(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】加湿機能付き熱交換形換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20240726BHJP
F24F 7/08 20060101ALI20240726BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20240726BHJP
F24F 1/0038 20190101ALI20240726BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20240726BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20240726BHJP
【FI】
F24F6/00 E
F24F6/00 331
F24F7/08 101J
F24F3/14
F24F1/0038 441
F24F11/80
F24F110:20
(21)【出願番号】P 2020056931
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】重信 剛也
(72)【発明者】
【氏名】福本 将秀
(72)【発明者】
【氏名】山口 正太郎
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-188841(JP,A)
【文献】国際公開第2016/002072(WO,A1)
【文献】特開2015-143595(JP,A)
【文献】国際公開第2012/077201(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 7/08
F24F 1/0038
F24F 3/14
F24F 11/80
F24F 110/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の空気を屋外に排出するための排気風路を流通する排気流と、屋外の空気を屋内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、
前記熱交換形換気装置から導入される熱交換後の前記給気流に対して加熱可能な第一加熱装置と、
前記第一加熱装置によって加熱された前記給気流に対して加熱可能な第二加熱装置と、
加湿モータを用いて加湿ノズルを回転させて貯水されている水を遠心力で吸上げ、周囲に飛散、衝突及び破砕させることによって加熱された前記給気流に対して加湿する
遠心破砕式の加湿装置と、
前記第一加熱装置、前記第二加熱装置、及び前記加湿装置の運転動作を制御する制御部と、
を備え、
前記第一加熱装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記冷媒が放熱する第一熱交換器と、前記冷媒を膨張させる膨張器と、前記冷媒が吸熱する第二熱交換器との順に前記冷媒が流れるように接続した第一冷媒回路を有する空調機器から導入される前記冷媒が、前記第一加熱装置の内部を流通する際に放熱するように構成され、
前記第二加熱装置は、通電することで発熱する発熱体により構成され、
前記加湿装置は、前記制御部からの出力信号に応じて前記加湿モータの回転数である回転出力値を変化させるように構成され、
前記制御部は、
前記加湿装置の加湿量を特定する出力能力値が第一基準値以下である場合、
前記第一基準値以下の前記出力能力値に対応する第一回転出力値で前記加湿モータを回転し、
前記第一加熱装置及び前記第二加熱装置によって加熱されていない前記給気流に対して前記加湿装置による加湿を行い、
前記出力能力値が
前記第一基準値を超えて第二基準値以下である場合、
前記第一基準値を超えて第二基準値以下の前記出力能力値に対応する第二回転出力値で前記加湿モータを回転し、
前記第一加熱装置のみによって加熱された前記給気流に対して前記加湿装置による加湿を行い、
前記出力能力値が前記
第二基準値を超える場合、
前記第二基準値を超える前記出力能力値に対応する第三回転出力値で前記加湿モータを回転し、
前記第一加熱装置及び前記第二加熱装置によって加熱された前記給気流に対して前記加湿装置による加湿を行うように制御することを特徴とする
、
加湿機能付き熱交換形換気装置。
【請求項2】
前記第一回転出力値は、前記出力能力値と対応する前記加湿モータの回転数であり、
前記第二回転出力値は、前記出力能力値から第一調整値を減じた前記加湿モータの回転数であり、
前記第三回転出力値は、前記出力能力値から第二調整値を減じた前記加湿モータの回転数である、請求項1に記載の加湿機能付き熱交換形換気装置。
【請求項3】
前記第一加熱装置は、前記空調機器から導入される前記冷媒を共用して、前記圧縮機と、前記第一熱交換器と、前記膨張器と、前記第一加熱装置との順に前記冷媒が流れるように接続された第二冷媒回路を構成していることを特徴とする請求項1
又は2に記載の加湿機能付き熱交換形換気装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記屋内の空気の湿度と前記屋内の空気の目標湿度に関する湿度情報を用いて前記出力能力値を算出し、算出した前記出力能力値に基づいて前記加湿装置の運転動作を制御することを特徴とする請求項1
~3のいずれか一項に記載の加湿機能付き熱交換形換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住空間などに用いられる加湿機能付き熱交換形換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、冷房あるいは暖房の効果低減を抑制しつつ換気を行うことが可能な装置として、換気の際に給気流と排気流との間で熱交換を行う熱交換形換気装置が知られている。
【0003】
こうした熱交換形換気装置は、顕熱に加えて潜熱も交換する機能が備わっているため、屋内の保湿効果も得ることができるが、それだけで屋外絶対湿度の低い冬季における屋内相対湿度の低下を防ぐことは困難である。そこで、熱交換形換気装置として、給気風路の下流側に加湿装置と、加湿装置の上流側に加湿量を調整する加熱器とを設けた構成とした加湿機能付き熱交換形換気装置が開発されている(例えば、特許文献1)。この構成により、屋内に加湿された空気を供給することができ、冬季における屋内相対湿度の低下を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加湿機能付き熱交換形換気装置における加熱器として、専用の冷媒回路を備える加熱器(放熱器)を設ける煩わしさを解消するため、マルチ型の空調機器(マルチエアコン)の冷媒回路を共用することを検討している。しかしながら、こうした加熱器では、加熱器の加熱能力がマルチ型の空調機器の空調性能に依存することになるため、外気と内気の温湿度条件によっては、熱交換形換気装置からの熱交換後の給気流を、加湿装置によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで加熱(昇温)することができないという課題がある。