(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】広告情報印刷システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240725BHJP
G06Q 30/0272 20230101ALI20240725BHJP
【FI】
G06Q30/0241 444
G06Q30/0272
(21)【出願番号】P 2020196011
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】馬場 花菜子
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-357068(JP,A)
【文献】特開2003-178236(JP,A)
【文献】特開2012-014381(JP,A)
【文献】特開2008-146615(JP,A)
【文献】特開2015-060288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告画像を含む印刷情報を配信する広告管理装置とを有する広告情報印刷システムであって、
前記印刷装置は、
印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報を前記広告管理装置に送信する画像情報送信部と、
前記画像情報に前記広告画像を表す広告画像情報を挿入した印刷情報を前記広告管理装置から受信し、該印刷情報を印刷する印刷部と
を備え、
前記広告管理装置は、
前記画像情報の有効期間を表す有効期間情報を取得する有効期間情報取得部と、
前記画像情報、前記広告画像情報、及び前記有効期間情報を入力とし、前記有効期間が長いほど前記広告画像の大きさを小さくした前記印刷情報を合成する印刷画像合成部と
を備えることを特徴とする広告情報印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告情報印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷物を作成するためには、インク代、トナー代、及び紙代等のコストが発生する。このコストを、印刷物に広告を印刷する広告料で賄うサービスが存在する。このサービスを用いると印刷物の空白領域に適合するランダムな広告が挿入され、その広告の広告主がコストの一部又は全部を負担する。
【0003】
例えば、特許文献1に複数の印刷装置の中から広告依頼に適合する印刷装置を特定し、特定した印刷装置に依頼された広告内容を送信する情報配信システムが開示されている。また、画像情報の中から空白領域を検出し、その空白領域に一致する広告画像を印刷装置に送信する画像形成システムが特許文献2に開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、印刷物の全面が空白なのか、一部の領域が空白なのか、連続した領域が空白なのかの条件を取得して、それぞれの条件に適合する広告を印刷する画像形成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3851079号公報
【文献】特許第3470444号公報
【文献】特開2014-174757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、学校が配布する印刷物に広告を印刷する場合を想定する。学校の印刷物は、年間行事表、学級通信、お知らせ等の様々な種類が考えられる。これらの印刷物の有効期間は、その種類によって異なる。有効期間が異なる印刷物に広告を出す場合は、その有効期間を考慮する必要がある。
【0007】
しかし、上記の従来の広告情報印刷システムは、広告の大きさのみで広告料を定めていた。つまり、有効期間が一年である年間行事表と有効期間が一か月である学級通信のそれぞれに、同じ大きさの広告を印刷した場合の広告料は同額である。
【0008】
広告の広告期間は、印刷物が破棄されるまでの有効期間に依存する。よって、広告効果は印刷物によって変わってくる。しかし、広告主は、広告期間の異なる印刷物に対しても同額の広告料を支払わなければならず不公平を感じる。このように、従来の広告情報印刷システムは、広告効果に見合った柔軟な料金(広告料)設定ができないという課題がある。