(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】交通費支払システム及び交通費支払方法。
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20240725BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20240725BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q20/10
(21)【出願番号】P 2020100974
(22)【出願日】2020-06-10
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 和博
(72)【発明者】
【氏名】池田 徳一
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203438(JP,A)
【文献】特開2016-206939(JP,A)
【文献】特開2010-237999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作する利用者コンピュータと
、
利用者から指定された金融機関の指定口座への交通費支払いを担当する支払担当者の支払担当コンピュータと、
前記支払担当コンピュータとネットワークを介して接続され、処理部および記憶部を備える交通費支払装置と、
を備える交通費支払システムであって、
前記利用者コンピュータは、出発地か
ら到達地までの公共交通網を使用した交通費を請求する利用者が操作するものであり、
前記交通費支払装置は、前記出発地から前記到達地までの交通費を前記利用者が指定した金融機関の指定口座へ振込む
処理を実施するものであり、
前記処理部は、前記利用者が前記利用者コンピュータを操作して入力した金融機関名と該金融機関の口座番号と口座名義とを前記記憶部に格納し、
前記利用者が入力した前記出発地及び前記到達地に基づいた規定交通費の支払い申請を受け付け、前記支払担当コンピュータか
ら前記申請を過去の申請と突合してチェックした結果前記申請に重複がある旨の入力を受け付けると、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信
し、前記申請に重複がある旨の入力を受け付けた場合であっても、前記申請が重複する前記過去の申請の前記金融機関への前記振込む処理の結果と突合して、口座解約済み、口座名義変更済みを理由とするエラーにとなった申請であれば、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信しない、
ことを特徴とする交通費支払システム。
【請求項2】
請求項1に記載の交通費支払システムであって、
前記利用者コンピュータは、前記利用者が入力した前記出発地、前記到達地および前記公共交通網の利用の日時に基づいた
前記規定交通費の支払い申請を一つまたは複数受け付けると、
以降の該利用者から
の前記
公共交通網の利用の日時に重複がある入力の受付を停止する、
ことを特徴とする交通費支払システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の交通費支払システムであって、
前記交通費支払装置の前記処理部は、前記規定交通費の支払い申請に応じた
前記金融機関名の前記口座名義の前記口座番号への振込処理の結果、前記振込処理に
前記利用者に起因するエラーがあった旨の通知を受け付けると、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信する交通費支払システム。
【請求項4】
利用者が操作する利用者コンピュータと
、
利用者から指定された金融機関の指定口座への交通費支払いを担当する支払担当者の支払担当コンピュータと、
前記支払担当コンピュータとネットワークを介して接続され、処理部および記憶部を備える交通費支払装置と、
を備える交通費支払システムにおいて用いられる交通費支払方法であって、
前記利用者コンピュータは、出発地か
ら到達地までの公共交通網を使用した交通費を請求する利用者が操作するものであり、
前記交通費支払装置は、前記出発地から前記到達地までの交通費を前記利用者が指定した金融機関の指定口座へ振込む
処理を実施するものであり、
前記処理部は、前記利用者が前記利用者コンピュータを操作して入力した金融機関名と該金融機関の口座番号と口座名義とを前記記憶部に格納するステップと、
前記利用者が入力した前記出発地及び前記到達地に基づいた規定交通費の支払い申請を受け付けるステップと、前記支払担当コンピュータか
ら前記申請を過去の申請と突合してチェックした結果前記申請に重複がある旨の入力を受け付けるステップと、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信するステップと、を実施
し、前記申請に重複がある旨の入力を受け付けた場合であっても、前記申請が重複する前記過去の申請の前記金融機関への前記振込む処理の結果と突合して、口座解約済み、口座名義変更済みを理由とするエラーにとなった申請であれば、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信しない、
ことを特徴とする交通費支払方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通費支払システム及び交通費支払方法に関する。
【背景技術】
【0002】
企業が学生の採用予定者への面接を行う際の学生への交通費の支払いは、当日会場において領収書と引き換えに現金の支払を行うか、後日学生側からインターネットを介して申請を行う方法がとられることが多い。
【0003】