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、二つの加熱装置を用いて、熱交換形換気装置による熱交換後の給気流への加湿量を増加させることが可能な加湿機能付き熱交換形換気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために、本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置は、屋内の空気を屋外に排出するための排気風路を流通する排気流と、屋外の空気を屋内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、熱交換形換気装置から導入される熱交換後の給気流に対して加熱可能な第一加熱装置と、第一加熱装置によって加熱された給気流に対して加熱可能な第二加熱装置と、加湿モータを用いて加湿ノズルを回転させて貯水されている水を遠心力で吸上げ、周囲に飛散、衝突及び破砕させることによって加熱された給気流に対して加湿する遠心破砕式の加湿装置と、第一加熱装置、第二加熱装置、及び加湿装置の運転動作を制御する制御部と、を備える。第一加熱装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒が放熱する第一熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張器と、冷媒が吸熱する第二熱交換器との順に冷媒が流れるように接続した第一冷媒回路を有する空調機器から導入される冷媒が、第一加熱装置の内部を流通する際に放熱するように構成される。第二加熱装置は、通電することで発熱する発熱体により構成される。加湿装置は、制御部からの出力信号に応じて加湿モータの回転数である回転出力値を変化させるように構成される。制御部は、加湿装置の加湿量を特定する出力能力値が第一基準値以下である場合、第一基準値以下の出力能力値に対応する第一回転出力値で加湿モータを回転し、第一加熱装置及び第二加熱装置によって加熱されていない給気流に対して加湿装置による加湿を行い、出力能力値が第一基準値を超えて第二基準値以下である場合、第一基準値を超えて第二基準値以下の出力能力値に対応する第二回転出力値で加湿モータを回転し、第一加熱装置のみによって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行い、出力能力値が第二基準値を超える場合、第二基準値を超える出力能力値に対応する第三回転出力値で加湿モータを回転し、第一加熱装置及び第二加熱装置によって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行うように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、二つの加熱装置を用いて、熱交換形換気装置による熱交換後の給気流への加湿量を増加させることが可能な加湿機能付き熱交換形換気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置の家屋への設置例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、加湿機能付き熱交換形換気装置の機器構成を表す概略図である。
【
図3】
図3は、加湿機能付き熱交換形換気装置における制御部の構成を表すブロック図である。
【
図4】
図4は、加湿機能付き熱交換形換気装置における制御部の処理部で行う処理を表すフローチャートである。
【
図5】
図5は、加湿機能付き熱交換形換気装置における制御部の処理部で行う処理に用いられる出力能力値と回転出力値との関係を示す図である。
【
図6】
図6は、加湿装置の加湿量を特定する出力能力値に対応した複数の基準値と各加熱部の出力状態の組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置は、屋内の空気を屋外に排出するための排気風路を流通する排気流と、屋外の空気を屋内へ給気するための給気風路を流通する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置と、熱交換形換気装置から導入される熱交換後の給気流に対して加熱可能な第一加熱装置と、第一加熱装置によって加熱された給気流に対して加熱可能な第二加熱装置と、加熱された給気流に対して加湿する加湿装置と、第一加熱装置、第二加熱装置、及び加湿装置の運転動作を制御する制御部とを備える。そして、制御部は、加湿装置の加湿量を特定する出力能力値が基準値以下である場合、第一加熱装置のみによって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行い、出力能力値が基準値を超える場合、第一加熱装置及び第二加熱装置によって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行うように制御する。
【0011】
こうした構成によれば、熱交換形換気装置からの熱交換後の給気流に対して第一加熱装置のみによる加熱を行っても、加湿装置によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温することができない場合に、第一加熱装置及び第二加熱装置によって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温することができる。この結果、加湿装置自体の出力が同じであっても、設定加湿量に向けて給気流への加湿量(屋内に供給する水分量)を増加させることができ、加湿機能付き熱交換形換気装置の加湿能力を向上させることができる。つまり、二つの加熱装置を用いて、熱交換形換気装置による熱交換後の給気流への加湿量を増加させることが可能な加湿機能付き熱交換形換気装置とすることができる。
【0012】
また、本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置では、第一加熱装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒が放熱する第一熱交換器と、冷媒を膨張させる膨張器と、冷媒が吸熱する第二熱交換器との順に冷媒が流れるように接続した第一冷媒回路を有する空調機器から導入される冷媒が、第一加熱装置の内部を流通する際に放熱するように構成される。また、第二加熱装置は、通電することで発熱する発熱体により構成される。
【0013】
こうした構成によれば、空調機器から導入される冷媒を共用する第一加熱装置によって、加湿装置によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温することができない場合に、発熱体により構成される第二加熱装置による加熱で補うことによって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温させることができる。この際、第二加熱装置による加熱と同等の熱量を得るために必要な消費電力が少ない第一加熱装置を主として使用するので、加湿機能付き熱交換形換気装置としての消費電力が低減される。
【0014】
また、本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置では、第一加熱装置は、空調機器から導入される冷媒を共用して、圧縮機と、第一熱交換器と、膨張器と、第一加熱装置との順に冷媒が流れるように接続された第二冷媒回路を構成している。こうした構成によれば、空調機器の運転状況に応じて第一加熱装置の加熱能力が変動した場合でも、第二加熱装置による加熱によって容易に調整することが可能になる。つまり、二つの加熱装置によって、空調機器の運転状況によらず、加湿機能付き熱交換形換気装置の加湿能力を安定化させることができる。
