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特許7526794紙成形金型、金型の製造方法及び成形金型で製造された紙
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】紙成形金型、金型の製造方法及び成形金型で製造された紙
(51)【国際特許分類】
   D21F 1/46 20060101AFI20240725BHJP
   D21J 3/00 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
D21F1/46
D21J3/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022534642
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2020130480
(87)【国際公開番号】W WO2021115102
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】201911285850.X
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522226801
【氏名又は名称】成都印鈔有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BANKNOTE PRINTING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】189 Huangjin Road, Wenjiang District Chengdu, Sichuan 611130, China
(73)【特許権者】
【識別番号】516001694
【氏名又は名称】中国印▲鈔▼造▲幣▼▲総▼公司
【氏名又は名称原語表記】CHINA BANKNOTE PRINTING AND MINTING CORPORATION
【住所又は居所原語表記】Kaixuan Mansion, Jia 143 Xizhimenwai Avenue,Xicheng District Beijing 100044 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古 光全
(72)【発明者】
【氏名】李 政
(72)【発明者】
【氏名】張 亜偉
(72)【発明者】
【氏名】▲どん▼ 旭
(72)【発明者】
【氏名】蒋 暁軍
(72)【発明者】
【氏名】張 楽
(72)【発明者】
【氏名】王 安云
(72)【発明者】
【氏名】周 継革
(72)【発明者】
【氏名】郭 宇
(72)【発明者】
【氏名】劉 思君
(72)【発明者】
【氏名】高 建
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-185200(JP,A)
【文献】特開昭53-114906(JP,A)
【文献】特開平06-081289(JP,A)
【文献】特開平06-002295(JP,A)
【文献】特開平08-113889(JP,A)
【文献】特開平06-287883(JP,A)
【文献】特開平06-287884(JP,A)
【文献】特開平04-370290(JP,A)
【文献】特開平04-011099(JP,A)
【文献】特開昭63-219692(JP,A)
【文献】国際公開第2019/054221(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第10327248(DE,A1)
【文献】中国特許出願公開第102587216(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107109790(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104213452(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104562824(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0077183(US,A1)
【文献】実開昭59-12899(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B、D21C、D21D、D21F、D21G、D21H、D21J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙成形金型であって、
ドラム及び模様ブロックを備え、前記ドラムの壁には貫通する細孔及び模様ブロックを取り付ける透かし彫り部が複数設置され、前記模様ブロックが前記ドラムの透かし彫り部に取り外し可能に取り付けられ、前記模様ブロックには透かし、又は複数の模様が彫刻され、
前記模様ブロックは、透かし彫り部に締りばめされて嵌め込み接続され、前記模様ブロックと前記ドラムはスクリューによりそれぞれに設置されたねじ穴を介して接続され、
前記スクリューの中心には直線貫通する直線濾水孔が設置され、又は、前記スクリューの中心には流路がL字型を呈するL字型の濾水孔が設置される、
ことを特徴とする紙成形金型。
