(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】2層袋及び袋詰め体
(51)【国際特許分類】
B65D 30/08 20060101AFI20240725BHJP
B31B 70/62 20170101ALI20240725BHJP
B65D 30/14 20060101ALI20240725BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B65D30/08
B31B70/62
B65D30/14 F
B65D30/14 D
B65D30/16 F
(21)【出願番号】P 2020132875
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391042025
【氏名又は名称】ジオパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096770
【氏名又は名称】四宮 通
(72)【発明者】
【氏名】奧村 悟
(72)【発明者】
【氏名】時田 義明
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-171637(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0123137(US,A1)
【文献】特開2019-092433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0202229(US,A1)
【文献】実開昭57-151268(JP,U)
【文献】特開2020-079119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/08
B31B 70/62
B65D 30/14
B65D 30/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内袋をなす内層及び外袋をなす外層を有し、前記内層と外層との間が部分領域のみにおいて接着された2層袋であって、
一端に開口部を有し他端が閉塞された筒状の胴部であって、前記内層による内側筒状部及び前記外層による外側筒状部からなる2重構造を有する胴部を備え、
前記内側筒状部及び前記外側筒状部に、前記開口部の縁に相当する当該筒状部の縁から前記胴部の前記他端の方へ切り込みが形成され、
前記部分領域は、接着剤で接着された前記開口部側の領域
(以下、「開口部側領域」という。)を含み、
前記開口部側領域は、前記切り込みのいずれも避けるように配置され、
前記開口部側領域は、前記開口部の縁を仮想的に前記胴部の前記他端の方へ移動させるときに前記開口部の縁の全体が前記開口部側領域のいずれかの箇所に行き当たるように配置され、
前記開口部側領域の一部は、前記切り込みのいずれかの先端よりも前記開口部の縁に近い位置に配置された、
ことを特徴とする2層袋。
【請求項2】
前記開口部側領域は、前記開口部の縁から前記胴部の他端の方へ前記切り込みのいずれよりも遠い位置において前記胴部を連続して周回する周回領域と、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する領域と、を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の2層袋。
【請求項3】
前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する前記領域は、前記胴部を断続して周回する領域であることを特徴とする請求項2記載の2層袋。
【請求項4】
ヒートシール
が用いられていないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の2層袋。
【請求項5】
前記胴部の前記他端側を閉塞する角底部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の2層袋。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれかに記載の2層袋が用いられ、前記内袋の内部に所望の収容物が収容され、前記開口部が閉塞されてなることを特徴とする袋詰め体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2層袋、その製造方法及び製造装置、並びに、前記2層袋を用いた袋詰め体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、丈夫で柔軟な袋として、内袋をなす内層及び外袋をなす外層を有し、前記内層と外層との間が部分領域のみにおいて接着された2層袋が知られている。この従来の2層袋は、一端に開口部を有し他端が閉塞された筒状の胴部であって、前記内層による内側筒状部及び前記外層による外側筒状部からなる2重構造を有する胴部を備えている。
【0003】
この従来の2層袋の例として、下記特許文献1には多層袋が開示されている。この多層袋は、長方形に切った複数のシート状の材料を重ねて、相対する二辺の縁を一体にならしめて筒状とし、一体にならしめた縁が殆中央に位置せしめる如く扁平となしその筒の一端に於て全ての素材を一体にならしめて多層袋を形成し、当初筒状にならしめるために一体にならしめた辺に対向する側の袋の素材を、当初筒状にならしめるために一体にならしめた辺と殆平行に1条もしくは複数条、線状に一体ならしめた多層袋である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の2層袋では、内層と外層との間は、開口部の近くにおいては、胴貼り部分と前記1条もしくは複数条の箇所においてのみ接着されている。このため、前記従来の2層袋では、開口部の近くにおいて内層と外層とが比較的大きく離れてしまう結果、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開口部の近くにおいて内層と外層との間が離れ難くなり、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを低減することができる2層袋、その製造方法及び製造装置、並びに、前記2層袋を用いた袋詰め体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による2層袋は、内袋をなす内層及び外袋をなす外層を有し、前記内層と外層との間が部分領域のみにおいて接着された2層袋であって、一端に開口部を有し他端が閉塞された筒状の胴部であって、前記内層による内側筒状部及び前記外層による外側筒状部からなる2重構造を有する胴部を備え、前記内側筒状部及び前記外側筒状部に、前記開口部の縁に相当する当該筒状部の縁から前記胴部の前記他端の方へ切り込みが形成され、前記部分領域は、接着剤で接着された前記開口部側の領域を含み、前記開口部側領域は、前記切り込みのいずれも避けるように配置され、前記開口部側領域は、前記開口部の縁を仮想的に前記胴部の前記他端の方へ移動させるときに前記開口部の縁の全体が前記開口部側領域のいずれかの箇所に行き当たるように配置され、前記開口部側領域の一部は、前記切り込みのいずれかの先端よりも前記開口部の縁に近い位置に配置されたものである。
【0008】
前記切り込みは、2層袋において種々の理由で形成される場合がある。例えば、切り込みを利用して角底部を形成する場合には、角底部を形成するための切り込みを底部側に形成する際に、連続的に製造される隣りの2層袋の開口部側にも同時に前記切り込みが形成される場合がある。
【0009】
前記第1の態様によれば、前記部分領域が前記開口部側の領域を含み、前記開口部側領域は、前記開口部の縁を仮想的に前記胴部の前記他端の方へ移動させるときに前記開口部の縁の全体が前記開口部側領域のいずれかの箇所に行き当たるように配置されているので、前記開口部側領域よりも底部側へ(前記胴部の他端の方へ)は、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれがない。
【0010】
