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特許7526703情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム、ならびに、測定方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム、ならびに、測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20240725BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20240725BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20240725BHJP
   G06T 15/08 20110101ALI20240725BHJP
【FI】
G01B11/24 Z
G06F30/13
G06F30/10 100
G06T15/08
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021055585
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152716
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】林 陸太
(72)【発明者】
【氏名】栖原 健太郎
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-088188(JP,A)
【文献】特開2012-088778(JP,A)
【文献】特表2020-531793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 5/00-15/14
G06F 30/00-30/398
G06T 11/00-17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を備える、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記測定対に対して複数の空間を設定し、各前記空間別に演算処理を行う、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1または請求項1を引用する請求項3に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記敷地面積に、前記測定対象物の属性に基づいた第1演算処理、および前記要求再現精度に応じた第2演算処理を行うことにより、前記推奨値を算出する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記第1演算処理は、当該敷地内の経路の長さの推定値を算出する処理であり、前記第2演算処理は、前記経路内における測定地点の設置間隔で前記経路を割る処理である、情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記第1演算処理は、以下のいずれかの式を用いて、前記経路の長さの推定値Lを算出する、情報処理装置。
L=iA+jB ・・・式(a)
L=√(AB) ・・・式(b)
L=AB÷k ・・・式(c)
ここで、iおよびjはそれぞれ2であり、Aは前記敷地の外構の短辺の長さ、Bは、前記敷地の外構の長辺の長さ、kは、換算用通路幅である。
【請求項7】
請求項2または請求項2を引用する請求項3に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記敷地内の経路の長さを、前記経路内における測定地点の設置間隔で割ることにより、前記推奨値を算出する、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する手順、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する手順、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
情報処理装置が、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得し、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置が、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得し、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、情報処理方法。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置により算出された、測定地点の数の推奨値に±25%とした数の前記測定地点で、測定対象の測定を行い、三次元画像生成のための点群データを生成する、測定方法。
【請求項13】
コンピュータに、
請求項12に記載の測定方法により生成された三次元画像生成のための点群データを取得する手順、
取得した前記点群データを用いて三次元画像を生成する手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム、ならびに、測定方法に関し、特に、三次元画像生成に関わる計測作業の見積処理を行う情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム、ならびに、三次元画像生成に関わる計測作業における測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建築作業現場において、施工段階の出来型形状を把握するために、三次元スキャナを用いて建築現場の出来型表面の三次元データを点群データとして立体的に計測し、施工段階前に実際の出来型形状に応じた建築計画の変更を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-277813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載されたような建築現場で利用される三次元画像は、形状が把握できればよいが、例えば、文化財などの建造物を歴史の継承として後世に残すために三次元画像を生成するような場合においては、形状だけでなく、風合いや色合い、情景を実物により近づけて表現されることが望まれる。
【0005】
構造物の風合いや色合いを表現するためには、スキャン数を増やせばよい。しかし、スキャン数を増やしすぎると、作業全体のスキャン時間が長くなりすぎるとともに、これにより、点群データのデータ容量も増えすぎる。また、発生するノイズも多くなり、場合によっては成果物(三次元画像、三次元点群画像または映像)の精度を損なる可能性が高くなる。スキャン時間が長くなる場合には、刻々と移り変わる日照やそれによる影の変化の影響を受けやすくなり、条件によっては成果物(三次元画像、三次元点群画像または映像)の精度を損なる可能性が高くなる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造物の風合いや色合いを表現できる三次元画像生成において、精度よくスキャン数を推定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0008】
第一の側面は、情報処理装置に関する。
第一の側面に係る第1の情報処理装置は、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を有する。
【0009】
第一の側面に係る第2の情報処理装置は、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を有する。
