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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20240725BHJP
【FI】
G01S7/03 240
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020212726
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022099004
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大輔
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-534052(JP,A)
【文献】特開2003-287568(JP,A)
【文献】特開2015-212705(JP,A)
【文献】特開2018-112528(JP,A)
【文献】特開2020-167349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0222314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/64
13/00 - 17/95
H01Q 1/00 - 1/10
1/27 - 1/52
15/00 - 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を用いて車両の周囲状況を検出するレーダ装置を車両の対象物に固定する固定具であって、
前記レーダ装置を保持する本体部と、前記対象物に対向する固定面を有するフランジ部と、を含むブラケットと、
前記本体部に取り付けられた電波吸収部材と、を備え
前記電波吸収部材は、係合部を備え、
前記ブラケットの前記本体部は、前記係合部と係合する被係合部を備え、
前記係合部は、前記被係合部に引っ掛けられる爪を含む、固定具。
【請求項2】
前記被係合部は、第1被係合部及び第2被係合部を含み、
前記係合部は、前記第1被係合部に引っ掛けられる第1爪と、前記第1爪が前記第1被係合部に引っ掛けられた状態で前記電波吸収部材を移動させることにより前記第2被係合部に係合する第2爪と、を含む、請求項に記載の固定具。
【請求項3】
前記第1被係合部及び前記第2被係合部は、前記本体部に形成された孔を含む、請求項に記載の固定具。
【請求項4】
前記本体部は、前記フランジ部よりも内側に位置する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の固定具。
【請求項5】
前記フランジ部の前記固定面は、前記対象物に溶着可能な溶着部を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置を車両の対象物に固定する固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の周囲の障害物を検出するためにレーダ装置が用いられている。レーダ装置は、電磁波を送信し、障害物によって反射されて戻ってくる反射波を検出する。例えば特許文献1、2は、自動車のバンパにレーダ装置を設けることを提案している。
【0003】
レーダ装置からの送信波は、想定している障害物以外の物体によって反射されてレーダ装置に戻ってくることがある。このような想定外の反射波がレーダ装置によって検出されることを抑制するため、レーダ装置の周囲にはカバー部材が設けられている。カバー部材の表面には、電磁波を吸収する電波吸収材が接着剤や粘着剤を介して貼り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6075417号公報
【文献】特開2018-112528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電波吸収材をカバー部材の表面に取り付ける際、接着剤や粘着剤を介して貼り付ける工程に工数又はコストがかかる。
【0006】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電磁波を用いて車両の周囲状況を検出するレーダ装置を車両の対象物に固定する固定具であって、
前記レーダ装置を保持する本体部と、前記対象物に対向する固定面を有するフランジ部と、を含むブラケットと、
前記本体部に取り付けられた電波吸収部材と、を含む、固定具である。
【0008】
本発明による固定具において、前記電波吸収部材は、係合部を備え、前記ブラケットの前記本体部は、前記係合部と係合する被係合部を備えていてもよい。
【0009】
本発明による固定具において、前記被係合部は、第1被係合部及び第2被係合部を含み、前記係合部は、前記第1被係合部に引っ掛けられる第1爪と、前記第1爪が前記第1被係合部に引っ掛けられた状態で前記電波吸収部材を移動させることにより前記第2被係合部に係合する第2爪と、を含んでいてもよい。
【0010】
本発明による固定具において、前記第1被係合部及び前記第2被係合部は、前記本体部に形成された孔を含んでいてもよい。
【0011】
本発明による固定具において、前記本体部は、前記フランジ部よりも内側に位置していてもよい。
【0012】
本発明による固定具において、前記フランジ部の前記固定面は、前記対象物に溶着可能な溶着部を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ブラケットに容易に電波吸収部材を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】車両に固定されたレーダ機構の一例を示す断面図である。