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、広告効果に見合った柔軟な料金設定ができる広告情報印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る広告情報印刷システムは、一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告画像を含む印刷情報を配信する広告管理装置とを有する広告情報印刷システムであって、前記印刷装置は、印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報を前記広告管理装置に送信する画像情報送信部と、前記画像情報に前記広告画像を表す広告画像情報を挿入した印刷情報を前記広告管理装置から受信し、該印刷情報を印刷する印刷部とを備え、前記広告管理装置は、前記画像情報の有効期間を表す有効期間情報を取得する有効期間情報取得部と、前記画像情報、前記広告画像情報、及び前記有効期間情報を入力とし、前記有効期間が長いほど前記広告画像の大きさを小さくした前記印刷情報を合成する印刷画像合成部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広告効果に見合った柔軟な料金設定ができる広告情報印刷システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る広告情報印刷システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す広告情報印刷システムを構成する印刷装置と広告管理装置の動作手順を示すフローチャートである。
【
図3】画像情報の有効期間の長さに対応する大きさの広告画像を一度に設定する場合の広告画像情報の例を示す模式図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る印刷画像合成部が行う動作手順を示すフローチャートである。
【
図5】空白領域情報35aで表される印刷物の空白領域を例示する模式図である。
【
図6】有効期間が中期の画像情報に、中間の大きさの広告画像情報を挿入した印刷情報を印刷した印刷物の例を示す模式図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る印刷画像合成部が行う動作手順を示すフローチャートである。
【
図8】広告画像情報を縮小せずにそのまま画像情報に挿入した印刷情報を印刷した印刷物の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る広告情報印刷システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示す広告情報印刷システム100は、一つ以上の印刷装置10と、ネットワーク20と、印刷装置10に広告画像情報を含む印刷情報を配信する広告管理装置30とを有する。
【0015】
印刷装置10と広告管理装置30は、ネットワーク20を介して接続される。ネットワーク20は、インターネットでもよいし、LANケーブルであってもよい。印刷装置10と広告管理装置30との間で情報のやり取りが可能であればネットワーク20は無くても構わない。また、
図1に「…」で示すように広告管理装置30は、複数の印刷装置10と接続させてもよい。
【0016】
(印刷装置)
印刷装置10は、画像情報取得部11、画像情報送信部12、及び印刷部13を備える。印刷装置10は、インクジェット印刷装置、電子写真方式印刷装置、及び穿孔印刷装置等の何れでもよい。
【0017】
印刷方式は、紙又はフィルム等の印刷媒体に画像を形成するものであればどのような方式であっても構わない。また、
図1に示す機能構成部は、本実施形態の説明に必要な最小限の構成を示すものであり、説明に不要な操作部及び制御部等の一般的な構成の表記は省略している。このことは後述する広告管理装置30についても同様である。
【0018】
画像情報取得部11は、印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報11aを取得する。画像情報取得部11は、例えばスキャナーで構成することができる。スキャナーは、原稿をCCDラインセンサでスキャンして画像情報11aを読み取る。スキャンして読み取ったビットマップ形式の画像情報11aは、例えばページ記述言語(PDL:Page Description Language)に変換される。 ページ記述言語は、印刷部13に印刷すべき内容を伝えるために用いるコンピュータ言語であり、印刷情報、印刷枚数、片面/両面、及び解像度等の印刷ジョブの全てを指定することができる。なお、ページ記述言語は、印刷部13の仕様と一致するものであれば、PS、PCL、Pages、LIPS等の何れで有ってもよい。
【0019】
画像情報送信部12は、画像情報取得部11で取得した画像情報11aを広告管理装置30に送信する。なお、利用者が広告画像の挿入を認めない場合の画像情報11aは、印刷部13に直接伝達される。
