(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】照明装置及び浴室
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20240725BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240725BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20240725BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240725BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240725BHJP
【FI】
F21V19/00 234
F21S2/00 230
F21S8/02 100
F21V19/00 150
F21V17/00 154
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019159216
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池堂 浩史
(72)【発明者】
【氏名】厨 謙三
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147710(JP,A)
【文献】特開2012-226957(JP,A)
【文献】特開2016-058274(JP,A)
【文献】特開2019-046604(JP,A)
【文献】特開2012-099414(JP,A)
【文献】特開2013-241235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21S 8/02
F21V 17/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延びる光源ユニットと、
前記光源ユニットを収容するケースと、
前記ケースに
収容され、
前記光源ユニットの表面に当接し、前記軸線方向及び前記軸線方向と交差する交差方向の所定範囲の移動を許容しつつ前記光源ユニットを前記ケースの所定位置に保持する保持部材と、
を備え、
前記ケースは、
前記交差方向が開放された筐体を有し、前記筐体は、前記光源ユニットの表面よりも表側まで延出した左右のケース側面部を有し、前記保持部材は、
前記筐体に対して前記開放側から着脱されるものであり、着脱時に弾性変形し、前記光源ユニットの表面よりも表側で、前記ケース側面部の内面に取り付けられている照明装置。
【請求項2】
軸線方向に延びる光源ユニットと、
前記光源ユニットを収容するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記軸線方向及び前記軸線方向と交差する交差方向の所定範囲の移動を許容しつつ前記光源ユニットを前記ケースの所定位置に保持する保持部材と、
を備え、
前記ケースは、左右のケース側面部を有し、前記保持部材は、前記ケース側面部の内面に取り付けられており、
前記ケースは、前記交差方向が開放された筐体を有し、
前記保持部材は、前記筐体に対して前記開放側から着脱され
、着脱時に弾性変形するものであり、
前記ケース側面部の内面には、軸線方向に延びた係止リブが設けられ、
前記保持部材は、前記係止リブに形成された切り欠き部に係止している照明装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記切り欠き部を貫通する弾性部を有し、
前記弾性部は、前記切り欠き部の軸線方向における両端部に接触する請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記切り欠き部を貫通する貫通部と、前記係止リブの裏側に収まる非貫通部とを有している請求項
2に記載の照明装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の照明装置を備えた浴室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方向に長い光源ユニットを備えた照明装置が知られている。例えば下記特許文献1には、この種の照明装置において浴室に取り付けられるものが記載されている。この照明装置の光源ユニットには、複数の光源が長さ方向に等間隔で配置されている。光源ユニットには、浴室の壁パネルに固定される光源固定部材が備えられている。光源固定部材は、光源ユニットの長さ方向に間をあけて複数配置されている。