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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】半導体装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20240725BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
H01L29/78 301D
H01L29/78 301S
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022560420
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(86)【国際出願番号】 IB2020000931
(87)【国際公開番号】W WO2022096908
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】丸井 俊治
(72)【発明者】
【氏名】林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】倪 威
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮太
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 裕一
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/208301(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/029796(WO,A1)
【文献】特開2008-198676(JP,A)
【文献】特開2010-10256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の主面上に形成された第1導電型ソース領域と、
前記基板の主面上に形成され、前記第1導電型ソース領域と電気的に接続された第2導電型ウェル領域と、
前記基板の主面上に形成され、前記第2導電型ウェル領域と接した第1導電型ドリフト領域と、
前記基板の主面上に形成され、前記第1導電型ドリフト領域と接した第1導電型ドレイン領域と、
前記第1導電型ソース領域と電気的に接続された第1電極と、
前記第1導電型ドレイン領域と電気的に接続された第2電極と、
前記第1導電型ソース領域と前記第2導電型ウェル領域と前記第1導電型ドリフト領域と絶縁膜を介して接するように形成された第3電極と、
前記第1導電型ソース領域と接し、かつ前記第3電極と前記絶縁膜を介して接するように形成され、前記第1導電型ソース領域よりも抵抗値が高い寄生容量低減領域と
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載された半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、
イオン注入により、前記基板に不純物を添加して、前記第1導電型ソース領域と前記第2導電型ウェル領域と前記第1導電型ドリフト領域と前記第1導電型ドレイン領域を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記寄生容量低減領域は、前記第1導電型ソース領域をイオン注入で形成するときに、前記第1導電型ソース領域が形成される領域の一部をマスキングして形成されることを特徴とする請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、耐圧を向上させることを目的とした半導体装置として特許文献1が開示されている。この特許文献1に開示された半導体装置では、低ドープもしくはノンドープ半導体基板に不純物を添加(ドープ)して、N型ソース領域、P型ウェル領域、N型ドリフト領域、N型ドレイン領域がそれぞれ形成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/008550号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の半導体装置では、N型ソース領域のゲート電極側の側面の全体がゲート電極と接しているので、N型ソース領域のゲート電極側の側面全体にゲートソース間容量CGSが発生してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、ソース電極とゲート電極との間に発生するゲートソース間容量CGSを低減することのできる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体装置は、基板の主面上に形成された第1導電型ソース領域と、第1導電型ソース領域と第2導電型ウェル領域と第1導電型ドリフト領域と絶縁膜を介して接するように形成された第3電極とを有する。そして、第1導電型ソース領域と接し、かつ第3電極と絶縁膜を介して接するように寄生容量低減領域を形成し、寄生容量低減領域の抵抗値を第1導電型ソース領域よりも高くする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ソース電極とゲート電極との間に発生するゲートソース間容量CGSを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置のゲート電圧、ドレイン電流、ドレイン電圧の関係を示す図である。
