IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 美津濃株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-評価システム、および評価方法 図1
  • 特許-評価システム、および評価方法 図2
  • 特許-評価システム、および評価方法 図3
  • 特許-評価システム、および評価方法 図4
  • 特許-評価システム、および評価方法 図5
  • 特許-評価システム、および評価方法 図6
  • 特許-評価システム、および評価方法 図7
  • 特許-評価システム、および評価方法 図8
  • 特許-評価システム、および評価方法 図9
  • 特許-評価システム、および評価方法 図10
  • 特許-評価システム、および評価方法 図11
  • 特許-評価システム、および評価方法 図12
  • 特許-評価システム、および評価方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】評価システム、および評価方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20240725BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
A63B69/00 A
G09B9/00 Z
A63B69/00 505Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020110583
(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2022007548
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田渕 規之
(72)【発明者】
【氏名】見邨 康平
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-092342(JP,A)
【文献】特開2016-052460(JP,A)
【文献】特開2019-083968(JP,A)
【文献】特開2006-346330(JP,A)
【文献】特開2019-124817(JP,A)
【文献】特開平05-346757(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0103997(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-69/40
G09B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦型スポーツにおける競技者の一連の動作に対応する事象の予測能力を評価するための第1の動画を表示する表示制御手段を備え、
前記第1の動画は、前記一連の動作のうちの所定タイミングまでの動作を表わす動画が表示される第1区間と、前記第1区間に続いて、前記一連の動作のうちの前記所定タイミングより後の動作を視認できないようにする他の画像を含む動画が表示される第2区間とを含み、
前記第1の動画を視認する視認者から、前記一連の動作に対応する事象の予測結果の入力を受け付ける入力手段をさらに備える、評価システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記事象の予測能力を訓練するための画面において、前記競技者による前記一連の動作を表わす第2の動画と、前記事象を示す情報とを同時に表示する、請求項1に記載の評価システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記事象の予測能力を訓練するための画面において、前記第1の動画と前記事象を示す情報とを同時に表示する、請求項1に記載の評価システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記事象の予測結果と、前記事象とが一致しているか否かを示す判定結果を表示する、請求項1~3のいずれか1項に記載の評価システム。
【請求項5】
前記競技者の識別情報と、前記視認者の識別情報と、前記事象と、前記判定結果とを関連付けたデータベースを格納する情報格納手段をさらに備える、請求項4に記載の評価システム。
【請求項6】
前記データベースを参照して、ユーザによって入力された条件に基づく結果を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記抽出手段の抽出結果を表示する、請求項5に記載の評価システム。
【請求項7】
前記一連の動作は、投球動作であり、
前記所定タイミングは、前記競技者がボールをリリースするタイミングであり、
前記事象は、前記ボールの球種またはコースである、請求項1~6のいずれか1項に記載の評価システム。
【請求項8】
対戦型スポーツにおける競技者の一連の動作に対応する事象の予測能力を評価するための第1の動画を表示するステップを含み、
前記第1の動画は、前記一連の動作のうちの所定タイミングまでの動作を表わす動画が表示される第1区間と、前記第1区間に続いて、前記一連の動作のうちの前記所定タイミングより後の動作を視認できないようにする他の画像を含む動画が表示される第2区間とを含み、
前記第1の動画を視認する視認者から、前記一連の動作に対応する事象の予測結果の入力を受け付けるステップをさらに含む、評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、評価システム、および評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
野球、サッカーなど多くの対戦型スポーツ競技においては、ある選手が行なった動作に対して相手の選手が動作を行なう。例えば、野球の場合には、ボールを「投げる」という投手の動作に対して、ボールを「打つ」という打者の動作が行われる。
