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特許7526747建設機械用の座席コンソールを備えた操作台
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  • 特許-建設機械用の座席コンソールを備えた操作台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】建設機械用の座席コンソールを備えた操作台
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/16 20060101AFI20240725BHJP
   B60N 2/07 20060101ALI20240725BHJP
   B60N 2/14 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
E02F9/16 B
B60N2/07
B60N2/14
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022002017
(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公開番号】P2022108729
(43)【公開日】2022-07-26
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】21151352.8
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・ブッシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ヴァイザー
(72)【発明者】
【氏名】マクシミリアン・テオバルト
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-221398(JP,A)
【文献】国際公開第2017/214963(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0001540(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0228795(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0096554(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0088103(US,A1)
【文献】特開2010-209636(JP,A)
【文献】実開昭62-172795(JP,U)
【文献】特開平08-209618(JP,A)
【文献】特開2000-328516(JP,A)
【文献】特開昭62-055304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/16
B60N 2/07
B60N 2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械(3)用の操作台(1)であって、構造要素(43)と、コンソール底部(17)および座席(15)を含む座席コンソール(5)とを備え、
前記座席コンソール(5)は回転機構(35)を含み、前記回転機構(35)によって、前記座席(15)が前記コンソール底部(17)に対して回転可能であるように取り付けられ、
前記座席コンソール(5)は第1および第2の直線移動機構(31、33)を含み、第1および第2の直線移動機構(31、33)によって、前記座席(15)が第1および第2の方向(X、Y)に移動可能であるように前記コンソール底部(17)に取り付けられ、
前記座席コンソール(5)は、前記構造要素(43)に対して旋回可能であるように、旋回機構(25)によって前記構造要素(43)にヒンジで取り付けられ、
実質的に垂直な壁構造(23)が前記座席コンソール(5)において具現化され、前記実質的に垂直な壁構造(23)は、前記操作台(1)の横方向区切りとして設けられ、
前記コンソール底部(17)の後部半分(H)の外側部は前記壁構造(23)の内壁に接続されている、
ことを特徴とする、建設機械用の操作台。
【請求項2】
前記第1の直線移動機構(31)は、第1のレールシステム(31a)を備え、
前記第2の直線移動機構(33)は、第2のレールシステム(33a)を備え、
前記第1のレールシステム(31a)および前記第2のレールシステム(33a)が、互いに対して垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の操作台。
【請求項3】
前記第1のレールシステム(31a)は、前記旋回可能な座席コンソール(5)が第1の位置にある場合には、前記操作台(1)の前後軸(L)に平行、したがって、前記建設機械(3)の走行方向(F)に平行に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の操作台。
【請求項4】