各光源固定部材は、ステンレス鋼板からなり、光源ユニットの一面に固着されている。各光源固定部材は、光源ユニットから幅方向(長さ方向と交差する方向)に延出した壁面固定部を有している。各光源固定部材の壁面固定部は、ビスにより浴室の壁パネルに固定される。光源ユニット及び光源固定部材は、カバー部材によって覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源ユニットは、熱膨張、熱収縮によって変形する。一方向に長い光源ユニットは、熱による長さ方向の伸縮量や反り量が大きい。上記のような構成の照明装置における光源ユニットは、熱による変形が光源固定部材によって拘束されている。このため、光源ユニットに比較的大きな熱応力が生じる虞がある。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光源ユニットに生じる熱応力を低減できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の照明装置は、軸線方向に延びる光源ユニットと、前記光源ユニットを収容するケースと、前記ケースに取り付けられ、前記軸線方向及び前記軸線方向と交差する交差方向の所定範囲の移動を許容しつつ前記光源ユニットを前記ケースの所定位置に保持する保持部材と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1における浴室ユニットを概略的に示す斜視図
【
図2】浴室ユニットの一部拡大断面図であって、照明装置を取り付けた状態を示す断面図
【
図3】照明装置及び照明固定用フレームの係止構造を示す斜視図
【
図4】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付ける前の状態を示す斜視図
【
図5】浴室ユニットの上端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【
図6】浴室ユニットの下端部の一部拡大斜視図であって、照明装置を取り付けた状態を示す斜視図
【
図8】照明装置の一部拡大斜視図であって、保持部材が光源ユニットを保持している状態を示す斜視図
【
図9】照明装置の一部拡大断面図であって、保持部材が光源ユニットを保持している状態を示す断面図
【
図11】照明装置の一部拡大斜視図であって、保持部材が光源ユニットを保持している状態を示す斜視図
【
図12】照明装置の一部拡大断面図であって、保持部材が光源ユニットを保持している状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
照明装置Lは、
図1に示すように、軸線方向に延びる照明装置Lである。照明装置Lは、浴室ユニット10に取り付けられる。浴室ユニット10は、シャワー装置Mを有するシャワーユニットである。浴室ユニット10は、上下方向に長い縦長の室内空間を有する。
【0009】
浴室ユニット10は、床部材11、壁パネル12及び天井パネル13を備えている。床部材11は、浴室ユニット10の床面を形成する。壁パネル12は、床部材11の上方に立ち、浴室ユニット10の側面を形成する。天井パネル13は、浴室ユニット10の上方を覆い、浴室ユニット10の天上面を形成する。浴室ユニット10の四方の側面のうち一つの側面(側面17と称する)に、浴室ドアDが設けられている。以下、各構成部材において、
図1の上側を上側、下側を下側、浴室ユニット10の室内側を表側、浴室ユニット10の室内と反対側を裏側として説明する。
【0010】
浴室ユニット10は、
図2に示すように、柱部材14、照明固定用フレーム20及び照明装置Lを備えている。柱部材14は、浴室ユニット10の角部に立つ。照明固定用フレーム20は、浴室ユニット10の角部において柱部材14と壁パネル12との間に立つ。照明装置Lは、照明固定用フレーム20に固定される。
【0011】
照明固定用フレーム20は、金属板(溶融亜鉛めっき鋼板など)を曲げ加工等して形成されている。照明固定用フレーム20は、床から天井まで延びている。照明固定用フレーム20の下端は床部材11に固定されている。
【0012】
照明固定用フレーム20は、
図2に示すように、照明装置Lの裏面側に配置されるフレーム裏面部21と、フレーム裏面部21から表側に立つ左右一対のフレーム側面部22とを有している。一対のフレーム側面部22の間に、照明装置Lが取り付けられる。
【0013】
フレーム裏面部21には、照明装置Lの配線(図示せず)を通す配線通し部25が形成されている(
図3参照)。フレーム裏面部21には、照明装置Lに係止するフレーム側係止部26が設けられている。フレーム側係止部26は、フレーム裏面部21の一部を表面に切り起こして形成された係止爪27の上側の縁である。照明固定用フレーム20の上端部には、天井パネル13と照明装置Lとの間の隙間を塞ぐスペーサSが取り付けられる(
