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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】水素ガス供給システム
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/02 20210101AFI20240725BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240725BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20240725BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20240725BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
C25B15/02
H02J3/38 120
C25B1/04
C25B9/00 A
B60P3/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020203448
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090878
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】須田 龍生
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085861(JP,A)
【文献】特開2005-125927(JP,A)
【文献】特許第6189448(JP,B2)
【文献】特許第6705071(JP,B1)
【文献】特開2020-058168(JP,A)
【文献】実開昭60-037066(JP,U)
【文献】特開2019-173082(JP,A)
【文献】特開2016-100970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00-15/08
H02J 3/00-5/00
B60P 3/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発電施設の内の一発電施設から給電される一給電地点に設けられた水素ガス貯留設備と、
該一発電施設とは別の場所で発電を行う他発電施設から給電される他給電地点に設けられた水素ガス貯留設備との複数の水素ガス貯留設備を有し、
該一給電地点と該他給電地点とのそれぞれで電力の供給を受けることが可能で、且つ、該電力を利用して水素ガスを製造することが可能なガス発生装置が搭載された移動体をさらに有し、
前記ガス発生装置によって前記水素ガス貯留設備に前記水素ガスを供給できるように構成されており、
前記移動体は、前記ガス発生装置で発生した前記水素ガスを貯留する水素ガス貯留設備をさらに搭載しており、且つ、前記ガス発生装置から前記移動体に搭載された前記水素ガス貯留設備を介して前記他給電地点に設けられた前記水素ガス貯留設備へと前記水素ガスを供給できるように構成され、
少なくとも前記一発電施設が再生可能エネルギーによる発電を行う発電施設である水素ガス供給システム。
【請求項2】
複数の発電施設の内の一発電施設から給電される一給電地点に設けられた水素ガス貯留設備と、
該一発電施設とは別の場所で発電を行う他発電施設から給電される他給電地点に設けられた水素ガス貯留設備との複数の水素ガス貯留設備を有し、
該一給電地点と該他給電地点とのそれぞれで電力の供給を受けることが可能で、且つ、該電力を利用して水素ガスを製造することが可能なガス発生装置が搭載された移動体をさらに有し、
前記ガス発生装置によって前記水素ガス貯留設備に前記水素ガスを供給できるように構成されており、
前記一発電施設と前記他発電施設との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設であり、
前記一発電施設で発生した前記電力、又は、該電力によって製造した前記水素ガスの何れかが前記一給電地点から前記他給電地点へと前記移動体によって搬送される水素ガス供給システム。
【請求項3】
一つの前記移動体に搭載された前記ガス発生装置が、前記複数の水素ガス貯留設備への前記水素ガスの供給に共用される請求項1又は2記載の水素ガス供給システム。
【請求項4】
前記一発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記一発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値が、予め定めた基準値を超える場合に前記移動体の前記一給電地点への移動が実施される請求項1又は2に記載の水素ガス供給システム。
【請求項5】
前記一給電地点に設けられた前記水素ガス貯留設備での水素ガス残量、又は、今後見込まれる水素ガス消費量の予測値についての第1のガス量情報と、
前記他給電地点に設けられた前記水素ガス貯留設備での水素ガス残量、又は、今後見込まれる水素ガス消費量の予測値についての第2のガス量情報と、を取得する情報処理装置が備えられ、
前記移動体の移動先を前記一給電地点とするか前記他給電地点とするかの決定が前記情報処理装置により行われる請求項1又は2に記載の水素ガス供給システム。
