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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】回転力付与機構
(51)【国際特許分類】
   B25B 21/00 20060101AFI20240725BHJP
   B25B 23/14 20060101ALI20240725BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
B25B21/00 R
B25B23/14 640M
H02G1/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022566871
(86)(22)【出願日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 JP2021043122
(87)【国際公開番号】W WO2022118724
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2020199757
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(72)【発明者】
【氏名】石垣 正幸
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-254339(JP,A)
【文献】特許第5663343(JP,B2)
【文献】実開平05-034322(JP,U)
【文献】特開2002-254259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
B25B 23/14
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔回転操作具に配設された回転工具に回転力を付与する回転力付与機構であって、
操作棒の操作部に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構に取り付けられるように構成され、
前記回転力伝達機構に連結される出力アッセンブリと駆動装置に連結される入力アッセンブリとの間に、減速機構が配設され
回転力付与機構は、取付部材により、操作棒に取り付けられるとともに駆動装置に取り付けられ、
前記取付部材は、回転力付与機構を間に挟んで操作棒と駆動装置との間に掛け渡される第1架設部及び第2架設部を備え、
第1架設部と第2架設部とは、回転力付与機構の減速機構ケースを第1架設部と第2架設部との間に挟み込むように取り付けられ、
第1架設部及び第2架設部は、駆動装置を挟み込むように取り付けられ、
取付部材により連結された回転力付与機構と駆動装置とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸と駆動装置の駆動装置出力シャフトとは平行になるように、取付部材により連結され、
回転力付与機構と操作棒とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸の軸心と操作棒の軸心とが直交するように取付部材により連結されたことを特徴とする、
遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項2】
遠隔回転操作具に配設された回転工具に回転力を付与する回転力付与機構であって、
操作棒の操作部に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構に取り付けられるように構成され、
前記回転力伝達機構に連結される出力アッセンブリと駆動装置に連結される入力アッセンブリとが配設され、
前記駆動装置の駆動装置出力シャフトと、前記出力シャフトに連結される入力アッセンブリを構成する入力シャフトとに、適宜なトルク以上で切断する接続構造を備え
回転力付与機構は、取付部材により、操作棒に取り付けられるとともに駆動装置に取り付けられ、
取付部材は、回転力付与機構を間に挟んで操作棒と駆動装置との間に掛け渡される第1架設部及び第2架設部を備え、
第1架設部と第2架設部とは、回転力付与機構の減速機構ケースを第1架設部と第2架設部との間に挟み込むように取り付けられ、
第1架設部及び第2架設部は、駆動装置を挟み込むように取り付けられ、
取付部材により連結された回転力付与機構と駆動装置とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸と駆動装置の駆動装置出力シャフトとは平行になるように、取付部材により連結され、
回転力付与機構と操作棒とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸の軸心と操作棒の軸心とが直交するように取付部材により連結されたことを特徴とする、
遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項3】
前記駆動装置の駆動装置出力シャフトに連結された入力アッセンブリに伝動接続された小さい外径の第1歯車と、前記回転力伝達機構に伝動接続される大きい外径の第2歯車とを備え、
前記第1歯車及び第2歯車は回転軸を備え、
前記第1歯車の歯の数より第2歯車の歯の数の方が多く、第1歯車より第2歯車の回転速度が遅く、その遅い回転速度で入力アッセンブリの回転力が前記回転力伝達機構に付与されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項4】
前記駆動装置の駆動装置出力シャフトに連結された入力アッセンブリに伝動接続された小さい外径の第1歯車と、前記回転力伝達機構に伝動接続された大きい外径の第2歯車との間に、第3歯車及び第4歯車が介在しており、
前記第3歯車と第4歯車とは、同一の回転軸を中心に回転するように構成され、
前記第3歯車は前記第1歯車と噛み合い且つ前記第4歯車は前記第2歯車と噛み合い、
前記第3歯車は前記第1歯車より歯の数が多く且つ前記第4歯車は前記第2歯車より歯の数が少なく、更に、前記第3歯車は前記第4歯車より歯の数が少ないとともに、前記第1歯車の歯の数より第2歯車の歯の数の方が多く、
第1歯車より第2歯車の回転速度が遅く、その遅い回転速度で入力アッセンブリの回転力が前記回転力伝達機構に付与されることを特徴とする、請求項3に記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項5】
適宜なトルク以上で剪断する接続構造は、前記駆動装置の駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとが、接続具で連結される構造であり、