【0010】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される情報処理方法に関する。
第二の側面に係る第1の情報処理方法は、
情報処理装置が、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得し、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、ことを含む。
【0011】
第二の側面に係る第2の情報処理方法は、
情報処理装置が、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得し、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、ことを含む。
【0012】
第三の側面は、第一の側面の情報処理装置により算出された測定地点の数の推奨値を用いた測定方法に関する。
第三の側面に係る測定方法は、
第一の側面の情報処理装置により算出された、測定地点の数の推奨値に±25%とした数の前記測定地点で、測定対象の測定を行い、三次元画像生成のための点群データを生成する、ことを含む。
【0013】
なお、本発明の他の側面としては、上記第二の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよい。さらなる本発明の他の側面としては、上記第三の側面の方法により生成された三次元画像生成のための点群データを取得する手順、取得した前記点群データを用いて三次元画像を生成する手順を、少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよい。
【0014】
さらなる本発明の他の側面として、上記のようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、情報処理装置上で、その情報処理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0016】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0017】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0018】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0019】
上記各側面によれば、構造物の風合いや色合いを表現できる三次元画像生成において、精度よくスキャン数を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】三次元画像の生成処理を行う画像処理システムのシステム構成を概念的に示す図である。
図2】測定装置のレーザの照射方向について説明する図である。
図3】測定対象の死角を削減する方法を説明するための図である。
図4】測定対象の死角を削減する方法を説明するための図である。
図5】測定対象の死角を削減する方法を説明するための図である。
図6】情報処理装置を実現するコンピュータの構成の一例を示す図である。
図7】本実施形態の情報処理装置の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図8】測定対象における複数の測定装置の設置例を示す図である。
図9】測定対象の敷地内の経路を示す図である。
図10】測定対象の敷地内に測定装置の測定地点の数を算出する方法を説明するための図である。
図11】スキャン数の推奨値を算出するための画面例を示す図である。
図12】スキャン数の推奨値の算出結果が出力された画面例を示す図である。
図13】スキャン数の推奨値の算出結果が出力された画面例を示す図である。
図14】測定対象の敷地内の平均経路長を推定する第1演算処理の面換算を説明するための図である。
図15】測定対象の敷地の短辺Aと長辺Bの比率が与える平均経路長への影響を説明するための図である。
図16】測定対象の敷地内の平均経路長を推定する第1演算処理の線換算を説明するための図である。
図17】迷路における平均経路長の推定方法を説明するための図である。
図18】測定対象の属性別に演算処理を対応付けたテーブルの例を示す図である。
図19】スキャン数の推奨値を算出するための画面例を示す図である。
図20】スキャン数の推奨値の算出結果が出力された画面例を示す図である。
図21】スキャン数の推奨値を算出するための画面例を示す図である。
図22】実施例1の測定対象例を示す図である。
図23】実施例2の測定対象例を示す図である。
図24】実施例3の測定対象例を示す図である。
図25】実施例4の測定対象例を示す図である。
図26】演算処理に用いるパラメータを用いて算出したスキャン数の推定結果と、実績値を対比させた結果の一例を示した図である。
図27】測定装置の最低スキャン数を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0022】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記録媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記録媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0023】
(第1実施形態)
<システム概要>
図1は、三次元画像の生成処理を行う画像処理システム1のシステム構成を概念的に示す図である。画像処理システム1は、三次元画像を生成する三次元画像生成装置200を備えている。三次元画像生成装置200は、構造物を複数の測定装置3を用いて得られた計測データを用いて三次元画像を生成する。本実施形態の情報処理装置100は、この三次元画像生成装置200が用いる計測データを取得するための計測作業の見積を行う。
【0024】
測定装置3は、例えば、3D(three-Dimensional)レーザスキャナであり、3Dデジタル計測を行い、点群データを出力する。点群データは、構造物の三次元の形状を示す複数点のデータの集合であり、各点の位置を示す計測データ(相対的または絶対的な座標情報)と、各点の色情報を含む。
【0025】
測定装置3で計測されて生成された点群データは、通信ネットワーク5を介して記憶装置220に格納されてもよいし、測定装置3の記録媒体に格納されてもよい。三次元画像生成装置200は、記憶装置220または記録媒体から点群データを読み出して、三次元画像を生成する。あるいは、測定装置3は通信ネットワーク5を介して三次元画像生成装置200に直接点群データを送信してもよい。三次元画像生成装置200は、測定装置3で測定されて生成された点群データを取得し、三次元画像を生成してもよい。三次元画像生成装置200が三次元画像を生成する構成については後述する実施形態で説明する。
【0026】
本実施形態において、好ましくは、構造物は、文化財、寺社仏閣、世界遺産(世界遺産委員会認定)、産業遺産(国際産業遺産保存委員会認定)、近代化産業遺産(経済産業省認定)、土木遺産(土木学会選奨)、景勝地、地形、あるいは、今後後世に残す必要がある建造物および景勝地の少なくともいずれか一つを含む歴史的建造物および遺跡を含む。この場合、本実施形態の三次元画像生成装置200により生成される三次元画像は、構造物の風合い、色合いを後世に伝えるためのものである。一般的な建築現場では構造物の測量が目的であるため、三次元画像により形状が把握できればよい。これに対し、本実施形態では、構造物の形状、風合いを後世に伝えることが目的であるため、形状だけでなく、風合い、色合い、情景が三次元画像に表現されることが好ましい。
【0027】
また、文化財などの歴史的な木造建築では、屋根や庇、天井などの下の複数の梁や小梁が格子状に配置され,これらの梁や小梁の背面に直接レーザがあたらない。また、和室においては、床の間、天袋、欄間、落とし掛け、書棚など、いりくんだ複雑な形状が多いため、レーザの死角が多数発生する。