【0003】
対戦相手に対して何らかの動作を与える(仕掛ける)側の選手(例えば、野球の投手)は、通常、複数の選択肢を有している。例えば、投手は、ボールの球種(例えば、ストレート、カーブ等)、コース(例えば、インコース、アウトコース等)を選択し、ボールの速度や回転数等を調整してボールを投げる。このような状況では、仕掛ける側の選手は、対戦相手に選択肢を容易に予測されないような動作を行なう必要がある。一方、仕掛けられる側の選手は、当該動作から選択肢を精度よく予測するスキルが必要となる。このようなスキルは、練習を繰り返すことで獲得されると考えられる。
【0004】
例えば、特開2001-92342号公報(特許文献1)は、予測判断訓練装置を開示している。この装置は、変化を予測すべき画像データに対応して訓練内容を入力するコーチ入力手段と、画像データから予測した結果を練習者が入力する練習者入力手段と、練習者入力手段から入力された予測結果と入力時間をコーチ入力手段から入力された訓練内容に基づいて判定する装置本体と、装置本体で判定された結果を点数化して表示する記録表示手段とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-92342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、練習者の予測判断の正確性および早さを同時に評価するように構成されている。そのため、練習者の予測が誤っていた場合に、提示された参照データのどの時点での情報によって練習者が予測を誤ったのかが明確にならない。このことから、練習者の予測能力の向上には改善の余地があると考えられる。
【0007】
本開示のある局面における目的は、対戦型スポーツにおける競技者の動作を視認した視認者の予測能力を向上させることが可能な評価システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う評価システムは、対戦型スポーツにおける競技者の一連の動作に対応する事象の予測能力を評価するための第1の動画を表示する表示制御手段を備える。第1の動画は、一連の動作のうちの所定タイミングまでの動作を表わす動画が表示される第1区間と、第1区間に続いて、一連の動作を表わす画像とは異なる他の画像を含む動画が表示される第2区間とを含む。評価システムは、第1の動画を視認する視認者から、一連の動作に対応する事象の予測結果の入力を受け付ける入力手段をさらに備える。
【0009】
好ましくは、表示制御手段は、事象の予測能力を訓練するための画面において、競技者による一連の動作を表わす第2の動画と、事象を示す情報とを同時に表示する。
【0010】
好ましくは、表示制御手段は、事象の予測能力を訓練するための画面において、第1の動画と事象を示す情報とを同時に表示する。
【0011】
好ましくは、表示制御手段は、事象の予測結果と、事象とが一致しているか否かを示す判定結果を表示する。
【0012】
好ましくは、競技者の識別情報と、視認者の識別情報と、事象と、判定結果とを関連付けたデータベースを格納する情報格納手段をさらに備える。
【0013】
好ましくは、評価システムは、データベースを参照して、ユーザによって入力された条件に基づく結果を抽出する抽出手段をさらに備える。表示制御手段は、抽出手段の抽出結果を表示する。
【0014】
好ましくは、一連の動作は、投球動作である。所定タイミングは、競技者がボールをリリースするタイミングである。事象は、ボールの球種またはコースである。
【0015】
他の実施の形態に従う評価方法は、対戦型スポーツにおける競技者の一連の動作に対応する事象の予測能力を評価するための第1の動画を表示するステップを含む。第1の動画は、一連の動作のうちの所定タイミングまでの動作を表わす動画が表示される第1区間と、第1区間に続いて、一連の動作を表わす画像とは異なる他の画像が表示される第2区間とを含む。評価方法は、第1の動画を視認する視認者から、一連の動作に対応する事象の予測結果の入力を受け付けるステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示によると、対戦型スポーツにおける競技者の動作を視認した視認者の予測能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】評価システムの全体構成を説明するための図である。
図2】端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】トップ画面を示す図である。
図4】選手の登録画面を示す図である。
図5】動画の編集画面を示す図である。
図6】予測能力を訓練するための練習画面を示す図である。
図7】予測能力を評価するためのテスト画面を示す図である。
図8図7の後に表示されるテスト画面を示す図である。
図9】投手に関する結果確認画面を示す図である。
図10】打者に関する結果確認画面を示す図である。
図11】評価システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12】情報テーブルを示す図である。
図13】他の情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
<システムの全体構成>
図1は、評価システム1000の全体構成を説明するための図である。図1を参照して、評価システム1000は、端末装置10A,10B(以下、「端末装置10」とも総称する。)と、サーバ20とを含む。本実施の形態では、野球の競技者である「投手」の投球動作の動画を、投手の対戦相手である「打者」が視認し、投球動作に対応する事象である「球種」を打者が予測する構成について説明する。
【0020】
