(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】スマートカード用の登録ケース
(51)【国際特許分類】
G06K 19/00 20060101AFI20240725BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240725BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240725BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G06K19/00 050
G06K19/077 188
G06K19/07 180
G06K7/00 026
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020072309
(22)【出願日】2020-04-14
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519110386
【氏名又は名称】アイデミア・アイデンティティ・アンド・セキュリティー・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ プラウィーツ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ボーバン
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル-ヤン フール
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0276518(US,A1)
【文献】特開平10-121395(JP,A)
【文献】特開2004-234254(JP,A)
【文献】特開2004-265166(JP,A)
【文献】特開2004-133843(JP,A)
【文献】特表2003-509231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00
G06K 19/077
G06K 19/07
G06K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロット(51)を通じたその内部におけるスマートカードの挿入を許容する寸法を有するセルロース系繊維材料から製造されたエンベロープから形成されたスマートカード(10)用のケース(50)であって、前記エンベロープは、カードが第1位置に挿入された際に、前記カードの電気接点(26)を電源インターフェイス(530)に電気的に接続する、前記セルロース系繊維材料上において直接的に堆積された電気回路(550)を有する、ケース(50)。
【請求項2】
前記電気回路550は、前記エンベロープの内部面上において堆積されており、前記電源インターフェイスは、前記エンベロープの外部に位置する部分を有しうる請求項1に記載のケース(50)。
【請求項3】
前記電気回路(550)は、前記挿入されたカード(10)との間において電気的接触を実施するべくマトリックスパターンの1つ又は複数の接触位置において配置されたいくつかの接触スタッド(553)を含み、前記エンベロープは、前記マトリックスパターンの2つの接触位置の間において配置された少なくとも1つの貫通開口部(511)を含む請求項1又は2に記載のケース(50)。
【請求項4】
前記エンベロープは、接触スタッド(553)を担持する前記マトリックスパターンの2つの連続した列の間においてそれぞれが配置された複数の開口部(511)を含む請求項3に記載のケース(50)。
【請求項5】
前記エンベロープは、接触スタッド(553)を担持する前記マトリックスパターンの全体の外部において配置された1つ又は複数の端部開口部(511e)を更に含む請求項
3又は4に記載のケース(50)。
【請求項6】
前記マトリックスパターンは、ISO/IEC7816-2:2007規格に従って4つのラインの2つのカラムから形成されている請求項3~5のいずれか1項に記載のケース(50)。
【請求項7】
前記電気回路(550)は、ユーザーインターフェイスを形成する1つ又は複数のコンポーネント(552)の、且つ、任意選択により、エネルギー供給源の、前記エンベロープ上において堆積された1つ又は複数の導電性トラック部分(551)から構成されている請求項1~6のいずれか1項に記載のケース(50)。
【請求項8】
前記セルロース系繊維材料から製造されたエンベロープは、1つの部分として形成されている請求項1~7のいずれか1項に記載のケース(50)。
【請求項9】
前記エンベロープは、前記第1位置に向かって前記カード(10)をガイドするための手段(521、522、523)を含み、前記ガイドするための手段(521、522、523)は、前記エンベロープのフロントパネル(610)及びバックパネル(620)を1つに固定するフラップ(621、622、623)によって形成されている請求項1~8のいずれか1項に記載のケース(50)。
【請求項10】
前記フラップは、前記スロット(51)の側において面取りされたエッジを有する請求項9に記載のケース(50)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のケース(50)と、前記カードの表面上において提供された生体計測センサ(40)を装備したスマートカード(10)と、を有するシステムであって、前記生体計測センサは、前記スマートカードが前記第1位置に挿入された際に、前記ケースの外側からアクセス可能である、システム。
【請求項12】
カード(10)のケース(50)用のセルロース系繊維材料から製造されたブランク(600)において、
前記ブランク(600)は、スロット(51)を通じたその内部におけるスマートカード(50)の挿入を許容する寸法を有するエンベロープ様のケース(50)の2つの面(510、520)を形成するべく意図された、隣接した、且つ、ヒンジ接続された、2つのパネル(610、620)を有しており、電気回路(550)が、前記2つのパネル(610、620)のうちの少なくとも第1パネル(610)の前記セルロース系繊維材料上において直接的に堆積されており、前記電気回路は、前記第1パネル(610)上において、前記カードが前記エンベロープ様のケース内の第1位置に挿入された際に、前記カード(10)の電気接点(26)を電源インターフェイス(530)に電気的に接続するように構成された接触スタッド(553)を含む、ブランク(600)。
【請求項13】
前記接触スタッド(553)は、前記第1位置に挿入された前記カードとの間において電気的接触を実施するべくマトリックスパターンの1つ又は複数の電気的接触位置において配置されており、且つ、前記第1パネル(610)は、前記マトリックスパターンの2つの接触位置の間において配置された少なくとも1つの開口部(511)を含む請求項12に記載のブランク(600)。
【請求項14】
前記第1パネル(610)は、接触スタッド(553)を担持する前記マトリックスパターンの2つの連続した列の間にそれぞれが配置された複数の開口部(511)と、接触スタッドを担持する前記マトリックスパターンの全体の外部において配置された1つ又は複数の端部開口部(511e)と、を含む請求
項13に記載のブランク(600)。
【請求項15】
スマートカード(10)用のケース(50)を製造する方法において、
前記方法は、