図2】固定具の一例を示す斜視図である。
図3】固定具の一例を示す斜視図である。
図4】ブラケットの一例を示す正面図である。
図5】ブラケットの一例を示す斜視図である。
図6】ブラケットの一例を示す平面図である。
図7】ブラケットの一例を示す底面図である。
図8】ブラケットの一例を示す側面図である。
図9】ブラケットの一例を示す側面図である。
図10】電波吸収部材の一例を示す斜視図である。
図11】電波吸収部材の一例を示す斜視図である。
図12】ブラケットに電波吸収部材を取り付ける方法の一例を示す図である。
図13】ブラケットに電波吸収部材を取り付ける方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0016】
(レーダ機構)
図1は、自動車などの車両に設けられているレーダ機構10の一例を示す断面図である。レーダ機構10は、車両の対象物に固定されている。対象物は、例えばバンパである。図1の例において、レーダ機構10は、リヤバンパ70の内面71側に対面するように設けられている。この場合、レーダ機構10は、後方から自車両に接近してくる他車両などを障害物として検出することができる。図示はしないが、レーダ機構10は、フロントバンパの内面側に対面するように設けられていてもよい。この場合、レーダ機構10は、自車両の前方の物体を検出することができる。
【0017】
レーダ機構10は、レーダ装置20と、レーダ装置20を保持する固定具25と、を備える。固定具25をバンパなどの対象物に固定することにより、レーダ装置20が車両に搭載される。
【0018】
レーダ装置20は、電磁波を用いて車両の周囲状況を検出する。レーダ装置20は、例えば、レーダデバイス21と、レーダデバイス21を支持する支持部材22と、を含む。支持部材22を固定具25に取り付けることにより、レーダ装置20が固定具25によって保持される。レーダデバイス21は、例えば、電磁波を送信する送信機と、障害物によって反射された電磁波を受信する受信機と、を含む。送信機及び受信機はいずれも、アンテナを含んでいてもよい。電磁波は、ミリ波又は準ミリ波の波長を有していてもよく、その他の波長を有していてもよい。ミリ波は、1mm以上10mm以下の波長(30GHz以上300GHz以下の周波数)を有する。準ミリ波は、10mm以上100mm以下の波長(3GHz以上30GHz以下の周波数)を有する。
【0019】
支持部材22は、リヤバンパなどの対象物に対向する外面221と、外面221の反対側に位置する内面222と、を含む。図1に示すように、レーダデバイス21は、支持部材22の外面221に設けられていてもよい。図示はしないが、レーダデバイス21は、支持部材22の内面222に設けられていてもよい。
【0020】
固定具25は、車両の対象物に固定されるブラケット30と、後述する電波吸収部材と、を備える。ブラケット30は、図1に示すように、本体部40及びフランジ部50を含む。本体部40は、レーダ装置20を保持する。後述する電波吸収部材は本体部40に取り付けられている。フランジ部50は、対象物に対向する固定面51を有する。図1の例において、固定面51はリヤバンパ70の内面71に対向している。
【0021】
ブラケット30は、樹脂材料を含む。特に、フランジ部50が樹脂材料によって構成されていることが好ましい。本体部40及びフランジ部50が同一の樹脂材料によって一体的に構成されていてもよい。例えば、プレス成形、真空成形、圧空成形などのシート成形法によってブラケット30が作製されてもよい。若しくは、射出成形法、エンボス成形法などの、シート成形法以外の成形法によってブラケット30が作製されてもよい。
【0022】
樹脂材料は、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、i-ポリプロピレン、石油樹脂、ポリスチレン、s-ポリスチレン、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、ABS樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、ポリシアノアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン・エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・プロピレン共重合体、1,4-トランスポリブタジエン、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・フォルマリン樹脂、レゾルシン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グリプタル樹脂、変性グリプタル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、不飽和ポリエステル樹脂、アリルエステル樹脂、ポリカーボネート、6-ナイロン、6,6-ナイロン又は6,10-ナイロンなどのポリアミド、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ケイ素樹脂、シリコンゴム、シリコーン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリジメチルフェニレンオキサイド、ポリフェニレンオキサイドまたはポリジメチルフェニレンオキサイドとトリアリルイソシアヌルブレンド物、(ポリフェニレンオキサイドまたはポリジメチルフェニレンオキサイド、トリアリルイソシアヌル、パーオキサイド)ブレンド物、ポリキシレン、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PPI、カプトン)、液晶樹脂、これら複数材料のブレンド物などである。