端末装置10Aは、投手の投球動作の動画を編集し、編集後動画をサーバ20にアップロードする。端末装置10AのユーザAは、例えば、指導者(監督、コーチ等)、投手等である。端末装置10Bは、サーバ20にアップロードされた編集後動画を表示し、球種の予測能力を評価するためのテスト画面を表示する。端末装置10BのユーザBは、例えば、打者である。
【0021】
端末装置10は、例えば、スマートフォンである。ただし、端末装置10は、種類を問わず任意の装置として実現できる。端末装置10は、例えば、ラップトップPC(Personal Computer)、タブレット端末装置、デスクトップPC等であってもよい。
【0022】
端末装置10は、サーバ20と無線通信可能に構成されている。端末装置10は、例えば、インターネットなどのネットワークに接続してサーバ20と通信する。なお、端末装置10は、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等を利用して他の端末装置10と通信してもよい。端末装置10は、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信が可能に構成されていてもよい。
【0023】
図2は、端末装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。図2を参照して、端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)102と、メモリ104と、タッチパネル106と、ボタン108と、ディスプレイ110と、無線通信部112と、通信アンテナ113と、メモリインターフェイス(I/F)114と、スピーカ116と、マイク118と、通信インターフェイス(I/F)120とを含む。また、記録媒体115は、外部の記憶媒体である。
【0024】
CPU102は、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、端末装置10の各部の動作を制御する。より詳細にはCPU102は、当該プログラムを実行することによって、後述する端末装置10の各処理を実現する。
【0025】
メモリ104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ104は、CPU102によって実行されるプログラム、またはCPU102によって用いられるデータなどを記憶する。
【0026】
タッチパネル106は、表示部としての機能を有するディスプレイ110上に設けられており、抵抗膜方式、静電容量方式などのいずれのタイプであってもよい。ボタン108は、端末装置10の表面に配置されており、ユーザからの指示を受け付けて、CPU102に当該指示を入力する。
【0027】
無線通信部112は、通信アンテナ113を介して移動体通信網に接続し無線通信のための信号を送受信する。これにより、端末装置10は、移動体通信網を介して外部装置(例えば、サーバ20)との通信が可能となる。
【0028】
メモリインターフェイス(I/F)114は、外部の記録媒体115からデータを読み出す。CPU102は、メモリインターフェイス114を介して外部の記録媒体115に格納されているデータを読み出して、当該データをメモリ104に格納する。CPU102は、メモリ104からデータを読み出して、メモリインターフェイス114を介して当該データを外部の記録媒体115に格納する。記録媒体115としては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスクなどの不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0029】
スピーカ116は、CPU102からの命令に基づいて音声を出力する。マイク118は、端末装置10に対する発話を受け付ける。通信インターフェイス(I/F)120は、例えば、他の端末装置10との間でデータを送受信するための通信インターフェイスである。通信方式としては、例えば、BLE、無線LANなどによる無線通信である。
【0030】
再び、図1を参照して、サーバ20は、端末装置10Aから送信される動画を記憶したり、動画を端末装置10Bに提供したりする。なお、サーバ20は、後述するような情報処理を全体として提供できればよく、そのハードウェア構成については公知のものを採用することができる。例えば、サーバ20は、各種処理を実行するためのCPUと、CPUによって実行されるプログラム、データなどを格納するためのメモリ(例えば、ROM、RAMおよびハードディスク)と、端末装置10A,10Bと通信するための通信インターフェイスとを含む。
【0031】
<評価システムの動作例>
図1図3図10を用いて、本実施の形態に従う評価システム1000の動作例について説明する。図1の各シーケンスSQ1~SQ3の各処理は、端末装置10AのCPU102によって実行され、シーケンスSQ5~SQ7の各処理は、端末装置10BのCPU102によって実行され、シーケンスSQ4,SQ8の各処理は、サーバ20のCPUによって実行される。
【0032】
図3は、トップ画面を示す図である。図4は、選手の登録画面を示す図である。図5は、動画の編集画面を示す図である。図6は、予測能力を訓練するための練習画面を示す図である。図7は、予測能力を評価するためのテスト画面を示す図である。図8は、図7の後に表示されるテスト画面を示す図である。図9は、投手に関する結果確認画面を示す図である。図10は、打者に関する結果確認画面を示す図である。
【0033】
図1を参照して、端末装置10Aは、ユーザA(例えば、指導者)から選手登録の入力を受け付ける(シーケンスSQ1)。具体的には、端末装置10Aは、図3に示すトップ画面500において、ユーザAからボタン510の選択入力を受け付けると、図4の登録画面600を表示する。登録画面600では、チーム名「XX」に所属する選手名「P1」が、「右投げ」の「投手」として登録される様子が示されている。ここで、他の選手として、「右投げ」の「投手」である選手名「P2」と、「右打ち」の「打者」である選手名「K1」と、「左打ち」の「打者」である選手名「K2」とをさらに登録したとする。