【請求項6】
前記予測値がヒストリカルデータを用いて予測される請求項5記載の水素ガス供給システム。
【請求項7】
前記一発電施設と前記他発電施設との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設であり、
前記一発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記一発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値についての第1の発電情報と、
前記他発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記他発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値についての第2の発電情報と、を取得する情報処理装置が備えられ、
前記移動体の移動先を前記一給電地点とするか前記他給電地点とするかの決定が前記情報処理装置により行われる請求項1又は2に記載の水素ガス供給システム。
【請求項8】
前記一発電施設、及び、前記他発電施設では、太陽光発電、風力発電、波力発電、又は、潮流発電の何れかによる発電が実施されており、
前記予測値が、気象予測、又は、潮汐予測の何れかによって求められる請求項7記載の水素ガス供給システム。
【請求項9】
前記移動体は、前記ガス発生装置に電力を供給可能な給電装置をさらに有し、
前記ガス発生装置は、該給電装置から供給される前記電力を利用して水素ガスを製造することが可能である請求項1乃至の何れか1項に記載の水素ガス供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素ガス供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンなエネルギー源として水素ガスを利用する機会が増えてきている。
また、水素ガスはエネルギー源として利用されるだけでなく、エネルギー源以外にも工業用途などでも利用されている。
水素ガスを利用する設備の周辺地域(水素ガスの消費地)では、水素ガスを製造するためのガス発生装置を設けて身近で水素ガスを製造することが行われたりしている。
【0003】
このような水素ガスの製造方法として、下記特許文献1には、水素ガスを製造可能なガス発生装置を移動体に搭載し、該移動体を複数の燃料スタンドの間を行き来させて各燃料スタンドに水素ガスを供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-125927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消費地での日々の水素ガス使用量は、一定するとは限らない。
そのため、消費地に設置したガス発生装置は、稼働率を十分に向上させることが難しい。
ところで、水素ガスと同じくクリーンなエネルギーとして太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用した発電が行われている。
このような発電を行う発電施設では、発電量の経時的な変動が大きく、消費電力に比べて過剰な発電が行われるような場合には、必要性の高くない用途にまで電力を使用したり、電線などの商業電力の配電経路を利用して遠地まで電力を送電したりしなければならなくなり、効率的な電力の利用が難しい。
このようにクリーンなエネルギーの効率的な活用については、いまだ改善されるべき課題が残されている。
そこで本発明は、クリーンなエネルギーの効率良い活用方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討したところ、ガス発生装置を搭載した移動体を使って複数の地点で水素ガスを製造するようにし、しかも、その中に再生可能エネルギーを使った電力で水素ガスを製造する箇所を設けることでガス発生装置の稼働率を向上させ得るとともに再生可能エネルギーによる電力供給の変動にも対処し易いことを見出して本発明を完成させるにいたった。
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、
複数の発電施設の内の一発電施設から給電される一給電地点に設けられた水素ガス貯留設備と、
該一発電施設とは別の場所で発電を行う他発電施設から給電される他給電地点に設けられた水素ガス貯留設備との複数の水素ガス貯留設備を有し、
該一給電地点と該他給電地点とのそれぞれで電力の供給を受けることが可能で、且つ、該電力を利用して水素ガスを製造することが可能なガス発生装置が搭載された移動体をさらに有し、
前記移動体によって前記水素ガス貯留設備に前記水素ガスを供給できるように構成されており、
少なくとも前記一発電施設が再生可能エネルギーによる発電を行う発電施設である水素ガス供給システム、を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、クリーンなエネルギーの効率良い活用方法が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の水素ガス供給システムの概要を示した概略構成図。
図2】情報処理装置での処理フローの一例を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施の形態について図を参照しつつ説明する。