【請求項2】
1つの前記透かし彫り部には2つ以上の前記模様ブロックが同時に設置されることを特徴とする請求項1に記載の紙成形金型。
【請求項3】
1つの前記模様ブロックは2つ以上のサブモジュールで構成され、即ち前記模様ブロックは分離式構造であることを特徴とする請求項1に記載の紙成形金型。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の紙成形金型の製造方法であって、
まず、前記ドラムを製造し、次に、前記紙成形金型の前記ドラムの壁に前記細孔及び前記透かし彫り部を加工し、且つ前記模様を有する模様ブロックを独立して加工し、最後に、加工済みの前記模様ブロックを前記ドラムの前記透かし彫り部に嵌め込み、前記細孔の加工及び前記模様の加工の順序の前後を制限しないことを特徴とする造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の紙成形金型の製造方法であって、
まず、平板に前記細孔及び前記模様を加工し、次に、前記平板を屈曲して円筒状を形成し、前記細孔の加工及び前記模様加工の順序の前後を制限しないことを特徴とする造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は偽造防止印刷の技術分野に関し、具体的には、紙成形金型、成形金型の製造方法及び紙である。
【背景技術】
【0002】
既存の紙成形製造プロセスは主にまず透かし原稿の設計を行い、次に透かし版の彫刻及び多層の透かし銅網の製造を行い、最後に透かし銅網を伸縮可能な骨格に嵌め合って、透かし紙の抄造に使用される透かし網篭を得る。
【0003】
既存の紙成形金型の製造プロセスには以下の欠陥がある。
(1)透かし原稿の再現性は修整時に損失されることがある。透かし版の彫刻過程において、透かし版の修整者は透かし耐圧試験後の銅線の断裂状況に応じて、透かし版の対応領域及び箇所を異なる程度で修整する必要があり、修整後の透かし版と元の設計原稿との間に一定の相違があり、即ち透かし原稿の再現性を低下させてしまう。
【0004】
(2)透かし原稿の再現性は透かし押出時に更に損失されることとなる。透かし版は銅製のトップワイヤに透かしを押出する過程において、銅網が一定の弾性を有するため、油圧プレスの圧力が透かし版から解消された後、押出後の透かしが異なる程度で反発されて、透かし図案による透かし原稿の再現性の二次損失をもたらしてしまう。
【0005】
(3)上版と下版を套設して押出すれば、透かしの精密化及び超小型化を実現することができない。精密、超小型、鋭い模様及び線に対して、透かしを押出する際に銅網が断糸しやすく、ひいては穴が生じて、模様及び線には比較的大きな非連続が存在し、紙抄造過程においてパルプ漏れ、パルプ掛け現象が生じ及び透かしの完全性に影響しやすい。既存の透かし押出プロセスは透かしの精密化及び超小型化と、銅網の断糸との矛盾を解決することができない。
【0006】
(4)透かし(通常の透かし及び白透かしを含む)、窓開けゼブラ枠、幅別マーカー等の位置決め精度の変動が比較的大きい。銅網は製網の重要な原料とされ、異なるロットの銅網は網結過程において横縦糸の引張張力、縮径が一致しないため、銅網の網押出過程における収縮が一致しないとともに、銅網は製網過程において繰り返し巻き取られて引っ張られるため、透かし弧度及び対角線が規準を超えるなどの位置決め寸法の問題をもたらしてしまう場合が多い。
【0007】
(5)製造された新たな網篭は抄紙機において動作する際に一定時間の慣らし期間が存在し、一般的に2日間又は3日間である。この過程において、網篭の品質上の問題が生じやすく、停止して手動で処理する必要がある場合が多く、抄紙機の起動・停止回数が比較的多く、抄紙機の生産効率及び抄造量に影響し、抄紙機工程の動作コストを増加させてしまう。
【0008】
(6)網篭は動作過程において、網篭骨格の要素により、網篭の表面の平坦性、円周度等の品質指標に影響することとなる。
【0009】
(7)透かしの一致性が確保できず、オンライン検出難度が大きい。1枚のトップワイヤ及びインナーワイヤは数百個の透かしを備え、且つ1ペアの透かし版により全部で数百個の透かしの押出を行い、押出過程において、押出数の増加につれて、透かし版がある程度で摩耗されることとなり、透かしの一致性に対応程度の影響を与える恐れがあり、また、透かし押出領域のトップワイヤの銅線の配列位置が異なり、その銅線の押出程度に相違がある。上記要素は透かしの一致性が確保できず、トップワイヤによる透かしのオンライン検出に大きな難度をもたらしてしまう。
【0010】
(8)網篭の耐用年数が短い。網篭のトップワイヤが銅製の材料であり、その耐摩耗性が低く、網篭の抄紙機の網溝における動作期間において、部分的に摩り切れやすく、作業者が補修処理することができず、網篭がやむを得ず取り外され、このような状況は紙の透かし品質及び抄造効率に影響するだけでなく、紙抄造の生産コストも増加させてしまう。
【0011】