【0034】
端末装置10Aは、ユーザAから動画編集の入力を受け付ける(シーケンスSQ2)。具体的には、端末装置10Aは、図3に示すトップ画面500において、ユーザAからボタン520の選択入力を受け付けると、図5の編集画面610を表示する。編集画面610では、選手名「P1」の投手(以下「投手P1」と称する。)の投球動作の動画編集画面が示されている。編集画面610において編集される動画は、動作を与える(仕掛ける)側の選手(ここでは、投手)を含む動画である。
【0035】
編集画面610には、投手P1の投球動作の動画612が表示されている。動画612は、予め投手P1の投球動作を撮影した動画である。ユーザAは、ボタン群613(例えば、再生ボタン、逆再生ボタン、早送りボタン、早戻しボタン、コマ送り、コマ戻し等)を利用して、投手P1がボールをリリースするタイミングのフレームを選択する。
【0036】
また、ユーザAは、領域614において、投球に関する投球関連データ(例えば、投球日、投手名、ボールの球速、球種、コース、回転数、回転軸の角度等)を入力する。なお、ユーザAは、インポート616を選択して、投球関連データを含むファイルを取り込んでもよい。なお、投球関連データ(例えば、球速、球種、回転数、回転軸の角度等)は、投手P1にセンサ機器が内蔵されたボールを投げてもらい、当該センサ機器から得られる情報を公知の投球解析システムで解析することにより取得される構成であってもよい。また、センサ機器から得られる情報を解析することにより、ボールのリリースタイミングのフレームが自動的に選択されるように構成されていてもよい。センサ機器は、加速度センサ、角速度センサおよび地磁気センサ等を含む。
【0037】
次に、ユーザAは、編集終了ボタン618を選択する。この場合、選択されたリリースタイミングのフレームの直後に、黒画面が一定時間(例えば、1秒間)表示される動画が結合される。これにより、編集後の動画612では、リリースタイミングのフレームの次のフレームからは黒画像が表示されるため、リリースタイミングより後の投手P1の投球動作を視認することはできない。すなわち、編集後の動画612は、リリースタイミングより後の投球動作を視覚的に遮断した動画である。
【0038】
このような編集は、次のような理由で行われる。具体的には、実戦では、打者は投手の投球動作から一瞬でボールの球種、コース等を予測する必要がある。動画の最終フレームをリリースタイミングのフレームに設定してしまうと、動画の終了後、リリースタイミングの静止画が表示された状態となる。この場合、リリース時の投手P1の手の状態がはっきり確認できるため、球種等の予測を容易にしてしまう。したがって、実戦との齟齬をできるだけ排除するため、上記編集が行われる。なお、リリースタイミングよりも後のフレームで表示される画像は、黒画像でなくてもよい。投手P1の投球動作を視認できないような他の画像であればよく、例えば、ぼかし画像、画面の一部のみが遮蔽される画像(例えば、投手の周辺のみが黒画像)等であってもよい。
【0039】
続いて、端末装置10Aは、編集後の動画612をサーバ20にアップロードする(シーケンスSQ3)。具体的には、端末装置10Aは、編集後の動画612を、領域614に入力された投球関連データと関連付けてサーバ20に送信する。また、端末装置10Aは、編集前の動画612を投球関連データと関連付けてサーバ20にさらに送信する。編集前の動画612は、リリースタイミング後の映像も含んでおり、投手P1の投球動作の開始時から終了時までの一連の投球動作を表わす動画である。そのため、編集前の動画612は、打者による球種予測の訓練用の動画、あるいは解答用の動画として用いられる。端末装置10Aは、ユーザAの指示に従って、投手P2の投球動作の動画についても同様の動画編集を行なって、編集後動画および編集前動画をサーバ20に送信する。
【0040】
続いて、サーバ20は、端末装置10Aから受信した編集前の動画612と、編集後の動画612とを投球関連データと関連付けて保存する(シーケンスSQ4)。また、サーバ20は、投手P2の投球動作に関する編集前動画および編集後動画も投球関連データと関連付けて保存する。このように、サーバ20には、複数の投手の投球動作を表わす編集前動画および編集後動画が、投球関連データと関連付けられて保存される。
【0041】
続いて、端末装置10Bは、ユーザB(打者)から、予測能力を訓練するための動画の再生入力を受け付ける(シーケンスSQ5)。具体的には、端末装置10Bは、図3のトップ画面500において、ユーザBからボタン530の入力を受け付けると、図6の練習画面620を表示する。練習画面620は、球種の予測能力を訓練するための画面である。ユーザBは、練習画面620において、再生する動画の条件を領域622に入力し、当該入力後にスタートボタン624を選択(押下)する。図6の例では、投球日として“2019/12/1~2020/1/30”が入力され、対象投手として“右投手全員”が入力されている。なお、練習画面620において、ユーザBが、再生される訓練用の動画の数を指定できるように構成されていてもよい。
【0042】
端末装置10Bは、スタートボタン624が選択されると、領域622に入力された条件情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、条件情報に合致する訓練用の動画を検索する。このとき検索される訓練用の動画は、投手の一連の投球動作がすべて表示される編集前動画である。端末装置10Bは、検索された訓練用の動画626を再生し、動画626に関連付けられた投球関連データ628を表示する。複数の訓練用の動画が検索された場合には、端末装置10Bは、投球日の古い順、あるいはランダムに順次再生する。ユーザBは、動画626を視認することにより、各投手の球種に応じた投球動作の傾向等を学習することができる。