前記第1の態様と異なり、前記開口部側領域を、前記開口部の縁から前記胴部の他端の方へ前記切り込みのいずれよりも遠い位置において前記胴部を連続して周回する周回領域のみで構成すれば、前記周回領域は、前記開口部の縁から前記胴部の他端の方へ前記切り込みのいずれよりも遠い位置において配置されているので、前記周回領域を開口部の縁に近づけるにも限界がある。したがって、前記開口部側領域を前記周回領域のみで構成すれば、前記周回領域と前記開口部の縁との間において、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれが高い。ところが、前記第1の態様によれば、前記開口部側領域の一部が前記切り込みのいずれかの先端よりも前記開口部の縁に近い位置に配置されているので、前記開口部側領域を前記周回領域のみで構成する場合に比べて、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれが低減される。しかも、前記第1の態様によれば、前記開口部側領域は前記切り込みを避けているので、接着剤の塗布後に前記切り込みを形成しても前記切り込みを形成する刃に接着剤がくっついてしまい支障を来すようなおそれもないし、前記切り込みの形成後に接着剤を塗布してもその接着剤が前記切り込みから塗布面の裏側に回って支障を来すようなおそれもない。
【0011】
このように、前記第1の態様によれば、前記切り込みが形成されているにも拘わらず、前記切り込みを形成する刃に接着剤がくっついてしまい製造に支障を来したり接着剤が前記切り込みから塗布面の裏側に回って支障を来したりするようなおそれがないことを前提とした上で、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを大きく低減することができる。
【0012】
第2の態様による2層袋は、前記第1の態様において、前記開口部側領域は、前記開口部の縁から前記胴部の他端の方へ前記切り込みのいずれよりも遠い位置において前記胴部を連続して周回する周回領域と、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する領域と、を含むものである。
【0013】
この第2の態様は、前記開口部側領域の例を挙げたものであるが、前記第1の態様はこの例に限らない。
【0014】
第3の態様による2層袋は、前記第2の態様において、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する前記領域は、前記胴部を断続して周回する領域であるものである。
【0015】
この第3の態様によれば、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する前記領域は、前記胴部を断続して周回する領域であるので、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する前記領域を前記胴部の周方向のごく一部の領域とした場合に比べて、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれをより大きく低減することができる。もっとも、前記第2の態様では、前記開口部の縁と前記周回領域との間に位置する前記領域は前記胴部の周方向のごく一部の領域であってもよい。
【0016】
第4の態様による2層袋は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、ヒートシールによる接着部分を有しないものである。前記第1乃至第3の態様では、この第3の態様のようにヒートシールによる接着部分を有していなくてもよいし、ヒートシールによる接着部分を有していてもよい。
【0017】
第5の態様による2層袋は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記胴部の前記他端側を閉塞する角底部を備えたものである。
【0018】
この第4の態様は、袋の形態の例として角底袋を挙げたものである。もっとも、前記第1乃至第4の態様では、角底部を有していなくてもよい。
【0019】
第6の態様による2層袋は、内袋をなす内層及び外袋をなす外層を有し、前記内層と外層との間が部分領域のみにおいて接着された2層袋であって、一端に開口部を有し他端が閉塞された筒状の胴部であって、前記内層による内側筒状部及び前記外層による外側筒状部からなる2重構造を有する胴部を備え、前記内層が前記内側筒状部をなすように、前記内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域同士がヒートシールされ、前記部分領域は、前記開口部の縁に近い位置において前記胴部を連続して周回し接着剤で接着された周回領域を含むものである。
【0020】
本発明者が知る限り、従来は、前記内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域同士がヒートシールされた2層袋において、前記部分領域が前記周回領域を含むものは、存在していなかった。これは、後述する第1の比較例のような事情によるものと推察される。本発明者は、研究の結果、後述する第10の態様による製造方法によって、前記第6の態様による2層袋を実現することができることを見出し、前記第6の態様による2層袋を発明するに至ったのである。
【0021】
前記第6の態様によれば、前記内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域同士がヒートシールされているにも拘わらず、前記部分領域が前記周回領域を含んでいるので、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを低減することができる。
【0022】
第7の態様による2層袋は、前記第6の態様において、前記内層の一方側の面がヒートシール性を有し、前記内層の他方側の面が非ヒートシール性を有し(すなわち、ヒートシール性を有しておらず)、前記内側筒状部の長さ方向に延びた前記内層の一辺に沿った帯状部分が、前記一方側の面が外側となるように折り返されてその折り返し状態が接着剤による接着によって保持され、前記帯状部分が、前記前記内側筒状部の長さ方向に延びた前記内層の他辺に沿った帯状領域にヒートシールされたものである。
【0023】
この第7の態様によれば、内層の胴貼りを合掌貼りではなく封筒貼り状の胴貼りとすることができる。
【0024】
第8の態様による2層袋は、前記第6又は第7の態様において、前記胴部の前記他端側を閉塞する角底部を備えたものである。
【0025】
この第8の態様は、袋の形態の例として角底袋を挙げたものである。もっとも、前記第6及び第7の態様では、角底部を有していなくてもよい。
【0026】
第9の態様による袋詰め体は、前記第1乃至第8のいずれかの態様による2層袋が用いられ、前記内袋の内部に所望の収容物が収容され、前記開口部が閉塞されてなるものである。
【0027】
第10の態様による2層袋の製造方法は、前記第6乃至第8のいずれかの態様による2層袋を製造する製造方法であって、前記周回領域を接着する前記接着剤を前記外層の連続体をなす第1のシートに塗布し、前記内層の連続体をなす第2のシートの、前記ヒートシールを行うヒーターバーに対面することになる対面予定領域が、前記ヒーターバーと対面する箇所を通過し終わるまでは、前記第1の連続シートに塗布された前記接着剤が前記対面予定領域に転移しないように、前記第1及び第2のシートをガイドするものである。
【0028】
この第10の態様によれば、後述する
図16に示す製造装置を用いる場合に生ずる後述するような不都合が生ずることなく、前記第6乃至第8の態様による2層袋を製造することができる。
【0029】
第11の態様による2層袋の製造装置は、前記第6乃至第8のいずれかの態様による2層袋を製造するために用いられる2層袋用の製造装置であって、前記周回領域を接着する前記接着剤を前記外層の連続体をなす第1のシートに塗布する塗布部と、前記内層の連続体をなす第2のシートの、前記ヒートシールを行うヒーターバーに対面することになる対面予定領域が、前記ヒーターバーと対面する箇所を通過し終わるまでは、前記第1の連続シートに塗布された前記接着剤が前記対面予定領域に転移しないように、前記第1及び第2のシートをガイドするガイド部と、を備えたものである。
