(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】暖房システム
(51)【国際特許分類】
F24D 3/00 20220101AFI20240725BHJP
F24D 3/18 20060101ALI20240725BHJP
F24D 3/10 20060101ALI20240725BHJP
F24F 11/49 20180101ALN20240725BHJP
F24F 5/00 20060101ALN20240725BHJP
F24F 11/38 20180101ALN20240725BHJP
F24F 11/64 20180101ALN20240725BHJP
F24F 11/89 20180101ALN20240725BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20240725BHJP
【FI】
F24D3/00 J
F24D3/18
F24D3/10 Z
F24F11/49
F24F5/00 101Z
F24F11/38
F24F11/64
F24F11/89
F24F140:20
(21)【出願番号】P 2021047578
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恵祐
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-159663(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106969401(CN,A)
【文献】特開2017-72345(JP,A)
【文献】特開2005-147543(JP,A)
【文献】特開2016-109334(JP,A)
【文献】特表2014-502716(JP,A)
【文献】特開2016-114294(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24D 3/10
F24D 3/18
F24H 4/02
F24H 15/104
F24F 5/00
F24F 11/38
F24F 11/49
F24F 11/64
F24F 11/89
F24F 140/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱源ユニットと、
第2熱源ユニットと、
暖房端末と、
一端が前記第1熱源ユニットに接続されており、他端が前記第2熱源ユニットに接続されている第1熱媒配管と、
一端が前記第2熱源ユニットに接続されており、他端が前記暖房端末に接続されている第2熱媒配管と、
一端が前記暖房端末に接続されており、他端が前記第1熱源ユニットに接続されている第3熱媒配管と、
前記第1熱源ユニット、前記第1熱媒配管、前記第2熱源ユニット、前記第2熱媒配管、前記暖房端末、及び、前記第3熱媒配管で構成される循環路において熱媒を循環させる循環ポンプと、
制御装置と、を備え、
前記第1熱媒配管が保有可能な水量は、前記第2熱媒配管が保有可能な水量と前記第3熱媒配管が保有可能な水量の合計の保有可能な水量よりも少なく、
前記制御装置は、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに正しく接続されているのか否かを判定する判定処理を実行可能に構成されており、
前記制御装置は、前記判定処理において、
前記循環ポンプを駆動させ、
前記第1熱源ユニットから流出される熱媒が前記第2熱源ユニットに流入するまでの時間である第1計測時間を計測し、
前記第2熱源ユニットから流出される熱媒が前記第1熱源ユニットに流入するまでの時間である第2計測時間を計測し、
前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間に基づいて、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに正しく接続されているのか否かを判定する、暖房システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記判定処理において、
前記第1計測時間を計測した後に、前記第2計測時間の計測を開始し、
計測中の前記第2計測時間が前記第1計測時間よりも長くなる場合に、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに正しく接続されていると判定し、
計測された前記第2計測時間が前記第1計測時間よりも短い場合に、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに誤って接続されていると判定する、請求項1に記載の暖房システム。
【請求項3】
前記暖房システムは、さらに、
前記第1熱源ユニットから流出する熱媒の温度である第1流出温度を検出する第1流出温度センサと、
前記第1熱源ユニットに流入する熱媒の温度である第1流入温度を検出する第1流入温度センサと、
前記第2熱源ユニットから流出する熱媒の温度である第2流出温度を検出する第2流出温度センサと、
前記第2熱源ユニットに流入する熱媒の温度である第2流入温度を検出する第2流入温度センサと、を備え、
前記制御装置は、前記判定処理において、
前記循環ポンプを駆動させ、
前記第1熱源ユニット、及び、前記第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させ、
前記第1流出温度が第1判定温度以上になってから、前記第2流入温度が前記第1判定温度以下の温度である第2判定温度以上になるまでの時間を前記第1計測時間として計測し、
前記第2流出温度が第3判定温度以上になってから、前記第1流入温度が前記第3判定温度以下の温度である第4判定温度以上になるまでの時間を前記第2計測時間として計測する、請求項1又は2に記載の暖房システム。
【請求項4】
前記第3判定温度は、前記第2判定温度以下の温度であり、
前記制御装置は、前記判定処理において、
前記第1熱源ユニットのみを駆動させ、
前記第1計測時間が計測され、前記第2流出温度が前記第3判定温度以上となる場合に、前記第2計測時間の計測を開始する、請求項3に記載の暖房システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記判定処理において、
前記循環ポンプを駆動させてから、前記第1流入温度、前記第1流出温度、前記第2流入温度、及び、前記第2流出温度が、前記第2判定温度及び前記第4判定温度以下の温度である第5判定温度以下となる場合に、前記第1熱源ユニット、及び、前記第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させる、請求項3又は4に記載の暖房システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記判定処理において、
計測中の前記第1計測時間が判定時間よりも長くなる場合に、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに誤って接続されていると判定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1熱源ユニットと、第2熱源ユニットと、暖房端末と、一端が第1熱源ユニットに接続されており、他端が第2熱源ユニットに接続されている第1熱媒配管と、一端が第2熱源ユニットに接続されており、他端が暖房端末に接続されている第2熱媒配管と、一端が暖房端末に接続されており、他端が第1熱源ユニットに接続されている第3熱媒配管と、第1熱源ユニット、第1熱媒配管、第2熱源ユニット、第2熱媒配管、暖房端末、及び、第3熱媒配管で構成される循環路において熱媒を循環させる循環ポンプと、制御装置と、を備える暖房システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の暖房システムにおいて、制御装置は、第1循環ポンプを駆動させ、第2熱源ユニットを駆動させ、第1熱源ユニットに流入する熱媒の温度と、第1熱源ユニットから流出する熱媒の温度と、に基づいて、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正しく接続(以下では、「正接続」と記載することがある)されているのか否かを判定している。
【0005】
本明細書では、暖房システムにおいて、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正しく接続されているのか否かを判定することができる新規な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する暖房システムは、第1熱源ユニットと、第2熱源ユニットと、暖房端末と、一端が前記第1熱源ユニットに接続されており、他端が前記第2熱源ユニットに接続されている第1熱媒配管と、一端が前記第2熱源ユニットに接続されており、他端が前記暖房端末に接続されている第2熱媒配管と、一端が前記暖房端末に接続されており、他端が前記第1熱源ユニットに接続されている第3熱媒配管と、前記第1熱源ユニット、前記第1熱媒配管、前記第2熱源ユニット、前記第2熱媒配管、前記暖房端末、及び、前記第3熱媒配管で構成される循環路において熱媒を循環させる循環ポンプと、制御装置と、を備え、前記第1熱媒配管が保有可能な水量は、前記第2熱媒配管が保有可能な水量と前記第3熱媒配管が保有可能な水量の合計の保有可能な水量よりも少なく、前記制御装置は、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに正しく接続されているのか否かを判定する判定処理を実行可能に構成されており、前記制御装置は、前記判定処理において、前記循環ポンプを駆動させ、前記第1熱源ユニットから流出される熱媒が前記第2熱源ユニットに流入するまでの時間である第1計測時間を計測し、前記第2熱源ユニットから流出される熱媒が前記第1熱源ユニットに流入するまでの時間である第2計測時間を計測し、前記第1計測時間、及び、前記第2計測時間に基づいて、前記第1熱媒配管及び前記第3熱媒配管が前記第1熱源ユニットに正しく接続されているのか否かを判定する。