前記回転機構(35)の回転軸(D)と、前記旋回機構(25)の旋回軸(S)とは、互いに対してオフセットして配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項5】
前記座席コンソール(5)は、0~45度の範囲内で前記構造要素(43)に対して旋回可能であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項6】
前記回転機構(35)は、その回転軸(D)が前記座席(15)の中心(M)からオフセットして位置するように配置され、その結果、偏心回転可能となるように取り付けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項7】
前記座席コンソール(5)は、操作パネル(19)を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項8】
前記コンソール底部(17)は、互いに対して異なる高さで配置された、2つ以上のレベル(39、41)を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項9】
前記コンソール底部(17)は、少なくとも片側に、前記座席コンソール(5)の後端部(E)から前記旋回機構(25)までのテーパリング形状を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項10】
前記座席コンソール(5)は、前記後部半分(H)において自由に懸垂されるように具現化されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項11】
前記旋回機構(25)は、前記座席コンソール(5)が、前記操作台(1)の底部(9)の外縁部(27)を超えて少なくとも部分的に外側に旋回可能であるように配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の操作台。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の前記操作台(1)を備える建設機械(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械用の操作台(control platform)に関し、詳細には、調節可能な座席を有する道路仕上げ機またはフィーダ車両に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械、特に、道路仕上げ機やフィーダ車両などの道路成形機は、通常、建設機械を操作(コントロール)するための操作パネル(control panel)と、少なくとも1つの運転席とが配置され、1人もしくは複数のオペレータまたはドライバーが運転中に滞在する操作台を備える。操作台は、全体を見回し連携をより良くするために、しばしば開放型として、つまりキャビンのようなものではない物として具現化されてはいるが、操作台の範囲にわたる天候保護用の屋根は持っている。操作台は、多くの場合、建設機械の高い位置にあり、手すり、格子、または、安全ガラスとの組み合わせ要素が、通常、落下保護体として操作台の側面に取り付けられている。操作台上にいるオペレータにとって、作業操作中にそれぞれの異なる操作モードの間に異なる場所や着座位置を取り、各ケースにおける出来事の最適な概観を得ることは、理にかなっているといえよう。例えば、トラックから道路仕上げ機への材料搬送中に前方に良好な視界を持つことは、役に立つ場合がある。また、縁部の変更を伴う道路舗装の施工の際に、施工縁部上の側方への視界が良好であることは、有利であり得る。
【0003】
従来、運転席の調整機構では、調整可能性が限定されていたので、ドライバーがしばしば座席から出る必要があり、さらには落下保護体を超えて横方向に身を乗り出す必要があった。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、調整可能性を改善した座席を操作台に提供することである。
【0005】
本目的は、請求項1の機能を持つ操作台によって実現される。本発明の有利なさらなる発展は、従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明による建設機械用、特に、道路仕上げ機またはフィーダ車両用、の操作台は、構造要素と、コンソール底部および座席を含む座席コンソール(seat console)とを備える。座席コンソールは回転機構を含み、回転機構によって、座席がコンソール底部に対して回転可能であるように取り付けられる。座席コンソールは第1および第2の直線移動機構を含み、第1および第2の直線移動機構によって、座席が第1の方向および第2の方向に移動可能であるようにコンソール底部に取り付けられる。座席コンソールは、構造要素に対して旋回可能であるように、旋回機構によって構造要素にヒンジで取り付けられる。
【0007】