【0015】
また、本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置では、制御部は、屋内の空気の湿度と屋内の空気の目標湿度に関する湿度情報を用いて出力能力値を算出し、算出した出力能力値に基づいて加湿装置の運転動作を制御する。このようにすることで、屋内の空気の湿度が目標湿度に近づかない場合には、湿度情報を用いて出力能力値を上昇させるなど、家屋の気密性などの性能に依存せず目標湿度を達成するように加湿装置の制御を行うことができる。
【0016】
また、本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置では、制御部は、出力能力値が第一基準値以下である場合、熱交換後の給気流に対して加熱することなく加湿装置による加湿を行い、出力能力値が第一基準値を超えて第二基準値以下である場合、第一加熱装置のみによって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行い、出力能力値が第二基準値を超える場合、第一加熱装置及び第二加熱装置によって加熱された給気流に対して加湿装置による加湿を行うように制御する。
【0017】
こうした構成によれば、熱交換形換気装置からの熱交換後の給気流に対して第一加熱装置のみによる加熱を行っても、加湿装置によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温することができない場合に、第一加熱装置及び第二加熱装置によって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流を昇温することができる一方、第一加熱装置及び第二加熱装置による加熱が必要ない場合に、加熱装置による無駄な消費電力がかかることを抑えることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
(実施の形態1)
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4の機器構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4の家屋1への設置例を示す概略図である。
図2は、加湿機能付き熱交換形換気装置4の機器構成を表す概略図である。
【0020】
図1に示す通り、加湿機能付き熱交換形換気装置4は、家屋1の階間または屋根裏等に設置され、熱交換形換気装置5と加湿装置6とを有して構成される。加湿機能付き熱交換形換気装置4は、熱交換形換気装置5において屋内2の空気(後述する排気流14)と屋外3の空気(後述する給気流15)とを熱交換しながら換気しつつ、給気流15を加湿装置6において必要に応じて加湿し、屋内2に導入する。つまり、加湿機能付き熱交換形換気装置4は、換気を行うとともに、この換気時に、排気流14の熱を給気流15へと伝達し、不要な熱の放出を抑制している。さらに、加湿機能付き熱交換形換気装置4は、給気流15に対して加湿を行い、屋内2における空気の湿度(屋内相対湿度)の低下を抑制している。特に、本実施の形態では、加湿装置6の加湿量を特定する出力能力値が所定の基準値(後述する第二基準値)を超える場合、熱交換後の給気流15を加湿装置6の加湿器6dの前段(上流側)に置かれた第一加熱部16及び第二加熱部17により加熱(昇温)させ、加湿を行うように構成されている。なお、第一加熱部16は請求項の「第一加熱装置」に相当し、第二加熱部17は請求項の「第二加熱装置」に相当する。
【0021】
ここで、排気流14は、屋内2の空気を屋外3に排出する空気の流れである。排気流14は、まず還気風路9を通じて、屋内2から熱交換形換気装置5へと搬送される。熱交換形換気装置5において給気流15と熱交換された排気流14は、排気風路10を通じて、熱交換形換気装置5から屋外3へと排出される。還気風路9は、家屋1の各室と熱交換形換気装置5とを繋げるように配置されている。排気風路10は、熱交換形換気装置5と家屋1の外壁面に設けられた排気口とを繋げるように配置されている。
【0022】
給気流15は、屋外3の空気を屋内2に導入する空気の流れである。給気流15は、まず外気風路11を通じて、屋外3から熱交換形換気装置5へと搬送される。熱交換形換気装置5において排気流14と熱交換された給気流15は、中継風路12を通じて、熱交換形換気装置5から加湿装置6へと搬送される。加湿装置6において必要に応じて加湿された給気流15は、給気風路13を通じて、加湿装置6から屋内2へと導入される。外気風路11は、家屋1の外壁面に設けられた給気口と熱交換形換気装置5とを繋げるように配置されている。中継風路12は、熱交換形換気装置5と加湿装置6とを繋げるように配置されている。給気風路13は、加湿装置6と家屋1の各室とを繋げるように配置されている。
【0023】
また、家屋1には、マルチ型の空調機器(マルチエアコン)が設置されている。マルチ型の空調機器は、屋内2の各室(例えば、天井側の壁面)に設けられた複数の室内機19と、屋外3に設けられた1台の共用の室外機20とを有して構成される。そして、室外機20は、複数の室内機19のそれぞれと冷媒回路21によって接続されるとともに、加湿装置6に設けられた第一加熱部16とも冷媒回路21によって接続されている。
【0024】
次に、
図2を参照して、加湿機能付き熱交換形換気装置4の具体的な構成について説明する。
【0025】
加湿機能付き熱交換形換気装置4は、
図2に示す通り、熱交換形換気装置5と加湿装置6とを有して構成される。また、加湿装置6は、加湿器6dの上流側に第一加熱部16及び第二加熱部17を備え、後述する制御部8(
図3参照)によって運転動作が制御される構成となっている。
【0026】
熱交換形換気装置5は、屋内2の空気RA(排気流14)と屋外3の空気OA(給気流15)との間で熱交換しながら換気する装置である。具体的には、熱交換形換気装置5は、
図2に示す通り、還気口5a、排気口5b、外気口5c、給気口5d、熱交換素子5e、湿度センサ5f、排気ファン5g、及び給気ファン5hを備えている。
【0027】
還気口5aは、屋内2の空気RA(排気流14)を還気風路9(
図1参照)から熱交換形換気装置5に取り入れる取入口である。排気口5bは、排気流14を排気EAとして熱交換形換気装置5から排気風路10(
図1参照)に吐き出す吐出口である。外気口5cは、給気流15を外気風路11(
図1参照)から熱交換形換気装置5に取り入れる取入口である。給気口5dは、給気流15を熱交換形換気装置5から中継風路12に吐き出す吐出口である。
【0028】
熱交換素子5eは、排気流14と給気流15との間で熱交換(顕熱と潜熱)を行うための部材である。熱交換素子5eは、セルロース繊維をベースとした伝熱紙(伝熱板)によって形成された全熱交換素子である。ただし、材質はこれに限定されるものではない。熱交換素子5eを構成する伝熱板としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートをベースとした透湿樹脂膜、あるいは、セルロース繊維、セラミック繊維、ガラス繊維をベースとした紙材料等を用いることができる。また、熱交換素子5eを構成する伝熱板は、伝熱性を備えた薄いシートであって、気体が透過しない性質のものを用いることができる。この場合、熱交換素子5eは、顕熱交換素子となる。
