(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】携帯端末収納具
(51)【国際特許分類】
H04M 1/11 20060101AFI20240726BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
G06F1/16 313A
(21)【出願番号】P 2020142962
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】392025238
【氏名又は名称】株式会社サンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中筋 保
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-064953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0300376(US,A1)
【文献】特開2001-285466(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198867(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C1/00-15/08
A45F3/00
3/02
3/04
3/12
B60R9/00-11/06
G06F1/00
1/16-1/18
H04M1/02-1/23
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を収納する携帯端末収納具であって、
前記携帯端末を収納可能な第1収納部と、
前記第1収納部に前記携帯端末が収納された状態で、前記携帯端末以外の物品を収納可能な第2収納部と、を備え、
前記第2収納部は、前記第1収納部の側方に隣接して設けられて
おり、
前記第1収納部及び前記第2収納部に亘って連続して広がり、前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、
前記第1収納部と前記第2収納部とを区画する区画壁と、を備え、
前記区画壁の前記背壁部側の端部と該背壁部との間には隙間が形成されていることを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項2】
請求項
1に記載の携帯端末収納具において、
前記第1収納部は、
前記背壁部及び前記区画壁と、
前記背壁部と対向して設けられた第1前壁部と
前記区画壁と対向しかつ前記背壁部における前記第2収納部とは反対側の側端部に設けれた第1側壁部と、
前記携帯端末の底面を受ける第1底壁部と、
により区画され、
前記第2収納部は、
前記背壁部及び前記区画壁と、
前記背壁部と対向して設けられた第2前壁部と、
前記区画壁と対向しかつ前記背壁部における前記第1収納部とは反対側の側端部に設けれた第2側壁部と、
前記物品の一端部を受ける第2底壁部と、
により区画され、
前記第1前壁部と前記背壁部との間の距離は、前記第2前壁部と前記背壁部との間の距離よりも大きいことを特徴とする携帯端末収納具。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の携帯端末収納具において、
前記背壁部は、第1及び第2収納部の内部に向かって突出するリブを有することを特徴とする携帯端末収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、携帯端末収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ショッピングカートやキャリーなどの手押し車に取り付けられる携帯端末収納具が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、携帯端末を保持する保持部と、携帯端末に給電するバッテリーを収納する収納部とを備える携帯端末保持具が開示されている。特許文献1の携帯端末保持具において、保持部は携帯端末の背面を受ける背面受け部を有し、収納部は背面受け部の背面に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ショッピングでは、クーポンやカードを用いて支払いを行うことがある。携帯端末の収納具に別の収納部を設けていれば、別の収納部にクーポン等を収納することができ、支払い作業をスムーズに行うことができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1のように保持部の背面側に収納部が設けられた構成では、収納部に収納された物品が携帯端末で覆われて見えにくくなってしまう。このため、収納部にポイントカード等を入れたときに、ポイントカード等の利用を忘れるおそれがあるとともに、最悪の場合、ポイントカード等を店舗に忘れて紛失してしまうおそれがある。
【0007】
また、特許文献1のような携帯端末保持具では、収納部に収納された物品を取り出すときに、保持部に保持された携帯端末が邪魔になるおそれがある。この場合、携帯端末を保持部から外す作業が必要になるため面倒である。
【0008】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこは、携帯端末を利用した作業を行う際に、作業に利用する他の物品を利用しやすい携帯端末収納具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、携帯端末収納具を対象として、前記携帯端末を収納可能な第1収納部と、前記第1収納部に前記携帯端末が収納された状態で、前記携帯端末以外の物品を収納可能な第2収納部と、を備え、前記第2収納部は、前記第1収納部の側方に隣接して設けられている、という構成とした。