図3A図3Aは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の効果を説明するための図である。
図3B図3Bは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の効果を説明するための図である。
図4A図4Aは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その1)。
図4B図4Bは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その2)。
図4C図4Cは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その3)。
図4D図4Dは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その4)。
図4E図4Eは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その5)。
図4F図4Fは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その6)。
図4G図4Gは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その7)。
図4H図4Hは、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その8)。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面斜視図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である。
図7図7は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面斜視図である。
図8図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面斜視図である。
図9A図9Aは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その1)。
図9B図9Bは、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な工程図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる部分を含んでいる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
また、本明細書等において、「電気的に接続」とは、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に限定されない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極、配線、スイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、容量素子、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
【0011】
[第1実施形態]
[半導体装置の構造]
図1は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る半導体装置100はN型MOSFETであり、トレンチゲート構造横型MOSデバイスである。この半導体装置100は、基板1と、第1導電型のソース領域3と、第2導電型のウェル領域5と、第1導電型のドリフト領域7と、第1導電型のドレイン領域9と、寄生容量低減領域11と、第2導電型のコラム領域13とを有する。また、半導体装置100は、ソース領域3に接合されたソース電極(第1電極)15と、ドレイン領域9に接合されたドレイン電極(第2電極)17と、ウェル領域5とその周囲の領域にゲート絶縁膜19を介して埋め込まれたゲート電極(第3電極)21を有する。
【0012】
尚、第1導電型と第2導電型は互いに異なる導電型である。すなわち、第1導電型がP型であれば、第2導電型はN型であり、第1導電型がN型であれば、第2導電型はP型である。本実施形態では、第1導電型がN型、第2導電型がP型の場合について説明する。
【0013】
基板1は、絶縁性半導体基板である。これにより、同一の基板1に複数の半導体装置を集積する際の素子分離プロセスを簡略化することができる。また、冷却器に半導体装置を実装する場合に、基板1と冷却器の間に設置する絶縁性基板を省略することが可能である。ここで、絶縁性基板とは、基板の抵抗率が数kΩ・cm以上のことをいう。
【0014】