【0029】
湿度センサ5fは、還気口5aから取り入れた排気流14の湿度を検出するセンサであり、後述する制御部8の入力信号として用いられる。排気ファン5gは、排気流14を還気口5aから取り入れ、排気口5bから吐き出すための送風機である。給気ファン5hは、給気流15を外気口5cから取り入れ、給気口5dから排出するための送風機である。
【0030】
また、熱交換形換気装置5の内部には、還気口5aと排気口5bとを連通する内部排気風路と、外気口5cと給気口5dとを連通する内部給気風路が構成されている。
【0031】
そして、熱交換形換気装置5は、熱交換換気を行う場合には、排気ファン5g及び給気ファン5hを動作させ、熱交換素子5eにおいて内部排気風路を流通する排気流14と、内部給気風路を流通する給気流15との間で熱交換を行う。これにより、熱交換形換気装置5は、換気を行う際に、屋外3に放出する排気流14の熱を屋内2に取り入れる給気流15へと伝達し、不要な熱の放出を抑制し、屋内2に熱を回収する。この結果、冬季においては、換気を行う際に、屋外3の温度が低い空気によって屋内2の温度低下を抑制することができる。一方、夏季においては、換気を行う際に、屋外3の温度が高い空気によって屋内2の温度上昇を抑制することができる。
【0032】
続いて、加湿装置6は、熱交換形換気装置5からの熱交換後の給気流15を必要に応じて加湿する装置である。具体的には、加湿装置6は、
図2に示す通り、給気流入口6a、給気流出口6c、加湿器6d、第一加熱部16、及び第二加熱部17を備えている。
【0033】
給気流入口6aは、給気流15を中継風路12から加湿装置6に取り入れる取入口である。給気流出口6cは、加湿した給気流15(あるいは加湿していない給気流15)を給気SAとして給気風路13(
図1参照)に吐き出す吐出口である。
【0034】
加湿器6dは、内部に取り入れた給気流15を加湿するためのユニットである。加湿器6dは、加湿モータ6eと加湿ノズル6fとを有している。加湿器6dは、加湿モータ6eを用いて加湿ノズル6fを回転させ、貯水されている水を遠心力で吸い上げて周囲(遠心方向)に飛散・衝突・破砕させ、通過する空気に水分を含ませる遠心破砕式の構成をとる。そして、加湿器6dは、後述する制御部8からの出力信号に応じて加湿モータ6eの回転数(以下、回転出力値)を変化させ、加湿能力(加湿量)を調整する。
【0035】
なお、加湿器6dで空気に付加される液体は水以外でもよく、例えば、殺菌性あるいは消臭性を備えた次亜塩素酸水等の液体であってもよい。この場合には、次亜塩素酸水を給気流15に含ませて屋内2に供給することで、屋内2の殺菌あるいは消臭を行うことができる。
【0036】
続いて、第一加熱部16及び第二加熱部17は、
図2に示す通り、加湿装置6内に配置され、いずれも導入される給気流15を加熱するためのユニットである。第一加熱部16及び第二加熱部17は、後述する制御部8からの出力信号に応じて出力状態(オンまたはオフ)を変化させ、導入される給気流15に対する加熱能力(加熱量)を調整する。
【0037】
第一加熱部16は、第二加熱部17よりも上流側に配置される。そして、第一加熱部16は、空調機器(室外機20)から導入される冷媒が内部を流通する際に放熱するように構成され、熱交換形換気装置5からの熱交換後の給気流15に対して必要に応じて加熱する。詳細は後述する。
【0038】
第二加熱部17は、第一加熱部16の下流側(第一加熱部16と加湿器6dとの間)に配置される。そして、第二加熱部17は、通電することで発熱する発熱体により構成され、第一加熱部16によって加熱された給気流15に対して必要に応じて加熱する。発熱体としては、例えば、温度が上昇すると次第に電流が流れにくくなり、無駄な電力を消費しない性質を有するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターが用いられる。
【0039】
続いて、マルチ型の空調機器は、共用の室外機20と各室に設けられた室内機19とによって各室の暖房または冷房を行う装置である。こうしたマルチ型の空調機器では、室外機20は、冷媒回路21に設けられた分岐ユニット22を切り替えることによって、冷媒回路21を介して各室の室内機19と加湿装置6の第一加熱部16とにそれぞれ並列に接続される。なお、以下では、マルチ型の空調機器の冷媒の流れ等に関して暖房運転時の動作として説明する。
【0040】
室内機19は、屋内2の各室(天井側の壁面)に設置される室内ユニットである。室内機19は、送風ファン19aと第一熱交換器19bとを有して構成される。
【0041】
送風ファン19aは、屋内2から吸い込んだ空気RAを第一熱交換器19bに向けて送風する機器である。
【0042】
第一熱交換器19bは、送風ファン19aから送風された空気RAと、冷媒回路21を流通する冷媒(後述する圧縮機20aによって高温・高圧となった冷媒ガス)との間で熱交換することによって、熱を外部(冷媒回路21外)に放出させる機器である。このとき、冷媒ガスは、高圧下で凝縮されて液化する。暖房運転時の室内機19(第一熱交換器19b)では、導入される冷媒ガスの温度が空気の温度より高いため、熱交換すると空気RAは昇温され、冷媒ガスは冷却される。
【0043】
一方、室外機20は、屋外3に設置される室外ユニットである。室外機20は、圧縮機20aと、膨張器20bと、第二熱交換器20cと、送風ファン20dと、四方弁20eとを有して構成される。
【0044】
圧縮機20aは、冷媒回路21における低温低圧の冷媒ガス(作動媒体ガス)を圧縮し、圧力を高めて高温化する機器である。
【0045】
膨張器20bは、第一熱交換器19b(または第一加熱部16)によって液化した高圧の冷媒を減圧して元の低温低圧の液体とする機器である。なお、膨張器20bは、膨張弁ともいう。
【0046】
第二熱交換器20cは、膨張器20bを流通した冷媒が空気から熱を奪って蒸発し、液状の冷媒を低温低圧の冷媒ガスとする機器である。第二熱交換器20cでは、導入される冷媒の温度が空気の温度より低いため、熱交換すると空気が冷却され、冷媒は昇温される。
【0047】
送風ファン20dは、第二熱交換器20cに向けて屋外3の空気OAを送風する機器である。
【0048】
四方弁20eは、冷媒回路21内を流れる冷媒の流れる向きを切り替えるための機器(可逆弁)である。より詳細には、四方弁20eは、圧縮機20aと第一熱交換器19b(または第一加熱部16)との間及び圧縮機20aと第二熱交換器20cとの間において接続される。そして、四方弁20eは、圧縮機20aと第一熱交換器19b(または第一加熱部16)と膨張器20bと第二熱交換器20cとをこの順序で冷媒が流通する第一状態(暖房運転時)と、圧縮機20aと第二熱交換器20cと膨張器20bと第一熱交換器19bとをこの順序で冷媒が流通する第二状態(冷房運転時)とを切り替える。第一状態と第二状態とでは、冷媒の流れが逆方向となる。
【0049】
分岐ユニット22(第一分岐ユニット22a~第四分岐ユニット22d等)は、冷媒回路21を流通する冷媒を、特定の一方向あるいは二方向に流れるように切り替える機器である。
【0050】
