(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】魚提案システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240725BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2020116099
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】志村 和広
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-203133(JP,A)
【文献】特開2012-088818(JP,A)
【文献】特開2010-197151(JP,A)
【文献】国際公開第2019/103880(WO,A1)
【文献】特開2013-069259(JP,A)
【文献】特開2002-297966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入希望条件を満たす魚を提案する魚提案システムであって、
前記魚提案システムは、
魚の尾の断面を撮影した画像データと、当該魚の品質を示す品質データとの関係を、機械学習により分析する第1機械学習部と、
判定対象の魚の尾の断面の画像データが入力される第1入力部と、
前記第1機械学習部で分析した関係に基づいて、前記第1入力部で入力された判定対象の魚の尾の断面の画像データを入力として、前記判定対象の魚の品質を推定して出力する第1推定部と、
前記魚の品質データ及び前記魚の重量を示す重量データと、当該魚の価格を示す価格データとの関係を、機械学習により分析する第2機械学習部と、
判定対象の魚の重量データが入力される第2入力部と、
前記第2機械学習部で分析した関係に基づいて、前記第1推定部から出力された前記判定対象の魚の品質データ及び前記第2入力部で入力された前記判定対象の魚の重量データを入力として、前記判定対象の魚の価格を推定して出力する第2推定部と、
前記第1推定部から出力された前記魚の品質データと、前記第2入力部から入力された前記魚の重量データと、前記第2推定部から出力された前記魚の価格データとを、関連付けて記憶するデータベース部と、
前記購入希望条件として、購入希望の魚の品質データと重量データと価格データを、ユーザ装置から取得するデータ取得部と、
前記データ取得部で取得した前記購入希望の魚の品質データと重量データと価格データと、前記データベース部に記憶された前記魚の品質データと重量データと価格データとを比較して、前記購入希望条件を満たす魚を出力する条件比較部と、
前記条件比較部から出力された前記購入希望条件を満たす魚のデータを、前記ユーザ装置に送信するデータ送信部と、
を備える、魚提案システム。
【請求項2】
前記データベース部には、前記魚の保管場所を示す保管場所データが、当該魚の品質データと重量データと価格データと関連付けて記憶されており、
前記データ取得部は、前記購入希望条件として、前記購入希望の魚の納品日を示す納品日データと前記購入希望の魚の納品場所を示す納品場所データを、前記ユーザ装置から取得し、
前記条件比較部は、前記データ取得部で取得した前記購入希望の魚の納品日データ及び納品場所データと前記データベース部に記憶された前記魚の保管場所データとに基づいて、前記納品日までに前記納品場所に納品できる魚を、前記購入希望条件を満たす魚として出力する、請求項1に記載の魚提案システム。
【請求項3】
購入希望条件を満たす魚を提案する魚提案システムで実行される方法であって、
魚の尾の断面を撮影した画像データと、当該魚の品質を示す品質データとの関係を、機械学習により分析する第1機械学習ステップと、
判定対象の魚の尾の断面の画像データが入力される第1入力ステップと、
前記第1機械学習ステップで分析した関係に基づいて、前記第1入力ステップで入力された判定対象の魚の尾の断面の画像データを入力として、前記判定対象の魚の品質を推定して出力する第1推定ステップと、
前記魚の品質データ及び前記魚の重量を示す重量データと、当該魚の価格を示す価格データとの関係を、機械学習により分析する第2機械学習ステップと、
判定対象の魚の重量データが入力される第2入力ステップと、
前記第2機械学習ステップで分析した関係に基づいて、前記第1推定ステップから出力された前記判定対象の魚の品質データ及び前記第2入力ステップで入力された前記判定対象の魚の重量データを入力として、前記判定対象の魚の価格を推定して出力する第2推定ステップと、
前記第1推定ステップから出力された前記魚の品質データと、前記第2入力ステップから入力された前記魚の重量データと、前記第2推定ステップから出力された前記魚の価格データとを、関連付けてデータベース部に記憶する記憶ステップと、
前記購入希望条件として、購入希望の魚の品質データと重量データと価格データを、ユーザ装置から取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得した前記購入希望の魚の品質データと重量データと価格データと、前記データベース部に記憶された前記魚の品質データと重量データと価格データとを比較して、前記購入希望条件を満たす魚を出力する条件比較ステップと、
