(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】シャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20240726BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20240726BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240726BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/44
A61Q5/02
(21)【出願番号】P 2019217004
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-09-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】植田 真三久
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-181153(JP,A)
【文献】特開2002-193758(JP,A)
【文献】特開2001-181151(JP,A)
【文献】I-ne, Japan,Iris & Freesia Botanical Shampoo,Mintel GNPD [online],2019年04月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#6490053, [検索日:2023.08.18], 表題部分及び成分
【文献】Japan Gateway, Japan,Shampoo,Mintel GNPD [online],2019年03月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#6404347, [検索日:2023.08.18], 表題部分及び成分
【文献】Angfa, Japan,Morning Shampoo,Mintel GNPD [online],2016年11月,Internet <URL:https://portal.mintel.com>,ID#4426443, [検索日:2023.08.18], 表題部分及び成分
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリクオタニウム-50を0.01質量%以上2質量%以下、(B)ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから選ばれる少なくとも一種のカチオン化ポリマーを0.05質量%以上1質量%以下、並びに(C)アミノ酸型界面活性剤3質量%以上12質量%以下を含むシャンプー組成物であって、
さらに(D)ポリクオタニウム-22を含むシャンプー組成物。
【請求項2】
前記(B)成分がポリクオタニウム-10である請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記(C)成分がココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、及びラウロイルアスパラギン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記シャンプー組成物は、透明製剤である請求項1~
3のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のカチオン化ポリマー及びアミノ酸型界面活性剤を含有するシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、シャンプー組成物は、毛髪の汚れを落とすため、硫酸系のアニオン性界面活性剤が含有されている。しかしながら、十分な洗浄力を確保できる反面、毛髪がきしんで絡まり易くなり、指通りが悪化するという問題があった。そのため、洗浄性を向上させながら、洗浄時のきしみを改善するためにアミノ酸型界面活性剤を配合することがあった。ところが、アミノ酸型界面活性剤を用いたシャンプー組成物では、他のアニオン性界面活性剤を用いたシャンプー組成物に比べ、泡立ちが劣ることがあった。
【0003】
そこで、従来より、特許文献1に開示されるシャンプー組成物が知られている。特許文献1は、アミノ酸型界面活性剤としてココイルメチルタウリンナトリウム、N-アシルアミノ酸塩の他、カチオン化ポリマーとしてポリクオタニウム-10を配合するシャンプー組成物について開示する。かかるシャンプー組成物は、カチオン化ポリマーにより泡立ちを向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシャンプー組成物は、シャンプー中に含まれるカチオン化ポリマーが毛髪に過度に吸着することで、その後に適用するトリートメント中のコンディショニング成分が毛髪に付着しないといったオーバーコンディショニングが生じ、トリートメント後、髪がごわつき、感触が悪くなることがあった。そのため、これまでのシャンプー組成物は、泡立ちの向上効果と、オーバーコンディショニングの改善効果との両立を図ることはできなかった。なお、トリートメント後の感触は洗髪時の感触とは独立している。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、泡立ちを向上でき、オーバーコンディショニングを改善できるシャンプー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、シャンプー組成物において特定のカチオン化ポリマー及びアミノ酸型界面活性剤を併用することにより、泡立ちの向上とオーバーコンディショニングの改善とを両立できることを見出したことに基づくものである。尚、成分の含有量を示す質量%の数値は、水等の可溶化剤を使用する場合、それらも含めた剤型中における数値である。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のシャンプー組成物では、(A)ポリクオタニウム-50、(B)ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから選ばれる少なくとも一種のカチオン化ポリマー、並びに(C)アミノ酸型界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0009】
前記シャンプー組成物において、前記(B)成分はポリクオタニウム-10であってもよい。
前記シャンプー組成物において、前記(C)成分はココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、及びラウロイルアスパラギン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも一種であってもよい。