【0020】
印刷部13は、画像情報11aに広告画像を表す広告画像情報33aを挿入した印刷情報35bを広告管理装置30から受信し、該印刷情報35bを印刷媒体に印刷する。
【0021】
(広告管理装置)
広告管理装置30は、送受信部31、有効期間情報取得部32、広告情報取得部33、広告情報データベース34(以降、広告情報DB)、及び印刷画像合成部35を備える。広告管理装置30は、例えばROM、RAM、CPU等からなるコンピュータで実現してもよい。広告管理装置30をコンピュータによって実現する場合、各機能構成部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。
【0022】
送受信部31は、印刷装置10から送信される画像情報11aを受信する。また、印刷装置10に印刷情報35bを送信する。画像情報11aは、印刷媒体に印刷する広告画像情報を含まない画像を表す情報である。印刷情報35bは、印刷媒体に印刷する画像情報11aに広告画像情報33aを挿入した情報である。印刷情報35bについて詳しくは後述する。
【0023】
有効期間情報取得部32は、画像情報11aの有効期間を表す有効期間情報32aを取得する。有効期間情報32aは、画像情報11aを表すページ記述言語を解析して画像情報11aから読み取ってもよい。又は、印刷装置10から画像情報11aと異なる独立した情報として取得してもよい。
【0024】
広告情報取得部33は、広告画像情報33aと広告料情報33bを組にした広告情報33abを取得する。広告画像情報33aは、画像情報11aと同様に図示しないスキャナーで広告画像を読み込んだものでもよいし、他の装置(コンピュータ)においてページ記述言語に変換されたものでもよい。
【0025】
広告料情報33bは、広告料を表し管理者と利用者が協議した上で設定する。管理者は広告ビジネスに精通した専門家である。広告料情報33bは、例えば広告画像情報33aを印刷する印刷物の部数に対応させた円/枚で表される。なお、広告料情報32cは、例えば10円/枚のように一律とし、利用者が入力しなくてもよい情報として扱っても構わない。
【0026】
広告情報取得部33で取得された広告画像情報33aと広告料情報33bの広告情報33abは、広告情報DB34に記録される。なお、印刷装置10から受信する画像情報11aと広告情報33abを一対一に対応させて処理する場合は、広告情報DB34は無くても構わない。
【0027】
また、広告情報33abが定まった一つの情報である場合は、広告管理装置30が予め広告情報33abを記憶しておけばよい。その場合、広告情報取得部33は不要であり、一つの広告画像が異なる画像情報11aに挿入されることになる。
【0028】
印刷画像構成部35は、画像情報11a、広告画像情報33a、及び有効期間情報32aを入力とし、有効期間情報32aで表される画像情報11aの有効期間が長いほど広告画像情報33aで表される広告画像の大きさを小さくした印刷情報35bを合成する。広告画像情報33aは、画像情報11aの例えば空白領域に挿入される。画像情報11aの有効期間は、例えば、長期、中期、短期の三通りである。詳しくは後述する。
【0029】
以上説明したように、広告情報DB34は、画像情報11aと広告情報を一対一に対応させて処理する場合は不要である、また、広告情報33abを定まった一つの情報とすれば広告情報取得部33は不要である。
【0030】
よって、広告管理装置30の必須の機能構成部は、一般的な機能構成部である送受信部31を除くと有効期間情報取得部32と印刷画像合成部35の2つである。また、必須の情報は、印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報11a、画像情報11aの有効期間を表す有効期間情報32a、広告画像を表す広告画像情報33a、及び画像情報11aに広告画像情報33aを挿入した印刷情報35bの4つである。なお、広告料情報33bは、広告料を一律に扱うようにすれば不要である。
【0031】
(作用)
図2は、広告情報印刷システム100を構成する印刷装置10と広告管理装置30の動作手順を示すフローチャートである。
図2を参照して印刷装置10と広告管理装置30のそれぞれの動作を説明する。
【0032】
図2に示すように、印刷装置10が動作を開始すると、先ず画像情報取得部11は、印刷媒体に印刷する画像情報11aを取得する(ステップS10)。画像情報11aは、原稿をスキャナー(図示せず)で読み込んでもよいし、ページ記述言語で記述された画像情報11aを他の装置(図示せず)から取得してもよい。
【0033】