例えば、基板1に絶縁性を有する炭化珪素基板(SiC基板)を用いることができる。SiCはワイドバンドギャップ半導体であり真性キャリヤ数が少ないため、高い絶縁性を得やすく、耐圧の高い半導体装置を実現できる。SiCにはいくつかのポリタイプ(結晶多形)が存在するが、代表的な4HのSiC基板を基板1として用いることができる。基板1にSiC基板を用いることにより、基板1の絶縁性を高く、かつ、熱伝導率を高くできる。このため、基板1の裏面を冷却機構に直接取り付けて、半導体装置を効率よく冷却することができる。この構造によれば、SiC基板の熱伝導率が大きいため、半導体装置がオン状態のときの主電流による発熱を効率よく発散させることができる。
【0015】
また、基板1は、SiC基板に限らず、バンドギャップの広い半導体材料からなる半導体基板を使用してもよい。バンドギャップの広い半導体材料には、例えばGaN、ダイヤモンド、ZnO、AlGaNなどが挙げられる。
【0016】
ソース領域3は、基板1の主面上に形成され、ウェル領域5と電気的に接続されている。ソース領域3のN型の不純物濃度はドリフト領域7よりも高濃度であり、例えば、1×1018/cm~1×1021/cm程度である。ソース領域3の表面にはソース電極15が電気的に接続され、ソース領域3の一部に寄生容量低減領域11が形成されている。また、ソース領域3は、ゲート絶縁膜19を介してゲート電極21に接している。
【0017】
ウェル領域5は、基板1の主面上に形成され、ソース領域3と電気的に接続され、ドリフト領域7と接している。ウェル領域5のP型の不純物濃度は、例えば、1×1015/cm~1×1019/cm程度である。ウェル領域5の一部にはゲート電極21が形成され、ゲート絶縁膜19を介してゲート電極21に接している。尚、低いオン抵抗と高い絶縁破壊電界を両立させることができるので、ウェル領域5はワイドバンドギャップ半導体で形成することが好ましい。また、基板1とウェル領域5を同一の材料から形成すれば、異なる材料を用いた場合に生じる格子不整合等の性能劣化を防止することができる。
【0018】
ドリフト領域7は、基板1の主面上に形成され、ウェル領域5とドレイン領域9と接している。ドリフト領域7のN型の不純物濃度は、例えば、1×1015/cm~1×1019/cm程度である。ドリフト領域7の一部にはコラム領域13が形成されており、ドリフト領域7はコラム領域13と接するとともに、ゲート絶縁膜19を介してゲート電極21にも接している。尚、低いオン抵抗と高い絶縁破壊電界を両立させることができるので、ドリフト領域7はワイドバンドギャップ半導体で形成することが好ましい。また、基板1とドリフト領域7を同一の材料から形成すれば、異なる材料を用いた場合に生じる格子不整合等の性能劣化を防止することができる。
【0019】
ドレイン領域9は、基板1の主面上に形成され、ドリフト領域7と接している。ドレイン領域9のN型の不純物濃度はドリフト領域7よりも高濃度であり、例えば、1×1018/cm~1×1021/cm程度である。また、ドレイン領域9の表面には、ドレイン電極17が電気的に接続されている。
【0020】
寄生容量低減領域11は、ソース領域3と接し、かつゲート電極21とゲート絶縁膜19を介して接しており、抵抗値がソース領域3よりも高くなるように形成されている。具体的に、寄生容量低減領域11は、基板1と同一の材料で形成されている。これにより、寄生容量低減領域11の抵抗値は、N型の不純物が添加されているソース領域3よりも高くなる。このような寄生容量低減領域11を形成したことにより、ソース電極15とゲート電極21の間に、寄生容量低減領域11に起因する容量を挟むことができるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。尚、寄生容量低減領域11は、深い位置まで形成したほうがゲートソース間容量CGSの低減効果が大きくなるので、ソース領域3の表面から基板1の深さまで形成されていることが好ましい。
【0021】
コラム領域13は、ドリフト領域7の一部に形成され、ドリフト領域7と接し、かつゲート電極21とゲート絶縁膜19を介して接している。コラム領域13は、基板1にイオン注入によってP型の不純物を添加することによって形成される。このようにコラム領域13を形成したことにより、スーパージャンクション構造になり、高耐圧、かつ低オン抵抗の特性を得ることができる。
【0022】
ソース電極15は、ソース領域3の表面に形成され、ソース領域3及びウェル領域5と電気的に接続されている。
【0023】
ドレイン電極17は、ドレイン領域9の表面に形成され、ドリフト領域7及びドレイン領域9と電気的に接続されている。
【0024】
ゲート電極21は、ソース領域3とウェル領域5とドリフト領域7と寄生容量低減領域11とコラム領域13にゲート絶縁膜19を介して接するように形成されている。ゲート電極21は、ソース領域3とウェル領域5とドリフト領域7と寄生容量低減領域11とコラム領域13に接するようにゲート溝を形成し、ゲート溝の内面にゲート絶縁膜19を形成した後に、ポリシリコンを堆積させて形成される。
【0025】
[半導体装置の動作]
