(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】電子試験器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240725BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20240725BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01L21/66 H
H01L21/66 B
H01L21/68 T
G01R31/28 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022168114
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2019548053の分割
【原出願日】2018-02-27
【審査請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501119713
【氏名又は名称】エイアー テスト システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヨヴァノヴィッチ ヨヴァン
(72)【発明者】
【氏名】デボー ケニス ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ステップス スティーブン シー
(72)【発明者】
【氏名】リンゼイ スコット イー
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-024702(JP,A)
【文献】特開2010-066091(JP,A)
【文献】国際公開第2007/010610(WO,A1)
【文献】特開2009-031111(JP,A)
【文献】特開2008-111722(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0252243(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/673
G01R 31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジであって、
絶縁材料で作られ、上側および下側を有するソケットであって、前記上側は、第1の電子機器を解放可能に保持するための第1の構成を有し、前記ソケットを下側から上側まで貫通して形成された第1のソケット熱開口部を有するソケットと、
前記ソケットに接続され、前記第1の
電子機器を電気試験器に接続する接続部分と、
熱伝導性材料製のチャックと、
前記チャックに取り付けた第1の熱支柱であって、前記第1のソケット熱開口部に挿入され、
前記第1のソケット熱開口部にゆるく嵌っている、第1の熱支柱と、
前記ソケットと前記チャックとの間の回路基板であって、前記接続部分は前記回路基板上に位置し、前記第1の熱支柱が挿通される第1の回路基板熱開口部を有する、回路基板と、
前記ソケットに保持され、前記第1の電子機器の端子を前記回路基板に接続する第1の接点セットであって、前記第1の接点セットは、弾性的に押し下げ可能であり、前記第1の電子機器を、前記第1の熱支柱の第1の熱表面を形成する端部に接触させる、第1の接点セットと、
前記第1の熱支柱の
前記端部が前記第1の
電子機器に熱的に接続され、結果として熱が、前記チャックと前記第1の電子機器との間の前記ソケットの前記絶縁材料とは対照的に、主に通って伝達する第1の熱支柱と、を備えるカートリッジ。
【請求項2】
前記上側は、第2の電子機器を解放可能に保持するための第2の構成を有し、前記ソケットは、これを貫通して前記下側から前記上側に形成された第2のソケット熱開口部を有し、前記接続部分は、前記第2の
電子機器を前記電気試験
器に接続し、
前記チャックに取り付けた第2の熱支柱であって、前記第2
のソケット熱開口部に挿入され、前記第2の熱支柱の端部が前記第2の
電子機器に熱的に接続され、結果として熱が、前記チャックと前記第1の電子機器との間の前記ソケットの前記絶縁材料とは対照的に、主に通って伝導する第2の熱支柱と、をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記ソケットに取り付けられ、前記ソケットを通って延びて、前記第1の電子機器を前記回路基板に接続する複数のピンをさらに備える、請求項
1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記ソケットに対して移動可能であり、
第1のピン
セットを押し下げて前記第1の電子機器を前記第1の熱支柱の前記端部に接触させる蓋をさらに備える、請求項
3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記第1の熱支柱が延び、前記チャックに接触する表面を有する第1の熱留め具をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1の熱留め具は、前記第1の熱支柱に至る軸線と平行なそれぞれの各平面において前記第1の熱支柱よりも断面が大きく、それにより前記第1の熱留め具と前記チャックとの間の熱伝導性が向上する、請求項
5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第1の熱留め具は、前記チャックの上面の開口部に挿入されている、請求項
5に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第1の熱留め具は、前記チャック
の上面にあ
る開口部に、選択された深さまで圧入されている、請求項
5に記載のカートリッジ。
【請求項9】
1つまたは複数の電子機器を試験する方法であって、
絶縁材料製のソケットの上側の第1の構成に第1の
電子機器を解放可能に保持する段階と、
前記第1の
電子機器を、前記ソケットに接続された接続部分を介して電気試験器に接続する段階と、
熱伝導性材料製のチャックに取り付けた第1の熱支柱を、前記ソケットを貫通して下側から上側に形成された第1のソケット熱開口部に挿入し、前記第1の熱支柱の端部が前記第1の
電子機器に熱的に接続される段階
であって、前記第1の熱支柱は、前記第1のソケット熱開口部にゆるく嵌っており、回路基板は、前記ソケットと前記チャックとの間に配置され、前記接続部分は前記回路基板上に位置し、前記回路基板は、前記第1の熱支柱が挿通される第1の回路基板熱開口部を有し、第1の接点セットは、前記ソケットに保持され、前記第1の電子機器の端子を前記回路基板に接続し、前記第1の接点セットは、弾性的に押し下げ可能であり、前記第1の電子機器を、前記第1の熱支柱の第1の熱表面を形成する前記端部に接触させる、段階と、
前記チャックと前記第1の電子機器との間で熱を伝導させ、熱は、前記ソケットの絶縁材料とは対照的に、主に前記第1の熱支柱を介して伝導する段階と、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
[0001] この出願は、2017年3月3日に出願された米国仮特許出願第62/466,462号および2017年6月28日に提出された米国仮特許出願第62/526,089の優先権を主張し、これらの出願は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
1)発明の分野
[0002] 本発明は、超小型電子回路を試験するために使用する試験器に関する。
【0003】
2)関連技術の考察
[0003] マイクロ電子回路は、通常、半導体ウェーハの内部および上面に組み立てられる。このようなウェーハは、その後、「単体化され」または「さいの目に切られて」個々のダイになる。そのようなダイは、一般的に、支持板に取り付けられて、支持板に剛性を与え、かつダイの集積回路またはマイクロ電子回路と電子的に通信する。最終的な包装は、ダイのカプセル化を含むことができ、結果として生じるパッケージは次いで顧客に出荷することができる。
【0004】
[0004] ダイまたはパッケージは、顧客に出荷する前に試験する必要がある。理想的には、ダイは、初期段階の製造中に発生する欠陥を識別するために、初期段階に試験する必要がある。ウェーハレベルの試験が行われ、そのために処理器および接触器に接点を設け、次いで処理器を用いてウェーハを、ウェーハ上の接点が接触器上の接点と接触するように移動させる。電力信号および電子信号が、次いで接触器を通って、ウェーハに形成されたマイクロ電子回路との間で授受される。
【0005】
[0005] 様々な実施形態によれば、ウェーハは、シリコン基板またはプリント回路基板などの基板と、基板内に組み立てまたは基板上に取り付ける1つまたは複数の機器とを含む。
【0006】
[0006] 代わりに、ウェーハは、電気的接続部分(interface)および熱チャックを備えた携帯用カートリッジ内に配置することができる。電気的接続部分を介して電力および信号がウェーハとの間で授受できる一方、ウェーハの温度が熱チャックを加熱または冷却することにより熱的に制御される。
【0007】
[0007] ウェーハを単体化した後、個々のダイを試験することが再び必要になる場合があり、またはダイは、それを支持板に取り付けた後、試験することが再び必要になる場合がある。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 発明は試験装置を提供し、試験装置は、フレームと、フレーム上のスロット組立品と、スロット組立品上のスロット組立品接続部分と、複数のマイクロ電子機器を保持するカートリッジを設置する保持構造と、カートリッジを水平方向で第1の位置から第2の位置にスロット組立品内へ移動させるように動作可能な水平移送装置と、カートリッジおよびスロット組立品を第1の垂直方向で互いに対して移動させ、スロット組立品接続部分をカートリッジ上のカートリッジ接続部分と係合させるように動作可能な垂直移送装置と、第1のスロット組立品接続部分およびカートリッジ接続部分を介して接続され、各マイクロ電子機器に少なくとも電力を供給しかつマイクロ電子機器の性能を測定する試験器と、含み、垂直移送装置は、カートリッジおよびスロット組立品を第2の垂直方向で互いに対して移動させるように動作可能であり、第2の垂直方向は、第1の垂直方向の反対であってスロット組立品接続部分をカートリッジ接続部分から切り離し、水平移送装置は、カートリッジを水平方向で第2の位置から第1の位置にスロット組立品外へ移動させるように動作可能である。
【0009】
[0009] 発明はまた電子機器を試験する方法を提供し、試験方法は、複数のマイクロ電子機器を保持するカートリッジを、フレーム上でスロット組立品の少なくとも部分的に外側の第1の位置に保持する段階と、カートリッジを、水平方向に第1の位置から第2の位置にスロット組立品内へ移動させる段階と、カートリッジおよびスロット組立品を第1の垂直方向で互いに対して移動させ、スロット組立品上のスロット組立品接続部分をカートリッジ上のカートリッジ接続部分と係合させる段階と、第1のスロット組立品接続部分およびカートリッジ接続部分を介してマイクロ電子機器を試験し、試験は、各マイクロ電子機器に少なくとも電力を供給し、マイクロ電子機器の性能を測定することによって行う段階と、カートリッジおよびスロット組立品を第2の垂直方向において互いに対して移動させ、第2の垂直方向は、第1の垂直方向と反対でありスロット組立品接続部分をカートリッジ接続部分から切り離す段階と、カートリッジを、水平方向で第2の位置から第1の位置にスロット組立品外へ移動させる段階と、を含む。
【0010】
[0010] 発明はさらにカートリッジを提供し、カートリッジは、絶縁材料で作られ、上側および下側を有するソケットであって、上側は、第1の電子機器を解放可能に保持するための第1の構成を有し、ソケットを下側から上側まで貫通して形成された第1のソケット熱開口部を有するソケットと、ソケットに接続され、第1の機器を電気試験器に接続する接続部分と、熱伝導性材料製のチャックと、チャックに取り付けた第1の熱支柱であって、第1のソケット熱開口部に挿入され、第1の熱支柱の端部が第1の機器に熱的に接続され、結果として熱が、チャックと第1の電子機器との間のソケットの絶縁材料とは対照的に、主に通って伝達する第1の熱支柱と、を含む。
【0011】
[0011] 発明はまた試験片を提供し、試験片は、絶縁材料で作られ、上側および下側を有するソケットであって、上側は、第1の電子機器を解放可能に保持するための第1の構成を有し、ソケットは、これを貫通して下側から上側に形成された第1のソケット熱開口部を有し、下側から第1のソケット熱開口部に第1の熱伝導性支柱が挿入可能であるソケットと、ソケットに保持され、第1の機器を回路基板に接続し、弾性的に押し下げ可能である第1のピンセットと、ソケットに対して移動可能であり、第1のピンセットを押し下げて、第1の電子機器を第1の熱支柱の端部に接触させる蓋と、を含む。
【0012】