特許文献1には、支払担当が金融機関名や口座番号他が正しく入力されているかを容易に判定することができると共に、利用者からの交通費支払サイトのURLへのログイン時に企業コード及び利用者メールアドレスから変換したユーザIDを用いて利用者を認識し、企業からの規定額の交通費支払いを支援する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、企業からの規定額の交通費支払いを支援する技術であるが、適切でない申請がなされた場合には企業担当や支払い担当がチェックを行って除外する必要があり、事務効率には改善の余地があるものであった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、不特定多数の支払い対象者に対して規定額の交通費支給業務を効率よく支援する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る交通費支払システムは、利用者が操作する利用者コンピュータと、該利用者に対して到達地を指定した公共交通網の利用を促す企業の企業担当コンピュータと、該企業における利用者から指定された金融機関の指定口座への交通費支払いを担当する支払担当者の支払担当コンピュータと、前記支払担当コンピュータとネットワークを介して接続され、処理部および記憶部を備える交通費支払装置と、を備える交通費支払システムであって、前記利用者コンピュータは、出発地から前記到達地までの公共交通網を使用した交通費を請求する利用者が操作するものであり、前記交通費支払装置は、前記出発地から前記到達地までの交通費を前記利用者が指定した金融機関の指定口座へ振込む業務を支援するものであり、前記処理部は、前記利用者が前記利用者コンピュータを操作して入力した金融機関名と該金融機関の口座番号と口座名義とを前記記憶部に格納し、利用者が入力した前記出発地及び前記到達地に基づいた規定交通費の支払い申請を受け付け、前記支払担当コンピュータから前記申請をチェックした結果前記申請に誤りがある旨の入力を受け付けると、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信することを特徴とする。
【0009】
また、上記の交通費支払システムであって、前記利用者コンピュータは、前記利用者が入力した前記出発地、前記到達地および前記公共交通網の利用の日時に基づいた規定交通費の支払い申請を一つまたは複数受け付けると、該利用者から前記日時に重複がある入力の受付を停止する、ことを特徴とするものであってもよい。
【0010】
また、上記の交通費支払システムであって、前記交通費支払装置の前記処理部は、前記規定交通費の支払い申請に応じた所定の金融機関への振込処理の結果、前記振込処理にエラーがあった旨の通知を受け付けると、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信することを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、上記の交通費支払システムであって、前記処理部は、前記規定交通費の支払い申請を受け付け、前記支払担当コンピュータから前記申請を過去の申請と突合してチェックした結果前記申請に重複がある旨の入力を受け付けると、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信することを特徴とするものであってもよい。
【0012】
また、上記の交通費支払システムであって、前記処理部は、前記申請に重複がある旨の入力を受け付けた場合であっても、前記申請が重複する前記過去の申請が口座解約済み、口座名義変更済みを理由とするエラーにとなった申請であれば、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信しないことを特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係る交通費支払方法は、利用者が操作する利用者コンピュータと、該利用者に対して到達地を指定した公共交通網の利用を促す企業の企業担当コンピュータと、該企業における利用者から指定された金融機関の指定口座への交通費支払いを担当する支払担当者の支払担当コンピュータと、前記支払担当コンピュータとネットワークを介して接続され、処理部および記憶部を備える交通費支払装置と、を備える交通費支払システムにおいて用いられる交通費支払方法であって、前記利用者コンピュータは、出発地から前記到達地までの公共交通網を使用した交通費を請求する利用者が操作するものであり、前記交通費支払装置は、前記出発地から前記到達地までの交通費を前記利用者が指定した金融機関の指定口座へ振込む業務を支援するものであり、前記処理部は、前記利用者が前記利用者コンピュータを操作して入力した金融機関名と該金融機関の口座番号と口座名義とを前記記憶部に格納するステップと、利用者が入力した前記出発地及び前記到達地に基づいた規定交通費の支払い申請を受け付けるステップと、前記支払担当コンピュータから前記申請をチェックした結果前記申請に誤りがある旨の入力を受け付けるステップと、前記利用者に再申請を促す電子メールを送信するステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、不特定多数の支払い対象者に対して規定額の交通費支給業務を効率よく支援する技術を提供することができる。
【0015】
上記した以外の課題、構成、及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】交通費支払いシステムの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図2】企業マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図3】交通費マスタのデータ構造の一覧を示す図である。
【
図4】事業所マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】会場マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】利用者マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】担当者マスタのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】振込情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】交通費支払装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図10】交通費支払い処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】差し戻し通知処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の例を説明する。