次に、本実施形態に係る半導体装置100における基本的な動作の一例を説明する。
【0026】
図1に示す構成の半導体装置100は、ソース電極15の電位を基準として、ドレイン電極17に正の電位を印加した状態で、ゲート電極21の電位を制御することによって、トランジスタとして機能する。すなわち、ゲート電極21とソース電極15の間の電圧を所定の閾値電圧以上にすると、ゲート電極21の側面のP型ウェル領域5のチャネル部に反転層が形成されてオン状態となり、ドレイン電極17からソース電極15へ電流が流れる。
【0027】
一方、ゲート電極21とソース電極15の間の電圧を所定の閾値電圧より低くすると、反転層が消滅してオフ状態となり、ドレイン電極17からソース電極15への電流が遮断される。理想的には、P型コラム領域13とN型ドリフト領域7がピンチオフ状態になることで、P型コラム領域13とN型ドリフト領域7の電界分布が均一な長方形の分布となり、最大電界が大きく低下することで耐圧が向上する。
【0028】
次に、本発明の効果について説明する。反転層がオフ状態からオン状態およびオフ状態からオン状態に遷移する時間は、ゲートソース間容量CGSが大きく関与することが分かっている。
【0029】
図2は、ゲート電圧Vが閾値電圧VTHからプラトー電圧VGP(トランジスタが負荷電流に制御可能な電流を流せるようになる電圧)まで変化する際にかかる時間t-t及びその際のゲート電圧V、ドレイン電流i、ドレイン電圧Vの関係を示す。
【0030】
ここで、t、tは、下記の式(1)、(2)で表される。
【数1】
【数2】
式(1)、(2)において、ゲートソース間容量CGSはゲートドレイン間容量CGDよりも十分に大きいので、CGDの項を無視すると、ドレイン電流iのスイッチング時間t-tはゲートソース間容量CGSの値に比例することが分かる。したがって、ゲートソース間容量CGSを小さくできれば、ドレイン電流iのスイッチング時間t-tを短縮することができる。
【0031】
次に、寄生容量低減領域11を設けた場合と設けなかった場合のゲートソース間容量CGSの変化を説明する。図3Aは寄生容量低減領域11を設けていない従来の半導体装置200の構造を示し、図3Bは寄生容量低減領域11を設けた本実施形態の半導体装置100の構造を示している。
【0032】
図3Aに示すように、従来の半導体装置200では、ゲート電極210とソース電極220の間の部分の寄生容量CGSは、ゲート絶縁膜230に起因するCgateのみによって決まる。一方、図3Bに示すように、寄生容量低減領域11を設けた本実施形態の半導体装置100では、ゲート電極21とソース電極15の間の寄生容量CGSは、ゲート絶縁膜19に起因するCgateと、寄生容量低減領域11に起因するCredの直列接続となる。
【0033】
通常、ゲート絶縁膜19は、数10nmの膜厚であるのに対して、寄生容量低減領域11の厚さは0.5μm以上になる。そのため、Cred<<Cgateの関係となり、CredとCgateの直列接続の容量は、以下の式(3)に示すように、ゲート絶縁膜19に起因するCgateよりも非常に小さな値となる。
【数3】
すなわち、本実施形態の半導体装置100のゲートソース間容量CGSは、ゲート絶縁膜19に起因するCgateよりも非常に小さな値となる。
【0034】
したがって、ソース電極15とゲート電極21の間の寄生容量低減領域11の幅が、所定値以上、すなわちゲート絶縁膜19よりも十分に大きければ、ゲートソース間容量CGSはゲート絶縁膜19に起因するCgateよりも非常に小さくなる。
【0035】
このように、本実施形態の半導体装置100では、寄生容量低減領域11を設けたことによって、ゲートソース間容量CGSは、ゲート絶縁膜19のみが形成されている場合よりも低減されることになる。そして、ドレイン電流iのスイッチング時間t-tはゲートソース間容量CGSの値に比例するので、ゲートソース間容量CGSを低減したことにより、本実施形態の半導体装置100のスイッチング時間t-tを短縮することができる。
【0036】
尚、通常は、ゲート電極21とソース電極15の間には0.5μm以上の間隔がプロセスの安全設計上設置されているので、寄生容量低減領域11をゲート電極21とソース電極15の間に設けたとしても、半導体装置100の各部の寸法に影響を与えることはない。
【0037】
[半導体装置の製造方法]
次に、図4A図4Hを参照して、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を説明する。
【0038】
まず、不純物が添加されていない基板1を用意する。次に、図4Aに示すように、基板1上に形成したマスク材51をパターニングして、ウェル領域5を形成する領域を露出させる。そして、マスク材51をマスクとして基板1にP型の不純物を選択的に添加するイオン注入を行ってウェル領域5を形成する。
【0039】