[0012] 発明はさらに試験片を提供し、試験片は、熱伝導性材料製のチャックと、チャックに取り付けた第1の熱支柱であって、その端部が第1の装置に熱的に接続された状態で第1のソケット熱開口部に挿入可能であり、結果として熱が、チャックと第1の電子機器との間のソケットの絶縁材料とは対照的に、主に通って伝達する第1の熱支柱と、を含む。
【0013】
[0013] 発明はまた1つまたは複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、絶縁材料製のソケットの上側の第1の構成に第1の機器を解放可能に保持する段階と、第1の機器を、ソケットに接続された接続部分を介して電気試験器に接続する段階と、熱伝導性材料製のチャックに取り付けた第1の熱支柱を、ソケットを貫通して下側から上側に形成された第1のソケット熱開口部に挿入し、第1の熱支柱の端部が第1の機器に熱的に接続される段階と、チャックと第1の電子機器との間で熱を伝導させ、熱は、ソケットの絶縁材料とは対照的に、主に第1の熱支柱を介して伝導する段階と、を含む。
【0014】
[0014] 発明はさらにカートリッジを提供し、カートリッジは、絶縁材料で作られかつ上側および下側を有し、上側にあり第1の電子機器を保持するための第1の構成と、上側にあり第2の電子機器を保持するための第2の構成とを有するソケットと、蓋と、蓋に回転可能に取り付けた第1の押板と、蓋に回転可能に取り付けた第2の押板であって、蓋は、ソケットにわたって配置可能でありかつソケットに向かって移動可能であり、第1の押板を回転可能に取り付けることにより、第1の電子機器は、第1の押板を蓋に対して回転させることができ、第2の押板を回転可能に取り付けることにより、第2の電子機器は、第2の押板を蓋に対して第1の押板から独立して回転させることができる第2の押板と、ソケットに保持され、第1の電子機器に接続された第1の接点セットと、第1の接点セットに接続された第1の端子セットと、ソケットに保持され第2の電子機器に接続された第2の接点セットと、第2の接点セットに接続された第2の端子セットと、を含む。
【0015】
[0015] 発明はまた1つまたは複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、絶縁材料製のソケットの上側上に第1の電子機器を第1の構成で解放可能に保持する段階と、ソケットの上側上に第2の電子機器を第2の構成で解放可能に保持する段階と、ソケットにわたって蓋を配置し、蓋は、蓋に回転可能に取り付けた第1の押板と、蓋に回転可能に取り付けた第2の押板とを有する段階と、蓋をソケットに向かって移動させる段階であって、第1の押板を回転可能に取り付けることにより、第1の電子機器は、第1の押板を蓋に対して回転させることが可能になり、第2の押板を回転可能に取り付けることにより、第2の電子機器は、第1の押板とは独立して第2の押板を蓋に対して回転させることが可能になる段階と、第1のおよび第2の電子機器を、ソケットに接続された接続部分を介して電気試験器に接続する段階と、を含む。
【0016】
[0016] 発明はさらにカートリッジを提供し、カートリッジは、入力接点および発光体を有する電子機器を取外し可能に保持するための構造を有する電子機器ホルダーと、電子機器ホルダー上にあり、電子機器上の入力接点に接続する入力接点であって、電子機器ホルダーの入力接点を介して入力電力を電子機器の入力接点に供給し、入力電力により発光体が光を伝達する入力接点と、電子機器ホルダーに取り付けられ、光を検出しかつ光の大きさに応じて出力電力を発生させる光検出器と、光検出器に接続され、出力電力を測定する出力接点と、を含む。
【0017】
[0017] 発明はまた1つまたは複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、入力接点および発光体を有する電子機器を機器ホルダーに挿入する段階と、電子機器ホルダー上の入力接点を電子機器上の入力接点に接続する段階と、電子機器ホルダー上の入力接点を介して、電子機器上の入力接点に入力電力を供給し、入力電力により発光体が光を伝達する段階と、光を検出する段階と、検出された光を出力電力に変換する段階と、出力電力を出力接点を介して測定する段階と、電子機器を電子機器ホルダーから取り外す段階と、を含む。
【0018】
[0018] 発明はさらに試験装置を提供し、試験装置は、入力端子および発光体を有する電子機器を取外し可能に保持するための構成を有するソケットと、ソケット上の入力接点であって、電子機器上の入力端子に接続され、ソケット上の入力接点を介して入力電力を電子機器上の入力端子に供給し、入力電力により発光体が光を伝達する入力接点と、ソケットの第1の側にある温度修正機器であって、動作時に温度を変化させて、温度修正機器と電子機器との間の温度差と、温度修正機器と電子機器との間の熱伝導とを生じさせ、電子機器の温度を修正する温度修正機器と、ソケットのうち温度修正装置とは反対の側にあり、光を吸収するための表面を有し、光の吸収により内部に熱を生成するヒートシンクと、ヒートシンクに熱的に接続され、ヒートシンクから熱を除去する放熱装置と、を含む。
【0019】
[0019] 発明はまた1つまたは複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、入力接点および発光体を有する電子機器をソケットに挿入する段階と、ソケット上の入力接点を電子機器上の入力端子に接続する段階と、ソケット上の入力接点を介して入力電力を電子機器上の入力端子に供給し、入力電力により発光体が光を伝達する段階と、ソケットの第1の側にある温度修正機器の温度を変化させて、温度修正機器と電子機器との間の温度差と、温度修正機器と電子機器との間の熱伝導とを生じさせて、電子機器の温度を修正する段階と、ソケットのうち温度修正機器の反対の側にあるヒートシンクの表面で光を吸収し、光の吸収によりヒートシンクが熱を発生する段階と、ヒートシンクに熱的に接続された放熱装置を用いてヒートシンクから熱を除去する段階と、ソケットから電子機器を取り外す段階と、を含む。
【0020】
[0020] 発明はさらにカートリッジを提供し、カートリッジは、絶縁材料で作られ、上側および下側と、上側上の構成とを有し、電子機器を保持するソケットと、ソケットに保持され、電子機器に接続する接点セットと、ソケットによって保持された接点セットに接続された端子セットと、回路基板であって、接点セットに接続された端子セットが、回路基板上の接点セットに接続されている回路基板と、蓋と、蓋に取り付けた検出器であって、ソケットによって保持された端子セットの少なくとも1つを介して電力が電子機器に供給されるとき、蓋は移動可能であり、所定位置に位置する検出器とともにソケットにわたって位置決めされ、電子機器の機能を検出する検出器と、検出器を回路基板上の接続部分に接続する測定チャネルと、を含む。
【0021】
[0021] 発明はまた1つまたは複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、電子機器をソケットに解放可能に保持し、ソケットは絶縁材料から作られ、上側および下側と、電子機器を保持する上側上の構成とを有する段階と、ソケットに保持された接点セットを電子機器に接続する段階と、接点セットに接続された端子セットを回路基板上の接点セットに接続する段階と、検出器が取り付けられた蓋をソケットにわたって移動させる段階と、検出器を測定チャンネルを介して回路基板上の接続部分に接続する段階と、ソケットによって保持された接点の少なくとも1つを介して電力を電子機器に供給する段階と、ソケットによって保持された接点の少なくとも1つを介して電力が電子機器に供給されるとき、電子機器の機能を検出する段階と、接続部分を介して機能を測定する段階と、を含む。
【0022】
[0022] 発明はさらにカートリッジを提供し、カートリッジは、貫通する支柱開口部を有する支持板と、支持板の第1の側にあり、接点を有する回路基板を少なくとも含む裏当て構造と、導体であって、支持板のうち第1の側の反対にある第2の側に位置決めされた電子機器上の端子と接触する接点と、支持板によって保持された部分と、回路基板上の接点に接続された端子と、を有する導体と、ばねと、電子機器のうち支持板の反対側にある力発生装置であって、力発生装置および支持板は互いに相対的に移動可能であり、電子機器が支持板に近づくようにばねを変形させる力発生装置と、支柱であって、支持板の表面の平面から離間した平面内の表面にあり、電子機器が支持板に近づくように移動することを防止するスタンドオフと、スタンドオフから少なくとも支柱開口部を部分的に貫通して延びる力伝達部分と、力伝達部分から延びる力引渡部分とを含み、力引渡部分は裏当て構造によって保持される支柱と、を含む。
【0023】
[0023] 発明はまたカートリッジを提供し、カートリッジは、接点を有する少なくとも回路基板を含む裏当て構造を、支持板の第1の側に配置する段階と、導体の接点を、支持板のうち第2の側の反対の第1の側に位置する電子機器上の端子に接続し、導体は、支持板によって保持される部分と、回路基板上の接点に接続される端子とを有する段階と、電子機器のうち支持板の反対側に力発生機器を位置決めする段階と、力発生装置および支持板を互いに相対的に移動させ、電子機器を支持板に近づけて、ばねをそのばね力に抗して変形させる段階と、電子機器が支持板に近づく移動を、支持板の表面の平面から離間した平面内の表面を持つスタンドオフを備える支柱で防止する段階と、電子機器からの力を支柱のスタンドオフで受け取る段階と、力をスタンドオフから少なくとも部分的に開口部を通って支柱の力伝達部分で伝導し、支柱は、スタンドオフから少なくとも部分的に支持板を貫通して形成された支柱開口部を通って延びている段階と、力を支柱の力伝達部分から延びる力引渡部分で受け、力引渡部分は裏当て構造によって保持されている段階と、力を裏当て構造に引き渡す段階と、を含む。
【0024】
[0024] 発明はさらに試験器装置を提供し、試験装置は、電圧目標システムと、複数の電子機器を少なくとも第1のおよび第2のクラスタに保持するためのホルダーと、第1のクラスタの電子機器に接続可能な少なくとも1つの電圧源であって、第1の試験電圧を第1のクラスタの電子機器に同時に供給し、第2のクラスタの電子機器に接続可能であり、第1の試験電圧を第2のクラスタの電子機器に同時に供給する電圧源と、少なくとも1つの電流検出器であって、第1のクラスタの機器からの第1の試験電流を測定するために第1のクラスタの機器に接続可能であり、電流検出器によって測定された第1のクラスタの機器からの第1の試験電流は、第1のクラスタの機器に同時に供給される合計電流であり、また第2のクラスタの機器からの第1の試験電流を測定するために第2のクラスタの機器に接続可能であり、電流検出器によって測定された第2のクラスタの機器からの第1の試験電流は、第2のクラスタの機器に同時に供給される合計電流である電流検出器と、電圧目標システムは、測定された第1のクラスタの機器からの第1の試験電流を目標電流と比較することによって第1の比較を実行することと、第1の電圧調整器であって、第1の試験電圧を第1の比較に応じて第1のクラスタに関する第2の試験電圧に調整し、結果として第1のクラスタの機器からの第1の試験電流は、目標電流により近い第2の試験電流により近く調整される第1の電圧調整器と、電圧目標システムは、測定された第2のクラスタの機器からの第1の試験電流を目標電流と比較することによって第2の比較を実行することと、第2の電圧調整器であって、第1の試験電圧を第2の比較に応答して第2のクラスタに関する第2の試験電圧に調整し、結果として第2のクラスタの機器からの第1の試験電流は、目標電流により近い第2の試験電流により近く調整される第2の電圧調整器と、を含む。
【0025】
[0025] 発明はまた複数の電子機器を試験する方法を提供し、方法は、複数の電子機器を少なくとも第1のおよび第2のクラスタに保持する段階と、少なくとも1つの電圧源を第1のクラスタの電子機器に接続して、第1の試験電圧を第1のクラスタの電子機器に同時に供給し、また第2クラスタの電子機器に接続可能であり、第1の試験電圧を第2クラスタの電子機器に同時に供給する段階と、少なくとも1つの電圧源を第2のクラスタの電子機器に接続して、第1の試験電圧を第2のクラスタの電子機器に同時に供給する段階と、
少なくとも1つの電流検出器を用いて、第2クラスタの機器からの第1の試験電流を測定し、第2のクラスタの機器からの電流検出器によって測定する第1の試験電流は、第2クラスタの機器に同時に供給される合計電流であり、少なくとも1つの電流検出器を用いて、第2クラスタの機器からの第1の試験電流を測定し、第2のクラスタの機器からの電流検出器によって測定する第1の試験電流は、第2クラスタの機器に同時に供給される合計電流であり、電圧目標システムを用いて第1の比較を実行し、比較は、測定された第1のクラスタの機器からの第1の試験電流を目標電流と比較することによって行う段階と、第1の電圧調整器を用いて、第1の試験電圧を第1の比較に応じて第1のクラスタに関する第2の試験電圧に調整し、結果として第2のクラスタの機器からの第1の試験電流は、目標電流により近い第2の試験電流に調整される段階と、電圧目標システムを用いて第2の比較を実行し、比較は、測定された第2クラスタの機器からの第1の試験電流を目標電流と比較することによって行う段階と、第2の電圧調整器を用いて、第1の試験電圧を第2の比較に応じて第2のクラスタに関する第2の試験電圧に調整し、結果として第2のクラスタの機器からの第1の試験電流は、目標電流により近い第2の試験電流により近く調整される段階と、を含む。
