(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】MAPタイプのリードフレームの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
H01L 23/50 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
H01L23/50 A
H01L23/50 B
(21)【出願番号】P 2019193406
(22)【出願日】2019-10-24
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】592074614
【氏名又は名称】日電精密工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】石原 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】近藤 英夫
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 春幸
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-194027(JP,A)
【文献】特開2014-138075(JP,A)
【文献】特開平05-315497(JP,A)
【文献】特開2004-063616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0018663(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子搭載部と、リードと、を含む単位フレームを、マトリクス状に複数配置したブロック領域を形成することにより
MAPタイプのリードフレームを製造する
MAPタイプのリードフレーム製造方法であって、
前記単位フレームを
薄板金属板の搬送方向に対して横方向に同時に複数プレス加工するための金型を含む複数の金型を
前記薄板金属板の搬送方向に配置し、所定の第1間隔で前記薄板金属板を順次搬送しつつプレス加工することにより、前記複数の金型のそれぞれにより、前記単位フレーム
及び前記単位フレームの前記横方向の両端に配置された前記単位フレームの形状とは異なる打ち抜き形状を、前記搬送方向に複数含む打ち抜き形状
を形成することにより複数の前記ブロック領域を形成するプレス工程と、
停止中に前記プレス工程を行った後に、所定の第2間隔で前記薄板金属板を搬送することにより複数の前記ブロック領域を順次形成する際に、前記順次形成される複数の前記ブロック領域の搬送方向の前記第2間隔が前記ブロック領域内における前記単位フレームの搬送方向の前記第1間隔の整数倍となるように前記薄板金属板を搬送する
とともに、前記複数の金型のうち前記プレス工程で使用した金型とは異なる金型によりプレス加工することにより、前記ブロック領域の間に前記プレス工程で形成した打ち抜き形状とは異なる打ち抜き形状を形成する搬送工程と、
により
MAPタイプのリードフレームを製造することを特徴とする
MAPタイプリードフレーム製造方法。
【請求項2】
半導体素子搭載部と、リードと、を含む単位フレームを、マトリクス状に複数配置したブロック領域を形成することにより
MAPタイプのリードフレームを製造する
MAPタイプのリードフレーム製造装置であって、
前記単位フレームを
薄板金属板の搬送方向に対して横方向に同時に複数プレス加工するための金型を含む複数の金型を
前記薄板金属板の搬送方向に配置し、所定の第1間隔で前記薄板金属板を順次搬送しつつプレス加工することにより、前記複数の金型のそれぞれにより、前記単位フレーム
及び前記単位フレームの前記横方向の両端に配置された前記単位フレームの形状とは異なる打ち抜き形状を、前記搬送方向に複数含む異なる打ち抜き形状
を形成することにより複数の前記ブロック領域を形成するプレス部と、
前記薄板金属板を所定の第2間隔で搬送と停止を繰り返して行い、停止中に前記プレス部によって、前記薄板金属板に複数の前記ブロック領域を順次形成する
とともに、前記複数の金型のうち前記プレス部で使用した金型とは異なる金型によりプレス加工することにより、前記ブロック領域の間に前記プレス部で形成した打ち抜き形状とは異なる打ち抜き形状を形成する搬送部と、
前記搬送部による前記薄板金属板の搬送の際、前記順次形成される複数の前記ブロック領域の搬送方向の前記第2間隔が前記ブロック領域内における前記単位フレームの搬送方向の前記第1間隔の整数倍となるように前記薄板金属板を搬送させる制御部と、
を備えたことを特徴とする