前記接続具は、同軸状に連結された駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとに跨がり、その軸の伸びる方向と交差する方向に伸びて、駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとを連結し、
前記接続具は、適宜なトルク以上で剪断するように、その線径及び/又は硬度が選択されるように構成されていること若しくは窪み又は切削による面取りが選択されることを特徴とする、請求項2に記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項6】
操作棒は、
回転力により回転工具に力を付与する回転力伝達機構を備え、
前記回転力伝達機構は、
回転工具を連結するための工具連結機構と、
操作棒の軸方向の周りを回転可能に支持された駆動軸と、
前記駆動軸を回転させるために操作部に設けられた回転変換機構とを
備えている、請求項1ないし5のいずれかに記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項7】
減速機構は、歯車及び回転軸を装填する減速機構ケースを備え、
前記減速機構ケースは、歯車及び回転軸を囲む外壁と、外壁並びに歯車及び回転軸を保持するための覆壁と、前記覆壁と対向して外壁の内側を覆い、歯車及び回転軸を保持する蓋部とを備え、
第1架設部と第2架設部とは、駆動装置取付部において回転力付与機構の減速機構ケースの上部を第1架設部と第2架設部との間に挟み持つように取り付けられた、
請求項1又は2に記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【請求項8】
操作棒と駆動装置とは、操作棒の操作部を構成する直線棒状の握持部と、駆動装置のハンドグリップの軸心とが 平行となるように取付部材により連結されている、
請求項1又は2に記載の遠隔回転操作具の回転力付与機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔回転操作具に取り付けられる工具に回転力を付与する回転力付与機構に関し、特に、例えば、架空電線の配線工事等を間接活線工法で行う場合に使用される操作棒の手元の操作部に設けられた、駆動軸を回転させる回転変換機構に取り付けられるように構成された回転力付与機構に関する。
【背景技術】
【0002】
架空電線の配線工事等を間接活線工法で行う場合に使用される遠隔回転操作具として、特許文献1及び2に記載の遠隔回転操作具が提案されている。
特許文献1の遠隔回転操作具は、遠隔操作棒の操作部に電動ドリルの回転軸を直接的に接続し、操作棒の先端に取り付けた回転工具を回転させる駆動軸を回転させるように構成されている。
特許文献2の遠隔回転操作具は、遠隔絶縁操作棒に内蔵した回転軸の手元側端部に電動ドリルを軸方向に連結され、回転軸の先端側には回転して締結などを行う、ビット、ソケット及びレンチなどの回転工具が設けられるように構成されている。
この遠隔回転操作具は、操作ハンドルに代えて電動ドリルを接続しその回転力を利用して、締結作業、締結解除作業が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/152996号
【文献】特許第5663343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、例えば高圧線を対象にした工法においては、締結に高トルクが必要となるために、高トルクの電動ドリルが必要となるが、回転速度が早すぎると高所にある回転工具の操作に苦労することが多い。
特許文献1の(トリガー型)電動ドリル(駆動装置)は、直接的に工具操作棒に接続しているため、工具操作棒の先端部に取り付けられたエンドエフェクタ(先端部に取り付けられる回転工具が作用する部材、例えば電線把持工具の把持部、電線切断工具や皮剥工具の切断刃等)が、作業対象物(例えば、電線)に接触したときに、駆動装置の出力軸には、工具操作棒の出力軸連結部から大きな反力(トルク)が作用して、駆動装置のハンドル部を把持する作業者に対する負担が大きい。
特許文献2の電動ドリルは、遠隔絶縁操作棒に内蔵した回転軸と、軸方向に連結されたものであり、その電動ドリルの回転数は、電動ドリルのオン・オフにより回転数が変化するものではない。
一般的なトリガー型電動ドリルは、トリガーの握りの程度により回転数が変化するものであり、強く握れば握るほど、回転数が増加する。このような(トリガー型)電動ドリルにより作業する場合、作業現場において、トリガーの握りの程度を調整しながら作業することは困難であり、強く握った状態、すなわち、回転数が最大値となる状態で作業することが通常行われる作業状態である。そこで、工具操作棒の先端に取り付けられる回転工具に対して必要なトルクが得られるようなものが望まれている。
また、工具操作棒の先端部に取り付けられたエンドエフェクタ(先端部に取り付けられる工具が作用する部材、例えば電線把持工具の把持部、電線切断工具や皮剥工具の切断刃等)が、作業対象物(例えば、電線)に接触したときに、駆動装置の出力軸に、工具操作棒の出力軸連結部から大きな反力(トルク)が作用したとき、連結工具や電動ドリルに対しても大きな反力を受けることになり、作業者の安全性を阻害することになる。
そこで、所定の反力(トルク)以上の反力(トルク)が作用したとしても、作業者の安全を確保するものが望まれている。
【0005】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その主たる目的は、回転工具を回転させる回転軸の回転速度が早すぎて操作に苦労をすることがなく、操作者に対する大きな反力による負担を低減させることができる、遠隔回転操作具の駆動軸に回転力を付与する回転力付与機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、遠隔回転操作具に配設された回転工具に回転力を付与する回転力付与機構であって、
操作棒の操作部に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構に取り付けられるように構成され、
回転力伝達機構に連結される出力アッセンブリと駆動装置に連結される入力アッセンブリとの間に、減速機構が配設され
回転力付与機構は、取付部材により、操作棒に取り付けられるとともに駆動装置に取り付けられ、
前記取付部材は、回転力付与機構を間に挟んで操作棒と駆動装置との間に掛け渡される第1架設部及び第2架設部を備え、
第1架設部と第2架設部とは、回転力付与機構の減速機構ケースを第1架設部と第2架設部との間に挟み込むように取り付けられ、
第1架設部及び第2架設部は、駆動装置を挟み込むように取り付けられ、
取付部材により連結された回転力付与機構と駆動装置とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸と駆動装置の駆動装置出力シャフトとは平行になるように、取付部材により連結され、