第一分岐ユニット22aは、室外機20から導入される冷媒を、室内機19側の一方向に流通させる状態と、室内機19側と加湿装置6側の二方向に分岐して流通させる状態と、加湿装置6側の一方向に流通させる状態のいずれかの状態に切り替える。また、第二分岐ユニット22bは、第一分岐ユニット22aを経由して導入される冷媒を、室内機19の一方向に流通させる状態と、室内機19と他の室内機19側の二方向に分岐して流通させる状態と、他の室内機19側の一方向に流通させる状態のいずれかの状態に切り替える。
【0051】
一方、第三分岐ユニット22cは、室内機19から導入される冷媒のみを第四分岐ユニット22d側に流通させる状態と、室内機19から導入される冷媒と他の室内機19側から導入される冷媒とを合流させて第四分岐ユニット22d側に流通させる状態と、他の室内機19側から導入される冷媒のみを第四分岐ユニット22d側に流通させる状態のいずれかの状態に切り替える。第四分岐ユニット22dは、第三分岐ユニット22c側から導入される冷媒のみを室外機20側に流通させる状態と、第三分岐ユニット22c側から導入される冷媒と加湿装置6側から導入される冷媒とを合流させて室外機20側に流通させる状態と、加湿装置6側から導入される冷媒のみを室外機20側に流通させる状態のいずれかの状態に切り替える。
【0052】
そして、冷媒回路21には、分岐ユニット22(第一分岐ユニット22a~第四分岐ユニット22d等)の切り替え(各状態の組み合わせ)によって、室内機19の第一熱交換器19bを含む第一冷媒回路21aと、加湿装置6の第一加熱部16を含む第二冷媒回路21bとが並列して構成される。なお、
図2では、一つの第一冷媒回路21aのみを示しているが、実際には、図示していない分岐ユニット22の切り替えによって、各室の室内機19の第一熱交換器19bごとに複数の第一冷媒回路21aが構成されている。
【0053】
第一冷媒回路21aは、暖房運転時において、圧縮機20aと第一熱交換器19bと膨張器20bと第二熱交換器20cとの順に冷媒が流れるように配管接続されて構成される。ここで、第一冷媒回路21aは、マルチ型の空調機器における通常の冷媒回路に相当する。
【0054】
配管接続された第一冷媒回路21aでは、圧縮機20aから出た冷媒は、四方弁20eを流通して室内機19の第一熱交換器19bへと向かう。そして、冷媒は、第一熱交換器19bを流通した後、膨張器20bを流通して第二熱交換器20cへと向かう。さらに、冷媒は、第二熱交換器20cを流通した後、四方弁20eを流通して圧縮機20aに戻る。そして、このように冷媒(冷媒ガス)が流通する過程で、冷媒ガスは、圧縮機20aによって高温高圧に圧縮される。そして、圧縮機20aで圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、第一熱交換器19bを流通している間に送風ファン19aによって冷却されて液体となる。その後、膨張器20bに達した冷媒液は、減圧され低温の気液混合状態となり、第二熱交換器20cを流通している間に送風ファン20dによって温められて、元の冷媒ガスとなる。
【0055】
そして、室内機19では、第一熱交換器19bの中を高温高圧の冷媒ガスが流通する状態となるため、送風ファン19aからの空気RAを第一熱交換器19bに流通させることで空気RAの昇温がなされ、昇温した空気RAが屋内2に吹き出される。つまり、室内機19によって屋内2の空気Raの暖房がなされる。
【0056】
一方、第二冷媒回路21bは、加熱運転時において、圧縮機20aと第一加熱部16と膨張器20bと第二熱交換器20cとの順に冷媒が流れるように配管接続されて構成される。そして、室内機19の第一熱交換器19bと同じ原理により、第一加熱部16を流通する給気流15に対して加熱(昇温)させることができる。
【0057】
具体的には、配管接続された第二冷媒回路21bでは、圧縮機20aから出た冷媒は、四方弁20eを流通して加湿装置6の第一加熱部16へと向かう。そして、冷媒は、第一加熱部16を流通した後、膨張器20bを流通して第二熱交換器20cへと向かう。さらに、冷媒は、第二熱交換器20cを流通した後、四方弁20eを流通して圧縮機20aに戻る。そして、このように冷媒(冷媒ガス)が流通する過程で、冷媒ガスは、圧縮機20aによって高温高圧に圧縮される。そして、圧縮機20aで圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、第一加熱部16を流通している間に熱交換形換気装置5からの給気流15によって冷却されて液体となる。その後、膨張器20bに達した冷媒液は、減圧され低温の気液混合状態となり、第二熱交換器20cを流通している間に送風ファン20dによって温められて、元の冷媒ガスとなる。
【0058】
そして、第一加熱部16では、その内部を高温高圧の冷媒ガスが流通する状態となるため、高温高圧の冷媒ガスと熱交換形換気装置5からの給気流15との間で熱交換がなされ、給気流15の加熱(昇温)がなされる。
【0059】
以上のように、1台の共用の室外機20に対して複数の室内機19があるような住宅の冷媒回路21(
図1参照)と共用する形で第一加熱部16を設けたので、第一加熱部16専用の室外機20及び冷媒回路21を設ける煩わしさを解消することができる。
【0060】
ここで、加湿装置6に設ける加熱部として、第二加熱部17の単体とせず、第一加熱部16と第二加熱部17との組み合わせにしたのは、第二加熱部17のみによる加熱では、消費電力が大きくなるためである。第一加熱部16による加熱ならば、第二加熱部17と同じ熱量を得るために、おおよそ1/COP(Coefficient Of Performance)の消費電力で済ませることができる。一方、マルチ型の空調機器の冷媒回路21を共用した第一加熱部16による加熱のみでは、屋内2と屋外3の各空気の温湿度条件によって、第一加熱部16による加熱で十分な熱量が得られない場合が存在する。また、各室に設置する複数の室内機19にて必要な暖房能力が大きくなると、第一加熱部16による加熱で十分な熱量が得られなくなる。これは、第一加熱部16の加熱能力が、室外機20の暖房能力を最大とし、各室の室内機19において使用される暖房能力の分が減少することによる。こうした状況にも対応できるようにするため、第一加熱部16による加熱に加え、第二加熱部17による加熱が必要となる。
【0061】
例えば、C値が5程度の住宅において、屋外3の空気OAを取り込んで熱交換換気を行いつつ、屋内2の空気RA(屋内2に吹き出す空気SA)を、快適な空気条件(室内温度22℃~25℃、相対湿度40%~60%)にするためには、最大で2800g/hの加湿量が必要となることがある。ここで、C値とは、気密性能を表す値で、相当隙間面積のことであり、建物全体にある隙間の面積(cm2)を延床面積(m2)で割った値である。
【0062】
具体的に、外気温度が-10℃、絶対湿度1g/kgである外気(屋外3の空気OA)を、熱交換形換気装置5による熱交換と加湿装置6による加湿によって、温度15℃、絶対湿度3.5g/kgとなる空気(屋内2に吹き出す空気SA)にする場合を想定する。この場合、加湿装置6の加湿能力を加湿飽和効率70%程度とすると、加湿装置6の最大加湿能力である2800g/hの加湿量を得るためには、加湿器6dに導入される空気(加湿前の給気流15)の温度を45℃程度まで昇温させる必要がある。熱交換形換気装置5からの熱交換後の給気流15の温度を15℃とすると、温度を15℃から45℃まで昇温させるのに必要な熱量は3.5kWとなる。しかしながら、マルチ型の空調機器における第一熱交換器19bの加熱出力は、一般的な仕様で2kW程度であるので、冷媒回路21を共用する第一加熱部16もまた同程度の加熱出力となる。このため、第一加熱部16では、導入される空気を45℃まで昇温することが難しいため、第二加熱部17を用いて不足する1.5kW分の加熱を補う必要がある。このように、様々な外気と内気の条件によって、第一加熱部16のみによる昇温では加熱量が足りない場合に限り、第二加熱部17を使用して加熱することで、必要な加熱量を確保することが可能とある。