【0007】
上記の暖房システムでは、第1熱媒配管が保有可能な水量は、第2熱媒配管が保有可能な水量と第3熱媒配管が保有可能な水量の合計の保有可能な水量よりも少ない。このため、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されている場合において、第1計測時間は第2計測時間よりも短くなる。逆に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに誤って接続(以下では、「誤接続」と記載することがある)されている場合においては、第1計測時間は第2計測時間よりも長くなる。従って、制御装置は、第1計測時間、及び、第2計測時間に基づいて、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されているのか、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに誤接続されているのかを判定することができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、制御装置は、判定処理において、第1計測時間を計測した後に、第2計測時間の計測を開始し、計測中の第2計測時間が第1計測時間よりも長くなる場合に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正しく接続されていると判定し、計測された第2計測時間が第1計測時間よりも短い場合に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに誤って接続されていると判定してもよい。
【0009】
上記の構成によれば、制御装置は、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されている場合に、第2計測時間の計測中に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されていると判定する。即ち、制御装置は、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されている状況において、第2計測時間の計測が完了する前に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されていると判定することができる。従って、第1計測時間及び第2計測時間の両方の計測が完了した後に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されていると判定する構成と比較して、判定処理に要する時間を短くすることができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、暖房システムは、さらに、第1熱源ユニットから流出する熱媒の温度である第1流出温度を検出する第1流出温度センサと、第1熱源ユニットに流入する熱媒の温度である第1流入温度を検出する第1流入温度センサと、第2熱源ユニットから流出する熱媒の温度である第2流出温度を検出する第2流出温度センサと、第2熱源ユニットに流入する熱媒の温度である第2流入温度を検出する第2流入温度センサと、を備えてもよい。制御装置は、判定処理において、循環ポンプを駆動させ、第1熱源ユニット、及び、第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させ、第1流出温度が第1判定温度以上になってから、第2流入温度が第1判定温度以下の温度である第2判定温度以上になるまでの時間を第1計測時間として計測し、第2流出温度が第3判定温度以上になってから、第1流入温度が第3判定温度以下の温度である第4判定温度以上になるまでの時間を第2計測時間として計測してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、制御装置は、第1流出温度及び第2流入温度に基づいて、第1計測時間を正確に計測することができる。また、制御装置は、第2流出温度及び第1流入温度に基づいて、第2計測時間を正確に計測することができる。従って、制御装置は、第1計測時間及び第2計測時間を利用して、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されているのか否かを正確に判定することができる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第3判定温度は、第2判定温度以下の温度であってもよい。制御装置は、判定処理において、第1熱源ユニットのみを駆動させ、第1計測時間が計測され、第2流出温度が第3判定温度以上となる場合に、第2計測時間の計測を開始してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1熱源ユニットのみを駆動させることで、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されているのか否かを判定することができる。従って、第1熱源ユニット及び第2熱源ユニットの両方を駆動させる構成と比較して、判定処理に要するエネルギーを抑制することができる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、制御装置は、判定処理において、循環ポンプを駆動させてから、第1流入温度、第1流出温度、第2流入温度、及び、第2流出温度が、第2判定温度及び第4判定温度以下の温度である第5判定温度以下となる場合に、第1熱源ユニット、及び、第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させてもよい。
【0015】
判定処理において、第1熱源ユニット、及び、第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させる際の循環路内の熱媒の温度が高くなっていることは望ましくない。熱媒の温度が高いことに起因して、第1計測時間及び第2計測時間が正確に計測できなくなるからである。上記の構成によれば、制御装置は、循環ポンプを駆動させてから、第1流入温度、第1流出温度、第2流入温度、及び、第2流出温度が、第5判定温度以下となる場合に、第1熱源ユニット、及び、第2熱源ユニットのうちの少なくとも一方を駆動させる。第1流入温度、第1流出温度、第2流入温度、及び、第2流出温度が、第5判定温度以下となっていれば、第1計測時間及び第2計測時間を正確に計測することができる。従って、制御装置は、第1計測時間及び第2計測時間を利用して、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに正接続されているのか否かを正確に判定することができる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、制御装置は、判定処理において、計測中の第1計測時間が判定時間よりも長くなる場合に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに誤って接続されていると判定してもよい。
【0017】
第1熱媒配管の長さ、即ち第1熱媒配管が保有可能な水量は、暖房システムが設置される家屋のレイアウトによって異なる。しかしながら、第1熱媒配管として使用される配管が保有可能な水量にも上限がある。このため、使用される可能性のある第1熱媒配管のうち、最も保有水量が多い第1熱媒配管が保有可能な水量に基づいて、判定時間を設定することで、第1計測時間が判定時間よりも長くなる場合に、第1熱媒配管及び第3熱媒配管が第1熱源ユニットに誤接続されていると判定することができる。この場合、判定処理は、第1計測時間の計測が完了する前に終了する。従って、判定処理に要する時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例に係る冷暖房システム2を模式的に示す図である。
【
図2】実施例に係る制御装置150によって実行される第1試運転処理を示すフローチャートである。
【
図4】実施例に係る制御装置150によって実行される第2試運転処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施例に係る制御装置150によって実行されるHP側判定処理を示すフローチャートである。
【
図6】実施例に係る制御装置150によって実行されるガス側判定処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されている冷暖房システム2の模式図を示す図である(ケースA)。
【
図8】第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に誤接続されており、かつ、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に誤接続されている冷暖房システム2の模式図を示す図である(ケースB)。
【