スロット(51)を通じたその内部におけるスマートカード(10)の挿入を許容する寸法を有するエンベロープ様のケース(50)の2つの面(510、520)を形成するべく意図された、隣接した、且つ、ヒンジ接続された、2つのパネル(610、620)を有する、セルロース系繊維材料から製造されたブランク(600)を形成するステップであって、電気回路(550)が、前記2つのパネル(610、620)のうちの少なくとも第1パネル(610)の前記セルロース系繊維材料上において直接的に堆積されており、前記電気回路(550)は、前記第1パネル上において、電源インターフェイス(530)に接続された接触スタッド(553)を含む、ステップと、
前記スマートカードが前記エンベロープ様のケース(50)内の第1位置に挿入された際に前記接触スタッド(553)が前記スマートカード(10)の電気接点(26)を前記電源インターフェイス(530)に電気的に接続するように、前記ブランク(600)を折り畳み、且つ、糊付けすることにより、前記エンベロープ様のケース(50)を得るステップとを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカードとも呼称される集積回路カード用のケースの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのスマートカードが、支払及び輸送サービスなどのサービスに対する安全なアクセスのための手段として使用されている。これまで、ユーザーの認証は、一般にはPIN(Personal Identification Number)コードである、個人的なコードの入力を通じて行われてきたが、いまでは、生体計測カードと呼称される、益々多くの数のスマートカードが、ユーザーを認証するべく、カード所有者の生体計測データ(又は、サンプル)を取得するための1つ又は複数の生体計測センサを内蔵している。
【0003】
例えば、指紋センサを装備した支払スマートカードが存在している。自身の秘密コードを通知する代わりに、カード所有者は、カードが接触支払端末に挿入されたら、或いは、カードが非接触支払端末に接近した際に、自身の親指をセンサ上に配置している。その結果、カード所有者を認証することができる。
【0004】
生体計測カードのカード所有者は、一般に、生体計測センサによって取得された新しいデータが認証目的のために後から比較される対象となる基準データとして、通常は、1つ又は複数の指紋である、自身の独自の生体計測データを取得するための初期の(且つ、一般的には、固有の)動作(即ち、登録ステップ)に進まなければならない。
【0005】
特許文献1(米国特許出願公開第2018/276518号明細書)は、具体的には、その
図9において、電気エネルギーの供給源である、且つ、この指紋センサを伴う生体計測カードの登録のフェーズのために使用可能な、ケースを提案している。ケースは、射出成形されたプラスチックから製造されている。カードの接点に対応する8つの接点をプラスチックケーシングに追加しなければならないと共に、オンボードセルに対する2つの電源接点を接続するべく、金属接続プレートを提供しなければならない。カードの最初の電力供給の際に、生体計測カードの登録モードを自動的にトリガすることができる。
【0006】
これらのケースは、様々な理由から満足できるものではなく、その理由は、製造方法に起因して、あまりに高価であり、あまりに嵩張り、環境を損ない、且つ、硬く且つ脆いプラスチックの使用に起因して、激しい衝撃に対してあまりに脆弱であり、金属接続プレートの追加を必要としていることから、あまりに複雑である、からである。これに加えて、その製造方法も、プラスチックの成形に起因して長い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2018/276518号明細書
【文献】仏国特許出願公開第3061333号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、新しいタイプのスマートカードケースを提案することにより、これらの欠点のうちのすべて又は一部分を克服することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、具体的には、スロットを通じたその内部におけるスマートカードの挿入を許容する寸法を有する、セルロース系繊維材料から製造されたエンベロープから形成されたスマートカード用のケースを提供しており、この場合に、エンベロープは、カードが第1位置に挿入された際に、カードの電気接点を電源インターフェイスに電気的に接続する、セルロース系繊維材料上において直接的に堆積された電気回路を有する。
【0010】
電源インターフェイスは、具体的には、電気回路の一部分である。
【0011】
セルロース系の、好ましくは、植物の、繊維から製造された材料は、通常、厚紙、即ち、紙である。カードがその内部に挿入された際に、半剛性を有する、即ち、(破損又は折り畳みを伴うことなしに)自身を支持する、ケースを取得するべく、十分な坪量が採用されている。
【0012】
例えば、インジェット印刷などの、セルロール系繊維から製造された支持部上において導電性インクを堆積させる多くの技法が、このケースを迅速且つ安価に製造することを可能にしている。又、この結果、ケースの厚さも低減される。
【0013】
有利には、本発明によるケースは、主に、リサイクル可能な材料から構成されている。
【0014】
最後に、使用されている材料の自然な弾性が、突然の且つ鋭い衝撃に対する耐性をケースに付与している。
【0015】
このケースは、生体計測スマートカードの登録のプロセスにおいて使用することが可能であり、その理由は、これが、基準生体計測データの取得を許容するべく、スマートカードへの電力供給を許容しているからである。
【0016】
従って、本発明は、このようなケースと、カードの表面上において(例えば、表面と同一の平面上に位置した状態において)提供された生体計測センサを装備したスマートカードと、を含む、システムをも提供しており、この場合に、生体計測センサは、スマートカードが第1位置に挿入された際に、ケースの外側からアクセス可能である。これにより、生体計測データの取得ステップの実行が許容されている。
【0017】
使用の際には、電源インターフェイスが、ケースの内部の電源(例えば、オンボードセル)又はケースの外部の電源(例えば、USBポートなどの、電源インターフェイスと結合されるべく意図された接続ポートを有する装置)に、接続される。
【0018】
本発明の実施形態の任意選択の特性は、従属請求項において定義されている。
【0019】
一実施形態においては、電気回路は、エンベロープの内部面上において堆積されており、電源インターフェイスは、エンベロープの外部に位置する部分を有することができる。
【0020】
一実施形態においては、電気回路は、(第1位置において)挿入されたカードと電気的接触を実施するべく、マトリックスパータンの(即ち、ラインとカラムの形態の)1つ又は複数の接触位置において配置された複数の接点を含み、この場合に、エンベロープは、マトリックスパターンの2つの接触位置の間に配置された少なくとも1つの貫通開口部を含む。マトリックスパターンは、一般に、カード上の接触パッドの構成に対応している。
【0021】
スタッドは、回路を形成している電気トラックとの関係において余分な厚さを形成している。これは、導電性材料の液滴であってよい。
【0022】
実際には、カードに電力供給するべく、電源インターフェイスに接続された2つのスタッドを提供することができる。例えば、登録ルーチンの実行の際に、カードが、通常は、LED(発光ダイオード)、ラウドスピーカ、触覚フィードバック、画面である、ユーザーインターフェイスを形成する電気回路のコンポーネントの起動を駆動するように、1つ又は複数のスタッドを提供することができる。
【0023】