【0063】
次に、
図3~
図5を参照して、本実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4による加湿運転動作の際の制御について説明する。
図3は、加湿機能付き熱交換形換気装置4における制御部8の構成を表すブロック図である。
図4は、加湿機能付き熱交換形換気装置4における制御部8の処理部8bで行う処理を表すフローチャートである。
図5は、加湿機能付き熱交換形換気装置4における制御部8の処理部8bで行う処理に用いられる出力能力値と回転出力値との関係を示す図である。なお、
図5では、加湿装置6(加湿モータ6e)における回転出力値(回転数)の制御範囲を2000rpm~4000rpmとし、出力能力値の範囲を2000~6000として相関関係を示している。また、
図5では、出力能力値に対応した基準値を、第一加熱部16のみをオンとする第一基準値と、第一加熱部16及び第二加熱部17の両方をオンにする第二基準値として設定している。
【0064】
制御部8は、加湿装置6、第一加熱部16、及び第二加熱部17の運転動作を制御する。具体的には、制御部8は、
図3に示す通り、入力部8a、処理部8b、出力部8c、記憶部8d、及び計時部8eを有している。
【0065】
入力部8aは、屋内2に設置された操作パネル18から出力された加湿運転及び屋内2の空気RAの設定湿度(目標湿度)に関する情報と、熱交換形換気装置5の湿度センサ5fから出力された屋内2の空気RAの湿度(屋内湿度)に関する情報とを受け付け、処理部8bに出力する。
【0066】
処理部8bは、計時部8eから出力された時刻情報に基づき、一定時間間隔(例えば、5分)ごとに所定の処理を行う。具体的には、記憶部8dから出力される過去の湿度情報、過去の出力能力値、及び計算用パラメータと、入力部8aから出力される現在の湿度情報とを用いて、屋内湿度を目標湿度に近づけるための出力能力値の算出を行い、算出した出力能力値に基づいて、加湿装置6に対する回転出力値(加湿器6dにおける加湿モータ6eの回転数)と、第一加熱部16及び第二加熱部17の加熱出力情報(運転動作のオンまたはオフに関する情報)とを特定し、出力部8cに出力する。ここで、出力能力値とは、加湿機能付き熱交換形換気装置4全体での加湿能力(加湿量)の指標となる値である。なお、出力能力値は、加湿装置6によって屋内2の空気RAを目標湿度に近づけるのに必要な加湿量を特定するための値とも言える。
【0067】
記憶部8dは、過去の湿度情報、過去の出力能力値、及び計算用パラメータを記憶するとともに、処理部8bから出力される現在の屋内湿度情報、現在の出力能力値、現在の加熱出力情報を受け付けて記憶する。また、
図5に示す出力能力値と回転出力値との相関関係に関する情報も記憶する。記憶した各情報は、処理部8bからの要求に応じて、記憶部8dから処理部8bに出力される。
【0068】
出力部8cは、処理部8bから受け付けた回転出力値を、加湿装置6(加湿器6dの加湿モータ6e)に出力する。また、出力部8cは、処理部8bから受け付けた加熱出力情報を第一加熱部16及び第二加熱部17にそれぞれ出力する。そして、加湿装置6は、出力部8cから出力された回転出力値に応じて加湿運転動作を実行する。また、第一加熱部16及び第二加熱部17は、出力部8cから出力された加熱出力情報に基づいて加熱運転動作のオンまたはオフを実行する。
【0069】
次に、加湿機能付き熱交換形換気装置4における制御部8の処理部8bで行う処理フローについて説明する。
【0070】
制御部8の処理部8bは、
図4に示す通り、主に3つのステップ(ステップS01~ステップS03)で構成され、操作パネル18からの制御信号に応じて処理を開始する。
【0071】
ステップS01は、記憶部8dに記憶された処理間隔で処理を行うためのステップである。処理部8bは、例えば、処理間隔が5分である場合、計時部8eから出力される時刻情報を受け付けながら、5分経過するまでは時刻の判定を繰り返し、5分経過したらステップS02に処理を進める。時刻の判定の際には、後段で操作パネル18の制御信号を受け付け、終了の信号を受け付けた場合には処理を終了する。
【0072】
ステップS02は、出力能力値を更新するステップである。ここでは、処理部8bは、入力部8a及び記憶部8dから出力された各情報をもとに、出力能力値の更新を行い、ステップS03に処理を進める。なお、更新の際に用いる計算式としては、例えば、以下の式(1)に示す速度型PID(Proportional Integral Differential)制御式を用いることができる。
【0073】
R=R+Kp*[(ΔX0-ΔX1)
+(1/Ti)*ΔX0+Td*{(ΔX0-ΔX1)-(ΔX1-ΔX2)}]
・・・式(1)
ただし、Rは出力能力値であり、Kp、Ti、TdはPIDパラメータであり、ΔX0、ΔX1、ΔX2は、それぞれ現在、1回前、2回前の「目標湿度-屋内湿度」に基づく値である。
【0074】
ステップS03は、更新された出力能力値に応じた回転出力値及び加熱出力情報を特定するステップである。ここでは、処理部8bは、記憶部8dに記憶された基準値(第一基準値、第二基準値)と更新された出力能力値との間で大小関係の判定を行う。そして、処理部8bは、出力能力値が第一基準値以下である場合(ステップS03AのNo)に、第一基準値以下の出力能力値に対応する回転出力値(
図5に示す第一回転出力値)及び加熱出力情報として第一加熱部16及び第二加熱部17の運転動作をオフとする情報(オフ情報)を特定する(ステップS03B)。一方、制御部8は、出力能力値が第一基準値を超え(ステップS03AのYes)、且つ、第二基準値以下である場合(ステップS03CのNo)に、第一基準値を超え、且つ、第二基準値以下の出力能力値に対応する回転出力値(
図5に示す第二回転出力値)及び加熱出力情報として第一加熱部16のみの運転動作をオンとする情報(第一オン情報)を特定する(ステップS03D)。そして、制御部8は、出力能力値が第二基準値を超える場合(ステップS03CのYes)に、
第二基準値を超える出力能力値に対応する回転出力値(
図5に示す第三回転出力値)及び加熱出力情報として第一加熱部16及び第二加熱部17の運転動作をオンとする情報(第二オン情報)を特定する(ステップS03E)。ここで、第一基準値及び第二基準値は、それぞれの状態において、加湿装置6の加湿モータ6eにおいて設定可能な最大回転数に対応して規定される値である。
【0075】
第一回転出力値は、
図5に示す通り、出力能力値をそのまま回転出力値とした値である。
【0076】
第二回転出力値は、出力能力値から第一調整値を減じて回転出力値とした値である。なお、第二回転出力値は、出力能力値に対する第一基準値を超え、且つ、第二基準値以下の領域における制御範囲外の第一回転出力値から第一調整値(厳密には第一調整値に対応する回転数)を減じて算出される値とも言える。