一般的なマスク材としては、シリコン酸化膜を用いることができ、堆積方法としては熱CVD法やプラズマCVD法を用いることができる。パターニングの方法としては、フォトリソグラフィ法を用いることができる。即ち、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクにしてマスク材をエッチングする。エッチング方法としては、フッ酸を用いたウェットエッチングや反応性イオンエッチングなどのドライエッチングを用いることができる。マスク材をエッチングした後、フォトレジスト膜を酸素プラズマや硫酸などで除去する。このようにして、マスク材51がパターニングされる。
【0040】
次に、図4Bに示すように、基板1及びウェル領域5の上に形成されたマスク材53をパターニングして、コラム領域13を形成する領域を露出させる。そして、マスク材53をマスクとして基板1にP型の不純物を選択的に添加するイオン注入を行ってコラム領域13を形成する。
【0041】
次に、図4Cに示すように、基板1、ウェル領域5及びコラム領域13の上に形成されたマスク材55をパターニングして、ドリフト領域7を形成する領域を露出させる。そして、マスク材55をマスクとして基板1にN型の不純物を選択的に添加するイオン注入を行ってドリフト領域7を形成する。
【0042】
次に、図4Dに示すように、基板1、ウェル領域5、コラム領域13及びドリフト領域7の上に形成されたマスク材57をパターニングして、ソース領域3及びドレイン領域9を形成する領域を露出させる。そして、マスク材57をマスクとして基板1にN型の不純物を選択的に添加するイオン注入を行って、高濃度のソース領域3及びドレイン領域9を形成する。このとき、ソース領域3を形成する領域の一部にマスク材57を形成しておき、イオン注入が行われないようにすることで寄生容量低減領域11を形成する。これにより、寄生容量低減領域11は、基板1と同一の材料で形成された領域となる。また、寄生容量低減領域11は、ソース領域3の表面から基板1の深さまで形成されることになる。
【0043】
尚、本実施形態におけるN型の不純物としては、例えば、窒素(N)を用いることができ、P型の不純物としては、例えば、アルミニウム(Al)やボロン(B)を用いることができる。また、基板の温度を600℃程度に加熱した状態でイオン注入することにより、イオン注入した領域に結晶欠陥が生じることを抑制することができる。
【0044】
このとき、N型ドリフト領域7とP型コラム領域13の不純物の濃度は、1×1015/cm~1×1019/cmが好適である。また、N型ドリフト領域7のドナー濃度とP型コラム領域13のアクセプタ濃度の組み合わせは、以下の式(4)の関係が成立することが好適な条件となる。式(4)において、N型ドリフト領域7のドナー濃度がNd、P型コラム領域13のアクセプタ濃度がNa、N型ドリフト領域7の幅がWn、P型コラム領域13の幅がWpである。
Na×Wp=Nd×Wn ・・・(4)
【0045】
さらに、上述の各工程においてイオン注入した不純物は、熱処理することで活性化させることができる。例えば、アルゴン雰囲気中や窒素雰囲気中で、1700℃程度の熱処理を行う。
【0046】
また、高い注入エネルギーで不純物を添加して高濃度不純物領域を形成するイオン注入条件と、低い注入エネルギーで不純物を添加して低濃度不純物領域を形成するイオン注入条件とを適宜切り替えるようにしてもよい。これにより、1回の連続したイオン注入で高濃度不純物領域と低濃度不純物領域を連続して形成することができる。例えば、低濃度不純物領域であるドリフト領域7と高濃度不純物領域であるソース領域3を連続的に形成することができる。
【0047】
上記のようにイオン注入の途中でイオン注入条件を切り替えて深さ方向の不純物濃度を変化させながら活性領域の一部であるドリフト領域7、ウェル領域5、ソース領域3、ドレイン領域9を形成することにより、深さ方向の不純物濃度を自由に設計できる。これにより、電界の集中を緩和し、半導体装置の最大印加電圧を向上させることができる。
【0048】
また、イオン注入によって、N型又はP型の不純物領域を形成することにより、エピタキシャル成長によって形成する場合よりも製造コストを低減できる。
【0049】
次に、図4Eに示すように、パターニングしたマスク材(図示せず)をマスクとして、ドライエッチングを行う。これにより、ソース領域3の一部、寄生容量低減領域11の一部、ウェル領域5の一部、ドリフト領域7の一部、及びコラム領域13の一部を選択的にエッチングして、ゲート電極21を埋め込むゲート溝59を形成する。この結果、ゲート溝59は、ソース領域3、ウェル領域5、ドリフト領域7、コラム領域13及び寄生容量低減領域11に接する位置に形成される。
【0050】
次に、図4Fに示すように、ゲート溝59の内部にゲート絶縁膜19及びゲート電極21を形成する。ゲート電極21は、ゲート絶縁膜19を介して、ソース領域3、寄生容量低減領域11、ウェル領域5、コラム領域13、及びドリフト領域7のそれぞれと接するように形成される。
【0051】
ゲート絶縁膜19は、ゲート溝59の内壁面に形成され、例えば、熱酸化法、又は堆積法を用いて形成することができる。一例として、熱酸化の場合、基板を酸素雰囲気下で1100℃程度に加熱することで、基板が酸素に触れるすべての部分において、シリコン酸化膜が形成される。ただし、シリコン酸化膜ではなく、シリコンの窒化膜でもよいし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層であってもよい。シリコン窒化膜の場合の等方性エッチングは、160℃の熱燐酸による洗浄でエッチングすることができる。