図4及び
図5参照)。
【0014】
照明装置Lは、光源ユニット30と、ケース40と、キャップ61,62とを備えている。光源ユニット30は軸線方向に延びる。ケース40の内部に光源ユニット30が収容される。ケース40は、軸線方向に延びる筒状をなす。キャップ61,62は、ケース40の軸線方向の両端部に形成された開口のそれぞれを塞ぐ。
【0015】
照明装置Lが浴室ユニット10に取り付けられた状態において、照明装置Lの軸線方向は上下方向と一致する。照明装置Lは、照明固定用フレーム20の表面に配置される(
図2参照)。照明装置Lの長さ寸法は、スペーサSの上下方向の寸法分だけ照明固定用フレーム20の長さ寸法よりも短い。
【0016】
照明装置Lの幅寸法(左右方向の寸法)は、照明固定用フレーム20の一対のフレーム側面部22の間に入ることができる寸法である。照明装置Lの厚さ寸法(表裏方向の寸法)は、壁パネル12の厚さ寸法と同等である。照明装置Lは、幅寸法が厚さ寸法よりも大きい横長の方形断面を有している。
【0017】
光源ユニット30は、基板31と、枠体32と、樹脂材33とを有している。基板31は、多数の光源(LED等)が実装されている。枠体32は、基板31を内部に収容する。樹脂材33は、枠体32に収容された基板31を封止する。
【0018】
光源ユニット30は、細長い角柱状をなしている。光源ユニット30は、
図2に示すように、表裏方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きい方形状の断面を有している。光源ユニット30の表面は発光面34及び枠体32の表面32Aを有している。枠体32の表面32Aは、発光面34の左右両側に位置している。光源ユニット30は、全長にわたり表方向に光を照射する。光源ユニット30の上端部に、照明装置Lの配線が接続されるコネクタ部Cが設けられている。
【0019】
ケース40は、表面が開放された筐体41と、筐体41の開放側を覆う透光カバー42とを有している。筐体41に透光カバー42が取り付けられた状態においてケース40は筒状をなし、長さ方向の両端部は開口している。
【0020】
筐体41は、例えばアルミ等の金属材により形成されている。筐体41は、
図9に示すように、光源ユニット30の裏面に配置されるケース裏面部43と、ケース裏面部43から表側に立つ左右一対のケース側面部44とを有している。一対のケース側面部44は略平行をなす。一対のケース側面部44はケース裏面部43と略直交する。
【0021】
一対のケース側面部44は、一対の第1ケース側面部44Fと、一対の第2ケース側面部44Sとを有している。一対の第2ケース側面部44Sは、一対の第1ケース側面部44Fよりも左右方向の間隔が大きい。第2ケース側面部44Sは第1ケース側面部44Fよりも表側に位置している。第1ケース側面部44Fの表側の縁と第2ケース側面部44Sの裏側の縁とはケース段差部45によって連結されている。
【0022】
一対の第1ケース側面部44Fの間は、光源ユニット30が取り付けられる光源ユニット取付部46である。光源ユニット取付部46は表側に開放されている。
【0023】
第1ケース側面部44Fの内面には、
図8に示すように、係止リブ47が突出して設けられている。係止リブ47は、左右の第1ケース側面部44Fに設けられている。係止リブ47には、後述する保持部材54が係止する。係止リブ47は、第1ケース側面部44Fの表側の端部に位置している。係止リブ47は、表裏方向に対して直交する方向に突出している。係止リブ47は、筐体41の全長に延びている。
【0024】
係止リブ47のうち保持部材54の取り付け部位には、
図8に示すように、切り欠き部48が形成されている。切り欠き部48は、左右の係止リブ47に設けられている。左右の切り欠き部48は、上下方向の位置が揃っている。各切り欠き部48は、左右方向の内側が開放されている。各切り欠き部48は、略平行な上端面48A及び下端面48Bを有している。各切り欠き部48の上端面48A及び下端面48Bは、照明装置Lに取り付けられた状態で水平な面である。
【0025】
ケース裏面部43は、
図3に示すように、ケース側面部44から左側及び右側に張り出したフランジ部49を有している。フランジ部49は、筺体の全長に設けられている。
【0026】
ケース裏面部43には、照明固定用フレーム20に係止するケース側係止部51が設けられている。ケース側係止部51は、フランジ部49に形成された切欠き52の上側の縁である。切欠き52は、左右方向のいずれか一方が開放された上下方向に長い方形状をなしている。