この構成によれば、エンベロープ内において生成された開口部によって分離された接触位置において配置されたスタッドは、使用されている材料の弾性に起因して、独立的に運動することができる。従って、カードとの間の電気的接触を保証するための、これらのスタッドの類似の寸法設定が、もはや、不要であり、これにより、製造の制約が低減されている(相対的に大きな許容誤差が受け入れられている)。その結果、挿入されたカードとの間において、相対的に良好な電気的接触が実現されている。
【0024】
1つの特性によれば、エンベロープは、接触スタッドを担持するマトリックスパターンの2つの連続した列(ライン又はカラム)の間においてそれぞれが配置された複数の開口部を含む。従って、マトリックスパターンの連続的なライン又はカラムは、これらの開口部により、2つずつの状態で、分離されている。これらは、独立した曲がりやすいエリアを定義している。
【0025】
例えば、通常は、ISO/IEC7816-2規格に従って接点C1~C3及びC5~C7に対応している、接触スタッドを担持するパターンの3つの連続的なラインの間において、2つの細長い開口部を提供することができる。この結果、対応するスタッドとの間におけるカードの相対的に良好な接触のために、3つのラインの運動が独立したものとなる。
【0026】
1つの特性によれば、エンベロープは、接触スタッドを担持するマトリックスパターン全体の外部において配置された1つ又は複数の(通常は、2つの)端部開口部を更に含む。端部開口部は、前記複数の開口部に対して平行であってもよく、或いは、その代わりに、これらに対して垂直であってもよい。
【0027】
上述の例においては、3つの連続的なラインの両側において提供された4つの細長い開口部を設けることができる。従って、(3つのうちの)2つの外部ラインのスタッドは、エンベロープの本体との関係において相対的に容易に運動することができる。この場合にも、この結果、カードとの間における電気的接触が改善されている。
【0028】
細長い開口部は、同一のラインの2つの端部接触位置を包含する長さ以上の距離にわたって延在する開口部であってよい。
【0029】
生成される開口部は、同一の形状及び寸法を有しうる。
【0030】
例えば、マトリックスパターンは、ISO/IEC7816-2:2007規格に従って4つのラインの2つのカラムから形成されている。このケースにおいては、1つのラインの2つの接点の外部エッジは、少なくとも9.62mmだけ離隔している。細長い開口部の長さは、この値より大きくなるように提供されてもよく、例えば、実質的にカードと同一の表面上に位置した接触エリアの対応する長さを有し、具体的には、12~20mmを有する。
【0031】
開口部の幅は、その一部分について、0.1~1mmであってもよく、通常は、0.3~0.8mmであってもよい。この結果、具体的には、上述の規格においては、通常0.84mmである、2つの異なるラインの接触位置の間において提供されている空間の効果的な使用が許容されている。
【0032】
一実施形態においては、電気回路は、ユーザーインターフェイスを形成する1つ又は複数のコンポーネント(例えば、LED)の、且つ、任意選択により、エネルギー供給源の、エンベロープ上において堆積された、1つ又は複数の導電性トラックコンポーネントから構成されている。この電気回路の単純な構成は、相対的に安価であって、複雑ではない、製造を許容している。
【0033】
一実施形態においては、セルロース系繊維材料から製造されたエンベロープは、1つの部分として形成されている。従って、この部分又は「ブランク」は、エンベロープを形成するべく、必要に応じて、折り畳まれ、且つ、糊付けされる。この場合にも、この構成は、動作及び製造費用を単純化している。
【0034】
1つの特定の特性によれば、エンベロープは、カードを第1位置に向かってガイドする手段を含み、この場合に、ガイド手段は、エンベロープのフロントパネル及びバックパネルを1つに固定するフラップによって形成されている。フラップは、通常、パネルのうちの1つに対してヒンジ接続されている。具体的には、フラップは、ケース内へのカードの導入を促進するべく、挿入スロットの側において、面取りされたエッジを有することができる。
【0035】
従って、本発明は、(例えば、エンベロープの一側部によって構成された)スロットを通じたその内部におけるスマートカードの挿入を許容する寸法を有する、エンベロープ様のケースの2つの面を形成するべく意図された2つの、隣接する、且つ、ヒンジ接続された、パネルを有する、カードケース用のセルロース系繊維材料から製造されたブランクにも関し、この場合に、電気回路が、前記パネルのうちの少なくとも第1のもののセルロース系繊維材料上において直接的に堆積されており、電気回路は、第1パネル上において、カードがエンベロープ様のケース内の第1位置に挿入された際にカードの電気接点を電源インターフェイスに電気的に接続するように構成された接触スタッドを含む。
【0036】
一実施形態においては、接触スタッドは、第1位置に挿入されたカードとの間において電気的接続を実施するべく、マトリックスパターンの1つ又は複数の接触位置において配置されており、且つ、第1パネルは、マトリックスパターンの2つの接触位置の間において配置された少なくとも1つの開口部を含む。
【0037】
好ましくは、第1パネルは、接触スタッドを担持するマトリックスパターンの2つの連続的な列(ライン又はカラム)の間においてそれぞれが配置された複数の開口部と、前記複数の開口部に対して平行である(或いは、その代わりに、垂直である)、且つ、接触スタッドを担持するマトリックスパターン全体の外部において配置された、2つの端部開口部と、を含む。
【0038】
或いは、この代わりに、いくつかの組み立てられた断片から製造されたエンベロープも考慮することができる。
【0039】
又、本発明は、
(例えば、エンベロープの一側部によって構成された)スロットを通じたその内部におけるスマートカードの挿入を許容する寸法を有する、エンベロープ様のケースの2つの面を形成するべく意図された、2つの隣接する、且つ、ヒンジ接続された、パネルを有する、セルロース系繊維材料から製造されたブランクを形成するステップであって、電気回路が、前記パネルの少なくとも第1のもののセルロース系繊維材料上において直接的に堆積されており、前記電気回路は、第1パネル上において、電源インターフェイスに接続された接触スタッドを含む、ステップと、
カードがエンベロープ様のケース内の第1位置に挿入された際に接触スタッドがカードの電気接点を電源インターフェイスに電気的に接続するように、ブランクを折り曲げ、且つ、ガイドすることにより、エンベロープ様のケースを取得するステップと、
を有する、スマートカード用のケースを製造する方法にも関する。
【0040】
ブランクは、スマートカードケースとの関係において上述した要素に関係する手段、通常は、ケースブランクの閉鎖を許容する、且つ、その挿入の際に、カードをガイドする/これと当接する手段として機能しうる、フラップ、を有することができる。
【0041】
本発明のその他の特徴及び利点については、なんらの限定をも伴うことなしに例示用の実施形態を示す、添付の図によって示されている、以下の説明において明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図3】
図3は本発明の一実装形態によるスマートカード用の登録ケースを示す。
【
図4】
図4はその内部において導入されたスマートカードに電力供給するべく、登録ケースの内部面上において直接的に堆積された電気回路の一例を示す。
【
図4a】
図4aはスマートカードの接触パッドと
図4の電気回路のスタッドの間における電気的接触を示す。
【
図5a】
図5aは登録ケースの第1実施形態を示す。
【
図5b】
図5bは登録ケースの第2実施形態を示す。
【
図5c】
図5cは登録ケースの第3実施形態を示す。
【
図5d】
