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特許7526575水冷用スプレーノズル、スプレーノズル用先端部材
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  • 特許-水冷用スプレーノズル、スプレーノズル用先端部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】水冷用スプレーノズル、スプレーノズル用先端部材
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/124 20060101AFI20240725BHJP
   C22C 5/02 20060101ALI20240725BHJP
   B05B 1/04 20060101ALN20240725BHJP
【FI】
B22D11/124 G
C22C5/02
B05B1/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054665
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021154305
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000142023
【氏名又は名称】株式会社共立合金製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100129838
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典輝
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 悠
(72)【発明者】
【氏名】岡田 信宏
(72)【発明者】
【氏名】塚口 友一
(72)【発明者】
【氏名】正木 康浩
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】千本 剛
(72)【発明者】
【氏名】浴本 貴生
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/077832(WO,A1)
【文献】特開2008-114244(JP,A)
【文献】特開2005-178227(JP,A)
【文献】特開平08-309998(JP,A)
【文献】特開平07-070809(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0106379(US,A1)
【文献】村槇 利弘,“金めっきにおける不純物の影響”,表面技術,日本,一般社団法人表面技術協会,1989年07月01日,40巻7号,pp.800-803
【文献】古藤田 哲哉,“NPシリーズ 貴金属めっき”,1版2刷,日本,槇書店,1996年07月30日,pp.1-2,13-14,110-111
【文献】高崎 隆治,“<工程・種類・用途別> めっき最新技術 ~メカニズムの考察と品質向上~”,第1刷,日本,株式会社情報機構,2006年05月18日,pp.82-85
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/124
C22C 5/02
B05B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼を冷却する冷却水を出射する水冷用スプレーノズルであって、
少なくともノズル吐出孔の内面の一部にAu又はAu合金による被膜が形成されており、
前記被膜の表面粗さは、最大高さRzで0.01μm以上0.68μm以下である、
水冷用スプレーノズル。
【請求項2】
前記Au合金は、質量%で、Kを0.01質量%以上1.0質量%以下、Cを0.01質量%以上0.5質量%以下、Hを0.01質量%以上1.0質量%以下、Oを0.01質量%以上1.0質量%以下、Nを0.01質量%以上1.0質量%以下、Coを0.1質量%以上8.0質量%以下、Niを0.1質量%以上8.0質量%以下、Cuを0.001質量%以上8.0質量%以下、及び、Feを0.001質量%以上8.0質量%以下、から選ばれる少なくとも1つを含み、残部はAu及び不可避的不純物である、請求項1に記載の水冷用スプレーノズル。
【請求項3】
鋼を冷却する冷却水を出射する水冷用スプレーノズルのための先端部材であって、
少なくともノズル吐出孔の内面の一部にAu又はAu合金による被膜が形成されており
前記被膜の表面粗さは、最大高さRzで0.01μm以上0.68μm以下である、
スプレーノズル用先端部材。
【請求項4】