(9)網篭の製造過程において作業者の作業負荷が大きく、加工過程における品質のリスクポイントが比較的多く、プロセスの制御難度が比較的大きい。現在、通常の透かし、白透かし又は幅別マーカーの薄膜は独立して製造される必要があり、製造が完了した後に透かし網篭の外表面に貼合され、薄膜の表面処理、貼合等は手動で完了するため、仕事量がかなり大きい。且つ、網篭の製造過程は透かし版の製造、修整、薄膜の製造、網篭の取り付け等の複数の段階を含み、品質のリスクポイントが比較的多く、プロセス品質の制御難度が比較的大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術における問題及び欠点に対して、本発明の目的の1つは紙成形金型を提供することにあり、模様文字の対応設計原稿の再現性を向上させ、抄造紙の透かし効果の一致性を確保し、模様文字細部の精密化・超小型化を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る紙成形金型は同じ技術的構想において以下のいくつかの具体的な実現方式を含む。
第1としては、紙成形金型であって、ドラムを備え、前記ドラムの壁には貫通する複数の細孔が設置され、且つ前記ドラムの壁には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が更に彫刻される。
【0014】
第1構造の紙成形金型において、ドラムに細孔及び模様文字が同時に設置される。
【0015】
第2としては、紙成形金型であって、ドラム及び模様文字ブロックを備え、前記ドラムの壁には貫通する細孔及び貫通する透かし彫り部が複数設置され、前記模様文字ブロックが前記ドラムの透かし彫り部に取り外し可能に取り付けられ、前記模様文字ブロックには通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が彫刻される。
【0016】
第2構造の紙成形金型において、ドラムに細孔が設置され、模様文字ブロックに模様文字が設置され、且つドラムと模様文字ブロックが取り外し可能に接続され、模様文字ブロックを独立して取り替えることを容易にする。
【0017】
上記2つの構造の紙成形金型については、共通の技術的構想は、複数の細孔が加工されたドラムで金属線を編んで形成した透かし網篭を取り替え、紙抄造段階において模様文字等の偽造防止要素の加工を行うことにある。
【0018】
まず、ドラムと透かし網篭はいずれも薄肉の円筒構造であり、ドラムの壁は緻密な薄板構造であり、透かし網篭の篭体は金属細線を横縦、上下に交差して圧印して形成した網状構造であり、従って、両方の肉厚が同じである場合、ドラムは一層高い強度、一層高い表面平坦度及び円周度を有する。更に、壁又は金属線を通らない場合、同じ肉厚のドラム及び透かし網篭に模様文字を加工し、ドラムに加工できる線の深さが一層大きく、隣接する線の間隔が一層小さい。線の深さの格差が大きい場合にイメージングするものが一層立体的であり、線が狭く且つ隣接する線の間隔が小さい場合にイメージングするものが一層精密である。
【0019】
次に、1つのドラム上の複数の細孔の孔径及び空隙率はいずれも調整可能であり、それが完全に同じではないようにし、各隙間の大きさ及び形状が基本的に一致する透かし網篭に比べて、その濾水機能を確保するとともに、濾水率を調節することにより透かしの明度コントラストを向上させる。
【0020】
且つ、ドラムは壁を貫通する複数の細孔を設置することにより濾水し、透かし網篭は金属細線間の隙間により濾水し、繰り返し摩擦する必要のある押出される動作環境において、細孔の縁部の壁が金属細線に対して交差する接続点は強度が高く、摩耗に耐えられる。従って、ドラム構造を用いることにより、成形金型の紙抄造過程における動作寿命を大幅に延ばすことができる。
【0021】
更に、ドラム上の通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカー等の模様文字は彫刻により形成されたものであり、透かし網篭を用いて模様文字を加工する際の修整、押出、貼合等の中間工程段階を省き、模様文字の細部の損失を回避し、これにより、対応設計原稿の再現性を向上させ、且つその一致性及び白透かし、紙幅別マーカーの抄紙過程における堅固性を確保する。
【0022】
なお、本発明に記載の通常の透かし及び白透かしはいずれも透かしであるが、両方に相違がある。
【0023】
1、通常の透かし
透かし加工金型において、通常の透かしを加工するための透かし領域は移行領域を有し、且つ濾水機能を持つ細孔又は隙間が設置され、且つ、加工後の通常の透かしは視覚効果に階調があり、レイヤー感がある。従来技術において、通常の透かしを加工するための透かし領域は直接押出されてなる。
【0024】
2、白透かし
透かし加工金型において、白透かしを加工するための透かし領域は移行領域を有せず、且つ濾水機能を持つ細孔又は隙間が設置されず、且つ、加工後の白透かしは視覚効果にレイヤー感もない。従来技術において、白透かしを加工するための透かし領域は独立して加工された金属薄膜を透かし網篭に貼合してなる。
【0025】
更に、ドラムの壁の厚さ(肉厚と略称される)を増加することにより、ドラムの強度を向上させることができるが、ドラムの強度を向上させるとともに金型全体の質量を増加し過ぎないために、一般的にドラム内に補強リブを設置する。
【0026】
本発明の他の目的は紙成形金型の製造方法を提供することにある。
【0027】