図5dは登録ケースの第4実施形態を示す。
【
図5e】
図5eは登録ケースの第5実施形態を示す。
【
図6a】
図6aは登録ケースの本発明の一実施形態による製造用のブランクのカットアウトを示す。
【
図6b】
図6bは登録ケースの製造用の
図6aのブランク上の導電性トラック部分の印刷を示す。
【
図6c】
図6cは
図5cの構成における登録ケースの製造のための、
図6bのブランク内における開口部の生成を示す。
【
図6d】
図6dは
図6cのブランク上における電気コンポーネントの設置と、その後の、登録ケースの製造のためのその折り畳み及びガイドと、を示す。
【
図7】
図7はケースの面を形成するパネルの間のヒンジにおいてガイドフラップを有していない、
図5cの登録ケースの一変形を示す。
【
図8a】
図8aはケースの面を形成するパネルの間のヒンジにおいてガイドフラップを有していない、登録ケースの本発明の一実施形態による製造のためのブランクのカットアウトを示す。
【
図8b】
図8bは登録ケースの製造のための
図8aのブランク上における導電性トラック部分の印刷を示す。
【
図8c】
図8bは
図7の構成における登録ケースの製造のための、
図8bのブランク内における開口部の生成を示す。
【
図8d】
図8dは
図8cのブランク上における電気コンポーネントの設置と、登録ケースの製造のためのその折り畳み及びガイドと、を示す。
【
図9】
図9は
図6dの登録ケース用のブランクの一変形を示す。
【
図11a】
図11aは
図2によるスマートカードに対して適合された登録ケースの別の実施形態を背面図において示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、集積回路カードの一例を構成する、スマートカード10を示している。この例においては、点線において表されているコンポーネントは、一般に、カード本体12内において隠蔽されている一方で、実線において表されているコンポーネントは、可視状態にある。
【0044】
カードは、サービス(支払、電話、輸送)にアクセスすることを意図したものであってよい。
【0045】
従って、幅l及び長さLの、スマートカード10は、プラスチックから製造されたカード本体12を含み、その主表面(ここでは、正面の面)14は、一般に、グラフィック印刷を含む。カード10は、ISO/IEC7810:2003のID-1規格において定義されている1FFフォーマットを有しうる。
【0046】
カード10は、電子モジュール20と、カードの動作用のコード命令24、具体的には、登録プログラム、を保存する、関連するメモリ(RAM、ROM)22と、を含む。
【0047】
又、これは、外部との間の通信のために、1つ又は複数のインターフェイスをも含み、具体的には、上部表面14と同一の表面上に位置する端子又は接触スタッドの組26と、任意選択により、非接触の通信マイクロコントローラ30によって制御されるアンテナ28(NFCタイプ)と、をも含む。
【0048】
インターフェイス26は、好ましくは、例えば、その2007年版の、ISO/IEC7816-2規格に準拠している。インターフェイス26は、4つのラインの2つのカラムのマトリックスパターンに従って分布した8つの電気接点から構成されている。それぞれのマトリックスの位置には、規格に従って、c1~c8と表記された電気接触位置が対応している。従来、1ラインの接点c1及びc5は、カードに電力供給することを目的として使用されている一方で、接点c4及びc8は、使用されてはいない。
【0049】
インターフェイス28~30は、ISO/IEC14443規格に準拠している。
【0050】
カード10は、(接触によって又はこれを伴うことなしに)読取機に提示された際に、対応するインターフェイスを介して、読取機により、電力供給される。次いで、自動的に、或いは、コマンドにより、コード命令24を実行することができる。
【0051】
又、カード10は、1つ又は複数の生体計測センサ40と、任意選択により、様々な状態に関する情報又はカードの情報をユーザーに付与するための、通常は、LED及び/又はディスプレイである、1つ又は複数のユーザーインターフェイス32と、をも含む。
【0052】
様々なコンポーネントは、1つ又は複数のコンピュータバスにより、相互接続されている。
【0053】
生体計測センサ40は、一般には、カード10の上部表面14と同一の表面上に位置する状態において取得エリア42を含む。
【0054】
示されている例においては、生体計測センサ40は、例えば、特許文献2(仏国特許出願公開第3061333号明細書)に記述されている方法に従って製造された静電容量型の指紋センサである。
【0055】
静電容量型センサ400は、ピクセルのエリア42から形成されている。
【0056】
例えば、限定を伴うことなしに、光学センサ、ルミネッセンスセンサ、マルチスペクトル撮像センサ、熱センサ、超音波センサなどの、その他の生体計測センサを使用することができる。
【0057】
図2は、その生体計測センサ40が、カード本体12の裏面16上において(接触パッド26を担持する主表面14とは反対側において)提供されている類似のカード10を表している。
【0058】
図3は、登録ケース50と、スロット51を通じてその内部に挿入されたスマートカード10と、を示している。スマートカード10は、登録用の位置をとっている。当然のことながら、このようなケースは、本明細書において例示を目的として挙げられている単純な登録以外の、カードを使用したその他の動作のために使用することができる。
【0059】
ケースは、通常は厚紙である、植物セルロース系繊維材料から製造された半剛性のエンベロープ500から形成されている。エンベロープは、スロット51を通じてその内部にカード10を挿入するべく、寸法設定されている。これは、そのうちの1つが表の面510を形成し、且つ、他方が裏の面520を形成する、類似の寸法の2つのパネルから形成されており、これらの2つのパネルは、例えば、その辺のうちの3つのものにおいてフラップを糊付けすることにより、相互に固定された状態となっている。糊付けされてはいない、最後の辺は、挿入スロット51により、形成されている。
【0060】
パネルは、ロゴ又は登録動作のために順守するべき命令をその内部において配置するべく、厚紙、具体的には、バックパネル520、上における単純な印刷により、(ケースの内側とは反対の)その外側面上においてカスタマイズすることができる。
【0061】
図に表されている登録位置においては、ケース50の外側から生体計測センサ40にアクセス可能であり、これにより、ユーザーが登録においてセンサを使用することが許容されている。この位置において、カード10には、ここでは、エンベロープ500の糊付けされたエッジのうちの1つから延在するUSBオスプラグとして表されている、電源インターフェイス530を介して、3~5Vの内部又は外部電源により、電力供給することができる。
【0062】
ケース50が、インターフェイス530を介して、対応する電力供給されるソケットに、挿入された際に、カード10には、カードが登録位置に挿入された際にカード10の電気接点26を電源インターフェイス530に電気的に接続する、エンベロープのセルロース系繊維材料上において直接的に堆積された電気回路を利用して、電力供給される。
【0063】
図4は、この接点26とインターフェイス530の間の電気的接続を許容する電気回路550の一例を示している。
【0064】
電気回路550は、パネルのうちの1つのものの内側又は内部面に印刷されている。
【0065】
図4は、フロントパネル510の内側面510INT上における印刷を示している。変形については、以下において示されている。
【0066】