広告管理装置30が動作を開始すると、広告情報取得部33は、広告画像情報33aと広告料情報33bを取得する(ステップS30)。広告画像情報33a及び広告料情報33bは、管理者と利用者が協議した上で設定される。
【0034】
次に印刷装置10は、画像情報11aに広告画像情報33aを挿入しても良いか否かを判定する(ステップS11)。画像情報11aに、広告画像情報33aを挿入することを利用者が許可しない場合(ステップS11のNO)、印刷部13は画像情報取得部11で取得した画像情報11aを印刷媒体に印刷し(ステップS12)、動作を終了する。
【0035】
広告画像の挿入が許可されている場合(ステップS11のYES)、印刷装置10の画像情報送信部12は画像情報11aを広告管理装置30に送信する(ステップS13)。画像情報11aは、広告管理装置30の送受信部31で受信される(ステップS31)。
【0036】
有効期間情報取得部32は、画像情報11aの有効期間を表す有効期間情報32aを取得する(ステップS32)。有効期間情報32aは、画像情報11aを表す例えばページ記述言語を解析することで取得することができる。画像情報11aが例えば学校で印刷される印刷物であると仮定した場合、その印刷物の種類によって有効期間は異なる。
【0037】
画像情報11aを「授業参観のお知らせ」とした場合の有効期間は、例えば一か月未満である。同様に、「学級通信」の有効期間は例えば一か月、「年間行事予定」の有効期間は一年である。このように画像情報11aから有効期間情報32aを取得することができる。
【0038】
印刷画像合成部35は、画像情報11aから文字及び図等が配置されない空白領域の位置及び大きさを表す空白領域情報34aを抽出する(ステップS33)。空白領域情報34aは、有効期間情報32aと同様に画像情報11aを解析することで容易に抽出することができる。
【0039】
なお、空白領域の位置及び大きさは固定してもよい。その場合は、空白領域情報34aとステップS33の処理は不要である。
【0040】
印刷画像合成部35は、次に、空白領域情報34aで表される空白領域に適合し、且つ広告料が高い広告情報33abを広告情報DB34から選択する(ステップS33)。そして、有効期間情報32aで表される有効期間が長いほど広告画像の大きさを小さくするように印刷情報35bを合成する(ステップS34)。印刷情報35bは印刷装置10に送信される(ステップS35)。
【0041】
印刷装置10は、印刷情報35bを受信する(ステップS14)。受信した印刷情報35bは印刷部13によって印刷可能なビットマップ形式に変換(RIP:Raster Image Processor)され印刷媒体に印刷される(ステップS12)。
【0042】
広告画像を印刷した場合は、印刷装置10から広告管理装置30に印刷結果情報13aが送信される(ステップS15)。印刷結果情報13aは、例えば印刷した印刷媒体の枚数を表す情報を含む。
【0043】
広告管理装置30は印刷結果情報13aを受信する(ステップS36)。そして、印刷枚数を管理する(ステップS37)。これらの処理は制御部(図示せす)が行う。
【0044】
広告管理装置30の制御部は、例えば10円/枚に印刷枚数を乗じた金額を広告主に課金する。又は、広告料が例えば10円/枚×100枚で入金済みである場合は、100枚から印刷枚数を減じる処理を行い広告画像情報33aの印刷枚数を管理する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る広告情報印刷システム100は、一つ以上の印刷装置10と、該印刷装置10に広告画像を含む印刷情報35bを配信する広告管理装置30とを有する広告情報印刷システムであって、印刷装置10は、印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報を広告管理装置30に送信する画像情報送信部12と、画像情報11aに広告画像を表す広告画像情報33aを挿入した印刷情報35bを広告管理装置30から受信し、該印刷情報35bを印刷する印刷部13とを備え、広告管理装置30は、画像情報11aの有効期間を表す有効期間情報32aを取得する有効期間情報取得部32と、画像情報11a、広告画像情報33a、及び有効期間情報32aを入力とし、有効期間が長いほど広告画像の大きさを小さくした印刷情報35bを合成する印刷画像合成部35とを備える。これにより、広告効果に見合った柔軟な料金設定ができる広告情報印刷システムを提供することができる。
【0046】
また、利用者は広告に関する専門的な知見が無くても印刷コストを削減するサービスを受けることができる。つまり、利用者は、管理者が保有する広告ビジネスに関する専門知識を利用することができ、広告に関する知見が不要である。