【0043】
続いて、端末装置10Bは、ユーザBから、テスト動画の再生入力を受け付ける(シーケンスSQ6)。具体的には、端末装置10Bは、図3のトップ画面500において、ユーザBからボタン540の入力を受け付けると、図7のテスト画面630を表示する。ユーザBは、予測能力を評価するためのテスト画面630において、テスト条件を領域632に入力し、当該入力後にスタートボタン634を選択する。図7の例では、テスト条件として、テストを受ける打者名として“K1”が入力され、投球日として“2019/12/1~2020/1/30”が入力され、表示される対象投手として“右投手全員”が入力され、難易度として“中”が入力され、予測項目として“球種”が入力されている。
【0044】
端末装置10Bは、スタートボタン634の選択入力を受け付けると、領域632に入力されたテスト条件情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、テスト条件情報に合致するテスト用動画を検索して、端末装置10Bに送信する。このとき検索されるテスト用動画は、投手の投球動作の所定タイミング(例えば、リリースタイミング)よりも後の動作が視認できないように編集された編集後動画である。端末装置10Bは、検索されたテスト用の動画636を再生し、回答用の球種の選択肢を領域638に表示する。
【0045】
動画636の再生が進むと、図8のように黒画像が表示される。ユーザBは、リリースタイミングまでの投球動作を視認することにより、球種を予測する。図8の例では、ユーザBは自身の予測結果として球種“ストレート”を選択する。ユーザBの球種の選択入力に時間制限が設けられる構成(例えば、選択入力が可能な時間を黒画像が表示されてから所定時間経過後までとする等)であってもよい。端末装置10Bは、予測結果と、動画636に関連付けられた投球関連データとに基づいて、予測結果と実際の球種とが一致しているか否かと判定する。図8の例では、予測結果と実際の球種とが一致していると判定され、判定結果642として“正解”が表示される。端末装置10Bは、正解または不正解の表示後、次の問題の動画を再生する。以降、上記と同様の処理が繰り返される。
【0046】
ここで、テストの難易度について説明する。投手の一連の投球動作のうちのどのタイミングまでユーザBが視認できるのかによって、テストの難易度は変化する。例えば、図5の編集画面においては、リリースタイミングよりも後のフレームからは、黒画面が表示されるように動画を編集する構成について説明した。この場合、テスト動画を視認するユーザBは、投手のリリースタイミングよりも後の投球動作を確認できないため、リリースタイミングまでの投球動作で球種を予測する必要がある。本実施の形態では、この場合のテストの難易度を“中”とする。
【0047】
図5の編集画面において、リリースタイミングよりも数フレーム(例えば、2フレーム)前のフレームから黒画面が表示されるように動画を編集したとする。この場合、ユーザBは、リリースタイミングよりも数フレーム前のタイミングまでの投球動作(すなわち、リリース前までの投球動作)で球種を予測する必要があるため、球種予測が難しくなる。本実施の形態では、この場合のテストの難易度を“高”とする。一方、図5の編集画面において、リリースタイミングよりも数フレーム(例えば、2フレーム)後のフレームから黒画面が表示されるように動画を編集したとする。この場合、ユーザBは、リリースタイミングよりも数フレーム後のタイミングまでの投球動作を視認できる。そのため、上記の例よりも球種予測が簡単になる。本実施の形態では、この場合のテストの難易度を“低”とする。このように、本実施の形態では、投球動作の画像が表示される区間と、黒画面が表示される区間とを調整する動画編集を行なうことによって、テストの難易度を変更することができる。
【0048】
端末装置10Bは、すべての問題に対するユーザBの回答が終了すると、結果をサーバ20に送信する(シーケンスSQ7)。例えば、端末装置10Bは、各問題について、ユーザBの回答結果と、正解または不正解を示す判定結果とをサーバ20に送信する。
【0049】
サーバ20は、回答結果および判定結果を受信して保存する(シーケンスSQ8)。例えば、サーバ20は、各問題の動画に映っている投手の識別情報(例えば、投手名)と、動画の視認者(テストの回答者)であるユーザBの識別情報(例えば、打者名)と、投球動作に対応する事象(例えば、球種)と、各問題におけるユーザBの回答の判定結果(正誤結果)とを関連付けたデータベースを記憶する。
【0050】
各端末装置10A,10Bは、サーバ20のデータベースにアクセスして、各種結果をディスプレイ110に表示する。ここでは、ユーザB(例えば、打者)が端末装置10Bを用いて、各種結果を確認する例について説明する。なお、ユーザA(例えば、指導者)が端末装置10Aを用いて、各種結果を確認してもよい。
【0051】
まず、投手の結果表示の例について説明する。端末装置10Bは、図3のトップ画面500において、ユーザBからボタン550の入力を受け付けると、図9の投手の結果確認画面650を表示する。ユーザBは、結果確認画面650において、確認したい結果表示の条件を領域652に入力する。図9の例では、確認対象の投手として“投手P1”と“投手P2”とが入力され、各投手の動画を視認した打者として“全員”が入力され、投球日として“2019/12/1~2020/1/30”が入力され、難易度として“中”が入力され、予測項目として“球種”が入力され、希望する表示結果として“球種別の被正解率”が入力されている。
【0052】
端末装置10Bは、結果表示ボタン654の選択入力を受け付けると、領域652に入力された条件情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、条件情報に基づいてデータベースを参照して、投手P1,P2の各テスト動画を視認した打者全員の予測結果の正解数を球種別に集計し、集計結果から球種別の被正解率を算出する。サーバ20は、結果表示のための算出結果を端末装置10Bに送信する。端末装置10Bは、サーバ20から提供された算出結果(球種別の正解率)を領域656に表示する。