【0023】
ブラケット30が、樹脂材料によって構成されたフランジ部50を含むので、例えば溶着によってブラケット30を対象物に容易に固定できる。溶着とは、フランジ部50を加熱及び加圧して溶融させ、その後にフランジ部50を冷却することによりフランジ部50を対象物に接合することを意味する。溶着を利用する場合、ブラケット30の固定面51は、加熱及び加圧されることによって溶融する溶着部を含む。
【0024】
フランジ部50の固定面51は、溶着以外の方法によって、例えば接着によって対象物に固定されてもよい。接着の例は、接着剤によって固定面51を対象物に固定すること、両面テープによって固定面51を対象物に固定することなどである。
【0025】
本実施の形態によれば、固定具25がフランジ部50を含むので、リヤバンパ70などの対象物に対向する固定具25の領域の面積を大きくできる。このため、溶着、接着などによって固定具25を対象物に安定に固定できる。
【0026】
(固定具)
図2及び図3を参照して、固定具25について説明する。図2は、固定具25を固定面51側から見た場合を示す斜視図である。図3は、固定具25を表面52側から見た場合を示す斜視図である。表面52は、固定面51の反対側に位置するフランジ部50の面である。
【0027】
固定具25は、上述のブラケット30と、ブラケット30の本体部40に取り付けられている電波吸収部材60と、を含む。電波吸収部材60は、係合部66を含む。本体部40は、係合部66と係合する被係合部46を含む。被係合部46及び係合部66は、機械的な連結によって電波吸収部材60が本体部40に取り付けられるよう構成されている。例えば、係合部66は、第1係合部67及び第2係合部68を含む。被係合部46は、第1被係合部47及び第2被係合部48を含む。第1被係合部47及び第2被係合部48は、本体部40に形成された孔を含む。第1係合部67は、例えば、第1被係合部47に引っ掛けられる第1爪を含む。第2係合部68は、例えば、第2被係合部48に引っ掛けられる第2爪を含む。このような被係合部46及び係合部66を用いることにより、電波吸収部材60を容易に本体部40に取り付けることができる。また、電波吸収部材60を容易に本体部40から取り外すことができる。
【0028】
第1被係合部47及び第2被係合部48の孔は、図3に示すように、本体部40を貫通していてもよい。この場合、第1係合部67の第1爪が第1被係合部47の孔に挿入され、第2係合部68の第2爪が第2被係合部48の孔に挿入される。図3に示すように、第2係合部68が複数の第2爪を有し、複数の第2爪が第2被係合部48の1つの孔に挿入されてもよい。図示はしないが、第1被係合部47及び第2被係合部48の孔は、本体部40を貫通していなくてもよい。
【0029】
(ブラケット)
図4図9を参照して、ブラケット30について説明する。図4は、ブラケット30を固定面51側から見た場合を示す正面図である。図5は、ブラケット30を固定面51側から見た場合を示す斜視図である。図6は、ブラケット30を図4の矢印Aの方向から見た場合を示す図である。図7は、ブラケット30を図4の矢印Bの方向から見た場合を示す図である。図8は、ブラケット30を図4の矢印Cの方向から見た場合を示す図である。図9は、ブラケット30を図4の矢印Dの方向から見た場合を示す図である。
【0030】
ブラケット30は、本体部40、フランジ部50及び開口31を含む。本体部40は、フランジ部50よりも内側に位置する。内側とは、開口31の中心に向かう側である。
【0031】
本体部40は、例えば、保持部41、第1側壁43、第2側壁44及び第3側壁45を含む。第1側壁43及び第2側壁44は、開口31を挟んで対向していてもよい。第3側壁45は、第1側壁43と第2側壁44の間において広がっていてもよい。第3側壁45は、上述の第1被係合部47及び第2被係合部48を含む。第1被係合部47は、第1側壁43側の位置において第3側壁45に形成されている。第2被係合部48は、第2側壁44側の位置において第3側壁45に形成されている。「第1側壁43側」とは、第1被係合部47から第1側壁43までの距離が、第1被係合部47から第2側壁44までの距離よりも小さいことを意味する。「第2側壁44側」とは、第1被係合部47から第2側壁44までの距離が、第1被係合部47から第1側壁43までの距離よりも小さいことを意味する。
【0032】
保持部41は、レーダ装置20を保持するよう構成されている。例えば、保持部41は、第1側壁43又は第2側壁44から内側に突出した突起部42を含む。レーダ装置20は、突起部42に取り付けられてもよい。例えば、突起部42は、レーダ装置20の支持部材22と嵌合する凹部を含んでいてもよい。保持部41は、複数の突起部42を含んでいてもよい。
【0033】
フランジ部50は、対象物に固定される固定面51を含む板部材である。フランジ部50は、例えば、第1部分53、第2部分54、第3部分55及び第4部分56を含む。第1部分53、第2部分54及び第3部分55は、本体部40の第1側壁43、第2側壁44及び第3側壁45に沿って延びていてもよい。第3部分55は、第1部分53に接続されていてもよい。第4部分56は、第1部分53に接続された第1端と、第2部分54に接続された第2端と、を含んでいてもよい。
【0034】