図1は、交通費支払システムの機能ブロックの一例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態による交通費支払システム1では、交通費支払装置100と、新卒等の採用予定者である学生のコンピュータと、学生を採用する際の企業面接や内定後の研修を行う企業の企業担当のコンピュータである企業装置200と、該企業における採用予定者への規定額の交通費支払いを担当する支払担当のコンピュータである支払処理装置400と、により交通費支払い業務を実行する。
【0019】
交通費支払システム1は、交通費の支払担当のコンピュータである支払処理装置400からの指示によって、学生から指定された金融機関の指定口座へ交通費の振り込みを行う金融機関の装置である金融処理装置300にインターネット等のネットワーク90を介して接続される。交通費支払システム1は、学生から申請された場所(例えば各都県の県庁所在位置や学校所在地)から企業が指定した面接会場・研修会場の場所への規定の交通費を、学生が指定した金融機関の指定口座へ振込む。
【0020】
なお、本実施形態による交通費は、実費ではなく、学生からの申請場所と企業の指定場所への通常の公共交通機関の概算を考慮した規定金額(例えば、同一都府県内移動なら往復1000円、隣接する都府県内移動なら往復2000円、北海道から東京都なら5万円等の企業規定によって定められた金額)である。
【0021】
本実施形態にかかる交通費支払装置100は、各種の処理を行う処理部110と、各処理部から参照される複数のマスタ及びデータベースを含む記憶部130と、入力を受け付ける入力部150と、出力画面を表示させる画面を作成する出力部160と、他の装置とインターネット等のネットワーク90を介して通信可能に接続する通信部170と、を含む。また、交通費支払装置100は、学生と企業担当と支払担当のコンピュータに交通費支払サイト(Webページ)を、インターネットを介して提供するWeb機能部(図示せず)と、これらを制御する制御手段(図示せず)と、を備える。
【0022】
処理部110には、複数の処理部が含まれる。具体的には、処理部110は、学生との間においてネットワーク90を介してメールを送受信するメール送受信部112と、学生が後述する交通費支払サイト(Webページ)を用いて申請した交通費申請の受付処理を行う利用者申請部111と、交通費申請の承認を企業担当から得るための処理を行う承認部114と、該承認部114が承認を得た交通費の支払いを企業の支払担当のコンピュータである支払処理装置400に通知する支払者振込部115と、交通費支払いの管理データを作成する管理データ作成部113と、振り込みに関する振込データを作成する振込データ作成部116と、交通費支払いに係る業務処理をコンピューターシステム上で管理するワークフロー管理部117と、を含む。
【0023】
メール送受信部112は、学生から申請された内容に対し、企業担当が承認不備や申請不備による差し戻しを実施したときに学生に対し結果を案内送信するとき、学生からの問合せメールの受付受信を行うとき、学生がパスワードやログインキーを忘却したとき、重複請求により口座チェック結果がNGとなった場合に差し戻しを実施したときに学生に対し案内送信するとき、金融機関の指定口座がすでに閉じているか名義変更がなされている場合等、振込処理において金融機関からエラーが通知された場合に差し戻しを実施したときに学生に対し案内送信するとき等、メール送受信を行うときに使用される。学生がパスワードを忘却したときは、学生がメールにより企業コードとユーザIDとログインキーを含めて利用者申請部111を介して申請し、メール送受信部112がメール通知を行い、ログインキーを忘却したときは、企業コードとユーザIDとパスワードを利用者申請部111を介して申請し、メール送受信部112がメール通知するように動作する。
【0024】
記憶部130は、企業コードに対応した会社名及び交通費・宿泊費の規定額の支払い方法他を格納する企業マスタ131と、企業コードに対応した出発地(出)と到達地(到)の交通費区分及び規定交通費を格納する交通費マスタ132と、企業コードに対応した企業の事業所コード及び事業所名を格納する事業所マスタ133と、企業コードに対応した面接又は研修地の会場コード・会場名・所在地コードを格納した会場マスタ134と、企業への面接等を行う利用者である学生のユーザID(原則メールアドレス)及びパスワードを格納した利用者マスタ135と、企業の担当者毎の企業コードに対応した担当者の情報を格納した担当者マスタ136と、利用者(学生)からの交通費に関する申請情報を格納した申請情報データベース(以降、データベースはDBと省略して表記することがある)137と、過去の企業対応の支払日や振り込み金額等の振込情報を格納した振込情報DB138と、を備える。
【0025】
図2は、企業マスタのデータ構造の一例を示す図である。企業マスタ131は、企業コードと、会社名と、該企業自身による支払い機能(制度)の有無及び代行支払いを区別するための支払区分と、代行会社の企業コードを表す支払会社コードと、IDの登録又は未登録を区別するためのログイン区分と、初回ログイン時のパスワードを表す初期パスワードと、ログイン時の初期画面を区別するためのログイン表示区分と、ログイン時の画面を区別するためのログイン表示データと、交通費の支払い方法を指定するマスタの種類(都道府県、事業所、経路指定、定額)を表す交通費支払方法と、交通費支払い方法が定額の際の支払金額を表す定額支払額と、宿泊費の支払い方法の種類(支払いなし、実費支払い有り、定額支払い有り)を表す宿泊費支払方法と、宿泊費支払方法が定額支払いの際の支払金額を表す定額宿泊費と、この企業マスタに登録する期限の有無を表す登録期限区分と、該登録期限が記期限有りのときの日数を表す登録納期と、支払い手数料を表す手数料と、その他の予備01~予備10と、各項目の更新日時と、の各項目情報を格納するように構成されている。
