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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-24
(45)【発行日】2024-08-01
(54)【発明の名称】タッチセンサ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240725BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240725BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 660
G06F3/044 122
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023032551
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2021556795の分割
【原出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2023065613
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0032387
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514217912
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132,Yakchon-ro,Iksan-si Jeollabuk-do 570-977,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョンイン
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョル フン
(72)【発明者】
【氏名】イム,チャン ギョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ミンソク
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0089351(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0149401(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/014940(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0157354(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0110662(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0136376(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0013531(KR,A)
【文献】特開2014-109997(JP,A)
【文献】特開2017-211984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/044-3/04895
G06F 3/14-3/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の感知セルが電気的に連結される感知セルグループを備える感知セル部;及び
前記感知セル部の外側に形成される配線部を備えるユニットパターンを含み、
前記配線部は、
前記感知セル部の一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線を備える第1サブ配線部;及び
前記第1サブ配線部よりも外側に配置され、前記感知セル部と電気的に連結されない非引き出し配線を備え且つ該非引き出し配線は大面積のタッチセンサを形成するために繰り返し形成される前記ユニットパターンの数から1を差し引いた数分を備える第2サブ配線部を含み、
n個の前記ユニットパターンを順次繰り返し形成して大面積のタッチセンサを構成し(nは、2以上の整数)、
n番目のユニットパターンの第2サブ配線部は、最外側の非引き出し配線を第1非引き出し配線とし、最内側の非引き出し配線を第n-1非引き出し配線としたとき、前記第1非引き出し配線は、隣接したn-1番目のユニットパターンから二番目ユニットパターンの各第2サブ配線部を順次経由して一番目のユニットパターンの第1サブ配線部に連結される、タッチセンサ。
【請求項2】
