(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】軒天用換気材
(51)【国際特許分類】
E04B 9/02 20060101AFI20240725BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20240725BHJP
E04B 1/64 20060101ALI20240725BHJP
E04D 13/16 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E04B9/02 300
E04B1/70 E
E04B1/64 B
E04D13/16 A
(21)【出願番号】P 2020164093
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167988
【氏名又は名称】河原 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】三澤 真
(72)【発明者】
【氏名】細谷 公隆
(72)【発明者】
【氏名】小林 政志
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-101395(JP,A)
【文献】特開2020-125647(JP,A)
【文献】特開2003-239422(JP,A)
【文献】特開2003-193614(JP,A)
【文献】特開2017-020251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00 - 9/36
E04B 1/70
E04B 1/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の軒裏部に取り付けられて、軒内部を外部と通気させる換気材であって、
軒裏部に固定される固定部と、前記固定部の下面に形成された箱体部とを備え、
前記固定部には、軒内部と前記箱体部内を通気する上方通気口が形成され、
前記箱体部は、
前記固定部の前記上方通気口より内方側から下方に延び、当該箱体部内と外部を通気する内方通気口が形成された第1側面部と、
前記第1側面部の前記内方通気口より下側から外方に延びる底面部と、
前記底面部から上方に延びる第2側面部と、
前記第2側面部から外方に延びる見切り部とを有し、
前記固定部と前記見切り部によって構成される軒天井材挿入部の上下方向の幅は
、外力が作用しない状態で8mm以上、12mm未満であり、前記見切り部が下方に弾性変位することにより、少なくとも12mm以上に拡大可能であり、
前記底面部の内方端に水抜き穴が形成され、前記底面部は、前記軒天井材挿入部の前記上下方向の幅が12mmに拡大した状態で、内方端が最も低くなっている、
軒天用換気材。
【請求項2】
前記固定部の前記上方通気口の内方側から下方に延びる第1垂れ壁を前記箱体部内に有する、
請求項1に記載の軒天用換気材。
【請求項3】
前記固定部の前記上方通気口の外方側から下方に延びる第2垂れ壁を前記箱体部内に有する、
請求項1または2に記載の軒天用換気材。
【請求項4】
前記軒天井材挿入部内に、前記第2側面部の上部からさらに上方に延びる立設部を有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の軒天用換気材。
【請求項5】
加工された1枚の金属板からなる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の軒天用換気材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建築物の軒天部に設けられ、軒内部の換気を行う換気用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の軒には、屋根裏の劣化防止や法上の要請から、換気構造を備えたものが求められる。従来から多く採用されている換気構造は、軒天井の軒先側または軒元側に換気材を設けるものである。より具体的には、軒先側換気では軒天井材の先端部と鼻隠しまたは破風板の間に、軒元側換気では軒天井材の基端部と外壁材の間に換気材を挟み込む。この換気材によって、軒天井の上下を連通する通気路が形成され、屋根と軒天井に挟まれた軒内部およびそれに連なる屋根裏の換気が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-073828号公報
【文献】特開平08-312017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、断面コ字状の天井板支持金具を壁面に取り付け、天井板の端部をこの天井板支持金具に挿入して支持する天井構造において、天井板支持金具の上下の面に換気孔が設けられた天井の換気構造が記載されている。この換気構造は軒天井にも適用可能とされる。しかし、軒天井材の厚さには8mm、12mm等の種類があるのに対して、特許文献1に記載された換気構造では、挿入された軒天井材をしっかりと支持するために、軒天井材の厚さに入口開口部の寸法を合わせた天井板支持金具を準備する必要があった。また、特許文献1に記載された天井板支持金具では、挿入された天井板側端部の下、および天井板側端と支持金具内壁面との間が通気路となるため、天井板の寸法のばらつきによって、換気面積が安定しないという問題があった。