【0026】
[0026] 本発明は、添付図面を参照して、例としてさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態による、スロット組立品を有する試験器装置の断面側面図である。
【
図2】
図1の試験器装置の2-2に沿った断面側面図である。
【
図3】
図1の試験器装置の3-3に沿った断面側面図である。
【
図4】
図2および
図3の試験器装置の4-4に沿った断面側面図である。
【
図5A】試験器装置の斜視図であり、フレームによって定まるオーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れを示す図である。
【
図5B】試験器装置の斜視図であり、フレームによって定まるオーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れを示す図である。
【
図5C】試験器装置の斜視図であり、フレームによって定まるオーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れを示す図である。
【
図6】ウェーハの電子機器に1つのカートリッジがどのように挿入されて試験するために使用され、続いて別のカートリッジを挿入するかを示す、タイムチャートである。
【
図7】1つのスロット組立品の挿入または取外しを示す試験器装置の斜視図である。
【
図8A】
図1~
図7に関して説明したカートリッジの構成におけるスタンドオフの使用を示す断面側面図である。
【
図8B】
図1~
図7に関して説明したカートリッジの構成におけるスタンドオフの使用を示す断面側面図である。
【
図9A】オーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れに用いる装置を示す側面図である。
【
図9B】オーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れに用いる装置を示す側面図である。
【
図10】オーブンに対する携帯型カートリッジの出し入れに用いる装置を示す側面図である。
【
図11】本発明の別の実施形態によるカートリッジを示す斜視図である。
【
図15】個々の電子機器への電圧を制御するために用いる試験器装置の構成部品を示す図である。
【
図16】
図15の構成部品の動作を示すフローチャートである。
【
図17】
図16のプロセスに続く電圧目標変更を例示するグラフである。
【
図20A】
図16で実行するサンプルサイズフィルタを示すヒストグラムである。
【
図20B】
図16で実行するサンプルサイズフィルタを示すヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0046] 添付図面の
図1は本発明の実施形態による試験器装置10を示し、試験器装置10は、試験器12、フレーム14、電力バス16、第1のおよび第2のスロット組立品18Aおよび18B、試験器ケーブル20、電源ケーブル22、冷液供給ライン24A、冷液戻りライン24B、制御液供給ライン24C、制御液戻りライン24D、真空ライン24E、第1のおよび第2カートリッジ28Aおよび28B、ならびに第1のおよび第2ウェーハ30Aおよび30Bを含む。
【0029】
[0047] スロット組立品18Aは、スロット組立品本体32、熱チャック34、温度検出器36、加熱抵抗器38の形態の温度修正機器、第1のスロット組立品接続部分40および複数の第2のスロット組立品接続部分を含み、第2のスロット組立品接続部分は、制御接続部分44、電力接続部分46、および冷液供給接続部分48A、冷液戻り接続部分48B、制御液供給接続部分48C、制御液戻り接続部分48Dおよび真空接続部分48Eを含む。
【0030】
[0048] 第1のスロット組立品接続部分40は、スロット組立品本体32内に配置され、スロット組立品本体32に取り付けられる。制御接続部分44、電力接続部分46、および接続部分48Aから48Eの形態の第2の接続部分は、スロット組立品本体32の左壁に取り付けられる。
【0031】
[0049] スロット組立品18Aは、フレーム14に左から右に挿入可能であり、フレーム14から右から左に取り外し可能である。試験器ケーブル20、電力ケーブル22およびライン24Aから24Eは、それぞれ制御接続部分44、電力接続部分46および接続部分48Aから48Eに手動で接続される。フレーム14からスロット組立品18Aを取り外す前に、試験器ケーブル20、電源ケーブル22およびライン24Aから24Eは、先ず、制御接続部分44、電源接続部分46および接続部分48Aから48Eからそれぞれ手動で切り離される。
【0032】
[0050] スロット組立品18Aは、試験電子機器を有するマザーボード60、試験電子機器を有する複数のチャネルモジュールボード62、可撓性コネクタ64および接続ボード66を含む。制御接続部分44および電力接続部分46はマザーボード60に接続され、熱制御器50はマザーボード60に取り付けられる。チャネルモジュールボード62は、マザーボード60に電気的に接続されている。可撓性コネクタ64は、チャネルモジュールボード62を接続ボード66に接続している。制御機能は、制御接続部分44をマザーボード60に接続する導電体を介して設けられる。電力は、電力接続部分46を介してマザーボード60に供給される。電源および制御の両方が、マザーボード60から導体を介してチャネルモジュールボード62に供給される。可撓性コネクタ64は、チャネルモジュールボード62を接続ボード66に接続する導体を設ける。接続ボード66は、可撓性コネクタ64を第1のスロット組立品接続部分40に接続する導体を含む。この第1のスロット組立品接続部分40は、こうして電力および制御が制御接続部分44および電力接続部分46を介して第1のスロット組立品接続部分40に供給できるように、様々な導体を介して制御接続部分44および電力接続部分46に接続されている。
【0033】
[0051] 第2のスロット組立品18Bは、第1のスロット組立品18Aと同様の構成部品を含み、同様の参照番号は同様の構成部品を示す。第2のスロット組立体18Bはフレーム14に挿入され、第2のスロット組立体18Bの制御接続部分44、電力接続部分46および接続部分48A~48Eは、別個の試験器ケーブル20、別個の電源ケーブル22および別個のライン24A~24Eを含む、一組の別個の接続用構成部品にそれぞれ手動で接続されている。
【0034】
[0052] カートリッジ28Aは、薄型チャック72および背板74によって形成されたカートリッジ本体を含む。ウェーハ30Aには、複数のマイクロ電子機器が形成されている。ウェーハ30Aは、薄型チャック72と背板74との間のカートリッジ本体に挿入されている。複数カートリッジ接点76が、ウェーハ30A上のそれぞれの接点(図示しない)と接触する。カートリッジ28Aは、背板74上にカートリッジ接続部分78をさらに含む。背板74内の導体は、カートリッジ接続部分78をカートリッジ接点76に接続する。
【0035】
[0053] カートリッジ28Aは、背板74と薄型チャック72との間に接続されたシール77を有する。シール77、背板74および薄型チャック72によって定まる領域に真空を加える。真空によりカートリッジ28Aがまとめられ、カートリッジ接点76とウェーハ30A上の接点との間の適切な接触が保証される。
【0036】
[0054] 温度検出器36は、熱チャック34内に配置され、したがって、ウェーハ30Aの温度を検出するためにウェーハ30Aに十分近く、またはウェーハ30Aの摂氏5度以内、好ましくは摂氏2度の一方以内にある。
【0037】
[0055]
[0055] スロット組立品18Aは、ヒンジ84によってスロット組立品本体32に接続されたドア82をさらに有する。ドア82が回転して開放位置になると、カートリッジ28Aは、ドア開口部86を通ってスロット組立品本体32に挿入することができる。次に、カートリッジ28Aは、熱チャック34上に降ろされ、ドア82を閉鎖される。熱チャック34は、スロット組立品本体32に取り付けられる。熱チャック34は、次いで、本質的にウェーハ用の試験ステーションを有するホルダーを形成する。
【0038】
[0056] スロット組立品18Aは、熱チャック34と薄型チャック72との間に位置するシール88をさらに有する。シール88、熱チャック34および薄型チャック72によって定まる領域に、真空が真空接続部分48Eおよび真空ライン90を介して加えられる。これにより、熱チャック34と薄型チャック72との間に良好な熱接続が得られる。発熱抵抗体38によって熱が発生すると、熱は、熱チャック34および薄型チャック72を通って伝導し、ウェーハ30Aに到達する。熱チャック34の温度がウェーハ30Aよりも低いとき、熱は反対方向に伝導する。
【0039】
[0057] カートリッジ接続部分78は、第1のスロット組立品接続部分40と係合している。電力および信号は、第1のスロット組立品接続部分40、カートリッジ接続部分78およびカートリッジ接点76を介してウェーハ30Aに供給される。ウェーハ30A内の機器の性能は、カートリッジ接点76、カートリッジ接続部分78および第1のスロット組立品接続部分40を介して測定する。
【0040】
[0058] スロット組立品18Bのドア82は閉鎖位置で示す。スロット組立品18Aの上面に前方シール100が取り付けられ、スロット組立品18Bの下面でシールする。スロット組立品18Bの上面に前方シール102が取り付けられ、フレーム14の下面でシールする。スロット組立品18Aおよび18Bのドア82と前方シール100および102とにより、連続的で密封された前壁104が得られる。
【0041】
[0059] スロット組立品18Aは熱制御器50をさらに含む。温度検出器36は、温度フィードバックライン52を介して熱制御器50に接続されている。電力は、加熱抵抗器38が加熱されるように、電力接続部分46および電力線54を介して加熱抵抗器38に供給されている。加熱抵抗器38は、すると、熱チャック34および熱チャック34上のウェーハ30Aを加熱する。発熱抵抗体38は、温度検出器36によって検出された温度に基づいて熱制御器50によって制御される。
【0042】
[0060] 熱チャック34には、熱流体通路224が形成されている。熱流体通路224は、熱流体を収容している。熱流体は気体ではなく液体であることが好ましく、その理由は、液体は圧縮不能であり、熱は液体との間でより速く対流するためである。用途ごとに異なる熱流体が使用され、温度が最も高い用途にはオイルが使用される。
【0043】
[0061] 制御液の供給ラインおよび戻りライン226および228は、熱流体通路224の反対の端部をそれぞれ冷液供給および戻り接続部分48Cおよび48Dに接続する。発熱抵抗体38は、熱流体を加熱する熱チャック34を加熱する、所定位置に取り付けた加熱器として役に立つ。熱流体通路224を通って熱流体を再循環させれば、熱チャック222によってより均一な熱分布が、熱チャック34に、最終的にはウェーハ30Aに与えられる。流体の温度はまた、熱チャック222に熱を加えて熱チャック34を冷却するように制御できる。
【0044】
[0062] 試験器装置10は、冷却システム240、温度制御システム242および真空ポンプ244をさらに含む。第1のおよび第2のスロット組立品18Aおよび18Bに接続された2つの冷液供給ライン24Aも、マニホールド(図示しない)を介して冷却システム240に接続されている。追加の複数マニホールドが、冷液戻りライン24Bを冷却システム240に、制御液供給ライン24Cを温度制御システム242に、制御液戻りライン24Dを温度制御システム242に、真空ライン24Eを真空ポンプ244に接続されている。各スロット組立品18Aまたは18Bは、それぞれの流体通路248を備えたそれぞれの冷却板246を有する。冷却システム240は、流体通路248を通して流体を循環させて、冷却板246を冷却する。冷却板246は、するとチャネルモジュールボード62を冷却状態に保つ。温度制御システム242は、熱流体通路224を通って流体を循環させて、熱チャック34の温度を制御し、かつウェーハ30Aおよび30Bとの間で熱を授受する。真空ポンプ244は、真空ライン90に真空圧力で空気を供給する。
【0045】