【0027】
ケース裏面部43の表面には、
図9に示すように、一対のリブ59が突出している。一対のリブ59の間に、光源ユニット30が配置される。一対のリブ59は、光源ユニット30の左右両側面に沿って立つ。これにより、ケース40(筐体41)に対して光源ユニット30の左右方向の位置が決まる。
【0028】
ケース段差部45の表面には、透光カバー42の係止片57が係止する係止壁55が設けられている。係止壁55は、ケース段差部45から表側に突出している。係止壁55は第2ケース側面部44Sと略平行をなしている。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間は表側に開放されている。係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に、透光カバー42の係止片57が挿入され、係止壁55の先端に係止する。
【0029】
透光カバー42は、
図9に示すように、筐体41の開放側に取り付けられる。透光カバー42は、カバー本体56と、左右一対の係止片57とを備えている。カバー本体56は平板状をなす。カバー本体56は、筐体41の第2ケース側面部44Sの表側の縁部の間にわたる幅寸法を有している。カバー本体56は、筐体41に取り付けられた状態において筐体41のケース裏面部43と略平行をなす。
【0030】
係止片57は、カバー本体56の左右の縁部から裏側に突出している。係止片57は、係止壁55と第2ケース側面部44Sとの間に挿入される。係止片57の先端は係止壁55に係止する。係止片57と第2ケース側面部44Sとの間には、筐体41と透光カバー42との間を止水する止水部材58が装着されている。
【0031】
キャップ61,62は、
図4及び
図6に示すように、ケース40の長さ方向の一端(浴室ユニット10に固定された状態における上端)に取り付けられる上キャップ61、及びケース40の他端(浴室ユニット10に固定された状態における下端)に取り付けられる下キャップ62である。下キャップ62は、
図6に示すように、上下方向に長い柱状をなしている。下キャップ62は、ケース40の下端と床面との間の隙間を埋める。下キャップ62の上面に、光源ユニット30の下端が載る。
【0032】
保持部材54は、筐体41に対して表側から着脱される(
図8参照)。保持部材54は、筐体41に着脱する際、弾性変形する。保持部材54は、光源ユニット30の軸線方向及び表裏方向を含む平面内における所定範囲の移動を許容しつつ光源ユニット30をケース40の所定位置に保持する。
【0033】
保持部材54は、筐体41の軸線方向における複数個所に取り付けられる。各箇所において保持部材54は光源ユニット30の左右両側に取り付けられる(
図8参照)。すべての保持部材54は同一形状である。
【0034】
保持部材54は、金属板材により形成されている。保持部材54は、
図9に示すように、筐体41の内面に沿う本体板部71を有している。本体板部71は、第1ケース側面部44Fの内面に沿う第1板部72と、ケース裏面部43に沿う第2板部73とを有している。第2板部73は、ケース裏面部43に設けられたリブ59の左右方向における外側に配置される。第1板部72と第2板部73とは直角をなしている。
【0035】
第1板部72は、
図7に示すように、係止リブ47の切り欠き部48を表側に貫通する貫通部74と、係止リブ47の裏側に収まる非貫通部75とを有している。非貫通部75は、貫通部74の上下両側に設けられている。非貫通部75の裏側の端に第2板部73が設けられている。切り欠き部48を貫通した状態の貫通部74は、切り欠き部48の上端面48A及び下端面48Bによって上下方向の位置が決められる。係止リブ47の裏側に配置された状態の非貫通部75は、係止リブ47の裏面及びケース裏面部43の表面によって表裏方向の位置が決められる。
【0036】
保持部材54は、本体板部71に接近する方向に弾性変位する弾性片76を有している。弾性片76は、貫通部74の裏側の端から斜め表側に片持ち状をなして延びている。弾性片76の先端部には、光源ユニット30に接触する接触部77が設けられている。接触部77は、光源ユニット取付部46に収容された状態の光源ユニット30の枠体32の表面32Aに接触する。これにより、光源ユニット30は、ケース裏面部43から表側に離れることを制限される。
【0037】
照明装置Lを組み立てる作業手順の一例を説明する。
【0038】
光源ユニット30を筐体41に取り付ける。詳しくは、発光面34を表に向けて筐体41の一対のリブ59の間に光源ユニット30をセットする。これにより、光源ユニット30の筐体41に対する左右方向の位置が決まる。