【0030】
この第11の態様によれば、後述する
図16に示す製造装置を用いる場合に生ずる後述するような不都合が生ずることなく、前記第6乃至第8の態様による2層袋を製造することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、開口部の近くにおいて内層と外層との間が離れ難くなり、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを低減することができる2層袋、その製造方法及び製造装置、並びに、前記2層袋を用いた袋詰め体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による2層袋の、開口部を中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す2層袋の、開口部を完全に開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図3】
図1に示す2層袋の扁平状態を示す概略正面図及び概略右側面図である。
【
図4】
図1中のA-A’線に沿った概略断面図である。
【
図5】
図4中のB部を拡大した概略拡大断面図である。
【
図6】
図1中のC-C’線に沿った概略断面図である。
【
図7】
図4中のD部を拡大した概略拡大断面図である。
【
図8】
図1に示す2層袋の外層を示す概略展開図である。
【
図9】
図1に示す2層袋の内層を示す概略展開図である。
【
図10】
図1に示す2層袋を製造するために用いられる2層袋用の製造装置の一例を模式的に示す概略側面図及び概略平面図である。
【
図11】
図10中のヒーターバーの付近の様子を模式的に示す概略拡大側面図及び概略拡大平面図である。
【
図12】
図1に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図13】
図12に示す状態の後の、
図1に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図14】
図13に示す状態の後の、
図1に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図15】
図1に示す2層袋の底部の形成が終了した状態を示す概略背面図である。
【
図16】
図10に示す製造装置と比較される比較例による製造装置を模式的に示す概略側面図及び概略平面図である。
【
図17】
図16中のヒーターバーの付近の様子の一例を模式的に示す概略拡大側面図及び概略拡大平面図である。
【
図18】
図16中のヒーターバーの付近の様子の他の例を模式的に示す概略拡大側面図及び概略拡大平面図である。
【
図19】
図1に示す2層袋と比較される第1の比較例による2層袋の、開口部を中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図20】
図19に示す2層袋の、開口部を完全に開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図23】本発明の第2の実施の形態による2層袋の、開口部を中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図24】
図23に示す2層袋の、開口部を完全に開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図25】
図23に示す2層袋の扁平状態を示す概略正面図及び概略右側面図である。
【
図31】
図23に示す2層袋を製造するために用いられる2層袋用の製造装置の一例を模式的に示す概略側面図及び概略平面図である。
【
図32】
図31中の外層の連続体をなすシートの一部を示す概略平面図である。
【
図33】
図31中の内層の連続体をなすシートの一部を示す概略平面図である。
【
図34】
図23に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図35】
図34に示す状態の後の、
図23に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図36】
図35に示す状態の後の、
図23に示す2層袋の底部の形成過程を示す概略背面図である。
【
図37】
図23に示す2層袋の底部の形成が終了した状態を示す概略背面図である。
【
図38】
図23に示す2層袋と比較される第2の比較例による2層袋の、開口部を中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
【
図39】接着剤で接着される開口部側の領域のパターンの各例を示す一部拡大概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明による2層袋、その製造方法及び製造装置、並びに、前記2層袋を用いた袋詰め体について、図面を参照して説明する。
【0034】
[第1の実施の形態]
【0035】
図1は、本発明の第1の実施の形態による2層袋1の、開口部2aを中程度開口した状態を示す概略斜視図である。
図2は、
図1に示す2層袋1の、開口部2aを完全に開口した状態を示す概略斜視図である。
図3(a)は、
図1に示す2層袋1の扁平状態を示す概略正面図である。
図3(b)は、
図1に示す2層袋1の扁平状態を示す概略右側面図である。ただし、
図3(b)では、襠部分を構成する右側部13の図示は省略している。
図4は、
図1中のA-A’線に沿った概略断面図である。
図5は、
図4中のB部を拡大した概略拡大断面図である。
図6は、
図1中のC-C’線に沿った概略断面図である。
図7は、
図4中のD部を拡大した概略拡大断面図である。
図8は、
図1に示す2層袋1の外層1Aを示す概略展開図である。
図9は、
図1に示す2層袋1の内層1Bを示す概略展開図である。
【0036】
以下の説明では、
図1中の紙面手前側を前側又は正面側、
図1中の紙面奥側を後側又は背面側として説明するが、その逆でもよい。「前」及び「後」は、いずれの側が「前」で「いずれの側が「後」であるかは固定的に定まるものではなく、「前」をいずれか一方の側とした場合に、「後」はその反対側を意味するものである。
【0037】
本実施の形態による2層袋1は、一端(
図1中の上端)に開口部2aを有し他端(
図1中の下端)が閉塞された筒状の胴部2を備えている。本実施の形態による2層袋1では、胴部2の下端を閉塞する角底部3が設けられ、角底袋として構成されている。もっとも、本発明による2層袋は、必ずしも角底部を備える必要はなく、角底袋に限らない。また、本発明による2層袋は、後述する襠部分(ガゼット部)を有していなくてもよい。
【0038】
本実施の形態では、胴部2は、前面部11、後面部12及び襠部分(ガゼット部)をなす両側部13,14を有し、角筒状に構成されている。2層袋1の右側部13には折り線13a~13dが形成され、2層袋1の左側部14に折り線13a~13dと同様の折り線(図示せず)が形成され、これにより、2層袋1は、
図3に示すように扁平状態に折り畳むことができるようになっている。この扁平状態では、開口部2aは閉じられている。
図3に示す例では、角底部3が後面部12の側に折り畳まれているが、角底部3は前面部11の側に折り畳んでもよい。この点は、後述する
図25についても同様である。
【0039】
図1乃至
図3では単層袋であるかのように示されているが、本実施の形態による2層袋1は、
図4乃至
図9に示すように、内袋をなす内層1B及び外袋をなす外層1Aを有し、内層1Bと外層1Aとの間が部分領域のみにおいて接着された2層袋である。2層袋1の胴部2は、内層1Bによる内側筒状部及び外層1Aによる外側筒状部からなる2重構造を有している。本実施の形態では、
図1、
図2及び
図4乃至