[0063] スロット組立品18Aは、その内壁106の上方にあるスロット組立品本体32の上面に取り付けた分離器シール108を含む。分離器シール108は、スロット組立品18Bの下面で密封する。スロット組立品18Bは、そのスロット組立品本体32の上面に取り付けられた分離器シール110を有する。分離器シール108は、フレーム14の下面で密封する。スロット組立品18Aおよび18Bの内壁106と分離器シール108および110とにより、連続的に密封された分離器壁112が設けられる。
【0046】
[0064]
図2は、
図1の試験器装置10を2-2に沿って示す図である。フレーム14は、第1の閉ループ空気経路120を定める。空気の入口開口部および出口開口部(図示しない)が開放され、第1の閉ループ空気経路120を、室温の空気が再循環せずにフレーム14を通過する開放空気経路に変更することができる。閉ループ経路は、クリーンルーム環境で特に役立ち、その理由は、クリーンルーム環境では空気中に放出される粒子状物質が少ないためである。
【0047】
[0065] 試験器装置10は、第1のファン122、第1のファンモーター124および水冷却器126の形態の温度修正機器をさらに含む。
【0048】
[0066] 第1のファン122および第1のファンモーター124は、第1の閉ループ空気経路120の上部に取り付けられる。水冷却器126は、第1の閉ループ空気経路120の上部内でフレーム14に取り付けられる。
【0049】
[0067] カートリッジ28Aおよび28Bは、スロット組立品18Aおよび18Bとともに位置決めされ、第1の閉ループ空気経路120の下半分内にある。
【0050】
[0068] 使用時、第1のファンモーター124に電流が供給される。第1のファンモーター124は、第1のファン122を回転させる。第1のファン122は、空気を、第1の閉ループ空気経路120を通って時計方向に再循環させる。
【0051】
[0069] 水冷却器126は、次いで第1の閉ループ空気経路120内の空気を冷却する。空気は、次いでスロット組立品18Aおよび18Bを通ってカートリッジ28Aまたは28Bの上を流れる。カートリッジ28Aまたは28Bは、次いで対流する空気によって冷却される。
【0052】
[0070]
図3は、
図1の試験器装置10を3-3に沿って示す図である。フレーム14は、第2の閉ループ空気経路150を定める。試験器装置10は、第2のファン152、第2のファンモーター154、および水冷却器156の形態の温度修正機器をさらに含む。
図2のような電気ヒーターまたはダンパーは設けていない。空気の入口開口部および出口開口部(図示しない)が開放されて、第1の閉ループ空気経路150を、室温の空気が再循環せずにフレーム14を通過する開放空気経路に変更することができる。
【0053】
[0071] 閉ループ経路はクリーンルーム環境で特に役立ち、その理由は、クリーンルーム環境では空気中に放出される粒子状物質が少ないためである。第2のファン152および第2のファンモーター154は、第2の閉ループ空気経路150の上部に位置決めされている。水冷却器156は、第2の閉ループ空気経路150内で第2のファン152からわずかに下流に配置されている。スロット組立品18Aおよび18Bの一部を形成するマザーボード60およびチャネルモジュールボード62は、第2の閉ループ空気経路150の下半分内に配置されている。
【0054】
[0072] 使用時、第2のファンモーター154に電流が供給され、それにより第2のファン152が回転する。第2のファン152は、次いで空気を、第2の閉ループ空気経路150を通って時計方向に再循環させる。空気は水冷却器156によって冷却される。次いで、冷却された空気は、マザーボード60およびチャネルモジュールボード62上を通過し、結果として熱は、マザーボード60およびチャネルモジュールボード62から空気に対流により伝導する。
【0055】
[0073]
図2の第1の閉ループ空気経路120を通って再循環する空気は、
図1に示す連続的な密封された分離壁112によって、
図3の第2の閉ループ空気経路150の空気から分離されている。
図1に示す連続的な密封された前壁104は、空気が第1の閉ループ空気経路120から逃げることを防止する。
【0056】
[0074]
図2および3に示すように、
図1で使用したのと同じ冷却システム240は、水冷却器126を冷却するためにも使用する。
図4に示すように、プレナム160は、連続密封分離器壁112によって設けられる領域を除くすべての領域で、第1の閉ループ空気経路120を第2の閉ループ空気経路150から分離する。フレーム14は、閉ループ空気経路120および150をさらに定める左壁162および右壁164を有する。
【0057】
[0075]
図5A、
図5Bおよび
図5Cには、カートリッジ30C、30Dおよび30Eはいつでも挿入または取り外し可能である一方、他の全てのカートリッジはウェーハの機器を試験するのに使用されており、さまざまな温度勾配状態にある方法を示している。
図6にこの概念の詳細を示す。時間T1にて、第1のカートリッジはフレーム14に挿入されるが、第2のカートリッジはフレーム14の外側にある。T1にて、第1のカートリッジの加熱が開始する。T1とT2の間にて、第1のカートリッジの温度は、室温すなわち約22℃から、T2における、室温よりも50℃から150℃高い試験温度まで上昇する。
T2にて、第1のカートリッジに電力が供給され、第1のカートリッジ内の機器が試験される。T3にて、第2のカートリッジはフレーム14に挿入され、第2のカートリッジの加熱が開始する。T4にて、第1のカートリッジの試験が終了する。T4にて、第1のカートリッジの冷却も開始する。T5にて、第2のカートリッジが試験温度に達し、第2のカートリッジに電力が供給され、第2のカートリッジ内のウェーハが試験される。T6にて、第2のカートリッジは、室温に近い温度に達し、フレーム14から取り出される。次いで、第1のカートリッジの代わりに第3のカートリッジが挿入できる。T7にて、第2のカートリッジの試験が終了し、その冷却が開始する。T8にて、第2のカートリッジは室温または室温近くまで冷却されて、フレーム14から取り出される。
【0058】
[0076] さまざまな温度においてさまざまな試験が実施できる。例として、カートリッジが挿入され、室温において試験を続けることができる。温度が上昇する間に別の試験が実施できる。上昇した温度によってさらに試験が継続できる。温度が下降する間に、さらに試験できる。これらの試験のうち2つは、1つの温度段階から次の段階まで続く単一の試験である。
【0059】
[0077]
図7に示すように、1つのスロット組立体18Aは、フレーム14から取り外しまたはフレーム14に挿入可能である。スロット組立品18Aは、挿入または取り外し可能である一方、ウェーハの機器を試験するためにフレーム14内の他のスロット組立品が使用でき、これについては
図6を参照して説明する。
【0060】
[0078]
図8Aに示すように、背板74は、回路基板500、接触器502、複数のピン504、固定リング506、締め具508および支柱510を含む。
【0061】
[0079] 回路基板500は、主に絶縁材料で作られ、その中に回路(図示しない)が形成されている。回路基板500の下側514に接点512が形成されている。下側514にねじ開口部516が形成されている。
【0062】
[0080] 接触器502は、上側524から下側526に貫通して形成された、複数のピン開口部518、支柱開口部520および締め具開口部522を有する。ピン開口部518の各1つは、第1の区域528および第2の区域530を有する。第1のおよび第2の区域528および530は、平面図で見たとき、両方とも円形である。第1の区域528は、直径が第2の区域530よりも大きい。第1の区域528の直径が第2の区域530の直径と比べて大きいことにより、
図8Aの断面側面図で見たとき、第1の区域528は第2の区域530よりも広い。
【0063】
[0081] 支柱開口部520は、第1の区域534および第2の区域536を有する。第1の区域534および第2の区域536は、平面図で見たとき、両方とも円形である。第1の区域534の直径は、第2の区域536の直径よりも大きい。第1の区域534の直径が第2の区域536の直径よりも大きいため、
図8Aの断面側面図で見たとき、第1の区域534は第2の区域536よりも広い。第1のおよび第2の区域534および536は、垂直側壁を有する。水平踊り場538は、第1のおよび第2の区域534および536の垂直側壁につながっている。
【0064】
[0082] 各ピン504は、導電性の保持部542、コイルばね544、ならびに第1のおよび第2の端部片546および548を含む。第1の端部片546は、第1の内側部分550および第1の先端552を有する。第2の端部片548は、第2の内側部分554および第2の先端556を有する。コイルばね544が第1のおよび第2の内側部分550および554の間に位置する状態で、コイルばね544ならびに第1のおよび第2の内側部分550および554は、保持部542で保持されている。第1のおよび第2の先端552および556は、保持部542の上端および下端からそれぞれ突出している。
【0065】
[0083] 第1の先端552の上面は端子560を形成する。第2の先端556の下端は接点562を形成する。コイルばね544ならびに第1のおよび第2の端部片546および548は、金属したがって導電性材料で作られている。コイルばね544ならびに第1のおよび第2の端部片546および548は、端子560と接点562との間で電流を伝導できる導体を形成する。
【0066】
[0084] それぞれのピンは、上面524を通ってそれぞれのピン開口部518に挿入されている。第2の先端556は、第2の区分530よりもわずかに小さく、第2の区分530を通過して下側526から突出するようになっている。保持部542は、第1の区域528よりもわずかに狭いが、ピン504が下側526から抜け出すのを防ぐために第2の区域530よりも広い。ピン504がピン開口部518に完全に挿入され、接触器502が回路基板500に取り付けられる前に、第1の先端552は依然として接触器502の上面524の上に突出している。
【0067】
[0085] 支柱510は、スタンドオフ(standoff)564、力伝達部分566および力引渡部分568を有する。支柱510は、接触器502のセラミック材料の強度および脆性と比べて、その強度の故に選択された単一の金属片または他の材料から作られる。
【0068】
[0086] 支柱510は、上側524を通って支柱開口部520内に挿入される。スタンドオフ564および力伝達部分566は、第2の区域536よりもわずかに狭い。力引渡部分568は、第1の区域534よりもわずかに狭いが、第2の区域536よりも広い。力引渡部分568の下面570は、踊り場538に当接する。支柱510は、これによって下側526から抜けだすのが防止される。
【0069】
[0087] 支柱510は表面572を有し、表面572は、
図8Aに示すように支柱510が完全に挿入されたとき、下側526の表面と平行でかつ下方にある平面にある。支柱510が完全に挿入されたとき、力引渡部分568は、上面524と同じ平面にある表面574を有する。
【0070】
[0088] 回路基板500は、接触器502の頂部に位置決めされる。接点512の各1つは、端子560のそれぞれと接触する。端子560は上側524の平面よりも上方の平面にあるので、下側514は当初上側524から離間している。
【0071】
[0089] 締め具508は、ねじ付きシャフト578およびヘッド580を有する。リング506はリング開口部582を有する。リング506は、接触器502の下面584に配置されている。ねじ付きシャフト578は、底部からリング開口部582を通り、次いで締め具開口部522を通って挿入される。ヘッド580は、リング506の下面と接触するようになる。ヘッド580が回転され、次いでねじ付きシャフト578のねじがねじ付き開口部516のねじにねじ込まれる。ねじ込み動作により、回路基板500が接触器502およびリング506に近づく。下側514は、最終的に上側524と接触する。接点512は、端子560が上面524と同じ平面になるまで、第1の端部片546を下向きに移動させてピン開口部518内に入れる。コイルばね544は縮み、したがってわずかに変形して、第1の端部片546が第2の端部片548に向かって相対運動することを可能にする。
【0072】
[0090] 下側514は、支柱510の一部を形成する表面574に対して静止状態になる区域を有する。支柱510は回路基板500に当接するので、支柱510は、表面572を通って回路基板500に力を伝達する位置にある。
【0073】
[0091] 第1のウェーハ32Aには、複数の電子機器が形成されている。各電子機器は、第1のウェーハ32Aの上面590に複数の端子588を有する。背板74と第1のウェーハ32Aとを一緒にするとき、第1のウェーハ32Aは、背板74と並んで、端子588の各1つが接点562のそれぞれ1つと接触することを保証する。
【0074】
[0092] 上面590と下側526との間の領域に真空圧が生成される一方、薄型チャック72の下面592の下方および回路基板500の上面594の圧力は大気圧のままである。圧力差により、大きさが等しく対向する力F1およびF2が、回路基板500および薄型チャック72に発生する。