前記第1非引き出し配線から第n-1非引き出し配線までの配線は、それぞれ一番目のユニットパターンからn-1番目のユニットパターンまでの感知セル部と電気的に連結される、請求項に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽のための第3サブ配線部をさらに含む、請求項1または2に記載のタッチセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサに係り、より詳しくは、ステッチ(stitch)工法で大面積のパターンを形成することができるグループパターン及びこれを形成するための露光マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどのタッチセンサは、タッチ命令の入力を受ける入力装置であって、タッチ部分の感知方式に応じて抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、赤外線方式などがあり、近年は静電容量方式を主に利用している。
【0003】
静電容量方式は、伝導性薄膜が形成された透明基板を利用するものであって、一定量の電圧を透明基板の表面に保持させた状態でユーザが透明基板の表面をタッチすると接触面で電圧が変わり、このような電圧の変化を検知してタッチの有無を感知する。
【0004】
タッチセンサは、接触位置を精度よく判断するために透明基板にX、Y軸に沿って配列された複数の感知セルを含み得る。感知セルは、末端を除く残りのものを菱形などで構成し得る。感知セルは、X軸方向に連結された第1感知電極とY軸方向に連結された第2感知電極とに分けられ、それぞれ第1配線部と第2配線部を介して連結して構成し得る。
【0005】
第1、2配線部は、透明基板の側縁に沿って延びて透明基板の縁に形成されるパッド電極と接続し得る。パッド電極は、さらにフレキシブルプリント回路基板(FPCB)と接続し得る。FPCBは、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film、ACF)などを介してパッド電極と接着及び接続し得る。
【0006】
韓国特許登録第1068285号(液晶表示装置の露光マスクパターン及び露光方法)をみると、液晶表示装置のサブピクセル(sub pixel)またはピクセル(pixel)単位でレゴパターン(lego pattern)露光を進めてステッチ(stitch)不良及び画質不良を改善する方法を開示している。内容をみると、液晶表示装置においてアレイ基板のサブピクセルを第1露光領域と第2露光領域とに分割するステップ、第1露光領域と第2露光領域を順次露光するステップとで構成され、サブピクセルにおいて分割される第1露光領域と第2露光領域は2以上に分割されるレゴパターンであり、第1露光領域と第2露光領域とに分割して露光を進めるサブピクセルは、分割露光の進行の際にオーバラップ露光される領域のサブピクセルから構成されることを特徴としている。
【0007】
従来技術ではステッチ工法に露光マスクを適用する際にステッチ不良が発生することを解消する効果を達成するが、対称するパターンの他に非対称配線部を含むタッチセンサパターンを露光する方法についての提示はしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の問題点を解決するためのものであって、
第一、小面積の露光マスクで繰り返しパターニングすることで大面積のタッチセンサパターンを容易に形成することができ、
第二、プリント方式、ロール・ツー・ロール方式などにも適用することができる、露光マスク及びこれを介して形成されるタッチセンサを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明のタッチセンサは、感知セル部、配線部を含む第1グループパターンを含んでよい。
【0010】
感知セル部は、複数の感知セルが電気的に連結される感知セルグループを複数備えてよい。
【0011】
配線部は、感知セル部に隣接して形成してよい。
【0012】
配線部は、第1サブ配線部、第2サブ配線部を含んでよい。
【0013】
第1サブ配線部は、感知セル部に隣接して配置され、感知セルグループの一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線として構成してよい。
【0014】
第2サブ配線部は、第1サブ配線部よりも外側に配置され、感知セル部と電気的に連結されない非引き出し配線として構成してよい。
【0015】
本発明のタッチセンサは、第1グループパターンと隣接配置され且つ第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含んでよい。この場合、第1グループパターンの第2サブ配線部の一部の非引き出し配線は、第2グループパターンの第1サブ配線部の引き出し配線に接続して信号を伝達する信号伝達配線であってよい。
【0016】
本発明のタッチセンサにおいて、第1グループパターンの第2サブ配線部の他の一部の非引き出し配線は、第1グループパターンの第2サブ配線部の非引き出し配線に接続し且つ信号を伝達しないダミー配線であってよい。
【0017】