【0028】
図2は、測定装置3のレーザの照射方向について説明する図である。測定装置3は、水平方向に360度の範囲(図2(a))でレーザの照射角度を変えるとともに、鉛直方向については、水平位置を0度として天頂方向に90度、下方は-60度の範囲(図2(b))でレーザの照射角度を変えながら測定対象物をスキャンする。図2(c)は測定装置3の測定範囲全体を示している。
【0029】
上記したように、文化財などの歴史的な木造建築では、屋根や庇などの下の複数の梁や小梁が多数配置されることから、これらの梁や小梁の背面に直接レーザが当たらない死角が発生する。以下、図3図5を用いて測定装置3の設置箇所を工夫することにより、これらの死角を削減する方法を説明する。
【0030】
図3に示すような屋根P1の下に小梁P2がある例では、測定装置3aを屋根の下の位置に設置した場合、破線r1の範囲が、レーザ照射可能な範囲、すなわち、測定装置3aによる測定可能な範囲を示している。それ以外の領域は、死角dとなっている。
【0031】
そこで、図4に示すように、測定装置3aの測定地点から測定装置3bの位置に移動させ、別の角度からレーザを照射すると、一点鎖線r2の範囲も測定装置3aによる測定可能な範囲となり、図3で死角dとなっていた範囲がカバーされる。
【0032】
一方で、死角dがない場合でも、測定装置3の測定設置箇所が少ないと取得される点群データの点の数が少なくなり、透けた点群となる。点と点の間を埋めて透けていない状態にするためには、測定装置3の設置箇所を増やし、取得する点を増やす必要がある。つまり、図5に示すように、測定装置3の数を増やす(測定装置3a~3e)ことにより、点群データの密度を高くして(太線R1、R2)、三次元画像の精細さを上げることができる。
【0033】
<ハードウェア構成例>
後述する本実施形態の情報処理装置100の各機能は、コンピュータによって実現される。図6は、情報処理装置100を実現するコンピュータ60の構成の一例を示す図である。また、三次元画像生成装置200も同様なコンピュータ60により実現される。
【0034】
コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)62、メモリ64、メモリ64にロードされた情報処理装置100の構成要素を実現するプログラム80、そのプログラム80を格納するストレージ66、I/O(Input/Output)68、および通信ネットワーク接続用のインタフェース(通信I/F)70を備える。
【0035】
CPU62、メモリ64、ストレージ66、I/O68、通信I/F70は、バス69を介して互いに接続され、CPU62により情報処理装置100全体が制御される。ただし、CPU62などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0036】
メモリ64は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。ストレージ66は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカードなどの記憶装置である。
【0037】
ストレージ66は、RAMやROMなどのメモリであってもよい。ストレージ66は、コンピュータ60の内部に設けられてもよいし、コンピュータ60がアクセス可能であれば、コンピュータ60の外部に設けられ、コンピュータ60と有線または無線で接続されてもよい。あるいは、コンピュータ60に着脱可能に設けられてもよい。
【0038】
CPU62が、ストレージ66に記憶されるプログラム80をメモリ64に読み出して実行することにより、以下に説明する図7の情報処理装置100の各ユニット(取得部102および算出部104)の各機能を実現できる。
【0039】
I/O68は、コンピュータ60と他の入出力装置間のデータおよび制御信号の入出力制御を行う。他の入出力装置とは、たとえば、コンピュータ60に接続されるキーボード、タッチパネル、マウス、およびマイクロフォンなどの入力装置72と、ディスプレイ、プリンタ、およびスピーカなどの出力装置74と、これらの入出力装置とコンピュータ60のインタフェースとを含む。さらに、I/O68は、他の記録媒体の読み取りまたは書き込み装置(不図示)とのデータの入出力制御を行ってもよい。
【0040】
通信I/F70は、コンピュータ60と外部の装置との通信を行うためのネットワーク接続用インタフェースである。通信I/F70は、有線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよいし、無線回線と接続するためのネットワークインタフェースでもよい。たとえば、情報処理装置100を実現するコンピュータ60は、通信I/F70により通信ネットワーク5を介して各測定装置3と接続されてもよい。
【0041】
後述する図7の本実施形態の情報処理装置100の各構成要素は、図6のコンピュータ60のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各実施形態の情報処理装置100を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0042】
情報処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。情報処理装置100は、複数のコンピュータ60により構成されてもよいし、仮想サーバにより実現されてもよい。あるいは、SaaS(Software as a Service)により、利用者の端末にサーバコンピュータ上で動作しているアプリケーションの利用を提供する形態であってもよい。あるいは、ブラウザなどから専用のウェブページにログインして、ウェブサーバ上で動作する情報処理装置100の機能をユーザ端末(例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォンなど)上で利用できてもよい。
【0043】
図1の例では、情報処理装置100と三次元画像生成装置200は異なるハードウェアで構成されているが、他の例では、情報処理装置100は三次元画像生成装置200に含まれてもよい。つまり、情報処理装置100の機能を三次元画像生成装置200が有し、三次元画像生成装置200を実現するコンピュータによって情報処理装置100の機能が実現されてもよい。
【0044】
<機能構成例>
図7は、本実施形態の情報処理装置100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。情報処理装置100は、取得部102と、算出部104とを有する。
取得部102は、測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する。
算出部104は、取得した経路の長さおよび要求再現精度を用いて、測定装置3による測定地点の数の推奨値を算出する。
【0045】
要求再現精度とは、測定(スキャニング)の結果、生成される三次元画像に求められる精度すなわち必要な点群密度を示している。本実施形態では、要求再現精度を4つの階級(クラス)(最高精度、高精度、中精度、標準)に分けて設定できるものとする。例えば、最高精度の三次元画像の要求再現精度は「Sクラス」、高精度の三次元画像の要求再現精度は「Aクラス」、中精度の三次元画像の要求再現精度は「Bクラス」、および標準の三次元画像の要求再現精度は「Cクラス」と呼ぶものとする。なお、Cクラスは一般的な測量のレベルの精度であるとする。
【0046】