【0075】
[0093]
図8Bに示すように、力F1およびF2により、背板74は、ウェーハ32Aおよび薄型チャック72に向かって相対的に移動する。コイルばね544はさらに縮んで、第2の端部片548がピン開口部518内に移動することを可能にする。各コイルばね544は、そのばね力、例えばF3に抗して変形する。しかしながら、力F1は、依然として全てのF3を一緒に加えた合計を超えている。上面590は、最終的に、スタンドオフ564の表面572に載る。支柱510が回路基板500に当接するため、スタンドオフ564は、上面590が接触器502の下側526に接近して接触するのを防止する。第1のウェーハ32Aは、力F4をスタンドオフ564に伝達する。力伝達部分566は、支柱開口部520の第2の区域536を通って力F4を伝達する。力引渡部分568は、力伝達部分566からの力F4を受け取り、力F4を表面574を介して回路基板500に引き渡す。
【0076】
[0094] したがって、力F4は接触器502によって伝わらず、それによって接触器502の脆性セラミック材料に損傷を引き起こし得る応力を防止することが分かる。その代わりに、力F4は、第1のウェーハ32Aの形態の電子機器から支柱510を通って回路基板500に直接伝達する。
【0077】
[0095]
図8Aおよび
図8Bに記載された実施形態では、接触器502は、貫通する支柱開口部520を有する支持板として役に立つ。回路基板500は、支持板の第1の側で、かつ接点512を有する少なくとも1つの回路基板を含む、裏当て構造として役に立つ。ピン504は、電子機器上の端子588と接触するための接点562を有する導体として役に立ち、電子機器は、支持板の第1の側に対向する支持板の第2の側に位置決めされている。保持部542は、支持板によって保持される導体の一部として役に立つ。導体は、回路基板500上の接点512につながる端子560をさらに有する。コイルばね544の形のばねが設けられる。薄型チャック72は、第1のウェーハ32Aの形態の電子機器のうち、支持板の反対側の力発生装置として役に立つ。力発生装置および支持板は、電子機器を支持板の近くに移動させてばねを変形させるために、互いに対して移動可能である。支柱510は、電子機器が支持板の近くに移動するのを防止するために、支持板の表面の平面から離間した平面にある表面572を有するスタンドオフ564を有し、スタンドオフ564から力伝達部分566が延びて、少なくとも部分的に支柱開口部520を通り、力伝達部分566から力引渡部分568に延び、力引渡部分568は、裏当て構造によって保持されている。
【0078】
[0096]
図9Aは、各スロット組立品への、例えばスロット組立品18Aへのカートリッジの挿入およびそこからの取外しに使用する、試験器装置10の一部を示す。
図9Aに示す試験器装置10の構成部品は、フレーム300、第1のスロット組立品18Aの一部、第1のスロット組立品接続部分40、保持構造302、水平移送装置304、垂直移送装置306、ビームばね308およびロック機構310を含む。
【0079】
[0097] フレーム300は、互いに離間した第1のおよび第2のマウント312および314を含む。水平移送装置304は、第1のおよび第2のマウント312および314の間に取り付けたスライドである。保持構造302は、水平移送装置304に沿って摺動するように取り付けられる。ビームばね308の反対の端部は、それぞれ第1のおよび第2のマウント312および314に取り付けられる。
【0080】
[0098] ロック機構310は、接続レバー316、制御レバー318および圧力レバー320を含む。制御レバー318は、ピボット接続部322で第1のマウント312に取り付けられる。垂直移送装置306は剛性ビームである。接続部324は、垂直移送装置306およびビームばね308の中心点を互いに接続している。圧力レバー320は、制御レバー318に回転可能に接続された第1のリンク326と、垂直移送装置306の端部に回転可能に接続された第2のリンク328とを有する。
図9Aに示すロック解除された構成では、ライン330がピボット接続322を第2のリンク328と接続し、第1のリンク326はライン330の左側にある。
【0081】
[0099] 使用時、第1のカートリッジ28Aは保持構造302上に配置される。次いで、第1のカートリッジ28Aは、保持構造302とともに左から右に第1のスロット組立品18Aに移動する。第1のカートリッジ28Aの配置および移動は、手動で実行し、またはロボットで実行することができる。
【0082】
[0100] 保持構造302は、水平移送装置304に沿って摺動する。接続レバー316は、制御レバー318の端部を保持構造302に接続している。保持構造302が水平移送装置304に沿って水平方向に移動するとき、接続レバー316は、制御レバー318をピボット接続322の周りに反時計方向に回転させる。
【0083】
[0101] 第1のリンク326は、制御レバー318と一緒に反時計方向に回転する。圧力レバー320は、第1のリンク326の動きを第2のリンク328の下向きの動きに変換する。当初、下向きの動きは最小限であるが、第1のカートリッジ28Aが第1のスロット組立品18Aに完全に挿入されると、垂直方向の動きがより顕著になり、垂直移送装置306は、第1のカートリッジ28Aを第1のスロット組立品18Aと係合させる。水平移送装置304は、こうして第1のカートリッジ28Aを第1の位置から第2の位置に水平に移動させて、第1のスロット組立品18A内に入れるように動作可能であり、垂直移送装置306は、第1のカートリッジ28Aおよび第1のスロット組立品18Aを、互いに対して第1の垂直方向に移動するように動作可能であり、それによりスロット組立品接続部分40は、第1のカートリッジ28A上のカートリッジ接続部分に係合する。
【0084】
[0102] 制御レバー318は、
図9Aでは、第1のリンク326がピボット接続322と第2のリンク328とを接続するライン330の第1の側にある、ロック解除位置に示す。制御レバー318は、
図9Aに示すロック解除位置から圧縮位置を通って回転し、圧縮位置では、ビームばね308をそのばね力に抗して曲げることによりビームばね308は、接続部324を通り垂直移送装置306によって変形し、第1のリンク326は、ピボット接続322および第2のリンク328と一致している。
図9Bおよび
図10に示すように、制御レバー318は、圧縮位置からロック位置まで回転し続ける。第1のリンク326は、ロック位置では線330の右側に、したがって線330の第1の側の反対の第2の側にある。第1のリンク326が線330を通過し、ビームばね308がそのばね力に抗して変形しているので、第1のカートリッジ28Aは、スロット組立体接続部分40に対して所定位置にロックされる。
【0085】
[0103] システムは、保持構造302を右から左に移動させることによってロック解除することができる。制御レバー318は時計方向に回転し、第1のリンク326は、右から左に移動してライン330を通過する。垂直移送装置306は、上方向、すなわち第1の垂直方向と反対の第2の垂直方向に移動して、第1のカートリッジ28Aをスロット組立品接続部分40から解放する。保持構造302が水平移送装置304に沿ってさらに移動することにより、第1のカートリッジ28Aは、第1のスロット組立品18Aから取り外される。
【0086】
[0104]
図11には、熱部分組立品342、ボードおよびソケット部分組立品344および複数の蓋346を含む、本発明のさらなる実施形態によるカートリッジ340が示される。
【0087】
[0105]
図12は、熱部分組立品342の一部、ボードおよびソケット部分組立品344の一部、ならびに蓋346の1つを示している。
【0088】
[0106]
図13は、熱部分組立品342の一部、ボードおよびソケット部分組立品344の一部ならびに蓋346の一部を含む、
図12の詳細Aを示す。
図13は、第1の電子機器348をさらに示す。
【0089】
[0107] 熱部分組立品342は、薄型チャック350、第1の熱留め具352および第1の熱支柱354を含む。薄型チャック350は、開口358が形成された上面356を有する。第1の熱留め具352および第1の熱支柱354は、単一の金属片から機械加工されている。第1の熱留め具352および第1の熱支柱354は、両方とも、平面図で見たとき、第1の熱支柱354の軸線に平行なそれぞれの平面において断面が円形である。第1の熱留め具352の断面は、第1の熱支柱354の断面よりも大きい。
【0090】
[0108] 第1の熱留め具352は、上面356を通って開口部358に挿入される。第1の熱支柱354は、第1の熱留め具352から上方に延びている。第1の熱支柱354の大部分は、上面356の上方に配置されている。第1の熱留め具352は、第1の熱表面360を備えた上端を有する。第1の熱留め具352は、開口部358に、第1の熱表面360が上面356から所望距離にある所望深さまで圧入される。
【0091】
[0109] 第1の熱支柱354、第1の熱留め具352および薄型チャック350は、全て金属製であるので、良好な熱伝導体である。第1の熱留め具352の断面は、第1の熱支柱354の断面と比べると、熱が第1の熱留め具352から薄型チャック350により多く伝導する。
【0092】
[0110] ボードおよびソケット部分組立品344は、回路基板362、ソケット364、電子機器用の第1セットのピン366、および検出器用の第1セットのピン368を含む。ピン366および368は、ばねを含むポゴピンであり、ばねのばね力に抗して縮むことができる。
【0093】
[0111] ソケット364は、下部370および上部372を含む。ピン366および368の各1つは、下部370と上部372との間でソケット364内に保持されている。上部372は、第1の電子機器348を保持するために第1のくぼみ構成376とされている。ピン366の各1つは、第1のくぼみ構成376の表面の上方に延びるそれぞれの接点378を有する。ピン368の各1つは、上部372の上面382の上方に延びるそれぞれの接点380を有する。
【0094】
[0112] ピン368の接点380は全て同じ平面にある。ピン366の接点378は全て同じ平面にある。接点380の平面は、平行であり接点378の平面の上にある。ピン368の端子392は、全てピン366の端子392と同じ平面にある。
【0095】
[0113] 回路基板362には、回路(図示しない)が形成されている。回路基板362の上面390内に接点388が形成されている。
【0096】
[0114] ソケット364は、回路基板362上に位置決めされている。回路基板362は、こうして薄型チャック350とソケット364との間に配置されている。ピン366および368の各1つは、当初、下部370の下面394の下方に延びるそれぞれの端子392を有する。端子392のそれぞれ1つは、接点388のそれぞれ1つと接触している。ピン366および368は、下面394が上面390と接触するまで、そのばね力に抗して縮む。ピン366および368の端子392は、それらが下面394と同じ平面になるまでソケット364内に移動する。次いで、ソケット364は、回路基板362に永久的に取り付けられる。
【0097】
[0115] ソケット364は、下側から上側に貫通して形成された第1のソケット熱開口部398を有する。回路基板362は、下側から上側に貫通して形成された第1の回路基板熱開口部400を有する。第1のソケット熱開口部398は、第1の回路基板熱開口部400と並んでいる。
図11に示すように、熱部分組立品342とボードおよびソケット部分組立品344とは、当初互いに切り離されている。ボードおよびソケット部分組立品344は、次いで熱部分組立品342の上方に位置決めされる。第1の回路基板熱開口部400は、第1の熱支柱354の上端の上方に位置決めされる。ボードおよびソケット部分組立品344は、次いで第1の熱支柱354が第1のソケット熱開口部398を通過するまでさらに下降する。回路基板362の下面402は、薄型チャック350の上面356に載る。第1の熱支柱354は、第1のソケット熱開口部398および第1の回路基板熱開口部400内に緩く嵌まる。第1の熱支柱354は、第1のソケット熱開口部398および第1の回路基板熱開口部400を合計長さよりもわずかに長いため、上面356の上方に延びている。第1の熱表面360は、したがって第1のくぼみ構成376の上面のわずかに上方に配置されている。接点378は、この段階で第1の熱表面360の平面よりも上方の平面に配置されている。
【0098】