本発明のタッチセンサは、第1グループパターンと隣接して配置され且つ第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含んでよい。この場合、第1グループパターンの第2サブ配線部の非引き出し配線は、第2グループパターンの第1サブ配線部の引き出し配線及び第2サブ配線部の一部の非引き出し配線に接続して信号を伝達する信号伝達配線であってよい。
【0018】
本発明のタッチセンサにおいて、第2サブ配線部の非引き出し配線は、信号を伝達しないダミー配線であってよい。
【0019】
本発明のタッチセンサは、第1グループパターンと隣接して配置され且つ第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含んでよい。この場合、第1グループパターンの第2サブ配線部の一部の非引き出し配線は、第2グループパターンの第2配線部の一部の非引き出し配線に接続してよい。
【0020】
本発明のタッチセンサは、第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽のための第3サブ配線部をさらに含んでよい。
【0021】
本発明に係る露光マスクは、感知セル部に隣接して複数の配線を形成する貫通スリットを備える配線マスク部を含んでよい。
【0022】
配線マスク部は、第1、2サブ配線マスク部を含んでよい。
【0023】
第1サブ配線マスク部は、感知セル部の一方側端部の感知セルに連結される第1サブ配線部を形成する第1貫通スリットを備えてよい。
【0024】
第2サブ配線マスク部は、第1サブ配線マスク部よりも外側に配置され且つ感知セル部の感知セルと連結されない第2サブ配線部を形成する第2貫通スリットを備えてよい。
【0025】
本発明に係る露光マスクは、感知セルマスク部を選択的にさらに含んでよい。感知セルマスク部は、配線マスク部の側方に形成され且つ感知セル部の感知セルを形成する貫通孔を備えてよい。
【0026】
本発明に係る露光マスクは、第2サブ配線マスク部の外側にノイズ遮蔽用ダミー配線を形成する第3貫通スリットを備えてよい。
【0027】
本発明に係る露光マスクにおいて、第2貫通スリットは、第1貫通スリットよりも数が多くてよい。
【0028】
本発明に係るタッチセンサは、複数の感知セルが電気的に連結される感知セルグループを備える感知セル部と、感知セル部の外側に形成される配線部を備えるユニットパターンを繰り返し含んでよい。
【0029】
配線部は、第1サブ配線部と第2サブ配線部を含んでよい。
【0030】
第1サブ配線部は、感知セル部の一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線を備えてよい。
【0031】
第2サブ配線部は、第1サブ配線部よりも外側に配置されてよい。第2サブ配線部は、感知セル部と電気的に連結されない非引き出し配線を備えてよい。ここで、非引き出し配線は、大面積のタッチセンサを形成するために繰り返し形成されるユニットパターンの数から1を差し引いた数と同じか、それより多く備えてよい。
【0032】
本発明に係るタッチセンサは、n個のユニットパターンを順次繰り返し形成して大面積のタッチセンサを構成してよい。ここで、nは、2以上の整数であってよい。n番目のユニットパターンの第2サブ配線部は、最外側の非引き出し配線を第1非引き出し配線とし、最内側の非引き出し配線を第n-1非引き出し配線としたとき、第1非引き出し配線は、隣接したn-1番目のユニットパターンから2番目ユニットパターンの各第2サブ配線部を順次経由して1番目のユニットパターンの第1サブ配線部に連結されてよい。
【0033】
本発明に係るタッチセンサにおいて、第1非引き出し配線から第n-1非引き出し配線までの配線は、それぞれ1番目のユニットパターンからn-1番目ユニットパターンまでの感知セル部と電気的に連結されてよい。
【0034】
本発明に係るタッチセンサは、第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽のための第3サブ配線部をさらに含んでよい。
【発明の効果】
【0035】
このような構成を有する本発明のタッチセンサ及び露光マスクによれば、既存のステッチ方式を活用し得る対称パターンだけではなく配線部の非対称パターンも含めて一定のパターンを有する小面積の露光マスクを繰り返し用いて大面積のタッチセンサをパターニングすることができ、大面積のタッチセンサを形成することが容易である。
【0036】
本発明のタッチセンサ及び露光マスクによれば、大面積のパターンを形成するための大面積のマスクを不要とするので、製造コストを大幅に下げることができる。
【0037】
また、本発明のタッチセンサ及び露光マスクによれば、露光マスクをプリント方式、ロール・ツー・ロール方式などにも適用することができ、広範囲な活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に係るグループパターンのタッチセンサを示す平面図である。