電気回路550は、導電性トラック部分(又は、セグメント)(黒色部分)551と、ここではLED552である、トラックに接続された電気コンポーネントと、から構成されている。
【0067】
導電性トラック部分は、カードが登録位置にある際に、(パネル510の外側面からこれを通して観察された)
図4aに示されているように、カード10のパッド26と接触するように構成された、いくつかの接触スタッド553を含む。接触スタッド553は、導電性液滴又は(導電性材料から製造された)クリンプ加工されたリベットにより、形成することができる。
【0068】
図示されているように、スタッド553は、マトリックスパターンの1つ又は複数の接触部分において配置されている。この例においては、使用されているパターンは、7816-2:2007規格のものであり、接点c1~c8(点線において表されている接点)に対応する、4つのラインの2つのカラムから構成されている。接点c1及びc5に対向するスタッド553は、ケース50がそのインターフェイス530を介して電源装置に挿入された際に、カード10に電力供給することを目的としてインターフェイス530のトラック部分VCC及びGNDに対して直接的に接続されている。
【0069】
実行された際に、登録プログラム24が、こちらもフロントパネル510上において可視状態にある、2つのLED552によってここでは表されているユーザーインターフェイスを制御することを許容する、その他のスタッド553(ここでは、接点c2及びc7に対向する2つのスタッド)を提供することができる(
図3を参照されたい)。ユーザーインターフェイス552は、具体的には、登録動作を構成している様々なステップにおいて、ユーザーをガイドすることができる。
【0070】
当然のことながら、例えば、ラウドスピーカ又は(圧電コンポーネント又はPVDFに基づいた)触覚コンポーネントなどの、LED以外のユーザーインターフェイスを提供することができる。
【0071】
又、導電性トラック部分は、導電性トラックから形成された電気抵抗器554をも含む。導電性トラックの長さ、幅、厚さ、並びに、使用される材料は、望ましい電気抵抗値特性に従って決定されている。図示されているように、導電性トラック部分と同一の材料から形成された、電気抵抗器554は、(隣接する部分551との比較において)低減された幅と、ジグザグの形状と、を有する。
【0072】
この例においては、抵抗器554は、接点c7用のスタッド553を2つのLED552に接続している。好ましくは、電気抵抗器554は、通常は、エンベロープのエッジから(従って、ケースの面を形成するパネルのエッジから)離れた、機械的な捩じれにわずかに晒される、エンベロープ500のエリア上において印刷されている。
【0073】
上述のように、USBインターフェイス530を使用する代わりに、電源は、ケース50の内部に存在してもよい。従って、電源インターフェイスが、形成されたケースの内側において、回路内に提供されている。通常は電池である、電源は、内側電源インターフェイスとの接触状態において、ケース内において配置することができる。一変形においては、ケース50には、パネル510/520のうちの1つのものの外側表面上において、内側電源インターフェイスとの接触状態になるように(例えば、ボタン電池の形態の)電池をその内部において導入するためのカットアウトを実施する場所を通知するマーキングを提供することができる。
【0074】
図5a~
図5cは、第1実施形態による登録ケース50の異なる変形を示している。これらのケースは、スタッド553の運動を独立的なものとし、且つ、これにより、カードの接触パッド26との相対的に良好な接触を保証するべく、スタッド553の間においてフロントパネル510上において生成される開口部511の数及びその構成において、相互に異なっている。これらの変形は、USBインターフェイス530を伴って示されているが、これらは、任意のタイプの電源インターフェイスに適用することができる。
【0075】
電気回路550と、特に、接触スタッド553と、は、図の相対的に良好な判読性を目的として、透明な方式により、表されてはいない。
【0076】
図5aにおいて、フロントパネル510は、カードの接点26の右側に、なんらの開口部をも含んでいない。
【0077】
図5b及び
図5cにおいては、エンベロープ500のフロントパネル510は、マトリックスパターンの2つの接触位置の間において、且つ、2つのスタッド553の間において、配置された少なくとも1つの貫通開口部を含む。
【0078】
図5bの例においては、それぞれ、2つの接触カラムc1~c4及びc5~c8に関係するスタッドを分離する、単一の垂直方向の細長い開口部511が提供されている。示されている例においては、貫通開口部511の長さは、カード10の接触モジュール26の幅l26(又は、高さ)に実質的に等しい。
【0079】
図4及び
図4aのケースに対応する、
図5cの例においては、エンベロープのフロントパネル510は、接触スタッドを担持するマトリックスパターンの、2つの連続的な列、ここでは、ライン、の間においてそれぞれが配置された、複数の開口部511を含む。例えば、
図4aのケースにおいては、スタッドは、接点c1/c5、c2/c6、及びc3/c7に対応する最初の3つのライン上において提供されている(接点c4及びc8は、未使用の状態に留まっている)。開口部511は、2つずつの状態で、これらの3つのラインを分離しており、これにより、相対的な運動の自由がこれらに対して付与されている。この結果、2つの開口部511の間の厚紙タブは、改善された柔軟性を有しており、これにより、自身が担持する1つ又は複数のスタッドの改善された接触が許容されている。
【0080】
これに加えて、且つ、任意選択により、開口部511に対して平行である、端部開口部511eが、接触スタッドを担持するマトリックスパターンのすべての3つのラインの外部において提供されている。この結果、フロントパネル510の残りの部分との関係における2つの端部ライン(ここでは、c1/c5及びc3/c7に対応するもの)の運動の自由の改善が許容されている。具体的には、開口部511及び511eの間の厚紙タブが柔軟性を改善しており、これにより、これらが担持する1つ又は複数のスタッドの接触の改善が許容されている。
【0081】
それぞれの開口部511、511eは、貫通開口部である。
【0082】
それぞれの開口部511、511eは、上述の規格によるパターンの同一のラインの2つの接点(例えば、c1及びc5)の外部エッジの間の距離を上回る、即ち、09.62mmを上回る、長さを有する。この図においては、開口部の長さは、カード10の接触エリア26の幅よりも小さい。但し、これは、その幅以上であってもよい。従って、開口部の長さは、10mm超、好ましくは、12~20mm、であってよい。
【0083】
図5dに表されている変形においては、複数の開口部は、マトリックスパターンの2つの連続的なライン(更に一般的には、カラムを含む列)の接触位置を分離する少なくとも2つの別個の開口部511g及び511dを含む。同様に、少なくとも2つの(ここでは、2つの)端部開口部511eg及び511edが、接点スタッドを担持するマトリックスパターンのラインの外部において同一の側に提供されている。この結果、マトリックスパターンの同一のラインの接触スタッドの独立的な柔軟性の改善が許容されている。図示の例においては、
図5cの単一の開口部の代わりに、開口部のペアが提供されている。同一のペアの開口部の間のカットされてはいない中央厚紙部分は、約1.5~2mmであってよい。この結果、開口部511g、511d、511eg、及び511edは、通常、5~9.25mmの長さを有する。2つ超の接触位置/ラインを有するマトリックスパターンのケースにおいては、更に大きな数の開口部/ラインを提供することができる。
【0084】