[0116] ソケット364は、電気的および熱的に絶縁性の材料で作られる。ピン366および368は、ソケット364を通って導電体を設ける。回路基板362も、電気的および熱的に絶縁性の材料で作られる。接点388は、回路基板362の絶縁材料内に電気回路の一部を形成する。第1の熱支柱354は、第1のくぼみ構成376と薄型チャック350に接続された第1の熱留め具352との間に熱伝導経路を設ける。第1の熱支柱354は、ソケット364および回路基板362内の導電体から電気的および熱的に絶縁されている。熱は、ソケット364の絶縁材料および回路基板362の絶縁材料とは対照的に、主に第1の熱支柱354を通って伝導する。
【0099】
[0117] 蓋346は、回路基板406およびヒートシンク408を含む。カートリッジ340は、第1の光検出器410、第1の調整可能な構成部品412および第1のコイルばね414をさらに有する。
【0100】
[0118] 回路基板406は、電気的および熱的に絶縁性の材料で作られる。導電性端子416は、回路基板406の下面418に形成されている。端子416は、回路基板406内に形成される回路(図示しない)の一部を形成する。
【0101】
[0119] 第1の光検出器410は、回路基板406の上面420に取り付けられる。第1の光検出器410は、回路基板406内の回路を介して端子416に接続されている。端子416の1つは、例えば、第1の光検出器410に電力を供給することができる。光が第1の光検出器410に当たると、第1の光検出器410は、光のエネルギーを変換して電力を出力する。他の端子416は、出力電力を測定するために第1の光検出器410に接続された出力接点として役立つことができる。
【0102】
[0120] 第1の調整可能な構成部品412は、押板422と、押板422から上方に延びる側壁424と、側壁424から外側に延びる口縁426とを有する。回路基板406には、第1の開口部428が形成されている。第1の調整可能な構成部品412は、第1の開口部428に挿入されている。押板422は、次いで下面418の下方に延びている。口縁426は上面420に載っている。第1の開口部428は、側壁424間の幅よりもわずかに大きい。幅の違いにより、第1の調整可能な構成部品412は、回路基板406に対して第1の軸線432の周りにわずか数度だけ回転可能である。幅の違いにより、第1の調整可能な構成部品412はまた、回路基板406に対して、紙面と交わり第1の軸線432と直交する第2の軸線434の周りに時計方向および反時計方向に回転可能である。そのような直交する回転により、回路基板406に対して第1の調整可能な構成部品412は、少量だけジンバル運動が可能である。
【0103】
[0121] ヒートシンク408には第1の凹所436がある。第1のコイルばね414は、側壁424間に挿入されている。第1のコイルばね414の下端は、押板422の上面438に載っている。第1のコイルばね414の上端は、口縁426の上方に延びている。ヒートシンク408は、第1のコイルばね414の上端が第1の凹所436内に配置された状態で、回路基板406の上方に位置決めされている。ヒートシンク408の下面440は、当初上面420から離間している。ヒートシンク408が回路基板406に向かって移動するとき、第1のコイルばね414は、縮んでそのばね力に抗して変形する。下面440は上面420と接触する。ヒートシンク408は、次に締め具(図示しない)で回路基板406に固定される。第1のコイルばね414によって発生した小さな力により、次に第1の調整可能な構成部品412は、下面418から出る方向に付勢される。
【0104】
[0122] 押板422にはその内部に第1の開口部442がある。ヒートシンク408には第1の空洞444が定まっている。第1の空洞444の表面に光吸収コーティングが形成されている。
【0105】
[0123] 使用時、第1の電子機器348は、第1のくぼみ構成376に挿入される。第1の電子機器348の下側の端子446は、接点378と接触する。第1の電子機器348の下面448は、この段階で、第1の熱表面360から離間している。
【0106】
[0124] 蓋346は、ボードおよびソケット部分組立品344の上方に配置されている。蓋346は、次いでボードおよびソケット部分組立品344に向かって移動する。端子416の各1つは、接点380のそれぞれ1つと接触する。押板422の下面450は、第1の電子機器348の上面452と接触する。第1の電子機器348の下面448は、依然として第1の熱表面360から離間している。
【0107】
[0125] 操作者は、蓋346を手動で押し、それによって蓋346をボードおよびソケット部分組立品344に向かってさらに移動させる。ピン366および368の各1つは、そのばね力に抗して縮み、こうして接点378および380を、ピン366および368内のばねのばね力に抗して弾性的に押し下げる。第1の電子機器348の下面448は、第1の熱表面360と接触する。
【0108】
[0126] 第1の熱表面360と第1の電子機器348の下面448との間に角度的調整不良がある場合、第1の電子機器348は、下面448が第1の熱表面360と同じ平面になるまで、第1の熱表面360によって回転される。第1の調整可能な構成部品412が蓋346に対して回転することにより、第1の電子機器348の下面448は、第1の熱表面360に載ることが可能になる。第1の熱表面360と下面448との間の良好な熱接触が、これによって確保される。第1のコイルばね414は、縮んで第1の電子機器348の高さを調整する。さらに、第1の調整可能な構成部品412は、蓋346に回転可能に取り付けられ、結果として第1の電子機器348は、第1の調整可能な構成部品412を第1の熱表面360に対して回転させることができる。蓋346は、次いでボードおよびソケット部分組立品344に固定される。
【0109】
[0127] ソケット364および蓋346は、一緒に、第1の電子機器348を保持する電子機器ホルダーを形成する。回路基板362上のカートリッジ接続部分(図示しない)は、接点388との間で電力および通信を授受する。ピン366は、端子446を介して第1の電子機器348に電力および連絡を供給する。
【0110】
[0128] 第1の電子機器348は、例えば、レーザーまたは他の光送信機を含むことができる。第1の電子機器348は、例えば、その上面452にレーザー送信機を有することができる。入力接点として役立つ接点378の1つおよび入力端子として役立つ端子446の1つに電力および通信が供給されると、第1の電子機器348のレーザー送信機は、第1の開口部442を通り、ならびに第1のコイルばね414および側壁424を通って第1の空洞444内にレーザー光を伝達する。
【0111】
[0129] 光の大部分は、第1の空洞444の表面上の光吸収材料によって吸収されて、熱に変換される。熱はヒートシンク408を通って伝導する。
【0112】
[0130] わずかな割合の光が、第1の空洞444の表面で反射し、第1の光検出器410によって検出される。第1の光検出器410は、接点388の1つ、ピン368の1つおよび端子416の1つによって形成された導体と、回路基板406内に形成された回路とを通って電力が供給される。第1の光検出器410は、光を検出すると、光を電力に変換する。電力の大きさは、光検出器410によって検出される光の大きさに関連している。第1の光検出器410は、次いで導体を介して回路基板362に電力を供給し、導体は、回路基板406内の回路、端子416の1つ、ピン368の1つ、および接点388の1つによって一緒に形成され、電力は、最終的には回路基板362上のカートリッジ接続部分に供給される。
【0113】
[0131] 回路基板406およびピン368は、たとえ第1の光検出器410が回路基板362でなく第1の電子機器348の反対側にある場合でも、第1の光検出器410を回路基板362に接続する測定チャネルを設ける。同様のやり方で、光検出器以外の別のタイプの検出器が使用されて、電子機器によって送られる光以外の電子機器の機能を検出することができる。例えば、電子機器の上面にある端子の電流を検出して、電子機器の上方の回路基板、および電子機器の下方の回路基板に至るソケット内に位置するピンを介して、同様の測定チャネルを生成することが可能である。そのような構成において、ピン368などのピンは、ソケットによって保持され、測定チャネルの一部を形成する検出器測定ピンとして役に立つことができる。
【0114】
[0132] 第1の電子機器348の温度は、第1の熱支柱354を通して熱を伝導することによって制御される。第1の電子機器348は、例えば、第1の熱支柱354を介して加熱または冷却することができる。第1の電子機器348は、例えば、第1の電子機器348から第1の熱支柱354および第1の熱留め具352を通って薄型チャック350に熱を伝導することによって冷却することができる。第1の電子機器348は、熱を薄型チャック350から第1の熱留め具352および第1の熱支柱354を介して第1の電子機器348に伝導することにより加熱することができる。
【0115】
[0133] 薄型チャック350は、電子機器348のうちヒートシンク408と反対の第1の側面上にある。したがって、第1の電子機器348の温度は、第1の電子機器348によって伝達されるレーザー光のおかげでヒートシンク408による放熱とは独立して制御し得ることが分かる。
【0116】
[0134] 再び
図12を参照すると、1つのソケット364および1つの蓋346を用いて複数の電子機器を試験することができる。ソケット364は、例えば、第2の熱留め具352A、第2の熱支柱354A、第2の熱表面360A、第2の電子機器用の第2のピンセット366A、第2のピンセット368A、第2の電子機器(図示しない)用の第2のくぼみ構成376A、第2のソケット熱開口部398A、第2の回路基板熱開口部400A、第2の光検出器410A、第2の調整可能構成部品412A、第2のコイルばね414A、第2の開口部428A、第2の凹所436A、第2の開口部442A、および第2の空洞444Aを含む。同様の参照番号は、同様の構成部品および機能を示す。
【0117】
[0135] 第1のおよび第2の電子機器によって伝達された光は、第1のおよび第2の光検出器410および410Aによって独立して検出できる。第1のおよび第2の電子機器の光に起因する熱は、同じヒートシンク408を通して放散される。ヒートシンク408に複数のフィン454が接続されて、そこから延びている。熱はフィン454を伝導し、次いでフィン454から周囲の空気に対流する。フィン454は、こうしてヒートシンク408に熱的に接続されてヒートシンク408から熱を除去する放熱機器として役に立つ。
【0118】
[0136] 第1のおよび第2の電子機器の温度は、同じ薄型チャック350を通じて一緒に制御される。電子機器が例えば冷却される場合、熱は、第1のおよび第2の熱支柱354および354Aを通って第1のおよび第2の熱留め具352および352Aにそれぞれ伝わり、次いで第1のおよび第2の熱留め具352および352Aから薄型チャック350に伝わる。
【0119】
[0137] 第1のおよび第2の電子機器は、第1のおよび第2の熱表面360および360Aとそれぞれ接触するように、独立して回転可能である。第1のおよび第2の電子機器の独立した回転は、第1のおよび第2の調整可能な構成部品412および412Aが蓋346に対して独立してジンバル運動することによって許容および制御される。
【0120】
[0138] 再び
図11を参照すると、16個のソケット364が回路基板362に取り付けられる。各ソケット364はそれぞれの蓋346を有する。各蓋346はそれぞれの固定用構成460を有し、各ソケット364はそれぞれの固定用構成462を有する。蓋346はソケット364に向かって移動する。前述したように、蓋346は、次いでソケット364に押し付けられる。固定用構成460および462は、次いで互いに係合して蓋346をソケット364に固定し、熱的および電気的な完全性を保つ。
【0121】
[0139] 薄型チャック350は、16本から成る16個のグループでこれに固定された複数の熱支柱を有する。熱支柱の各グループは、ソケット364のそれぞれ1つを通って挿入される。全16個のソケット364によって保持される電子機器は、単一の薄型チャック350を用いてそれらの温度に維持される。
【0122】
[0140] カートリッジ接続部分464は、回路基板362の下面に形成されている。カートリッジ接続部分464は、回路(図示しない)を介して
図13に示す接点388に接続される。カートリッジ接続部分464は、前述したように、カートリッジ340を電気試験器に接続するために使用する。薄型チャック350は、前述したように熱チャックに熱的に接続されている。熱チャックは、薄型チャック350との間で授受される熱を制御する温度修正装置として役立つ。
【0123】
[0141] 電子機器の試験に続いて、カートリッジ340がシステムから取り外され、蓋346が取り外され、電子機器がソケット364から取り外される。
【0124】
[0142] 熱支柱354はまた、
図8Aおよび