図2】本発明に係るグループパターンのタッチセンサを形成する露光マスクの斜視図である。
図3】本発明に係るグループパターンを複数繰り返し形成したタッチセンサの平面図である。
図4】本発明に係るユニットパターンを複数連結して繰り返し形成したタッチセンサの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参考にして本発明の実施例ををより具体的に説明することにする。なお、本明細書に添付される次の図面は本発明の好適な実施例を例示するためのものであって、前述した発明の内容と共に本発明の技術思想をより理解し易くする役割をするものであるので、本発明がかかる図面に記載された事項のみに限定されて解釈されてはならない。
【0040】
図1は、本発明に係るグループパターンの平面図である。図1において、感知セル部110は、簡略形態で示したものであり、実際の形態ではブリッジ(図示せず)などをさらに含み得る。
【0041】
図1に示したように、本発明に係るグループパターンは、感知セル部110、配線部120などを含んで構成してよい。
【0042】
感知セル部110は、複数の感知セルグループを含んでよく、感知セルグループは、複数の感知セルが一方の方向に接続されて電気的に連結されてよい。感知セルは、島(island)状に構成してよく、感知セル間の電気的連結は、感知セルと共にパターニングして一体化するか、または導電性ブリッジを用いてよい。
【0043】
感知セル部110は、複数の感知セルが横(X軸)方向に配列接続する第1感知電極と、第1感知電極とな異なる複数の感知セルが縦(Y軸)方向に配列接続する第2感知電極とで構成してよい。
【0044】
図1に示したように、感知セル部110は、横(X軸)方向及び縦(Y軸)方向に配列接続する複数の感知セルグループを含んでよく、例えば、横(X軸)方向に配列接続する複数の第1感知セルで構成される第1感知セルグループ、第1感知セルグループの下端に離間して横(X軸)方向に配列接続する複数の第2感知セルで構成される第2感知セルグループ、そして、第2感知セルグループの下端に離間して横(X軸)方向に配列接続する複数の第3感知セルで構成される第3感知セルグループを含んでよい。図1では3つの感知セルグループを示しているが、感知セルグループは1つ以上であってよく、最大として配線部の配線数まで、またはタッチセンサ全体における配線数とグループパターン数の比率までであってよい。
【0045】
感知セル部110は、透明導電性酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、亜鉛酸化物(ZnOx)、チタン酸化物(TiO)、酸化アルミニウム(Al)などの導電性酸化物で構成してよく、その他、インジウム亜鉛錫酸化物(IZTO)、インジウム酸化物(InOx)、錫酸化物(SnOx)、カドミウム錫酸化物(CTO)、ガリウムドープ亜鉛酸化物(GZO)、亜鉛錫酸化物(ZTO)、インジウムガリウム酸化物(IGO)などや、これらを2以上組み合わせで構成してよい。
【0046】
感知セル部110は、導電性金属や合金或いは金属を含む積層体で構成してよく、この場合、メッシュタイプなどの透光度を高められる形態にしてよい。
【0047】
配線部120は、感知セル部110の感知信号をパッド電極(図示せず)に伝達するものであって、複数の配線を含んでよい。
【0048】
配線部120は、感知セル部110の周辺領域に配置されてよい。配線部120は、図1に示すように一方の側方に配置してもよく、これと異なり、両方の側方に分離して配置してもよい。両方の側方に配置する場合、配線部120は、左側と右側とで横(X軸)方向の端部の感知セルに交互に連結されてよい。
【0049】
配線部120は、第1サブ配線部121、第2サブ配線部123を含んでよい。
【0050】
第1サブ配線部121は、感知セルグループの一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線として構成し、感知セル部110から信号を引き出すことができる。第1サブ配線部121は、感知セル部110に隣接して配置されてよい。
【0051】
第2サブ配線部123は、第1サブ配線部121よりも外側、すなわち、感知セル部110の周辺領域から離れて配置されてよい。第2サブ配線部123は、感知セル部110と電気的に連結されない非引き出し配線として構成してよい。第2サブ配線部123は、縦(Y軸)方向に繰り返し形成される他のグループパターンの第1サブ配線部121または第2サブ配線部123と接続してよい。第2サブ配線部123の非引き出し配線は、縦に配列される感知セルグループの数に比例して第1サブ配線部121の引き出し配線よりも多くてよい。
【0052】
図1に示したように、配線部120は、第2サブ配線部123の外側に第3サブ配線部125を備えてよい。第3サブ配線部125は、ノイズ遮蔽用ダミー配線であって、1本以上の配線を含んでよい。
【0053】