【0005】
特許文献2には、換気孔が形成された換気部を、該換気孔を臨む位置に開閉弁が形成された開閉部に連結した換気用部材が記載されており、軒天井材は換気部の側面に形成された連結部に端縁に嵌合して連結される。特許文献2に記載された換気用部材では、軒天井材挿入部分と通気路が分離されているため換気面積が安定する。しかし、軒天井材を連結部に嵌合させるには、やはり軒天井材の厚さに合わせた換気部を準備しないと、厚みのある軒天井材を連結部に挿入しづらいことがあった。
【0006】
本発明は上記を考慮してなされたものであり、種々の厚さの軒天井材と共に施工することが可能であり、かつ、所要の換気面積を安定して確保できる軒天用換気材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の軒天用換気材は、建築物の軒裏部に取り付けられて、軒内部を外部と通気させる換気材であって、軒裏部に固定される固定部と、前記固定部の下面に形成された箱体部とを備える。前記固定部には、軒内部と前記箱体部内を通気する上方通気口が形成されている。前記箱体部は、前記固定部の前記上方通気口より内方側から下方に延び、当該箱体部内と外部を通気する内方通気口が形成された第1側面部と、前記第1側面部の前記内方通気口より下側から外方に延びる底面部と、前記底面部から上方に延びる第2側面部と、第2側面部から外方に延びる見切り部とを有する。そして、前記見切り部が下方に弾性変位することによって、前記固定部と前記見切り部によって構成される軒天井材挿入部の上下方向の幅を拡大可能である。
【0008】
本明細書において、各方向は、換気材が軒天部に施工された状態を基準とする。例えば、上方または下方は換気材が施工されたときの上方または下方を意味し、同様に、外方は軒先側を、内方は軒元側を意味する。
【0009】
上記構成によって、軒天用換気材が種々の厚さの軒天井材に対応可能となり、また、内方通気口から上方通気口へ抜ける通気路と軒天井材が干渉しないので、軒天井材の寸法によらず、所要の換気面積を確保できる。
【0010】
好ましくは、前記軒天用換気材は、前記固定部の前記上方通気口の内方側から下方に延びる第1垂れ壁を前記箱体部内に有する。この構成により、内方通気口から上方通気口に向かう気流が第1垂れ壁の下端を迂回するので、雨水のしぶき等が内方通気口から箱体部に進入した場合にも、上方通気口から軒内部に水分が進入することを抑制できる。
【0011】
好ましくは、前記軒天用換気材は、前記第1垂れ壁に加えて、前記固定部の前記上方通気口の外方側から下方に延びる第2垂れ壁を前記箱体部内に有する。この構成により、軒天井材挿入部から上方通気口に向かう気流が第2垂れ壁の下端を迂回するので、雨水のしぶき等が軒天井材挿入部から箱体部に進入した場合にも、上方通気口から軒内部に水分が進入することを抑制できる。
【0012】
好ましくは、前記軒天用換気材は、前記軒天井材挿入部内に、前記第2側面部の上部からさらに上方に延びる立設部を有する。この構成により、雨水のしぶき等が軒天井材挿入部から箱体部に進入することを抑制できる。
【0013】
好ましくは、前記軒天井材挿入部の前記上下方向の幅は、前記軒天用換気材に外力が作用しない状態で8mm以上、12mm未満であり、前記見切り部が下方に弾性変位することにより、少なくとも12mm以上に拡大可能である。この構成により、市場で多用される厚さ8mmから12mmの軒天井材と組み合わせて施工することが容易になる。
【0014】
より好ましくは、前記軒天用換気材は、前記底面部の内方端に水抜き穴が形成され、前記底面部は、前記軒天井材挿入部の前記上下方向の幅が12mmに拡大した状態で、内方端が最も低くなっている。この構成により、厚さ12mmの軒天井材を用いた場合にも、箱体部に進入した水分が底面部を水抜き穴に向かって流れ、素早く排出される。
【0015】
好ましくは、前記軒天用換気材は、加工された1枚の金属板からなる。この構成により、施工時の取り扱いが容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の軒天用換気材によれば、軒天井材挿入部の下部を構成する見切り部が下方に弾性変位することにより、種々の厚さの軒天井材を挿入することが可能である。また、軒天井材と干渉しない位置に、内方通気口から上方通気口へ抜ける通気路が形成されているので、軒天井材の寸法によらず、所要の換気面積を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態の軒天用換気材の施工例を示す図である。
【
図2】一実施形態の軒天用換気材の長手方向に垂直な断面図である。
【
図3】一実施形態の軒天用換気材のA:平面図、B:正面図、C:背面図である。
【
図4】A,B:一実施形態の軒天用換気材の変形例を示す断面図である。
【
図5】一実施形態の軒天用換気材の変形例を示す断面図である。
【
図6】A,B:一実施形態の軒天用換気材の変形例を示す断面図である。
【