第1構造の紙成形金型に対しては、まず、ドラムを製造し、次に、模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて紙成形金型の設計を行い、最後に、設計に基づいてドラムの壁に細孔及び模様文字を加工し、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を制限しない。
【0028】
第1構造の紙成形金型に対しては、更に製造方法を提供し、まず、平板に細孔及び模様文字を加工し、次に、平板を屈曲して円筒状を形成し、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を制限しない。
【0029】
第2構造の紙成形金型に対しては、製造方法も提供し、まず、ドラムを製造し、次に、模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて紙成形金型の設計を行い、更に、設計に基づいてドラムの壁に細孔及び透かし彫り部を加工し、且つ模様文字を有する模様文字ブロックを独立して加工し、最後に、加工済みの模様文字ブロックをドラムの透かし彫り部に嵌め込み、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を制限しない。
【0030】
上記3つの紙成形金型の製造方法において、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を制限せず、即ち、
細孔を加工してから模様文字を加工する方式1、
模様文字を加工してから細孔を加工する方式2、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に行い、且つそれぞれ独立して交差しない方式3、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に交差して行う方式4、のいずれか1つの方式を用いてもよい。
【0031】
本発明は紙成形金型及びその製造方法を研究開発し、まず、通常の透かし三次元モデルの原稿設計を行い、次に、ドラム及び/又は模様文字ブロックに大量の通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカー等の模様文字を彫刻し、且つドラムに対して細孔の製造を行い、模様文字の彫刻及び細孔の製造は順序の前後が入れ替わってもよく、同時に行われてもよい。透かし領域において、透かし模様文字の特徴に基づいて細孔を設計し、異なる領域の細孔の空隙率及び単一の細孔の孔径が異なる。
【0032】
本発明は主に既存の紙成形金型の製造過程における修整、通常の透かし押出、白透かし、高明度の通常の透かしシートの製造及び貼合、安全線窓開けゼブラ枠の押出、多層網の製造を削減し、1セットの紙成形金型の製造プロセス技術を研究開発し、ドラムに通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠を直接彫刻し及び細孔を製造し、それにより紙成形金型を得て、即ちドラムが現在生産に使用される透かし網篭に相当し、それを抄紙機の網溝に直接組み立てれば、紙抄造を行うことができる。
【0033】
本発明に記載の紙成形金型を用いて抄造することは、透かし三次元モデル原稿の再現性が高く、彫刻してなる透かしの一致性が高く、紙成形金型上の透かしの品質のオンライン検出を実現することができ、特別な設計に基づいて、線等の細部に連続性を有させることができ、透かしの紙における細部が明らかであり、超小型、超高精細の効果を実現することができ、製造過程全体の自動化程度が高く、紙成形金型の耐用年数が長い。
【発明の効果】
【0034】
従来技術に比べて、本発明は以下の利点及び有益な効果を有する。
【0035】
(1)オリジナルの設計原稿の再現性が高い。通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠は紙成形金型に直接彫刻されてなり、修整、押出、貼合等の中間工程段階を省き、模様文字の細部の損失を回避し、これにより、対応設計原稿の再現性を向上させ、且つその一致性及び白透かしの抄紙過程における堅固性を確保する。
【0036】
(2)紙成形金型上の細孔の調整性が高い。ドラム上の細孔の直径の大きさ及び分布密度は、いずれも通常の透かし等の模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて任意に設計及び調節されることができ、それにより透かし線等の対応箇所に一層高い連続性、完全性を有させ、透かしの一層高い明度コントラストを実現する。
【0037】
(3)超小型精密且つ模様が複雑な透かしを製造することができる。該項の特許技術は直接彫刻すれば超小型精密の透かし線及び透かし細部の豊富充実及び高明瞭度を実現することができ、且つ透かし縁部の輪郭が一層明らかであり、透かしが立体感を有するように確保する。
【0038】
(4)紙成形金型の耐用年数が長い。強度が高く、耐摩耗性が高く、耐食性が高い材質を用いることができ、紙成形金型の抄紙過程における動作寿命を大幅に延ばす。
【0039】
(5)自動化程度が高い。透かし等の模様文字の製造は彫刻機を用い、細孔の製造はレーザー等の技術装置を使用して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は例示的な図1における異なる紙成形ツールを有する部分模式図であり、左図は本発明の紙成形金型であり、右図は従来技術における透かし網篭である。