【0053】
図9の結果表示によると、投手P1の場合、打者に最も予測され易い球種は“ストレート”であり、打者に最も予測され難い球種は“チェンジアップ”である。投手P2の場合、打者に最も予測され易い球種は“チェンジアップ”であり、打者に最も予測され難い球種は“スライダー”である。例えば、投手P2の場合には、特にチェンジアップの被正解率(80%)が高い。そのため、投手P2の球種“チェンジアップ”は、投手P2の投球動作から打者に予測され易いため、打者にとっては打ち易い球種であるといえる。したがって、投手P2は、投手P1に予測され難いチェンジアップの投げ方のコツを聞いて、予測され易い自身の投げ方の原因を特定し、スキルアップを図ることができる。
【0054】
次に、打者の結果表示の例について説明する。端末装置10Bは、図3のトップ画面500において、ユーザBからボタン560の入力を受け付けると、図10の打者の結果確認画面660を表示する。ユーザBは、結果確認画面660において、確認したい結果表示の条件を領域662に入力する。図10の例では、確認対象の打者として“打者K1”と“打者K2”とが入力され、打者が視認した投手として“右投手”が入力され、投球日として“2019/12/1~2020/1/30”が入力され、難易度として“中”および“低”が入力され、予測項目として“球種”が入力され、希望する表示結果として“難易度別の正解率”および“投手別の正解率”が入力されている。
【0055】
端末装置10Bは、結果表示ボタン664の選択入力を受け付けると、領域662に入力された条件情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、条件情報に基づいてデータベースを参照して、打者K1,K2の予測結果の正解数を難易度別に集計し、集計結果から難易度別の正解率を算出する。また、サーバ20は、条件情報に基づいてデータベースを参照して、打者K1,K2の予測結果の正解数を投手別に集計し、集計結果から投手別の正解率を算出する。サーバ20は、結果表示のための算出結果を端末装置10Bに送信する。端末装置10Bは、サーバ20から提供された難易度別の正解率を領域666に表示し、投手別の正解率を領域668に表示する。
【0056】
図10の難易度別の結果表示によると、難易度“中”の場合には、打者K1の正解率(40%)の方が打者K2の正解率(20%)よりも高いが、難易度“低”の場合には、打者K2の正解率(80%)の方が打者K1の正解率(60%)よりも高い。このことから、ボールをリリースするまでの投球動作に基づく球種予測については、打者K1の方が打者K2よりも得意であると予想される。一方、リリース後の投球動作やボール軌道に基づく球種予測については、打者K2の方が打者K1よりも得意であると予想される。このことから、投手の動作が遮蔽される(すなわち、黒画面が表示される)タイミングが異なる各難易度のテスト結果を比較することによって、各打者がどのタイミングでの球種予測を得意としているのかを把握できる。また、各打者の球種予測にとって必要な情報がどのタイミングであるのかを特定することもできる。
【0057】
図10の投手別の結果表示によると、投手P1に関しては、打者K2の正解率(70%)の方が打者K1の正解率(30%)よりも高いが、投手P2に関しては、打者K1の正解率(70%)の方が打者K2の正解率(30%)よりも高い。このことから、打者K1は、投手P2の投球動作に基づく球種予測を得意としており、打者K2は、投手P1の投球動作に基づく球種予測を得意としている。そのため、打者K1は、投手P1の投球の球種予測のコツを打者K2に聞いてスキルアップを図ることでき、打者K2は、投手P2の投球の球種予測のコツを打者K1に聞いてスキルアップを図ることができる。
【0058】
<機能構成>
図11は、評価システム1000の機能構成の一例を示すブロック図である。図11を参照して、評価システム1000は、動画編集部202と、第1表示制御部204と、情報格納部206と、抽出部208と、第2表示制御部210と、入力部212と、判定部214とを含む。動画編集部202および第1表示制御部204は、端末装置10Aにより実現される。情報格納部206および抽出部208は、サーバ20により実現される。第2表示制御部210、入力部212および判定部214は、端末装置10Bにより実現される。端末装置10Aおよび10Bの各機能は、典型的には、CPU102がメモリ104に格納されたプログラムを実行することによって実現される。サーバ20の抽出部208は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0059】
端末装置10Aの第1表示制御部204は、図3のトップ画面500、図4の登録画面600および図5の編集画面610をディスプレイ110に表示する。端末装置10Aの動画編集部202は、ユーザA(指導者)からの指示入力に従って、予測能力を評価するためのテスト用動画の編集を行なう。編集後動画は、対戦型スポーツ(例えば、野球)における競技者(例えば、投手)の一連の動作(例えば、投球動作)に対応する事象(例えば、球種)の予測能力を評価するための動画である。具体的には、編集後動画は、一連の動作のうちの所定タイミングまでの動作を表わす動画が表示される第1区間と、第1区間に続いて、一連の動作を表わす画像とは異なる他の画像(例えば、黒画像)を含む動画が表示される第2区間とを含む。
【0060】