構造要素は、例えば、操作台の前壁または側壁、または操作台の底部または底部の一部であり得る。同様に、構造要素は、特に、例えば、操作台の内壁または底部に具現化される補強材として機能する追加部分であり得る。実質的に垂直な構成要素、例えば、操作台の底部または壁面と接続された角形または円筒形の柱なども、構造要素として提供できる。
【0008】
座席は、操作台の底部と平行な面内で、X方向およびY方向に移動可能であり、それにより、オペレータのそれぞれの活動に対応して最適に配置できる。つまり、特に座席が動くことにより、オペレータの高さに応じて着座位置を調節でき、それにより、例えば操作パネル、またはさらなる運転操作装置(operational controls)に、簡単に手が届くことができる。回転手段により、垂直軸に関する座席の回転が可能になり、それによって特に仕上げ機の後側に向かっての視界および連絡が容易となる。座席コンソールの旋回能力により、特に前方への視界に適応でき、したがって、前方への視界を改善できる。
【0009】
有利な実施形態では、第1の直線移動機構は第1のレールシステムを備え、第2の直線移動機構は第2のレールシステムを備え、第1のレールシステムおよび第2のレールシステムは、互いに対して垂直に配置される。このような配置は機械的に安定しており、最大移動距離内のすべてのポイントに到達できる。通常、レールシステムは、順次重ねて配置される。
【0010】
適切には、第1のレールシステムは、操作台の前後軸に平行に、したがって、旋回可能な座席コンソールが第1の位置にある場合に、建設機械の走行方向に平行になるように配置される。「第1の位置」は、例えば、外側に旋回しない位置と、言うことができる。これにより、第1のレールシステムにより、座席の前後方向の位置を調整でき、例えば、操作台の前方内側にしっかりと配置された操作パネルまでの距離を調整できる。さらに、第2のレールシステムは、それぞれの活動にとって重要な操作パネルの特定要素に簡単に手が届くように、横方向位置について座席の位置を調整できる。ここで第2のレールシステムと呼ばれる調整は、座席を横方向の落下保護体(手すり、安全ガラスなど)に可能な限り近くに移動させ、ドライバーが落下保護体から容易に身を乗り出して仕上げ機の前方領域(方向指示器、材料搬送など)や建設現場を見ることができるようにする役割をも果たしている。
【0011】
理想的には、回転機構の回転の1軸と旋回機構の1つの旋回とは、互いに対してオフセットして配置される。このようにすると、座席コンソールは全体として旋回することができ、運転席、ひいてはオペレータの視線方向は、座席コンソールの位置とは無関係に調整できる。これにより、例えば、走行方向への視線方向を維持できる。
【0012】
適切には、第1および/もしくは第2の移動機構、ならびに/または回転機構、ならびに/または旋回機構は、それぞれ少なくとも1つの位置で停止され得る。この目的のために、例えばレバーによって、手動で解放できる停止機構を提供できる。
【0013】
好ましい変形では、座席コンソールは0~45度の範囲内で、構造要素に対して旋回可能である。最大90度外側へ横旋回することも考えられる。
【0014】
さらなる変形では、回転機構は、回転軸が座席の中心からオフセットして、偏心して回転できるように取り付けられるように配置される。このようにすると、操作パネルの側方要素(lateral elements)に容易に手が届くようになる。さらに、操作パネルを座席の周りに弓状に配置できる。その上、操作パネルの側方要素への距離を十分に維持できるので、座席への乗り降りが、引き続き簡単にできる。
【0015】
有利な変形では、座席コンソールは操作パネルを備える。したがって、座席コンソールは操作パネルを含めて旋回でき、座席上のオペレータは機械を操作するために運転操作装置に引き続き簡単に手が届くことができる。しかし、操作パネルは、操作台の要素にしっかりと配置されているか、または、操作台の要素で回転可能であるように座席コンソールとは別に配置されていることが考えられる。操作パネルは、座席コンソールに同様に回転可能に配置できる。
【0016】
適切な変形では、コンソール底部は、互いに対して異なる高さで配置された2つ以上のレベルを含む。例えば、第1および第2の移動機構および回転機構を含む座席は、コンソール底部の高さで配置できる。したがって、オペレータがより低いレベルで足を休ませることができるのであれば、底部に対してオペレータの足のための十分な自由が提供される。
【0017】
別の実施形態では、コンソール底部は、少なくとも片側に、座席コンソールの後端部から旋回機構までのテーパリング形状(shape tapering、先細り形状)を有する。したがって、コンソール底部の寸法を、機械的安定のために必要最小限にできる。これにより、一方では、材料が削減され、操作台の底部領域(コンソール底部により覆われるか、または、コンソール底部が旋回プロセス中に通過する領域)が最小化される。したがって、自由領域が操作台の他の機能要素に対して提供される。その上、操作台上に位置する人は、旋回プロセス中に邪魔されることが少なくなる。
【0018】