本実施形態における水素ガス供給システム1は、複数の発電施設の内の第1発電施設10から給電される一給電地点である第1給電地点100に水素ガス貯留設備を有している。
本実施形態における水素ガス供給システムは、前記第1発電施設10とは別の場所で発電を行う第2発電施設20から給電される第2給電地点200にも水素ガス貯留設備を有している。
本実施形態における水素ガス供給システムは、前記第1発電施設10、及び、前記第2発電施設20とは別の場所で発電を行う第3発電施設30から給電される第3給電地点300にも水素ガス貯留設備を有している。
即ち、本実施形態の水素ガス供給システム1には、複数の発電施設の内の一発電施設から給電される一給電地点と、該一発電施設とは別の場所で発電を行う他発電施設から給電される他給電地点とを含む複数の給電地点のそれぞれに設けられた水素ガス貯留設備を有している。
【0011】
本実施形態における水素ガス供給システム1は、前記複数の給電地点で電力の供給を受けることが可能で、且つ、該電力を利用して水素ガスを製造することが可能なガス発生装置410が搭載された移動体400をさらに有している。
本実施形態における水素ガス供給システム1は、該移動体400が移動先より帰還する基地BSを有している。
即ち、本実施形態の前記移動体400は、該基地BSを起点として複数の前記給電地点のそれぞれに移動可能となっている。
【0012】
本実施形態における水素ガス供給システム1では、前記移動体400が前記基地BSを出発した後に、1又は複数の給電地点において水素ガスを製造して再び前記基地BSに帰還されるようになっている。
そして、本実施形態における水素ガス供給システム1では、後段において詳述するように、前記移動体400が、該基地BSでの滞在中、又は、出先において次なる移動先の指令を受けて移動するようになっている。
【0013】
本実施形態における水素ガス供給システム1では、前記移動体400が前記基地BSにおいて移動のためのエネルギー補給を受けることができるようになっている。
本実施形態の水素ガス供給システム1では、後述するように水を電気分解して水素ガスを製造する水電解装置などを前記ガス発生装置410として採用することができる。
その場合、本実施形態の水素ガス供給システム1は、前記移動体400が前記基地BSにおいて水素ガスの原料となる物質(水)の補給を受けることができるようになっていてもよい。
【0014】
上記のように前記第1給電地点100、前記第2給電地点200、及び、前記第3給電地点300のそれぞれには、前記移動体400に搭載された前記ガス発生装置410から供給される水素ガスを貯留する水素ガス貯留設備が備えられている。
より詳しくは、前記第1給電地点100には前記水素ガス貯留設備である第1水素ガス貯留設備110が備えられ、前記第2給電地点200には前記水素ガス貯留設備である第2水素ガス貯留設備210が備えられ、前記第3給電地点300には前記水素ガス貯留設備である第3水素ガス貯留設備310が備えられている。
【0015】
前記第1給電地点100は、前記第1発電施設10との間に敷設された電力ケーブル11などによって電力の供給を受けられるようになっており、前記第1発電施設10と電気的に接続がされた状態になっている。
前記第2給電地点200は、前記第2発電施設20との間に敷設された電力ケーブル21などによって電力の供給を受けられるようになっており、前記第2発電施設20と電気的に接続がされた状態になっている。
前記第3給電地点300は、前記第3発電施設30との間に敷設された電力ケーブル31などによって電力の供給を受けられるようになっており、前記第3発電施設30と電気的に接続がされた状態になっている。
【0016】
前記第1給電地点100には前記電力ケーブル11を経由してもたらされた電力を前記ガス発生装置410に給電するための第1給電装置120が備えられ、前記第2給電地点200には前記電力ケーブル21を経由してもたらされた電力を前記ガス発生装置410に給電するための第2給電装置220が備えられており、前記第3給電地点300には前記電力ケーブル31を経由してもたらされた電力を前記ガス発生装置410に給電するための第3給電装置320が備えられている。
【0017】
本実施形態における水素ガス供給システム1は、少なくとも前記第1発電施設10が再生可能エネルギーによる発電を行う発電施設であるような場合に適用される。
本実施形態においては、前記第1発電施設10と前記第2発電施設20との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設となっている。
【0018】
前記第1発電施設10での発電に用いられる再生可能エネルギーと前記第2発電施設20での発電に用いられる再生可能エネルギーとは共通していてもよく、異なっていてもよい。
本実施形態においては前記第1発電施設10で風力発電が行われ、前記第2発電施設20でバイオマス発電が行われることを図に例示しているが、それぞれの発電施設での発電方法は特に限定されるものではない。
前記再生可能エネルギーとしては、例えば、太陽光、風力、波力、潮力、バイオマス、地熱、流水などが挙げられる。
前記第1発電施設10や前記第2発電施設20での発電形態としては、安定した発電量が得られ難く、本発明の効果がより顕著になり得る点において、例えば、太陽光発電、風力発電、波力発電、又は、潮流発電の何れかであることが有利になり得る。