例えば、所定タイミングが、ボールをリリースするタイミングに設定された場合、第1区間は、投球動作の動画の全区間のうち、開始フレームからリリースタイミングのフレームまでの区間であり、第2区間は、リリースタイミングの次のフレームから最終フレームまでの区間である。なお、所定タイミングは、リリースタイミングよりも数フレーム(例えば、2フレーム)前のタイミングに設定されてもよい。この場合、難易度の高いテスト用動画が生成される。また、所定タイミングが、リリースタイミングよりも数フレーム(例えば、2フレーム)後のタイミングに設定されると、難易度の低いテスト用動画が生成される。
【0061】
投球関連データと関連付けられた編集後動画および編集前動画は、端末装置10Aからサーバ20に送信される。サーバ20の情報格納部206は、投球関連データに関連付けられた編集後動画および編集前動画を格納する。なお、編集前動画は、競技者(例えば、投手)の一連の動作(例えば、投球動作)すべてを表わす動画である。
【0062】
端末装置10Bの第2表示制御部210は、図3のトップ画面500、図6の練習画面620、図7のテスト画面630、図8のテスト画面640、図9の結果確認画面650、および図10の結果確認画面660をディスプレイ110に表示する。
【0063】
具体的には、テスト画面630において、第2表示制御部210は、サーバ20から投球関連データに関連付けられた編集後動画(例えば、動画636)をダウンロードし、編集後動画を表示する。入力部212は、編集後動画を視認したユーザB(例えば、打者)から、投球動作に対応する事象(例えば、球種)の予測結果の入力を受け付ける。判定部214は、打者による球種の予測結果と、投球動作に対応する球種(すなわち、実際の球種)とが一致しているか否かを判定する。なお、投球動作に対応する球種は、投球関連データに基づく球種である。第2表示制御部210は、判定部214の判定結果をディスプレイ110に表示する。
【0064】
また、練習画面620において、第2表示制御部210は、投球関連データに関連付けられた編集前動画(例えば、動画626)をダウンロードし、編集前動画と、球種を示す情報(例えば、投球関連データ)とを同時にディスプレイ110に表示する。他の例として、練習画面において、第2表示制御部210は、編集後動画(例えば、動画636)と、球種を示す情報とを同時にディスプレイ110に表示してもよい。この場合、実際の球種を確認しつつ、所定タイミングまでの動作で球種を予測する能力を訓練することができる。
【0065】
また、情報格納部206は、編集後動画に映っている競技者の識別情報と、編集後動画を見て問題に回答した視認者の識別情報と、一連の動作に対応する事象と、視認者による予測結果の正誤の判定結果とを関連付けたデータベースを格納する。識別情報は、一意な情報であればよく、識別番号、名前等である。
【0066】
抽出部208は、情報格納部206に格納されたデータベースを参照して、ユーザBによって入力された条件に基づく結果を抽出する。入力された条件が図9の領域652に示される条件である場合、抽出部208は、当該条件に合致する抽出結果として、球種別の被正解率を抽出する。入力された条件が図10の領域662に示される条件である場合、抽出部208は、当該条件に合致する抽出結果として、難易度別の正解率と投手別の正解率を抽出する。第2表示制御部210は、抽出部208の抽出結果を表示する。
【0067】
<実施例>
上述したテストを複数の打者に対して行なった実施例について説明する。本実施例では、投手X1~X4の各々が、球種“ストレート”、“スライダー”および“カーブ”を投球する様子を撮影した各動画が用意された。各動画は、図5で説明したように、リリースタイミングより後の投球動作を遮断するように編集された。打者E1~E16の各々は、各動画を視認して、図7および図8で説明したような球種予測の評価テストを実施した。
【0068】
図12は、情報テーブル700を示す図である。情報テーブル700は、各投手X1~X4が投げたボールの球種予測の正解数を打者E1~E16ごとに示している。例えば、最も多くの合計正解数(29個)を有する打者E8,E9,E15に着目する。打者E8は、投手X1~X4のいずれの投手に対しても、比較的多くの正解数を有している。しかし、打者E9は、投手X2についての正解数(2個)が少なく、投手X3についての正解数(11個)が多い。また、打者E15は、投手X3についての正解数(3個)が少なく、投手X1についての正解数(12)が多い。このことから、球種予測し易い投手は、打者によって異なるといえる。そのため、各打者で情報テーブル700を確認して、球種予測のコツを共有することによって、各打者の球種予測能力を向上させることができる。
【0069】
図13は、情報テーブル710を示す図である。情報テーブル710は、各投手X1~X4が投げたボールの球種別の被正解率を示している。例えば、投手X1においては、スライダーの被正解率(24.6%)は低いため予測され難いが、チェンジアップの被正解率(66.9%)は高いため予測され易い。また、投手X2においては、チェンジアップの被正解率(21.2%)は低いため予測され難い。このことから、投手によって、予測され難い球種は異なるといえる。そのため、各投手で情報テーブル710を確認して、打者に予測され難い球種の投げ方のコツを共有することによって、各投手の投球スキルを向上させることができる。
【0070】
上記の図12および図13の各結果をチーム内で共有することによりチーム全体のスキルアップを図ることもできる。
【0071】
<利点>
本実施の形態によると、対戦型スポーツにおける競技者の動作を視認した視認者の予測能力を向上させることができる。また、競技者は、視認者による予測結果の正誤の判定結果を確認することによって、自身の動作の改善の必要性などを認識することができる。
【0072】
<その他の実施の形態>
(1)上述したテスト画面630において、打者K1が動画636を視認して、球種を予測する場面について説明した。この場合、打者が右打ちか左打ちかに応じて、カメラ位置の異なる動画を表示する構成であってもよい。なお、練習画面620についても同様である。