MAPタイプのリードフレーム製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体を搭載するために用いられるMAPタイプのリードフレームの製造方法及びMAPタイプのリードフレームの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子を搭載してチップ化するためのリードフレームの製造方法として、エッチング工程とプレス工程の両方用いた製造方法がある。
この製造方法では、エッチング工程において、金属板の裏面から見て隣接するインナーリード同士の間隔部分にハーフエッチングを施して窪みを形成し、プレス工程では、エッチング工程で形成した窪みと、金属板の表面との間を、金属板の裏面の窪みからプレス加工により貫通して隣接するインナーリード同士の間隔部分を除去し、インナーリードのパターを形成する。また、プレス工程では、隣接するインナーリード同士の間隔部分を1個おきに除去するプレス工程を2段階で行って、個々の隣接するインナーリード同士の間隔部分を除去するようにしている(例えば、特許文献1参照)。また、エッチングのみでリードフレームを形成する技術もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記リードフレームの製造方法では、エッチング工程とプレス工程の両工程が必要であるため、製造工程が複雑であり、また、エッチング工程があるため、リードフレームの製造時間を短くすることができないという問題がある。また、エッチングのみでリードフレームを形成する場合には、更に製造時間が長いという問題があった。
【0005】
さらに、MAP(Molded Array Packaging)タイプのリードフレームは、アウターリードがないために実装面積を大幅に低減できるという利点があるため、近年需要が増加している。このMAPタイプのリードフレームは、製造する際の精度を高める必要があるため、エッチングによって製造する方法が一般的であり、製造時間を短くすることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、加工精度を確保しつつ製造時間を短縮できるMAPタイプのリードフレームの製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
[適用例1]
適用例1に記載のMAPタイプのリードフレーム製造方法は、
半導体素子搭載部と、リードと、を含む単位フレームを、マトリクス状に複数配置したブロック領域を形成することによりMAPタイプのリードフレームを製造するMAPタイプのリードフレーム製造方法であって、
前記単位フレーム(50)を薄板金属板(5)の搬送方向に対して横方向に同時に複数プレス加工するための金型(80b)を含む複数の金型(80a,80b,80c)を前記薄板金属板(5)の搬送方向に配置し、所定の第1間隔(α)で前記薄板金属板(5)を順次搬送しつつプレス加工することにより、前記複数の金型(80a,80b)のそれぞれにより、前記単位フレーム(50)及び前記単位フレーム(50)の前記横方向の両端に配置された前記単位フレーム(50)形状とは異なる打ち抜き形状(丸孔61、-形状)を、前記搬送方向に複数含む異なる打ち抜き形状を形成することにより複数の前記ブロック領域(60)を形成するプレス工程と、
停止中に前記プレス工程を行った後に、所定の第2間隔で前記薄板金属板(5)を搬送することにより複数の前記ブロック領域(60)を順次形成する際に、前記順次形成される複数の前記ブロック領域(60)の搬送方向の前記第2間隔(β)が前記ブロック領域(60)内における前記単位フレーム(50)の搬送方向の前記第1間隔(α)の整数倍となるように前記薄板金属板(5)を搬送するとともに、前記複数の金型(80a,80b,80c)のうち前記プレス工程で使用した金型とは異なる金型(80c)によりプレス加工することにより、前記ブロック領域(60)の間に前記プレス工程で形成した打ち抜き形状とは異なる打ち抜き形状(63)を形成する搬送工程と、
によりMAPタイプのリードフレームを製造することを要旨とする。
【0009】
このようなMAPタイプのリードフレーム製造方法では、搬送工程により薄板金属板(5)を所定の間隔で送りながらプレス工程により、異なる打ち抜き形状のブロック領域(60)を形成していく、したがって、搬送工程で複数の金型(80a,80b)の数だけ、薄板金属板(5)を所定の間隔で送れば、MAPタイプのリードフレーム(70)が形成される。
【0010】
このとき、順次形成される複数のブロック領域(60)の搬送方向の間隔がブロック領域(60)内における単位フレーム(50)の搬送方向の間隔の整数倍となるように薄板金属板(5)を搬送するとともに、打ち抜き形状の異なる複数の金型(80c)を用いてプレス加工を行うことにより、MAPタイプのリードフレーム(70)を製造することが可能となる。