具体的には、たとえば、ノイズの多い点群データや点群密度の低いものがCクラス、ノイズが非常に少なく点群密度の最も高いものがSクラスとしてもよい。一例として、Cクラスは、ノイズ低減の要求や色合いの向上等は不要で、ある程度の密度の点群があって、形状がわかればよく、例えば柱がある場合、柱の1辺のエッジの線を引く場合、柱が直線と仮定するので、点は2点あればよい。この2点間を線でつないで柱1辺のエッジとなる。すなわち、例えばCクラスでは、柱が直線でなくても直線とみなすことができ、その程度の低い点群密度でよい。一方、Sクラスでは、2点間の情報を細かく取得するので直線に見える柱のエッジの凹凸を詳細につかむことができる。
【0047】
<スキャン数の推定の基本>
測定装置3の測定地点の数の推定の基本について説明する。
外構に囲まれた測定対象となる敷地内には、例えば、図8に符号Sを付した丸で示した位置に、複数の測定装置3が設置される。図9に示すように、測定装置3(S)は、敷地内の経路Rに設置することが多い。
【0048】
測定装置3の設置数は、後述するように測定対象物の属性に応じて異なるが、最も単純な方法として、測定装置3が配置できる経路長に、測定装置3を等間隔で配置した場合の設置数と仮定して、下記の式(1)により算出できる。
=L/L ・・・ 式(1)
ここで、nは測定装置3の測定地点の数(スキャン数とも言える)の基準値であり、Lは経路長であり、Lは測定装置3の設置間隔である。また、このスキャン数の基準値nは、後述する各クラスの推奨値(例えば、最大値、標準値、および最小値)を算出する際の基準となる。後述するように、一例として、測定地点のスキャン数の基準値nは、Cクラスの推奨値の標準値に相当する。
【0049】
このように、算出部104は、敷地内の経路の長さ(L)を、経路内における測定地点の設置間隔(L)で割ることにより、推奨値を算出する際の基準値nを算出する。
【0050】
図10(a)のように敷地内の経路に沿って配置される測定装置3(符号S)を、敷地内に等間隔で並べたイメージを図10(b)に示す。
【0051】
測定装置3の設置間隔は、三次元画像生成装置200による点群処理において、複数箇所に測定装置3を設置して取得した点群同士を結合できる最大の間隔を設定値(上記の式(1)のL)とすることができる。この間隔は、使用する機材やソフトウェアにより異なる。本実施形態では、この設置間隔の設定値Lは15mとして説明するが、これに限定されず、使用する機材およびソフトウェア毎に、予め試験的に計測をした結果などに基づいて決定できる。また、情報処理装置100において、設定の変更操作を行う設定画面(不図示)を設け、ユーザ操作により変更できてもよい。
【0052】
算出部104は、まず、上記式(1)を用いて、測定地点のスキャン数の基準値nを算出する。そして算出部104は、例えば、この基準値nを用いて、各クラスの推奨値の標準値を算出する。そして算出部104は、クラスごとに、推奨値を、幅を持たせた状態(例えば、最大値、標準値、最小値)で算出する。言い換えると、算出部104は、推奨値の範囲を算出する。推奨値の最大値は、例えば、標準値nに1超の係数を乗じた値または標準値nに所定の値を加算した値である。推奨値の最小値は、標準値nに1未満の係数を乗じた値又は標準値nから所定の値を減算した値である。
【0053】
算出部104は、例えば、推奨値の標準値nを、下記の式(2)に示すように、スキャン数の基準値nに所定の係数pを乗ずることにより算出する。
=n×p ・・・式(2)
【0054】
ここで、式(2)に示した係数pの一例について説明する。係数pは、要求される測定精度が高くなるにつれて、大きくなる。一例として、要求される測定精度を、点群密度レベルnとして定義する。nがとり得る値を、例えば、0、1、2、および3の4つとする。そして、n=0の場合、係数pは1となり、n=1の場合、係数pは1.5となり、n=2の場合、係数pは2.25となり、n=3の場合、係数pは3.375となる。なお、n=3は、上記したSクラスに相当し、n=0は、上記したCクラスに相当する。そして、n=2はAクラスに相当し、n=1はBクラスに相当する。
【0055】
ただし、nがとり得る値の個数、および各nにおける係数pの値は、上記した例に限られず、測定の目的や測定対象などによって適宜変更される。
【0056】
<操作画面例>
図11は、スキャン数の推奨値を算出するための画面300の例を示す図である。
画面300は、経路長入力部302と、クラス選択部304と、計算ボタン310と、を含んでいる。
経路長入力部302は、テキストボックスなどのGUI(Graphical User Interface)からなり、測定対象の経路長(数値)の入力を受け付ける。クラス選択部304は、プルダウンメニュー、ドラムロールなどのGUIからなり、必要な点群密度レベルの選択を受け付ける。本図に示す例では、上記した4つのクラス(S、A、B、C)の中から1つのクラスの選択を受け付ける。計算ボタン310は、操作ボタンなどのGUIからなり、クラス選択部304で選択されたクラス、および経路長入力部302に入力された経路長を用いたスキャン数の算出の実行指示を受け付ける。
【0057】
計算ボタン310の押下を受け付けると、算出部104は、経路長入力部302に入力された経路長を用いて、式(1)でスキャン数を算出する。
【0058】
図12は、スキャン数の推奨値の算出結果が出力された画面300の例を示す図である。図11の画面300の計算ボタン310の押下を受け付けると、図12の画面300に表示が更新される。画面300は、図11の画面300に加え、スキャン数表示部320をさらに含む。この例では、スキャン数表示部320には、例えば、スキャン数の推奨値が表示される。ここで表示される推奨値は、最大値、標準値、および最小値の3つである。スキャン数の推奨値の標準値は、クラス毎に上記の式(2)を用いて算出部104により算出された値(n)である。スキャン数の推奨値の最大値および最小値の一例は、上記した通りである。本図に示す例において、推奨値の最大値は、標準値を1.25倍した値であり、推奨値の最小値は、標準値を0.75倍した値である。ただし、係数はこれらの値に限定されない。
【0059】
推奨値の最大値は、例えば、精度を高くしたい場合に用いられ、推奨値の最小値は、例えば、測定を短時間で終わらせたい場合に用いられる。そして利用者は、最小値以上最大値以下の範囲から、スキャン数を選択する。したがって、スキャン数を決める際の利用者の負荷は小さくなる。
【0060】
また、画面300において、オペレータがクラス選択部304のクラスを変更し、計算ボタン310を押下すると、算出部104は、選択されたクラスに対応するスキャン数を再計算してスキャン数表示部320の値を更新する。なお、計算ボタン310はなくてもよく、少なくとも経路長入力部302において経路長の入力を受け付けると(例えば、数値の入力毎、または数値の入力とエンターキーの押下などによる入力の確定操作)、所定のデフォルトのクラス(例えば、Cクラス)で算出されたスキャン数が自動的に表示されてもよい。
【0061】
また、他の例では、図13に示すように、画面300は、クラス選択部304を含まず、複数のクラスのスキャン数を一覧にして表示する一覧表示部322を含んでもよい。
【0062】
さらに、画面300は、例えば、汎用の表計算ソフトウェアを用いて、スプレッドシートのセルに上述した計算式を指定することで、スキャン数を算出させる構成としてもよい。
【0063】
以上説明したように、本実施形態において、取得部102は、測定対象の敷地の経路の長さと要求再現精度を取得し、算出部104は、取得した経路の長さと要求再現精度を用いて、スキャン数の推奨値を推定する。この構成によれば、測定対象の三次元画像を生成するためスキャン数の推奨値を、経路の長さと要求再現精度を入力するだけで、推定できる。よってスキャン数に基づいて計測作業の見積を効率よく簡単な操作で作成できる。
【0064】
(第2実施形態)