図2図2は例示的な図1における異なる紙成形ツールを有する断糸状況の模式図であり、左図は本発明の紙成形金型であり、右図は従来技術における透かし網篭である。
図3図3は異なる紙成形ツールを用いて製造された例示的な図1における通常の透かし効果の図であり、左図は本発明の紙成形金型を用いて製造された例示的な図1における通常の透かし効果の図であり、右図は従来技術における透かし網篭を用いて製造された例示的な図1における通常の透かし効果の図である。
図4図4は従来技術における編んで形成された透かし網篭の部分拡大模式図である。
図5図5は透かし網篭の横縦糸の接続点の模式図である。
図6図6は本発明の細孔が加工されたドラムの構造模式図である。
図7図7は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックが矩形ブロックである。
図8図8は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックが楔形ブロックである。
図9図9は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、ドラムの透かし彫り部がドラムの壁を通らない。
図10図10は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックの頂面がドラムの外壁面よりも高い。
図11図11は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックの頂面がドラムの外壁面よりも低い。
図12図12は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックがスクリューによりドラムに接続される。
図13図13図12におけるドラムと模様文字ブロックとの接続位置の部分拡大図である。
図14図14は2種類の濾水孔流路に設計されるスクリューの断面模式図である。
図15図15は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックが補強リブに取り付けられるばねによりドラムの透かし彫り部に押し込まれる。
図16図16は分離式紙成形金型におけるドラムと模様文字ブロックとの接続構造の模式図であり、模様文字ブロックが楔形ブロックであり且つ楔形ブロックがドラムの内部から透かし彫り部に嵌め込まれる。
図17図17は細孔が円柱孔である紙成形金型の部分構造模式図である。
図18図18は細孔が波状孔である紙成形金型の部分構造模式図である。
図19図19は細孔が傾斜孔である紙成形金型の部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより良く説明するために、図面を参照しながら実施例によって本発明の具体的な実施形態を具体的に説明する。
【0042】
実施例1
本実施例は紙成形金型を提供し、ドラム1を備え、前記ドラム1の壁には貫通する複数の細孔が設置され、且つ前記ドラム1の壁には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が更に彫刻される。
【0043】
本実施例に係る紙成形金型の主な革新点は、紙成形金型が編成構造ではない1つの薄肉構造のドラム1であり、且つドラム1には細孔及び凹部の深さが異なる模様文字を同時に有することにある。前記細孔、模様文字は薄板本体に基づいて加工して形成したものであり、独立した部材ではない。且つ、前記細孔、模様文字の高さはドラム1の表面を超えず、ドラム1の表面に突起がない。
【0044】
本実施例に記載の通常の透かし及び白透かしはいずれも透かしであるが、両方が同じではなく、その相違点は以下のとおりである。
【0045】
通常の透かし
金型上の通常の透かしを加工するための透かし領域は移行領域を有し、且つ濾水機能を持つ細孔等の隙間が設置され、且つ、加工後の通常の透かしは視覚効果に階調があり、レイヤー感がある。従来技術において、通常の透かしを加工するための透かし領域は直接押出されてなる。
【0046】
白透かし
金型上の白透かしを加工するための透かし領域は移行領域を有せず、且つ濾水機能を持つ細孔等の隙間が設置されず、且つ、加工後の白透かしは視覚効果にレイヤー感もない。従来技術において、白透かしを加工するための透かし領域は独立して加工された金属薄膜を透かし網篭に溶接してなる。
【0047】
本実施例では、前記細孔はドラム1の壁を貫通する貫通孔であり、細孔の入口がドラム1の外壁に位置し、細孔の出口がドラム1の内壁に位置する。細孔の入口と細孔の出口が連通して繊維懸濁液の排水のための貫通する1つの通路を形成する。
【0048】
一般的に、細孔通路の横断面は円形、楕円形、多角形、三日月形等であってもよく、異なる横断面の形状は同じであってもよく、異なってもよく、異なる横断面の比率は同じであってもよく、異なってもよい。例えば、細孔通路の横断面が円形である場合、細孔の通路は1つの円柱状の空間であってもよく、即ち細孔は円柱孔であり、図17に示されるのであり、1つの円錐状又は錐台状の空間であってもよく、即ち細孔は錐孔であり、軸方向断面が波紋状を呈する空間であってもよく、即ち細孔は波状孔であり、図18に示されるのであり、更に軸方向断面は上下幅が等しくなく、勾配がある空間であってもよく、即ち細孔は傾斜孔であり、図19に示される。且つ、1つのドラム上の細孔は円柱孔、円錐孔、波状孔、傾斜孔のうちのいずれか1つ又は複数の組合せであってもよい。例えば、1つのドラム1上のすべての細孔はいずれも円柱孔であり、又は1つのドラム1上のすべての細孔はいずれも円錐孔であり、又は1つのドラム1上の細孔は一部が円柱孔であり、一部が波状孔であり、一部が傾斜孔である。