配線部120は、導電性金属から構成してよく、例えば、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、またはこれらの合金(例えば、銀-パラジウム-銅(APC))などから構成してよい。
【0054】
図2は、本発明に係るグループパターンを形成する露光マスクの斜視図である。
【0055】
図2に示したように、本発明に係る露光マスク200は、感知セルマスク部210、配線マスク部220などを含んでよい。ここで、感知セルマスク部210と配線マスク部220とは、それぞれ感知セル露光領域と配線露光領域とを意味する。
【0056】
感知セルマスク部210は、図1に示した感知セル部110を形成するものであって、感知セルが形成される領域に貫通孔などを備えてよい。
【0057】
配線マスク部220は、複数の配線を露光によって形成するものであって、感知セルマスク部210に隣接して配置してよい。配線マスク部220は、配線に該当する領域に貫通スリットを備えてよい。
【0058】
配線マスク部220は、第1サブ配線マスク部と第2サブ配線マスク部を含んでよい。第1サブ配線マスク部は、第1サブ配線部121を露光によって形成することができ、第2サブ配線マスク部は、第2サブ配線部123を露光によって形成することができる。第2サブ配線マスク部は、第1サブ配線マスク部よりも貫通スリットの数が多くてよい。
【0059】
図2に示したように、配線マスク部220は、第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽用ダミー配線を形成するための第3サブ配線マスク部を備えてよい。第3サブ配線マスク部は、1つ以上の貫通スリットを含んでよい。
【0060】
図2の露光マスクにおいて、感知セルと配線とを金属などの同一の材質で構成する場合は、感知セルマスク部210と配線マスク部220とを一体型で構成してよいが、感知セルと配線とをそれぞれ透明酸化物と金属とで構成する場合は、感知セルマスク部210と配線マスク部220とを分離された別個体で構成してよい。
【0061】
図3は、本発明に係るグループパターンを複数繰り返し形成したタッチセンサの平面図である。
【0062】
図3に示したように、グループパターンを隣接して繰り返しパターニングすると、同一パターンを有する3つのグループパターンP1~P3を連結して形成することができる。3つのグループパターンP1~P3は、互いに結合して大面積のタッチセンサを形成することができる。
【0063】
先ず、第1グループパターンP1を見てみると、図1に示した感知セル部110、配線部120を含んでいる。第1グループパターンP1において、配線部120は、第1サブ配線部121と第2サブ配線部123を含み、第1サブ配線部121は、感知セル部110の一方側端部の感知セルに電気的に連結されて引き出し配線として機能している。
【0064】
第2サブ配線部123は、感知セル部110の感知セルと接続しない非引き出し配線であって、すべての配線(領域A)が信号を伝達しないダミー配線であってよい。
【0065】
第2グループパターンP2を見てみると、図1に示した感知セル部110、配線部120を含んでいる。第2グループパターンP2において、配線部120は、第1サブ配線部121と第2サブ配線部123を含み、第1サブ配線部121は、感知セル部110の一方側端部の感知セルに電気的に連結されて引き出し配線として機能している。
【0066】
第2サブ配線部123は、一部の配線(領域B)が信号を伝達する信号伝達配線として機能し、他の一部の配線(領域C)は信号を伝達しないダミー配線として機能している。
【0067】
第2サブ配線部123において、内側の一部の配線(領域B)は、一方側が第1グループパターンP1の第1サブ配線部121に接続し、他方側は第3グループパターンP3の第2サブ配線部123の一部の配線に接続して信号を伝達している。
【0068】
第2サブ配線部123において、外側の一部の配線(領域C)は、一方側が第1グループパターンP1の第2サブ配線部123のダミー配線に接続し、他方側は第3グループパターンP3の第2サブ配線部123に接続しておらず、信号伝達機能を行っていない。
【0069】
第3グループパターンP3を見てみると、図1に示した感知セル部110、配線部120を含んでいる。第3グループパターンP3において、配線部120は、第1サブ配線部121と第2サブ配線部123を含み、第1サブ配線部121は、感知セル部110の一方側端部の感知セルに電気的に連結され、引き出し配線として機能している。
【0070】
第2サブ配線部123は、すべての配線(領域D)が信号を伝達する信号伝達配線として機能している。第2サブ配線部123において、内側の一部の配線は一方側が第2グループパターンP2の第1サブ配線部121に接続して信号伝達配線として機能し、第2サブ配線部123の外側の残りの配線は、一方側が第2グループパターンP2の第2サブ配線部123を介して第1グループパターンP1の第1サブ配線部121に接続して、第1グループパターンP1の信号を伝達している。