図7に示すように、胴部2については、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間は、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回する周回領域R2でのみ接着剤22で接着され、胴部2の他の箇所では内層1Bと外層1Aとの間は接着されていない。このように、本実施の形態では、前記部分領域は、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回し接着剤22で接着された周回領域R2を含んでいる。
【0040】
外層1Aは、
図8に示すように展開すると長方形状のシートで構成されており、1層以上の層構造(図示せず)を有している。内層1Bも、
図9に示すように展開すると長方形状のシートで構成されており、1層以上の層構造(図示せず)を有している。本実施の形態では、内層1Bの一方側の面(
図9中の紙面奥側の面、すなわち、主に2層袋1の内側となる面)がヒートシール性を有し、内層1Bの他方側の面(
図9中の紙面手前側の面、すなわち、主に2層袋1の外側となる面)が非ヒートシール性を有している。
【0041】
外層1Aとしては、
図8中の紙面手前側の面(すなわち、2層袋1の外側となる面)を白色面とする片艶晒クラフト紙からなる1層シートを用いることができる。また、内層1Bとしては、例えば、前記一方側の面から順に積層されたポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン/未晒クラフト紙からなる4層シートや、前記一方側の面から順に積層されたポリエチレン/未晒クラフト紙からなる2層シートを用いることができる。もっとも、本発明では、外層1A及び内層1Bはこれらの例に限らず、収容物に応じて適宜変更することができる。
【0042】
図8において、外層1Aの山折り線には一点鎖線を付し、外層1Aの谷折り線には破線を付している。外層1Aは、
図8に示すように、2層袋1の胴部2を構成する外側筒状部となる部分2Aと、角底部3を構成する部分3Aとを有している。
図8中の外層1Aの左辺は、2層袋1の開口部2aの縁に相当する。部分2Aのうちの部分11Aは2層袋1の前面部11を構成し、部分12Aは後面部12を構成し、部分13Aは右側部分(襠部分)13を構成し、部分14Aは左側部分(襠部分)14を構成する。
図8中の外層1Aの下辺に沿った帯状領域の部分1Aaは、糊代に相当している。
【0043】
図8中の外層1Aの上辺の付近において上辺に沿って延びる
図8中の紙面奥側の帯状領域R1は、接着剤21が塗布される領域である。
図4及び
図6に示すように、この接着剤21によって、外層1Aの帯状領域R1が部分1Aaと接着され、外側筒状部が形成されている。
図8中の外層1Aの左辺の付近において左辺に沿って延びる
図8中の紙面奥側の帯状領域R2は、
図1及び
図2中の周回領域R2に相当しており、前述した接着剤22が塗布される領域である。
図8中の外層の左辺の付近において散点的に配置された
図8中の紙面奥側の領域R3は、接着剤23が塗布される領域であり、角底部3において、内層1Bと外層1Aとの間が接着剤23によって接着される。前記部分領域は、この領域R3も含んでいる。
【0044】
図9において、内層1Bの山折り線には一点鎖線を付し、内層1Bの谷折り線には破線を付している。内層1Bは、
図8に示すように、2層袋1の胴部2を構成する内側筒状部となる部分2Bと、角底部3を構成する部分3Bとを有している。
図9中の内層1Bの左辺は、2層袋1の開口部2aの縁に相当する。部分2Bのうちの部分11Bは2層袋1の前面部11を構成し、部分12Bは後面部12を構成し、部分13Bは右側部分(襠部分)13を構成し、部分14Bは左側部分(襠部分)14を構成する。
図9中の内層1Bの下辺に沿った帯状部分1Baは、前記内側筒状部の長さ方向に延びた内層1Bの一辺に沿った帯状部分に相当し、隣の帯状領域1Bb上に重なるように折り返される折り返し部分に相当している。帯状部分1Baのうちの、
図9中の内層1Bの下辺の付近において下辺に沿って延びる
図9中の紙面手前側の細い帯状領域は、接着剤24が塗布される領域である。
図4乃至
図7に示すように、この接着剤24によって、帯状領域1Bb上への帯状部分1Baの折り返し状態が保持される。
【0045】
図9中の内層1Bの上辺に沿って延びる帯状部分1Bcの
図9中の紙面奥側のヒートシール性を有する領域は、
図4及び
図6に示すように、接着剤24により帯状領域1Bb上への折り返し状態が保持された帯状部分1Baのヒートシール性を有する面に対してヒートシールされ、内側筒状部が形成されている。
図4及び
図6では、帯状部分1Bcと折り返し状態の帯状部分1Baとの間のヒートシールの箇所を、符号25で示している。
【0046】
図10(a)は、
図1に示す2層袋1を製造するために用いられる2層袋用の製造装置(製袋機)31の一例を模式的に示す概略側面図である。
図10(a)において、太い破線は連続的に移送される外層シート1A’の経路を示し、太い実線は連続的に移送される内層シート1B’の経路を模式的に示している。
図10(b)は、製造装置31の一部の要素43,52,53及び外層シート1A’及び内層シート1B’の様子を模式的に示す概略平面図である。
【0047】
製造装置31は、シート供給部32と、折り返し・塗布部33と、筒状成形・ヒートシール部34と、断裁部35と、底部用折り部36と、集積部37とを備えている。
【0048】
シート供給部32は、原反としての外層シート(第1のシート)1A’が巻回された外層シートロール1A”、及び、原反としての内層シート(第2のシート)1B’が巻回された外層シートロール1A”を支持し、外層シートロール1A”から外層シート1A’を巻き出し、内層シートロール1B”から内層シート1A’を巻き出し、これらを移送方向Xに移送されるように供給する。このとき、シート供給部32は、外層シート1A’と内層シート1B’とが横方向(移送方向Xと直交する方向)へ所定距離だけずれた状態で、内層シート1B’が外層シート1A’上に重なるようにこれらを供給する。
【0049】
外層シート1A’は、
図8に示す外層1Aが移送方向Xに順次連続した連続体(外層1Aの連続体をなす第1のシート)に相当している。ただし、
図10(b)においては、外層シートロール1A”からガイドローラ41までの状態は、
図8に示す外層1Aを左右反転するように表裏を反転させたものに相当している。よって、
図10(b)の紙面手前側が
図8の紙面奥側に一致している。
【0050】
内層シート1B’は、
図9に示す内層1Bが移送方向Xに順次連続した連続体(内層1Bの連続体をなす第2のシート)に相当している。ただし、
図10(b)においては、内層シートロール1B”からガイドローラ41までの状態は、
図9に示す内層1Aを左右反転するように表裏を反転させたものに相当している。したがって、この状態では、
図10(b)の紙面手前側が
図9の紙面奥側に一致している。このため、この状態では、内層シート1B’の
図10(b)の紙面手前側の面がヒートシール性を有し、内層シート1B’の
図10(b)の紙面億側の面が非ヒートシール性を有している。内層シート1B’は外層シート1A’に対して
図10(b)の紙面手前側に重なっている。外層シート1A’と内層シート1B’とを横方向に前記所定距離だけずらすのは、
図8中の前面部11を構成する外層1Aの部分11Aと
図9中の前面部11を構成する内層1Bの部分11Bの、横方向の位置を一致させるためである。
【0051】
折り返し・塗布部33は、
図10に示すように、ガイドローラ41,42,44,45、46,51と、
図9中の内層1Bの領域R4に接着剤24を塗布する塗布ノズル43と、
図9中の内層1Bの下辺に沿った帯状部分1Baを帯状領域1Bb上に重なるように折り返す折り返し機構(図示せず)と、
図8中の外層1Aの領域R2,R3に接着剤22,23をそれぞれ塗布する塗布装置と、
図8中の外層1Aの領域R1に接着剤21を塗布する塗布ノズル52と、を有している。
図8中の外層1Aの領域R2,R3に接着剤22,23をそれぞれ塗布する前記塗布装置は、接着剤22,23となるべき接着剤を収容した容器47と、容器47から接着剤を取り出す取り出しローラ48と、取り出しローラ48により取り出された接着剤を、受けローラ50との間を通過する外層シート1A’R22,R23に塗布するゴム製等の塗布ローラ49と、を有している。