【0026】
図3は、交通費マスタのデータ構造の一例を示す図である。交通費マスタ132は、企業コードと、交通費区分及び規定交通費を格納するものであって、交通費区分が、利用者(学生)の出発地(出)である都道府県及び事業所と到達地(到)である都道府県及び事業所の間の交通費か、出発地が都道府県及び事業所と到達地が都道府県との間の交通費か、出発地が都道府県、到達地が都道府県及び事業所間の交通費か、出発地の都道府県と到達地の都道府県との間の交通費かを区分し、区分に対応した規定額の交通費を格納するように構成されている。
【0027】
例えば、交通費区分「1」は、出発地及び到達地間の交通費を該当企業の両事業所間の交通費として指定する区分であり、交通費区分「2」は、出発地のみが事業所であり到達地が都道府県間の交通費として指定する区分であり、交通費区分「3」は区分「2」の逆であり、交通費区分「4」は出発地及び到達地間の交通費を該当企業の所在都道府県間の交通費として指定する区分である。これらの区分は、各企業によって予め設定される。
【0028】
図4は、事業所マスタのデータ構造の一例を示す図である。事業所マスタ133は、企業コードと、該企業の事業所コードと、該企業における面接等を行う事業所名と、その他の予備01~03と、各項目の当初の入力日時と、項目を更新したときの更新日時の各項目情報を格納するように構成されている。
【0029】
図5は、会場マスタのデータ構造の一例を示す図である。会場マスタ134は、企業コードと、該企業の面接等を行う会場の会場コードと、会場名と、該会場の所在を表す所在地コードと、予備01~03と、項目の当初の入力日時と、項目を更新したときの更新日時の各項目情報と、を格納するように構成されている。
【0030】
図6は、利用者マスタのデータ構造の一例を示す図である。利用者マスタ135は、学生等の企業への面接等を行う利用者である学生のユーザID(原則、メールアドレス)及びパスワードを格納するものであって、企業コードに応じて、利用者のユーザID、該ユーザIDを用いてログインする際のパスワードと、利用者の氏名(姓、名)と、所属学校名と、該学校の所在地コードと、利用者のメールアドレスと、自宅電話番号と、携帯電話番号と、交通費の振り込み先の銀行を表す振込銀行コードと、振込銀行名称と、振込支店コードと、振込支店名称と、口座種別と、口座番号と、口座名義と、口座名義カナと、口座ファイルのファイル名を表す口座ファイルと、面接時に一意に付与された選考番号を用いたログインキーと、ログイン済みであるか否かを表すログインフラグと、その他の予備01~03と、入力日時と、更新日時と、を含む各項目情報を格納するように構成されている。
【0031】
図7は、担当者マスタのデータ構造の一例を示す図である。担当者マスタ136は、企業の担当者毎の企業コードに対応した担当者の情報を格納したものであって、該担当者が所属する企業コードと、該担当者が所属する事業所コードと、担当者のユーザIDと、担当者が本システムにログインする際のパスワードと、担当者の氏名と、担当者の氏名カナと、担当者の権限と、担当者のメールアドレスと、ログインフラグと、その他の予備01~03と、入力日時と、更新日時と、を含む各項目情報を格納するように構成されている。
【0032】
図8は、振込情報DBのデータ構造の一例を示す図である。振込情報DB138は、過去の企業対応の支払日や振り込み金額等の振込情報を格納したものであって、企業コードに対応して、交通費の支払年月日と、振り込み予定の予定振込金額と、振り込み予定の予定振込件数と、振り込みを行った振込金額と、その振込件数と、口座番号相違によって振り込みが行われなかった口座エラー件数と、確定した振り込み金額を表す振込確定金額と、口座番号相違以外の要因(名義、銀行名、支店名、口座種類等の相違)によって振り込みができなかった振込エラー件数と、振り込み情報の作成から支払い済みまでの状態(振込データ作成済み、ダウンロード済み、口座アップロード済み、口座チェック済み、支払いアップロード済み、支払い済みの各状態)を表すステータスと、振込情報の作成を行う際の支払ファイル名と、チェックした口座の明細を表す口座チェック完了明細データと、振込に要する金融機関の手数料と、その他の予備01~05と、入力日時と、更新日時の各項目情報とを格納するように構成されている。
【0033】
以上が、交通費支払装置100の構成である。このように構成された交通費支払装置100は、一般のコンピューターシステムと同様に、制御手段であるCPU、一時記憶手段であるメモリ、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)、本システムの各種機能を実行するための各種ソフトウェア、ブラウザソフトウェア、データを記憶する磁気ディスク装置等のデータ記憶手段、表示部、キーボード等の入出力機器、各種インターフェース機器とを含み、学生と企業担当と支払担当および金融機関のコンピュータにおいても同様である。
【0034】
また、交通費支払システム1には、学生を採用する際の企業面接や内定後の研修を行う企業の企業担当のコンピュータである企業装置200と、該企業における採用予定者への規定額の交通費支払いを担当する支払担当のコンピュータである支払処理装置400と、支払処理装置400からの処理のファームバンキング指示を受けて交通費の振込を実際に行う金融機関の金融処理装置300と、が含まれる。
【0035】
企業装置200は、処理部210と、入力部240と、出力部250と、通信部260と、を含む。処理部210には、申請処理部211が含まれる。申請処理部211は、Webブラウザとしての機能を備え、交通費支払装置100のWebページに通信部260を介してアクセスして、学生から申請された交通費の一覧を出力部250を介して参照可能に出力し、それぞれの申請の許可あるいは却下の別の入力を入力部240を介して受け付ける。本交通費支払システム1においては、企業装置200は、学生から申請された交通費の支払を許可するか否かの入力を受け付けると、交通費支払装置100の承認部114に受け渡す。通信部260は、他の装置とインターネット等のネットワーク90を介して通信可能に接続する。