上記実施形態は、測定対象の経路長を入力することでスキャン数の推奨値を算出する構成であったが、本実施形態は、測定対象の敷地面積を入力することでスキャン数の推奨値を算出する構成を有する。本実施形態は、測定装置3が配置できる実経路を直接測定することができない場合などに適用される構成である。本実施形態の情報処理装置100は、図7の情報処理装置100と同じ構成を有するので、図7を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の少なくともいずれか一つの実施形態の構成と矛盾を生じない範囲で組み合わせることができる。
【0065】
測定対象の経路長は実測することが望ましいが、計測の見積作成段階などにおいては、現場踏査などによる実測が困難はケースもあることから、対象の平面図などをもとに、おおよその経路長である平均経路長を推定する。
【0066】
取得部102は、計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する。
算出部104は、取得した敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を用いて、測定装置3による測定地点の数の推奨値を算出する。
【0067】
敷地面積とは、平面図などから取得できる測定対象の敷地を囲む外構の内側の面積、あるいは、屋内であれば、建物のフロア毎の床面積である。敷地などの形状が矩形であって、短辺と長辺が明確な場合には、取得部102が取得する面積は、敷地の矩形の短辺と長辺の長さであってもよい。敷地は様々な形状が考えられるため、矩形以外の形状であっても対応できるように工夫されている。詳細については後述する。
【0068】
測定対象物の属性とは、例えば、(a)外構によって囲まれている敷地、(b)建屋、(c)土塀、(d)蒸気機関車などのような底面部および天井部の測定が必要な構造物、ならびに、(e)トンネル坑内、迷路内、および屋内などの空間内に含まれる構造物などである。
【0069】
算出部104は、敷地面積に、対象物の属性に基づいた第1演算処理、および要求再現精度に応じた第2演算処理を行うことにより、推奨値を算出する。
【0070】
第1演算処理は、当該敷地内の経路の長さの推定値を算出する処理である。第2演算処理は、経路内における測定地点の設置間隔で経路を割る処理である。「経路」は、人が通行可能な経路、および/または測定装置3を設置可能な経路である。経路の長さの推定値を平均経路長とも呼ぶ。
【0071】
平均経路長は、測定対象の敷地の面積または外構の短辺と長辺の長さに基づいて推定される。算出部104は、まず、平均経路長を求めた(第1演算処理)後、平均経路長からスキャン数を算定(第2演算処理)する。そこで、まず、第1演算処理による平均経路長の推定方法について説明し、その後、第2演算処理による平均経路長からスキャン数を算定する方法について説明する。
【0072】
<平均経路長の推定方法1>
図14を用いて平均経路長の推定方法について説明する。以後、この推定方法を「面換算」とも呼ぶ。
図14(a)は、測定対象の敷地の平面図に測定装置3が配置できる実経路Rを実線で示した図である。平面視で、実経路Rの縦方向の総和および横方向の総和は、敷地の外構の短辺Aのi倍、長辺Bのj倍になると仮定するモデルを考え、図14(b)に示す模式図に置き換えることができる。図14(b)では置き換えられた経路Rが実線で示されている。図14(b)では、iおよびjをそれぞれ2とした例を示している。
【0073】
このモデルを用いた場合の平均経路長Laveは式(3)で表すことができる。
ave=iA+jB ・・・式(3)
【0074】
また、短辺と長辺が等しい場合には、平均経路長は式(4)となる。すなわち、測定対象の面積の平方根(正方形とした場合の一辺の長さ)をi倍したものとなる。
ave=i√(AB) ・・・式(4)
【0075】
また、敷地が矩形でない、例えば、三角形や台形などの場合にも、敷地の面積を用いて式(4)で平均経路長を算出できる。
【0076】
図15は、敷地の短辺Aと長辺Bの比率(A/B)と、式(3)および式(4)でそれぞれ算出された平均経路長の算定結果を示す図である。式(3)の算出結果は丸(○)でプロットされていて、式(4)の算出結果は三角(△)でプロットされている。
【0077】
この図から明らかなように、式(4)の面積を用いて平均経路長を算出した結果は、敷地の短辺Aと長辺Bの比率(A/B)が小さくなるにつれ、あるいは、比率(A/B)が大きくなるにつれて、平方面積に換算したもの(比率=1.0のときの値)との差が大きくなっている。つまり、短辺Aと長辺Bの比率(A/B)が1から離れる場合には、面積を用いるのではなく、短辺Aと長辺Bを用いた式(3)で平均経路長を算出するのが好ましい。
【0078】
<平均経路長の推定方法2>
さらに、平均経路長の他の推定方法について下記に説明する。以後、この推定方法を、「線換算」とも呼ぶ。
この例は、測定対象が、屋内(特に、廊下と複数の部屋に分かれている場合)、通路、細長い形状の構造物、および内空断面の小さいトンネル坑内などの場合に適した平均経路長の推定方法である。図16に示すように、測定対象の面積を求め、その面積と等しくなるように、平均幅k(m)の通路と仮定して、式(5)を用いて平均経路長Laveに換算できる。
ave=AB÷k ・・・式(5)
【0079】
式(5)において、通路の平均幅k=3とするのが好ましい。
【0080】
さらに、図17(a)に示すような迷路などのように複雑に入り組んだ通路の場合であっても、式(5)を用いて平均経路長を推定できる。例えば、この例では、図17(b)の破線が測定装置3を配置できる経路となる。図17(c)に示すように、全体の面積を幅kの通路にモデル化して考え、通路の長さの総和を平均経路長とすることできる。つまり、式(5)により面積から平均経路長を算定できる。
【0081】
<平均経路長からスキャン数の換算方法>
算出部104は、式(3)、式(4)、または式(5)を用いて算出された平均経路長を、式(1)に経路長として代入してスキャン数を算出する。
【0082】
ここで、測定対象の面積が小さい場合には、スキャン数の基準値nが小さくなり過ぎ、現実との乖離が生じる。つまり、面積が小さい場合に、式(1)の算出結果が1に満たない場合が生じる。そのため、本実施形態では、以下の式(6)に示すように、最低限、計測に必要なスキャン数α(以後、最低スキャン数αとも呼ぶ)を式(1)に加算する。
=Lave/L+α ・・・ 式(6)
【0083】
最低スキャン数αは、上記した推定方法毎に下記のように定めることができる。
【0084】
<<面換算した場合>>
この場合、式(3)または式(4)で算出された平均経路長Laveを式(1)に代入することによりスキャン数の仮の値を算出し、さらにこの仮の値に、点群を結合するために始端および終端にそれぞれ追加して設置される測定装置3のスキャン処理数を加える。
式(3)および式(4)を用いて平均経路長を推定する方法の場合は、iおよびjが2の場合、図14(a)に示すように、4つの経路Rcとして平均経路長が推定されている。この4つの経路Rcが交差する4つの箇所に、それぞれの経路Rcに点群同士を結合するためのキーとなる測定装置3を配置する必要がある。
【0085】
図27は、測定装置3の最低スキャン数の算出例を説明するための図である。
図27(a)に示すように、経路R10において他の経路との交差点は2つであり、S1、S2の2つの測定装置3が配置される。同様に、経路R20ではS3、S4、経路R30ではS5、S6、経路R40ではS7、S8の測定装置3が配置される。合計8個の測定装置3が配置される。そのため、最低スキャン数α=8となる。
【0086】
<<線換算した場合>>
式(5)を用いて平均経路長を推定する方法の場合は、面積から換算された経路は、隣接する他の経路と結合するために、各経路の始端と終端にそれぞれ2つの測定装置3を配置する。
【0087】