回転力付与機構と操作棒とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸の軸心と操作棒の軸心とが直交するように取付部材により連結されたことを特徴とする、
遠隔回転操作具の回転力付与機構である。
【0007】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、遠隔回転操作具に配設された回転工具に回転力を付与する回転力付与機構であって、
操作棒の操作部に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構に取り付けられるように構成され、
回転力伝達機構に連結される出力アッセンブリと駆動装置に連結される入力アッセンブリとが配設され、
前記駆動装置の駆動装置出力シャフトと、前記出力シャフトに連結される入力アッセンブリを構成する入力シャフトとに、適宜なトルク以上で切断する接続構造を備え
回転力付与機構は、取付部材により、操作棒に取り付けられるとともに駆動装置に取り付けられ、
取付部材は、回転力付与機構を間に挟んで操作棒と駆動装置との間に掛け渡される第1架設部及び第2架設部を備え、
第1架設部と第2架設部とは、回転力付与機構の減速機構ケースを第1架設部と第2架設部との間に挟み込むように取り付けられ、
第1架設部及び第2架設部は、駆動装置を挟み込むように取り付けられ、
取付部材により連結された回転力付与機構と駆動装置とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸と駆動装置の駆動装置出力シャフトとは平行になるように、取付部材により連結され、
回転力付与機構と操作棒とは、回転力付与機構の減速機構を構成する回転軸の軸心と操作棒の軸心とが直交するように取付部材により連結されたことを特徴とする、
遠隔回転操作具の回転力付与機構である。
【0008】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、前記駆動装置の駆動装置出力シャフトに連結された入力アッセンブリに伝動接続された小さい外径の第1歯車と、回転力伝達機構に伝動接続される大きい外径の第2歯車とを備え、
前記第1歯車及び第2歯車は回転軸を備え、
前記第1歯車の歯の数より第2歯車の歯の数の方が多く、第1歯車より第2歯車の回転速度が遅く、その遅い回転速度で入力アッセンブリの回転力が回転力伝達機構に付与されていても良い。
【0009】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、前記駆動装置の駆動装置出力シャフトに連結された入力アッセンブリに伝動接続された小さい外径の第1歯車と、前記回転力伝達機構に伝動接続された大きい外径の第2歯車との間に、第3歯車及び第4歯車が介在しており、
前記第3歯車と第4歯車とは、同一の回転軸を中心に回転するように構成され、
前記第3歯車は前記第1歯車と噛み合い且つ前記第4歯車は前記第2歯車と噛み合い、
前記第3歯車は前記第1歯車より歯の数が多く且つ前記第4歯車は前記第2歯車より歯の数が少なく、更に、前記第3歯車は前記第4歯車より歯の数が少ないとともに、前記第1歯車の歯の数より第2歯車の歯の数の方が多く、
第1歯車より第2歯車の回転速度が遅く、その遅い回転速度で入力アッセンブリの回転力が回転力伝達機構に付与されるように構成されてもよい。
【0010】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、適宜なトルク以上で剪断する接続構造は、駆動装置の駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとが、接続具で連結される構造であり、
前記接続具は、同軸状に連結された駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとに跨がり、その軸の伸びる方向と交差する方向に伸びて、駆動装置出力シャフトと入力アッセンブリを構成する入力シャフトとを連結し、
前記接続具は、適宜なトルク以上で剪断するように、その線径及び/又は硬度が選択されるように構成されていること若しくは窪み又は切削による面取りが選択されていても良い。
【0011】
この発明の遠隔回転操作具の回転力付与機構は、
操作棒は、
回転力により回転工具に力を付与する回転力伝達機構を備え、
前記回転力伝達機構は、
回転工具を連結するための工具連結機構と、
操作棒の軸方向の周りを回転可能に支持された駆動軸と、
駆動軸を回転させるために操作部に設けられた回転変換機構とを備えていても良い。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、駆動装置と操作棒との間に減速機構が配設されているので、操作棒に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構からの大きな反力(トルク)を低減させることができる。
請求項2の発明によれば、操作棒に設けられた回転工具を回転させる回転力伝達機構からの大きな反力(トルク)が作用したとき、接続構造が破壊されて駆動装置を空回りさせること等により、作業者の安全を確保することができる。
【0013】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施の形態である遠隔回転操作具の操作棒及び回転力付与機構の斜視図解図である。
図2図1図示の回転力付与機構の斜視図解図である。
図3図1図示の回転力付与機構の要部の内部を示す正面図解図である。
図4図1図示の回転力付与機構の斜視図解図である。
図5図1図示の回転力付与機構の正断面図解図である。
図6図1図示の回転力付与機構の要部の斜視図解図である。
図7A】回転力付与機構を構成する構成部品の図解図である。
図7B】回転力付与機構を構成する構成部品の分解した状態を示す図解図である。
図8図1図示の回転力付与機構の取付部材の斜視図解図である。
図9】取付部材を減速機構及び駆動装置に取り付けた状態を示す平面図解図である。
図10】取付部材を減速機構及び駆動装置に取り付けた状態を示す斜視図解図である。
図11】操作棒の縦断面図解図である。
図12】操作棒の縦断面図解図である。
図13】操作棒の正面図解図である。
図14図1図示の回転力付与機構の使用方法を示す斜視図解図である。
図15図1図示の操作棒の先端に回転工具を取り付けた状態を示す図解図である。
図16図1図示の操作棒の先端に回転工具を取り付けた状態を示す斜視図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態である遠隔回転操作具について、主として図1ないし図6に基づいて説明する。
この発明に係る遠隔回転操作具10は、先端に回転工具500が取り付けられる操作棒12と、該操作棒12に配設され、駆動装置300の回転力を先端の回転工具500に伝達する回転力伝達機構20に回転力を付与する回転力付与機構14とを備えている。