【0036】
支払処理装置400は、処理部410と、記憶部430と、入力部440と、出力部450と、通信部460と、を含む。処理部410には、振込依頼処理部411と、FBデータ生成部412と、が含まれる。振込依頼処理部411は、Webブラウザとしての機能を備え、交通費支払装置100のWebページに通信部460を介してアクセスして、支払者振込部115が作成した画面を、出力部450を介して参照可能に出力し、それぞれの申請について口座情報との齟齬がある場合には、支払担当から入力部440を介して受け付ける(口座チェック)。本交通費支払システム1においては、支払処理装置400は、申請された交通費の振込処理の内容に、利用者申請部111により事前に登録された口座情報との齟齬がない旨の入力を受け付けると、交通費支払装置100の振込データ作成部116に受け渡す。
【0037】
FBデータ生成部412は、交通費支払装置100に通信部460を介してアクセスして、振込データ作成部116が作成した振込データから所定のフォーマットによるFBデータ(インターネットを介して残高照会や振込依頼を可能としたファームバンキングサービスにおける振込用のデータ)を生成し、記憶部430のファームバンキング情報431に格納するとともに金融処理装置300にネットワーク90を介して所定の期日に引き渡す。
【0038】
記憶部430には、ファームバンキング情報431が含まれる。ファームバンキング情報431は、FBデータ生成部412により生成された所定のフォーマットによるFBデータが格納される。通信部460は、他の装置とインターネット等のネットワーク90を介して通信可能に接続する。
【0039】
金融処理装置300は、処理部310と、記憶部330と、通信部350と、を含む。処理部310には、ファームバンキング受付部311と、口座振込部312と、が含まれる。ファームバンキング受付部311は、支払処理装置400から引き渡されたFBデータを受け付けて、記憶部330のファームバンキング情報331に格納する。口座振込部312は、ファームバンキング受付部311が受け付けたFBデータを読み出して、FBデータに含まれる振込内容に応じて口座振り込みの処理(口座間の資金移動処理)を行う。
【0040】
記憶部330には、ファームバンキング情報331が含まれる。ファームバンキング情報331は、FBデータ生成部412により生成された所定のフォーマットによるFBデータが格納される。通信部350は、他の装置とインターネット等のネットワーク90を介して通信可能に接続する。
【0041】
なお、
図1には1つの交通費支払装置100に対し、各々1つの企業装置200と、金融処理装置300と、支払処理装置400とが接続されているが、交通費支払システム1の有する各装置の数については、
図1に示す例に限定されない。
【0042】
交通費支払装置100は、サーバーコンピューター、又はPC(Personal Computer)等の情報処理装置であって、例えば交通費支払システム1を用いた交通費支払サービスの事業者が運用している。一例として、当該事業者は、ネットワーク90を介してアクセス可能なクラウドサーバーとして交通費支払装置100を位置づけ、交通費支払サービスをクラウドサービスとして展開している。
【0043】
企業装置200と、金融処理装置300と、支払処理装置400とは、各々PC、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン、又はタブレット端末等の情報処理装置である。また、支払処理装置400は、例えば交通費支払システム1を用いた交通費支払サービスの事業者が運用してもよいし、他のアウトソーシングサービス事業者が運用してもよい。
【0044】
図9は、交通費支払装置100のハードウェア構成例を示す図である。交通費支払装置100は、演算装置11と、メモリ12と、外部記憶装置13と、入力IF(Interface)14と、出力IF15と、通信IF16と、記憶媒体駆動装置17とを備え、各構成要素はバスにより接続されている。
【0045】
演算装置11は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置であり、メモリ12又は外部記憶装置13に記録されたプログラムに従って処理を実行する。交通費支払装置100では、メモリ12又は外部記憶装置13上に読み出されたプログラムに従って動作する演算装置11により処理が行われる。処理部110は、演算装置11がプログラムを実行することにより各々の機能を実現する。
【0046】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)又はフラッシュメモリ等の記憶装置であり、プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリアとして機能する。外部記憶装置13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、CD-R(Compact Disc- Recordable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disk- Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。記憶部130は、メモリ12又は外部記憶装置13によりその機能が実現される。なお、記憶部130は、通信IF16を介して接続される記憶装置によってその機能が実現されてもよい。
【0047】
入力IF14は、操作者からの入力操作を受け付けるためのインターフェースであり、例えばタッチパネル、キーボード、マウス、マイク等の入力装置が接続される。出力IF15は、交通費支払装置100に内蔵されたLCD(Liquid Crystal Display)等の出力装置に対して情報を出力するためのインターフェースである。
【0048】