【0049】
本実施例では、細孔加工の実現可能性及び細孔の排水率の制御可能性を考慮して、1つのドラム1上のすべての細孔は横断面が円形である等径の貫通孔構造を用い、即ち細孔の通路は円柱状を呈する。
【0050】
更に、複数の細孔の同じ高さでの孔径はすべて等しく、又はすべて等しくない。細孔通路が円柱形である構造の場合、複数の細孔の孔径は等しく、又はすべて等しくない。
【0051】
他の具体的な実施例では、1つのドラム1上の細孔はいずれも孔径が等しい円柱孔である。このとき、細孔は円柱孔を用い、円錐孔を用いる構造に比べて、その利点は、透かし階調を制御するように、ドラム1の外壁面又は内壁面に対する同じ高さの位置での各孔径が一致し、空隙率の計算に役立つことにある。
【0052】
本実施例では、異なる領域の細孔の空隙率はすべて等しくない。
【0053】
本実施例において、細孔の孔径がすべて等しくなく、密度がすべて等しくない解決手段を用いて透かし階調が変化するニーズに適応し、即ち、透かしの明部での細孔の空隙率が小さく、透かしの暗部での細孔の空隙率が大きいという細孔の空隙率は透かし階調が変化するニーズに適応する解決手段を用いる。
【0054】
例えば、細孔の孔径が同じである場合、透かしの明部において、細孔の密度が小さく、細孔が分散し、透かしの暗部において、細孔の密度が大きく、細孔がコンパクトである。
【0055】
更に例えば、細孔の密度が同じである場合、透かしの明部において、細孔の孔径が小さく、透かしの暗部において、細孔の孔径が大きい。
【0056】
当然ながら、細孔の空隙率、模様文字彫刻線の高さをまとめて同時に透かしの階調に影響する。
【0057】
図1に示すように、左図は本実施例の前記ドラム1の壁には例示的な図1における透かし図案が彫刻される部分図であり、右図は従来技術における透かし網篭には例示的な図1における透かし図案が押出される部分図である。比較の結果、左図における透かし図案の線の深さの格差が一層大きくて図案が一層立体的であり、線が一層多くて図案が一層精密である。
【0058】
図2に示すように、左図は本実施例の紙成形金型の断糸状況であり、右図は従来技術における透かし網篭の断糸状況である。見えるように、右図における断糸状況が非常に明らかであり、左図における断糸が極めて少ない。
【0059】
図3に示すように、左図は本実施例に記載の紙成形金型を用いて加工した透かし効果の図であり、右図は従来技術における透かし網篭を用いて加工した透かし効果の図である。明らかに、左図における透かしが一層明瞭であり、呈する画像が一層立体的であり、細部が一層精緻である。
【0060】
図4及び図5に示すように、従来技術における透かし網篭の横縦糸の接続点は上下2本の金属線を編んで形成したものであり、従って、更に透かし網篭に透かし図案を押出するとき、その構造、強度等の要素の影響により、透かし線の深さが制限される一方、押出過程において断糸しやすい。
【0061】
上記内容から分かるように、本実施例に開示される紙成形金型によるオリジナルの透かし原稿の高度再現性は、透かしの紙における一致性、明瞭度、立体感、細部の精緻化及びその豊富性を向上させ、これにより、透かし紙の偽造防止機能を強化し、紙成形金型の耐用年数を延ばし、金型による製造の自動化レベルを向上させ、作業者の作業負荷を大幅に軽減する。
【0062】
更に、前記細孔の通路が傾斜して設置される。紙抄造過程における水切りに役立つ。
【0063】
更に、前記細孔はレーザー、電気スパーク、電子ビームのうちのいずれか1つを用いて加工を行い、前記模様文字はレーザー彫刻機又は機械彫刻機を用いて加工を行う。本実施例においてよく見られる加工方式のみを列挙したが、細孔、模様文字の加工は上記加工方式に限らない。
【0064】
図6はドラム1に細孔を加工した後の模式図である。
【0065】
更に、前記ドラム1は銅製、ニッケル製、合金又は疎水性プラスチックを用いて製造されてなる。疎水性プラスチックはポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルを選択してもよい。
【0066】
図1図3に示すように、例示的な図で覆われる透かし領域にはいずれも細孔が分布し、このとき、両方の分布位置は重なるところがある。安全線窓開けゼブラ枠を形成する必要がある場合、細孔は安全線窓開けゼブラ枠の周りの壁のみに分布する。
【0067】
更に、ドラム1の作業強度を更に増加させるために、前記ドラム1内に補強リブ4が更に設置される。
【0068】
更に、前記通常の透かし、白透かし又は紙幅別マーカーの内容は図案、アルファベット、数字、符号、文字のうちのいずれか1つの要素又は複数の要素の組合せである。
【0069】