【0010】
前記シャンプー組成物において、さらに(D)ポリクオタニウム-22を含んでもよい。
前記シャンプー組成物において、前記(C)成分以外のアニオン性界面活性剤の含有量は6質量%未満であってもよい。
【0011】
前記シャンプー組成物は、透明製剤であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、泡立ちを向上でき、オーバーコンディショニングを改善できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のシャンプー組成物を具体化した一実施形態を説明する。本実施形態のシャンプー組成物は、少なくとも(A)ポリクオタニウム-50、(B)ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから選ばれる少なくとも一種のカチオン化ポリマー、並びに(C)アミノ酸型界面活性剤を含有する。さらに、例えば(D)ポリクオタニウム-22を含有してもよい。
【0014】
(A)成分は、泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。ポリクオタニウム-50としては市販品を使用してもよく、例えばプラスサイズL-410W、プラスサイズL-402W等が挙げられる。
【0015】
シャンプー組成物中における(A)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(A)成分の含有量が0.01質量%以上であると、泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。
【0016】
シャンプー組成物中における(A)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。(A)成分の含有量が2質量%以下であると、オーバーコンディショニングを改善する。また、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0017】
(B)成分は、ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから選ばれる少なくとも一種のカチオン化ポリマーである。(B)成分は、特に泡立ちを向上させる。また、洗髪時におけるきしみを改善する。ポリクオタニウム-10としては、市販品を使用してもよく、例えばレオガードG、同GP、同MLP(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、UCAREポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M(ダウ・ケミカル社製)、セルコートSC-230M(アクゾノーベル社製)、カチナールLC200、同HC200、同LC-100、同HC-100(東邦化学工業社製)等が挙げられる。(B)成分は、一種類の(B)成分を単独で使用してもよいし、又は二種以上の(B)成分を適宜組み合わせて使用してもよい。上述した(B)成分のうち、泡立ち及び洗髪時のきしみ改善効果に優れる観点からポリクオタニウム-10が好ましい。
【0018】
シャンプー組成物中における(B)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。(B)成分の含有量が0.05質量%以上であると、泡立ちを向上させる。また、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0019】
シャンプー組成物中における(B)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。(B)成分の含有量が1質量%以下であると、オーバーコンディショニングを改善する。
【0020】
(C)成分は、洗髪時におけるきしみを改善する。(C)成分の具体例としては、例えばN-アシルアミノ酸型界面活性剤が挙げられる。N-アシルアミノ酸型界面活性剤は、飽和または不飽和のアシル基を有するアミノ酸の塩、及び同アミノ酸の類縁体の塩である。当該アミノ酸の具体例としては、例えばグルタミン酸、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン、バリン、セリン、N-メチルグリシン(サルコシン)、N-メチルアラニン等が挙げられる。当該アミノ酸の類縁体の具体例としては、例えば2-アミノエタンスルホン酸(タウリン)、N-メチルタウリン等が挙げられる。また、当該酸性アミノ酸及びその類縁体は、D体、L体、及びDL体のいずれであってもよい。
【0021】
アニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。N-アシルアミノ酸型界面活性剤の具体例としては、例えばココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルプロリンナトリウム、ラウロイルシルクアミノ酸カリウム等が挙げられる。(C)成分は、一種類の(C)成分を単独で使用してもよいし、又は二種以上の(C)成分を適宜組み合わせて使用してもよい。これらの中で、泡立ち向上効果及びオーバーコンディショニング改善効果に優れる観点から、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、及びラウロイルアスパラギン酸ナトリウムが好ましい。
【0022】
シャンプー組成物中における(C)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上である。(C)成分の含有量が3質量%以上であると、泡立ちを改善する。
【0023】
シャンプー組成物中における(C)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは9質量%以下である。(C)成分の含有量が12質量%以下であると、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0024】
(D)成分は、上記成分と併用することにより特に泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。また、洗髪時におけるきしみを改善する。したがって、シャンプー組成物は、好ましくは(D)成分を含有する。(D)成分としては、市販品を使用してもよく、例えばマーコート280(ルーヴリゾール社製)等が挙げられる。
【0025】