【0039】
保持部材54を筐体41に取り付ける。詳しくは、保持部材54の貫通部74を筐体41の係止リブ47の切り欠き部48の位置に合わせ、第1ケース側面部44Fと光源ユニット30との間に保持部材54を押し込む。保持部材54の非貫通部75が係止リブ47に当接し、弾性片76が光源ユニット30の側面に当接する。これにより、本体板部71と弾性片76とが接近する。非貫通部75が係止リブ47の裏側に至ると、本体板部71及び弾性片76は弾性力により離れる。第2板部73はケース裏面部43の表面に沿う。接触部77は光源ユニット30の表面の左右両側に当接する。これにより、光源ユニット30は、筐体41からの離脱が制限される。
【0040】
透光カバー42を筐体41に取り付け、ケース40の上下両端に上キャップ61及び下キャップ62を装着する。以上により、照明装置Lを組み立てる作業が完了する。光源ユニット30の上下方向の変位は、上キャップ61と下キャップ62との間において許容されている。光源ユニット30の表裏方向の変位は、保持部材54が弾性変形する範囲で許容されている。
【0041】
照明装置Lを浴室ユニット10に取り付けた状態では、光源ユニット30の下端面が下キャップ62の先端面に当接する。光源ユニット30は、下キャップ62に支持される。
【0042】
上記のように構成された照明装置Lの作用および効果について説明する。
【0043】
照明装置Lは、光源ユニット30と、ケース40と、保持部材54とを備えている。光源ユニット30は、軸線方向に延びる。ケース40は、光源ユニット30を収容する。保持部材54は、ケース40に取り付けられる。保持部材54は、光源ユニット30の上下方向及び表裏方向の所定範囲の移動を許容しつつ光源ユニット30をケース40の所定位置に保持する。この構成によれば、光源ユニット30の上下方向の伸縮や表裏方向の反りが所定範囲内で許容されるから、光源ユニット30に生じる熱応力を低減できる。
【0044】
照明装置Lの保持部材54は、光源ユニット30の表面の左右両端部に接触し、光源ユニット30を保持する。保持部材54が光源ユニット30の発光面34を幅方向に横切るものである場合、保持部材54によって影ができる虞がある。しかしながら、照明装置Lによれば、保持部材54が光源ユニット30の発光面34を横切らないから、保持部材54によって影ができない。
【0045】
照明装置Lの保持部材54は、筐体41に対して開放側から着脱される。保持部材54は、着脱時に弾性変形する。この構成によれば、保持部材54が例えばビスである場合に比べて容易に着脱できるから、光源ユニット30のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0046】
<実施形態2>
実施形態2の照明装置90は、
図10に示すように、実施形態1とは異なる形態の保持部材91を備えている。実施形態1と同様の構成には同一符号を付して重複する説明を省略する。照明装置90は、実施形態1と同様、光源ユニット30と、ケース40とを備えている。光源ユニット30は、実施形態1と同様、基板31と、枠体32と、樹脂材33とを有している。ケース40は、実施形態1と同様、筐体41と、透光カバー42とを有している。
【0047】
保持部材91は、実施形態1と同様、筐体41に対して表側から着脱される(
図11参照)。保持部材91は、実施形態1と同様、筐体41に着脱する際、弾性変形する。保持部材91は、実施形態1と同様、光源ユニット30の軸線方向及び表裏方向の所定範囲の移動を許容しつつ光源ユニット30をケース40の所定位置に保持する。
【0048】
保持部材91は、実施形態1と同様、筐体41の軸線方向における複数個所に取り付けられる。各箇所において保持部材91は、実施形態1と同様、光源ユニット30の左右両側に取り付けられる。実施形態1と同様、すべての保持部材91は同一形状である。
【0049】
保持部材91は、合成樹脂製である。保持部材91は、
図10に示すように、本体部92と、弾性部93と、接触部94とを有している。本体部92及び弾性部93は、
図11に示すように、係止リブ47の切り欠き部48を表側に貫通する。
【0050】
本体部92は、
図12に示すように、光源ユニット30の左右の側面30Sと、筐体41の第1ケース側面部44Fとの間に配置される。本体部92は、第1ケース側面部44Fの内面に沿う第1板面95と、ケース裏面部43に沿う第2板面96と、光源ユニット30の側面30Sに沿う第3板面97とを有している。第2板面96は、ケース裏面部43に設けられたリブ59の左右方向における外側に配置される。第2板面96の左右方向の寸法は、第1ケース側面部44Fとリブ59との間の左右方向の間隔よりも小さい。第1板面95が第1ケース側面部44Fに当接した状態において第3板面97と光源ユニット30の側面30Sとの間には隙間が形成される。この隙間の分だけ、保持部材91は左右方向に移動できる。第1板面95と第2板面96とは直角をなしている。第1板面95と第3板面97とは平行をなしている。