【0016】
操作棒12は、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302の回転力により、その先端に配設された回転工具500に回転力を付与する回転力伝達機構20を備え、
前記回転力伝達機構20は、
工具連結機構26と回転変換機構24との間に配設され、操作棒12の軸方向の周りを回転可能に支持された駆動軸22と、
駆動軸22を回転させるために操作部36に設けられた回転変換機構24と、
回転工具500を連結するための工具連結機構26とを備えている。
【0017】
回転力付与機構14は、操作棒12の操作部36に設けられた駆動軸22を回転させる回転変換機構24に取り付けられるように構成されている。
回転力付与機構14は、駆動装置300に連結される入力アッセンブリ28と回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24に連結される出力アッセンブリ30との間に、減速機構40が配設されている。
【0018】
遠隔回転操作具10の駆動軸22に回転力を付与する回転力付与機構14は、
回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24に連結される出力アッセンブリ30と、駆動装置300に連結される入力アッセンブリ28とが配設され、
前記駆動装置300の駆動装置出力シャフト302と、前記駆動装置出力シャフト302に連結される入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)とに、適宜なトルク以上で剪断する接続構造80を備えている。
【0019】
回転力付与機構14は、前記駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に連結された入力アッセンブリ28を構成する、駆動装置出力シャフト302に伝動接続された小さい外径の第1歯車42と、出力アッセンブリ30を構成する、回転変換機構24に伝動接続される大きい外径の第2歯車44とを備えている。
前記第1歯車42は、第2歯車44より小さな外径であり、第1歯車42の歯の数は、第2歯車44の歯の数より少ない。
第2歯車44は、第1歯車42より大きな径であり、第2歯車44の歯の数の方が第1歯車42より多い。
それゆえに、第1歯車42より第2歯車44の回転速度が遅く、第2歯車44の遅い回転速度で入力アッセンブリ28の回転力が回転変換機構24に付与される。
【0020】
入力アッセンブリ28は、第1歯車42に第1回転軸50が取り付けられ、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に連結されて第1歯車42を回転させるように構成されている。第1回転軸50は、入力シャフトを構成している。
【0021】
出力アッセンブリ30は、第2歯車44に第2回転軸が取り付けられ、前記第1歯車42により回転されて、第2歯車44及び第2回転軸52を回転させるように構成されている。
第2回転軸52は、回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24に取り付けられて、回転変換機構24を介して、操作棒12の駆動軸22、工具連結機構26及び回転工具500を回転させるように構成されている。
【0022】
第1回転軸(入力シャフト)50は、第1歯車42を固定する歯車固定部たる固定凸部50aと、第1歯車42の回転を止めるための回転止め50bと、第1歯車42を係止させる歯車係止部50cとを備えている。
更に、第1回転軸(入力シャフト)50は、軸受(第4軸受56b)を止めるための軸受係止部50eを備えている。
【0023】
第2回転軸52は、第2歯車44を固定するための歯車固定部たる固定凸部52aと、第2歯車44の回転を止めるための回転止め52bと、第2歯車44を係止させる歯車係止部52cとを備えている。
更に、第2回転軸52は、軸受(第2軸受58a)を止めるための軸受係止部52eを備えている。
【0024】
第1の実施の形態においては、前記駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に連結されて伝動接続された小さい外径の第1歯車42と、前記回転変換機構24に伝動接続された大きい外径の第2歯車44との間に、第3歯車46及び第4歯車48が介在している。
前記第3歯車46と第4歯車48とは、同一の回転軸である第3回転軸54を中心に回転するように構成されている。
【0025】
第3回転軸54は、第3歯車46を固定するための歯車固定部たる固定凸部54aと、第3歯車46の回転を止めるための回転止め54bと、第3歯車46を係止させる歯車係止部54cとを備えている。
更に、第3回転軸54は、第4歯車48を固定するための歯車固定部たる固定凸部54fと、第4歯車48の回転を止めるための回転止め54dと、第4歯車48を係止させる歯車係止部54gとを備えている。
更に、第3回転軸54は、軸受を止めるための軸受係止部54eを備えている。
【0026】
第1歯車42は、第1回転軸(入力シャフト)50を嵌挿するための貫通穴により構成された、軸固定部(図示せず)と、軸受(第1軸受56a)を止めるための軸受係止部42eとを備えている。
【0027】
第2歯車44は、第2回転軸52を嵌挿するための貫通穴により構成された、軸固定部(図示せず)と、軸受(第5軸受58b)を止めるための軸受係止部44eとを備えている。
【0028】
第3歯車46は、第3回転軸54を嵌挿するための貫通穴により構成された、軸固定部(図示せず)を備えている。
第4歯車48は、第3回転軸54を嵌挿するための貫通穴により構成された、軸固定部(図示せず)と、軸受(第6軸受60b)を止めるための軸受係止部48eとを備えている。
【0029】
第1回転軸(入力シャフト)50は、第1歯車42が歯車固定部たる固定凸部50aの左端部の段差部である歯車係止部50cに当接させて固定されるように構成されている。
第1回転軸(入力シャフト)50は、前記第1歯車42の軸受係止部42eに当接する位置において第1軸受56aが取り付けられるとともに、前記第1歯車42の右側において第4軸受56bが軸受係止部50eに当たる位置において取り付けられる。
【0030】
第2回転軸52は、第2歯車44が歯車固定部たる固定凸部52aの右端部の段差部である歯車係止部52cに当接させて固定されるように構成されている。
第2回転軸52は、前記固定凸部52aの軸受係止部52eに当接する位置において第2軸受58aが取り付けられるとともに、第2回転軸52に取り付けられた第2歯車44の軸受係止部44eに当たる位置において、第5軸受58bが取り付けられるように構成されている。
【0031】
第3回転軸54は、第3歯車46を固定するための歯車固定部たる固定凸部54aの右端部の段差部である歯車係止部54cに当接させて、第3歯車46が固定される。