図27(b)に示すように、経路R11において始端にS11の測定装置3が配置され、終端にS12の測定装置3が配置される。さらに、経路R11の始端に隣接する経路R12と接続するために経路R12の終端にS13の測定装置3が配置される。同様に経路R11の終端に隣接する経路R13の始端と接続するために経路R13の始端にS14の測定装置3が配置される。そのため、最低スキャン数α=4となる。
【0088】
上記した面換算と線換算のいずれの演算処理を行い経路長の推定値を算出するかは、測定対象の属性によって決まる。図18は、測定対象の属性別に演算処理(空間条件)を対応付けたテーブル120の例を示している。テーブル120は、例えば、コンピュータ60のストレージ66やメモリ64に記憶されている。
【0089】
<操作画面例>
図19は、スキャン数の推奨値を算出するための画面300の例を示す図である。
画面300は、属性選択部332と、面積入力部334と、クラス選択部304と、計算ボタン310と、を含んでいる。クラス選択部304と、計算ボタン310は図11と同じである。
【0090】
属性選択部332は、プルダウンメニュー、ドラムロールなどのGUIからなり、測定対象物の属性の選択を受け付ける。測定対象物の属性は、例えば、図18の外構、建屋(屋内)、通路、および構造物などの中から選択される。
【0091】
この属性は、演算処理(面換算/線換算)の選択に用いられるが、属性を選択する代わりに、面換算と線換算のいずれかの演算処理を行うかを選択できてもよい。属性選択は、初心者で経験がなくても対応できる利点がある。一方、演算処理の選択は、経験者が現場の状況を見て適切に選択できる利点がある。
【0092】
面積入力部334は、テキストボックスなどのGUIからなり、測定対象の敷地面積(数値)の入力を受け付ける。この例では、面積入力部334は、面積の入力を受け付けているが、他の例では、敷地の短辺と長辺の入力を受け付けてもよい。
【0093】
図20は、スキャン数の推奨値の算出結果が出力された画面300の例を示す図である。図19の画面300の計算ボタン310の押下を受け付けると、図20の画面300に表示が更新される。画面300は、図19の画面300に加え、スキャン数表示部336をさらに含む。この例では、スキャン数表示部336には、例えば、スキャン数の推奨値の最大値、標準値、および最小値が出力される。スキャン数の標準値は、算出部104により算出された推奨値の一つである。スキャン数の推奨値の最大値および最小値は、標準値から所定の割合、例えば、標準値の±25%の範囲の値である。
【0094】
スキャン数の推奨値の最大値および最小値を、推奨値の標準値と併せて出力することで、現場状況に応じた変更にも対応可能となる。
【0095】
また、画面300において、オペレータがクラス選択部304のクラスを変更し、計算ボタン310を押下すると、算出部104は、選択されたクラスに対応するスキャン数を再計算してスキャン数表示部336の値を更新する。なお、計算ボタン310はなくてもよく、少なくとも面積入力部334にいて面積の入力を受け付けると(例えば、数値の入力毎、または数値の入力とエンターキーの押下などによる入力の確定操作)、所定のデフォルトのクラス(例えば、Cクラス)で算出されたスキャン数が自動的に表示されてもよい。
【0096】
また、他の例では、上記図13と同様に、画面300は、クラス選択部304を含まず、複数のクラスのスキャン数を一覧にして表示する一覧表示部(不図示)を含んでもよい。
【0097】
さらに、画面300は、例えば、汎用の表計算ソフトウェアを用いて、スプレッドシートのセルに上述した計算式を指定することで、スキャン数を算出させる構成としてもよい。例えば、測定対象の種類毎にスプレッドシートを設け、各セルに対応する式を指定することで、スキャン数を算出させる構成としてもよい。
【0098】
本実施形態において、取得部102は、測定対象の施設の面積と、測定対象の属性と、要求再現精度とを取得し、算出部104は、取得した施設の面積と、属性と、要求再現精度を用いてスキャン数の推奨値を推定する。この構成によれば、測定対象の経路長を実測できない場合であっても、測定対象の面積が分かればスキャン数の推奨値を高精度に推定できる。
【0099】
(第3実施形態)
本実施形態は、測定対象の属性(形状など)に応じて、測定対象に対して複数の空間を設定し、空間別に複数の推定方法を組み合わせてスキャン数を算出する構成を有する点以外は第1および第2実施形態と同じである。
例えば、測定対象が、建屋とその周囲の敷地である場合、敷地の空間と、建屋の外部と内部の3つの空間を設定し、空間別に適用する推定方法を選択してスキャン数を算定する。
【0100】
算出部104は、対象物に対して複数の空間を設定し、各空間別に演算処理を行う。
【0101】
算出部104は、上記第2実施形態で説明した、テーブル120(図18)を用いて、空間別に演算処理を選択できる。テーブル120において、演算処理は、建屋の属性別に紐付けられている。算出部104は、建屋の外部については、敷地面積から式(4)を用いて面換算により平均経路長を推定した上で、スキャン数を算定する。建屋の内部については、算出部104は、フロア毎に敷地面積から式(5)を用いて線換算により平均経路長を推定した上で、スキャン数を算定する。
【0102】
算出部104は、それぞれ算出されたスキャン数を合計して測定対象全体のスキャン数の推奨値を推定する。
【0103】
<操作画面例>
図21は、スキャン数の推奨値を算出するための画面300の例を示す図である。
画面300は、属性選択部342と、面積入力部344と、クラス選択部346と、スキャン数表示部348と、計算ボタン310と、を含む。スキャン数表示部348は、少なくとも一つの算出結果を表示する行340と、複数の行340のスキャン数の合計値を表示する合計表示部350とを含む。
【0104】
画面300の行340は、ユーザ操作により追加したり削除したりできてよい。この例の属性選択部342では、面積からスキャン数を算定する場合の換算方法を選択する。面積入力部344とクラス選択部346は、図19の面積入力部334とクラス選択部304と同じである。
【0105】
例えば、建物の外部と内部の計測を行う場合、算出部104は、建物が建っている敷地面積から式(3)または式(4)を用いて面換算により、スキャン数の推奨値を算出する。オペレータは、画面300の属性選択部342で「面」を選択し、面積入力部344に敷地面積を入力し、クラス選択部346で例えば、「Cクラス」を選択する。さらに、建物の内部について、算出部104は、フロア毎に各面積から式(5)を用いて線換算により、即ち、式(5)を用いて算出された平均経路長を、式(1)に経路長として代入することにより、スキャン数の推奨値を算出する。オペレータは、1つのフロアに対して1つの行340を追加して、画面300の属性選択部342で「線」を選択し、面積入力部344に、各フロアの面積を入力し、クラス選択部346で例えば、「Sクラス」を選択する。
【0106】
そして、計算ボタン310がオペレータにより押下されると、スキャン数表示部348と合計表示部350とに算出部104により算出されたスキャン数がそれぞれ表示される。
【0107】
本実施形態において、算出部104は、対象物に対して複数の空間を設定し、各空間別に演算処理を行う。算出部104は、図18のテーブル120を用いて、測定対象の属性に対応する演算処理を選択できる。算出部104は、空間毎に算出された推奨値を合計してスキャン数を算出できる。この構成によれば、測定対象を複数の空間に分けて、それぞれ適切な演算処理でスキャン数の推奨値を推定できるので、より精度の高い見積もりが可能になる。
【0108】
(第4実施形態)
本実施形態は、上記第1~第3の実施形態の情報処理装置100によって算出された推奨値を用いて、三次元画像生成装置200が三次元画像を生成するのに使用する点群データを取得できるように、測定装置3を設置して計測を行う点で、上記実施形態とは相違する。
【0109】