前記Au合金は、質量%で、Kを0.01質量%以上1.0質量%以下、Cを0.01質量%以上0.5質量%以下、Hを0.01質量%以上1.0質量%以下、Oを0.01質量%以上1.0質量%以下、Nを0.01質量%以上1.0質量%以下、Coを0.1質量%以上8.0質量%以下、Niを0.1質量%以上8.0質量%以下、Cuを0.001質量%以上8.0質量%以下、及び、Feを0.001質量%以上8.0質量%以下、から選ばれる少なくとも1つを含み、残部はAu及び不可避的不純物である、請求項に記載のスプレーノズル用先端部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳片、鋼板、鋼管等の製造に用いられる水冷用の冷却スプレーノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鋳片、鋼片、鋼板又は鋼管等の製造工程におけるこれら材料の冷却は、適切な表面性状や組織を得るため、及び、均質化や安定した操業を確保する観点から重要である。
【0003】
この冷却のために、冷却水を材料に供給する手段として水冷用スプレーノズルが用いられる。水冷用スプレーノズルは、細いノズル吐出孔から冷却水を材料に向けて噴射するため、特にノズル吐出孔に詰まりが生じやすい。そして詰まりが生じると材料の冷却ができなくなり、上記品質に影響を与えてしまう。
【0004】
特許文献1には、スプレーノズルのチップ部に金属の表面被膜を施すことが記載され、具体的にはCr、Niによる表面被膜が開示されている。これによりスプレーノズルの詰まりを防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-114244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の被膜では十分に詰まりを防止することができるとは言えなかった。
【0007】
そこで本発明は、詰まりをより確実に抑制することができる水冷用スプレーノズルを提供することを課題とする。また、そのための先端部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様は、水冷用スプレーノズル又はそのための先端部材であって、少なくともノズル吐出孔の内面の一部にAu又はAu合金による被膜が形成されている。
【0009】
Au合金は、質量%で、Kを0.01質量%以上1.0質量%以下、Cを0.01質量%以上0.5質量%以下、Hを0.01質量%以上1.0質量%以下、Oを0.01質量%以上1.0質量%以下、Nを0.01質量%以上1.0質量%以下、Coを0.1質量%以上8.0質量%以下、Niを0.1質量%以上8.0質量%以下、Cuを0.001質量%以上8.0質量%以下、及び、Feを0.001質量%以上8.0質量%以下、から選ばれる少なくとも1つを含み、残部はAu及び不可避的不純物とすることができる。
【0010】
被膜の表面粗さは、最大高さRzで0.01μm以上10μm以下としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より確実にスプレーノズルの詰まりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水冷用スプレーノズル10の構成を示す図である。
図2図1のノズルチップ13の近傍に注目した図である。
図3】(a)はノズルチップ13の外観を示す図、(b)はノズルチップ13の断面図である。
図4図3(b)のうち、ノズル吐出孔14の近傍に注目した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、1つの形態にかかる水冷用スプレーノズル10の構造を示した。この水冷用スプレーノズル10は連続鋳造工程における鋳片の二次冷却用スプレーノズルである。ただしこれは例示であり、他の工程の冷却に用いる水冷用スプレーノズルについても同様に考えることができる。他の工程としては例えば、鋳片の分塊圧延、形鋼圧延工程、熱間圧延工程等を挙げることができる。
【0014】
水冷用スプレーノズル10は、内側に中空部を有する混合器11、導管12、及び先端部材としてのノズルチップ13を有して構成されている。
図1からわかるように、空気の流路であるエア配管1及び冷却水の流路である水配管2が混合器11に接続され、その中空部で空気と冷却水とが混合するように構成されている。また、導管12の一端が混合器11に接続されており、導管12の他端にノズルチップ13が配置されている。
従って、エア配管1により供給された空気及び水配管2により供給された冷却水は、混合器11の中空部にて混合され、導管12を流れてノズルチップ13に達し、ノズルチップ13に設けられたノズル吐出孔14から材料(冷却対象)に向けて噴射される。
【0015】
図2には図1のうち、ノズルチップ13に注目した部位を拡大して表した。また、図3(a)にはノズルチップ13の外観図で、平面図及び右側面図、図3(b)にはA-A断面図を示し、図4には図3(b)のうちノズル吐出孔14の部分を拡大して表した。
図2乃至図4よりわかるように、ノズルチップ13はスプレーノズル用先端部材として機能し、外形が六角の筒状であり、その一方側の端部に底13aを有し、他方側の端部が開口している。底13aには、底13aを貫通するようスリット状の孔が設けられ、これがノズル吐出孔14とされている。本形態ではノズル吐出孔14はスリット状の孔であるが、これに限らず必要な形状であればよい。
一方、開口する他方側の端部から、ノズルチップ13の内側に導管12の端部が挿入されて固定されることでノズルチップ13が導管12に取り付けられている。