【0051】
弾性部93は、
図10に示すように、本体部92の上側及び下側に設けられている。弾性部93は、本体部92の裏側の端から表側に向かって片持ち状に延びている。弾性部93は、上下方向に弾性変形する。上側の弾性部93は、本体部92の上面に接近する方向に弾性変形する。下側の弾性片は、本体部92の下面に接近する方向に弾性変形する。
【0052】
上側の弾性部93の上面は、
図11に示すように、切り欠き部48の上端面48Aに当接する。下側の弾性部93の下面は、切り欠き部48の下端面48Bに当接する。これによって、保持部材91の上下方向の位置が決められる。
【0053】
上側の弾性部93の上面及び下側の弾性部93の下面は、係止リブ47の裏面に係止する係止面98を有している。係止面98が係止リブ47の裏面に当接することによって、保持部材91の表裏方向の位置が決められる。第2板面96がケース裏面部43に当接した状態において係止面98と係止リブ47の裏面との間には隙間が形成される。この隙間の分だけ、保持部材91は表裏方向に移動できる。
【0054】
接触部94は、
図12に示すように、本体部92の表側の端部に設けられている。接触部94は、本体部92から光源ユニット30側に突出している。接触部94は、光源ユニット取付部46に収容された状態の光源ユニット30の枠体32の表面32Aと対向する。これによって、光源ユニット30は、ケース裏面部43から表側に離れることを制限される。接触部94の表裏方向の位置は、保持部材91が表裏方向に移動することによって変わる。
【0055】
保持部材91は、例えば以下の様にして筐体41に取り付けられる。保持部材91の本体部92を筐体41の係止リブ47の切り欠き部48の位置に合わせる。保持部材91を、第1ケース側面部44Fと光源ユニット30の側面30Sとの間に押し込む。上側の弾性部93が切り欠き部48の上端面48Aに当接し、下側の弾性部93が切り欠き部48の下端面48Bに当接する。これによって、上下の弾性部93は弾性変形して本体部92に接近する。弾性部93の係止面98が係止リブ47の裏側に至ると、上下の弾性部93は弾性力により本体部92から離れる。係止面98は、係止リブ47の裏面に係止する。本体部92の第2板面96はケース裏面部43の表面に沿う。接触部9477は光源ユニット30の表面の左右両側に沿う。これによって、光源ユニット30は、筐体41からの離脱が制限される。
【0056】
保持部材91の弾性部93は筐体41にのみ弾性的に当接する。したがって、保持部材91の弾性力が光源ユニット30に作用することを防ぐことができる。保持部材が筐体及び光源ユニットの両方に弾性的に当接する場合、光源ユニットと筐体との両方について設計誤差を考慮することが好ましいために寸法管理が困難である。この点、保持部材91は、筐体41にのみ弾性的に当接するから、寸法管理を容易に行うことができる。
【0057】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、本開示をシャワーユニットに適用した場合を例示した。これに限らず、本開示は浴槽及び洗い場を有する浴室ユニットにも適用できる。
(2)上記実施形態では、保持部材54,91が光源ユニット30の表面に接触するものである。これに限らず、保持部材は、光源ユニットの左側面や右側面に接触するものであってもよい。
(3)上記実施形態では、保持部材54,91が光源ユニット30の左右両側に備えられている。これに限らず、保持部材は、いずれか一方のみに備えられてもよい。
(4)上記実施形態では、筐体41に設けられたリブ59が光源ユニット30の左右方向の位置を決める。これに限らず、保持部材が光源ユニットの左右方向の位置を決めてもよい。この場合、保持部材は、光源ユニットの上下方向及び表裏方向の所定範囲の移動に加えて光源ユニットの左右方向の所定範囲の移動を許容するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では、ケース40が光源ユニット30と同方向に長い。これに限らず、ケースは光源ユニットの幅方向に長いものであってもよく、例えばケースは複数の光源ユニットを並列配置するものであってもよい。
【符号の説明】
【0058】
L,90…照明装置、30…光源ユニット、34…発光面、40…ケース、41…筐体、42…透光カバー、54,91…保持部材