【0011】
また、金型を、打ち抜き形状が異なる複数の金型(80a,80b,80c)に分割することにより、個々の金型(80a,80b,80c)を小さくすることができる。したがって、金型(80a,80b,80c)が軽量となり取扱いも容易となる。
【0012】
[適用例2]
適用例2に記載のMAPタイプのリードフレーム製造装置(1)は、
半導体素子搭載部(51)と、リード(52)と、を含む単位フレーム(50)を、マトリクス状に複数配置したブロック領域(60)を形成することによりリードフレーム(70)を製造するリードフレーム製造装置(1)であって、
前記単位フレーム(50)を薄板金属板(5)の搬送方向に対して横方向に同時に複数プレス加工するための金型(80b)を含む複数の金型(80a,80b,80c)を前記薄板金属板(5)の搬送方向に配置し、所定の第1間隔(α)で前記薄板金属板(5)を順次搬送しつつプレス加工することにより、前記複数の金型(80a,80b)のそれぞれにより、前記単位フレーム(50)及び前記単位フレームの前記横方向の両端に配置された前記単位フレームの形状とは異なる打ち抜き形状を、前記搬送方向に複数含む異なる打ち抜き形状の複数の前記ブロック領域(60)を形成するプレス部(10)と、
前記薄板金属板(5)を所定の第2間隔(β)で搬送と停止を繰り返して行い、停止中に前記プレス部(10)によって、前記薄板金属板(5)に複数の前記ブロック領域(60)を順次形成するとともに、前記複数の金型(80a,80b,80c)のうち前記プレス部(10)で使用した金型とは異なる金型(80c)によりプレス加工することにより、前記ブロック領域(60)の間に前記プレス部(10)で形成した打ち抜き形状とは異なる打ち抜き形状を形成する搬送部(20)と、
前記搬送部(20)による前記薄板金属板(5)の搬送の際、前記順次形成される複数の前記ブロック領域(60)の搬送方向の前記第2間隔(β)が前記ブロック領域(60)内における前記単位フレーム(50)の搬送方向の前記第1間隔(α)の整数倍となるように前記薄板金属板(5)を搬送させる制御部(30)と、
【0013】
このようなMAPタイプのリードフレーム製造装置(1)によれば、適用例1に記載のリードフレーム製造方法と同様の効果を有するMAPタイプのリードフレーム製造装置(1)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】リードフレームの概略の構成を示す図である。
【
図2】ブロック領域内の単位フレームの概略の構成を示す図である。
【
図3】リードフレーム製造装置の概略の構成を示すブロック図である。
【
図5】複数の金型のそれぞれの金型でプレス加工する様子を示す図である。
【
図6】プレス機のオン/オフのタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について適宜図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0016】
[第1実施形態]
(リードフレーム70の構成)
先ず、
図1及び
図2に基づき、リードフレーム製造装置1により製造されるリードフレーム70の構成について説明する。
図1は、リードフレーム70の概略の構成を示す図であり、
図2は、ブロック領域60内の単位フレーム50の概略の構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、リードフレーム70は、単位フレーム50を、マトリクス状に複数配置したブロック領域60からなっている。
また、
図2に示すように、各単位フレーム50は、半導体素子搭載部51(パッド)とリード52とから構成されている。また、半導体素子搭載部51には、LED素子などの半導体素子7を搭載する。さらに、半導体素子7とリード52の間をボンディングワイヤ8で結合している。なお、
図2において、リード52とボンディングワイヤ8は多数あるため、符号は1個のみ記載し、他の符号は省略してある。
【0018】
(リードフレーム製造装置1の構成)
図3~
図5に基づき、リードフレーム製造装置1の構成について説明する。
図3は、リードフレーム製造装置1の概略の構成を示すブロック図である。また、
図4は、複数の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cの配置を示す図であり、
図5は、複数の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cのそれぞれの金型でプレス加工する様子を示す図である。なお、複数の個々の金型全体をまとめて金型80とも呼ぶ。