通信IF16は、交通費支払装置100をネットワーク90を介して他の装置に接続するためのインターフェースであって、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信デバイスが接続される。記憶媒体駆動装置17は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の可搬性のメディア18から情報を入出力する装置である。
【0049】
なお、交通費支払装置100の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、交通費支払装置100の各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0050】
企業装置200、金融処理装置300、及び支払処理装置400のハードウェア構成は、交通費支払装置100と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
[動作] さて、本実施形態による交通費支払システム1は、学生からの交通費申請をインターネットを介して交通費支払サイトにより受信し、利用者申請部111が受付処理を行い、この受付処理を行った交通費申請を承認部114を用いて企業担当からの承認を得、該承認を得た交通費の支払いを支払者振込部115により企業の支払担当のコンピュータに通知することによって、該支払担当が金融機関へ依頼する交通費の振込業務を支援することができる。この動作の詳細を次に説明する。
【0052】
なお、本実施形態による学生からの交通費申請においては、企業が予め交通費申請用のWebページを企業コンピュータの交通費支払サイトに公開し、この公開された交通費支払サイトの所定欄に学生が面接希望会場(企業事業所、企業指定の会場)への出発地及び到達地を入力可能な機能と、学生の金融機関の口座名義及び口座番号を確認するための通帳の該当頁の画像データを撮影又はカメラにより入力する機能を有するものとし、企業担当及び支払担当のコンピュータに対しても同様に交通費支払サイトをインターネットを介して提供するものである。
【0053】
[ログイン処理] 学生が交通費支払システム1へログインする処理は、学生が既に企業に対して面接等のエントリーを行い、会場において面接等が終了していることを前提とし、この面接後に企業が利用者のユーザIDをシステムに登録し、学生が最初にログインする処理を説明する。これを、第1の方法によるログインと称呼する。
【0054】
第1の方法によるログイン処理は、交通費支払装置100の処理部が、後述の第1~第6工程を行うことによってなされる。また、第6工程後にパスワードの変更を行った後に学生の本人情報を登録することができる。
【0055】
第1の方法によるログイン処理の第1工程は、企業担当が予め学生から取得した学生情報(選考番号、氏名、メールアドレス、電話番号、住所、所属学校名他)を交通費支払装置100の利用者マスタ135に登録する工程である。
【0056】
第1の方法によるログイン処理の第2工程は、第1工程により受信した学生のメールアドレスを変換した利用者IDと学生情報を利用者マスタ135に登録する工程である。
【0057】
第1の方法によるログイン処理の第3工程は、企業が学生へ面接等の会場において交通費支払装置100のURLと企業コードとユーザID(学生のメールアドレス)と選考番号とログイン方法案内を案内用紙等によって通知する工程である。
【0058】
第1の方法によるログイン処理の第4工程は、学生が自宅等に帰宅し、自己のコンピュータを用いて通知されたURLへアクセスし、企業コードとユーザID(学生のメールアドレス)と選考番号を入力して交通費支払システム1へアクセスする工程である。
【0059】
第1の方法によるログイン処理の第5工程は、第4工程によりアクセスを行った学生に対して一意のパスワードを送信する工程である。
【0060】
第1の方法によるログイン処理の第6工程は、学生が第5工程により受信したパスワード他(企業コード、ユーザID、パスワード、選考番号)を用いて交通費支払システム1の交通費支払サイトにログインアクセスする工程である。
【0061】
即ち、第1の方法による、ユーザIDを学生が登録する場合の交通費支払システム1へログインする方法は、企業担当が学生から入手した選考情報及びメールアドレスを含む学生情報に基づいて学生のユーザIDをメールアドレスを用いて交通費支払システム1に登録しておき、学生からのURLに基づいてアクセスされた学生向けサイトの交通費支払サイト(Webページ)において企業コードとユーザIDと選考番号との組み合わせによって学生本人を認証し、当該認証が得られた学生のメールアドレスに対して交通費支払サイトへのログインを許可するパスワードを送信することによって、正規の学生のみに交通費支払システム1へのログインを許可し、登録することができる。
【0062】
他方、学生が既に企業に対して面接等をエントリーし、面接等が終了してからユーザIDを学生が登録する場合の交通費支払システム1へログインする他の方法も可能である。その場合には、交通費支払装置100の処理部が、後述の第1~第5工程を行うことによってなされる。これを、第2の方法によるログインと称呼する。
【0063】
第2の方法によるログイン処理の第1工程は、企業が学生へ面接等の会場において交通費支払システム1のURLと企業コードとパスワードとログイン方法案内を案内用紙によって通知する工程である。
【0064】
第2の方法によるログイン処理の第2工程は、学生が自宅等に帰宅し、自己のコンピュータを用いて通知されたURLへアクセスし、企業コードとユーザID(学生のメールアドレス)とパスワードを入力して交通費支払システム1へアクセスする工程である。
【0065】
第2の方法によるログイン処理の第3工程は、第2工程によってアクセスされた交通費支払システム1が学生のメールアドレスに基づいてユーザIDを設定すると共にシステムへのログイン用のログインキー(例えば、6桁の乱数)を発行して学生のメールアドレス宛に送信する工程である。
【0066】
第2の方法によるログイン処理の第4工程は、第3工程により送信されたログインキーを学生が受信する工程である。
【0067】