前記条件比較
ステップで出力された前記購入希望条件を満たす魚のデータを、前記ユーザ装置に送信するデータ送信ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚(特に、マグロ)の品質を判定する機能を備えた魚の買い付けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚介類の鮮度を評価する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、従来から、魚の卸売市場などで、マグロの尾の断面をみて、マグロの品質が判定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マグロの尾の断面からマグロの品質を判定するには、長年の経験が必要であり、かなりの熟練者でなければ、マグロの品質を判定することは困難であった。そのため、誰でも(熟練者でなくても)マグロの品質を判定することができるシステムの開発が望まれていた。また、マグロの買い付けは、仲卸や小売りを行う業者が、各地の水産工場などを訪れて行っていた。そのため、マグロの買い付けを遠隔から容易に行うことができるシステムの開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、熟練者でなくても魚の品質を判定することができ、魚の買い付けを遠隔から容易に行うことのできる魚の買い付けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の魚の買い付けシステムは、魚の尾の断面を撮影した画像データと、当該魚の品質を示す品質データとの関係を、機械学習により分析する第1機械学習部と、判定対象の魚の尾の断面の画像データが入力される第1入力部と、前記第1機械学習部で分析した関係に基づいて、前記第1入力部で入力された判定対象の魚の尾の断面の画像データを入力として、前記判定対象の魚の品質を推定して出力する第1推定部と、前記魚の品質データ及び前記魚の重量を示す重量データと、当該魚の価格を示す価格データとの関係を、機械学習により分析する第2機械学習部と、判定対象の魚の重量データが入力される第2入力部と、前記第2機械学習部で分析した関係に基づいて、前記第1推定部から出力された前記判定対象の魚の品質データ及び前記第2入力部で入力された前記判定対象の魚の重量データを入力として、前記判定対象の魚の価格を推定して出力する第2推定部と、前記第1推定部から出力された前記魚の品質データと、前記第2入力部から入力された前記魚の重量データと、前記第2推定部から出力された前記魚の価格データとを、関連付けて記憶するデータベース部と、購入希望の魚の品質データと重量データと価格データを、購入希望条件として、ユーザ装置から取得するデータ取得部と、前記データ取得部で取得した前記購入希望の魚の品質データと重量データと価格データと、前記データベース部に記憶された前記魚の品質データと重量データと価格データとを比較して、前記購入希望条件を満たす魚を出力する条件比較部と、前記ユーザ装置からのユーザ入力に基づいて、前記条件比較部から出力された前記購入希望条件を満たす魚の中から前記ユーザが購入する魚が選択された場合に、選択された魚の発注処理を行う発注処理部と、を備えている。
【0007】
この構成によれば、機械学習を利用することにより、熟練者でなくても魚の品質を判定することができる。第1推定部から出力された魚の品質データと、第2入力部から入力された魚の重量データと、第2推定部から出力された魚の価格データとが、関連付けてデータベース部に記憶される。ユーザ装置から、購入希望の魚の品質データと重量データと価格データを購入希望条件として取得すると、データベース部に記憶された魚の品質データと重量データと価格データとを比較して、購入希望条件を満たす魚が出力される。そして、ユーザ装置からのユーザ入力に基づいて、出力された購入希望条件を満たす魚の中からユーザが購入する魚が選択された場合に、選択された魚の発注処理が行われる。このようにして、購入希望の魚の品質と重量と価格を入力し、出力された購入希望条件を満たす魚の中から購入する魚を選択することにより、魚の買い付けを遠隔からでも容易に行うことができる。
【0008】
また、本発明の魚の買い付けシステムでは、前記データベース部には、前記魚の保管場所を示す保管場所データが、当該魚の品質データと重量データと価格データと関連付けて記憶されており、前記データ取得部は、前記購入希望条件として、前記購入希望の魚の納品日を示す納品日データと前記購入希望の魚の納品場所を示す納品場所データを、前記ユーザ装置から取得し、前記条件比較部は、前記データ取得部で取得した前記購入希望の魚の納品日データ及び納品場所データと前記データベース部に記憶された前記魚の保管場所データとに基づいて、前記納品日までに前記納品場所に納品できる魚を、前記購入希望条件を満たす魚として出力してもよい。