図9】第1変形例に係る暖房システム202を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施例)
以下では図面を参照しながら、本実施例に係る冷暖房システム2について説明する。
図1に示すように、冷暖房システム2は、HP熱源ユニット4と、ガス熱源ユニット6と、熱交換ユニット8と、冷暖房端末10と、暖房端末12と、第1HP側配管100と、第2HP側配管102と、第1ガス側配管110と、第2ガス側配管112と、制御装置150と、を備える。冷暖房端末10は、冷房端末及び暖房端末として機能する。冷暖房端末10は、例えば、空調装置である。暖房端末12は、暖房端末としてのみ機能する。暖房端末12は、例えば、床暖房である。
【0020】
第1HP側配管100は、第1端末配管120と、第2端末配管122と、第3端末配管124と、第4端末配管126と、を備える。第1端末配管120は、一方の端部が熱交換ユニット8の第1接続部8aに接続されており、他方の端部が冷暖房端末10に接続されている。第2端末配管122は、第1端末配管120から分岐されている。第2端末配管122は暖房端末12に接続されている。第1端末配管120には、第1熱動弁130が設けられている。第1熱動弁130は、第2端末配管122の分岐部よりも冷暖房端末10側に設けられている。第2端末配管122には、第2熱動弁132が設けられている。第3端末配管124は、一方の端部が暖房端末12に接続されており、他方の端部が第4端末配管126に接続されている。第4端末配管126は、一方の端部が冷暖房端末10に接続されており、他方の端部がHP熱源ユニット4の流入部4aに接続されている。以下では、HP熱源ユニット4の流入部4aに接続されている第4端末配管126の端部、熱交換ユニット8の第1接続部8aに接続されている第1端末配管120の端部を、それぞれ、「第1HP側配管100の端部100a」、「第1HP側配管100の端部100b」と記載することがある。第2HP側配管102は、一方の端部102aがHP熱源ユニット4の流出部4bに接続されており、他方の端部102bが熱交換ユニット8の第2接続部8bに接続されている。第1HP側配管100及び第2HP側配管102は、HP熱源ユニット4と熱交換ユニット8を接続する。本実施例において、第1HP側配管100が保有可能な水量は、第2HP側配管102が保有可能な水量よりも多い。特に、第1HP側配管100の第1端末配管120が保有可能な水量と第4端末配管126が保有可能な水量の合計の保有可能な水量は、第2HP側配管102が保有可能な水量よりも多い。また、第1HP側配管100の一部、及び、第2HP側配管102の一部は、屋外に設けられている。
【0021】
第1ガス側配管110は、一方の端部110aがガス熱源ユニット6の流入部6aに接続されており、他方の端部110bが熱交換ユニット8の第3接続部8cに接続されている。第2ガス側配管112は、一方の端部112aがガス熱源ユニット6の流出部6bに接続されており、他方の端部112bが熱交換ユニット8の第4接続部8dに接続されている。第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112は、ガス熱源ユニット6と熱交換ユニット8を接続する。
【0022】
HP熱源ユニット4は、ヒートポンプ熱源20と、HP側流入経路22と、HP側流出経路24と、HP側循環ポンプ26と、を備える。ヒートポンプ熱源20は、水を加熱可能であるとともに、水を冷却可能である。HP側流入経路22の上流端部は、HP熱源ユニット4の流入部4aに接続されており、下流端部は、ヒートポンプ熱源20に接続されている。流入部4aにおいて、HP側流入経路22と第1HP側配管100とが接続されている。HP側循環ポンプ26は、HP側流入経路22上に設けられている。HP側流出経路24の上流端部は、ヒートポンプ熱源20に接続されており、下流端部は、HP熱源ユニット4の流出部4bに接続されている。流出部4bにおいて、HP側流出経路24と第2HP側配管102とが接続されている。HP側流入経路22には、HP熱源ユニット4に流入する水の温度である第1HP側水温TH1を検出する第1HP側水温センサ28が設けられている。HP側流出経路24には、HP熱源ユニット4から流出する水の温度である第2HP側水温TH2を検出する第2HP側水温センサ30が設けられている。
【0023】
ガス熱源ユニット6は、ガス熱源40と、ガス側流入経路42と、ガス側流出経路44と、ガス側循環ポンプ46と、を備える。ガス熱源40は、燃料ガスの燃焼によって水を加熱する熱源である。ガス側流入経路42の上流端部は、ガス熱源ユニット6の流入部6aに接続されており、下流端部は、ガス熱源40に接続されている。流入部6aにおいて、ガス側流入経路42と第1ガス側配管110とが接続されている。ガス側循環ポンプ46は、ガス側流入経路42上に設けられている。ガス側流出経路44の上流端部は、ガス熱源40に接続されており、下流端部は、ガス熱源ユニット6の流出部6bに接続されている。流出部6bにおいて、ガス側流出経路44と第2ガス側配管112とが接続されている。
【0024】
熱交換ユニット8は、熱交換器50と、第1熱交換ユニット内経路52と、第2熱交換ユニット内経路54と、接続経路56と、第3熱交換ユニット内経路58と、第4熱交換ユニット内経路60と、を備える。第1熱交換ユニット内経路52は、一方の端部が熱交換ユニット8の第1接続部8aに接続されており、他方の端部が熱交換器50の第1接続部50aに接続されている。第1接続部8aにおいて、第1熱交換ユニット内経路52と第1HP側配管100とが接続されている。第1熱交換ユニット内経路52には、第1熱交換ユニット内経路52を流れる水の温度である第1HE側水温TE1を検出する第1HE側水温センサ62が設けられている。第2熱交換ユニット内経路54は、一方の端部が熱交換ユニット8の第2接続部8bに接続されており、他方の端部が熱交換器50の第2接続部50bに接続されている。第2接続部8bにおいて、第2熱交換ユニット内経路54と第2HP側配管102が接続されている。第2熱交換ユニット内経路54には、第2熱交換ユニット内経路54を流れる水の温度である第2HE側水温TE2を検出する第2HE側水温センサ64が設けられている。接続経路56は、第1熱交換ユニット内経路52と第2熱交換ユニット内経路54とを接続する。第2熱交換ユニット内経路54と接続経路56との接続部には、バイパス制御弁66が設けられている。バイパス制御弁66は、熱交換ユニット8の第2接続部8bから第2熱交換ユニット内経路54に流入する全ての水が熱交換器50側に供給される第1状態と、第2接続部8bから第2熱交換ユニット内経路54に流入する全ての水が接続経路56に供給される第2状態と、の間で切替えられる。なお、変形例では、バイパス制御弁66は、熱交換器50側に供給される水量と、接続経路56側に供給される水量と、の割合を調整可能であってもよい。
【0025】
第3熱交換ユニット内経路58は、一方の端部が熱交換ユニット8の第3接続部8cに接続されており、他方の端部が熱交換器50の第3接続部50cに接続されている。第3接続部8cにおいて、第3熱交換ユニット内経路58と第1ガス側配管110が接続されている。第3熱交換ユニット内経路58には、開閉弁68と、第3熱交換ユニット内経路58を流れる水の温度である第3HE側水温TE3を検出する第3HE側水温センサ70と、が設けられている。第4熱交換ユニット内経路60は、一方の端部が熱交換ユニット8の第4接続部8dに接続されており、他方の端部が熱交換器50の第4接続部50dに接続されている。第4接続部8dにおいて、第4熱交換ユニット内経路60と第2ガス側配管112が接続されている。第4熱交換ユニット内経路60には、第4熱交換ユニット内経路60を流れる水の温度である第4HE側水温TE4を検出する第4HE側水温センサ72が設けられている。
【0026】
熱交換器50は、第1接続部50aと第2接続部50bとを接続するHP側熱交換経路80と、第3接続部50cと第4接続部50dとを接続するガス側熱交換経路82と、を備える。HP側熱交換経路80を通過する水とガス側熱交換経路82を通過する水との間で熱交換が行われる。
【0027】
バイパス制御弁66が第1状態である状態において、第1熱動弁130及び第2熱動弁132が開状態に切替えられ、HP側循環ポンプ26が駆動されると、HP側流入経路22、ヒートポンプ熱源20、HP側流出経路24、第2HP側配管102、熱交換ユニット8(詳細には、第2熱交換ユニット内経路54、HP側熱交換経路80、第1熱交換ユニット内経路52)、第1HP側配管100、冷暖房端末10、及び、暖房端末12によって構成される第1HP側循環路を水が流れる。また、バイパス制御弁66が第2状態である状態において、第1熱動弁130及び第2熱動弁132が開状態に切替えられ、HP側循環ポンプ26が駆動されると、HP側流入経路22、ヒートポンプ熱源20、HP側流出経路24、第2HP側配管102、熱交換ユニット8(詳細には、第2熱交換ユニット内経路54、接続経路56、第1熱交換ユニット内経路52)、第1HP側配管100、冷暖房端末10、及び、暖房端末12によって構成される第2HP側循環路を水が流れる。以下では、第1HP側循環路及び第2HP側循環路を総称して、単に「HP側循環路」と記載することがある。なお、HP側循環路を流れる熱媒は、不凍液であってもよい。また、熱交換ユニット8の開閉弁68が開状態に切替えられ、ガス熱源ユニット6のガス側循環ポンプ46が駆動されると、ガス側流入経路42、ガス熱源40、ガス側流出経路44、第2ガス側配管112、熱交換ユニット8(詳細には、第4熱交換ユニット内経路60、ガス側熱交換経路82、第3熱交換ユニット内経路58)、及び、第1ガス側配管110で構成されるガス側循環路を水が流れる。なお、ガス側循環路を流れる熱媒は、不凍液であってもよい。