【0077】
第三回転出力値は、出力能力値から第二調整値を減じて回転出力値とした値である。なお、第三回転出力値は、出力能力値に対する第二基準値を超える領域における制御範囲外の第二回転出力値から第二調整値(厳密には第二調整値に対応する回転数)を減じて算出される値とも言える。
【0078】
ここで、第一調整値は、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して加湿を行う状態(第一加熱部16及び第二加熱部17の両方がオフ状態)から、第一加熱部16によって加熱した給気流15に対して加湿を行う状態(第一加熱部16のオン状態)に移行する際に生じる加湿能力の不連続性(加湿装置6による加湿量の急激な上昇)を低減するために設定される値である。また、第一加熱部16によって加熱した給気流15に対して加湿を行う状態(第一加熱部16のオン状態)から、第一加熱部16及び第二加熱部17によって加熱した給気流15に対して加湿を行う状態(第一加熱部16及び第二加熱部17の両方がオン状態)に移行する際に生じる加湿能力の不連続性(加湿装置6による加湿量の急激な上昇)を低減するために設定される値である。
【0079】
ステップS03における処理部8bの処理について具体的な例を挙げて説明する。上述した通り、本実施の形態では、加湿装置6(加湿モータ6e)における回転出力値(回転数)の制御範囲は、2000rpm~4000rpmであるので、第一基準値は、出力能力値の2000~6000の範囲のうち4000と設定される。また、第二基準値は、出力能力値の2000~6000の範囲のうち5000と設定される。そして、第一調整値及び第二調整値をそれぞれ1000(回転数1000rpm)と設定する。
【0080】
上記のように設定した場合には、加湿装置6は、処理部8bで算出される出力能力値が第一基準値以下の場合(出力能力値が2000以上4000以下の範囲)において、加熱出力情報がオフ情報(第一加熱部16及び第二加熱部17の両方がオフ状態)で、加湿モータ6eの回転出力値(回転数)を2000rpm以上4000rpm以下の範囲で加湿処理を実行する。また、加湿装置6は、処理部8bで算出される出力能力値が第一基準値を超え、且つ第二基準値以下である場合(出力能力値が4000超5000以下の範囲)において、加熱出力情報が第一オン情報(第一加熱部16がオン状態)で、加湿モータ6eの回転出力値(回転数)を3000rpm超4000rpm以下の範囲で加湿処理を実行する。また、加湿装置6は、処理部8bで算出される出力能力値が第二基準値を超える場合(出力能力値が5000超6000以下の範囲)において、加熱出力情報が第二オン情報(第一加熱部16及び第二加熱部17の両方がオン状態)で、加湿モータ6eの回転出力値(回転数)を3000rpm超4000rpm以下の範囲で加湿処理を実行する。
【0081】
このように制御することで、加湿装置6は、導入される給気流15への加湿量を段階的に上げていくことができる。また、段階的に第一加熱部16及び第二加熱部17のオンまたはオフの組み合わせを変えていくので、設定加湿量に向けて必要な加湿量を低消費電力で実行することができる。
【0082】
以上、実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4によれば、以下の効果を享受することができる。
【0083】
(1)加湿機能付き熱交換形換気装置4では、加湿装置6の加湿量を特定する出力能力値が基準値(第二基準値)以下である場合、第一加熱部16のみによって加熱された給気流15に対して加湿装置6による加湿を行い、出力能力値が基準値(第二基準値)を超える場合、第一加熱部16及び第二加熱部17によって加熱された給気流15に対して加湿装置6による加湿を行うように制御した。
【0084】
これにより、熱交換形換気装置5からの熱交換後の給気流15に対して第一加熱部16のみによる加熱を行っても、加湿装置6によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温することができない場合に、第一加熱部16及び第二加熱部17によって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温することができる。この結果、加湿装置6自体の出力が同じであっても、設定加湿量に向けて給気流への加湿量(屋内2に供給する水分量)を増加させることができ、加湿機能付き熱交換形換気装置4の加湿能力を向上させることができる。つまり、二つの加熱部(第一加熱部16、第二加熱部17)を用いて、熱交換形換気装置5による熱交換後の給気流15への加湿量を増加させることが可能な加湿機能付き熱交換形換気装置4とすることができる。
【0085】
(2)加湿機能付き熱交換形換気装置4では、第一加熱部16を、冷媒を圧縮する圧縮機20aと、冷媒が放熱する第一熱交換器19bと、冷媒を膨張させる膨張器20bと、冷媒が放熱する第二熱交換器20cとの順に冷媒が流れるように接続した第一冷媒回路21aを有する空調機器から導入される冷媒が、第一加熱部16の内部を流通する際に放熱するように構成した。また、第二加熱部17を、通電することで発熱する発熱体により構成した。
【0086】
これにより、空調機器から導入される冷媒を共用する第一加熱部16によって、加湿装置6によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温することができない場合に、発熱体により構成される第二加熱部17による加熱で補うことによって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温させることができる。この際、第二加熱部17による加熱と同等の熱量を得るために必要な消費電力が少ない第一加熱部16を主として使用するので、加湿機能付き熱交換形換気装置4としての消費電力を低減することができる。
【0087】
(3)加湿機能付き熱交換形換気装置4では、第一加熱部16は、空調機器から導入される冷媒を共用して、圧縮機20aと、第一熱交換器19bと、膨張器20bと、第一加熱部16との順に冷媒が流れるように接続された第二冷媒回路21bを構成している。これにより、空調機器の運転状況に応じて第一加熱部16の加熱能力が変動した場合でも、第二加熱部17による加熱によって容易に調整することが可能になる。つまり、二つの加熱部(第一加熱部16、第二加熱部17)によって、空調機器の運転状況によらず、加湿機能付き熱交換形換気装置4の加湿能力を安定化させることができる。
【0088】
(4)加湿機能付き熱交換形換気装置4では、屋内2の空気RAの湿度と屋内2の空気RAの目標湿度に関する湿度情報を用いて出力能力値を算出し、算出した出力能力値に基づいて加湿装置6の運転動作を制御するようにした。これにより、屋内2の空気RAの湿度が目標湿度に近づかない場合には、湿度情報を用いて出力能力値を上昇させるなど、家屋1の気密性などの性能に依存せず目標湿度を達成するように加湿装置6の制御を行うことができる。
【0089】
(5)加湿機能付き熱交換形換気装置4では、出力能力値が第一基準値以下である場合、熱交換後の給気流15に対して加熱することなく加湿装置6による加湿を行い、出力能力値が第一基準値を超えて第二基準値以下である場合、第一加熱部16のみによって加熱された給気流15に対して加湿装置6による加湿を行い、出力能力値が第二基準値を超える場合、第一加熱部16及び第二加熱部17によって加熱された給気流15に対して加湿装置6による加湿を行うように制御した。