第2の方法によるログイン処理の第5工程は、第4工程によりログインキーを受信した学生が自己のコンピュータを用いてURLへアクセスし、企業コードとユーザID(メールアドレス)とパスワードとログインキーを用いてログインする工程である。
【0068】
即ち、第2の方法による、ユーザIDを学生が登録する場合の交通費支払システム1へログインする方法は、企業が学生に交通費支払サイト(Webページ)のURLと企業コードとパスワードを通知しておき、学生が通知された企業コード及びパスワードと自己アドレスをユーザIDとを用いてURLにアクセスし、アクセスされた交通費支払システム1が受信したユーザIDのメールアドレスに対してログインキーをメール送信し、学生がメール受信したログインキーと企業コードとユーザID(メールアドレス)とパスワードの組み合わせによって学生本人を認証することによって、正規の学生のみに交通費支払システム1へのログインを許可し、登録することができる。
【0069】
[交通費支払い処理] 次いで、本実施形態による交通費支払システム1は、学生からの交通費申請に基づいて交通費の支払い処理を実行する。
【0070】
図10は、交通費支払い処理の一例を示すフローチャートである。交通費支払処理は、学生のコンピュータから処理が開始される。
【0071】
まず、交通費支払システム1のWebサイトは、学生自身のコンピュータからのアクセスを受け付け、本人情報の入力を受け付けて利用者マスタ135に登録する(ステップS101)。そして、交通費支払システム1のWebサイトは、交通費申請情報(出発地、到達地の所在地や都道府県住所、通帳の画像情報)の入力を受け付ける(ステップS102)。なお、この入力時には、利用者申請部111は、同一日の同日時刻帯の交通費の入力すなわち二重入力をエラーとしてはじき、再入力を促すようにしてもよい。あるいは、学生自身のコンピュータへの入力時において、入力した出発地、到達地および公共交通網の利用の日時に基づいた規定交通費の支払い申請を一つまたは複数受け付けると、該学生から日時に重複がある入力の受付を停止するようにしてもよい。
【0072】
そして、利用者申請部111は、交通費申請情報を申請情報DB137に格納する(ステップS103)。
【0073】
そして、承認部114は、企業装置200を介して企業担当から交通費申請情報の承認入力を受け付ける(ステップS104)。
【0074】
そして、管理データ作成部113は、ステップS103において格納された交通費申請情報のうち、ステップS104にて承認された申請について、所定日(例えば毎月10日、25日)に振込対象データを作成し、支払処理装置400を用いる支払担当にメールにより通知する(ステップS105)。
【0075】
そして、支払者振込部115は、口座チェックを実行させる(ステップS106)。具体的には、支払者振込部115は、支払処理装置400の振込依頼処理部411に交通費申請情報のチェック結果の入力をさせる。この交通費申請情報のチェックは、例えば、学生の氏名・住所・金融機関名称・支店名・貯金種・口座番号のチェックである。特に、本実施形態においては、交通費支払システム1では、交通費支払のWebサイト上で口座チェック画面をインターネットを介して提供する。この口座チェック画面では、支払担当が入力情報欄に表示された入力情報が正しいか否かを画像情報欄に表示した通帳の画像情報と比較して判定し、正しい場合はチェック結果「OK」ボタンをクリックし、入力情報に誤りがあったときにはチェック結果「NG」ボタンをクリックして更新することによってチェックの結果入力が行われる。
【0076】
この口座チェックは、例えば、金融機関の通帳は金融機関毎にフォーマットが統一されていることを利用し、通帳の画像情報を光学的文字読取(OCR)機能によって認識した銀行名と支店名と口座番号と貯金種別と口座名義名と、学生が入力した銀行/名と支店名と口座番号と学生氏名(口座名義名)とが全て一致するか否か判定し、何れかが不一致と判定したとき、警告又はエラー表示を口座チェック画面に行うように構成しても良い。
【0077】
本実施形態における交通費支払装置100は、入力情報及び画像情報を一時的に格納する記憶手段(一時メモリ)を備え、利用者が入力した出発地及び到達地に基づいた規定交通費の支払いを支払担当が口座チェックするとき、支払担当コンピュータの表示部に一時メモリから読み出した利用者が入力した利用者氏名と金融機関名と該金融機関の口座番号と口座名義とを表示する入力情報欄と、一時メモリから読み出した金融機関名と該金融機関の支店名と口座番号と口座名義が印刷された通帳の画像情報を表示する画像情報欄とを含む口座チェック画面を表示するように動作する。
【0078】
口座チェックの結果が「NG」となった申請(ステップS106において「NG」の場合の申請)については、振込データ作成部116は、NGとなった申請をまとめて、後述する差し戻し通知処理を行ってワークフローの処理ステータスを戻し、ステップS102に制御を戻す(ステップS107)。
【0079】
口座チェックの結果が「OK」となった申請(ステップS106において「OK」の場合の申請)については、振込データ作成部116は、OKとなった申請をまとめて振込データを作成し、振込情報DB138に格納するとともに、支払処理装置400のFBデータ生成部412に送信する。FBデータ生成部412はこれを記憶部430の一時領域に記憶しておく。
【0080】
そして、FBデータ生成部412は、所定日(例えば、毎月、10、25日等)に支払い処理を開始し、振込データからFBデータを作成する(ステップS108)。具体的には、FBデータ生成部412は、振込データを読み出して所定のフォーマットに従ってFBデータを生成し、ファームバンキング情報431に格納する。
【0081】
そして、FBデータ生成部412は、FBデータを金融処理装置300に引き渡す(ステップS109)。なお、FBデータ生成部412は、不正な重複申請があれば該申請を除外するようにしてもよい。例えば、FBデータ生成部412は、過去(前回以前)のFBデータと突合して、同一日同一時刻帯かつ同一金額の同一人からの申請があれば、重複申請として口座チェックNGとして扱い、その申請についてはFBデータから除外してステップS107に制御を戻すようにしてもよい。ただし、重複支払いの例外として、振込結果が「口座解約済み」あるいは「名義変更済み」であったFBデータと重複する場合には、重複申請として扱わないものとする。