【0019】
図3に示すように、リードフレーム製造装置1は、プレス部10、搬送部20及び制御部30を備えている。
また、
図4に示すように、プレス部10は、それぞれ異なる形状の打ち抜き加工が可能な3個の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cを1セットとして用い、薄板金属板5(
図5参照)をプレス加工し、ブロック領域60を形成する部分である。
【0020】
ここで、通常の金型は、金型を構成するステージがプレス時に上死点から下死点へ同時に移動してプレス作動を行うが、本実施形における金型80は、
図4に示すように、金型80を構成する個々の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cがプレス時にそれぞれ上死点(
図4(A)参照)から下死点へ個別に異なるタイミングで移動してプレス作動を行うことができるようになっている(異なるプレス作動を
図4(B)又は
図4(C)に示す)。
【0021】
実際のプレス部10では、
図4に示すように、3個の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cのセットを、薄板金属板5を搬送する方向に複数配置して製造効率を向上させている。
【0022】
また、
図5(A)に示すように、ブロック領域60は、単位フレーム50の形状だけでなく、位置決めや、搬送の際の送りのための「〇形状」や「|形状」の孔などを組み合わせて、上下方向に並べて打ち抜く必要がある。
【0023】
そこで、
図5(A)及び
図5(B)に示すように、金型X80aは、ブロック領域60の上端縁部と下端縁部の2か所に配置される「〇形状」の孔(以下、丸孔61と呼ぶ)の打ち抜き加工が可能な形状となっている。
【0024】
また、金型Y80bは、金型X80aで形成される上端縁部の丸孔61の下側と下端縁部の丸孔61の上側の2か所に配置される「-形状」の孔及び「-形状」の孔に挟まれた領域に3個配置される単位フレーム形状(以下、2個の「-形状」の孔と3個の「単位フレーム形状」とをまとめて「単位フレーム形状62と呼ぶ)の打ち抜き加工が可能な形状となっている。
【0025】
さらに、金型Z80cは、金型X80aで形成される上端縁部の丸孔61の下側と下端縁部の丸孔61の上側の間に2個配置される「|形状」の孔(以下、「縦孔63」と呼ぶ)の打ち抜き加工が可能な形状となっている。
【0026】
この3個の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cにより、ブロック領域60の縦一列の打ち抜き形状を形成するようになっている。
3個の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cを用いて、薄板金属板5を、金型Z80c→金型Y80b→金型X80aの順に送りながら、それぞれの金型でプレス加工を行うことにより、単位フレーム形状62などをマトリクス状に複数配置したブロック領域60を形成する。
【0027】
搬送部20は、薄板金属板5を所定間隔で搬送と停止を繰り返して行い、停止中にプレス部10によって、薄板金属板5に複数のブロック領域60を順次形成するための搬送装置である。
【0028】
搬送部20は、一般敵に用いられるロールフィーダ又はグリッパーフィーダと呼ばれるものである。ロールフィーダは、上下2つのロールとそれらを駆動するモータなどから構成されており、上下のロールの間に薄板金属板5を挟み、上下のロールを、送り長さ(α)分の間間欠回転させることにより薄板金属板5を送るようになっている。
【0029】
一方のグリッパーフィーダは、送りクランプと固定クランプの2つのクランプ及びそれらのクランプを開閉するためのエアーバルブやカム機構を備えている。送りクランプは薄板金属板5を挟み、開→戻り(戻り距離α)→閉→送り(送り距離α)の作動を繰り返す。固定クランプは、送りクランプが送り作動のときに開となり、その他の作動のときには閉じている。
【0030】
制御部30は、処理部31、入力部32及び表示部33を備えている(
図2参照)。処理部31は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/Oやハードディスクなどの外部記憶装置を備えており、プレス部10及び搬送部20を作動させる制御装置である。
【0031】
入力部32は、加工条件や管理情報などを入力するための装置であり、キーボードやテンキーあるはタッチスクリーンなどである。また、表示部33は、入力結果や加工状況を表示するための装置である、液晶ディスプレイなどである。
【0032】