【0047】
印刷画像合成部35で印刷情報35bを合成する合成方法は、広告情報の設定の仕方に対応していくつか考えられる。その合成方法の具体例を示して更に詳しく本実施形態の説明をする。
【0048】
(第1実施形態)
図3は、画像情報11aの有効期間の長さに対応する大きさの広告画像を一度に設定する場合の広告画像情報33aの例を示す模式図である。広告画像情報33aは、広告画像情報33a′と広告画像情報33a″を含む。
【0049】
図3に示す実線で囲まれた最も大きな広告画像情報33aは短期の有効期間に対応する広告画像を表す。破線で囲まれた広告画像情報33a′は中期の有効期間に対応する広告画像を表す。一点鎖線で囲まれた範囲の広告画像情報33a″は長期の有効期間に対応する広告画像を表す。
【0050】
最も小さい範囲の広告画像情報33a″は二次元コードを含む。二次元コードは、面積当たりの情報密度が高いので狭い面積の広告に有効である。
【0051】
図4は、第1実施形態に係る印刷画像合成部35が行う動作手順を示すフローチャートである。
図4に示す動作手順は、
図3に示すステップS33とS34を詳しくしたものである。
【0052】
印刷画像合成部35は、画像情報11aから文字及び図等が配置されない空白領域の位置及び大きさを表す空白領域情報35aを取得する。そして、印刷画像合成部35は、空白領域情報35aで表される空白に適合する一つ以上の広告画像情報33aを、広告情報DB34から取得する(ステップS330)。
【0053】
図5は、空白領域情報35aで表される印刷物の空白領域を例示する模式図である。
図5(a)は、「授業参観のお知らせ」、
図5(b)は「学級通信」、
図5(c)は「年間行事予定」のそれぞれの一例を示す。
図5は、それぞれの画像情報11aの最下部に同じ大きさの空白領域を備える例を示すが、空白領域の位置及び大きさはそれぞれ異なる場合も有り得る。
【0054】
次に印刷画像合成部35は、取得した広告画像情報33aにそれぞれ対応する広告料情報33bを取得する(ステップS311)。そして、取得した広告料情報33bで表される広告料が最も高い広告画像情報33aを選択する(ステップS332)。
【0055】
印刷画像合成部35は、画像情報11aの有効期間が長いほど広告画像の大きさを小さくした印刷情報bを合成する。有効期間は、有効期間情報取得部32で取得した有効期間情報32aで表される。有効期間情報32aで表される有効期間が例えば一か月未満の場合の有効期間は短期、同様に一か月程度を中期、一年を長期とする。
【0056】
印刷画像合成部35は、画像情報11aの有効期間が短期の場合(ステップS333のYES)は、広告画像情報33aを画像情報11aの空白領域に挿入した印刷情報35bを合成する(ステップS334)。広告画像情報33aは最も大きな広告画像を表す。
【0057】
有効期間が中期の場合(ステップS335のYES)は、画像情報11aの空白領域に広告画像情報33a′を合成した印刷情報35bを合成する(ステップS336)。広告画像情報33a′は、広告画像情報33aで表される広告画像よりも小さい広告画像である。
【0058】
有効期間が長期の場合(ステップS335のNO)は、画像情報11aの空白領域に広告画像情報33a″を合成した印刷情報35bを合成する(ステップS336)。広告画像情報33a″は、最も小さい広告画像を表す。このように本実施形態に係る印刷画像合成部35は、広告料が同じであれば画像情報11aの有効期間が長いほど、小さい広告画像を挿入した印刷情報35bを合成する。
【0059】
図6は、有効期間が中期の例えば「学級通信」の画像情報11aに、中間の大きさの広告画像情報33a′を合成した印刷情報35bを印刷した印刷物の例を示す模式図である。
【0060】
以上説明したように、印刷画像合成部35は、画像情報11aの有効期間に対応させて広告画像情報33aを分割して印刷情報35bを合成する。これによれば、広告主は有効期間の異なる画像情報に対して一度に広告情報を設定でき、広告主の手間を簡略化することができる。
【0061】
(第2実施形態)
印刷情報は、有効期間に対応させた縮小率で広告画像情報33aを縮小して合成するようにしてもよい。
【0062】
図7は、第2実施形態に係る印刷画像合成部35が行う動作手順を示すフローチャートである。
図7に示すステップS330~S333及びステップS335の処理は第1実施形態と同じである。
【0063】
第2実施形態に係る印刷画像合成部35は、有効期間が短期の場合(ステップS333のYES)は、広告画像情報33aをそのまま画像情報11aの空白領域に挿入した印刷情報35bを合成する(ステップS334)。画像情報11aの有効期間が短い例えば「授業参観のお知らせ」の場合は、最も大きな広告画像が印刷物に挿入される。