【0019】
本実施形態での前記第3発電施設30は、前記第1発電施設10や前記第2発電施設20とは異なり火力発電や原子力発電が行われる発電施設となっている。
したがって、前記第1給電地点100や前記第2給電地点200が比較的市街地より離れた地点に設定され得るのに対して前記第3給電地点300は系統電力によって火力発電や原子力発電による電力が給電されている市街地域やその周辺地域に設けられ得る。
【0020】
前記第1給電地点100や前記第2給電地点200は、例えば、再生利用可能エネルギーによる発電が行われている発電施設や該発電施設からの受電設備が設置されている変電所などとすることができる。
前記第3給電地点300は、系統電力の消費地とすることができ、具体的には、県庁、市役所、郵便局、警察、消防署、公証役場、法務局、陸運局などの役所;体育館、球技場、プールなどのスポーツ施設;図書館、美術館、博物館などの文化施設;病院、保健所、老人ホームなどの健康福祉施設;駅、車庫、空港などの交通施設などといった公共施設や、ショッピングモール、コンビニエンスストア、家電、家具、食品、薬品、雑貨などを販売する各種量販店といった店舗;ゴルフ場、遊園地などの娯楽施設;オフィスビルなどの商業施設が挙げられる。
【0021】
前記第3給電地点300は、水素ガス発電機340を含む無停電電源設備を有する施設とされてもよい。
即ち、前記第3給電地点300は、第3水素ガス貯留設備310に貯留された水素ガスを使って発電が行われる施設とされ得る。
【0022】
本実施形態の水素ガス供給システム1は、上記のように構成されていることで、前記第1発電施設10や前記第2発電施設20での発電量が電力需要を上回って従来であれば電力の過剰供給が生じてしまうような場合において余剰の電力を水素ガスに変換して前記第1水素ガス貯留設備110や前記第2水素ガス貯留設備210、或いは、前記第3水素ガス貯留設備310に水素ガスを貯留することができる。
尚、水素ガスに代えて蓄電池によって余剰電力を蓄えることも考え得るが、蓄電池での充放電サイクルにおけるサイクル寿命に比べて水素ガス貯留設備の方が充填/放出の繰り返しによる劣化が少ない。
また、蓄電池では、内部の化学反応(自然放電)によって電力が失われ易いが水素ガス貯留設備では、水素ガスの目減りなどを心配する必要性も低い。
【0023】
前記水素ガス貯留設備は、容器や水素吸蔵合金などによって構成することができる。
【0024】
本実施形態では、前記第1給電地点100と前記第2給電地点200と前記第3給電地点300との何れかで1つのガス発生装置410を共用できるため前記第1給電地点100か前記第2給電地点200か前記第3給電地点300かの何れか1箇所のみでガス発生装置410を利用する場合に比べてガス発生装置410の稼働率を向上させ得る。
【0025】
本実施形態においては、前記ガス発生装置410の具体的な態様が特に限定されるわけではないが、該ガス発生装置410としては水の電気分解によって水素ガスが発生する水電解装置などとすることができる。
前記水電解装置は、水素ガスとともに酸素ガスが発生する水素・酸素発生装置であってもよい。
【0026】
前記第1水素ガス貯留設備110、前記第2水素ガス貯留設備210、及び、前記第3水素ガス貯留設備310のそれぞれに貯留された水素ガスは、化学工場などでの原料として用いてもよく、燃料として用いてもよい。
前者の場合は、具体的には、各種の還元処理において用いる還元剤や、各種の不飽和ポリマーの水素添加処理に用いる水添剤として利用され得る。
後者の場合は、具体的には、電力源であり且つ熱源ともなるコージェネレーションシステムの駆動用燃料などとして利用され得る。
【0027】
前記第1給電地点100、前記第2給電地点200、及び、前記第3給電地点300のそれぞれにおいて効率良くガス発生装置410を稼働させる上において、再生可能エネルギーによって発電が行われている前記第1発電施設10や前記第2発電施設20で実際に発電されている発電量か、前記第1発電施設10や前記第2発電施設20で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値かの何れかが予め定めた基準値を超える場合に前記移動体400を前記第1発電施設10や前記第2発電施設20に移動させることが好ましい。
【0028】
上記のような好ましい態様で前記ガス発生装置410を稼働させることを一つの目的として、本実施形態の水素ガス供給システム1は、情報処理装置500をさらに備えている。
【0029】
本実施形態の情報処理装置500は、前記第1発電施設10側の情報(前記第1発電施設10や前記第1給電地点100の情報。以下、「第1情報S1」ともいう。)と、前記第2発電施設20側の情報(前記第2発電施設20や前記第2給電地点200の情報。以下、「第2情報S2」ともいう。)とが入手可能となっている。
本実施形態の情報処理装置500は、前記第3発電施設30側の情報(前記第3発電施設30や前記第3給電地点300の情報。以下、「第3情報S3」ともいう。)についても入手可能となっている。
【0030】
前記情報処理装置500を利用した本実施形態における一つの実施態様では、前記第1情報S1を入手する時点での前記第1水素ガス貯留設備110の水素ガス残量やこの第1情報S1の入手時点を起点として今後に見込まれる前記第1給電地点100での水素ガス消費量の予測値などといったガス量情報が前記第1情報S1として前記情報処理装置500に取得されるようにすることができる。