シャンプー組成物中における(D)成分の含有量の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。(D)成分の含有量が0.01質量%以上であると、特に泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。
【0026】
シャンプー組成物中における(D)成分の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。(D)成分の含有量が2質量%以下であると、泡立ちを向上させる。
【0027】
シャンプー組成物中における(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A/B)の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1以上である。かかる質量比が0.05以上であると泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。
【0028】
シャンプー組成物中における(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比(A/B)の上限は、適宜設定されるが、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。かかる質量比が5以下であると、泡立ちを向上させ、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0029】
シャンプー組成物中における(C)成分の含有量に対する(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との合計の質量比(A+B)/(C)の下限は、適宜設定されるが、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.06以上、さらに好ましくは0.08以上である。かかる質量比が0.03以上であると、泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。
【0030】
シャンプー組成物中における(C)成分の含有量に対する(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との合計の質量比(A+B)/(C)の上限は、適宜設定されるが、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.2以下である。かかる質量比が0.5以下であると、オーバーコンディショニングを改善する。また、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0031】
シャンプー組成物は、必要に応じて、前述した成分以外の成分、例えば可溶化剤、上記以外の水溶性ポリマー、無機物系高分子、油性成分、多価アルコール、上記以外の界面活性剤、pH調整剤、糖、防腐剤、安定剤、動植物又は微生物の抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、キレート化剤、アミノ酸、紫外線吸収剤、無機塩、酸性染料、染毛色材、痒み抑制剤、冷感剤等をさらに含有してもよい。
【0032】
可溶化剤は、例えば、シャンプー組成物を液状にする場合に配合される。使用される可溶化剤の例としては、例えば水及び有機溶媒(溶剤)が挙げられる。有機溶媒の具体例としては、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)、フェノキシイソプロパノール、2-ベンジルオキシエタノール、N-アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が挙げられる。これらの可溶化剤は、一種の可溶化剤を単独で使用してもよいし、二種以上の可溶化剤を組み合わせて使用してもよい。これらの中で、シャンプー組成物中のその他の成分を溶解する能力に優れることから水が好ましく適用される。溶媒として水が用いられる場合、シャンプー組成物中における水の含有量(使用時の含有量)は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上である。
【0033】
上記以外の水溶性ポリマーは、シャンプー組成物に適度な粘度等を付与する。そのため、シャンプー組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において水溶性ポリマーを含有してもよい。水溶性ポリマーとしては、例えば天然高分子、半合成高分子、合成高分子が挙げられる。天然高分子の具体例としては、例えばデンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、デキストリン、トリグルコ多糖(プルラン)等が挙げられる。
【0034】
半合成高分子の具体例としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、上記以外のカチオン化セルロース、上記以外のカチオン化グアーガム、デンプンリン酸エステル、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
【0035】
合成高分子の具体例としては、例えばトリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコース、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニル(VP/VA)コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体、ポリ塩化ジメチルジメチレンピロリジニウム(ポリクオタニウム-6)(マーコート100:メルク社製)、イタコン酸とポリオキシエチレン(以下、「POE」という)アルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とPOEアルキルエーテルとのエステルと、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体等が挙げられる。これらの水溶性ポリマーは、一種の水溶性ポリマーを単独で使用してもよいし、二種以上の水溶性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。
【0036】
無機物系高分子の具体例としては、例えばベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。これらの無機物系高分子は、一種の無機物系高分子を単独で使用してもよいし、二種以上の無機物系高分子を組み合わせて使用してもよい。