【0052】
ゲート絶縁膜19を形成した後、ウェル領域5とゲート絶縁膜19との界面における界面準位を低減するために、窒素、アルゴン、NOなどの雰囲気下で1000℃程度のアニールを行ってもよい。また、直接NO又はNO雰囲気下での熱酸化も可能である。その場合の温度は1100℃~1400℃が好適である。ゲート絶縁膜19の厚さは数十nm程度である。
【0053】
ゲート電極21は、ゲート絶縁膜19の形成されたゲート溝59の内部に堆積するように形成される。ゲート電極21の材料は、例えば、ポリシリコン膜を用いることができる。本実施形態では、ゲート電極21にポリシリコン膜を用いる場合を説明する。
【0054】
ポリシリコン膜の堆積方法としては、減圧CVD法などを用いることができる。例えば、堆積させるポリシリコン膜の厚さをゲート溝59の幅の2分の1よりも大きな値にして、ゲート溝59をポリシリコン膜で埋める。ゲート溝59の内壁面からポリシリコン膜が形成されていくため、上記のようにポリシリコン膜の厚さを設定することにより、ゲート溝59をポリシリコン膜によって埋めることができる。例えば、ゲート溝59の幅が2μmの場合は、膜厚が1μmよりも大きくなるようにポリシリコン膜を形成する。また、ポリシリコン膜を堆積した後に、オキシ塩化リン(POCl)中で950℃のアニール処理することで、N型のポリシリコン膜が形成され、ゲート電極21に導電性を付与する。
【0055】
ポリシリコン膜は、エッチングなどにより平坦化する。エッチング方法は等方性エッチングでも異方性の選択エッチングでもよい。エッチング量は、ゲート溝59の内部にポリシリコン膜が残るように設定する。例えば、幅が2μmのゲート溝59についてポリシリコン膜を1.5μmの厚さに堆積した場合、ポリシリコン膜のエッチング量を1.5μmにする。しかし、エッチングの制御において、1.5μmのエッチング量について数%のオーバーエッチングでも問題はない。尚、ここでは、N型のポリシリコンを用いて説明したが、P型のポリシリコンでもよい。また、他の半導体材料でもよいし、メタル材料などの導電性のある材料でもよい。例えば、P型ポリ炭化珪素、SiGe、Alなどでもよい。
【0056】
次に、図4Fに示すように、ソース領域3及びウェル領域5上に配置されるようにゲート配線61を形成し、ゲート電極21同士を電気的に接続する。ゲート配線61は、ゲート電極21と同じポリシリコン、又は金属を用いることができる。
【0057】
次に、図4Gに示すように、層間絶縁膜63を形成する。層間絶縁膜63は、例えば、シリコン酸化膜を用いることができる。シリコン酸化膜の堆積方法としては、熱CVD法やプラズマCVD法を用いることができる。また、層間絶縁膜63にシリコン窒化膜を用いてもよい。
【0058】
その後、パターニングしたフォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして層間絶縁膜63を選択的にエッチングし、ソース領域3の上面が露出するようにソース電極コンタクトホール65を形成する。同様に、ドレイン領域9の上面が露出するようにドレイン電極コンタクトホール67を形成する。エッチング方法としては、例えば、フッ酸を用いたウェットエッチングや反応性イオンエッチングなどのドライエッチングを用いる。
【0059】
次に、図4Hに示すように、コンタクトホール65、67を埋め込むように成膜した電極膜をパターニングしてソース電極15及びドレイン電極17を形成する。ソース電極15及びドレイン電極17の材料には、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)などの金属配線に用いる金属材料を好適に用いることができる。また、チタン/ニッケル/銀(Ti/Ni/Ag)などの積層膜をソース電極15及びドレイン電極17に用いてもよい。ソース電極15及びドレイン電極17の形成は、スパッタ法や電子ビーム(EB)蒸着法などにより全面に金属材料を堆積した後、金属材料をエッチングして形成する。また、メッキプロセスによってコンタクトホールを金属材料で埋め込んで、ソース電極15及びドレイン電極17を形成してもよい。こうして、ソース電極15及びドレイン電極17が形成されると、本実施形態に係る半導体装置100が完成する。
【0060】
[第1実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置100では、ソース領域3と接し、かつゲート電極21とゲート絶縁膜19を介して接するように寄生容量低減領域11を形成し、寄生容量低減領域11の抵抗値をソース領域3よりも高くする。これにより、ソース電極15とゲート電極21の間に発生するゲートソース間容量CGSを低減することができる。そして、ゲートソース間容量CGSを低減したことによって、半導体装置100のスイッチング時間を短縮することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が基板1と同一の材料で形成されている。これにより、ソース領域3を形成するときにマスキングによって同時に寄生容量低減領域11を形成できるので、製造プロセスの増加を防止することができる。