ここで、
図6に基づき制御部30における制御内容について説明する。
図6は、プレス機のオン/オフのタイミングを示す図である。なお、プレス機のオンとは、金型X80a、金型Y80b、金型Z80cの何れかを下降させてプレス加工を行うことをいい、オフとは、金型X80a、金型Y80b、金型Z80cの何れかを上昇させてプレス加工を行わない状態をいう。
【0033】
制御部30では、
図6に示すように、プレス部10及び搬送部20を下記(ア)~(オ)に示すように制御する。
(ア)薄板金属板5を搬送部20により一方向に所定の間隔(α)だけ搬送した後、搬送停止させる。
【0034】
(イ)搬送部20の搬送停止状態中に、金型X80a及び金型Z80cをオン状態、金型Y80bをオフ状態とし、丸孔61及び縦孔63の打ち抜き加工を行った後、金型X80a及び金型Z80cをオフ状態とする(
図6の番号1-1参照)。
(ウ)所定の間隔(α)だけ搬送した後、搬送を停止させ、金型X80a及び金型Y80bをオン状態、金型Z80cをオフ状態として丸孔61及び単位フレーム形状62の打ち抜き加工を行った後、金型X80a及び金型Y80bをオフ状態とする(
図6の番号1-2参照)。
【0035】
(エ)所定の間隔(α)だけ搬送しつつ、(ウ)の工程を3回繰り返す(
図6の番号1-3~1-5参照)。換言すれば、(ウ)の工程を計4回繰り返す。
このように、(イ)~(エ)により、ブロック領域60を形成する。
(オ)その後、(イ)~(エ)を繰り返すことにより、複数のブロック領域60を順次形成していく(
図6の2-1~2-
5、3-1~3-
5参照)。
【0036】
ここで、
図1に示すように、所定の間隔(α)だけ薄板金属板5を搬送しながらブロック領域60を形成していく際に、順次形成されていくブロック領域60の搬送方向の所定の間隔(β)との関係が、β=Nα(Nは整数)の関係となるようにする。αとβとをこの関係に保つことにより、上記(ア)~(オ)の加工を行うことができる。
【0037】
以上に説明したリードフレーム製造装置及び製造方法では、搬送工程により薄板金属板5を所定の間隔(α)で送りながらプレス工程により、異なる打ち抜き形状のブロック領域60を形成していく、したがって、搬送工程で複数の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cの数だけ、薄板金属板5を所定の間隔(α)で送れば、リードフレーム70が製造できる。
【0038】
このとき、順次形成される複数のブロック領域60の搬送方向の間隔(β)がブロック領域60内における単位フレーム50の搬送方向の間隔(α)の整数倍(N倍)となるように薄板金属板5を搬送することにより、打ち抜き形状の異なる複数の金型80a,80b,80cを用いてリードフレーム70を製造することが可能となる。
【0039】
また、金型を、打ち抜き形状が異なる複数の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cに分割することにより、個々の金型X80a、金型Y80b、金型Z80cを小さくすることができる。したがって、金型X80a、金型Y80b、金型Z80cが軽量となり取扱いも容易となる。
【0040】
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、金型を金型X80a、金型Y80b、金型Z80cの3個としたが、更に多数の金型を使用してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、金型X80aで形成される孔形状を丸孔61、金型Y80bで形成される孔形状を単位フレーム形状62、金型Z80cで形成される孔形状を縦孔63としたが、リードフレーム70で必要とされるブロック領域60の孔形状に応じて、他の孔形状としてもよい。
【0042】
上記実施形態では、半導体素子7として略正方形形状の素子を用いたが(
図2参照)、他の形状の半導体素子に適用してもよい。また、単位フレーム50も
図2に示すように略正方形形状としたが、半導体素子7の形状などによっては、長方形など正方形以外の形状としてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1… リードフレーム製造装置 5… 薄板金属板 7… 半導体素子 8… ボンディングワイヤ 10… プレス部 20… 搬送部 30… 制御部 31… 処理部 32… 入力部 33… 表示部 50… 単位フレーム 51… 半導体素子搭載部 52… リード 60… ブロック領域 61… 丸孔 62… 単位フレーム形状 63… 縦孔 70… リードフレーム 80a… 金型X 80b… 金型Y 80c… 金型Z。