理想的には、座席コンソールは後部半分で自由に懸垂されるように具現化される。つまり、後部領域では、ローラー、スライドレール等が軸受部として設けられていない。特に、座席コンソールは、旋回機構に限定して取り付けられる。これにより、材料が削減され、製造の作業が軽減される。さらに、旋回プロセス中に怪我をするリスクが低減される。
【0019】
好ましくは、座席コンソールが操作台の底部の外縁部を超えて少なくとも部分的に外側に旋回することができるように、旋回機構が配置される。これにより、前方、後方、さらに、施工縁部(installation edge)上の側方へのオペレータの視界が明確に改善できる。特に前方への視界は、車体部を越えた前方まで改善される。特に、ドライバーは、もはや、立ち上がって、操作台から外側に身を乗り出す必要はない。
【0020】
好ましい実施形態では、実質的に垂直な壁構造が座席コンソールにおいて具現化され、実質的に垂直な壁構造は、操作台の横方向区切り(横境界:lateral delimitation)として設けられている。落下保護体として機能するこの壁構造は、座席コンソールと共に旋回可能である。壁構造は、座席コンソールが外側に旋回されないときに(つまり、落下保護体と同一平面にあるように整列されているときに)、操作台の落下保護体の残り(rest)の部分を表すように、理想的に設計され配置されている。座席コンソールが外側に旋回しても、壁構造は引き続き落下保護の目的を果たす。壁構造は、格子、手すり、安全ガラス枠、プラスチック要素等、またはそれらの組み合わせ、とすることができる。壁構造は、操作台の構造要素に追加的にヒンジで取り付けることが考えられる。
【0021】
適切な変形では、第1もしくは第2の移動機構、回転機構、または旋回機構の少なくとも1つに対して、モータ駆動が設けられる。これにより、何ら力を使わずに、それぞれの設定を快適に行うことができる。この目的のため、ボタンやキーなどの対応する運転操作装置を、座席、操作パネル、または別の箇所に設けることができる。
【0022】
好ましい変形では、第1もしくは第2の移動機構、または回転機構、または旋回機構の少なくとも1つの設定を自動的に調整できる。個々の調整機構の位置は、例えばボタンを1回もしくは数回押すこと、または、ディスプレイ等で調整すること、によって選択できる。同様に、いくつかの調整機構の位置の組み合わせは、ボタンの押下または操作メニュー内の選択によって調整できる。例えば、座席コンソールが外側に最大旋回し、座席が外側に最大移動されることは、選択可能な事前設定として記憶され得る。
【0023】
本発明は、さらに、建設機械、特に道路仕上げ機またはフィーダ車両に関し、上記の実施形態の1つに係る操作台を備える。
【0024】
以下において、本発明の実施例を、図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】操作パネルを有し外側に旋回した座席コンソールを備えた操作台の第1の実施形態の概略平面図を示す。
図2】操作台の第2の実施形態における、操作パネルを有さない座席コンソールの概略平面図を示す。
図3】操作台の第3の実施形態における、座席の透視側面図を示す。
図4】操作台の第4の実施形態における、座席コンソールの透視側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
対応する構成要素は、図の中で、常に同じ参照番号を与えられている。
【0027】
図1は、外側に旋回された座席コンソール5を有する、建設機械3(例えば、道路仕上げ機)の操作台1の第1の実施形態の概略平面図を示す。操作台1は、図の左半分に示されている屋根7で覆われている。操作台1は、底部9と、落下保護体(fall protection)としての格子、壁、手すり等の形態の横方向区切り(横境界:lateral delimitation)11とを含む。操作台1の後部領域には、通常、操作台1に入るためのステップ13が設けられている。座席コンソール5は、座席15、コンソール底部17、および本実施形態では、機械機能を操作(制御)するための操作パネル19を備え、一方、他の実施形態では、操作パネル19が座席コンソール5と一緒に旋回しないように、操作パネル19も操作台1の前方側21にしっかりと設置できる。同様に、操作パネル19は、回転方式で座席コンソール5とは別に操作台1の要素に配置できる。本実施形態における座席コンソール5は、外側に旋回した図示の状態の場合と、座席コンソール5が旋回状態にない場合(つまり、走行方向Fまたは操作台1の前後軸(長手方向軸)Lと実質的に平行である場合)との両方で、横方向区切り11と同様に落下保護体として機能する壁構造23を含む。
【0028】
この実施形態では、座席コンソール5は、操作台1の底部9の外縁部27を超えて外側に旋回できるように、旋回機構25によって操作台1の構造要素に横方向にヒンジで取り付けられる。しかしながら、座席15の回転性によって、ドライバーは横方向にオフセットしながらも走行方向に平行して座ることができ、例えば、積載動作を監視するために、前方車体部によって妨げられずに前方を見ることができる。この図では、座席コンソールは約40度で外側に旋回し、座席15が回転して、座席15が走行方向Fに対して約20度回転しているようになる。好適には、座席コンソール5が非旋回位置にある場合(つまり、走行方向Fと平行であるか、または、0度旋回する場合)に、座席コンソール5の壁構造23が横方向区切り11の残り(rest)の部分と同一平面上にあるように、座席コンソール5が設計される。