本形態では導管12とノズルチップ13とが異なる部材で固定されている態様であるが、これに限らず導管とノズルチップとが一体であり、区別することができない形態であってもよい。この場合には導管の先端にノズル吐出孔が設けられた態様となる。
【0016】
図4からわかるように、ノズルチップ13は、被膜15により少なくとも一部が覆われている。具体的には、少なくともノズル吐出孔14の内面の一部に被膜15が設けられている。本形態では吐出孔14の内面の全部、ノズルチップ13の底13aのうちの外側面13b及び内側面13c、特にその中でもノズル吐出孔14の周囲部分に被膜15が設けられている。
スプレーノズルの詰まりの原因はノズル吐出孔14の詰まりであることが多いので、ノズル吐出孔14の内面及びその周囲に被膜15を形成することにより当該詰まりを抑制することができる。
ただし、これはノズルチップ13の全部、又は、上記以外の一部にも合わせて被膜が形成されることを妨げるものではない。例えば成膜の観点からノズルチップ13の全部に被膜を形成した方が効率的であることもある。
【0017】
被膜15はAu又はAu合金により構成されている。これによりスプレーノズルの詰まりをより確実に抑制することができる。その理由は必ずしも明確でないが、次のように考えることもできる。
すなわち、Au、又は、Au合金による被覆は、これにより被覆された部分の腐食が抑制され、腐食により表面が粗くなること(粗面化)が抑制される。表面の粗面化が顕著になると、冷却水中の異物が表面に引っかかるようにして堆積しやすくなる。また、粗面化した表面に冷却水中のカルシウム成分が析出すると、平滑な表面と比較してアンカー効果により析出したカルシウム成分が剥離し難くなる。更に、析出したカルシウム成分は金属表面より親水性が高いため、一度析出すると加速度的に異物を捕捉しやすくなる。
このように、粗面化は、その原因の種類によらず表面への異物の堆積を助長し、スプレーノズルの詰まりの原因となる。これに対してAu又はAu合金の被膜によれば、このような粗面化が抑制され、異物の堆積を抑えることで詰まりを抑制する。
【0018】
被膜をAu合金で構成した場合には、Au及び不可避的不純物以外の成分として次のものを少なくとも1つ含ませることができる。
【0019】
Kを0.01質量%以上1.0質量%以下で含むことができる。0.01質量%以上とすることで、被膜の強度を向上させることができる。一方、1.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Cを0.01質量%以上0.5質量%以下で含むことができる。0.01質量%以上とすることで、被膜の耐摩耗性を向上させることができる。一方、0.5質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Hを0.01質量%以上1.0質量%以下で含むことができる。0.01質量%以上とすることで、被膜の強度を向上させることができる。一方、1.0質量%を超えると、被膜が脆化する傾向にあり、被膜の割れの原因となる虞がある。
Oを0.01質量%以上1.0質量%以下で含むことができる。0.01質量%以上とすることで、被膜の強度を向上させることができる。一方、1.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Nを0.01質量%以上1.0質量%以下で含むことができる。0.01質量%以上とすることで、被膜の耐摩耗性を向上させることができる。一方、1.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Coを0.1質量%以上8.0質量%以下で含むことができる。0.1質量%以上とすることで、被膜の硬さを向上させることができる。一方、8.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Niを0.1質量%以上8.0質量%以下で含むことができる。0.1質量%以上とすることで、被膜の硬さを向上させることができる。一方、8.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Cuを0.001質量%以上8.0質量%以下で含むことができる。0.001質量%以上で、被膜の硬さを向上させることができる。一方、8.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
Feを0.001質量%以上8.0質量%以下で含むことができる。0.001質量%以上で、被膜の硬さを向上させることができる。一方、8.0質量%を超えると被膜の割れの原因となる虞がある。
【0020】
また、被膜の表面粗さは、最大高さRz(JIS B 0601-2001)で0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。表面粗さをこの範囲にすることで、さらに効果的にスプレーノズルの詰まりを抑制することができる。
【0021】