【0052】
内層シート1B’は、
図10に示すように、塗布ノズル43によって領域R4に対して接着剤24が塗布された後に、帯状部分1Baの折り返しが行われ、その後に、折り返し・塗布部33を出て筒状成形・ヒートシール部34に入る。一方、外層シート1A’は、塗布ローラ49によって領域R2,R3に対して接着剤22,23が塗布された後に、塗布ノズル52によって領域R1に対して接着剤24が塗布され、その後に、折り返し・塗布部33を出て筒状成形・ヒートシール部34に入る。
【0053】
内層シート1B’は、帯状部分1Baが折り返されるまでは完全に平板状が維持され、帯状部分1Baの折り返し後は、ガイドローラ45を過ぎる辺りまで、その折り返し状態のまま平板状が維持される。外層シート1A’は、ガイドローラ52を過ぎる辺りまで、完全に平板状が維持される。そして、この製造装置31では、ガイド部材としてのガイドローラ41,42,44,45、46,51等によって、ガイドローラ41から筒状成形・ヒートシール部34内の位置Pまでは、内層シート1B’と外層シート1A’とが接触することなく完全に分離されるようになっている。
【0054】
筒状成形・ヒートシール部34は、内層シート1B’及び外層シート1A’を筒状に成形して折り畳んで接着剤21,22,23による各部の接着を完了させる。筒状成形・ヒートシール部34は、前記成形を行う成形部材を有しているが、その図示は省略している。筒状成形・ヒートシール部34は、ヒーターバー53を有し、ヒーターバー53によって、筒状に折り畳まれた内層シート1B’に対して
図9中の帯状部分1Ba,1Bc間(
図4乃至
図7中のヒートシール箇所25も参照)のヒートシールを行う。そのヒートシールの様子を
図11に示す。
【0055】
図11(a)は、
図10中のヒーターバー53の付近の様子を模式的に示す概略拡大側面図である。
図11(b)は、
図10中のヒーターバー53の付近の様子を模式的に示す概略拡大平面図である。
図11(b)において、R53は、移送に従って、内層シート1B’においてヒーターバー53に対面することになる対面予定領域を示し、R53’は、内層シート1B’においてヒーターバー53に対面する箇所を通過し終わった領域を示している。ヒーターバー53は、
図11(a)に示すように、出口端(
図11(a)中の左下端)が内層シート1B’が接触し入口端は若干内層シート1B’との間に隙間をあけるように若干傾けられている。
【0056】
筒状成形・ヒートシール部34は、
図10(a)中の位置P以降は、外層シート1A’の
図8中の部分11A上に内層シート1B’の
図9中の部分11Bが接触して重なった状態を維持し、内層シート1B’における部分11Bに対する両側部分を立ち上げていき筒状に成形するとともに、外層シート1A’における部分11Aに対する両側部分を立ち上げていき筒状に成形する。このとき、内層シート1B’の筒状の折り畳みは、内層シート1B’がヒーターバー53に到達する前に終了するようになっている。一方、外層シート1A’における
図8中の部分12A等は、
図11に示すように、ヒーターバー53を通過するまでは未だ内層シート1B’に重なっておらず、ヒーターバー53を通過した後に内層シート1B’に重なって完全に筒状に成形されるようになっている。これにより、この製造装置31では、筒状に折り畳まれた内層シート1B’の上面(対面予定領域R53を含む)には、ヒーターバー53と対面する箇所を通過し終わるまでは、塗布ローラ49によって外層シート1A’の領域R1に塗布された接着剤22が内層シート1B’の対面予定領域R53に転移しないように担保されている。もっとも、この担保のために必要に応じて、筒状に折り畳まれた内層シート1B’の上面をなす内層シート1B’が外層シート1A’の領域R1に接触しないように、外層シート1A’及び内層シート1B’の一方又は両方をガイドするガイド部材(例えば、ある程度の剛性を持つ針金のような細い金属線材。図示せず)を適宜用いてもよい。
【0057】
筒状成形・ヒートシール部34によって、ヒーターバー53を通過して更に外層シート1A’も完全に筒状に形成されて、外層シート1A’及び内層シート1B’の全体が完全な筒状体となると、この筒状体は、ガイドローラ54を経て、断裁部35によって1つの2層袋1の分の筒状体1’に切断され、1つの2層袋1の分の筒状体1’は、底部用折り部36によって、一端側が
図12に示す折り畳み状態(角底部3の形成過程の折り畳み状態)とされる。
図12に示す折り畳み状態となった筒状体1’は、集積部37に集積される。
【0058】
集積部37に集積された
図12に示す筒状体1’は、2層袋1の半製品であるが、製造装置31の製造物となる。製造装置31は、例えば、公知の製袋機の一部を改造(例えば、内層シート1B’の、ヒーターバー53に対面することになる対面予定領域R53が、ヒーターバー53と対面する箇所を通過し終わるまでは、外層シート1A’の領域R2に塗布された接着剤21が対面予定領域R53に転移しないように、内層シート1B’及び外層シート1A’をガイドするために、ガイドローラの追加・配置変更や前記金属線材の追加など。)することによって、実現することができる。
【0059】
図12は、
図1に示す2層袋の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図13は、
図12に示す状態の後の、
図1に示す2層袋1の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図14は、
図13に示す状態の後の、
図1に示す2層袋1の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図15は、
図1に示す2層袋1の底部3の形成が終了した状態を示す概略背面図である。
【0060】
図12に示す筒状体1’は、図示しない公知の底部形成装置によって、
図13に示すように折り畳まれて図中の領域R61がヒートシールされ、次に、
図14に示すように折り畳まれ、更に、
図15に示すように紙などの底シート3aが貼着される。これにより、
図1に示す2層袋1が完成する。なお、
図10に示す製造装置31と前記底部形成装置を一体化して、全工程を連続して行う製造装置を構成してもよい。
【0061】
本実施の形態による2層袋1は、例えば、袋の製造業者等により製造され収容物の製造業者等へ供給され、収容物の製造業者等において、胴部2の上部の開口部2aから所望の収容物を胴部2内に入れた後に、開口部2aが閉じられて、袋詰め体が完成する。開口部2aを閉じる方法としては、任意の方法を採用することができるが、例えば、両側部13,14を折り重ねて扁平にした開口部2aの部分を巻き折りしてその巻き折り状態が保持されるように所定箇所間を接着剤で接着する方法を採用してもよい。なお、収容物は、何ら限定されず、例えば、農薬や食品や薬品などでもよいし、粉体、液体、固体などでもよい。
【0062】
本実施の形態による2層袋1では、内層シート1B’による内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域1Ba,1Bc同士がヒートシールされているにも拘わらず、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回する周回領域R2で接着剤22により接着されているので、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを低減することができる。
【0063】
図16(a)は、
図10に示す製造装置31と比較される比較例による製造装置61を模式的に示す概略側面図であり、
図10(a)に対応している。
図16(b)は、製造装置61の一部の要素43,52,53及び外層シート1A’及び内層シート1B’の様子を模式的に示す概略平面図であり、
図10(b)に対応している。
図16において、
図10中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0064】