【0062】
さらに、本実施形態に係る半導体装置100では、基板1を絶縁基板とする。これにより、半導体装置100を冷却器等に実装する際に、別体の絶縁性基板の使用を省略することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11をソース領域3の表面から基板1の深さまで形成する。これにより、寄生容量低減領域11の深さが浅い場合と比較して、ゲートソース間容量CGSの低減効果をより大きくすることができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る半導体装置100では、基板1が炭化珪素で形成されている。これにより、炭化珪素の高い熱伝導率特性を利用して冷却性能を高くすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る半導体装置100では、ウェル領域5とドリフト領域7がワイドバンドギャップ半導体から形成されている。これにより、低いオン抵抗と高い絶縁破壊電界を両立させることができる。
【0066】
さらに、本実施形態に係る半導体装置100では、基板1とドリフト領域7を同一の材料から形成する。これにより、異なる材料を用いた場合に生じる格子不整合等の性能劣化を防止することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、イオン注入により基板1に不純物を添加して、ソース領域3とウェル領域5とドリフト領域7とドレイン領域9を形成する。これにより、エピタキシャル成長で形成した場合と比較して製造コストを大きく削減することができる。
【0068】
さらに、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、ソース領域3とウェル領域5とドリフト領域7とドレイン領域9を、イオン注入のときに深さ方向の不純物濃度を変化させて形成する。これにより、深さ方向のドープ濃度を自由に設計して、最大印加電圧をより向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、ソース領域3をイオン注入で形成するときに、ソース領域3が形成される領域の一部をマスキングして、寄生容量低減領域11を形成する。これにより、ソース領域3と寄生容量低減領域11を同時に作製することができ、製造プロセスの増加を防止することができる。
【0070】
[第2実施形態]
以下、本発明を適用した第2実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
[半導体装置の構造]
図5は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す図である。図5に示すように、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が、ソース領域3よりも不純物濃度が低いP型の半導体材料で形成されていることが第1実施形態と相違している。また、寄生容量低減領域11が、ソース領域3よりも不純物濃度が低いN型の半導体材料で形成されていてもよい。
【0072】
このように、寄生容量低減領域11は、ソース領域3よりも不純物濃度が低いN型またはP型の半導体材料で形成されているので、抵抗値がソース領域3よりも高くなる。このような寄生容量低減領域11を形成することにより、ソース電極15とゲート電極21の間のソース領域3にゲート電極21から空乏層を広げることができるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。尚、その他の構成については、第1実施形態と同様の構造となるので、詳細な説明は省略する。
【0073】
[半導体装置の製造方法]
次に、図6を参照して、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を説明する。ただし、第1実施形態で説明した製造方法と相違する工程のみを説明し、第1実施形態と同一の工程については詳細な説明を省略する。
【0074】
第1実施形態と同様の方法で、基板1にウェル領域5を形成した後に、図6に示すように、基板1及びウェル領域5の上に形成されたマスク材71をパターニングして、寄生容量低減領域11及びコラム領域13を形成する領域を露出させる。そして、マスク材71をマスクとして基板1にP型の不純物を選択的に添加するイオン注入を行って、寄生容量低減領域11及びコラム領域13を形成する。この後、第1実施形態と同様の方法で、半導体装置100を完成させる。
【0075】
また、寄生容量低減領域11がN型の半導体材料で形成されている場合には、コラム領域13を形成する工程とは別に、寄生容量低減領域11を形成する工程を設ければよい。その工程では、基板1及びウェル領域5の上に形成されたマスク材をパターニングして、寄生容量低減領域11を形成する領域を露出させ、マスク材をマスクとして基板1にN型の不純物を添加するイオン注入を行えばよい。