【0064】
有効期間が中期の場合(ステップS335のYES)は、広告画像情報33aを例えば2/3に縮小して画像情報11aの空白領域に挿入した印刷情報35bを合成する(ステップ338)。有効期間が長期の場合(ステップS335のNO)は、広告画像情報33aを例えば1/3に縮小して画像情報11aの空白領域に挿入した印刷情報35bを合成する(ステップ339)。
【0065】
図8は、広告画像情報33aを縮小せずにそのまま画像情報11aの空白領域に挿入した印刷情報35bを印刷した印刷物の例を示す模式図である。
図8に示すように、画像情報11aの有効期間が短い場合は、印刷媒体に広告画像が大きく印刷される。
【0066】
以上説明したように、印刷画像合成部35は、画像情報11aの有効期間に対応させた縮小率で広告画像情報33aを縮小して印刷情報35bを合成するようにしてもよい。これによれば、広告主は有効期間の異なる画像情報に対して一度に広告情報を設定でき、広告主の手間を簡略化することができる。
【0067】
本実施形態に係る広告情報印刷システム100は、一つ以上の印刷装置10と、該印刷装置10に広告画像を含む印刷情報35bを配信する広告管理装置30とを有する広告情報印刷システムであって、印刷装置10は、印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報11aを広告管理装置30に送信する画像情報送信部12と、画像情報11aに広告画像を表す広告画像情報33aを挿入した印刷情報35bを広告管理装置30から受信し、該印刷情報35bを印刷する印刷部13とを備え、広告管理装置30は、画像情報11aの有効期間を表す有効期間情報32aを取得する有効期間情報取得部32と、画像情報11a、広告画像情報33a、及び有効期間情報32aを入力とし、有効期間が長いほど広告画像の大きさを小さくした印刷情報35bを合成する印刷画像合成部35とを備える。これにより、広告効果に見合った柔軟な料金設定ができる広告情報印刷システムを提供することができる。また、利用者は広告に関する専門的な知見が無くても印刷コストを削減するサービスを受けることができる。
【0068】
なお、有効期間情報32aは、短期、中期、長期の例で説明したが、本発明はこの例に限定されない。有効期間情報32aは、日数単位又は時間単位で設定するようにしてもよい。また、複数の広告情報33abを記憶する広告情報DB34を備える実施例で説明したが、広告情報33abを一つに固定すれば広告情報DB34は無くても構わない。また、その固定した広告情報33abを予め広告管理装置30が記憶すれば広告情報取得部33も不要である。また、有効期間に対応させて縮小率を変える例を示したが、拡大率を変えるようにしても構わない。
【0069】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0070】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
一つ以上の印刷装置と、該印刷装置に広告画像を含む印刷情報を配信する広告管理装置とを有する広告情報印刷システムであって、
前記印刷装置は、
印刷媒体に印刷する画像を表す画像情報を前記広告管理装置に送信する画像情報送信部と、
前記画像情報に前記広告画像を表す広告画像情報を挿入した印刷情報を前記広告管理装置から受信し、該印刷情報を印刷する印刷部と
を備え、
前記広告管理装置は、
前記画像情報の有効期間を表す有効期間情報を取得する有効期間情報取得部と、
前記画像情報、前記広告画像情報、及び前記有効期間情報を入力とし、前記有効期間が長いほど前記広告画像の大きさを小さくした前記印刷情報を合成する印刷画像合成部と
を備えることを特徴とする広告情報印刷システム。
(付記2)
前記印刷画像合成部は、
前記有効期間に対応させて前記広告画像情報を分割して前記印刷情報を合成する
ことを特徴とする付記1に記載の広告情報印刷システム。
(付記3)
前記印刷画像合成部は、
前記有効期間に対応させた縮小率で前記広告画像情報を縮小して前記印刷情報を合成する
ことを特徴とする付記1に記載の広告情報印刷システム。
【符号の説明】
【0071】
10 印刷装置
11 画像情報取得部
11a 画像情報
12 画像情報送信部
13 印刷部
13a 印刷結果情報
20 ネットワーク
30 広告管理装置
31 送受信部
32 有効期間情報取得部
32a 有効期間情報
33 広告情報取得部
33a 広告画像情報
33b 広告料情報
33ab 広告情報
34 広告情報データベース
35 印刷画像合成部
35a 空白領域情報
35b 印刷情報