図5cによる開口部(例えば、端部開口部511e)と
図5dによる開口部(例えば、接触スタッドを担持する連続的なラインの間の開口部511g、511d)を混合することが可能である。
【0085】
それぞれの開口部511、511e、511g、511d、511eg、及び511edは、それぞれの対応するスタッドの幅の半分及びカットアウトに関する許容誤差だけ低減された、上述の規格による2つの連続的なラインの2つの接点(例えば、c1及びc2)の中心間ピッチの間の距離よりも小さな、即ち、通常は、0.1mm~1mmの、幅を有する。
【0086】
同一のケースにおいて生成されるすべての開口部は、同一の寸法及び/又は形状(例えば、矩形)を有することができる。
【0087】
図5eは、
図5cの一変形を示しており、この場合には、開口部511に対して垂直である(ここでは、垂直方向である)端部開口部511vが、接触スタッドを担持するマトリックスパターン全体の外部において、追加されている。又、垂直方向の端部開口部511vは、
図5dの開口部と組み合させられてもよく、且つ/又は、平行な端部開口部511e、511ed、511egが欠如した状態において提供されてもよい。
【0088】
これらの垂直な開口部は、相対的に良好な電気的接触のために、スタッド533を担持する様々な厚紙タブの独立的な柔軟性を保証しつつ、カードの接点26に対するスタッド553の機械的なアクションにより、接点26に対向しているパネル510のエリア全体を上昇させることを可能にしている。
【0089】
一実施形態においては、開口部511、511eの長さは、垂直方向の端部開口部511vをスタッド553の近傍に位置決めするべく、
図5cとの比較において、低減されている。開口部511、511eの長さは、例えば、12~16mmである。
【0090】
垂直方向の端部開口部511vの長さは、カード接触モジュール26の高さのレベルであってよく、通常は、ISO/IEC7816-2規格のケースにおいては、8~16mmであってよい。
【0091】
図5a~
図5eは、クロスハッチングが施された部分内において、フロントパネル510とバックパネル520の間において挟持されたガイド521、522、523を示している。ガイドは、カード10を登録位置に向かってガイドするべく、使用されている。
【0092】
ガイド521及び523は、ケースの内側に向かってスロット51の側において面取りされた部分を有しており、これにより、ケース50内へのカード10の挿入を促進している。
【0093】
スロット51との関係においてエンベロープの下部において(即ち、反対側において)提供されたガイド522は、登録位置において、カード10と当接するための手段として機能している。
【0094】
これらのガイドは、パネル510、520の1つ又は両方にヒンジ接続された、且つ、フロントパネル510及びバックパネル520を1つに固定する、フラップによって形成することができる。
【0095】
有利には、フラップの厚さは、カード10の挿入のための2つのパネル510、520の間におけるスペーサの生成を許容している。(理想的には、接着剤を伴って厚紙の単一の厚さから形成された)スペーサは、接触スタッド530の厚さだけ増大した、上述の規格において規定されているカードの最大厚さ以上である。
【0096】
ガイドの寸法は、カード10の挿入(登録)の位置における、スタッド553に対向する接点26の正しい位置決めを許容するように、決定されている。
【0097】
パネル510及び520(並びに、従って、ケース50)の寸法は、このカード10の挿入の位置において、生体計測センサ40が、ケース50の完全に外部に位置しており、且つ、従って、容易にユーザーからアクセス可能となる、ことを許容するように選択されている。
【0098】
図6a~
図6dは、1つの部分として、具体的には、
図4、
図4a、及び
図5cにおいて示されているバージョンにおいて、形成される、このようなケース50を製造する方法を示している。好ましくは、厚紙又は任意のリサイクル可能な材料から製造された、ブランク600は、0.8~1.2mmの厚さを有しており、これにより、望ましいスペーサを生成することが許容されている。
【0099】
図6aは、同一の厚紙プレートから、1つの部分として、カットされたクリーンなブランクを示している。これは、ヒンジ699を形成する共通エッジに沿って相互に上下に折り曲げられた際にケース50の2つの面/パネル510及び520を形成するべく意図された、2つの隣接する、且つ、ヒンジ接続された、矩形のパネル610及び620を有する(ヒンジは、一般に、破線として表されている)。ヒンジ699に直交するエッジ61(パネル)は、パネルが折り曲げられた際に、挿入スロット51のエッジを定義している。
【0100】
パネル610と共に1つの部分として形成されたタブ630が、相対的に長い端部部分632にヒンジ接続された第2部分631上において、スロット51を形成するエッジ61とは反対側のエッジ上において第1パネル610に対して垂直に延在している。2つの部分631及び632は、共通のエッジによってヒンジ接続されている。
【0101】
タブ630は、(外部電源の場合において)電源インターフェイス530を形成するべく意図されている。これを実行するべく、端部部分632は、剛性をインターフェイス630に付与するために、部分631の裏側に折り曲げられ、且つ、糊付けされるべく、意図されている。タブ630の幅は、有利には、オスプラグUSBの幅に対応している。2つの糊付けされた部分の厚さは、USBオスコネクタの内側支持部の厚さに対応している。これが当て嵌まらない場合には、望ましい厚さを取得するべく、恐らくは、同一の厚紙部分内においてヒンジ接続された(折り曲げられ、次いで、糊付けされた)、且つ、形成された、その他の部分を提供することができる。
【0102】
第2パネル620は、スロット51を形成するヒンジ699及びエッジ61以外の2つのエッジ上において延在する、3つのヒンジ接続されたフラップ621、622、623を含み、これらは、折り曲げられた際に、(好ましくは、両側における)糊付けにより、望ましいスペーサを有するケースを形成するべく、2つのパネル610及び620を1つに維持することを許容している。提案されている構成においては、これらのフラップは、以上において開示されているガイド521、522、523を形成している。
【0103】
ヒンジ699及びヒンジ接続されたフラップ622及び623は、望ましいスペーサと、2つのパネルのエッジ61によって形成されたスロット51と、を有するエンベロープ500として、ブランク600を閉じることを許容している。
【0104】
フラップ621は、ヒンジ699に継続するエッジを有する。このエッジは、第2パネル620との間におけるフラップ621のヒンジに対して垂直である。従って、フラップの折り畳まれた位置においては、このエッジは、ヒンジ699とアライメントしており、これにより、ヒンジ699が補強される。
【0105】
フラップ621及び623は、具体的には、スロット51を形成するエッジ61の側のその面取りされた端部により、ケース50内におけるカード10の挿入の促進を許容している(
図5cを参照されたい)。
【0106】
或いは、この代わりに、フラップ621及び623は、(ヒンジ699との関係において)上述のものとは対称的な構成において第1パネル610に対してヒンジ接続されるように、提供することもできる。
【0107】
図6bは、厚紙ブランク600上における、具体的には、ブランク600の1つの面上のみにおける、特に、フロントパネル510の内部面510INTを形成するべく意図されたパネル610の1つの面上のみにおける、直接的な(抵抗器554を含む)導電性トラック部分551の堆積を示している。
【0108】