【0009】
この構成によれば、魚の保管場所データが、その魚の品質データと重量データと価格データと関連付けて、データベース部に記憶される。ユーザ装置から、購入希望の魚の納品日データと納品場所データを取得すると、納品日までに納品場所に納品できる魚が、購入希望条件を満たす魚として出力される。このようにして、納品日までに納品場所に納品できる魚の買い付けを容易に行うことができる。
【0010】
本発明の方法は、魚の買い付けシステムで実行される方法であって、魚の尾の断面を撮影した画像データと、当該魚の品質を示す品質データとの関係を、機械学習により分析する第1機械学習ステップと、判定対象の魚の尾の断面の画像データが入力される第1入力ステップと、前記第1機械学習ステップで分析した関係に基づいて、前記第1入力ステップで入力された判定対象の魚の尾の断面の画像データを入力として、前記判定対象の魚の品質を推定して出力する第1推定ステップと、前記魚の品質データ及び前記魚の重量を示す重量データと、当該魚の価格を示す価格データとの関係を、機械学習により分析する第2機械学習ステップと、判定対象の魚の重量データが入力される第2入力ステップと、前記第2機械学習ステップで分析した関係に基づいて、前記第1推定ステップから出力された前記判定対象の魚の品質データ及び前記第2入力ステップで入力された前記判定対象の魚の重量データを入力として、前記判定対象の魚の価格を推定して出力する第2推定ステップと、前記第1推定ステップから出力された前記魚の品質データと、前記第2入力ステップから入力された前記魚の重量データと、前記第2推定ステップから出力された前記魚の価格データとを、関連付けてデータベース部に記憶する記憶ステップと、購入希望の魚の品質データと重量データと価格データを、購入希望条件として、ユーザ装置から取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップで取得した前記購入希望の魚の品質データと重量データと価格データと、前記データベース部に記憶された前記魚の品質データと重量データと価格データとを比較して、前記購入希望条件を満たす魚を出力する条件比較ステップと、前記ユーザ装置からのユーザ入力に基づいて、前記条件比較ステップから出力された前記購入希望条件を満たす魚の中から前記ユーザが購入する魚が選択された場合に、選択された魚の発注処理を行う発注処理ステップと、を含んでいる。
【0011】
この方法によっても、上記のシステムと同様に、機械学習を利用することにより、熟練者でなくても魚の品質を判定することができる。また、購入希望の魚の品質と重量と価格を入力し、出力された購入希望条件を満たす魚の中から購入する魚を選択することにより、魚の買い付けを遠隔からでも容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熟練者でなくても魚の品質を判定することができ、魚の買い付けを遠隔から容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態における買い付けシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態における魚(マグロ)の尾の断面の画像データの一例である。
【
図3】データベース部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における買い付けシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態の魚の買い付けシステムについて、図面を用いて説明する。本実施の形態では、遠隔からのマグロの買い付け等に用いられる買い付けシステム(遠隔買い付けシステム)の場合を例示する。
【0015】
本実施の形態の買い付けシステムの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の買い付けシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、買い付けシステム1は、サーバ装置2と、ユーザ装置3で構成されている。サーバ装置2とユーザ装置3は、ネットワーク4で互いに通信可能に接続されている。例えば、サーバ装置2は、マグロの買い付けサービスの提供者が所有するクラウドサーバ等であり、ユーザ装置3は、仲卸や小売りを行う業者が所有するスマートフォン等の端末装置である。
【0016】
図1に示すように、サーバ装置2は、第1機械学習部20と、第1入力部21と、第1推定部22と、第2機械学習部23と、第2入力部24と、第2推定部25と、データ取得部26と、条件比較部27と、発注処理部28と、データベース部(DB部)29を備えている。
【0017】
第1機械学習部20は、マグロの尾の断面を撮影した画像データ(
図2参照)と、そのマグロの品質を示す品質データとの関係を、機械学習により分析する。この機械学習には、ニューラルネットワークによるディープラーニング等の任意の手法が用いられる。
【0018】