本実施形態では、前記第2情報S2を入手する時点での前記第2水素ガス貯留設備210の水素ガス残量やこの第2情報S2の入手時点を起点として今後に見込まれる前記第2給電地点200での水素ガス消費量の予測値などといったガス量情報が前記第2情報S2として前記情報処理装置500に取得されるようにすることができる。
さらに、本実施形態では、前記第3情報S3を入手する時点での前記第3水素ガス貯留設備310の水素ガス残量やこの第3情報S3の入手時点を起点として今後に見込まれる前記第3給電地点300での水素ガス消費量の予測値などといったガス量情報が前記第3情報S3として前記情報処理装置500に取得されるようにすることができる。
【0031】
上記のような実施態様においては前記第1水素ガス貯留設備110について得られる前記ガス量情報を第1のガス量情報とし、前記第2水素ガス貯留設備210や前記第3水素ガス貯留設備310などの第1水素ガス貯留設備110とは別の水素ガス貯留設備について得られる前記ガス量情報を第2のガス量情報とし、これらのガス量情報を判断材料として前記移動体400の移動先を前記第1給電地点100とするか前記第2給電地点200とするかの決定が前記情報処理装置500により決定される。
このことによって、前記ガス発生装置410がより効率良く稼働され得る。
本実施形態では水素ガス量の実測値よりも予測値に基づいて前記移動体400の移動先を決定する方が前記ガス発生装置410の稼働効率を向上させる上において有利となる。
【0032】
第1情報S1として前記情報処理装置500に与えられるガス量情報は、第1水素ガス貯留設備110における水素ガス残量と第1水素ガス貯留設備110での消費量の予測値との何れか一方であっても両方であってもよい。
第2情報S2として前記情報処理装置500に与えられるガス量情報は、第2水素ガス貯留設備210における水素ガス残量と第2水素ガス貯留設備210での消費量の予測値との何れか一方であっても両方であってもよい。
第3情報S3として前記情報処理装置500に与えられるガス量情報は、第3水素ガス貯留設備310における水素ガス残量と第3水素ガス貯留設備310での消費量の予測値との何れか一方であっても両方であってもよい。
【0033】
前記第1水素ガス貯留設備110についての今後の水素ガス消費量の前記予測値、前記第2水素ガス貯留設備210についての今後の水素ガス消費量の前記予測値、及び、前記第3水素ガス貯留設備310についての今後の水素ガス消費量の前記予測値は、過去の消費傾向をデータベースにトレンド解析が実施されて作成されたヒストリカルデータを用いて予測されることが好ましい。
このことにより、予測精度を向上させ得る。
【0034】
本実施形態のように前記第1発電施設10が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設で、発電量の経時的変化が生じ易い場合は、前記第1情報S1を入手する時点において前記第1発電施設10で実際に発電されている発電量や、前記第1発電施設10で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値などの第1の発電情報を前記第1情報S1として前記情報処理装置500に取得させることができる。
本実施形態のように前記第2発電施設10も再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設で、発電量の経時的変化が生じ易い場合は、前記第2情報S2を入手する時点において前記第2発電施設20で実際に発電されている発電量や、前記第2発電施設20で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値などの第2の発電情報を前記第2情報S2として前記情報処理装置500に取得させることができる。
そして、当該実施態様においては前記移動体400の移動先を前記第1給電地点100とするか前記第2給電地点200とするかの決定が上記のような情報に基づいて前記情報処理装置500により決定される。
本実施形態では発電量の実測値よりも予測値に基づいて前記移動体400の移動先を決定する方が前記ガス発生装置410の稼働効率を向上させる上において有利となる。
【0035】
第1情報S1として前記情報処理装置500に与えられる第2の発電情報は、第1発電施設10における発電量と、今後の発電量の予測値との何れか一方であっても両方であってもよい。
第2情報S2として前記情報処理装置500に与えられる第2の発電情報は、第2発電施設20における発電量と、今後の発電量の予測値との何れか一方であっても両方であってもよい。
【0036】
前記第1発電施設10、及び、前記第2発電施設20で、太陽光発電、風力発電、波力発電、又は、潮流発電の何れかによる発電が実施されている場合、前記予測値は、気象予測、又は、潮汐予測の何れかによって求められることが好ましい。
このことにより予測精度が向上され前記ガス発生装置410がより効率良く稼働され得る。
【0037】