これらのトラック部分551は、最終的に形成されるスタッド553が、カードが挿入位置にある際に、カード10の対応する接点26の右側に位置決めされるように設けられた場所において、形成されている(
図4aを参照されたい)。
【0109】
通常は、インクジェット印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、又はスクリーン印刷による、トラック部分の付加的な製造の従来の技法をこの堆積のために使用することができる。銀又は銅又はグラファイト粒子に基づいた導電性インクを使用することができる。銅に基づいたインクを使用するケースにおいては、銅のトラックを酸化から保護することを目的とした、グラファイトに基づいた層の付加的な堆積が想定されうる。
【0110】
当然のことながら、トラック部分551を形成するべく、その他の被覆技法を使用することもできる。
【0111】
電源トラック部分VCC及びGNDが、タブ630の部分631及び632まで延在しており、これにより、電源インターフェイス530を形成している。この場所におけるトラック部分の間隔及び幅は、例えば、USBフォーマットなどの、望ましいインターフェイスに準拠している。端部部分632が、部分631の裏側に、折り畳まれ、且つ、糊付けされた際に、端部部分632のトラック部分VCC及びGNDは、有利には、外部供給源のUSBメスソケットとの間において電気的接触状態を生成するべく、ケース50の前面上において方向付けされている(
図5cを参照されたい)。従って、ケースが、そのインターフェイス530を介して外部供給源のポートUSB内に導入された際には、このようにしてケース50内において位置決めされたカード10の上部において、(
図1の)生体計測センサ40及びLED552に、容易にアクセス可能である。
【0112】
電源インターフェイス530を形成する第1部分631のトラック部分(カードの裏面に向かって方向付けされたトラック部分)VCC及びGNDを保護するべく、第1部分631上において、且つ、任意選択により、部分631及び632の間のヒンジエリア上において、絶縁保護層の堆積を提供することが可能である。この結果、具体的には、電源インターフェイス530が導入されるUSBメスソケット内に提供された導電性要素によるなんらかの短絡が回避される。
【0113】
スタッド553は、例えば、導電性接着剤を使用して導電性ビードを糊付けすることにより、導電性材料(通常は、液滴)の余分な厚さ(3D)を印刷することにより、或いは、クリンプ加工されたリベットを固定することにより、提供される場所において形成されている。
【0114】
図6cは、登録位置において導入されたカード10の接点26との関係における適切な場所に貫通開口部511、511eを生成する後続のステップを示している。
図4aにおいて示されているように、一実施形態は、ISO7816フォーマットの3つのラインc1/c5、c2/c6、及びc3/c7の両側において4つの同一の矩形の開口部を生成するステップを提供している。従って、これらのラインのそれぞれと対向するスタッド553を担持する厚紙エリアには、有利には、接点26との間のスタッドの電気的接触を促進する弾性が提供されている。当然のことながら、望ましいケースに応じて、開口部のその他の構成を実装することができる。
【0115】
従来のスタンピング手段を使用することができる。
【0116】
これに加えて、LED552について提供された場所において、パネル610内において、孔652が生成されている。これらの孔は、好ましくは、これらのLEDが、孔の周囲により、エンベロープ500内において維持されるように、LED552のものよりも小さな直径を有する。
【0117】
又、フラップ622が折り畳まれ、且つ、ケース50が形成されたら、ダイオード用のクリアランス孔662が、孔652の右側において、フラップ622上に提供される(
図5c)。これらの孔は、フラップ622によって粉砕されることなしに、形成されたケース50内においてこれらのダイオード用の空洞を形成するように、ダイオード552の寸法を上回る直径を有する。
【0118】
図6dにおいて示されている次のステップは、回路500内のダイオード552の挿入から構成されている。例えば、LED552は、導電性トラック部分551との間におけるその端子の電気的接触を促進するべく、導電性接着剤によって糊付けされている。
【0119】
任意選択により、ダイオードを保護するべく、且つ、相対的に良好な機械的強度を許容するべく、エポキシに基づいた樹脂の1つの液滴をダイオード552上において堆積することができる(「グロブトップ」技法)。又、エポキシ樹脂を使用したダイオード552の下方の又はその上部の充填(「アンダーフィル」)も、相対的に良好な機械的強度を目的として想定することができる。
【0120】
この結果、最終的なステップは、このようにして生成されたブランク600を折り曲げ、且つ、糊付けするステップを有する。具体的には、
-端部部分632が、トラック部分VDD及びGNDを担持していない面により、第1部分631に圧接した状態において折り曲げられ、且つ、糊付けされ、
-フラップ621、622、623が、それぞれ、エリア521、522、523上において折り曲げられ、且つ、糊付けされ(
図6dにおいて、クロスハッチングが施された部分)、
-2つのパネル610及び620が、1つに折り畳まれ、且つ、糊付けされており(具体的には、エリア521、522、523において糊付けされる)、この場合に、ダイオード552は、フラップ622の孔662に係合している。
【0121】
従って、得られたケース50(
図3及び
図5c)は、カード10がその内部に挿入された際に、(破損又は折り畳みを伴うことなしに)自身を支持している。
【0122】
図7は、開口部511及び511eの存在による
図5cの一変形を示している。又、この変形は、
図5a、
図5b、
図5d、及び
図5eのケースにも適用可能である。
【0123】
この変形においては、ケースの面を形成するパネル610、620の間のヒンジにおけるガイドフラップ621が提供されてはおらず、これにより、ケース50を形成するべくブランク600を設計するステップ及び折り曲げ及び糊付けするステップの単純化が可能になっている。この結果、(残りのフラップ622及び623に加えて)エッジ699に沿った折り曲げにより、カード10のガイド機能が実行されている。
【0124】
図8a~
図8dは、このケース50を製造する方法を示している。
図6a~
図6dとの関係において以上において提供された説明が、フラップ621との関係におけるものを除いて適用される。
【0125】
図9は、(開口部511、511e、511d、511g、511ed、511egの数及びその構成を適合させることにより)
図5a、
図5b、
図5c、
図5d、又は
図5cに従ってケース50を製造するプロセスにおける
図6dの一変形を示している。提示を単純化するべく、
図6a~
図6cに対応する異なるステップが表されてはいない。但し、これらについては、
図9に鑑み、推定されよう。
【0126】
この実施形態においては、電源インターフェイス530を形成するタブ630が、
図6aとの関係において上述したものに類似した状態において、第2パネル620から延在している。
【0127】
この結果、第1パネル610の内部面上において主には印刷される回路550は、2つの導電性トラック部分VCC及びGNDにより、タブ630の第1部分631まで延在している。この構成は、これら2つのトラック部分のタブの端部部分632までの延在を必要とはしておらず、その理由は、メスUSBソケットとの電気的接触が、第1タブ部分631の上部エリア(ここでは、可視状態にある)によって実施されることになるからである。この結果、タブの2つの部分631及び632の間の折り畳みにおけるこれらのトラック部分の脆い地点がなくなっている。これに加えて、短絡を回避するべく、部分のいずれかの上部に絶縁層を提供することも不要である。