【0010】
この構成によると、第2収納部が第1収納部の側方に隣接して設けられているため、第1収納部に携帯端末を収納した状態であっても、ユーザーは第2収納部に収納された物品を容易に視認することができる。このため、第2収納部に収納された物品の取り出しが容易になる。また、他の物品を取り出す際に、携帯端末と当接することを抑制することができる。これにより、携帯端末を利用した作業を行う際に、作業に利用する他の物品を利用しやすくなる。
【0011】
前記携帯端末収納具の一実施形態では、前記第1収納部及び前記第2収納部に亘って連続して広がり、前記携帯端末の背面側に位置する背壁部と、前記第1収納部と前記第2収納部とを区画する区画壁と、を備え、前記背壁部と前記区画壁との間には隙間が形成されている。
【0012】
最近では、携帯端末をいわゆる手帳型の端末ケースに収納することがある。区画壁の背壁部側の端部と背壁部との間に隙間が形成されていれば、手帳型の端末ケースを開いたまま、第1収納部に携帯端末を収納させる一方、第2収納部にカバー部分を収納させることができる。手帳型の端末ケースのカバー部分は、一般に、カード等を収納する収納ポケットを有しているため、前記の携帯端末収納具では、カードをカバー部分から取り出すことなく第2収納部に収納させることできる。これにより、携帯端末を利用した作業に利用する他の物品をより利用しやすくなる。また、手帳型の端末ケースに収納したまま、第1収納部に収納した携帯端末を利用できるため、ユーザーの手間を軽減することができる。
【0013】
前記一実施形態において、前記第1収納部は、前記背壁部及び前記区画壁と、前記背壁部と対向して設けられた第1前壁部と前記区画壁と対向しかつ前記背壁部における前記第2収納部とは反対側の側端部に設けれた第1側壁部と、前記携帯端末の底面を受ける第1底壁部と、により区画され、前記第2収納部は、前記背壁部及び前記区画壁と、前記背壁部と対向して設けられた第2前壁部と、前記区画壁と対向しかつ前記背壁部における前記第1収納部とは反対側の側端部に設けれた第2側壁部と、前記物品の一端部を受ける第2底壁部と、により区画され、前記第1前壁部と前記背壁部との間の距離は、前記第2前壁部と前記背壁部との間の距離よりも大きい、という構成でもよい。
【0014】
すなわち、最近では、携帯端末をケースに収納することが多い。携帯端末をケースに入れた状態では、携帯端末自体の厚みよりも厚くなる。前記の構成では、第1収納部における第1前壁部と背壁部との間の距離が、第2収納部における第2壁部と背壁部との間の距離よりも大きいため、携帯端末を、ケースに収納した状態で第1収納部にできるようにすることが可能である。これにより、携帯端末をケースから取り外すという、ユーザーの手間を軽減することができる。
【0015】
前記一実施形態において、前記背壁部は、第1及び第2収納部の内部に向かって突出するリブを有する、という構成でもよい。
【0016】
この構成によると、第1収納部に収納させた携帯端末や、第2収納部に収納させた物品と背壁部11との摩擦が減少するため、該携帯端末や該物品を容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、携帯端末を利用した作業を行う際に、作業に利用する他の物品を利用しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】例示的な実施形態に係る携帯端末収納具を備えたスタンドを示す斜視図である。
【
図9】
図2のIX-IX線相当で切断した断面図である。
【
図10】携帯端末収納具に携帯端末を収納させた状態を示す斜視図である。
【
図11】第1収納部に携帯端末を収納させ、第2収納部に工具を収納させた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る携帯端末収納具1(以下、端末収納具1という)を備えたスタンド装置100を示す。スタンド装置100は、端末収納具1にスマートフォンなどのタブレット型の携帯端末Tを収納した状態で、ショッピングカート(
図11参照)の持ち手やキャリーの持ち手等の軸状部材Pに取り付けられる。
【0021】
スタンド装置100は、一端部に端末収納具1が取り付けられる支柱101と、支柱101における他端部に設けられ、ショッピングカート等の持ち手等の軸状部材Pを挟持するクランパ102とを有する。
【0022】
支柱101は、軸状部材Pと直交する方向に延びるように設けられる。支柱101は、断面U字状に折り曲げられた2つの鋼板を、U字開口が向き合った状態で溶接して構成されている。詳細な図示は省略するが、支柱101の上側端部は、左右方向に広がるとともに、上側に向かって斜めに傾斜した面状部分となっている。端末収納具1は、該面状部分にボルトによって締結される。
【0023】
クランパ102は、複数のボルトで結合される一対の挟持部材102aで構成されている。一対の挟持部材102aは、上下方向に対向するように配置され、軸状部材Pを上下方向に挟持する。各挟持部材102aの下面部には、左右方向に延びる嵌合溝が形成されている。該嵌合溝は、前記持ち手の一部が嵌合する溝であって、断面円弧状に形成されている。嵌合溝の曲率は、スタンド装置100が前記持ち手に取り付けられていない状態では、軸状部材Pの外周の曲率よりも小さい一方、スタンド装置100が軸状部材Pに取り付けられた状態では、挟持部材102aが前記ボルトの締結方向にしなることで、軸状部材Pの外周の曲率と略同じになる。
【0024】
図2~