本実施形態においては前記第1発電施設10と前記第2発電施設20との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設でシステム内において電力量やガス量の偏りが生じ易いため、例えば、前記第1発電施設10で発生した電力、又は、該電力によって製造した水素ガスの何れかを前記第1給電地点100から前記第2給電地点200や前記第3給電地点300へと前記移動体400によって搬送してもよい。
同様に、本実施形態においては前記第2発電施設20で発生した電力、又は、該電力によって製造した水素ガスの何れかを前記第2給電地点200から前記第1給電地点100や前記第3給電地点300へと前記移動体400によって搬送してもよい。
このことにより、前記第1給電地点100と前記第2給電地点200との両方において電力や水素ガスの過不足が生じることを防止することができる。
そのためには前記移動体400に蓄電装置420や水素ガス貯留設備430がさらに搭載されていてもよい。
また、前記移動体400には、太陽光発電パネル440をさらに搭載して該太陽光発電パネル440で生じた電力で前記ガス発生装置410を運転できるようにしてもよい。
さらには、前記第1給電地点100にも蓄電装置130を備えるとともに前記第2給電地点200にも蓄電装置230を備え、該移動体400から与えられる電力を蓄電したり、水素ガス貯留設備が満杯になった場合や移動体400が到着するまでの間の余剰電力を蓄電したりさせてもよい。
【0038】
前記第1給電地点100から前記第2給電地点200や前記第3給電地点300への電力や水素ガスの搬送は、前記情報処理装置500によって得られた情報(S1、S2、S3)に基づいて要否や量を決定することができる。
【0039】
前記情報処理装置500による移動体400の移動先の決定に際しては、前記第1給電地点100や前記第2給電地点200での電力需要予測による予測結果を加味するようにしてもよい。
即ち、情報処理装置500は、前記第1給電地点100や前記第2給電地点200での発電量の予測と電力消費量の予測との両方によって前記移動体400の移動先を決定するものであってもよい。
該電力消費量との予測についても過去の電力消費状況をデータベースにトレンド解析が行われて作成されたヒストリカルデータが用いられ得る。
【0040】
前記第1発電施設10や前記第2発電施設20で実際に発電されている発電量、前記第1発電施設10や前記第2発電施設20で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値、及び、これらと予め定めた基準値との間の差異に関しては、基準値を超える数値範囲を多段階に分割して発電量や予測値が基準値よりも僅かに上回っている場合と基準値を大きく上回っている場合とで移動体400を向かわせる緊急度についてのクラス設定をするようにしてもよい。
【0041】
前記第1水素ガス貯留設備110の水素ガス残量、今後に見込まれる前記第1給電地点100での水素ガス消費量の予測値、前記第2水素ガス貯留設備210の水素ガス残量、及び、今後に見込まれる前記第2給電地点200での水素ガス消費量の予測値などに関しても同様に数値範囲を多段階に設定して移動体400を向かわせる緊急度についてのクラス設定をするようにしてもよい。
【0042】
前記第1発電施設10で実際に発電されている発電量、前記第1発電施設10で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値、前記第2発電施設20で実際に発電されている発電量、及び、前記第2発電施設20で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値などについても同様である。
そして、上記のようなファクター(発電量や水素ガス残量等)にそれぞれ重み付けを行って前記情報処理装置500での総合的な判断により前記移動体400の移動先を決定するようにしてもよい。
【0043】
前記第1給電地点100、前記第2給電地点200、及び、前記第3給電地点300から前記情報処理装置500への情報の伝達は、ネット回線などを通じて実施することができる。
また、上記の情報伝達は、人工衛星Aなどを介した衛星回線T1によっても実施することができる。
【0044】
人工衛星Aによる情報が利用可能である場合、例えば、前記移動体400の移動先の決定に際しては、GPS情報を加味するようにしてもよい。
即ち、前記移動体400の位置情報に基づいて前記第1給電地点100や前記第2給電地点200までの移動距離や移動時間を算出し、この算出結果を移動先の決定に反映させるようにしてもよい。
【0045】
前記情報処理装置500では、図2に示すように、例えば、以下のような流れで移動体400の次なる移動先が決定され得る。
即ち、図に示したように、前記情報処理装置500では、第1ステップSTP1、第2ステップSTP2、第3ステップSTP3、第4ステップSTP4、第5ステップSTP5、及び、第6ステップSTP6を順に実施して移動体400の次なる移動先が決定され得る。
【0046】
(第1ステップSTP1)
下記のIa~Idに関する外部情報が情報処理装置500に入力されて処理されるステップ。
Ia:給電地点の位置情報(移動体の移動距離、到着予想含む)
Ib:給電地点での水素ガス使用量情報(予測を含む)
Ic:発電量情報(天候予想等含む)
Id:水素ガス残量情報
【0047】
(第2ステップSTP2)
下記のCa~Cdに関する計算を行うステップ。