図7】一実施形態の軒天用換気材の軒天井材挿入部に軒天井材を挿入した状態を示す図である。A:軒天井材が薄い場合、B:軒天井材が厚い場合。
【
図8】A~D:一実施形態の軒天用換気材の施工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の軒天用換気材の一実施形態を図に基づいて説明する。本明細書において、各方向は、換気材が軒天部に施工された状態を基準とする。例えば、上方または下方は換気材が施工されたときの上方または下方を意味し、同様に、外方は軒先側を、内方は軒元側を意味する。また、以下において軒天用換気材を単に「換気材」という。
【0019】
図1を参照して、建築物の壁は、屋内側から順に柱40、留付け合板42、防水シート43、胴縁44、外壁材45からなり、柱の上の軒桁41に垂木34が掛け渡されている。軒は垂木34、野地板35、屋根材36、鼻隠し下地37、鼻隠し38、野縁32、33、軒天井材31などで構成されている。本実施形態の換気材10は軒裏部30に取り付けられる。換気材10は、軒天井材31の内方に、軒の長手方向(
図1と直交する方向)に沿って設けられ、軒内部39を屋外と通気させる。
【0020】
図2および
図3を
図1と併せて参照して、換気材10は断面がほぼ一様な長尺の形状を有する。換気材10は固定部11と箱体部19とからなり、外部から箱体部内を通って軒内部39に抜ける通気路Vを形成する。また、箱体部の外方には軒天井材31を挿入するための軒天井材挿入部28が形成されている。以下において軒天井材挿入部を単に「挿入部」という。
【0021】
換気材10の材質は特に限定されないが、好ましくは、換気材は金属板からなる。金属板としては、鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板などが挙げられる。また、換気材の製法は特に限定されないが、好ましくは、換気材は1枚の金属板を加工して製造される。加工の内容としては、切断、打ち抜き、穴あけ、切込み、曲げ、折り返しなどが挙げられる。
【0022】
固定部11は、換気材10の上面を占める。固定部は、箱体部19の上面を塞ぐ中央部13、中央部から外方に延びる外方部分12、中央部から内方に延びる内方部分14の3つの部分に区分できる。固定部は、外方部分12および内方部分14をねじ、釘等の固定具48を用いて野縁32、33に固定することによって、軒裏部30に取り付けられる。固定部11の中央部13には、換気材の上方の軒内部39と箱体部19内を通気する上方通気口15が形成されている。また、固定部の外方部分12は、後述する見切り部25とともに挿入部28を構成する。
【0023】
固定部11の中央部13には、好ましくは、上方通気口15の内方側から下方に延び、箱体部19内に納まる第1垂れ壁16が設けられる。第1垂れ壁によって、通気路Vを通って後述する内方通気口21から上方通気口に向かう気流が第1垂れ壁の下端を迂回することになり、雨水のしぶき等による水分が内方通気口から箱体部に進入した場合にも、上方通気口を抜けて軒内部39に進入することを抑制できるからである。第1垂れ壁は、例えば、金属板にコの字状の切り込みを入れて形成した舌状片を下方に折り曲げることによって、上方通気口と同時に形成することができる。
【0024】
また、固定部11の中央部13には、好ましくは、上方通気口15の外方側から下方に延び、箱体部19内に納まる第2垂れ壁17が設けられる(
図4A)。本実施形態の換気材10では、雨水のしぶき等が軒天井板の下面に沿って、挿入部28から箱体部に進入することがありえる。その場合にも、第2垂れ壁を設けることにより、挿入部28から上方通気口15に向かう気流が第2垂れ壁の下端を迂回するので、上方通気口を抜けて軒内部39に水分が進入することを抑制できる。第2垂れ壁は、例えば、金属板にコの字状の切り込みを入れて形成した舌状片を下方に折り曲げることによって、上方通気口と同時に形成することができる。
【0025】
より好ましくは、換気材10は第1垂れ壁16および第2垂れ壁17の両方を備える(
図4B)。上方通気口15を挟んで両側に垂れ壁を設けることによって、雨水のしぶき等が箱体部19内に進入しても、上方通気口を抜けて軒内部39に至ることを抑制できる。第1垂れ壁および第2垂れ壁の両方を設ける場合には、一方の垂れ壁を、例えば、金属板を固定部の水平部分から下方に曲げ、下端で折り返して、再び水平部分に戻すことによって形成できる。
【0026】
箱体部19の一部を構成する第1側面部20は、固定部11の上方通気口15より内方側から下方に延びる。第1側面部は垂直であってもよく、傾斜していてもよい。第1側面部を傾斜させるときは、下に行くにつれて建物の外壁面から離れるように傾斜していることが好ましい。
図5を参照して、固定部11の中央部13と第1側面部が成す角度αは、好ましくは50~90度であり、より好ましくは60~90度である。この角度αが小さいほど、施工時に外壁材45上端のシール(46)を形成する作業がしやすい。一方、この角度αが小さすぎると、換気材10の軒の出方向の幅が広くなりすぎて、外観上好まれない。
【0027】