【0028】
制御装置150は、例えば、CPU、メモリ、タイマ等を備えている。制御装置150は、冷暖房システム2の各構成要素の動作を制御する。制御装置150には、リモコン152が接続されている。リモコン152は、表示部(図示省略)と、操作部(図示省略)と、を備えている。リモコン152は、冷暖房システム2に関する各種の設定をするために設けられている。例えば、ユーザは、リモコン152を操作することによって、冷房設定温度、暖房設定温度等を設定することができる。制御装置150は、暖房運転、冷房運転を実行可能に構成されている。
【0029】
(暖房運転)
制御装置150は、冷暖房端末10が設置されている室内を暖房する指示をユーザから受付けると、第1熱動弁130を開状態に切替え、第2熱動弁132を閉状態に切替え、バイパス制御弁66を第1状態に切替え、HP側循環ポンプ26を駆動する。なお、制御装置150は、暖房端末12が設置されている室内を暖房する指示をユーザから受付ける場合、第2熱動弁132を開状態に切替える。制御装置150は、ヒートポンプ熱源20によって加熱される水の温度が暖房目標温度となるように、ヒートポンプ熱源20を駆動する。暖房目標温度は、暖房設定温度に基づいて特定される温度である。この場合、ヒートポンプ熱源20によって加熱された水は、HP側流出経路24、第2HP側配管102、第2熱交換ユニット内経路54、HP側熱交換経路80、第1熱交換ユニット内経路52、第1端末配管120を経由して、冷暖房端末10に供給される。そして、冷暖房端末10が設置されている室内の空気が暖められる。
【0030】
また、制御装置150は、ヒートポンプ熱源20によって加熱される水の温度が、暖房目標温度以下である場合に、開閉弁68を開状態に切替え、ガス側循環ポンプ46、及び、ガス熱源40を駆動させる。この場合、ガス熱源40によって加熱された水は、ガス側流出経路44、第2ガス側配管112、第4熱交換ユニット内経路60を経由して、熱交換器50のガス側熱交換経路82に供給される。そして、HP側熱交換経路80を流れる水は、ガス側熱交換経路82を流れる水から熱を吸収する。これにより、暖房目標温度の水が冷暖房端末10に供給されるようになる。
【0031】
(冷房運転)
制御装置150は、冷暖房端末10が設置されている室内を冷房する指示をユーザから受付けると、第1熱動弁130を開状態に切替え、第2熱動弁132を閉状態に切替え、バイパス制御弁66を第2状態に切替え、HP側循環ポンプ26を駆動する。さらに、制御装置150は、ヒートポンプ熱源20によって冷却される水の温度が冷房設定温度となるように、ヒートポンプ熱源20を駆動する。冷房設定温度は、冷房目標温度に基づいて特定される温度である。この場合、ヒートポンプ熱源20によって冷却された水は、HP側流出経路24、第2HP側配管102、第2熱交換ユニット内経路54、接続経路56、第1熱交換ユニット内経路52、第1端末配管120を経由して、冷暖房端末10に供給される。これにより、冷暖房端末10が設置されている室内の空気が冷却される。
【0032】
(試運転)
また、制御装置150は、試運転を実行可能に構成されている。試運転は、冷暖房システム2の設置が完了した後、即ち、HP熱源ユニット4、ガス熱源ユニット6、及び、熱交換ユニット8の間の配管の接続が完了した後に実行される運転である。試運転は、冷暖房システム2に異常がないことを確認するための運転である。試運転が実行され、冷暖房システム2に異常がないことが確認されると、ユーザは、冷暖房システム2を通常通りに利用することができる。
【0033】
(試運転;
図2~
図6)
図2~
図6を参照して、冷暖房システム2の制御装置150によって実行される試運転について説明する。試運転は、第1試運転処理(
図2、
図3)と、第2試運転処理(
図4~
図6)と、で構成されている。第1試運転処理は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されているのか否かを判定するための処理である。第2試運転処理は、第1試運転処理の後に実行される処理であり、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定するとともに、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定するための処理である。
【0034】
(第1試運転処理;
図2、
図3)
図2、
図3を参照して、第1試運転処理について説明する。第1試運転処理では、第1HP側水温TH1、第2HP側水温TH2、第1HE側水温TE1、及び、第2HE側水温TE2が利用される。
【0035】
S10において、制御装置150は、熱交換ユニット8のバイパス制御弁66を第1状態に切替え、第1熱動弁130及び第2熱動弁132を開状態に切替え、HP熱源ユニット4のHP側循環ポンプ26を駆動させる。また、制御装置150は、開閉弁68を閉状態に切替え、ガス側循環ポンプ46の駆動が停止している状態を維持するとよい。なお、変形例では、制御装置150は、第1熱動弁130及び第2熱動弁132のうちの一方を閉状態に切替えてもよい。また、制御装置150は、バイパス制御弁66を第2状態に切替えてもよい。HP側循環ポンプ26が駆動されることによってHP循環路内の水が循環することで、HP側循環路内の水の温度が均一化される。
【0036】
S12において、制御装置150は、第1継続時間が第1所定時間(例えば、3[分])以上になることを監視する。第1継続時間は、第1HP側水温TH1、第2HP側水温TH2、第1HE側水温TE1、第2HE側水温TE2のうちの最大水温が第1所定温度以下である状態が継続している時間である。第1所定温度は、後述する第1加熱目標温度(例えば、50[℃])から第1減算温度(例えば、15[℃])を減算した温度である。制御装置150は、第1継続時間が第1所定時間以上になる場合に、S12でYESと判断し、処理はS20に進む。なお、制御装置150は、S10の処理が終了してから第1待機時間が経過しても、S12でYESと判断されない場合に、冷暖房システム2に異常が発生していると判断し、第1試運転処理を終了する。冷暖房システム2に発生している異常とは、例えば、HP側循環ポンプ26の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり等である。なお、変形例では、制御装置150は、第1HP側水温TH1、第2HP側水温TH2、第1HE側水温TE1、第2HE側水温TE2のうちの最大水温が第1所定温度以下となる場合に、S12でYESと判断してもよい。
【0037】
S20において、制御装置150は、ヒートポンプ熱源20を駆動させる。制御装置150は、ヒートポンプ熱源20によって加熱される水の温度が第1加熱目標温度となるようにヒートポンプ熱源20を駆動させる。
【0038】
S22において、制御装置150は、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上となることを監視する。第2所定温度は、第1加熱目標温度から、第1減算温度よりも小さい第2減算温度(例えば、10[℃])を減算した温度である。制御装置150は、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になる場合に、S22でYESと判断し、処理はS24に進む。なお、制御装置150は、ヒートポンプ熱源20を駆動させてから、第2待機時間が経過しても、S22でYESと判断されない場合に、冷暖房システム2に異常が発生していると判断し、第1試運転処理を終了する。冷暖房システム2に発生している異常とは、例えば、ヒートポンプ熱源20の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり等である。
【0039】
S24において、制御装置150は、タイマを駆動させ、第1計測時間の計測を開始する。第1計測時間は、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になってから、第2HE側水温TE2が第3所定温度以上になるまでに要する時間である。第3所定温度は、第2所定温度以下の温度であれば、第2所定温度と同じであってもよいし、第2所定温度よりも低くてもよい。また、第3所定温度は、第1所定温度以上の温度である。
【0040】
S26において、制御装置150は、現在の計測時間が第2所定時間以上であるのか否かを判断する。第2所定時間について説明する。第2HP側配管102等の配管の長さ、即ち第2HP側配管102等が保有可能な水量は、冷暖房システム2が設置される家屋のレイアウトによって異なる。しかしながら、第2HP側配管102として使用される配管が保有可能な水量にも上限がある。使用される可能性のある第2HP側配管102のうち、最も保有水量が多い第2HP側配管102が保有可能な水量に基づいて、第2所定時間は設定される。具体的には、最も保有水量が多い第2HP側配管102がHP熱源ユニット4の流出部4bと熱交換ユニット8の第2接続部8bとに接続されている状態において、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になってから第2HE側水温TE2が第3所定温度以上になるまでに要する時間に基づいて、第2所定時間が設定される。制御装置150は、現在の計測時間が第2所定時間以上である場合に、S26でYESと判断し、処理はS40に進む。S40において、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定する。制御装置150は、S40が終了すると、第1試運転処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、第1HP側配管100及び第2HP側配管102の誤接続を検知したことを報知する。上述のように、第2所定時間は、最も長い第2HP側配管102に基づいて設定される。このため、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されている場合に、第1計測時間が第2所定時間以上となることはない。このような理由により、制御装置150は、S26でYESと判断する場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定する。