第3回転軸54は、第4歯車48を固定するための歯車固定部たる固定凸部54fの右端部の段差部である歯車係止部54gに当接させて、第4歯車48が固定されるように構成されている。
第3回転軸54は、固定凸部54aの左端部の段差部である軸受係止部54eに第3軸受60aが係止固定されるとともに、第3回転軸54に取り付けられた第4歯車48の軸受係止部48eに当接する位置において第6軸受60bが取り付けられる。
第3回転軸54は、第3軸受60aを止めるための軸受係止部54eに当接する位置において、第3軸受60aが取り付けられる。
【0032】
第1歯車42は、貫通穴により構成された軸固定部(図示せず)に、他方側である左側、即ち駆動装置300側より第1回転軸(入力シャフト)50を嵌挿し、固定凸部50aの他方端である左端の段差部である歯車係止部50cに当接させ、回転止め50bにキーを嵌め入れて、第1回転軸(入力シャフト)50に固定される。
【0033】
第2歯車44は、貫通穴により構成された軸固定部(図示せず)に、一方側である右側より、即ち操作棒12側より、第2回転軸52を嵌挿し、固定凸部52aの一方端である右端の段差部である歯車係止部52cに当接させ、回転止め52bにキー嵌め入れて、第2回転軸52に固定される。
【0034】
第3歯車46は、貫通穴により構成された軸固定部(図示せず)に、一方側である右側より、即ち操作棒12側より、第3回転軸54を嵌挿して、固定凸部52aの右端部の段差部である歯車係止部54cに当接させて、回転止め54bにキーを嵌め入れて、第3回転軸54に固定される。
第4歯車48は、第3回転軸54を嵌挿するための貫通穴により構成された軸固定部(図示せず)に、一方側である右側、即ち操作棒12側より第3回転軸54を嵌挿して、回転止め54dにキーを嵌め入れて第3回転軸54に固定される。
【0035】
前記第3歯車46は、前記第1歯車42と噛み合い且つ前記第4歯車48は前記第2歯車44と噛み合う。
前記第3歯車46は、前記第1歯車42より歯の数が多く且つ前記第4歯車48は、前記第2歯車44より歯の数が少なく、更に、前記第3歯車46は、前記第4歯車48より歯の数が少ないとともに、前記第1歯車42の歯の数より第2歯車44の歯の数の方が多い。
それゆえに、第1歯車42より第2歯車44の回転速度が遅く、その遅い回転速度で入力アッセンブリ28の回転力が、出力アッセンブリ30に伝動接続された、回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24に付与される。
【0036】
この実施の形態の駆動装置300を構成する(トリガー型)電動ドリルは、トリガーの握りの程度により回転数が変化するものであり、強く握れば握るほど、回転数が増加する。このような(トリガー型)電動ドリルにより作業する場合、トリガーの握りの程度を調整しながら作業することは困難であり、強く握った状態、すなわち、回転数が最大値となる状態で作業することになる。減速機構40は、駆動装置300を構成する(トリガー型)電動ドリルと操作棒12の回転力伝達機構20との間に設けられ、減速機構40によって、操作棒12の先端に取り付けられる回転工具500に対して必要なトルクが得られるようになる。
【0037】
減速機構40は、図6に示すように、前記歯車及び回転軸等を装填する減速機構ケース70を備えている。
減速機構ケース70は、歯車及び回転軸等などを囲繞する外壁72と、外壁72及び歯車及び回転軸等などを保持するための覆壁74と、覆壁74と対向して外壁72内を覆い、歯車及び回転軸を保持する蓋部76とを備えている。
外壁72と覆壁74とは、合成樹脂で一体成型される。
蓋部76は、合成樹脂で一枚板状に成形されてなり、外壁72の開口部分に被せられるように、外壁72の外周と平面視ほぼ同じ形状に形成されている。
蓋部76は、連結部材78により、覆壁74に取り付けられている。
【0038】
蓋部76は、第1歯車42を入力アッセンブリ28の入力シャフト(第1回転軸50)に連結するために、入力シャフト(第1回転軸50)を蓋部76に取り付けるための軸受(第1軸受56a)が設けられている。
なお、入力シャフトと第1回転軸50とは、一体化された一本のシャフトが用いられている。
【0039】
蓋部76は、第2歯車44を蓋部76に取り付けるために、第2回転軸52を回転自在に取り付ける軸受(第2軸受58a)が設けられている。
更に、蓋部76は、第3歯車46及び第4歯車48を蓋部76に取り付けるために、第3回転軸54を回転自在に取り付ける軸受(第3軸受60a)が設けられている。
【0040】
覆壁74は、第1歯車42を蓋部76に取り付けるために、第1回転軸50を取り付けるための軸受(第4軸受56b)が設けられている。
覆壁74は、第2歯車44を蓋部76に取り付けるために、第2回転軸52を取り付けるための軸受(第5軸受58b)が設けられている。
覆壁74は、第3歯車46及び第4歯車48を覆壁74に取り付けるために、第3回転軸54を取り付けるための軸受(第6軸受60b)が設けられている。
【0041】
入力アッセンブリ28を構成する第1歯車42に固定された第1回転軸50は、直線状になるように駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に連結されており、第1歯車42を回転させるように構成されている。
そして、出力アッセンブリ30を構成する第2歯車44に取り付けられた第2回転軸は、第1歯車42に固定された第1回転軸50と平行に減速機構ケース70に取り付けられている。
したがって、前記第1歯車42によ回転により、第2歯車44及び第2回転軸52が回転する。
【0042】
駆動装置300の駆動装置出力シャフト302及び第1回転軸50を通る軸線(Y 1 )と、第2回転軸52を通る軸線(Y 2 )と、第3回転軸54を通る軸線(Y 3 )とは、平行に伸びている。
【0043】
駆動装置300は、主として回転力を付与する電動モータを備えるトリガー型電動ドリルで構成される。
前記駆動装置300は、回転力を出力する駆動装置出力シャフト302と、歯車伝達機構及び電動モータ308を内包するモータハウジング304と、モータハウジング304の下部にモータハウジング304に設けられた、トリガー型のハンドグリップ306と、電動モータ308を手動で作動させるスイッチ310と、バッテリーホルダ320とを備える。
【0044】
電動モータ308の回転力を出力する駆動装置出力シャフト302は、接続構造80及び第1回転軸(入力シャフト)50を介して第1歯車42と連結されている。
モータハウジング304は、歯車伝達機構及び電動モータ308を内包し、電動モータ308の駆動装置出力シャフト302が外部に露出している。
ハンドグリップ306は、電動モータ308を手動で作動させるスイッチ310がその中間部分の駆動装置出力シャフト302の突き出る側に設けられている。