【0071】
図4は、本発明に係るユニットパターンを複数連結して繰り返し形成したタッチセンサの平面図である。
【0072】
図4に示したように、ユニットパターンQ1~Qnは、それぞれ一つの感知セルグループと分離した形態の配線部320を含んでよい。
【0073】
感知セル部310は、一列に連結された横方向の複数の感知セルとブリッジ(図示せず)を介して連結される縦方向の複数の感知セルを含んでよい。
【0074】
配線部320は、第1サブ配線部321と第2サブ配線部323を含んでよい。
【0075】
第1サブ配線部321は、ユニットパターンの感知セルグループの一方側端部の感知セルに電気的に連結されて感知セル部310から信号を引き出す引き出し配線を含んでよい。第1サブ配線部321は、感知セル部310に最近接配置されてよい。
【0076】
第2サブ配線部323は、第1サブ配線部321よりも外側に配置されてよい。第2サブ配線部323は、感知セル部310と電気的に連結されない非引き出し配線を含んでよい。第2サブ配線部323は、少なくとも繰り返し形成されて大面積のタッチセンサを構成するユニットパターンQ1~Qnの数から1を差し引いた数分の非引き出し配線を含んでよい。図4では、n個のユニットパターンQ1~Qnを繰り返し形成して大面積のタッチセンサを形成しており、この場合、第2サブ配線部323の非引き出し配線の数は少なくともn-1本であってよい。
【0077】
図4に示したように、配線部320は、第2サブ配線部323の外側に第3サブ配線部325を備えてよい。第3サブ配線部325は、ノイズ遮蔽用ダミー配線であって、1本以上の配線を含んでよい。
【0078】
図4のタッチセンサは、同一の形態を有するn個のユニットパターンQ1~Qnをステッチ工法によって縦方向に連結して繰り返し形成して大面積のタッチセンサを形成することを例示している。
【0079】
先ず、一番目のユニットパターンQ1を見てみると、配線部320は、1本の配線を有する第1サブ配線部321と、n-1本の配線を有する第2サブ配線部323を含み、第1サブ配線部321の1本の配線は、感知セル部(310)の一方側端部の感知セルに電気的に連結されて引き出し配線として機能し、第2サブ配線部323のn-1本の配線は、信号を伝達しないダミー配線として機能している。
【0080】
二番目のユニットパターンQ2を見てみると、配線部320は、一番目のユニットパターンQ1と同様に、1本の配線を有する第1サブ配線部321と、n-1本の配線を有する第2サブ配線部323を含み、第1サブ配線部321の1本の配線は、感知セル部310の一方側端部の感知セルに電気的に連結されて引き出し配線として機能するが、第2サブ配線部323のうちの第1サブ配線部321に隣接した、外側からn-1番目の配線は、一番目のユニットパターンQ1の第1サブ配線部321に接続されて信号を伝達し、残りのn-2本の配線は、信号を伝達しないダミー配線として機能している。
【0081】
このように順次に三番目のユニットパターンQ3、4番目のユニットパターンQ4などを繰り返して、n番目のユニットパターンQnに至ると、第1サブ配線部321の1本の配線は、感知セル部310の一方側端部の感知セルに電気的に連結されて引き出し配線として機能し、第2サブ配線部323のn-1本の配線は、前述した一番目のユニットパターンQ1からn-1番目のユニットパターンQn-1までのそれぞれの引き出し信号を伝達する信号伝達配線として機能することができる。ここで、第2サブ配線部323の最外側の配線は、一番目のユニットパターンQ1の第1サブ配線部321の引き出し信号を電極パッド(図示せず)に伝達するようになる。
【0082】
このように、本発明に係るタッチセンサは、同一のパターンを有する小面積のユニットパターンがステッチ工法で繰り返し形成されて、大面積のタッチセンサを容易に形成することができる。
【0083】
以上、本発明を多くの実施例を挙げて説明したが、これらは本発明を例証するためのものである。通常の技術者であればこれらの実施例を他の形態に変形したり修正したりすることができる。しかし、本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって定められるので、かかる変形や修正が本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきである。
〔請求項1〕
複数の感知セルが電気的に連結される感知セルグループを複数備える感知セル部;及び
前記感知セル部の外側に形成される配線部を備える第1グループパターンを含み、
前記配線部は、
前記感知セルグループの一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線を備える第1サブ配線部;及び
前記第1サブ配線部よりも外側に配置され、前記感知セル部と電気的に連結されない非引き出し配線を備える第2サブ配線部を含む、タッチセンサ。
〔請求項2〕