本実施形態において、測定装置3には、所定の数の測定地点が設定される。この所定の数は、第1実施形態で説明したように、情報処理装置100により算出された推奨値の範囲内の値である。この範囲の上限値は、例えば、標準値を1.25倍した値であり、下限値は、例えば、標準値を0.75倍した値である。そして測定装置3は、設定された測定地点で、測定対象の測定を行い、三次元画像生成のための点群データを生成する。ここで、測定は、一つの測定装置3を用いて行われてもよいし、複数の測定装置3を用いて行われてもよい。
【0110】
この構成によれば、高精度に算出されたスキャン数で、現場で測定作業を行うことができるので、見積段階のスキャン数と実際の測定作業の段階でのスキャン数の乖離が少ないため、現場での混乱も低減され、作業の効率が向上する。
【0111】
そして、三次元画像生成装置200は、上記の測定方法で生成された点群データを用いて三次元画像を生成する。三次元画像生成装置200を実現するコンピュータ60により実行されるプログラムは、測定方法により生成された三次元画像生成のための点群データを取得する手順、取得した点群データを用いて三次元画像を生成する手順、を含む。
【0112】
この構成によれば、本発明の測定方法による効率のよい測定作業により生成された点群データを用いて、要求再現精度条件を満たす三次元画像を生成することができる。
【0113】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、上記実施形態では、算出されたスキャン数の推奨値は、画面300に表示される構成としていたが、他の例では、プリンタに印字出力したり、ファイルに出力して記録したり、メールやメッセージで他のコンピュータ(所定の宛先)にデータファイルを送信したりアップロードしたりしてもよい。
【実施例
【0114】
以下、測定対象物毎にスキャン数推定の実施例を説明する。ここでは、以下の4つの対象物を例に説明する。
(実施例1)建屋が含まれる敷地であって、敷地の形状計測が目的の場合(ただし、建屋の屋根計測は対象外の場合)
(実施例2)建屋の外部と内部を組み合わせた計測の場合
(実施例3)土塀
(実施例4)蒸気機関車
【0115】
(実施例1)
建屋が含まれる敷地であって、敷地の形状計測が目的の場合(建屋の屋根計測は対象外の場合)について説明する。図22(a)は測定対象例の敷地の形状を示している。図22(b)は、図22(a)の測定対象例の敷地の平面図である。図22(b)に示すように、当該敷地は短辺Aと長辺Bが明確な矩形である。そのため、測定対象は面として1つの空間として捉えることができる。この例では、算出部104は、式(3)または式(4)を用いて平均経路長を算定することができる。
【0116】
算定結果はそれぞれ下記の表1のようになった。スキャン数は式(2)を用いて算定することができる。比較のため、式(3)と式(4)の両方の算出結果を示す。
【表1】
【0117】
(実施例2)
図23(a)に示すような建屋の外部と内部を組み合わせた計測の場合について説明する。図23(b)は、図23(a)の測定対象の建屋の周囲の敷地の外周と建屋P3を示す平面図である。この例では、上記とは異なり、建屋の外部と、内部のそれぞれについてスキャン数を推定して、それらの合計を求める。
【0118】
具体的には、測定対象を外構部分、建屋の1階部分、建屋の2階部分の3つの空間に分ける。さらに、建屋の屋根を計測範囲に含む場合には、建屋の屋根の部分を追加して4つの空間に分けてもよい。建屋の屋根は、外構や建屋内部から見通すことができない場所であり、かつ、外構や建屋内部と同じ目線(測定装置3の高さ)ではないため、異なる空間として分類する。さらに、各空間の演算処理は、建屋の外部、つまり外構部分は面換算、建屋の内部(1階部分と2階部分)はそれぞれ線換算となる。
【0119】
この例の算定結果を表2に示す。また、表2には、実際に計測したときのスキャン数の実績値も示してある。
【表2】
【0120】
外構において、Bクラスの各スキャン数の推奨値の最大値(標準値+25%)および最小値(標準値-25%)の範囲内に実績値が入っていることが分かる。構造が複雑な建屋1階と建屋2階において、Sクラスの各スキャン数の推奨値の最大値(標準値+25%)および最小値(標準値-25%)の範囲内に実績値が入っていることが分かる。
【0121】
(実施例3)
図24(a)に示すような、長さ100m、高さが3mの土塀P4を測定対象とする例について説明する。図24(b)は、図24(a)の土塀P4の敷地の平面図である。敷地面積は2400mである。計測対象の空間は、土塀の長手方向に土塀の両側に沿って延在する経路と、土塀の屋根の3つの空間に分けることができる。一方で、いずれの空間も土塀の屋根を挟んで全体を見渡すことができる配置であるため、面として扱うことができる。実施例5として、土塀の計測を線として扱った場合についてもスキャン数の算出を行った。
【0122】
この例の算定結果を表3に示す。また、表3には、実際に計測したときのスキャン数の実績値も示してある。
【表3】
【0123】
実績のスキャン数が85に対して、実施例3の面換算のSクラスの推奨値の標準値が75であり、実施例5の線換算のBクラスの推奨値の標準値が87となった。つまり、実施例3は、実績でSクラスの三次元画像を得たスキャン数と同程度のスキャン数でSクラスの三次元画像が得られる結果となった。一方、実施例5は、実績でSクラスの三次元画像を得たスキャン数と同程度のスキャン数ではBクラスの三次元画像しか得られない結果となった。実施例5でSクラスの三次元画像を得るためには、実績のスキャン数の2倍のスキャン数が算出された。
【0124】
これらの結果から、線換算の推定方法は、見通しのない場所、および屋内での適用が好ましいと言える。
【0125】
(実施例4)
図25(a)に示すような蒸気機関車P5を測定対象とする例について説明する。図25(b)は、図25(a)の蒸気機関車P5が設置されている敷地の平面図である。蒸気機関車P5のように、測定対象の面積は小さい場合であっても、機械部品など入り組んだ形状の構造物であるため、詳細な計測が要求されるものとする。蒸気機関車P5の側面の外観は、敷地(外構)部分として取り扱うことができる。ただし、蒸気機関車P5の底面部や天井部は、外構部分と測定装置3の目線が異なり、外構部分に比べて底面部ではより低い位置、天井部はより高い位置となり、3つの空間に分けることができる。
【0126】
具体的には、測定装置3を取り付けた三脚を、外構位置では地上に設置し、天井位置では三脚を蒸気機関車の上に設置し、底面位置では底面の下に測定装置3を滑り込ませ、測定対象の辺を取り囲むように配置した。そのため、外構と天井部は面換算としたが、底面部は線換算とした。
【0127】
この例の算定結果を表4に示す。また、表4には、実際に計測したときのスキャン数の実績値も示してある。
【表4】
【0128】
表4から分かるように、空間を適切に分割して演算処理を適切に選択することで、精度の高い推定結果を得ることができる。
【0129】
(実施例5)
なお、実施例3で説明した実施例5では、上記した実施形態で説明した推定方法において、以下のパラメータを用いた。
=15 :測定装置3の設置間隔
i=j=2 :短辺Aおよび長辺Bの面積内の経路長を短辺および長辺の定数倍としてモデル化したときの定数
k=3 :平均経路長を線とした場合の幅(m)
p=1.5 :点群密度レベルを高くするときにレベル毎にスキャン数を算出するための定数
【0130】
これらのパラメータは、既往の実績を入力データとして、スキャン数の推定結果と実績値との差(の割合)の二乗誤差が最小になる条件の値となるように決定した。ただし、各パラメータは端数を切り捨てた数値としている。
【0131】