【0037】
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与する。そのため、シャンプー組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において油性成分を含有してもよい。油性成分としては、例えば油脂、ロウ類、炭化水素、エステル油、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、シリコーン等が挙げられる。
【0038】
油脂の具体例としては、例えばアルガニアスピノサ核油、オリーブ油(オリブ油)、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、杏仁油、パーシック油、桃仁油、パーム油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類の具体例としては、例えばラノリン、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油等が挙げられる。炭化水素の具体例としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、合成スクワラン等が挙げられる。
【0039】
エステル油の具体例としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2-エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10~30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0040】
高級アルコールの具体例としては、例えばセチルアルコール(セタノール)、2-ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0041】
高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0042】
シリコーンの具体例としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、高重合シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。これらの油性成分は、一種の油性成分を単独で使用してもよいし、二種以上の油性成分を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
多価アルコールとしては、例えばグリコール、グリセリン等が挙げられる。グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリンとしては、例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、一種の多価アルコールを単独で使用してもよいし、二種以上の多価アルコールを組み合わせて使用してもよい。
【0044】
上記以外の界面活性剤は、乳化剤又は各成分を可溶化させるための成分としてシャンプー組成物を使用時に乳化又は可溶化させ、粘度を調整したり、粘度安定性を向上させる。また、洗浄性、毛髪の感触を向上させる。そのため、シャンプー組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内において上記以外の界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、上記以外のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0045】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、及びそれらの誘導体等が挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンの具体例としては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエタノールアミン等が挙げられる。より具体的には、アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、例えばPOEラウリルエーテル硫酸ナトリウムが挙げられる。アルキル硫酸塩の具体例として、例えばラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル硫酸塩の誘導体の具体例として、例えばPOEラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩の具体例として、例えばステアレス-4カルボン酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸エステルの具体例として、例えばスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられる。
【0046】
シャンプー組成物中における(C)成分以外のアニオン性界面活性剤の含有量の上限は、適宜設定されるが、好ましくは6質量%未満、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。(C)成分以外のアニオン性界面活性剤の含有量が6質量%未満であると、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0047】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えば塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ベヘニルジメチルアミン、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリルジメチルアミン、パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。塩化アルキルトリメチルアンモニウムの具体例としては、例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アラキルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0048】
両性界面活性剤の具体例としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ヒドロキシアルキル(C12-14)ヒドロキシエチルサルコシン等が挙げられる。