フランジ部50は、リヤバンパ70などの対象物の内面71の形状に対応する形状を有する。例えば図6及び図7に示すように、第1部分53及び第2部分54は湾曲した形状を有していてもよい。図示はしないが、第3部分55及び第4部分56も湾曲した形状を有していてもよい。
【0035】
フランジ部50の厚みは、例えば1mm以上であり、2mm以上であってもよく、3mm以上であってもよい。フランジ部50の厚みは、例えば10mm以下であり、8mm以下であってもよく、5mm以下であってもよい。
【0036】
フランジ部50には、フランジ部50の外縁から内側に延びるスリット57が形成されていてもよい。スリット57を設けることにより、フランジ部50が対象物の形状に沿って変形しやすくなる。これにより、対象物に対するフランジ部50の密着性を高めることができる。スリット57は、フランジ部50の外縁が延びる方向に交差する方向に延びている。スリット57は、フランジ部50の外縁が延びる方向に直交する方向に延びていてもよい。
【0037】
図4において、符号W1は、フランジ部50の幅を表し、符号W2は、スリット57の長さを表す。スリット57の長さW2は、フランジ部50の変形性を確保するよう、フランジ部50の幅W1に対して設定されていてもよい。
【0038】
(電波吸収部材)
図10及び図11を参照して、電波吸収部材60について説明する。図10は、は、電波吸収部材60を第1面61側から見た場合を示す斜視図である。図11は、電波吸収部材60を第2面62側から見た場合を示す斜視図である。第1面61は、固定面51と同一の側に位置する電波吸収部材60の面である。第2面62は、第1面61の反対側に位置する電波吸収部材60の面である。
【0039】
電波吸収部材60は、電波吸収材63を含む。電波吸収材63は、第1面61に位置していてもよい。図示はしないが、電波吸収材63は、第2面62に位置していてもよい。
【0040】
電波吸収材63は、導電性を有する物体を含む。
例えば、電波吸収材63は、金属層を含んでいてもよい。例えば、電波吸収部材60は、樹脂材料からなる基材と、基材の面上に位置し、金属層からなる電波吸収材63と、を含んでいてもよい。金属層は、基材に金属テープを貼付することにより構成されてもよい。金属層は、蒸着法、めっき法などによって基材に形成されてもよい。基材の樹脂材料としては、ブラケット30で例示した樹脂材料を用いることができる。
電波吸収材63は、基材中に分散している導電性粒子を含んでいてもよい。例えば、電波吸収部材60は、樹脂、ゴムなどからなる基材と基材中に分散しているカーボンブラック粒子と、を含んでいてもよい。
【0041】
図10及び図11に示すように、電波吸収部材60は、三角形の形状を有していてもよい。この場合、三角形の頂点に第1係合部67が設けられていてもよい。第1係合部67が位置する頂点と向かい合う辺に沿って第2係合部68が設けられていてもよい。図11に示すように、第1係合部67及び第2係合部68は、第2面62に設けられていてもよい。
【0042】
(固定具の製造方法)
図12及び図13を参照して、固定具25の製造方法の一例を説明する。まず、図12に示すように、電波吸収部材60の第1係合部67を本体部40の第1被係合部47に引っ掛ける。例えば、第1係合部67の第1爪を第1被係合部47の孔に引っ掛ける。続いて、第1係合部67が第1被係合部47に引っ掛けられた状態で、電波吸収部材60を移動させる。例えば、第1係合部67を軸として電波吸収部材60を本体部40に向けて回転移動させる。続いて、電波吸収部材60の第2係合部68を本体部40の第2被係合部48に係合させる。例えば、第2係合部68の第2爪を第2被係合部48の孔に挿入する。これにより、図13に示すように、本体部40の第3側壁45に電波吸収部材が取り付けられる。このようにして、ブラケット30及び電波吸収部材60を備える固定具25が作製される。
【0043】
また、図示はしないが、レーダ装置20を固定具25の本体部40に取り付ける。例えば、レーダ装置20を本体部40の保持部41に嵌め込む。これにより、レーダ装置20、ブラケット30及び電波吸収部材60を備えるレーダ機構10が得られる。
【0044】
例えば、溶着又は接着によってレーダ機構10のフランジ部50を対象物に固定する。これにより、レーダ機構10を車両に搭載できる。
【0045】
本実施の形態においては、被係合部46と係合部66との間の機械的な連結に基づいて、電波吸収部材60がブラケット30に取り付けられる。このため、接着剤や粘着剤を介して電波吸収部材60をブラケット30に取り付ける場合に比べて、工数、コストなどを低減できる。
【0046】
また、本実施の形態においては、ブラケット30が、樹脂材料によって構成されたフランジ部50を含むので、溶着、接着などによってブラケット30を対象物に容易に固定できる。この点でも、従来技術に比べて工数、コストなどを低減できる。また、フランジ部50の面積を大きくすることにより、ブラケット30を対象物に安定に固定できる。また、フランジ部50を対象物の形状に沿って変形させることより、対象物に対するフランジ部50の密着性を高めることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 レーダ機構
20 レーダ装置
25 固定具
30 ブラケット
40 本体部
46 被係合部
47 第1被係合部
48 第2被係合部
50 フランジ部
51 固定面
60 電波吸収部材
63 電波吸収材
66 係合部
67 第1係合部
68 第2係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13