図16に示す製造装置61が
図10に示す製造装置31と異なる所は、主に、ガイドローラ51が除去され、塗布ローラ49により領域R2に接着剤22が塗布された後の平板状の外層シート1A’もガイドローラ45に導かれ、ガイドローラ45上で、当該平板状の外層シート1A’と帯状部分1Baの折り返し後の平板状の内層シート1B’とが接触して一旦重ね合わされる点と、外層1Aの領域R1に接着剤21を塗布する塗布ノズル52がガイドローラ45の付近に配置されている点である。
【0065】
図16に示す製造装置61では、塗布ローラ49により領域R2に接着剤22が塗布された後の平板状の外層シート1A’が、ガイドローラ45上で、当該平板状の外層シート1A’と帯状部分1Baの折り返し後の平板状の内層シート1B’とが接触して一旦重ね合わされるので、折り返し後の平板状の内層シート1B’における外層シート1A’の領域R2とガイドローラ45上で重なる領域の全てが、領域R2に塗布された接着剤22が転移する可能性がある接着剤転移可能領域R2’となる。この接着剤転移可能領域R2’には、
図17(b)に示すように、筒状に折り畳まれた内層シート1B’の上面(
図17(b)中の紙面手前側の面)の領域も含まれる。
【0066】
図17(a)は、
図16中のヒーターバー53の付近の様子の一例を模式的に示す概略拡大側面図であり、
図11(a)に対応している。
図17(b)は、
図16中のヒーターバー53の付近の様子の一例を模式的に示す概略拡大平面図であり、
図11(b)に対応している。
図17において、
図11中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0067】
したがって、
図17(b)に示すように、接着剤転移可能領域R2’の一部が、ヒーターバー53と対面することになる対面予定領域R53と重複することになる。
図17(a)に示すように、この重複領域に、接着剤22が転移してなる接着剤22’が存在すると、この接着剤22’が、
図17に示すように、内層シート1B’とヒーターバー53との間の隙間に溜りヒーターバー53の先端に押し出され、2層袋1に不都合が生ずる。この不都合としては、接着剤22’が塊になって2層袋1内に混入してしまうことや、内層シート1B’が擦れて傷ついたり破れたりすることや、前記重複領域から接着剤が削りとられてしまう結果その領域において内層1Bと外層1Aとの間が接着し得ないことなどを挙げることができる。
【0068】
図16に示す製造装置61を用いる場合、このような不都合を避けるためには、塗布ローラ49により接着剤22を塗布する外層シート1A’の領域R2の一部を欠落させて、
図18に示すように、接着剤転移可能領域R2’が対面予定領域R53と重複しないようにする必要がある。この場合には、対面予定領域R53には、転移して来た接着剤22である接着剤22’が存在しなくなるので、前記不都合が生じない。
図18(a)は、
図16中のヒーターバー53の付近の様子の他の例を模式的に示す概略拡大側面図であり、
図11(a)及び
図17(a)に対応している。
図18(b)は、
図16中のヒーターバー53の付近の様子の他の例を模式的に示す概略拡大平面図であり、
図11(b)及び
図17(b)に対応している。
図18において、
図11及び
図17中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0069】
このようにして製造される第1の比較例による2層袋71を、
図19乃至
図22に示す。
図19は、
図1に示す2層袋1と比較される第1の比較例による2層袋71の、開口部2aを中程度開口した状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応している。
図20は、
図19に示す2層袋71の、開口部2aを完全に開口した状態を示す概略斜視図であり、
図2に対応している。
図21は、
図19中のE-E’線に沿った概略断面図であり、
図6に対応している。
図22は、
図21中のF部を拡大した概略拡大断面図であり、
図7に対応している。
図19乃至
図22において、
図1乃至
図7中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0070】
この第1の比較例によれば、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を周回せずに一部が欠落した領域R2で接着剤22により接着されているので、領域R2が欠落した箇所から外層1Aと内層1Bとの間に誤って収容物が入ってしまう。
【0071】
このように、
図16に示すような製造装置61を用いる限り、前記不都合を避けて、本実施の形態による2層袋1のように、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回する周回領域R2で接着剤22により接着することはできない。これが、本発明者が知る限り、従来は、前記内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域同士がヒートシールされた2層袋において、前記部分領域が前記周回領域を含むものは、存在していなかった理由であると、推察される。
【0072】
これに対し、
図10に示す製造装置31では、前述したように、領域R2を欠落させなくても、筒状に折り畳まれた内層シート1B’の上面(対面予定領域R53を含む)には、ヒーターバー53と対面する箇所を通過し終わるまでは、塗布ローラ49によって外層シート1A’の領域R1に塗布された接着剤22が内層シート1B’の対面予定領域R53に転移しないように担保されている。したがって、
図10に示す製造装置31では、内層1Bによる内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域1Ba,1Bc同士がヒートシールされているにも拘わらず、前記不都合が生ずることなく、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回する周回領域R2で接着剤22により接着された、本実施の形態による2層袋1を製造することができるのである。ちなみに、前記
図11では、筒状に折り畳まれた内層シート1B’の上面には、領域R2に塗布された接着剤22が転移する可能性がある接着剤転移可能領域R2’が生じていない。
【0073】
本実施の形態による2層袋1では、内層1Bによる内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域1Ba,1Bc同士がヒートシールされているにも拘わらず、開口部2aの縁に近い位置において胴部2を連続して周回する周回領域R2で接着剤22により接着されているので、第1の比較例による2層袋71と比べて、内層と外層との間に誤って収容物が入ってしまうおそれを低減することができるのである。
【0074】
[第2の実施の形態]
【0075】
図23は、本発明の第2の実施の形態による2層袋81の、開口部2aを中程度開口した状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応している。
図24は、
図23に示す2層袋81の、開口部2aを完全に開口した状態を示す概略斜視図であり、
図2に対応している。
図25(a)は、
図23に示す2層袋81の扁平状態を示す概略正面図であり、
図3(a)に対応している。
図25(b)は
図23に示す2層袋81の扁平状態を示す概略右側面図であり、
図3(b)に対応している。
図26は、
図23中のG-G’線に沿った概略断面図であり、
図4に対応している。
図27は、
図23中のH-H’線に沿った概略断面図であり、
図6に対応している。
図28は、
図23中のI-I’線に沿った概略断面図である。
図29は、
図23に示す2層袋81の外層1Aを示す概略展開図であり、
図8に対応している。
図30は、
図23に示す2層袋81の内層1Bを示す概略展開図であり、
図9に対応している。
図23乃至
図30において、
図1乃至