前記第1グループパターンに隣接配置され且つ前記第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含み、
前記第1グループパターンの第2サブ配線部の一部の非引き出し配線は、前記第2グループパターンの第1サブ配線部の引き出し配線に接続して信号を伝達する信号伝達配線である、請求項1に記載のタッチセンサ。
〔請求項3〕
前記第1グループパターンの第2サブ配線部の他の一部の非引き出し配線は、前記第2グループパターンの第2サブ配線部の非引き出し配線に接続し且つ信号を伝達しないダミー配線である、請求項2に記載のタッチセンサ。
〔請求項4〕
前記第1グループパターンと隣接配置され且つ前記第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含み、
前記第1グループパターンの第2サブ配線部の非引き出し配線は、前記第2グループパターンの第1サブ配線部の引き出し配線及び前記第2サブ配線部の一部の非引き出し配線に接続して信号を伝達する信号伝達配線である、請求項1に記載のタッチセンサ。
〔請求項5〕
前記第2サブ配線部の非引き出し配線は、
信号を伝達しないダミー配線である、請求項1に記載のタッチセンサ。
〔請求項6〕
前記第1グループパターンと隣接して配置され且つ前記第1グループパターンと同一の構造を有する第2グループパターンを含み、
前記第1グループパターンの第2サブ配線部の一部の非引き出し配線は、前記第2グループパターンの第2サブ配線部の一部の非引き出し配線に接続する、請求項5に記載のタッチセンサ。
〔請求項7〕
前記第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽のための第3サブ配線部をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
〔請求項8〕
感知セル部に隣接して複数の配線を形成する貫通スリットを備える配線マスク部を含み、前記配線マスク部は、
前記感知セル部の一方側端部の感知セルに連結される第1サブ配線部を形成する第1貫通スリットを備える第1サブ配線マスク部;及び
前記第1サブ配線マスク部よりも外側に配置され且つ前記感知セル部の感知セルと連結されない第2サブ配線部を形成する第2貫通スリットを備える第2サブ配線マスク部を含む、タッチセンサ用露光マスク。
〔請求項9〕
前記配線マスク部の側方に形成され且つ前記感知セル部の感知セルを形成する貫通孔を備える感知セルマスク部をさらに含む、請求項8に記載のタッチセンサ用露光マスク。
〔請求項10〕
前記第2貫通スリットは、
前記第1貫通スリットよりも個数が多い、請求項8に記載のタッチセンサ用露光マスク。
〔請求項11〕
前記第2サブ配線マスク部の外側にノイズ遮蔽のためのダミー配線を形成する第3貫通スリットをさらに含む、請求項8~10のいずれか一項に記載のタッチセンサ用露光マスク。
〔請求項12〕
複数の感知セルが電気的に連結される感知セルグループを備える感知セル部;及び
前記感知セル部の外側に形成される配線部を備えるユニットパターンを含み、
前記配線部は、
前記感知セル部の一方側端部の感知セルに電気的に連結される引き出し配線を備える第1サブ配線部;及び
前記第1サブ配線部よりも外側に配置され、前記感知セル部と電気的に連結されない非引き出し配線を備え且つ該非引き出し配線は大面積のタッチセンサを形成するために繰り返し形成される前記ユニットパターンの数から1を差し引いた数分を備える第2サブ配線部を含む、タッチセンサ。
〔請求項13〕
n個の前記ユニットパターンを順次繰り返し形成して大面積のタッチセンサを構成し(nは、2以上の整数)、
n番目のユニットパターンの第2サブ配線部は、最外側の非引き出し配線を第1非引き出し配線とし、最内側の非引き出し配線を第n-1非引き出し配線としたとき、前記第1非引き出し配線は、隣接したn-1番目のユニットパターンから二番目ユニットパターンの各第2サブ配線部を順次経由して一番目のユニットパターンの第1サブ配線部に連結される、請求項12に記載のタッチセンサ。
〔請求項14〕
前記第1非引き出し配線から第n-1非引き出し配線までの配線は、それぞれ一番目のユニットパターンからn-1番目のユニットパターンまでの感知セル部と電気的に連結される、請求項13に記載のタッチセンサ。
〔請求項15〕
第2サブ配線部の外側にノイズ遮蔽のための第3サブ配線部をさらに含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のタッチセンサ。
【符号の説明】
【0084】
110、310:感知セル部
120、320:配線部
121、321:第1サブ配線部
123、323:第2サブ配線部
125、325:第3サブ配線部
200:露光マスク
210:感知セルマスク部
220:配線マスク部
A、C:ダミー配線領域
B、D:信号伝達配線領域
P1、P2、P3:第1~3グループパターン
Q1~Qn:第1~nユニットパターン
図1
図2
図3
図4