【0128】
タブの端部部分632は、剛性及び十分な厚さを電源インターフェイス530に対して付与することを目的として、第1部分631の裏面に折り畳まれ、且つ、糊付けされるべく、意図されている。当然のことながら、望ましい厚さに到達するために十分な数の層を得るべく、折り畳まれ、且つ、糊付けされる、その他の部分を提供することができる。
【0129】
2つのパネルの間の導電性トラック部分の延在は、2つのパネル610及び620の同一の面上において生成されており、これにより、製造方法が単純化されている。
【0130】
これらのトラック部分が2つのパネルの間の折り目699を通過していることから、その製造のために、好ましくは、延伸可能な、具体的には、銀に基づいた、インクが使用されている。この結果、導電性トラック部分の信頼性が改善されている。具体的には、これらの導電性トラック部分は、折り目の周辺部上において(のみ)、ジグザグ印刷されており、この結果、インクの弾性延伸が改善されている。
【0131】
第2パネル620上において堆積される導電性トラック部分は、好ましくは、フラップ621及び622の折り畳み及び糊付けのために予約されたパネルの部分(即ち、図においてクロスハッチングが施されたエリア521及び522)内において実施されている。このケースにおいては、これらのトラック部分は、カードが、ブランク600から形成されたケース50内に導入された際に、カード10に圧接した状態において摩擦によって変更される可能性が低い。
【0132】
更には、ケース50を閉鎖するべく、且つ、スロット51を通じてその内部に導入されたカード10をガイドするべく、3つのフラップ621、622、623が常に提供されている。
【0133】
ケース50の下部フラップ622は、第2パネル620上のタブ630の存在に起因して、第1パネル610にヒンジ接続されている
【0134】
フラップ621は、ヒンジ699の近傍において、(図示されているように)第1パネル610に、或いは、(
図6におけるように)第2パネル620に、相互交換可能にヒンジ接続することができる。
【0135】
好ましくは、ヒンジ699に対して平行なフラップ621が、ヒンジ699から距離δにおいて配置されている。この結果、折り畳みに起因して発生可能な導電性の消失から、ヒンジエリア699において印刷された導電性トラック部分を保護することが許容されている。実際に、この間隔δに起因して、ヒンジ699の両側における同一のトラック部分の2つのエリアは、2つのパネル610及び620が折り畳まれ、且つ、糊付けされた際に、接触状態に留まっている。任意選択により、ヒンジ699の両側の同一のトラック部分の接触を更に確実なものとするべく、接触スタッドを(ヒンジの一側部又は両側部において)ヒンジ699の近傍のこれらのトラック部分上において提供することもできる。
【0136】
フラップ623は、(図示のように)第1パネル610に、或いは、(
図6におけるように)第2パネル620に、相互交換可能にヒンジ接続することができる。
フラップ621及び623は、具体的には、ケース50内へのカード10の挿入を促進するべく、スロット51を形成するエッジ61の側の内向きに面取りされた端部を有する。
【0137】
図10は、
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図7のケース50を得るための
図8dの一変形であって、第2パネルに接続されるべく、タブ630が提供されており、これにより、この第2パネルの内部面上におけるトラック部分VCC及びGNGの延在を必要としている、変形と、
-フラップ621が省略されたケースにおける、
図9の一変形と、
という両方である、別の実施形態を示している。
【0138】
この場合にも、提示を単純化するべく、
図6a/
図8a~
図6c/
図8cに対応する異なるステップは、表されていない。但し、これらについては、
図10に鑑み、推定されよう。
【0139】
カードがスロット51を通じて導入される際に、フラップ621の代わりに、折り目699が、カード10用のガイドとして機能している。
【0140】
図11a及び
図11bは、
図2によるカードと共に使用される、即ち、裏面16(接点26を担持しているもの14の反対側)において生体計測センサ40が提供された、ケースの別の実施形態を示している。
【0141】
トラック部分VCC及びGNDの端部は、カードが挿入されたらカード10の生体計測センサ40がアクセス可能となるものと同一のケース50の側に提供されている(
図11b)。
【0142】
図示の例においては、ダイオード552は、ケース50の他方の側において可視状態にある(
図11a)。一変形においては、ダイオード552は、生体計測センサ40と同一の側、即ち、
図11bにおいて表されている側、において可視状態にある。
【0143】
図12は、
図11a及び
図11bのケースに対応するブランク600の一例を示している。この図は、ケース50を構成する最後のステップにおけるブランクを表している。この場合にも、提示を単純化するべく、
図6a/
図8a~
図6c/
図8cに対応する様々な先行ステップが表されてはいない。但し、これらについては、
図12に鑑み、推定されよう。
【0144】
有利には、電気回路550は、単一のパネル、ここでは、第1パネル610、の1つの面上においてのみ、堆積されている。図において可視状態にあるように、電気回路は、コンパクトである。導電性トラック部分551は、なんらの折り畳みエリアをも通過しておらず、これにより、誤動作のリスクが低減されている。
【0145】
ユーザーが生体計測センサ40を観察する際に、ユーザーに向かって方向付けされたケース50の面上においてダイオード552を有するための一変形においては、穿孔652を(第1パネル内ではなく)第2パネル620内において生成することが可能であり、且つ、ケース50が閉じられる際に第2パネル620のこれらの穿孔に係合するように、ダイオード552を反転させることができる。これらの穿孔は、破線の白色円によって示されている。
【0146】
フラップ621及び623は、(図示されているように)第1パネル610に、或いは、第2パネル620に、相互交換可能にヒンジ接続することができる。フラップ621及び623は、具体的には、ケース50内へのカード10の挿入を促進するべく、(前述のように)スロット51を形成するエッジ61の側において面取りされた端部を有する。
【0147】
フラップ621は、任意選択である。これが存在していない場合には、カードがケース50内に挿入される際に、折り目699が、カード10用のガイドとして機能している。
【0148】
図10及び
図12は、図示のもの(
図5cにおけるような4つの開口部)、特に、
図5a(開口部なし)、
図5b、
図5d、及び
図5eの構成、以外の開口部の構成を有するケースの製造のために適用可能である。
【0149】
上述の例は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0150】
具体的には、上述の例は、折り畳み及び糊付けにより、ケース50を形成するべく、単一の厚紙ブランク600(或いは、均等物(the same))を使用することに基づいている。一変形においては、ケース50は、可能な折り畳みを伴って、いくつかの独立した厚紙部分(又は、均等物)の糊付けにより、構成することができる。
【0151】
いくつかの開口部の構成511が記述及び図示されているが、本発明は、同一の寸法又は異なる寸法の開口部を含む、その他の構成にも適用可能である。