【0041】
一方、制御装置150は、現在の計測時間が第2所定時間未満である場合に、S26でNOと判断し、S28に進む。S28において、制御装置150は、第2HE側水温TE2が第3所定温度以上であるのか否かを判断する。制御装置150は、第2HE側水温TE2が第3所定温度以上である場合に、S28でYESと判断し、処理はS30に進む。一方、制御装置150は、第2HE側水温TE2が第3所定温度未満である場合に、S28でNOと判断し、処理はS26に戻る。
【0042】
S30において、制御装置150は、タイマによって計測されている現在の計測時間を第1計測時間として記憶して、第1計測時間の計測を完了する。
【0043】
図3のS50において、制御装置150は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になることを監視する。第4所定温度は、第3所定温度と同じであってもよいし、第3所定温度よりも低くてもよい。制御装置150は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になる場合に、S50でYESと判断し、処理はS52に進む。なお、熱交換ユニット8内の水路の長さは、第1HP側配管100、第2HP側配管102、第1ガス側配管110、第2ガス側配管112と比較して短い。このため、HP側熱交換経路80を通過する水とガス側熱交換経路82を通過する水との間で熱交換が行われていない状態において、第2HE側水温TE2と第1HE側水温TE1は略同じである。
【0044】
S52において、制御装置150は、タイマを駆動させ、第2計測時間の計測を開始する。第2計測時間は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になってから、第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になるまでに要する時間である。第5所定温度は、第4所定温度以下の温度であれば、第4所定温度と同じであってもよいし、第4所定温度よりも低くてもよい。また、第5所定温度は、第1所定温度以上の温度である。
【0045】
S60において、制御装置150は、現在の計測時間が第1計測時間以上になることを監視する。制御装置150は、現在の計測時間が第1計測時間以上になる場合に、S60でYESと判断し、処理はS62に進む。S60でYESと判断される場合とは、第2計測時間が第1計測時間よりも長い場合である。
【0046】
S62において、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されていると判定する。制御装置150は、S62が終了すると、第1試運転処理を終了する。上述のように、第1HP側配管100によって保有可能な水量は、第2HP側配管102が保有可能な水量よりも多い。このため、
図1に示すように、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されている状況において、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になってから第2HE側水温TE2が第3所定温度以上になるまでに要する時間(即ち第1計測時間)は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になってから第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になるまでに要する時間(即ち第2計測時間)よりも短くなる。このような理由により、制御装置150は、S60でYESと判断する場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されていると判定する。
【0047】
また、制御装置150は、S60の監視と同時的に、S70において、第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になることを監視する。制御装置150は、第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になる場合に、S70でYESと判断し、処理はS72に進む。S60でNO、及び、S70でYESと判断される場合とは、現在の計測時間が第1計測時間に到達する前に、第1HP側水温TH1が第5所定温度以上となる場合である。また、S70でYESと判断される場合とは、第2計測時間が第1計測時間よりも短い場合である。
【0048】
S72において、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定する。制御装置150は、S72が終了すると、第1試運転処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、第1HP側配管100及び第2HP側配管102の誤接続を検知したことを報知する。上述のように、第1HP側配管100によって保有可能な水量は、第2HP側配管102が保有可能な水量よりも多い。このため、
図7に示すように、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されている状況において、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になってから第2HE側水温TE2が第3所定温度以上になるまでに要する時間(即ち第1計測時間)は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になってから第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になるまでに要する時間(即ち第2計測時間)よりも長くなる。このような理由により、制御装置150は、S70でYESと判断する場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定する。
【0049】
(第2試運転処理;
図4~
図6)
続いて、
図4~
図6を参照して、冷暖房システム2の制御装置150によって実行される第2試運転処理について説明する。本実施例において、第2試運転処理は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されている状態において実行される。第2試運転処理では、第1HE側水温TE1、第2HE側水温TE2、第3HE側水温TE3、及び、第4HE側水温TE4が利用される。
【0050】
S110において、制御装置150は、第1熱動弁130及び第2熱動弁132を開状態に切替え、熱交換ユニット8のバイパス制御弁66を第1状態に切替え、開閉弁68を開状態に切替え、HP熱源ユニット4のHP側循環ポンプ26を駆動させ、ガス熱源ユニット6のガス側循環ポンプ46を駆動させ、ガス熱源40を駆動させる。制御装置150は、ヒートポンプ熱源20を駆動させない。なお、制御装置150は、S110の処理を実行する前において、各弁の状態がS110の処理を実行した後の状態である場合、当該弁の状態を維持する。なお、変形例では、制御装置150は、第1熱動弁130及び第2熱動弁132のうちの一方を閉状態に切替えてもよい。制御装置150は、ガス熱源40によって加熱される水の温度が第2加熱目標温度(例えば、70[℃])となるようにガス熱源40を駆動させる。
【0051】
S112において、制御装置150は、ガス熱源40を駆動させてから、判定処理開始時間(例えば、90[秒])が経過することを監視する。制御装置150は、判定処理開始時間が経過する場合に、S112でYESと判断し、処理はS120及びS130に進む。制御装置150は、S120の処理とS130の処理とを並列的に実行する。
【0052】
S120において、制御装置150は、HP側判定処理(
図5参照)を実行する。HP側判定処理は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されているのか否か等を判定する処理である。
【0053】
S130において、制御装置150は、ガス側判定処理(
図6参照)を実行する。ガス側判定処理は、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されているのか否か等を判定する処理である。S120の処理、及び、S130の処理が終了すると、制御装置150は、第2試運転処理を終了する。
【0054】
(HP側判定処理;
図5)
続いて、
図5を参照して、