【0049】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば脂肪酸アルカノールアミド系非イオン性界面活性剤、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、アルキルグルコシド等が挙げられる。
【0050】
脂肪酸アルカノールアミド系非イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アルカノールアミド、ポリアルキレンオキサイド脂肪酸アルカノールアミド等が含まれる。脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、例えばラウリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド等が挙げられる。また、ポリアルキレンオキサイド脂肪酸アルカノールアミドの具体例としては、例えばPOEラウリン酸モノエタノールアミド、POEヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシプロピレンヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド等が挙げられる。POEラウリン酸モノエタノールアミドの具体例としては、例えばPEG-3ラウラミド等が挙げられる。
【0051】
エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばPOEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテル、POEセチルエーテル(セテス)、POEステアリルエーテル(ステアレス)、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル(オレス)、POEラウリルエーテル(ラウレス)、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル、POEポリオキシプロピレンセチルエーテル、POEポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。POEセトステアリルヒドロキシミリスチレンエーテルの具体例としては、例えばセテアレス-60ミリスチルグリコール等が挙げられる。
【0052】
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEヤシ油脂肪酸グリセリン、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸POEソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル(ラウリン酸ポリグリセリル-10)、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、POE還元ラノリン等が挙げられる。POEヤシ油脂肪酸グリセリンの具体例としては、例えばヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル等が挙げられる。ジステアリン酸ポリエチレングリコールの具体例としては、例えばジステアリン酸PEG-150等が挙げられる。モノイソステアリン酸POEソルビタンの具体例としては、例えばイソステアリン酸PEG-20ソルビタン等が挙げられる。モノラウリン酸POEソルビタンの具体例としては、例えばラウリン酸PEG-80ソルビタン等が挙げられる。
【0053】
アルキルグルコシドの具体例として、例えばアルキル(炭素数8~16)グルコシド、POEメチルグルコシド、POEジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、一種の非イオン性界面活性剤を単独で使用してもよいし、二種以上の非イオン性界面活性剤を組み合わされて使用してもよい。
【0054】
pH調整剤は、シャンプー組成物のpHを調整するために配合してもよい。pH調整剤としては、無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。無機酸の具体例としては、例えばリン酸、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸等が挙げられる。さらにリン酸の具体例としては、例えばオルトリン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が含まれる。有機酸の具体例としては、例えばクエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、安息香酸等が挙げられる。有機酸塩の具体例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。糖の具体例としては、例えばグルコース、ガラクトース等の単糖、マルトース、スクロース、フルクトース、トレハロース等の二糖、ソルビトール等の糖アルコール等が挙げられる。防腐剤の具体例としては、例えばパラベン、メチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。安定剤の具体例としては、例えばフェナセチン、8-ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等が挙げられる。動植物又は微生物の抽出物の具体例としては、例えばサピンヅストリホリアツス果実エキス、加水分解酵母エキス等が挙げられる。酸化防止剤の具体例としては、例えばアスコルビン酸類及び亜硫酸塩等が挙げられる。キレート化剤の具体例としては、例えばエデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸及びその塩類、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸及びその塩類、並びにヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)及びその塩類等が挙げられる。アミノ酸の具体例としては、例えばトレオニン、アルギニン、テアニン、タウリン等が挙げられる。無機塩の具体例として、例えば塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。痒み抑制剤の具体例としては、サリチル酸、その誘導体等が挙げられる。冷感剤の具体例としては、例えばl-メントール等が挙げられる。これらのその他成分は、一種のその他成分を単独で使用してもよく、二種以上のその他成分を組み合わせて使用してもよい。
【0055】