例えば、ニューラルネットワークであれば、マグロの尾の断面の画像データを入力層に入力し、そのマグロの品質データを出力層から出力するように構成する。そして、入力層に入力するデータと出力層から出力されるデータとが紐付けられた分析用データ(教師データ)を用いた教師あり学習によって、ニューラルネットワークのニューロン間の重み付け係数が最適化される。品質の教師データとしては、熟練者がそのマグロの尾の断面から判断した、そのマグロの品質のデータ(例えば、評価S、A、B、Cなど)が用いられる。
【0019】
第1入力部21には、判定対象のマグロの尾の断面の画像データが入力される。判定対象のマグロの尾の断面の画像データは、例えば各地の水産工場でマグロの尾の断面を撮影することによって取得される。
【0020】
第1推定部22は、第1機械学習部20で分析した関係に基づいて、第1入力部21で入力された判定対象のマグロの尾の断面の画像データを入力として、判定対象のマグロの品質を推定して出力する。例えば、上記のニューラルネットワークであれば、判定対象のマグロの尾の断面の画像データを入力層に入力し、その判定対象のマグロの品質を推定して出力を出力層から出力することにより、判定対象のマグロの品質の推定が行われる。
【0021】
第2機械学習部23は、マグロの品質データ及びマグロの重量を示す重量データと、そのマグロの価格を示す価格データとの関係を、機械学習により分析する。この機械学習には、ニューラルネットワークによるディープラーニング等の任意の手法が用いられる。
【0022】
例えば、ニューラルネットワークであれば、マグロの品質データとそのマグロの重量データを入力層に入力し、そのマグロの価格データを出力層から出力するように構成する。そして、入力層に入力するデータと出力層から出力されるデータとが紐付けられた分析用データ(教師データ)を用いた教師あり学習によって、ニューラルネットワークのニューロン間の重み付け係数が最適化される。価格の教師データとしては、そのマグロの市場での落札価格(例えば、1キログラムあたりの金額など)のデータが用いられる。
【0023】
第2入力部24には、判定対象のマグロの重量データが入力される。判定対象のマグロの重量データは、例えば各地の水産工場でマグロの重量を測定することによって取得される。
【0024】
第2推定部25は、第2機械学習部23で分析した関係に基づいて、第1推定部22から出力された判定対象のマグロの品質データ及び第2入力部24で入力された判定対象のマグロの重量データを入力として、判定対象のマグロの価格を推定して出力する。例えば、上記のニューラルネットワークであれば、判定対象のマグロの品質データ及びそのマグロの重量データを入力層に入力し、その判定対象のマグロの価格を推定して出力を出力層から出力することにより、判定対象のマグロの価格の推定が行われる。なお、推定された価格は、購入希望条件を満たすか否かの条件比較(後述する)に用いられるものであり、実際に購入するときの価格と必ずしも同じでなくてもよい。
【0025】
データベース部29には、第1推定部22から出力されたマグロの品質データと、第2入力部24から入力されたマグロの重量データと、第2推定部25から出力されたマグロの価格データと、マグロの保管場所を示す保管場所データが、関連付けて記憶される(
図3参照)。
【0026】
データ取得部26は、購入希望のマグロの品質データと重量データと価格データを、購入希望条件として、ユーザ装置3から取得する。また、データ取得部26は、購入希望条件として、購入希望のマグロの納品日を示す納品日データと購入希望のマグロの納品場所を示す納品場所データを、ユーザ装置3から取得する。
【0027】
条件比較部27は、データ取得部26で取得した購入希望のマグロの品質データと重量データと価格データと、データベース部29に記憶されたマグロの品質データと重量データと価格データとを比較して、購入希望条件を満たすマグロを出力する。また、条件比較部27は、データ取得部26で取得した購入希望のマグロの納品日データ及び納品場所データとデータベース部29に記憶されたマグロの保管場所データとに基づいて、納品日までに納品場所に納品できるマグロを、購入希望条件を満たすマグロとして出力する。
【0028】
発注処理部28は、ユーザ装置3からのユーザ入力に基づいて、条件比較部27から出力された購入希望条件を満たすマグロの中からユーザが購入するマグロが選択された場合に、選択されたマグロの発注処理を行う。マグロの発注処理は、公知の技術を利用することができる。
【0029】
ユーザ装置3は、ユーザ入力部30と、表示部31を備えている。ユーザ入力部30からは、購入希望条件などのユーザ入力が行われる。表示部31には、条件比較部27から出力された購入希望条件を満たすマグロが表示される。ユーザ入力部30からは、表示部31に表示された購入希望条件を満たすマグロの中からユーザが購入するマグロを選択するユーザ入力を行うことができる。
【0030】
以上のように構成された買い付けシステム1について、
図4のシーケンス図を参照してその動作を説明する。
【0031】