図9中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0076】
本実施の形態による2層袋81が前記第1の2層袋1と異なる所は、以下に説明する点である。
【0077】
本実施の形態による2層袋81も、前記第1の実施の形態による2層袋1と同様に、内袋をなす内層1B及び外袋をなす外層1Aを有し、内層1Bと外層1Aとの間が部分領域のみにおいて接着された2層袋である。本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、胴部2は、内層1Bによる内側筒状部及び外層1Aによる外側筒状部からなる2重構造を有している。本実施の形態では、
図23、
図24、
図28、
図29及び
図30に示すように、内層1Bによる内側筒状部に、開口部2aの縁に相当する当該筒状部の縁から底部3の方へ切り込み95b,96b,97b,98bが形成されている。外層1Aによる外側筒状部に、開口部2aの縁に相当する当該筒状部の縁から底部3の方へ切り込み91b,92b,93b,94bが形成されている。
【0078】
本実施の形態では、
図23、
図24及び
図26乃至
図30に示すように、胴部2については、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間は、胴部2を連続して周回する周回領域R2が接着剤22で接着されるとともに、切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれの先端よりも開口部2aの縁に近い位置に配置された領域R82が接着剤82で接着されているだけであり、胴部2の他の箇所では内層1Bと外層1Aとの間は接着されていない。このように、本実施の形態では、前記部分領域は、周回領域R2と領域R82を含んでいる。
【0079】
本実施の形態では、周回領域R2は、開口部2aの縁に比較的近い位置であって、開口部2aの縁から底部3の方へ切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれよりも遠い位置において、胴部2を連続して周回している。領域R82は、開口部2aの縁と周回領域R2との間に位置し、切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれも避けるように胴部2を断続して周回している。本実施の形態では、周回領域R2及び領域R82が、接着剤で接着された開口部2a側の領域であって、開口部2aの縁を仮想的に底部3の方へ移動させるときに開口部2aの縁の全体が当該開口部2a側の領域のいずれかの箇所に行き当たるように配置された領域であって、当該領域の一部が切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれかの先端よりも開口部2aの縁に近い位置に配置された領域を、構成している。
【0080】
前記第1の実施の形態による2層袋1では、内層1Bによる内側筒状部の長さ方向に延びた帯状領域1Ba,1Bc同士がヒートシールされているのに対し、本実施の形態による2層袋81では、その代わりに、
図26乃至
図28及び
図30に示すように、
図30中の内層1Bの上辺の付近において上辺に沿って延びる
図30中の紙面奥側の帯状領域R99に接着剤99が塗布され、接着剤99によって帯状領域R99が、
図30中の内層1Bの下辺に沿って延びる
図30中の紙面手前側の帯状領域1Bdに接着されている。
【0081】
本実施の形態では、ヒートシールを行わないので、外層1Aのみならず内層1Bも両面ともヒートシール性を有していなくてもよく、例えば、外層1Aのみならず内層1Bもクラフト紙のみとしてもよい。もっとも、本実施の形態においても、外層1A及び内層1Bの材料として第1の実施の形態と同じ材料を用いてもよい。
【0082】
本実施の形態では、外層1Aには、
図29中の右辺から左辺の方へ、切り込み91b,92b,93b,94bのそれぞれの延長線上に延びる、切り込み91a,92a,93a,94aが形成されている。また、内層1Bには、
図30中の右辺から左辺の方へ、切り込み95b,96b,97b,98bのそれぞれの延長線上に延びる、切り込み95a,96a,97a,98aが形成されている。本実施の形態では、後述する
図34乃至
図37から理解することができるように、切り込み91a,92a,93a,94a,95a,96a,97a,98aを利用して角底部3を形成することができるようになっている。
【0083】
図31(a)は、
図23に示す2層袋81を製造するために用いられる2層袋用の製造装置(製袋機)101の一例を模式的に示す概略側面図であり、
図10(a)及び
図16(a)に対応している。
図31(b)は、製造装置101の一部の要素52,114及び外層シート1A’及び内層シート1B’の様子を模式的に示す概略平面図であり、
図10(b)及び
図16(b)に対応している。
図31において、
図10及び
図16中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0084】
製造装置101が
図16に示す製造装置61と異なる所は、以下に説明する点である。
【0085】
製造装置101は、
図10及び
図16中のシート供給部32と同様のシート供給部102と、切り込み形成・塗布部103と、筒状成形部104と、断裁・底部形成部105と、集積部106とを備えている。
【0086】
切り込み形成・塗布部103は、
図10に示すように、ガイドローラ41,42,44,45、46,111,117,118と、内層シート1B’に
図33に示すように切り込み95a,96a,97a,98a,95b,96b,97b,98bを形成する切刃付きロータ112と、切刃付きロータ112を受ける受けローラ113と、
図30中の内層1Bの領域R99に接着剤99を塗布する塗布ノズル114と、外層シート1A’に
図32に示すように切り込み91a,92a,93a,94a,91b,92b,93b,94bを形成する切刃付きロータ115と、切刃付きロータ115を受ける受けローラ116と、
図29中の外層1Aの領域R1に接着剤21を塗布する塗布ノズル52と、接着剤22,82,23となるべき接着剤を収容した容器47と、容器47から接着剤を取り出す取り出しローラ48と、取り出しローラ48により取り出された接着剤を、受けローラ50との間を通過する外層シート1A’の領域R22,R82,R23に塗布するゴム製等の塗布ローラ49と、を有している。
【0087】
なお、
図32は、
図31中の外層1Aの連続体をなす外層シート1A’の一部を示し、切り込み91a,92a,93a,94a,91b,92b,93b,94bの箇所を示す概略平面図である。
図33は、
図31中の内層1Bの連続体をなす内層シート1Bの一部を示し、切り込み95a,96a,97a,98a,95b,96b,97b,98bの箇所を示す概略平面図である。
【0088】
内層シート1B’は、
図31に示すように、切刃付きロータ112によって切り込み95a,96a,97a,98a,95b,96b,97b,98bが形成された後に、塗布ノズル114によって領域R99に対して接着剤99が塗布された後に、ガイドローラ45に導かれる。外層シート1A’は、切刃付きロータ115によって切り込み91a,92a,93a,94a,91b,92b,93b,94bが形成された後に、塗布ノズル52によって領域R1に対して接着剤24が塗布され、更に塗布ローラ49によって領域R2,R82,R3に対して接着剤22,82,23が塗布された後に、ガイドローラ45に導かれる。ガイドローラ45に導かれた内層シート1B’及び外層シート1A’は、ガイドローラ45で再び重なった後に、切り込み形成・塗布部103を出て筒状成形部104に入る。
【0089】
筒状成形部104は、内層シート1B’及び外層シート1A’を筒状に成形して折り畳んで接着剤21,22,23,82,99による各部の接着を完了させる。筒状成形部104は、前記成形を行う成形部材を有しているが、その図示は省略している。
【0090】