図4のS120で実行されるHP側判定処理について説明する。S150において、制御装置150は、処理実行時間が第3所定時間(例えば、60[秒])以上になることを監視する。処理実行時間は、S112でYESと判断してからの経過時間、即ち、HP側判定処理及びガス側判定処理を開始してからの経過時間である。制御装置150は、処理実行時間が第3所定時間以上になる場合に、S150でYESと判断し、処理はS152に進む。なお、S150でYESと判断される場合とは、後述するS160又はS170でYESと判断されない場合、即ち、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定できていない場合である。冷暖房システム2に異常が発生している場合、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定できない。冷暖房システム2に発生する異常とは、例えば、HP側循環ポンプ26の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり、ガス側循環ポンプ46の故障、ガス側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり、ガス熱源40の故障等である。例えば、HP側循環ポンプ26の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まりが発生している場合、HP側循環路内を水が循環しないために、第1HE側水温TE1と第2HE側水温TE2との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS160又はS170でYESと判断されない。また、例えば、ガス側循環ポンプ46の故障、ガス側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まりが発生している場合、ガス側循環路内を水が循環しないことに起因して、第1HE側水温TE1と第2HE側水温TE2との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS160又はS170でYESと判断されない。また、例えば、ガス熱源40の故障が発生している場合、ガス側循環路内の水の温度が上昇しないことに起因して、第1HE側水温TE1と第2HE側水温TE2との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS160又はS170でYESと判断されない。このため、S150でYESと判断される場合、冷暖房システム2に異常が発生していると推定される。
【0055】
S152において、制御装置150は、冷暖房システム2に異常が発生していると判定する。制御装置150は、S152が終了すると、HP側判定処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、冷暖房システム2の異常を検知したことを報知する。
【0056】
また、制御装置150は、S150の監視と同時的に、S160において、第2継続時間が第4所定時間(例えば、10[秒])以上になることを監視する。第2継続時間は、第1HE側水温TE1が第2HE側水温TE2よりも第6所定温度(例えば、5[℃])以上高い状態が継続している時間である。制御装置150は、第2継続時間が第4所定時間以上になる場合に、S160でYESと判断し、処理はS162に進む。
【0057】
S162において、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されていると判定する。制御装置150は、S162が終了すると、S120のHP側判定処理を終了する。
図1に示すように、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されている場合、熱交換器50内において、第2接続部50bから第1接続部50aに向かって水が流れる。この場合、HP側熱交換経路80を流れる水がガス側熱交換経路82を流れる水の熱を吸収するために、第1接続部50aを流れる水の温度は、第2接続部50bを流れる水の温度よりも高くなる。即ち、第1HE側水温TE1が第2HE側水温TE2よりも高くなる。このような理由により、制御装置150は、S160でYESと判断する場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されていると判定する。
【0058】
また、制御装置150は、S150及びS160の監視と同時的に、S170において、第3継続時間が第5所定時間以上になることを監視する。第5所定時間は、第4所定時間と同じでもよいし、異なっていてもよい。第3継続時間は、第2HE側水温TE2が第1HE側水温TE1よりも第7所定温度(例えば、5[℃])以上高い状態が継続している時間である。第7所定温度は、第6所定温度と同じでもよいし、異なっていてもよい。制御装置150は、第3継続時間が第5所定時間以上になる場合に、S170でYESと判断し、処理はS172に進む。
【0059】
S172において、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に誤接続されていると判定する。制御装置150は、S172が終了すると、S120のHP側判定処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、第1HP側配管100及び第2HP側配管102の誤接続を検知したことを報知する。
図8に示すように、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に誤接続されている場合、熱交換器50内において、第1接続部50aから第2接続部50bに向かって水が流れる。この場合、HP側熱交換経路80を流れる水がガス側熱交換経路82を流れる水の熱を吸収するために、第2接続部50bを流れる水の温度は、第1接続部50aを流れる水の温度よりも高くなる。即ち、第2HE側水温TE2が第1HE側水温TE1よりも高くなる。このような理由により、制御装置150は、S170でYESと判断する場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に誤接続されていると判定する。なお、制御装置150は、冷暖房システム2が
図7に示す状態である場合も、
図5のHP側判定処理によって、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が誤接続されていると判定することができる。
【0060】
(ガス側判定処理;
図6)
続いて、
図6を参照して、
図4のS130で実行されるガス側判定処理について説明する。S190において、制御装置150は、処理実行時間が第3所定時間以上になることを監視する。制御装置150は、処理実行時間が第3所定時間以上になる場合に、S190でYESと判断し、処理はS192に進む。なお、S190でYESと判断される場合とは、後述するS200又はS210でYESと判断されない場合、即ち、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定できていない場合である。冷暖房システム2に異常が発生している場合、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されているのか否かを判定できない。冷暖房システム2に発生する異常とは、例えば、HP側循環ポンプ26の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり、ガス側循環ポンプ46の故障、ガス側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まり、ガス熱源40の故障等である。例えば、ガス側循環ポンプ46の故障、ガス側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まりが発生している場合、ガス側循環路内を水が循環しないために、第3HE側水温TE3と第4HE側水温TE4との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS200又はS210でYESと判断されない。また、例えば、HP側循環ポンプ26の故障、HP側循環路に異物が混入していることによる配管の詰まりが発生している場合、ガス側循環路内を水が循環しないことに起因して、第3HE側水温TE3と第4HE側水温TE4との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS200又はS210でYESと判断されない。また、例えば、ガス熱源40の故障が発生している場合、ガス側循環路内の水の温度が上昇しないために、第3HE側水温TE3と第4HE側水温TE4との間に判定に必要な温度差が発生せず、後述するS200又はS210でYESと判断されない。このため、S190でYESと判断される場合、冷暖房システム2に異常が発生していると推定される。
【0061】
S192において、制御装置150は、冷暖房システム2に異常が発生していると判定する。制御装置150は、S192が終了すると、ガス側判定処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、冷暖房システム2の異常を検知したことを報知する。
【0062】