【0073】
(2)上述した実施の形態では、野球を対戦型スポーツの一例として説明したが、ある選手が行なった動作に対して対戦相手となる選手が動作を行なう競技であればよく、野球に限られない。例えば、テニスであれば、サーバーによるサーブ動作が、上記の“投手の投球動作”に対応し、レシーバーのレシーブ動作が上記の“打者の打撃動作”に対応する。なお、サーブ動作の所定タイミングは、例えば、テニスボールをラケットで打撃するタイミングである。また、サッカーのPKであれば、キッカーによるボールの打撃動作が“投手の投球動作”に対応し、キーパーによるセービング動作が“打者の打撃動作”に対応する。なお、打撃動作の所定タイミングは、例えば、サッカーボールを足で打撃するタイミングである。同様に、卓球、バドミントン、クリケット等のような打球具を用いる競技、あるいは打具(竹刀)を用いる剣道等のような競技でも、本実施の形態を適用できると考えられる。
【0074】
(3)上述した実施の形態では、評価システム1000は、端末装置10A,10Bと、サーバ20とを含む構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、評価システム1000は、1つの端末装置10と、サーバ20とを含む構成であってもよい。この場合、端末装置10の機能は、図11に示す動画編集部202、第1表示制御部204、第2表示制御部210、入力部212および判定部214とを含む。また、例えば、評価システム1000は、1つの端末装置10のみを含む構成であってもよい。この場合、端末装置10の機能は、図11に示す端末装置10A,10Bおよびサーバ20のすべての機能を有する。
【0075】
(4)上述した実施の形態では、図1および図5で説明したように、端末装置10Aにおいて動画編集を行なう構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、以下のような流れで動画編集が行われる構成であってもよい。
【0076】
具体的には、端末装置10AのユーザAは、投手P1がボールをリリースするタイミングのフレームを選択し、投球関連データを入力する。そして、端末装置10Aは、編集前の動画612に、選択されたリリースタイミングのフレームと投球関連データとを関連付けて、サーバ20に送信する。サーバ20は、編集前の動画612に、リリースタイミングのフレームと投球関連データとを関連付けて保存する。
【0077】
次に、サーバ20は、端末装置10Bからテスト条件情報を受信する。サーバ20は、テスト条件情報に含まれる難易度に基づいて、編集前の動画612を編集する。例えば、難易度が“低”である場合には、サーバ20は、編集前の動画612に関連付けられたリリースタイミングよりも数フレーム(例えば、2フレーム)後のフレームから黒画面が表示されるように動画612を編集する。難易度が“中”である場合には、サーバ20は、リリースタイミングよりも後のフレームからは、黒画面が表示されるように動画612を編集する。難易度が“高”である場合には、サーバ20は、リリースタイミングよりも数フレーム前のフレームから黒画面が表示されるように動画612を編集する。
【0078】
そして、サーバ20は、テスト条件情報に含まれる難易度に基づいて編集した動画を端末装置10Bに送信する。端末装置10Bは、当該編集された動画を再生し、回答用の球種の選択肢を表示する。
【0079】
この場合、図11において、端末装置10Aの機能構成として説明した動画編集部202は、サーバ20に含まれる。サーバ20の情報格納部206は、端末装置10Aから送信された、リリースタイミングを示す情報が関連付けられた編集前動画を格納している。サーバ20の動画編集部202は、端末装置10Bから受信したテスト条件情報に含まれる難易度と、編集前動画とに基づいて、予測能力を評価するためのテスト用動画の編集を行ない、第1区間と第2区間とを含む編集後動画を生成する。
【0080】
(5)上述した実施の形態では、難易度を“低”、“中”、“高”の3段階としていたが、当該構成に限られず、難易度は、4段階以上で設定できる場合であってもよい。例えば、テスト条件として、“-n”~“+n”で難易度を設定できる構成であってもよい。この場合、“-n”の難易度の動画は、リリースタイミングよりもnフレーム前のフレームから黒画面が表示されるように動画が編集される。“+n”の難易度の動画は、リリースタイミングよりもnフレーム後のフレームから黒画面が表示されるように動画が編集される。したがって、“n”がプラス方向に大きくなるほど難易度は低く、マイナス方向に大きくなるほど難易度は高い。
【0081】
(6)上述した実施の形態において、コンピュータを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、ROM、RAMおよびメモリカードなどの一時的でないコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0082】
(7)上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0084】
10A,10B 端末装置、20 サーバ、102 CPU、104 メモリ、106 タッチパネル、108 ボタン、110 ディスプレイ、112 無線通信部、113 通信アンテナ、114 メモリインターフェイス、115 記録媒体、116 スピーカ、118 マイク、202 動画編集部、204 第1表示制御部、206 情報格納部、208 抽出部、210 第2表示制御部、212 入力部、214 判定部、500 トップ画面、600 登録画面、610 編集画面、612,626,636 動画、613 ボタン群、620 練習画面、630,640 テスト画面、650,660 結果確認画面、1000 評価システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13