【0082】
そして、金融処理装置300では、ファームバンキング受付部311がFBデータを受け取り、ファームバンキング情報331に格納する。そして、口座振込部312が、FBデータに従って口座間の資金移動を行う振込処理を実施する(ステップS110)。具体的には、口座振込部312が、FBデータに従って、指定口座に指定金額(交通費の総額)の指定口座(交通費等の振り込み用の口座等)への振り込みを行い、振込結果を支払担当者へ通知する。
【0083】
振込依頼処理部411は、通知された振込結果を支払処理装置400の記憶部430へ記憶させ、振込結果を含む振込データを交通費支払装置100へアップロードする。振込データ作成部116は、アップロードされた振込用データを振込情報DB138に格納するとともに、振込結果が「NG」すなわち失敗したか否かを交通費申請ごとに判定する(ステップS111)。なお、振込結果が失敗の場合、原因を示す情報が「口座解約済み」か「名義変更済み」であると考えられるため、そのままリトライを行っても原因が解消していないため申請情報の誤りを修正しないと振込に成功しないと考えられる。
【0084】
そして、振込結果が失敗となった申請(ステップS111において「NG」の場合の申請)については、振込データ作成部116は、失敗した申請をまとめて、ステップS107に制御を戻す。
【0085】
振込結果が成功となった申請(ステップS111において「OK」の場合の申請)については、支払処理装置400の振込依頼処理部411が、支払担当者が企業担当に請求書を発行する(ステップS112)。
【0086】
以上が、交通費支払い処理の流れである。交通費支払い処理によれば、企業による学生への規定額の交通費支払い業務を支援することができる。
【0087】
図11は、差し戻し通知処理の一例を示すフローチャートである。差し戻し通知処理は、交通費支払い処理のステップS107において実施される。
【0088】
まず、支払者振込部115は、メール送受信部112を介して、申請者にメール通知を行う(ステップS201)。具体的には、支払者振込部115は、口座チェックがNGとなった申請および振込結果が失敗となった申請を対象として、その申請の申請者たる利用者に対して、所定のフォームを用いて自動作成した電子メールを送信する。この電子メールには、NGまたは失敗となった申請を特定する情報と、申請を修正入力するためのURLと、が少なくとも含まれる。
【0089】
そして、ワークフロー管理部117は、対象の申請についてワークフロー上のステータスを差し戻しに変更し、修正して再度申請が可能な状態にする(ステップS202)。
【0090】
以上が、差し戻し通知処理の流れである。差し戻し通知処理によれば、振込が正常に動作しない申請についてワークフローの処理ステータスを差し戻し、再申請を可能とすることができる。
【0091】
以上が、第一の実施形態に係る交通費支払システムである。第一の実施形態に係る交通費支払システムによれば、不特定多数の支払い対象者に対して規定額の交通費支給業務を支援することによって、キャッシュレス且つ会場での担当業務の低減及び事前申請業務の削減を行なうことができる交通費支払システム及び交通費支払方法を提供することができる。
【0092】
なお、上記の実施形態においては、企業と面接を行う学生への交通費支払い業務について説明したが、本発明は、学生向けの交通費支払いに限られるものではなく、例えば、セミナーの参加者、臨時派遣社員、臨時アルバイト等の対象者にスポット的に交通費を支給する業務形態にも適用することができ、更に、該実施形態においては企業規定による規定額の交通費支払いを行う例を説明したが、本発明は規定額支払いに限られるものではなく、例えば、出発地点(駅)と到達地点(駅)と時期等を条件として最適(短時間、費用最小)な交通費を算出するWebサイト、例えばハイパーダイヤ(登録商標)と連動し、実費相当の交通費を支給することもできる。
【0093】
また例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、図中の制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、全てを示しているとは限らない。ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0094】
また、上記の交通費支払装置100、企業装置200、金融処理装置300、及び支払処理装置400の機能構成は、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。上述の通り、交通費支払装置100、企業装置200、金融処理装置300、及び支払処理装置400の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【符号の説明】
【0095】
1:交通費支払システム、90:ネットワーク、100:交通費支払装置、110:処理部、111:利用者申請部、112:メール送受信部、113:管理データ作成部、114:承認部、115:支払者振込部、116:振込データ作成部、117:ワークフロー管理部、130:記憶部、131:企業マスタ、132:交通費マスタ、133:事業所マスタ、134:会場マスタ、135:利用者マスタ、136:担当者マスタ、137:申請情報DB、138:振込情報DB、150:入力部、160:出力部、170:通信部、200:企業装置、210:処理部、211:申請処理部、240:入力部、250:出力部、260:通信部、300:金融処理装置、310:処理部、311:ファームバンキング受付部、312:口座振込部、330:記憶部、331:ファームバンキング情報、350:通信部、400:支払処理装置、410:処理部、411:振込依頼処理部、412:FBデータ生成部、430:記憶部、431:ファームバンキング情報、440:入力部、450:出力部、460:通信部