第1側面部20には、外部と箱体部19内を通気する内方通気口21が形成されている。内方通気口は、好ましくは、上下方向に縦長の長方形のブリッジ穴が軒の長手方向に多数並列して構成される。ブリッジ穴は長方形の2つの長辺部分が開口となった穴で、例えば、並列する縦長のスリットを金属板に入れて、スリットで隔てられた細片を一つ置きに箱体部の内側に押し込むことによって形成することができる。内方通気口をブリッジ穴で構成することにより、換気面積を大きくとりながら、虫などの侵入を防止できる。
【0028】
底面部23は、第1側面部20の内方通気口21より下側から、好ましくは第1側面部の下端から外方に延びる。底面部は、好ましくは、水平からわずかに傾斜して、最も低い部分に水抜き穴22を有する。箱体部に進入した水分を素早く排出するためである。水抜き穴は、底面部を外方に向かって低くなるようにしてその外方端に設けてもよいし、あるいは底面部を凹型に形成してその中央部に設けてもよいが、より好ましくは、底面部を内方に向かって低くなるようにしてその内方端、すなわち第1側面部20との境界部に設ける。施工された換気材10は外方から見上げられることが多いので、水抜き穴22を目立たなくできるからである。
【0029】
第2側面部24は底面部23の外方部、好ましくは外方端から上方に延びる。
【0030】
第2側面部24の上部には、外方に突出した見切り部25が設けられる。見切り部25と固定部の外方部分12とによって挿入部28が形成され、見切り部は挿入部に挿入された軒天井材31の端部を隠す。見切り部の形状は特に限定されず、
図6を参照して、例えば、先端が折り返されていてもよいし(
図6A)、断面をへの字状に形成してもよい。
【0031】
好ましくは、挿入部28内に、第2側面部24の上部からさらに上方に延びる立設部27を設ける。立設部を設けることによって、雨水のしぶき等が挿入部から箱体部19内に進入することを抑制できる。より好ましくは、立設部と第2垂れ壁17の両方を設けることにより、水分が上方通気口15を抜けて軒内部39に進入することをさらに抑制できる。
【0032】
図7を参照して、挿入部28は、固定部11の外方部分12と見切り部25によって形成され、種々の厚さの軒天井材31を挿入することができる。なお、以下において「外力が作用しない状態での挿入部の上下方向の幅L」を「挿入部の開口高さL」または単に「開口高さL」という。
【0033】
図7Aは、軒天井材31が薄い場合、つまり軒天井材の厚さtが開口高さLと大略同一な場合を示している。軒天井材は、後述するように側端を挿入部28に挿入した後に野縁32、33に固定される。
【0034】
図7Bは、軒天井材31が厚い場合、つまり軒天井材の厚さtが開口高さLより大きい場合を示している。この状態では、見切り部25が弾性的に下方に変位することによって、挿入部28の上下方向の幅が拡大している。弾性的に変位するとは、変位したときに、元の状態に戻そうとする復元力が作用することを意味する。見切り部はこの復元力によって軒天井材の下面に押し付けられる。見切り部が下方に変位するに際しては、箱体部19を構成する第1側面部20、底面部23、第2側面部24、各部同士が成す角度、および第1側面部と固定部が成す角度が少しずつ変形する。これにより、換気材10の外観が大きく変形することなく、見切り部が下方に変位する。
【0035】
また、底面部23の内方端に水抜き穴22を設けた場合、厚い軒天井材を挿入した状態でも、底面部の内方端が最も低い状態を維持していることが好ましい。このことから、市場で多用される厚さ8~12mmの軒天井材とともに用いるには、挿入部28に厚さ12mmの軒天井材を挿入した状態、つまり挿入部の上下方向の幅が12mmに拡大した状態で、底面部は内方端が最も低くなっていることが好ましい
【0036】
本実施形態の換気材10の施工方法を
図8に基づいて説明する。
【0037】
まず、換気材10の固定部11の外方部分12および内方部分14を、ねじ、釘等の固定具48を用いて、軒裏部30の野縁32、33に固定する(
図8A)。次いで、外壁材45を取り付け、外壁材の上端と換気材の固定部の内方部分14の間をシーリング材46によってシールする(
図8B)。軒天井材31を換気材の挿入部28に挿入し、軒天井材の軒先側および軒元側を、ねじ、釘等の固定具48を用いて野縁32、33に固定する(
図8C)。軒天井材が薄く、その厚さが挿入部の開口高さLより小さい場合でも軒天井材が野縁に密着するよう、軒天井材を軒元側で野縁に固定することが重要である。鼻隠し38を鼻隠し下地37に取り付ける(
図8D)。
【0038】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 軒天用換気材
11 固定部
12 固定部の外方部分
13 固定部の中央部
14 固定部の内方部分
15 上方通気口
16 第1垂れ壁
17 第2垂れ壁
19 箱体部
20 第1側面部
21 内方通気口
22 水抜き穴
23 底面部
24 第2側面部
25 見切り部
27 立設部
28 軒天井材挿入部
30 軒裏部
31 軒天井材
32 縦野縁
33 横野縁
34 垂木
35 野地板
36 屋根材
37 鼻隠し下地
38 鼻隠し
39 軒内部
40 柱
41 軒桁
42 留付け合板
43 防水シート
44 胴縁
45 外壁材
46 シーリング材
48 固定具
α 角度
L 開口高さ
t 軒天井材の厚さ
V 通気路