【0076】
[第2実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が、ソース領域3よりも不純物濃度が低いN型の半導体材料で形成されている。これにより、ソース電極15とゲート電極21の間のソース領域3にゲート電極21から空乏層を広げることができるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。
【0077】
また、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が、ソース領域3よりも不純物濃度が低いP型の半導体材料で形成されている。これにより、ソース電極15とゲート電極21の間のソース領域3にゲート電極21から空乏層を広げることができるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。
【0078】
[第3実施形態]
以下、本発明を適用した第3実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
[半導体装置の構造]
図7は、本実施形態に係る半導体装置の構造を示す図である。図7に示すように、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が、絶縁膜で形成されていることが第1実施形態と相違している。また、図8に示すように、寄生容量低減領域11が溝で形成されていてもよい。
【0080】
このように、寄生容量低減領域11は絶縁膜で形成されているので、抵抗値がソース領域3よりも高くなる。また、寄生容量低減領域11が溝である場合も、抵抗値はソース領域3よりも高くなる。このように寄生容量低減領域11を絶縁膜で形成することにより、ソース電極15とゲート電極21の間に非常に小さな絶縁体容量を挟むことになるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。また、寄生容量低減領域11を溝にしたことにより、溝の両端の容量がゼロになるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。尚、その他の構成については、第1実施形態と同様の構造となるので、詳細な説明は省略する。
【0081】
[半導体装置の製造方法]
次に、図9A図9Bを参照して、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を説明する。ただし、第1実施形態で説明した製造方法と相違する工程のみを説明し、第1実施形態と同一の工程については詳細な説明を省略する。
【0082】
第1実施形態と同様の方法で、基板1上にウェル領域5、コラム領域13、ドリフト領域7、ソース領域3及びドレイン領域9を形成した後に、マスク材を成長させる。そのマスク材の上にレジストをパターニングして、ドライエッチングまたはウェットエッチングにより、ソース領域3の一部を選択的にエッチングして、図9Aに示すように、寄生容量低減領域11を埋め込む溝81を形成する。この結果、溝81は、ソース領域3とウェル領域5に接する位置に形成される。
【0083】
次に、図9Bに示すように、溝81の内部に絶縁膜83を形成する。絶縁膜83は、溝81が埋まる程度の膜厚まで成長させる。本実施形態では、絶縁膜83として、シリコン酸化膜を用いるが、シリコン窒化膜であってもよい。そして、ドライエッチングもしくはウェットエッチングによって平坦化して、溝81の中にシリコン酸化膜が埋め込まれた寄生容量低減領域11を形成する。この後、第1実施形態と同様の方法で、半導体装置100を完成させる。尚、寄生容量低減領域11が溝である場合には、絶縁膜83を形成せずに溝81を残したままゲート電極21を形成する工程へ進めばよい。
【0084】
[第3実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が絶縁膜83で形成されている。これにより、ソース電極15とゲート電極21の間に非常に小さな絶縁体容量を挟むことになるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。
【0085】
また、本実施形態に係る半導体装置100では、寄生容量低減領域11が溝81で形成されている。これにより、溝81の両端の容量をゼロにすることができるので、ゲートソース間容量CGSを低減することができる。
【0086】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0087】
1 基板
3 ソース領域
5 ウェル領域
7 ドリフト領域
9 ドレイン領域
11 寄生容量低減領域
13 コラム領域
15 ソース電極
17 ドレイン電極
19 ゲート絶縁膜
21 ゲート電極
51、53、55、57、71 マスク材
59 ゲート溝
61 ゲート配線
63 層間絶縁膜
65 ソース電極コンタクトホール
67 ドレイン電極コンタクトホール
81 溝
83 絶縁膜
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B