方に向けて開口する位置(折畳位置)に折り畳むことができる。ユーザは副部13を折畳位置にすることによって、フレーム本体5の前後方向の長さをより短くすることができる。
【0052】
このように、柱部10及び脚部8を短くし、副部本体20を下方に折り畳むことによって、クラブケース1をコンパクトにすることができる。よって、携帯容易なクラブケース1を提供することができる。
【0053】
更に、グリップ部45が副部本体20に設けられているため、ユーザはグリップ部45を把持して容易に副部13(環状体6の一部)を主部12に対して折り畳むことができる。また、袋体2の縁部50にスリット53が設けられているため、袋体2の開口部分(縁部50)が主部12と副部13とに分けて接続することが可能となっている。これにより、副部13を折り畳むときに、袋体2によって副部13の移動が阻害され難くなるため、ユーザは副部13を容易に折り畳むことができる。
【0054】
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態や変形例に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。各部材や部位の具体的構成や配置、数量、具体的制御態様などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。例えば、クラブケース1において、脚部8は必須ではなく、脚部8は設けられていなくてもよい。また、フレーム3のみの実施(例えば、販売等)も可能である。
【0055】
また、上記実施形態においては、環状体6の貫通孔21は、副部13のみによって形成されていたが、この態様には限定されない。例えば、環状体6の貫通孔21を画定する周縁部の一部が主部12によって構成され、周縁部のその他の部分が副部13によって構成され、環状体6の貫通孔21は主部12と副部13とが協働することによって構成されていてもよい。上記実施形態では副部13が主部12に対して折り畳み可能に構成されていたが、この態様には限定されず、グリップ部45を含め、副部13の少なくとも一部が折畳可能に構成されていればよい。
【符号の説明】
【0056】
1 :クラブケース(ゴルフクラブケース)
2 :袋体
3 :フレーム
4 :開口
5 :フレーム本体
6 :環状体
7 :フレーム底部
8 :脚部
8A :筒部材
8B :テレスコピック構造
10 :柱部
10A :筒部材
10B :テレスコピック構造
12 :主部
13 :副部
15 :主部本体
16 :左延出部
17 :右延出部
20 :副部本体
21 :貫通孔
22 :枢支構造
24 :突出部
25 :板片部
26 :ピン
28 :係止構造
30 :係止部
32 :被係止部
33 :受容孔
34 :開口部
35 :爪部
38 :付勢部材
39 :底板部
40 :切欠
41 :収容凹部
42 :軸部
43 :規制片
45 :グリップ部
50 :縁部
51 :第1縁部
52 :第2縁部
53 :スリット
55 :係脱構造
56 :底部本体
58 :第1面ファスナ
59 :第2面ファスナ
61 :ばね片
【要約】
【課題】ゴルフクラブを収容可能なゴルフクラブケースであって、携帯容易なゴルフクラブケースを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブが挿入されるべき開口4を備え、ゴルフクラブを受容する袋体2と、袋体を支持するフレーム3と、を有し、フレームは、フレーム本体5と、フレーム本体に結合され開口に連通する貫通孔21を備えた環状体6と、フレーム本体に結合され袋体の底部を支持するフレーム底部7と、フレーム本体に沿う引込位置及びフレーム本体を支持可能な展開位置の間で変位可能に、フレーム本体に枢支された一対の脚部8と、を有し、フレーム本体が伸縮自在に構成され、環状体の少なくとも一部がフレーム本体に対してフレーム本体に向けて折畳可能に構成されている。
【選択図】
図4