シャンプー組成物の剤型は特に限定されず、具体例として25℃における剤型が、例えば水溶液や乳液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもでき、ノンエアゾールの場合、更にスクイズフォーマー式及びポンプフォーマー式等の種々の形態をとることができる。また、エアゾールの場合、公知の噴射剤及び発泡剤を適用することができる。噴射剤又は発泡剤の具体例としては、例えば液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、窒素ガス、炭酸ガス等が挙げられる。また、シャンプー組成物の外観は、透明製剤及び不透明製剤のいずれでもよいが、外観特性を向上させるため透明製剤であることが好ましい。ここで透明製剤とは、例えば透明の4号規格ビン(約37mL容量)にシャンプー組成物を30mL入れ、目視にて外観観察を行った結果、規格瓶の後ろに置いた8ポイント文字が読み取れる場合を示す。
【0056】
本実施形態のシャンプー組成物の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態のシャンプー組成物は、(A)ポリクオタニウム-50、(B)ポリクオタニウム-10及びグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから選ばれる少なくとも一種のカチオン化ポリマー、並びに(C)アミノ酸型界面活性剤を含有する。したがって、泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。また、洗髪時におけるきしみを改善する。
【0057】
(2)シャンプー組成物がさらに(D)ポリクオタニウム-22を含む場合、泡立ちをより向上させ、オーバーコンディショニングをより改善する。また、洗髪時におけるきしみをより改善する。
【0058】
(3)シャンプー組成物がさらに(C)成分以外のアニオン性界面活性剤の含有量が6質量%未満の場合、洗髪時のきしみをより改善する。
尚、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0059】
・上記実施形態のシャンプー組成物には、シャンプー組成物(ヘアシャンプー)の他、リンスインシャンプー、スキャルプシャンプー等が含まれるものとする。
・上記実施形態のシャンプー組成物は、使用時に各成分が混合して存在すればよく、上述したシャンプー組成物を構成する各剤に含有される各成分の一部を別剤として保存してもよい。かかる構成においても、泡立ちを向上させ、オーバーコンディショニングを改善する。また、洗髪時におけるきしみを改善する。
【実施例】
【0060】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。尚、本発明は、実施例欄記載の構成に限定されるものではない。
表1,2に示す各成分を含有する、シャンプー組成物をそれぞれ調製した。表1,2における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。まず、ストレートなヒト毛髪ウィッグ(以下、単にウィッグという。)を準備し、そのウィッグを脱色剤(ホーユー社製、プロマスターEX LT)で1回脱色処理し、水洗した後、乾燥させた。この操作により脱色されたウィッグを評価用ウィッグとした。評価用ウィッグを用い、水に濡らしてから各処方のシャンプー組成物を全体に均等に塗布し、ウィッグを揉み込み泡立てた後、水洗いし、タオルドライした。洗髪時における泡立ち、洗髪時の感触について、下記基準に従い評価を行った。上記のように施術したウィッグについて、さらに下記に示される方法及び基準に従いオーバーコンディショニングの改善効果について評価を行った。尚、表中「A」,「B」,「C」,「D」の表記は、本願請求項記載の各(A),(B),(C),(D)成分に対応する化合物を示す。一方、表中「b」の表記は、本願請求項記載の成分(B)の対比化合物を示す。
【0061】
(泡立ち)
パネラー5名が目視にて泡立ちの量を下記の基準により評価した。泡立ちの量が非常に多い場合は優れる(5点)、泡立ちの量が多い場合は良好(4点)、泡立ちの量がやや多い場合は可(3点)、泡立ちの量がやや少ない場合はやや不良(2点)、泡立ちの量が少ない場合は不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1,2の「泡立ち」欄に示した。
【0062】
(オーバーコンディショニング)
上述したタオルドライした各例のウィッグについて、さらにトリートメント(ビゲントリートメント:ホーユー社製)を取扱説明書に記載の方法に従い処理し、水洗いした。タオルドライ後、ドライヤーで乾かした。このように処理された各例のウィッグについて感触を下記の基準により評価した。ごわつきが非常に改善されている場合は優れる(5点)、ごわつきが改善されている場合は良好(4点)、ごわつきがやや改善されている場合は可(3点)、ごわつきがあまり改善されていない場合はやや不良(2点)、ごわつきが全く改善されていない場合は不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1,2の「オーバーコンディショニング」欄に示した。
【0063】
(洗髪時の感触)
洗髪時の感触について、パネラー5名が以下の基準で判断した。きしみが全くなく感触が非常に良い場合は優れる(5点)、きしみがなく感触が良い場合は良好(4点)、きしみが少なく感触がやや良い場合は可(3点)、きしみがやや強く感触がやや劣る場合はやや不良(2点)、きしみが強く感触が悪い場合は不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」、及び1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。その結果を表1,2の「洗髪時の感触」欄に示した。
【0064】
【0065】
【表2】
表1に示されるように、各実施例は、各評価項目について可以上の結果であることが確認された。
【0066】
表2に示されるように、(A)成分を含有しない比較例1は、各実施例に対して、泡立ち及びオーバーコンディショニングの評価が劣ることが確認された。(B)成分を含有しない比較例2は、各実施例に対して、泡立ち、洗髪時の感触の評価が劣ることが確認された。(B)成分を配合せず、カチオン化ポリマーとしてポリクオタニウム-6を含有する比較例3は、各実施例に対して、オーバーコンディショニングの評価が劣ることが確認された。(A)成分を配合せず、カチオン化ポリマーとしてポリクオタニウム-6を含有する比較例4は、各実施例に対して、オーバーコンディショニングの評価が劣ることが確認された。(C)成分を含有せず、(C)成分以外のアニオン性界面活性剤を含有する比較例5は、各実施例に対して、洗髪時の感触の評価が劣ることが確認された。