バッテリーホルダ320は、ハンドグリップ306の下方に設けられている。
【0045】
適宜なトルク以上で剪断するなどして切断する接続構造80は、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302と入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)とが、接続具たるピン82で連結される構造を含んでいる。
ピン82は、駆動装置出力シャフト302と入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)とを接続する接続具を構成しており、同軸状に連結された駆動装置出力シャフト302と入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)とに跨がり、その軸の伸びる方向と交差する方向に伸びて、駆動装置出力シャフト302と入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)とを連結している。
【0046】
ピン82は、左右一対の棒状脚部と、該脚部の上部をつなぐ円形状頭部とを備えた割りピンで構成されている。前記脚部は、一方は直線状であり、他方は中央領域が湾曲した円弧状部を備えた形状であり、直線状の脚部は、ピン取り付け穴86に貫挿され、円弧状の脚部は、円弧状部がピン取り付け穴86の周りに挟み込まれるように構成されている。
【0047】
前記ピン82は、適宜なトルク以上で脚部で剪断するようにその線径及び/又は硬度が選択されるように構成されている。
ピン82は、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302の回転に伴い、駆動装置出力シャフト302と入力アッセンブリ28を構成する入力シャフト(第1回転軸50)が回転するとき、決められたトルク以上になったときに、剪断する。
また、ピン82は、窪みを設けるか面取りを施してC面やR面を形成することにより、決められたトルク以上になったときに、剪断するように構成しても良い。
【0048】
この実施の形態においては、入力アッセンブリ28を構成する第1歯車42に固定された第1回転軸50は、接続構造80を構成するために、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302側に、駆動装置出力シャフト302の先端部分を嵌合するための取り付け穴84aが穿ち設けられている。駆動装置300の駆動装置出力シャフト302の先端は、前記第1回転軸50の後端に設けられた取り付け穴84aを嵌合することができるように細く形成された取り付け凸部84bが設けられている。
第1回転軸50と駆動装置300の駆動装置出力シャフト302とは、取り付け穴84aに取り付け凸部84bを嵌合させて連結されており、第1歯車42を回転させるように構成されている。
【0049】
取り付け穴84aと取り付け凸部84bとは、それらを貫通する、ピン取り付け穴86が穿ち設けられている。
ピン取り付け穴86は、第1回転軸50を通る軸線Y1と直交する方向に向けて穿ち設けられており、上方からピン82の直線状の脚部を差し込み且つ円弧状の脚部の円弧状部をピン取り付け穴86の外面に係合させて固定することができるように構成されている。
【0050】
接続構造80を構成するピン82は、操作棒12の先端部に取り付けられたエンドエフェクタ(先端部に取り付けられる回転工具500が作用する部材:電線把持工具の把持部、電線切断工具や皮剥工具の切断刃等)が、作業対象物(たとえば、電線)に接触したときに、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に、操作棒12の回転力伝達機構20から大きな反力(トルク)が作用したとき、所定の反力(トルク)以上の反力(トルク)が作用したときに、接続構造80のピン82を破損させ、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302を空回りさせることで、作業者の安全を確保することができるように構成されている。
【0051】
回転力付与機構14は、取付部材330により、操作棒12に取り付けられると共に、駆動装置300に取り付けられる。
取付部材330は、回転力付与機構14を間に挟んで、操作棒12と駆動装置300との間に掛け渡される第1架設部332及び第2架設部334を備える。
第1架設部332及び第2架設部334は、角柱状棒状体であり、平行に、操作棒12と回転力付与機構14と駆動装置300との間に掛け渡されるように構成されている。
【0052】
取付部材330は、第1架設部332と第2架設部334との先端側に、操作棒12を取り付けるための操作棒係合部336を備えている。
操作棒係合部336は、操作棒12が嵌合され、間隔を置いて平行に配設された第1架設部332と第2架設部334との間に嵌合された操作棒12の外側において、第3固定具344が掛け渡されるように構成されている。そして、操作棒係合部336は、第3固定具344により締め付けられて第1架設部332と第2架設部334とが若干内側に撓むことにより挟み込みが強くなって操作棒12と一体化されるように構成されている。
操作棒係合部336は、操作棒12の外周面に適合するように、平面視円弧状の嵌合面を形成されている。
【0053】
第1架設部332と第2架設部334とは、駆動装置取付部338において回転力付与機構14の減速機構ケース70の上部を、第1架設部332と第2架設部334との間に挟み持つように取り付けられる。
それらの固定は、第1架設部332と第2架設部334の外側より第1固定具340を取り付け孔350に貫挿し、減速機構ケース70の取付部材取付穴356に捩じ込むことにより取り付けられる。
第1架設部332及び第2架設部334は、駆動装置300の上部を、モータハウジング304を挟み込むように取り付けられる。それらの固定は、第1架設部332と第2架設部334の外側より、第2固定具342を取り付け孔352に貫挿し、モータハウジング304の取付部材取付穴358に捩じ込むことにより取り付けられる。
【0054】
第1架設部332及び第2架設部334は、操作棒12を操作棒係合部336に嵌合した後、操作棒12の外側面を押さえるようにして第3固定具344により固定される。
第3固定具344は、第1架設部332と第2架設部334との先端部分において、それぞれに穿設された取り付け孔354と捩じ棒344aをそれらの間に掛け渡して、ナット344bと捩じ棒344aの頭とにより第1架設部332と第2架設部334とを挟持して操作棒12を固定するよう構成されている。
【0055】
取付部材330により連結された回転力付与機構14と駆動装置300とは、回転力付与機構14の減速機構40構成する第1回転軸50、第2回転軸52及び第3回転軸54と駆動装置300の駆動装置出力シャフト302とが平行になるように、取付部材330により連結されている。