Ca:給電地点に移動体が到着するまでの所要時間(t)の算出し、多段階評価での点数付け
Cb:給電地点での水素ガス使用量(q)に基づいて多段階評価での点数付け
Cc:給電地点での発電量(g)に基づいて多段階評価での点数付け
Cd:水素ガス残量(p)に基づいて多段階評価での点数付け
尚、Ca~Cdでの多段階評価は、段階数が異なっていても共通していてもよい。
例えば、Caを5段階評価とする場合、Cbは5段階評価であっても、5段階評価とは別の10段階評価等であってもよい。
【0048】
(第3ステップSTP3)
下記のPa~Pdに関する計算を行うステップ。
Pa:給電地点での優先度に応じて所要時間(t)の優先度を並び替え、各給電地点での項目値(T)を設定
Pb:給電地点での優先度に応じて水素ガス使用量(q)の優先度を並び替え、各給電地点での項目値(Q)を設定
Pc:給電地点での優先度に応じて発電量(g)の優先度を並び替え、各給電地点での項目値(G)を設定
Pd:給電地点での優先度に応じて水素ガス残量(p)の優先度を並び替え、各給電地点での項目値(P)を設定
尚、並び替えは給電地点がn箇所存在する場合、その全てについて行うことができる。
【0049】
(第4ステップSTP4)
各給電地点での項目値の合計(D:D=T+Q+G+P)を算出し、全ての給電地点での合計値(D1~Dn)を算出。
【0050】
(第5ステップSTP5)
全ての給電地点での合計値(D1~Dn)の中から最大値(Dmax)を選出、移動体の移動先(Sgo)を決定。
【0051】
(第6ステップSTP6)
決定した移動先(Sgo)を出力。
【0052】
前記情報処理装置500からの出力は、給電地点からの情報収集と同様に衛星回線T2を通じて移動体400へと直接的に伝達され得る。
前記情報処理装置500からの出力は、オペレーションセンターなどを介して移動体400に伝達されるようにしてもよい。
【0053】
本実施形態の前記移動体400としては、特に限定されるものではないが、行動範囲に制限がされ難い点において船舶や鉄道車両などよりも自動車やドローンなどであることが好ましい。
本実施形態の前記移動体400が貨物車両のような自動車で、且つ、有人運転がされるものである場合、前記情報処理装置500による決定事項は当該自動車に搭載されたカーナビゲーションシステムへのアクセスによって移動体400(又は運転者)に伝達されるようにしてもよい。
例えば、前記移動体400がカーナビゲーションシステムを有する有人運転の自動車である場合、該移動体400は、前記情報処理装置500によって目的地が自動入力されるように構成されていてもよい。
【0054】
前記移動体400は、前記ガス発生装置410が水電解装置であるような場合において、水の電気分解によって得られた水素ガスを除湿するための吸着筒を当該水電解装置に備えさせてもよい。
該吸着筒には、水分を吸着可能で、且つ、加熱されることによって吸着した水分を放出して吸着性能が復活される加熱再生型の吸着剤を収容させることが好ましい。
その場合、移動体400の駆動源から発生する排熱を前記吸着剤の再生に利用するようにしてもよい。
また、移動体400に太陽光発電パネル440を有する場合、この太陽光発電パネル440で発生させた電力を吸着剤の再生に利用するようにしてもよい。
このようにすれば移動体400の移動中に吸着剤の再生処理が行えることとなる。
【0055】
前記移動体400の駆動源は、ガソリン、軽油、液化プロパンなどの石油系燃料によって駆動されるエンジンであっても、電気によって駆動されるモーターであってもよい。
具体的には、前記移動体400は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車、水素自動車などであってもよい。
【0056】
本実施形態の前記移動体400には、前記のように蓄電装置420や太陽光発電パネル440が搭載され得る。
前記太陽光発電パネル440のような発電装置や、前記蓄電装置420は、前記ガス発生装置410に電力供給を行なうための給電装置として利用することができる。
前記ガス発生装置410が、移動体400に搭載されたこれらの給電装置から供給される電力を利用して水素ガスを製造可能であると、例えば、移動先の地域に電力供給を行っている発電施設の発電量が予想外に低下したり、当該地域での電力需要が予想外に向上したりして水素ガスを発生させるのに十分な電力を移動体400の外部から確保することが難しくなったような場合においても十分な量の水素ガスを継続して作製できるようになり、移動先の水素ガス貯留設備へのガス供給をスムーズに行うことができるようになる。
【0057】
前記移動体400がエンジン搭載車である場合、搭載されているオルタネーターを上記のような給電装置として活用することができる。
前記移動体400が燃料電池車である場合、搭載されている燃料電池も上記のような給電装置として活用することができる。
また、前記給電装置は一般的な灯油発電機やガソリン発電機などであってもよい。
前記移動体400が燃料電池車で、前記給電装置として燃料電池を利用する場合は、前記ガス発生装置410に給電するために余分な装置類を搭載することを抑制でき、移動体400のコンパクト化(軽量化)が図られる点においても好適である。
【0058】