図26は、上記パラメータを用いて算出したスキャン数の推定結果と、実績値を対比させた結果の一例を示した図である。図中、±15%の誤差の範囲を破線で示している。スキャン数の推奨値の標準値に対して±25%の範囲を「-」でプロットした。図26からも、推定結果は±15%の偏差の中に位置しており、高い精度で推定結果が得られていることが分かる。
【0132】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0133】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を備える、情報処理装置。
2. 測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する取得手段と、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する算出手段と、を備える、情報処理装置。
3. 1.または2.に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記測定対に対して複数の空間を設定し、各前記空間別に演算処理を行う、情報処理装置。
4. 1.または1.を引用する3.に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記敷地面積に、前記測定対象物の属性に基づいた第1演算処理、および前記要求再現精度に応じた第2演算処理を行うことにより、前記推奨値を算出する、情報処理装置。
5. 4.に記載の情報処理装置において、
前記第1演算処理は、当該敷地内の経路の長さの推定値を算出する処理であり、前記第2演算処理は、前記経路内における測定地点の設置間隔で前記経路を割る処理である、情報処理装置。
6. 5.に記載の情報処理装置において、
前記第1演算処理は、以下のいずれかの式を用いて、前記経路の長さの推定値Lを算出する、情報処理装置。
L=iA+jB ・・・式(a)
L=√(AB) ・・・式(b)
L=AB÷k ・・・式(c)
ここで、iおよびjはそれぞれ2であり、Aは前記敷地の外構の短辺の長さ、Bは、前記敷地の外構の長辺の長さ、kは、換算用通路幅である。
7. 2.または2.を引用する3.に記載の情報処理装置において、
前記算出手段は、前記敷地内の経路の長さを、前記経路内における測定地点の設置間隔で割ることにより、前記推奨値を算出する、情報処理装置。
【0134】
8. コンピュータに、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得する手順、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する手順、を実行させるためのプログラム。
9. コンピュータに、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得する手順、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する手順、を実行させるためのプログラム。
10. 8.または9.に記載のプログラムにおいて、
前記算出する手順は、コンピュータに、前記測定対に対して複数の空間を設定し、各前記空間別に演算処理を行わせる、プログラム。
11. 8.または8.を引用する10.に記載のプログラムにおいて、
前記算出する手順は、コンピュータに、前記敷地面積に、前記測定対象物の属性に基づいた第1演算処理、および前記要求再現精度に応じた第2演算処理を行わせることにより、前記推奨値を算出する、プログラム。
12. 11.に記載のプログラムにおいて、
前記第1演算処理は、当該敷地内の経路の長さの推定値を算出する処理であり、前記第2演算処理は、前記経路内における測定地点の設置間隔で前記経路を割る処理である、プログラム。
13. 12.に記載のプログラムにおいて、
前記第1演算処理は、以下のいずれかの式を用いて、前記経路の長さの推定値Lを算出する、プログラム。
L=iA+jB ・・・式(a)
L=√(AB) ・・・式(b)
L=AB÷k ・・・式(c)
ここで、iおよびjはそれぞれ2であり、Aは前記敷地の外構の短辺の長さ、Bは、前記敷地の外構の長辺の長さ、kは、換算用通路幅である。
14. 9.または9.を引用する10.に記載のプログラムにおいて、
前記算出する手順は、コンピュータにより、前記敷地内の経路の長さを、前記経路内における測定地点の設置間隔で割ることにより、前記推奨値を算出する、プログラム。
【0135】
15. 情報処理装置が、
計測対象の敷地面積、測定対象物の属性、および要求再現精度を取得し、
取得した前記敷地面積、前記測定対象物の属性、および前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、情報処理方法。
16. 情報処理装置が、
測定対象の敷地内の経路の長さ、および要求再現精度を取得し、
取得した前記経路の長さおよび前記要求再現精度を用いて、測定装置による測定地点の数の推奨値を算出する、情報処理方法。
17. 15.または16.に記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、前記測定対に対して複数の空間を設定し、各前記空間別に演算処理を行う、情報処理方法。
18. 15.または15.を引用する17.に記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、前記敷地面積に、前記測定対象物の属性に基づいた第1演算処理、および前記要求再現精度に応じた第2演算処理を行うことにより、前記推奨値を算出する、情報処理方法。
19. 18.に記載の情報処理方法において、
前記第1演算処理は、当該敷地内の経路の長さの推定値を算出する処理であり、前記第2演算処理は、前記経路内における測定地点の設置間隔で前記経路を割る処理である、情報処理方法。
20. 19.に記載の情報処理方法において、
前記第1演算処理は、以下のいずれかの式を用いて、前記経路の長さの推定値Lを算出する、情報処理方法。
L=iA+jB ・・・式(a)
L=√(AB) ・・・式(b)
L=AB÷k ・・・式(c)
ここで、iおよびjはそれぞれ2であり、Aは前記敷地の外構の短辺の長さ、Bは、前記敷地の外構の長辺の長さ、kは、換算用通路幅である。
21. 16.または16.を引用する17.に記載の情報処理方法において、
前記情報処理装置が、前記敷地内の経路の長さを、前記経路内における測定地点の設置間隔で割ることにより、前記推奨値を算出する、情報処理方法。
【0136】
22. 1.から7.のいずれか一項に記載の情報処理装置により算出された、測定地点の数の推奨値に±25%とした数の前記測定地点で、測定対象の測定を行い、三次元画像生成のための点群データを生成する、測定方法。
23. コンピュータに、
22.に記載の測定方法により生成された三次元画像生成のための点群データを取得する手順、
取得した前記点群データを用いて三次元画像を生成する手順、を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0137】
1 画像処理システム
3、3a、3b、3c、3d、3e 測定装置
5 通信ネットワーク
60 コンピュータ
62 CPU
64 メモリ
66 ストレージ
68 I/O
69 バス
70 通信I/F
72 入力装置
74 出力装置
80 プログラム
100 情報処理装置
102 取得部
104 算出部
120 テーブル
200 三次元画像生成装置
220 記憶装置
300 画面
302 経路長入力部
304 クラス選択部
310 計算ボタン
320 スキャン数表示部
322 一覧表示部
332 属性選択部
334 面積入力部
336 スキャン数表示部
340 行
342 属性選択部
344 面積入力部
346 クラス選択部
348 スキャン数表示部
350 合計表示部
図1
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