【0056】
回転力付与機構14と操作棒12とは、図3において示すように、回転力付与機構14の減速機構40を構成する第2回転軸52の軸心(Y2線)と操作棒12の軸心(X1線)とが直交するように、取付部材330により連結されている。従って、第2回転軸52は、操作棒12の駆動軸22と直する。
【0057】
操作棒12と駆動装置300とは、操作棒12の操作部36を構成する後端のほぼ直線棒状の握持部と駆動装置300のハンドグリップ306の軸心(X 2 線)とが、平行となるように、取付部材330により連結されている。
【0058】
作業者が駆動装置300のハンドグリップ306を把持した状態で駆動装置300の駆動装置出力シャフト302を回転させると、操作棒12の先端に取り付けた回転工具500のエンドエフェクタ504が作業対象物(例えば電線)に接触した時に、駆動装置300の駆動装置出力シャフト302に、操作棒12の回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24などから大きな反力(大きなトルク)が作用する。
しかしながら、取付部材330は、駆動装置300が操作棒12から受ける反力によって駆動装置300全体が駆動装置出力シャフト302の周りに回転することを防止する。
【0059】
(操作棒)
この実施の形態の遠隔回転操作具10は、着脱自在に装着される回転工具に回転力を付与し、架空線の工事を行うための全天候型の遠隔回転操作具である。
この遠隔回転操作具10を構成する操作棒12は、例えば、図3図11図12および図13に示すように、軸方向を有する例えば円筒状の外筒412と、外筒412の中に外筒と軸中心を共有するようにして軸方向を有する例えば円筒状の内筒414が配設されている。内筒414は、外筒412と半径方向に間隔を隔てて、外筒412の中に配設されている。
【0060】
内筒414の中には、回転力伝達機構20を構成する駆動軸22が、内筒414の軸方向に伸びるように配設されている。
外筒412の軸方向の一方側、即ち操作者が握る下端側には、回転力伝達機構20を構成する回転変換機構24が配設されている。そして、回転変換機構24の下方には、操作部36を構成する操作者が握る握持部が設けられている。
【0061】
内筒414の軸方向の一方側には、たとえば図3および図11に示すように、当該内筒414と固定して連結される駆動軸22が配設されている。内筒414の軸方向の他方側には、内筒414と固定して連結される工具連結機構26が配設されている。また、駆動軸22には、当該駆動軸22に回転力を付与する回転力付与機構14が連結されている。工具連結機構26は、駆動軸22の回動に連動して、回転工具500に回転力を伝達している。
【0062】
外筒412の軸方向の一方側には、図3図11図12および図13に示すように、当該外筒412と固定して連結されるとともに、駆動軸22を回動自在に支持する駆動軸支持部422が配設されている。外筒412の軸方向の他方側には、当該外筒412と固定して連結されるとともに、工具連結機構26を回動自在に支持する伝達部材支持部424が配設されている。伝達部材支持部424には、回転工具500が工具連結機構26に着脱自在に装着可能となるように、当該回転工具500を工具連結機構26に案内する案内部426が配設されている。
【0063】
また、内筒414の軸方向の一方側には、たとえば図3および図13に示すように、固定ピン(図示せず)により駆動軸22が固定されて連結される。
また、駆動軸支持部422には、滑り軸受部430と、スラスト軌道輪等の複数のスラスト軸受部432とが組み込まれ、駆動軸22を回動自在に支持している。
【0064】
出力アッセンブリ30を構成する第2回転軸52が着脱自在に挿入される構造である継手部材440は、駆動側かさ歯車442に、たとえば圧入されて固着されている。
継手部材440は、駆動側かさ歯車442と一体となって回動自在となる。駆動側かさ歯車442に組み込まれた継手部材440は、滑り軸受部444と、スラスト軌道輪等の複数のスラスト軸受部446とにより、駆動側軸受ハウジング490に回動自在に支持されている。
【0065】
次に、上記した駆動軸22の回動に連動して、回転工具500に回転力を伝達する工具連結機構26および工具連結機構26を回動自在に支持する伝達部材支持部424について、主として図3図12および図13に基づいて、以下、説明する。
すなわち、内筒414の軸方向の他方側には、内筒414と固定して連結される工具連結機構26が配設されている。工具連結機構26は、たとえば図12に示すように、軸部本体450を含む。軸部本体450の軸方向の中間部には、たとえば3つの鍔片を有する拡径部452が形成されている。
また、軸部本体450は、その軸方向の一方側に開口部454を有し、開口部454は、たとえば断面視6角形の嵌合凹部456が形成されている。
【0066】
この工具連結機構26は、伝達部材支持部424により回動自在に支持されている。伝達部材支持部424は、外筒412の軸方向の他端側に連結されている。伝達部材支持部424は、たとえば図6に示すように、筒状体で構成される支持部本体460を含む。支持部本体460は、その軸方向の一端側から他端側に、漸次、内径の長さが大きくなるたとえば4つの挿通孔を有している。
【0067】
伝達部材支持部424には、架空線に関係する活線作業等に用いられる回転工具500が、工具連結機構26の嵌合凹部456に着脱自在に装着可能となるように、当該回転工具500を工具連結機構26に案内する案内部426が配設されている。すなわち、既述したように、伝達部材支持部424の支持部本体460において、挿通孔の部位が、案内部426として構成されている。
【0068】
この案内部426には、たとえば図13に示すように、支持部本体460の軸方向の一端側のピン孔462が連通されている。ピン孔462の内周面には、雌ネジ面が形成されている。そして、ピン孔462には、ロックピン470が装着されている。ロックピン470は、たとえば図13に示すように、工具ユニット装着手段480(図13の二点鎖線で示される)に組み込まれた状態で、伝達部材支持部424に着脱自在に装着されている。
【0069】
ロックピン470は、軸部472を含む。軸部472の軸方向の一端側には、頭部474が形成されている。また、軸部472の軸方向の他端側には、雄ネジ面476が形成されている。さらに、軸部472の軸方向の中間部には、その周囲にスプリング等の付勢部材478が巻回されている。さらに、頭部474には、つまみ部482が嵌着されている。ロックピン470は、その雄ネジ面476がピン孔462の雌ネジ面に螺合されることにより、ピン孔462に取り付けられる。
【0070】
(回転工具)
操作棒12の先端に取り付ける回転工具500は、例えば、図15に示すような、電線把持工具、電線切断工具、電線の絶縁被覆を剥ぎ取る皮剥工具などである。