本実施例において上記紙成形金型の製造方法を更に提供し、主にドラム1の製造、透かし三次元モデルの設計、彫刻、穿孔を含み、その具体的な製造方法は、まず、ドラム1を製造し、次に、模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて紙成形金型の設計を行い、最後に、設計に基づいてドラム1の壁に細孔及び模様文字を加工する。
【0070】
細孔の加工、模様文字の加工の順序の前後を限定せず、即ち、
細孔を加工してから模様文字を加工する方式1、
模様文字を加工してから細孔を加工する方式2、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に行い、且つそれぞれ独立して交差しない方式3、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に交差して行う方式4、のうちのいずれか1つの方式を用いてもよい。
【0071】
一般的に、紙成形金型を製造するとき、細孔を製造した後のドラム1には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠等の図案及び/又は文字を直接彫刻し、又は孔なしのドラム1には先に通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠等の図案及び/又は文字を彫刻し、更にレーザー又は他の技術を応用してドラム1に細孔の製造を行う。
【0072】
更に、紙成形金型の設計を行うとき、模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて単一の細孔の孔径、異なる領域における細孔の空隙率、模様文字の線を設計する。
【0073】
複数組の実験によって本実施例に記載の紙成形金型及び従来技術における透かし網篭の使用を比較し、本実施例に係る紙成形金型を用いて製造抄造を行うとき、オリジナルの透かし設計原稿の高度再現性は、透かしの紙における一致性、明瞭度、立体感、細部の精緻化及びその豊富性を向上させ、これにより、透かし紙の偽造防止機能を強化し、紙成形金型の耐用年数を延ばし、透かし金型による製造の自動化レベルを向上させ、作業者の作業負荷を大幅に軽減する。
【0074】
実施例2
本実施例は実施例1を基に、ドラム1と、通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーを有するモジュールとが分離する構造を用いる。
【0075】
本実施例に係る紙成形金型は、ドラム1及び模様文字ブロック2を備え、前記ドラム1の壁には貫通する細孔及び貫通する透かし彫り部が複数設置され、前記模様文字ブロック2が前記ドラム1の透かし彫り部に取り外し可能に取り付けられ、前記模様文字ブロック2には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が彫刻される。
【0076】
更に、複数の細孔の同じ高さでの孔径はすべて等しく、又はすべて等しくない。
【0077】
更に、異なる領域の細孔の空隙率はすべて等しくない。
【0078】
本実施例に係る紙成形金型の主な革新点は、紙成形金型が編成構造ではない1つの薄肉構造のドラム1と1つの模様文字ブロック2とで構成され、ドラム1には細孔及び模様文字ブロック2を取り付けるための透かし彫り部を有し、模様文字ブロック2には凹凸の深さが異なる模様文字が加工されることにある。
【0079】
更に、前記細孔は円柱孔、波状孔、傾斜孔のうちのいずれか1つ又はそれらの組合せである。
【0080】
更に、前記細孔の通路が傾斜して設置される。
【0081】
更に、ドラム1の作業強度を更に増加させるために、前記ドラム1内に補強リブ4が更に設置される。
【0082】
更に、前記ドラム1は銅製、ニッケル製、合金又は疎水性プラスチックを用いて製造されてなる。疎水性プラスチックはポリテトラフルオロエチレン、ポリオキシメチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルを選択してもよい。
【0083】
更に、通常の透かし、白透かし又は紙幅別マーカーの内容は図案、アルファベット、数字、符号、文字のうちのいずれか1つの要素又は複数の要素の組合せである。
【0084】
本実施例において上記紙成形金型の製造方法を更に提供し、主にドラム1の製造、通常の透かし三次元モデルの設計、彫刻、穿孔を含み、その具体的な製造方法は、まず、ドラム1を製造し、次に、模様文字の特徴及び濾水性の要件に応じて紙成形金型の設計を行い、更に、設計に基づいてドラム1の壁に細孔及び透かし彫り部を加工し、且つ模様文字を有する模様文字ブロック2を独立して加工し、最後に、加工済みの模様文字ブロック2をドラム1の透かし彫り部に嵌め込み、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を限定しない。
【0085】
細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を限定せず、即ち、
細孔を加工してから模様文字を加工する方式1、
模様文字を加工してから細孔を加工する方式2、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に行い、且つそれぞれ独立して交差しない方式3、
細孔の加工及び模様文字の加工を同時に交差して行う方式4、のうちのいずれか1つの方式を用いてもよい。