筒状成形部104によって、外層シート1A’及び内層シート1B’の全体が完全な筒状体となると、この筒状体は、ガイドローラ54を経て、断裁・底部形成部105によって1つの2層袋1の分の筒状体81’に切断され、1つの2層袋1の分の筒状体81’は、断裁・底部形成部105によって、
図34に示すように切り込み91a,92a,93a,94a,95a,96a,97a,98aを利用して折り畳まれ、次いで
図35に示すように領域121に接着剤が塗布され、更に
図36に示すように折り畳まれ、
図36に示すように紙などの底シート3aが貼着される。このようにして
図23に示す2層袋81が完成し、完成した2層袋81が集積部106に集積される。
【0091】
なお、
図34は、
図23に示す2層袋81の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図35は、
図34に示す状態の後の、
図23に示す2層袋91の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図36は、
図35に示す状態の後の、
図23に示す2層袋81の底部3の形成過程を示す概略背面図である。
図37は、
図23に示す2層袋91の底部3の形成が終了した状態を示す概略背面図である。
【0092】
本実施の形態による2層袋81も、第1の実施の形態による2層袋1と同様に、胴部2の上部の開口部2aから所望の収容物を胴部2内に入れた後に、開口部2aが閉じられて、袋詰め体が完成する。
【0093】
本実施の形態による2層袋81では、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間が周回領域R2で接着剤22により接着されているので、底部3側へは、内層1Bと外層1Aとの間に誤って収容物が入ってしまうおそれがない。そして、本実施の形態による2層袋81では、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間が領域R82で接着剤82により接着されているので、内層1Bと外層1Aとの間に誤って収容物が入ってしまうおそれがより低減される。
【0094】
図38は、
図23に示す2層袋81と比較される第2の比較例による2層袋131の、開口部を中程度開口した状態を示す概略斜視図であり、
図1に対応している。
図38において、
図23中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0095】
図38に示す2層袋131が
図23に示す2層袋81と異なる所は、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間は、
図23に示す2層袋81では領域R82が接着剤82で接着されているのに対し、
図38に示す2層袋131では領域R82での接着がなされていない点のみである。
【0096】
図38に示す2層袋131では、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間を接着する開口部2aの側の領域が周回領域R2のみで構成されているので、周回領域R2は、開口部2aの縁から底部3の方へ切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれよりも遠い位置において配置されているので、周回領域R2を開口部2aの縁に近づけるにも限界がある。したがって、
図38に示す2層袋131のように内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間を接着する開口部2a側の領域を周回領域R2のみで構成すれば、周回領域R2と開口部2aの縁との間において、内層1Bと外層1Aとの間に誤って収容物が入ってしまうおそれが高い。ところが、本実施の形態による2層袋81では、接着剤82で接着された領域R82が切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれかの先端よりも開口部2aの縁に近い位置に配置されているので、
図38に示す2層袋81に比べて、内層1Bと外層1Aとの間に誤って収容物が入ってしまうおそれが低減される。しかも、本実施の形態による2層袋81では、周回領域R2のみならず領域R82も切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bを避けているので、接着剤22,82の塗布後に切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bを形成しても切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bを形成する切刃付き112,115の刃に接着剤22,82がくっついてしまい支障を来すようなおそれもないし、切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bの形成後に接着剤22,82を塗布してもその接着剤22,82が切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bから塗布面の裏側に回って支障を来すようなおそれもない。
【0097】
本発明では、本実施の形態による2層袋81において、周回領域R2と開口部2aの縁との間に配置された領域R82は、その一部の領域に限定してもよい。、例えば、領域R82は、両側部13,14には配置しなくてもよい。
【0098】
また、本発明では、本実施の形態のような2層袋において採用し得る、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間を接着剤で接着する開口部2a側の領域のパターンの各例を、
図39に示している。
図39は、当該開口部2a側の領域のパターンの各例を示す一部拡大概略正面図であり、前面部11の開口部2a側の部分を示している。
【0099】
図39(a)は、本実施の形態における開口部2a側の領域のパターンを示している。
【0100】
図39(b)は、接着剤82で接着される領域R82を破線のように構成した例を示している。
【0101】
図39(c)は、接着剤182で接着される領域R182を、なるべく開口部2aの縁に近づけつつ切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bを回避するように、同じ太さで構成した例を示している。
【0102】
図39(d)は、接着剤222で接着される領域R222を、なるべく開口部2aの縁に近づけつつ切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bを回避するように、異なる太さで構成した例を示している。
【0103】
図39(d)は、接着剤322で接着される領域R322を、接着剤82で接着される領域R82が途切れている箇所を横方向に余裕を持って領域R322よりも下側の位置で塞ぐように構成した例を示している。
【0104】
図39に示すいずれの例においても、内層1Bによる内側筒状部と外層1Aによる外側筒状部との間を接着剤で接着する開口部2a側の領域は、切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれも避けるように配置され、当該開口部側領域は、開口部2aの縁を仮想的に底部3の方へ移動させるときに開口部2aの縁の全体が当該開口部側領域のいずれかの箇所に行き当たるように配置され、当該開口部側領域の一部は、切り込み91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98bのいずれかの先端よりも開口部2aの縁に近い位置に配置されている。
【0105】
このような開口部側領域を採用しても、本実施の形態による2層袋81と同様の利点が得られる。
【0106】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0107】
1,81 2層袋
1A 外層
1A’ 外層シート
1B 内層
1B’ 内層シート
2 胴部
2a 開口部
22,82 接着剤
25 ヒートシールの箇所
91b,92b,93b,94b,95b,96b,97b,98b 切り込み