回転工具500は、工具連結機構26に連結される連結回転軸502が下部に配設されており、作業対象物、例えば電線に接触するエンドエフェクタ504を上部に備えている。エンドエフェクタ504は、電線を把持する把持部、電線切断工具や皮剥ぎ工具の切断刃などである。
【0071】
(遠隔操作用掛止具)
例えば、回転工具500の一つである、遠隔操作用掛止具600は、図15及び図16に示されるように、被覆剥取装置650を装着して構成され、遠隔操作用掛止具600に連結される操作棒12からの操作によって、被覆剥取装置650を線状体である被覆電線(架空電線W)の中心軸回りに回転させ、被覆剥取装置650の皮剥ぎ刃652により空中に架線された被覆電線(架空電線W)の中間部あるいは端部の絶縁被覆B(架空電線W)を、皮剥ぎ刃652の刃幅に相当する長さで螺旋状に剥ぎ取るものである。
遠隔操作用掛止具600は、線状体である被覆電線(架空電線W)を挿脱自在に収容する線状体収容空間620が形成された遠隔操作用掛止具であり、
外周の一部を切り欠いて、中央部に線状体収容空間620が形成され、切り欠いた部分に線状体挿脱口622が形成されてなる回転盤612と、該回転盤612を回転可能に保持する保持体614と、該保持体614を支持するとともに、操作棒12の先端に取り付けられる操作棒取付手段616と、前記線状体挿脱口622に近接した前記回転盤612に揺動可能に取り付けられた開閉歯車片618とを備える。
【0072】
回転伝達部は、断面視L字状の形状を有する支持台630と、支持台630の底辺部の下方に取り付けられた支持筒642と、互いに直交して噛合する第1ベベルギアと第2ベベルギアと、第1ベベルギアの軸心に接続される連結回転軸640と、これらの構成部品を覆う側面視直角三角形状のカバー646とを備え、さらに、保持体614の内部に、第2ベベルギアと同軸に設けられたピニオン626を備えて構成されている。
連結回転軸640は、支持筒642の中心軸上に位置して配され、上端が第1ベベルギアの軸心部に接合されるとともに、下端には操作棒12の工具連結機構26と係合するために断面視六角形状の頭部644が設けられている。
【0073】
操作棒12としては、手元の駆動装置(電動ドリル)300を回転操作することにより、その回転が支持筒642及び第2ベベルギアを介してピニオン626の回動軸に伝達される、遠隔操作用操作棒が用いられる。
支持筒642に操作棒12の先端を差し込むことにより、連結回転軸640(頭部644)に操作棒12の工具連結機構26の先端部を連結させ、被覆剥取装置650を操作棒12の先端に支持することができる。そして、この状態で、操作棒12の駆動装置(電動ドリル)300を回転操作することにより、連結回転軸640を回転させ、連結回転軸640に接合された第1ベベルギアとこれに噛合する第2ベベルギアとを回転させ、さらに第2ベベルギアと同軸に取り付けられたピニオン626を回転させ、ピニオン626に噛合する回転盤612およびそれに回転盤保持部624を介して取り付けられた被覆剥取装置650を回転させることができる。
【0074】
その他、回転工具500としては、図15(B)及び(C)に示すような、フック状の電線を把持する把持部を備えた電線把持器具がある。
その他、回転工具500としては、図15(D)に示すような、帯状材を、例えば空中に架線された被覆電線などに部分的に巻きつける、帯状材巻き付け具がある。
【0075】
この遠隔回転操作具10を使用するときには、図14において示すように、操作棒12の操作部36の握持部分を、操作者が、例えば右手で握ると共に、駆動装置300のハンドグリップ306を、例えば左手で握り、操作棒12を上方に向けて持ち上げ、作業対象物、例えば架空電線Wに回転工具500を係り止めさせる。
【0076】
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
10 遠隔回転操作具
12 操作棒
14 回転力付与機構
20 回転力伝達機構
22 駆動軸
24 回転変換機構
26 工具連結機構
28 入力アッセンブリ
30 出力アッセンブリ
36 操作部
40 減速機構
42 第1歯車
42b 軸受連結部
42e 軸受係止部
44 第2歯車
44b 軸受連結部
44e 軸受係止部
46 第3歯車
48 第4歯車
48b 軸受連結部
48e 軸受係止部
50 第1回転軸(入力シャフト)
50a 固定凸部
50b 回転止め
50c 歯車係止部
50e 軸受係止部
52 第2回転軸
52a 固定凸部
52b 回転止め
52c 歯車係止部
52e 軸受係止部
54 第3回転軸
54a 固定凸部
54b 回転止め
54c 歯車係止部
54d 回転止め
54e 軸受係止部
54f 固定凸部
54g 歯車係止部
56a 第1軸受
58a 第2軸受
60a 第3軸受
56b 第4軸受
58b 第5軸受
60b 第6軸受
70 減速機構ケース
72 外壁
74 覆壁
76 蓋部
78 連結部材
80 接続構造
82 ピン
84a 取り付け穴
84b 取り付け凸部
86 ピン取り付け穴

300 駆動装置(電動ドリル)
302 駆動装置出力シャフト
304 モータハウジング
306 ハンドグリップ
308 電動モータ
310 スイッチ
320 バッテリーホルダ
330 取付部材
332 第1架設部
334 第2架設部
336 操作棒係合部
338 駆動装置取付部
340 第1固定具
342 第2固定具
344 第3固定具
344a 捩じ棒
344b ナット
350 取り付け孔
352 取り付け孔
354 取り付け孔
356 (減速機構ケース70の)取付部材取付穴
358 (モータハウジング304の)取付部材取付穴

412 外筒
414 内筒
422 駆動軸支持部
424 伝達部材支持部
426 案内部
430 滑り軸受部
432 スラスト軸受部
440 継手部材
442 駆動側かさ歯車
444 滑り軸受部
446 スラスト軸受部
448 従動側かさ歯車
450 軸部本体
452 拡径部
454 開口部
456 嵌合凹部
460 支持部本体
462 ピン孔
470 ロックピン
472 軸部
474 頭部
476 雄ネジ面
478 付勢部材
480 工具ユニット装着手段
482 つまみ部

490 駆動側軸受ハウジング

500 回転工具
502 連結回転軸
504 エンドエフェクタ

600 遠隔操作用掛止具
612 回転盤
614 保持体
616 操作棒取付手段
618 開閉歯車片
620 線状体収容空間
622 線状体挿脱口
624 回転盤保持部
626 ピニオン
630 支持台
640 連結回転軸
642 支持筒
644 頭部
646 カバー
650 被覆剥取装置
652 皮剥ぎ刃

W 架空電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
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図15
図16