被膜の厚さは特に限定されることはないが、形成される被膜が厚すぎると製膜時における被膜内の割れ(クラック)の可能性が高くなるため、厚さは50μm以下であることが好ましい。また、薄すぎると被膜に期待される効果や、摩耗による被膜の減少に対して寿命が短くなるため、これを担保する厚さが必要である観点から10μm以上であることが好ましい。
【0022】
ノズルチップ13の母材は特に限定されることはないが耐食性の観点からステンレス鋼であることが好ましく、切削加工性が高いことがさらに好ましい。
なお、被膜15の表面粗さRzを上記のように好ましい範囲にする際には、被膜15が配置される部位における母材の表面粗さRzを、所望する被膜の表面粗さよりも小さくしておくことが好ましい。これにより被膜の表面粗さを所望の大きさに調整しやすくなる。
【0023】
また、ノズルチップは、その全てが一体構造であってもよく、複数に分割された部材を後で組み合わせたものであってもよい。被膜15の形成の観点からは後者が好ましい。
【0024】
以上のような水冷用スプレーノズル10の被膜15以外については、従来公知の方法により作製することができる。また被膜15の形成(成膜)もその方法は特に限定されることはなく、例えば電解めっき、無電解めっきを挙げることができる。
「電解めっき」とは、外部から電流を流し、電解作用により金属陽イオンを電子と反応させて金属とし、陰極を形成する被めっき体の表面に析出させて被膜を形成する方法を意味する。一方、「無電解めっき」とは、外部から電流を流すことなく、化学還元剤を用いて溶液中の金属イオンを還元析出させ、被めっき体の表面に被膜を形成する方法を意味する。
【実施例
【0025】
[試験片]
試験のためのノズルチップを図3の形状に倣って作製した。その母材はステンレス鋼(SUS303)である。ノズルチップ形状の母材に対して無電解めっきにより被膜することでノズルチップとした(実施例1、参考例2、実施例3)。より具体的には、金塩としてKAu(CN)2を8g/L、緩衝塩としてクエン酸ナトリウムを200g/L、pHを6以上7以下の範囲内に調整した70℃のめっき液を作製し、このめっき液をマグネティックスターラを用いて撹拌しながらめっき液にノズルチップ形状の母材を入れ、めっき処理を行った。実施例1と参考例2とはめっき液への浸漬時間を変えることにより被膜の膜厚を調整した。実施例3については、めっき液にクエン酸コバルトを添加したものを用いた。従って実施例3の被膜はCoを含むAu合金である。
また、比較例1として被膜をしない例のノズルチップを準備した。
さらに、比較例2としてNi合金による被膜を有する例のノズルチップを準備した。このノズルチップは、実施例と同じ形状及び材質の母材に対して無電解めっきをすることによりNi-P合金により製膜することにより得た。具体的にはノズルチップ形状の母材を、硫酸ニッケルを0.2mol/L、クエン酸を0.2mol/L、硫酸アンモニウムを0.5mol/L、次亜リン酸ナトリウムを0.15mol/Lで含むめっき液に浸漬した。めっき液のpHはNaOHにより10.0に調整した。
【0026】
[試験]
乾湿繰り返しサイクルによる加速試験を行った。具体的には、200℃以上500℃以下の範囲内に調整した乾燥機内に、蓋付きのビーカーを設置し、その中にカルシウム硬度が60mg/L以上120mg/L以下の範囲にある冷却水を3L入れ、この冷却水に各例のノズルチップを一定時間浸漬後、一定時間取り出して完全に乾燥させることを1サイクルとし、これを150サイクル繰り返した。
【0027】
[評価項目]
<表面粗さ>
表面粗さは、試験前と試験後において最大高さRz(JIS B 0601-2001)を測定することで評価した。最大高さRzは、断面において水平方向に50μmの基準長さにおいて、最大山高さと最大谷深さとの和で表した。粗さ曲線は、SEMを用いてノズルチップの一部の断面を観察することにより得た。断面観察の位置は、ノズルチップの内面のうち、ノズル吐出孔とその反対側の開口との間の中央部分の任意の位置とした。
【0028】
<固着物厚さ>
固着物(堆積物)の厚さを評価した。固着物の厚さが小さいほどスプレーノズルの詰まりが生じ難いと考えることができる。
固着物厚さは、画像解析により膜厚を測定することで行った。ノズルチップ最表面において、EDS(エネルギー分散型X線分光器)分析でO(酸素)が検出された表面をスケール(固着物)と定義した。厚さは、画像解析ソフト(WinROOFver.7.4、三谷商事株式会社製)を用い、50μmの範囲の視野における厚さをデータ点数270点で平均化して得た。計測した位置は表面粗さ測定と同じ位置である。
【0029】
[結果]
表1に被膜の種類、膜厚、及び、評価結果を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1の実施例1、参考例2、実施例3と比較例1、比較例2との対比からわかるように、Au被膜の存在により固着物厚さを抑えることができることがわかる。
また、Au被膜でも表面粗さが小さいほうが固着物の厚さも薄いこと、Au合金被膜の方がAu被膜よりも固着物の発生を少なくできることもわかる。
【符号の説明】
【0032】
10 水冷用スプレーノズル
11 混合器
12 導管
13 ノズルチップ(先端部材)
14 ノズル吐出孔
15 被膜
図1
図2
図3
図4