図4に示すように、本実施の形態の買い付けシステム1では、サーバ装置2の第1機械学習部20で、マグロの尾の断面を撮影した画像データと、そのマグロの品質を示す品質データとの関係が、機械学習(第1機械学習)により分析される(S10)。サーバ装置2の第1入力部21に、判定対象のマグロの尾の断面の画像データが入力されると(S11)、サーバ装置2の第1推定部22が、第1機械学習で分析した関係に基づいて、判定対象のマグロの尾の断面の画像データを入力として、判定対象のマグロの品質を推定して出力する(S12)。
【0032】
また、サーバ装置2の第2機械学習部23では、マグロの品質データ及びマグロの重量を示す重量データと、そのマグロの価格を示す価格データとの関係が、機械学習(第2機械学習)により分析される(S13)。サーバ装置2の第2入力部24に、判定対象のマグロの重量データが入力されると(S14)、サーバ装置2の第2推定部25が、第2機械学習で分析した関係に基づいて、第1推定部22が出力した判定対象のマグロの品質データ及び第2入力部24に入力された判定対象のマグロの重量データを入力として、判定対象のマグロの価格を推定して出力する(S15)。
【0033】
第1推定部22から出力されたマグロの品質データと、第2入力部24から入力されたマグロの重量データと、第2推定部25から出力されたマグロの価格データは、マグロの保管場所を示す保管場所データとともに、互いに関連付けて、データベース部29に記憶される(S16)。
【0034】
ユーザ装置3のユーザ入力部30で、購入希望条件として、購入希望のマグロの品質データと重量データと価格データと納品日データと納品場所データを入力すると(S17)、入力された購入希望条件がサーバ装置2に送信される(S18)。サーバ装置2の条件比較部27は、購入希望のマグロの品質データと重量データと価格データと、データベース部29に記憶されたマグロの品質データと重量データと価格データとを比較して、購入希望条件を満たすマグロを出力する(S19)。このとき、サーバ装置2の条件比較部27は、購入希望のマグロの納品日データ及び納品場所データとデータベース部29に記憶されたマグロの保管場所データとに基づいて、納品日までに納品場所に納品できるマグロを、購入希望条件を満たすマグロとして出力する(S19)。
【0035】
サーバ装置2の条件比較部27から出力された購入希望条件を満たすマグロのデータが、ユーザ装置3へ送信されると(S20)、ユーザ装置3のユーザ入力部30で、購入希望条件を満たすマグロの中から購入するマグロを選択するユーザ入力が行われる(S21)。購入するマグロを選択するユーザ入力が行われると、ユーザ装置3からサーバ装置2へ、選択されたマグロの買い付け要求が送信され(S22)、サーバ装置2の発注処理部28で、選択されたマグロの発注処理が行われる(S23)。
【0036】
このような本実施の形態の買い付けシステム1によれば、機械学習を利用することにより、熟練者でなくてもマグロの品質を判定することができる。第1推定部22から出力されたマグロの品質データと、第2入力部24から入力されたマグロの重量データと、第2推定部25から出力されたマグロの価格データとが、関連付けてデータベース部29に記憶される。ユーザ装置3から、購入希望のマグロの品質データと重量データと価格データを購入希望条件として取得すると、データベース部29に記憶されたマグロの品質データと重量データと価格データとを比較して、購入希望条件を満たすマグロが出力される。そして、ユーザ装置3からのユーザ入力に基づいて、出力された購入希望条件を満たすマグロの中からユーザが購入するマグロが選択された場合に、選択されたマグロの発注処理が行われる。このようにして、購入希望のマグロの品質と重量と価格を入力し、出力された購入希望条件を満たすマグロの中から購入するマグロを選択することにより、マグロの買い付けを遠隔からでも容易に行うことができる。
【0037】
また、本実施の形態では、マグロの保管場所データが、そのマグロの品質データと重量データと価格データと関連付けて、データベース部29に記憶される。ユーザ装置3から、購入希望のマグロの納品日データと納品場所データを取得すると、納品日までに納品場所に納品できるマグロが、購入希望条件を満たすマグロとして出力される。このようにして、納品日までに納品場所に納品できるマグロの買い付けを容易に行うことができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように、本発明にかかる魚の買い付けシステムは、熟練者でなくても魚の品質を判定することができ、魚の買い付けを遠隔から容易に行うことができるという効果を有し、マグロの遠隔買い付けシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 買い付けシステム
2 サーバ装置
3 ユーザ装置
4 ネットワーク
20 第1機械学習部
21 第1入力部
22 第1推定部
23 第2機械学習部
24 第2入力部
25 第2推定部
26 データ取得部
27 条件比較部
28 発注処理部
29 データベース部
30 ユーザ入力部
31 表示部