また、制御装置150は、S190の監視と同時的に、S200において、第4継続時間が第6所定時間(例えば、10[秒])以上になることを監視する。第4継続時間は、第4HE側水温TE4が第3HE側水温TE3よりも第8所定温度(例えば、5[℃])以上高い状態が継続している時間である。第6所定時間は、第4所定時間と同じでもよいし、異なっていてもよい。また、第8所定温度は、第6所定温度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。制御装置150は、第4継続時間が第6所定時間以上になる場合に、S200でYESと判断し、処理はS202に進む。
【0063】
S202において、制御装置150は、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されていると判定する。制御装置150は、S202が終了すると、S130のガス側判定処理を終了する。
図1に示すように、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されている場合、熱交換器50内において、第4接続部50dから第3接続部50cに向かって水が流れる。HP側熱交換経路80を流れる水がガス側熱交換経路82を流れる水の熱を吸収するために、第3接続部50cを流れる水の温度は、第4接続部50dを流れる水の温度よりも低くなる。即ち、第3HE側水温TE3が第4HE側水温TE4よりも低くなる。このような理由により、制御装置150は、S200でYESと判断する場合に、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に正接続されていると判定する。
【0064】
また、制御装置150は、S190及びS200の監視と同時的に、S210において、第5継続時間が第7所定時間以上になることを監視する。第7所定時間は、第6所定時間と同じでもよいし、異なっていてもよい。また、第5継続時間は、第3HE側水温TE3が第4HE側水温TE4よりも第9所定温度以上高い状態が継続している時間である。第9所定温度は、第8所定温度と同じでもよいし、異なっていてもよい。制御装置150は、第5継続時間が第7所定時間以上になる場合に、S210でYESと判断し、処理はS212に進む。
【0065】
S212において、制御装置150は、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に誤接続されていると判定する。制御装置150は、S212が終了すると、S130のガス側判定処理を終了する。なお、制御装置150は、リモコン152を利用して、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112の誤接続を検知したことを報知する。
図8に示すように、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に誤接続されている場合、熱交換器50内において、第3接続部50cから第4接続部50dに向かって水が流れる。この場合、HP側熱交換経路80を流れる水がガス側熱交換経路82を流れる水の熱を吸収するために、第4接続部50dを流れる水の温度は、第3接続部50cを流れる水の温度よりも低くなる。即ち、第4HE側水温TE4が第3HE側水温TE3よりも低くなる。このような理由により、制御装置150は、S210でYESと判断する場合に、第1ガス側配管110及び第2ガス側配管112が熱交換ユニット8に誤接続されていると判定する。
【0066】
上記の構成によると、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、HP側循環ポンプ26を駆動させ、HP熱源ユニット4から流出される水が熱交換ユニット8に流入するまでの時間である第1計測時間を計測する(
図2のS30)。そして、制御装置150は、熱交換ユニット8から流出される水がHP熱源ユニット4に流入するまでの時間である第2計測時間を計測する(
図3のS52)。上述のように、第2HP側配管102が保有可能な水量は、第1HP側配管100が保有可能な水量よりも少ない。このため、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に正接続されている場合において、第1計測時間は第2計測時間よりも短くなる。逆に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102が熱交換ユニット8に誤接続されている場合においては、第1計測時間は第2計測時間よりも長くなる。従って、制御装置150は、第1計測時間及び第2計測時間に基づいて、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されているのか(S62)、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されているのかを判定することができる(S72)。
【0067】
また、上記の構成によると、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、計測中の第2計測時間が第1計測時間よりも長くなる場合(S60でYES)に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されていると判定する(S62)。即ち、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されている状況において、第2計測時間の計測が完了する前に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されていると判定することができる。従って、第1計測時間及び第2計測時間の両方の計測が完了した後に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されていると判定する構成と比較して、第1試運転処理に要する時間を短くすることができる。
【0068】
また、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、第2HP側水温TH2が第2所定温度以上になってから第2HE側水温TE2が第3所定温度以上になるまでの時間を第1計測時間として計測する(
図2のS24)。そして、制御装置150は、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上になってから第1HP側水温TH1が第5所定温度以上になるまでの時間を第2計測時間として計測する(
図3のS52)。このような構成によれば、制御装置150は、第2HP側水温TH2及び第2HE側水温TE2に基づいて、第1計測時間を正確に計測することができる。また、制御装置150は、第1HE側水温TE1及び第1HP側水温TH1に基づいて、第2計測時間を正確に計測することができる。従って、制御装置150は、第1計測時間及び第2計測時間を利用して、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されているのか否かを正確に判定することができる。
【0069】
また、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、HP熱源ユニット4(即ちヒートポンプ熱源20)のみを駆動させる(
図2のS20)そして、制御装置150は、第1計測時間が計測され(S30)、第1HE側水温TE1が第4所定温度以上となる場合(
図3のS50でYES)に、第2計測時間の計測を開始する(S52)。このような構成によれば、HP熱源ユニット4のみを駆動させることで、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されているのか否かを判定することができる。従って、HP熱源ユニット4及びガス熱源ユニット6の両方を駆動させる構成と比較して、第1試運転処理に要するエネルギーを抑制することができる。
【0070】
第1試運転処理(
図2、
図3)において、HP熱源ユニット4を駆動させる際のHP側循環路内の水の温度が高くなっていることは望ましくない。HP側循環路内の水の温度が高くなっている場合とは、例えば、
図2、
図3の第1試運転処理が実行された後に、再度、第1試運転処理が実行される場合、及び、真夏において、第1試運転所開始前に長時間放置されていた場合等である。第1試運転処理では、HP熱源ユニット4による加熱が行われている。このため、第1試運転処理が完了した直後は、HP側循環路の水の温度が高くなっている。また、上述のように、第1HP側配管100の一部、及び、第2HP側配管102の一部は、屋外に設けられている。このため、真夏においては、第1HP側配管100、及び、第2HP側配管102の屋外に設けられている部分の水の温度が高くなっている。上記の構成によると、制御装置150は、HP側循環ポンプ26を駆動させてから、第1HP側水温TH1、第2HP側水温TH2、第1HE側水温TE1、及び、第2HE側水温TE2が、第3所定温度(
図2のS28参照)及び第5所定温度(
図3のS70参照)以下の温度である第1所定温度以下となる場合(S12でYES)に、HP熱源ユニット4を駆動させる(S20)。第1HP側水温TH1、第2HP側水温TH2、第1HE側水温TE1、及び、第2HE側水温TE2が、第1所定温度以下となっていれば、第1計測時間及び第2計測時間を正確に計測することができる。従って、制御装置150は、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に正接続されているのか否かを正確に判定することができる。
【0071】
また、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、計測中の第1計測時間が第2所定時間よりも長くなる場合(