上記のように本実施形態の水素ガス供給システムは、複数の発電施設の内の一発電施設から給電される一給電地点に設けられた水素ガス貯留設備と、該一発電施設とは別の場所で発電を行う他発電施設から給電される他給電地点に設けられた水素ガス貯留設備との複数の水素ガス貯留設備を有し、該一給電地点と該他給電地点とのそれぞれで電力の供給を受けることが可能で、且つ、該電力を利用して水素ガスを製造することが可能なガス発生装置が搭載された移動体をさらに有し、該移動体によって前記水素ガス貯留設備に前記水素ガスを供給できるように構成されており、少なくとも前記一発電施設が再生可能エネルギーによる発電を行う発電施設であるためクリーンなエネルギーを効率良く活用できるようになっている。
【0059】
本実施形態では、クリーンなエネルギーをより効率良く活用することができる点において、前記一発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記一発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値が、予め定めた基準値を超える場合に前記移動体の前記一給電地点への移動が実施される態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0060】
本発明の好ましい態様においては、上記のように前記一給電地点に設けられた水素ガス貯留設備での水素ガス残量、又は、今後見込まれる水素ガス消費量の予測値に関する第1のガス量情報と、前記他給電地点に設けられた水素ガス貯留設備での水素ガス残量、又は、今後見込まれる水素ガス消費量の予測値についての第2のガス量情報と、を取得する情報処理装置が備えられ、前記移動体の移動先を前記一給電地点とするか前記他給電地点とするかの決定が前記情報処理装置により行われる。
そして、本発明の好ましい態様においては、前記予測値がヒストリカルデータを用いて予測される。
この点に関しても上記のように本発明の効果がより顕著に発揮され得る点において優れているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0061】
本発明の好ましい態様においては、上記の通り、前記一発電施設と前記他発電施設との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設であり、前記一発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記一発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値についての第1の発電情報と、前記他発電施設で実際に発電されている発電量、又は、前記他発電施設で今後発電されることが見込まれる発電量の予測値についての第2の発電情報と、を取得する情報処理装置が備えられ、前記移動体の移動先を前記一給電地点とするか前記他給電地点とするかの決定が前記情報処理装置により行われる。
そして、本発明の好ましい態様においては、前記一発電施設、及び、前記他発電施設では、太陽光発電、風力発電、波力発電、又は、潮流発電の何れかによる発電が実施されており、前記予測値が、気象予測、又は、潮汐予測の何れかによって求められる。
この点に関しても上記のように本発明の効果がより顕著に発揮され得る点において優れているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0062】
本発明の好ましい態様においては、上記の通り前記一発電施設と前記他発電施設との両方が再生可能エネルギーによる発電が行われる発電施設であり、前記一発電施設で発生した電力、又は、該電力によって製造した水素ガスの何れかが前記一給電地点から前記他給電地点へと前記移動体によって搬送される。
【0063】
尚、上記の実施形態においては、発電施設や給電地点が3つの場合を例示しているが、本発明においては、発電施設や給電地点が2つや4つ以上であってもよい。
前記移動体も上記の実施形態においては、1台のみの事例を示しているが、複数の給電地点に移動する移動体は複数備えられていてもよい。
【0064】
移動体が複数備えられる場合、一移動体に搭載されるガス発生装置と他移動体に搭載されるガス発生装置とは共通するものであっても異なるものであってもよい。
一移動体に搭載されたガス発生装置と他移動体に搭載されたガス発生装置とで水素ガスの製造能力(単位時間当たりの最大製造能力)を異ならせていると、前記情報処理装置は、より細やかな対応を指示できることとなり得る。
その場合、ガス発生装置の製造能力が低い側は、例えば、高い側の1/10~2/3の製造能力とすることができる。
【0065】
このような変更事例以外にも本発明は上記例示に各種の変更を加え得るものであり、上記例示には何等限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1:水素ガス供給システム、
10:第1発電施設、20:第2発電施設、30:第3発電施設、
11:電力ケーブル、21:電力ケーブル、31:電力ケーブル、
100:第1給電地点、
110:第1水素ガス貯留設備
120:第1給電装置
200:第2給電地点、
210:第2水素ガス貯留設備
220:第2給電装置
300:第3給電地点、
310:第3水素ガス貯留設備
320:第3給電装置
400:移動体
410:ガス発生装置
500:情報処理装置
S1:第1情報
S2:第2情報
S3:第3情報
図1
図2