【0086】
本実施例の他の部分は実施例1と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
実施例3
本例は実施例2を基に、模様文字ブロック2とドラム1との接続方式を最適化する。
【0088】
第1としては、図7図8図9図10及び図11に示される分離式紙成形金型におけるドラム1と模様文字ブロック2との接続構造の模式図であり、模様文字ブロック2とドラム1は溶接又は接着され、又は締りばめ関係のみにより嵌め込み接続される。溶接時、常に溶接方式を用いる。
【0089】
図7図11において、図7図8図10及び図11に示すように、ドラム1上の透かし彫り部はドラム1の壁を貫通するものであり、図7及び図8に例示するように、模様文字ブロック2とドラム1は厚さが基本的に等しく、模様文字ブロック2の頂面とドラム1の外壁面は高さが基本的に等しく、図10に例示するように、模様文字ブロック2の頂面はドラム1の外壁面よりも明らかに高く、図11に例示するように、模様文字ブロック2の頂面はドラム1の外壁面よりも明らかに低い。
【0090】
図7図11において、図9に示すように、ドラム1上の透かし彫り部はドラム1の壁を貫通しないものであり、模様文字ブロック2はドラム1の透かし彫り部内に嵌め込まれ、模様文字ブロック2の頂面とドラム1の外壁面は高さが基本的に等しい。当然ながら、このとき、模様文字ブロック2の頂面はドラム1の外壁面よりも少々高く又は少々低くてもよい。
【0091】
第2としては、図12に示される分離式紙成形金型におけるドラム1と模様文字ブロック2との接続構造の模式図であり、模様文字ブロック2とドラム1は一部の構造がラップされ、このとき、模様文字ブロック2とドラム1は溶接又は接着され、又はスクリュー3により接続される。
【0092】
図13に示すように、模様文字ブロック2とドラム1はスクリュー3により一体に接続される。
【0093】
更に、図14に示すように、スクリュー3に濾水孔が設置され、濾水孔の流通通路構造は「|」及び「└」の2種類があり、図14の左図はスクリュー3の中心を貫通する直線濾水孔構造であり、図14の右図はスクリュー3の中心を貫通しないL字型の濾水孔構造である。
【0094】
第3としては、図15に示される分離式紙成形金型におけるドラム1と模様文字ブロック2との接続構造の模式図であり、模様文字ブロック2が補強リブ4に取り付けられるばね5によりドラム1の透かし彫り部に押し込まれる。
【0095】
本実施例の他の部分は実施例2と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
実施例4
本例は実施例2又は実施例3を基に、模様文字ブロック2の構造を最適化する。図7に示すように、前記模様文字ブロック2は上下両端の長さが等しい矩形ブロックであり、又は、図8図15及び図16に示すように、前記模様文字ブロック2は上下両端の長さが等しくない楔形ブロックである。
【0097】
本実施例の他の部分は実施例2又は実施例3と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0098】
実施例5
本実施例は2つの構造の紙成形金型を提供する。
第1構造の紙成形金型は、ドラム1を備え、前記ドラム1の壁には貫通する複数の細孔が設置され、且つ前記ドラム1の壁には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が更に彫刻される。
【0099】
第2構造の紙成形金型は、ドラム1及び模様文字ブロック2を備え、前記ドラム1の壁には貫通する細孔及び貫通する透かし彫り部が複数設置され、前記模様文字ブロック2が前記ドラム1の透かし彫り部に取り外し可能に取り付けられ、前記模様文字ブロック2には通常の透かし、白透かし、安全線窓開けゼブラ枠、紙幅別マーカーのうちの1つ又は複数の模様文字が彫刻される。
【0100】
上記2つの構造の紙成形金型は、その複数の細孔の同じ高さでの孔径がすべて等しく、又はすべて等しくなく、その異なる領域の細孔の空隙率がすべて等しくない。
【0101】
上記2つの構造の紙成形金型に対して、実施例1又は実施例2を基に製造方法を更に提供し、まず、平板に細孔及び模様文字を加工し、次に、平板を屈曲して円筒状を形成し、細孔の加工及び模様文字の加工の順序の前後を制限しない。
【0102】
本実施例の他の部分は実施例1又は実施例2と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0103】
実施例6
本実施例は実施例1~5のいずれか1つに基づいて、実施例1~5に開示される紙成形金型で加工された紙を提供する。該紙は偽造防止印刷のための安全紙である。
【0104】
以上の説明は本発明の好適な実施例であって、本発明をいかなる形式で制限するものではなく、本発明の技術的本質に基づいて以上の実施例に対して行われるいかなる簡単な修正や等価変更は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
1 ドラム
2 模様文字ブロック
3 スクリュー
4 補強リブ
5 ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19