図2のS26でYES)に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定する(S40)。上述のように、使用される可能性のある第2HP側配管102のうち、最も保有水量が多い第2HP側配管102が保有可能な水量に基づいて、第2所定時間が設定される。このため、制御装置150は、第1計測時間が第2所定時間よりも長くなる場合に、第1HP側配管100及び第2HP側配管102がHP熱源ユニット4に誤接続されていると判定することができる。この場合、第1試運転処理は、第1計測時間の計測が完了する前に終了する。従って、第1試運転処理に要する時間を短くすることができる。
【0072】
(対応関係)
冷暖房システム2が、「暖房システム」の一例である。HP熱源ユニット4が、「第1熱源ユニット」の一例である。ガス熱源ユニット6及び熱交換ユニット8が、「第2熱源ユニット」の一例である。冷暖房端末10、暖房端末12が、「暖房端末」の一例である。第2HP側配管102が、「第1熱媒配管」の一例である。第1端末配管120及び第2端末配管122が、「第2熱媒配管」の一例である。第3端末配管124及び第4端末配管126が、「第3熱媒配管」の一例である。HP側循環路が、「循環路」の一例である。HP側循環ポンプ26が、「循環ポンプ」の一例である。第1試運転処理が、「判定処理」の一例である。第2HP側水温センサ30、第1HP側水温センサ28、第1HE側水温センサ62、第2HE側水温センサ64が、それぞれ、「第1流出温度センサ」、「第1流入温度センサ」、「第2流出温度センサ」、「第2流入温度センサ」の一例である。第2HP側水温TH2、第1HP側水温TH1、第1HE側水温TE1、第2HE側水温TE2が、それぞれ、「第1流出温度」、「第1流入温度」、「第2流出温度」、「第2流入温度」の一例である。第2所定温度、第3所定温度、第4所定温度、第5所定温度が、それぞれ、「第1判定温度」、「第2判定温度」、「第3判定温度」、「第4判定温度」の一例である。第1所定温度が、「第5判定温度」の一例である。第2所定時間が、「判定時間」の一例である。
【0073】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0074】
(第1変形例)
図9を参照して、第1変形例の暖房システム202について説明する。なお、実施例における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。暖房システム202は、HP熱源ユニット4と、ガス熱源ユニット206と、暖房端末210と、第1熱媒配管212と、第2熱媒配管214と、第3熱媒配管216と、を備える。第1熱媒配管212は、一方の端部がHP熱源ユニット4の流出部4bに接続されており、他方の端部がガス熱源ユニット206の流入部206aに接続されている。第2熱媒配管214は、一方の端部がガス熱源ユニット206の流出部206bに接続されており、他方の端部が暖房端末210に接続されている。第3熱媒配管216は、一方の端部が暖房端末210に接続されており、他方の端部がHP熱源ユニット4の流入部4aに接続されている。ガス熱源ユニット206のガス側流出経路44には、ガス側流出経路44を流れる水の温度である第1GH側水温TG1を検出する第1GH側水温センサ246が設けられている。ガス側流入経路42には、ガス側流入経路42を流れる水の温度である第2GH側水温TG2を検出する第2GH側水温センサ248が設けられている。本変形例の暖房システム202において、制御装置150は、
図2、
図3の第1試運転処理において、第1HE側水温TE1、第2HE側水温TE2に代えて、第1GH側水温TG1、第2GH側水温TG2を利用する。なお、本変形例では、第2試運転処理は実行されない。本変形例では、暖房システム202が、「暖房システム」の一例である。ガス熱源ユニット206が、「第2熱源ユニット」の一例である。第1GH側水温センサ246、第2GH側水温センサ248が、それぞれ、「第2流出温度センサ」、「第2流入温度センサ」の一例である。第1GH側水温TG1、第2GH側水温TG2が、それぞれ、「第2流出温度」、「第2流入温度」の一例である。
【0075】
(第2変形例)制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、
図3のS60、S70に代えて、計測された第2計測時間が第1計測時間よりも長いのか否かを判定してもよい。本変形例では、第2計測時間が第1計測時間よりも長い場合に、処理はS62に進み、第2計測時間が第1計測時間よりも短い場合に、処理はS72に進む。
【0076】
(第3変形例)上記の実施例では、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、HP熱源ユニット4(即ちヒートポンプ熱源20)のみを駆動させている。変形例では、制御装置150は、
図2のS20において、HP熱源ユニット4(即ちヒートポンプ熱源20)とガス熱源ユニット6(即ちガス熱源40)の両方を駆動させてもよい。本変形例では、制御装置150は、第1計測時間と第2計測時間を並列的に計測する。
【0077】
(第4変形例)上記の実施例では、制御装置150は、第1試運転処理(
図2、
図3)において、第1計測時間を計測した後に、第2計測時間を計測している。変形例では、第2計測時間を計測した後に、第1計測時間の計測を開始してもよい。本変形例では、制御装置150は、第1試運転処理において、HP熱源ユニット4(即ちヒートポンプ熱源20)に代えて、ガス熱源ユニット6(即ちガス熱源40)を駆動させるとよい。
【0078】
(第5変形例)HP側循環路を流れる水が、色水を含んでいてもよい。本変形例では、制御装置150は、色水を利用して、第1計測時間、及び、第2計測時間を計測する。本変形例では、HP熱源ユニット4、及び、熱交換ユニット8に、色水を判定するためのカメラ等が設けられていればよい。本変形例では、「第1流出温度センサ」、「第1流入温度センサ」、「第2流出温度センサ」、「第2流入温度センサ」を省略可能である。また、別の変形例では、HP側循環路内に、HP側循環路内の水の流れを阻害しない大きさの物体が存在してもよい。本変形例では、制御装置150は、当該物体を利用して、第1計測時間、及び、第2計測時間を計測する。
【0079】
(第6変形例)HP側循環ポンプ26が、熱交換ユニット8に設けられていてもよい。
【0080】
(第7変形例)「第1熱源ユニット」がガス熱源ユニット及び熱交換器であり、「第2熱源ユニット」がHP熱源ユニットであってもよい。また、「第1熱源ユニット」及び「第2熱源ユニット」の両方が、HP熱源ユニットであってもよい。また、「第1熱源ユニット」及び「第2熱源ユニット」の両方が、ガス熱源ユニットであってもよい。
【0081】
(第8変形例)
図2のS12を省略可能である。本変形例では、第1試運転処理に要する時間を短くすることができる。
【0082】
(第9変形例)
図2のS26、S40を省略可能である。本変形例では、制御装置150は、第1計測時間を必ず計測する。
【0083】
(第10変形例)
図4、
図5の第2試運転処理を省略可能である。本変形例では、熱交換ユニット8は、第1HE側水温センサ62、及び、第2HE側水温センサ64のうちの少なくとも一方を備えていればよい。例えば、熱交換ユニット8が第1HE側水温センサ62を備えており、第2HE側水温センサ64を備えていない場合、制御装置150は、
図2のS28において、第2HE側水温TE2に代えて、第1HE側水温TE1を利用する。
【0084】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0085】
2 :冷暖房システム
4 :HP熱源ユニット
4a :流入部
4b :流出部
6 :ガス熱源ユニット
6a :流入部
6b :流出部
8 :熱交換ユニット
8a :第1接続部
8b :第2接続部
8c :第3接続部
8d :第4接続部
10 :冷暖房端末
12 :暖房端末
20 :ヒートポンプ熱源
22 :HP側流入経路
24 :HP側流出経路
26 :HP側循環ポンプ
28 :第1HP側水温センサ
30 :第2HP側水温センサ
40 :ガス熱源
42 :ガス側流入経路
44 :ガス側流出経路
46 :ガス側循環ポンプ
50 :熱交換器
50a :第1接続部
50b :第2接続部
50c :第3接続部
50d :第4接続部
52 :第1熱交換ユニット内経路
54 :第2熱交換ユニット内経路
56 :接続経路
58 :第3熱交換ユニット内経路
60 :第4熱交換ユニット内経路
62 :第1HE側水温センサ
64 :第2HE側水温センサ
66 :バイパス制御弁
68 :開閉弁
70 :第3HE側水温センサ
72 :第4HE側水温センサ
80 :HP側熱交換経路
82 :ガス側熱交換経路
100 :第1HP側配管
100a、100b:端部
102 :第2HP側配管
102a、102b:端部
110 :第1ガス側配管
110a、110b:端部
112 :第2ガス側配管
112a、112b:端部
120 :第1端末配管
122 :第2端末配管
124 :第3端末配管
126 :第4端末配管
130 :第1熱動弁
132 :第2熱動弁
150 :制御装置
152 :リモコン
202 :暖房システム
206 :ガス熱源ユニット
206a :流入部
206b :流出部
210 :暖房端末
212 :第1熱媒配管
214 :第2熱媒配管
216 :第3熱媒配管
246 :第1GH側水温センサ
248 :第2GH側水温センサ