【0029】
図2は、操作台1の第2の実施形態において、操作パネル19を備えない座席コンソール5に関する概略平面図を示す。コンソール底部17は、座席コンソール5の後端部(rear end)Eから、走行方向Fをみて前方の旋回機構25まで、テーパリングする態様で、座席コンソール5の右側に具現化される。壁構造23は、異なる領域を含むことができ、例えば、安全ガラスまたプラスチックの安定した窓枠として具現化された前方領域23aと、スチールレールとして具現化された後部領域23bとを含むことができる。例えば図4に示すように、異なる要素を、別の配置で組み合わせることもできる。座席コンソールは、旋回機構25によって、旋回軸Sを中心に旋回できる。座席15は、回転軸Dを中心に回転し、第1および第2の直線移動機構によって第1の方向Xおよび第2の方向Yに移動できる。回転軸Dは、座席15の中心Mからオフセットされる。図示したように、座席コンソール5が非旋回の第1の位置にある場合、第1の方向Xは、走行方向Fまたは操作台1の前後軸Lに実質的に平行であり、第2の方向Yは、それに実質的に垂直である。座席15の移動または回転が、それぞれモータ駆動(例えば電気モータ)によってもたらされない場合、オペレータが着座位置を変えるために移動機構または回転機構の停止をそれぞれ解除できる、1つまたは複数のレバー29が設けられ得る。しかし同様に、回転は、例えば停止解除の必要なく、常に可能であり得る。
【0030】
図3は、操作台1の第3の実施形態の座席15の分解組立図としての透視側面図を示す。コンソール底部17の上には、第1の直線移動機構31が第1のレールシステム31aの形態で配置されている。第2の移動機構33は、第2のレールシステム33aの形態で、そこに接続されている。回転機構35は、座席15の回転を可能にする。この目的のため、モータ駆動部36を設けることができ、モータ駆動部36は、対応する作動時にコンソール底部17に対して座席15を回転するように配置されている。調整機構31、33、35を互いに組み合わせるために、図に示されるように、中間板37を設けることができる。レールシステム31aおよび33aは、互いに直接取り付けることできるが、さらに中間板を設けることもできる。移動機構31、33は、それぞれ、レールシステム31a、33aを含み、レールシステム31a、33aは、それぞれが順に、2つの下側レール部分と2つの上側レール部分を含む。わかりやすくするために、ここでは、移動機構31、33毎に、2つの直線要素のみが示されている。
【0031】
図4は、操作台1の第4の実施形態の座席コンソール5の透視側面図を示す。本実施形態では、コンソール底部17は、第1のレベル39および、異なる高さで配置された第2のレベル41を含む。この座席15は、第1のレールシステム31aを介して、高いレベル39に配置される。見られるように、各レールシステム31aの2つの直線要素はレベル39にしっかりと取り付けられ、2つの直線要素は座席アセンブリの残りの部分に取り付けられ、要素は互いに対して移動可能であるように取り付けられる。壁構造23は、上側の枠を有する窓枠として設計される。この旋回機構25は構造要素43にヒンジで取り付けられているので、座席コンソール5は構造要素43に対して旋回できる。構造要素43は、操作台1の前壁または同等の実質的に垂直な構造であり得る。同様に、構造要素43は操作台1の底部9の一部であり得るので、旋回機構25は底部9に直接取り付けられる。しかし、同様に他の配置も提供できる。本実施形態では、座席コンソール5の後部半分Hは自由に懸垂されていることがわかる。コンソール底部17の高いレベル39は、この例では後部分の壁構造23に接続されている。しかし、座席コンソール5の取り付け、ひいては、座席コンソール5及びその上に位置するオペレータの重力の操作台1の構造の残りの部分への導入は、この例では、旋回機構25によってのみもたらされる。
【0032】
座席コンソール5を備えた操作台1の上記の実施形態を始めとして、多くの修正が可能である。例えば、座席コンソール5の後端部Eに、折り畳み式、拡張可能または旋回可能なブレース(支え、bracing)を取り付け、そこにも、落下保護体が設けられることが考えられる。このブレース(例えば伸縮ロッド)は、ここでは、操作台1の横方向区切り11と座席コンソール5の壁構造23とに接続され得る。さらに、回転機構35と旋回機構25がモータ駆動の場合、常時、前後軸Lに平行に向く(つまり、ドライバーの視線方向が前方を向く)ように、座席コンソール5が外へ旋回する間、座席15を自動的に追跡することも、さらに可能である。また、座席15の高さ調整、および、サスペンション、椅子の張地の硬度調整、座席ヒータ等の、さらに利便性の高い要素を、座席15に設けることができる。
図1
図2
図3
図4