図8Bに記載した実施形態と同様の方法で力を伝達する支柱としても役に立つ。蓋346は力発生装置として役に立つ。蓋346によって発生する力の一部は、ピン366および368内のばねによって発生する力によって釣り合う。ピン366および368によって釣り合わない残りの力は、表面360を有する支柱354のスタンドオフによって吸収され、これにより電子機器348を支持し、かつ電子機器348がくぼみ構成376のベースに近づくように移動するのを防止する。支柱354の中央部分は、スタンドオフから開口部398を通って延びる力伝達部分として役に立つ。回路基板362および薄型チャック350は、一緒に裏当て構造を形成する。支柱354の下部は、一般的に裏当て構造に力を引き渡す。具体的には、力は、熱留め具352を通って、裏当て構造の一部を形成する薄型チャック350に伝達する。熱留め具352と薄型チャック350との間の圧入は、そのままの状態を保つのに十分なほど強く、結果として力は、熱留め具352を薄型チャック350に対して移動させない。
【0125】
【0126】
[0144] ソケット364を貫通して支柱開口部604および締め具開口部606が形成されている。支柱開口部520は、第1の区域608および第2の区域610を有する。第2の区域610は第1の区域608よりも広い。第1の区域608は、例えば、上部372を貫通して形成することができ、第2の区域610は下部370を貫通して形成できる。踊り場612が、第1の区域608を第2の区域610に接続している。
【0127】
[0145] 支柱602は、スタンドオフ614、力伝達部分616および力引渡部分618を含む。支柱602は、底部から支柱開口部604に、力引渡部分618の表面620が踊り場612に当接するまで挿入される。締め具600のねじ付きシャフト622が、頂部から締め具開口部606を通って挿入される。ヘッド624が回転されて、次いでねじ付きシャフト622上のねじ山が薄型チャック350のねじ付き開口部626のねじ山にねじ込まれる。薄型チャック350は、金属製であるため、締め具600のために優れた留め具を与える。締め具600がさらに回転されると、ヘッド624は、回路基板362の近くに移動する。ピン366のばねは、わずかに縮み、支柱602の下側630が回路基板362と接触する。
【0128】
[0146]
図14Bに示すように、操作者が蓋346をソケット364に押し付けると、押板422は、薄型チャック350に発生する反力F2と大きさが等しく反対向きの力F1を発生させる。ピン366のばねは、そのばねのばね力F3に抗して縮む。押板422および第1の電子機器348は、電子機器348の下面448がスタンドオフ614の表面632と接触するまで、ソケット364の近くに移動し続ける。表面632は、電子機器348がソケット364に向かってさらに移動するのを防止する。
【0129】
[0147] スタンドオフ614は、電子機器348からの力F4を受け取る。力伝達部分566は、支柱開口部604の第1の区域608を通じて力を伝達する。力引渡部分618は、力伝達部分566からの力を受け取って、力を回路基板362に伝達する。回路基板362は、力を薄型チャック350に引き渡す。
【0130】
[0148] したがって、ソケット364の材料は力F4を受けず、それによってソケット364の損傷が除去できることが分かる。
【0131】
[0149] ソケット364により、貫通する支柱開口部604を有する支持板が得られる。回路基板362は、支持板の第1の側に裏打ち構造を与えかつ接点388を有する。ピン366は、接点378を有する導体を形成し、接点378は、支持板の第1の側の反対側に位置決めされた電子機器348上の端子446と接触する。導体は、支持板に保持された部分と、回路基板362上の接点388に接続された端子392とを有する。ピン366内にばねが設けられる。押板422は、支持板のうち電子機器348の反対側に力発生装置を形成する。力発生装置および支持板は、互いに対して移動可能であり、電子機器348を支持板の近くに移動させ、かつばねを変形させる。支柱602は、支持板の表面の平面から離間した平面にある表面632を有するスタンドオフ614を有し、これにより電子機器348が支持板により近く移動するのが防止される。力伝達部分616は、スタンドオフ614から支柱開口部604を通って少なくとも部分的に延びている。力引渡部分618は、力伝達部分616から延びている。力引渡部分618は裏当て構造によって保持されている。
【0132】
[0150]
図15は、試験を受けて電子機器634に供給される電圧を正確に制御するために用いる試験装置10のさらなる構成部品を示す。電子機器634は、例えば、ウェーハ636の表面の全域に配置することができ、またはソケットのレイアウト内に保持された個々の機器にすることができる。
【0133】
[0151] 多くの半導体機器では、定電圧電源に対して定電流源が必要である。この例は、垂直空洞面発光レーザー(VCSEL)ウェーハの焼付き試験(または経年劣化)である。以下の問題がある。
・VCSELウェーハでは、非常に小さな領域に非常に多くの機器がある。例えば、7.6cmの円内に50,000個の機器があるVCSELウェーハを仮定する。
・50,000個の定電流電源の費用により、費用対効果が高い焼付き試験は、システムの価格が高くなりすぎる。
・50,000本の電力線を7.6cmの円内に経路設定することは、不可能ではないにしても、非常に困難である。
【0134】
[0152] さらなる説明のために、以下のことを仮定する。
・VCSELはダイオードであるため、接地短絡する電力はほとんどない。
・「開放」がはるかに高い頻度で発生する可能性があり、その原因は、VSCELSが「開放」であること、またはウェーハとの接触不良である。
・VCSELの内部抵抗が、大きく(10mAVCSELにつき約100オーム)、かつウェーハの全域で非常に一貫している(1%以内)。
・非常に正確な(1%以内)電圧源を構築する可能性が非常に高い。
・電圧源の電流をかなり正確に測定することができる。
・ほとんどのVCSELウェーハには、VCSELを直列に配置する能力を制限する共通カソードがある。
・説明のために、以下のことを仮定する。
・VCSEL焼付き試験には、約2.5ボルトおよび10mAが必要である。
・チャンネルごとに5ボルトおよび200mAまでの1024個の電力チャンネルを持つシステムを仮定する。
・システムは、チャネルごとに定電流または定電圧を供給できると仮定する。
・目標は、1/4ウェーハ(12,500VCSEL)を単独のステップで焼付き試験することであると仮定する。
【0135】
[0153] 以下に、既存の焼付き試験回路選択肢を列挙する。
(1)個々の定電流源。これにより、あらゆるVCSELに正確で測定可能な電流が供給されるが、以下の問題が発生する。
・ステップごとにウェーハの約2%が焼付き試験できるに過ぎない(1024個のチャネル対50,000個の機器)。
・VCSELごとの「費用」は1チャネルである。追加のチャネルが追加できたとしても、費用はVCSELにつき1チャネルのままである。
・システムが12,500個のチャネル(ウェーハの1/4における焼付き試験に必要な最小チャネル数)に拡張できても、12,500個の電力チャネルを7.6cmウェーハ領域内に経路設定することは不可能または費用がかかる。
(2)直列配線。これには、約13個のVCSELを直列に配置し、定電流源で駆動する必要があるが、以下の問題が発生する。
・VCSELは全て共通のカソードを有するので、VCSELのウェーハを直列に配線することはできない。
・これには、10mAおよび30ボルト以上の電流源が必要である。このような高電圧を過電流から保護することは非常に困難である。
(3)電流源との並列配線。定電流源と並列に約13個のVCSELを駆動する。これには、2.5ボルト、130mAの電流源が必要である。このシステムには以下の問題がある。
・「開放」または不良なプローブ接触があるあらゆるVCSELについて、グループ内の残りのVCSEL間に余分な電流が分配される。したがって、各VCSELは、グループ内のあらゆる不良VCSELについて約8%の余分な電流(130mA/12個のVCSEL)を得る。
・開放VCSELに起因して電圧が大幅にシフトしない場合、他の12個のVCSELが誤った焼付き試験電流を受け取ったことが分からないため、不良機器が検出を逃れることがある。
(4)電圧源との並列配線。このようなシステムは、13個のVCSELを定電圧源と並列に駆動する。電圧源は、全13個のVCSELが10mAの電流を受け取るために必要な電圧になるように選択される。このシステムには以下の問題がある。
・VCSELが開放していれば、グループ内の合計電流は少し少なくなる。あらゆる開放VCSELについて、グループ電流は10mA低くなる(例えば、150mAに対してグループにつき140mA)。グループ内の残りのVCSELは、依然として10mAを得る。
・グループ内のVCSELごとの電流の安定性は非常に良好である。最悪の場合、それは、電圧供給の精度(<1%)、および良好なVCSELの内部抵抗の一貫性(ウェーハ全域で<1%)である。したがって、各VCSELを流れる電流は、並列な電圧源を用いてウェーハ全域で2%以内に一貫している。
・VCSELが短絡すれば(非常に低い)、電力チャネルの過電流保護が、その電力チャネルを終了させ、他のチャネルは依然として動作したままにする。
【0136】
[0154] したがって、既存の解決法は以下のように要約できる。
・回路1は理想的な回路であるが、費用および技術的な問題により除外される。
・回路2は、共通カソードVCSELウェーハでは不可能である。
・回路3は、最も一般的な故障モードである「開放」機器において、非常に悪い結果をもたらす。
・回路4は、ほとんど全ての場合に非常に良い結果をもたらし、費用対効果が非常に高い。
【0137】
[0155] 回路4(電圧源との並列配線)には、以下の問題がある。
・VCSEL用の電圧源が適切な電流を受け取るように、適切な電圧を選択する必要がる。
・適切な電圧はいくつかの要因の関数である。
・VCSELの構築。VCSELのデザインにより、所望の電流における電圧が決まる。
・VCSEL組立プロセスはウェーハごとに異なる。プロセス変動に起因して所定電流における電圧は、ウェーハごとに異なり得る。
・ウェーハ全域でのVCSEL組立プロセスの変動。所定電流での電圧は、ウェーハ周縁付近の機器とウェーハ中央の機器とで異なり得る。
・特定電流での電圧は温度につれて変動する。焼付き試験のために加える熱だけでなく、機器自体の内部加熱も、所定電流での電圧を変化させ得る。
・VCSELが古くなるにつれて、その電圧/電流関係がシフトする。したがって、焼付き試験サイクルの開始時に電圧が正確な場合でも、終了時の適切な電圧は低くなる可能性がある。
【0138】
[0156]
図15は、電子機器634のうち、ウェーハ636の周縁付近の領域に配置されたクラスター(クラスタ1から4)から成る第1のグループ(グループ1)の電子機器634のみを示す。クラスタの16個のグループ(グループ1から4)があり、各グループは64個のクラスタを有し、各クラスタは12個の電子機器634を有することを理解されたい。
【0139】
[0157] 第1のクラスタ(クラスタ1)の電子機器634同士は、ウェーハ636の一部を形成する導体を介して、または試験器装置10の一部を形成する外部機器によって、互いに並列に接続されている。電子機器(図示しない)のさらなるクラスタ(クラスタ2から4)は、第1のグループ(グループ1)のさらなる領域に位置している。各クラスタは、互いに並列に接続された12個の電子機器のそれぞれのセットを有する。1つのクラスタを形成する電子機器は、何れか他のクラスタの一部を形成する電子機器に電気的に接続されていない。
【0140】
[0158] 試験器装置10は、クラスタ選択スイッチ638、電流検出器640、静的フィルタ642、外れ値フィルタ644、サンプルサイズフィルタ646、電圧目標システム648、電圧源650、ならびに第1のおよび第2の電圧調整器652および654を含む。
【0141】
[0159] 各クラスタは、クラスタ選択スイッチ638に別個の電流出力を供給する。クラスタ選択スイッチ638は、電流検出器640を電流出力660のそれぞれに1つ選択的に接続するように調整可能である。それぞれの電流出力660からの電流は、電流検出器640を通過して接地662に至る。
【0142】
[0160] クラスタ選択スイッチ638は、通常、電流出力660の各1つを電流検出器640に接続するように動作する。電流検出器640は、こうしてクラスタの各1つから電流を検出する。
【0143】
[0161] 電流検出器640は、静的フィルタ642に出力を供給する。静的フィルタ642は、設定された制限を上回るまたは下回るそれぞれのクラスタに関する電流読取値を除去するように適合されている。静的フィルタ642は、一般的に、全てのクラスタに関するデータを同時に処理して、設定された制限を上回りまたは下回る電流読取値を有する、クラスタに関するデータを除去する。
【0144】