【0090】
これにより、熱交換形換気装置5からの熱交換後の給気流15に対して第一加熱部16のみによる加熱を行っても、加湿装置6によって設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温することができない場合に、第一加熱部16及び第二加熱部17によって、設定加湿量を得るために必要な温度にまで給気流15を昇温することができる一方、第一加熱部16及び第二加熱部17による加熱が必要ない場合に、各加熱部による無駄な消費電力がかかることを抑えることができる。
【0091】
(6)加湿機能付き熱交換形換気装置4によれば、加湿装置6において給気流15に対する加湿量が足りない場合に、第一加熱部16及び第二加熱部17による加熱によって、加湿前の給気流15の温度を上昇させることができるので、加湿機能付き熱交換形換気装置4の加湿能力を容易に上昇させることが可能となる。
【0092】
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0093】
本実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4では、第一加熱部16及び第二加熱部17によって加湿装置6の加湿前の給気流15に対する加熱を行う際、各加熱部の加熱動作をオンまたはオフにして制御して行ったが、これに限られない。例えば、第一加熱部16の加熱動作を、段階的な加熱出力によって制御するようにしてもよい。なお、この場合の第二加熱部17の加熱動作は、オンまたはオフによる制御のままとする。
【0094】
図6を参照して、第一加熱部16の加熱出力を、オフ(0%)、出力X(30%)、出力Y(70%)、及び出力Z(100%)の四段階で制御する変形例について説明する。
図6は、加湿装置6の加湿量を特定する出力能力値に対応した複数の基準値と各加熱部の出力状態の組み合わせを示す図である。ここで、
図6では、基準値として、出力能力値が低い順に、基準値A、基準値B、基準値C、基準値D、基準値E、及び基準値Fが設定される。具体的には、基準値Aは出力能力値4000、基準値Bは出力能力値4300、基準値Cは出力能力値4700、基準値Dは出力能力値5000、基準値Eは出力能力値5300、基準値Fは5700といった割付としている。
【0095】
そして、加湿装置6の加湿量を特定する出力能力値が基準値A以下である場合には、第一加熱部16をオフ状態、第二加熱部17をオフ状態とする。つまり、出力能力値が基準値A以下では、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して加熱を行わない状態となる。
【0096】
次に、出力能力値が基準値Aを超えて基準値B以下(A超B以下)の場合には、第一加熱部16を出力Aのオン状態、第二加熱部17をオフ状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Aでの加熱がなされる。
【0097】
次に、出力能力値が基準値Bを超えて基準値C以下(B超C以下)の場合には、第一加熱部16を出力Bのオン状態、第二加熱部17をオフ状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Bでの加熱がなされる。
【0098】
次に、出力能力値が基準値Cを超えて基準値D以下(C超D以下)の場合には、第一加熱部16を出力Cのオン状態、第二加熱部17をオフ状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Cでの加熱がなされる。
【0099】
そして、出力能力値が基準値Dを超えて基準値E以下(D超E以下)の場合には、第一加熱部16を出力Aのオン状態、第二加熱部17をオン状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Aでの加熱と第二加熱部17による加熱がなされる。
【0100】
さらに、出力能力値が基準値Eを超えて基準値F以下(E超F以下)の場合には、第一加熱部16を出力Bのオン状態、第二加熱部17をオン状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Bでの加熱と第二加熱部17による加熱がなされる。
【0101】
最後に、出力能力値が基準値Fを超える場合には、第一加熱部16を出力Cのオン状態、第二加熱部17をオン状態とする。これにより、熱交換形換気装置5からの給気流15に対して、第一加熱部16による出力Cでの加熱と第二加熱部17による加熱がなされる。
【0102】
このようにすることで、目標湿度に対して、必要な加湿量になるように第一加熱部16と第二加熱部17による給気流15の加熱をより最適に調整することができる。その結果、加湿機能付き熱交換形換気装置4全体としても省エネルギー(低消費電力化)となる。
【0103】
なお、変形例では、第二加熱部17の加熱動作をオンまたはオフとする制御としたが、第一加熱部16と同様、第二加熱部17の加熱動作を、段階的な加熱出力によって制御するようにしてもよい。これにより、各加熱部では、給気流15に対する加熱をさらに細かく調整することが可能となる。
【0104】
また、本実施の形態1に係る加湿機能付き熱交換形換気装置4では、加湿装置6を構成する加湿器6dとして遠心破砕式のものを用いたが、これに限られない。例えば、加湿器6dとして、超音波によって水粒を飛散させる超音波式の構成、加熱によって水蒸気を発生させる加熱式の構成、水に塗れたフィルタ等に空気を通過させることで水分を気化させる気化式の構成、あるいは、これらの組み合わせた構成によるものであってもよい。これらを採用する場合、出力能力値に対応するパラメータ値として、超音波の振幅、加熱量、フィルタへの水分の滴下量を用いて対応させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明に係る加湿機能付き熱交換形換気装置は、屋内の空気と屋外の空気との間での熱交換を可能とする熱交換形換気装置に加湿機能及び加熱機能を備えたものとして有用である。
【符号の説明】
【0106】
1 家屋
2 屋内
3 屋外
4 加湿機能付き熱交換形換気装置
5 熱交換形換気装置
5a 還気口
5b 排気口
5c 外気口
5d 給気口
5e 熱交換素子
5f 湿度センサ
5g 排気ファン
5h 給気ファン
6 加湿装置
6a 給気流入口
6c 給気流出口
6d 加湿器
6e 加湿モータ
6f 加湿ノズル
8 制御部
8a 入力部
8b 処理部
8c 出力部
8d 記憶部
8e 計時部
9 還気風路
10 排気風路
11 外気風路
12 中継風路
13 給気風路
14 排気流
15 給気流
16 第一加熱部
17 第二加熱部
18 操作パネル
19 室内機
19a 送風ファン
19b 第一熱交換器
20 室外機
20a 圧縮機
20b 膨張器
20c 第二熱交換器
20d 送風ファン
20e 四方弁
21 冷媒回路
21a 第一冷媒回路
21b 第二冷媒回路
22 分岐ユニット
22a 第一分岐ユニット
22b 第二分岐ユニット
22c 第三分岐ユニット
22d 第四分岐ユニット