[0162] 静的フィルタ642は、データを外れ値フィルタ644に渡す。外れ値フィルタ644は、クラスタのグループに関する中央値から遠いまたはこれを下回るそれぞれのクラスタに関する電流読取値を除去する。外れ値フィルタ644は、サンプルサイズフィルタ646にデータを渡す。サンプルサイズフィルタ646は、あるクラスタに関するチャネル(機器)の数が少なすぎる場合、そのクラスタを含むクラスタに関する電流読取値平均を計算することを停止する。
【0145】
[0163] 電圧源650は、電圧調整器652を介して、第1のグループの電子機器634の入力電圧端子に接続されている。電圧源650は、電圧調整器654を介して第2のグループの電子機器の入力端子にさらに接続されている。同様に、電圧源650は、さらなる電圧調整器(図示しない)を介して、複数グループのさらなるグループの電子機器に接続されている。
【0146】
[0164] 電圧目標システム648は、サンプルサイズフィルタ646からデータを受け取り、そのデータに基づいて電圧調整器652および654を調整する。
【0147】
[0165]
図16は、
図15の試験器装置10の構成部品を用いて複数の電子機器634を試験する方法を示す。
【0148】
[0166] ステップ700にて、複数の電子機器は、上述したようにクラスタに保持される。702にて、電圧源650は、第1のクラスタの電子機器634に接続される。上述したように、電圧源650は、電子機器634に接続されて、第1のクラスタの複数電子機器634に電圧を同時に供給する。704にて、電圧源650は、電圧調整器652を介して第2のクラスタの電子機器に接続され、第2のクラスタに関する複数電子機器に電圧を同時に供給する。同様に、706にて、電圧源650は、電圧調整器652を介して第3のクラスタの電子機器に接続され、第3のクラスタに関する複数電子機器に電圧を同時に供給する。電圧源650は、電圧調整器652を介して電子機器のさらなるクラスタに同様に接続され、各クラスタに関する電子機器に電圧を同時に供給することができる。
【0149】
[0167]
図17を参照すると、最初に電圧推測「A」および「B」を決定することによって、曲線の勾配が計算される。
図16のステップ708から724は、勾配の計算に対応する。
【0150】
[0168] 708にて、第1の初期電圧推測「V
A」が行われ、
図15の電流検出器640を用いて、結果として生じる第1の初期電流「I
A」が測定される。
図15の電圧源650は、第1のクラスタの電子機器634に関する第1の初期電圧を同時に推測する。第2、第3およびそれ以降のクラスタは、第1のクラスタと同様の処理を受ける。例えば、電圧源650は、第2のクラスタの電子機器に関する第1の初期電圧を同時に推測する。
【0151】
[0169]
図15のクラスタ選択スイッチ638は、第1のグループのそれぞれのクラスタからの電流出力660を介して順次切り替わる。クラスタ選択スイッチ638が第1のクラスタの電流出力660に接続されると、電流検出器640は、第1のクラスタの電子機器634からの第1の初期電流を測定する。電流検出器640によって測定する第1のクラスタの電子機器634からの第1の初期電流は、第1のクラスタの電圧が同時に供給される複数電子機器634の合計電流である。クラスタ選択スイッチ638が第2のクラスタの電流出力660に切り替わると、
図16のステップ704とステップ710との間の破線で示すように、第2のクラスタは、第1のクラスタと同様に処理される。同様に、クラスタ選択スイッチ638を後続の電流出力660に切り替え続けることにより、電流検出器640は、各それぞれのクラスタに関する電子機器の第1の初期電流を測定する。
【0152】
[0170] 電流検出器640は、電流測定値を
図15の静的フィルタ642に供給する。
図16で明確に分かるように、静的フィルタ712、外れ値フィルタ714およびサンプルサイズフィルタ716を含む多段フィルタ710が実行される。
図16に示すように、
図15の静的フィルタ642は、712にて静的フィルタを実行する。
【0153】
[0171]
図18は、静的フィルタの詳細を示す。第1および第2のグループからの個々の電流が表示される。静的フィルタにより、設定された制限を上回りまたは下回る電流測定値、例えば2を下回りおよび6を上回る電流測定値が除去される。静的フィルタにより、例えば、設定された制限を上回るおよび下回るそれぞれのグループ内のそれぞれのクラスタに関する第1の初期電流読取値が除去できる。何れかの所定のクラスタは「開放」VCSELを有しており、そのために全てのVCSELに関する正しい合計電流を返さないことができる。電流制限を用いて、何れかの所定読取値が正確であると思われるか判断する。
【0154】
[0172] 静的フィルタに続いて、データは
図16の714にて処理され、
図15の外れ値フィルタ644を用いて外れ値フィルタを実行する。
図19は外れ値フィルタを詳しく示す。外れ値フィルタにより、データの中央値を極端に、例えば+/-20%上回りおよび下回るデータが除去される。外れ値フィルタにより、例えば、グループの中央値を極端に上回りおよび下回る、それぞれのクラスタの第1の初期電流測定値が除去される。追加のフィルタは、統計手法を用いて、所定チャネルの第1の電流読取値が異常であるかどうかを判断することができる。
【0155】
[0173] 外れ値フィルタに続いて、データは
図16の714にて処理され、
図15のサンプルサイズフィルタ646を用いてサンプルサイズフィルタを実行する。サンプルサイズフィルタを
図20に示す。サンプルサイズフィルタでは、残りのクラスタの数が少なすぎる、例えば<10の場合、グループの第1の電流読取値の平均を計算することを停止する。何れかのグループに適切な計算のために残っているクラスタが少なすぎる場合、周囲のグループの平均計算が使用できる。2つのサンプルグループが、フィルタの進行状況を示すために含まれている。外れ値のフィルタ後、第2のグループは、これに残っているクラスタが少なすぎて、電圧のための信頼できる計算ができない。その場合、他のグループの平均を使用する。
【0156】
[0174]
図16の720にて、第2の電圧推測「V
B」が作成および印加され、結果として生じる第2の初期電流「I
B」が測定される。708における第1の初期電圧推測と同じ方法で、第2の初期電圧推測が適用される。第2の初期電圧電流は、クラスタ各1つにつき測定する。
【0157】
[0175] 722にて、クラスタからの第2の初期電流を含むデータにつき多段フィルタが実行される。722にて実行する多段フィルタは、710にて実行する多段フィルタと同じである。
【0158】
[0176]
図17は、第1および第2の初期電流が710および722にて多段フィルタを通過した後の位置を示す。電流測定値がY軸に表示され、時間がX軸に表示される。電流の勾配は以下の式によって与えられる。
勾配=(V
B-V
A)/(I
B-I
A)
【0159】
[0177] 勾配は、こうして第1のグループの電子機器に関する第2および第1の初期電圧の差を、第1のグループの電子機器に関する第2および第1の初期電流の差で除することによって計算する。
【0160】
[0178] 上述したステップ708、712および724は、
図15の電圧目標システム648によって実行される。電圧目標システム648は、電圧調整器652を制御して、それぞれのクラスタの電子機器に電圧を供給する。電圧目標システム648は、次いで計算された勾配をメモリに保存する。
【0161】
[0179]
図17の724における勾配の計算および勾配の保存に続いて、電圧目標システム648は、勾配を用いて、電子機器634の各クラスタに印加される試験電圧を設定しおよび目標変更することができる。試験電圧の設定および目標変更は、
図16のステップ726から736に示す。
【0162】
[0180] 726にて、第1の試験電圧(V
G)について推測が行われ、結果として生じる第1の試験電流(I
G)が測定される。以上の記載および
図15から、電圧目標システム648は、第1の試験電圧を第1のクラスタの複数電子機器634に同時に印加するように、電圧調整器652を設定することを理解されたい。さらに、電流検出器640によって測定される、第1のクラスタの電子機器634からの第1の試験電流は、第1のクラスタに同時に印加される電子機器634の合計電流であることを理解されたい。
【0163】
[0181] 第1のグループの第2および第3のクラスタは、同様に処理される。各追加クラスタには、したがってクラスタの機器に印加されるそれぞれの第1の試験電圧があり、かつ機器から測定される第1の試験電流がある。
【0164】
[0182] クラスタからの第1の試験電流の測定に続いて、第1の試験電流のデータは、再び多段フィルタ730を続ける。多段フィルタ730は、第1のグループのクラスタからの第1の初期電流で実行された多段フィルタ710、およびクラスタからの第2の初期電流で実行された多段フィルタ722と同様の方法で、第1の試験電流で実行される。
【0165】
[0183] 732にて、第1の試験電流と目標電流との間で第1の比較が行われる。具体的には、測定された第1の試験電流を目標電流から減ずる。差は、修正する必要がある電流誤差量として記録される。
図17は、第1の初期推測(「G」)、目標電流(I
T)および電流誤差(I
T-I
G)の結果としての第1の初期電流を示す。
【0166】
[0184]
図16の734にて目標変更を実行する。第2の試験電圧が計算され、第1の試験電圧が第2の試験電圧に調整される。
図17に示すように、第2の試験電圧は式に従って計算する。
V
G+(I
T-I
G)
*勾配
【0167】
[0185] 732における第1の比較は、したがって734における電圧調整の基礎を形成する。
【0168】
[0186]
図16中の736は、726にて始まるプロセスが繰り返し得ることを示し、繰返しは、目標変更電圧を第1の試験電圧として使用し、次いで試験電流を測定して目標変更電圧を計算することによって行う。
【0169】
[0187]
図16中の702および706からの破線は、第2および第3のクラスタのグループが第1のクラスタのグループと同様の処理を受けることを示している。所定の例では、電圧源650は、電圧調整器654を介して第2のグループの電子機器に電圧を供給する。第1のおよび第2グループの電子機器に印加される電圧は、上述したやり方で独立して制御することができる。同様のやり方で、別個の電圧調整器が別個のグループの電子機器に電圧を供給する。単一の電流検出器640のみを示すが、複数の電流検出器がシステムに含められ、1つまたは複数のグループの1つまたは複数のクラスタからの電流を検出できることを理解されたい。
【0170】
[0188] 上述したように、電圧源との並列配線には明確な経済的利点がある。さらに、電圧目標変更プロセスにより、前述したように、電圧源の並列配線を用いて接続されている機器に正確な電圧が印加されることが保証され、こうして機器は、仕様に従って正しい電流を受け取る。
【0171】
[0189] クラスタは、電圧/電流関係に影響を及ぼす可能性があるウェーハ処理(またはその他の)要因に一致するように選択できる。
・ウェーハの周縁付近の機器は、特性がウェーハの中央付近の機器と異なることは珍しくない。
・クラスタは、周縁機器が他の周縁機器とともに分析され、中央機器が他の中央機器とともに分析されるように選択できる。
【0172】
[0190] 目標変更プロセスは高度に収束性があり、わずかな誤差に反応しない。
・例えば、初期電圧/電流の計算が不十分であり、結果として得られる勾配が20%ずれていたと仮定する。
・第1の目標変更ステップに関して、計算した電圧が50%間違っていた(つまり、電流が50%間違っていた)と仮定する。
・第1の目標変更は、誤差が20%である勾配を用いて50%の電流誤差を修正しようとする。正味の修正は、すると10%(50%*20%)間違っている。
・次の目標変更ステップは、次いでこの10%誤差を修正し、再び20%計算間違いする。この修正は2%(10%*20%)間違っているに過ぎない。
・このように、開始誤差が50%で、勾配誤差が20%の目標変更ステップが2つに過ぎない後であるから、結果として生じる電流はいまや2%以内である。
・これは、この目標変更アルゴリズムは急速に収束することを示す。より一般的には、勾配は約5%以内に計算され、初期電流は20%以内になる。すると、正確な電流の1%以内に収まるのに、ただ1つのステップが必要であるに過ぎない。
【0173】
[0191] 特定の例示的な実施形態を説明し、添付図面に示したが、当業者であれば修正を思い付くので、そのような実施形態は単なる例示であり、本発明を限定するものではないこと、ならびに本発明は図示および説明した特定の構造および配置に限定されないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0174】
10 試験装置
12 試験器
14 フレーム
18A スロット組立品
28A カートリッジ
40 スロット組立品接続部分
72 チャック
302 保持構造
304 水平移送装置
306 垂直移送装置
346 蓋
354 熱支柱
364 ソケット
366A、368A ピンセット