図7は、それぞれ端末収納具1の構造を示す図である。端末収納具1は、樹脂で形成されている。端末収納具1の色は任意に設定できるが、透明色であれば、収納された物品を確認しやすいという利点がある。以下の説明では、端末収納具1に携帯端末Tを収納した状態で、携帯端末Tの厚み方向に相当する方向を面方向といい、面方向における携帯端末Tの画面が位置する側を前面側といい、面方向における前面側と対向する側を背面側という。左右方向については、前面側から後面側を見たときの左側を左側といい、右側を右側という。また、面方向と左右方向とに直交する方向を所定方向といい、携帯端末Tを収納した状態で、所定方向における携帯端末Tの底面が位置する側を底面側といい、所定方向における底面側と対向する側を上面側という。
【0025】
端末収納具1は、第1収納部30と第2収納部40との2つの収納部を有する。第1収納部30は相対的に右側に位置しており、第2収納部40は相対的に左側に位置している。第2収納部40は、第1収納部30の側方(ここでは左側)に隣接して設けられている。第1収納部30は、基本的には携帯端末Tが収納される部分であり、第2収納部40は、基本的には携帯端末Tを用いた作業(買い物、パーツの搬送及び組立など)に用いるツール(クーポン券、カード、工具など)などの携帯端末T以外の物品が収納される部分である。尚、第1収納部30に携帯端末Tが収納されていない状態で、第2収納部40に携帯端末が収納されることは排除されない。
【0026】
図2に示すように、携帯端末収納具1は、背面側に位置するベース部10と、ベース部10を前面側から覆うように該ベース部10に組み付けられるカバー部20と、を組み合わせて形成される。カバー部20は、ベース部10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0027】
ベース部10は、背面側に位置しかつ平板状をなす背壁部11と、背壁部11の右側端部に沿って形成されかつ背壁部11に対して直角に広がるベース側右側壁部12と、背壁部11の左側端部に沿って形成されかつ背壁部11に対して直角に広がるベース側左側壁部13と、背壁部11における底面側の端部付近に形成されたベース側底壁部14とを有する。
【0028】
背壁部11は、第1収納部30と第2収納部40とに亘って連続して広がっている。背壁部11は、背壁部11の上面側の端部は、第1収納部30の部分では左右方向に真っ直ぐに延びている一方で、第2収納部40の部分では、右側から左側に向かって上面側に湾曲して延びた後、左右方向に真っ直ぐに延びている。背壁部11の第1収納部30の領域における所定方向の長さは、背壁部の第2収納部40の領域における所定方向の長さよりも短くなっている。背壁部11の第1収納部30の領域における所定方向の長さは、第1収納部30にカメラ付き携帯端末が収納されたときに、カメラのレンズを背壁部11で覆うことがない程度の長さに設定されている。背壁部11の上面側の端縁部は、前面側の部分が面取りされている。
【0029】
背壁部11の第1収納部30に相当する部分において、底面側の部分には、上面側に向かって切り欠かれた切欠部11bが形成されている。
【0030】
図2及び
図7に示すように、背壁部11は、前面側に向かって突出する複数のリブ11aを有する。リブ11aは、第1収納部30に2つ設けられ、第2収納部40に2つ設けられている。各リブ11aは、所定方向に真っ直ぐに延びている。各リブ11aの上面側の端部は、背壁部11の上面側の端部よりも底面側に位置している。すなわち、各リブ11aの上面側の端部と背壁部11の上面側の端部とは、所定方向に離間している。また、各リブ11aの上面側の端部には、背壁部11に向かって湾曲するアールが設けられている。
【0031】
図4及び
図5に示すように、背壁部11における第1及び第2収納部30,40とは反対側の面には、端末収納具1を支柱101に取り付けるための取付部11cが形成されている。
【0032】
ベース側右側壁部12とベース側左側壁部13とは所定方向の長さが異なる。具体的には、ベース側右側壁部12の所定方向の長さは、ベース側左側壁部13の所定方向の長さよりも短い。また、ベース側右側壁部12とベース側左側壁部13とは背壁部11からの高さが異なる。具体的には、ベース側右側壁部12の背壁部11からの高さは、ベース側左側壁部13の背壁部11からの高さよりも高い。ベース側右側壁部12は、後述する区画壁25と対向しかつ背壁部11における第2収納部40とは反対側(ここでは右側)の側端部に設けれた第1側壁部の一部を構成する。ベース側左側壁部13は、後述する区画壁25と対向しかつ背壁部11における第1収納部30とは反対側(ここでは左側)の側端部に設けれた第2側壁部の一部を構成する。
【0033】
図2に示すように、ベース側左側壁部13の左側面には、左側に向かって突出する2つのベース側係合爪15が設けられている。また、ベース側右側壁部12の右側面には、右側に向かって突出する2つのベース側係合爪15(
図5参照)が設けられている。ベース側係合爪15は、カバー部20の後述するカバー側係合孔26とそれぞれ係合する。
【0034】
ベース側底壁部14は、背壁部11における底面側の端部よりも僅かに上面側寄りの位置に設けられている。ベース側底壁部14と背壁部11における底面側の端との距離は、カバー部20の肉厚よりも僅かに大きい。ベース側底壁部14は、第1収納部30に相当する部分の面方向の幅が、第2収納部40に相当する部分の面方向の幅よりも大きくなっている。ベース側底壁部14における第1収納部30に相当する部分は、左右に分離されている。ベース側底壁部14の右側部分は、右側端部でベース側右側壁部12と一体になっている。ベース側底壁部14の左側部分は、左側端部でベース側左側壁部13と一体になっている。ベース側底壁部14において面方向の幅が相対的に広い部分は第1底壁部に相当し、ベース側底壁部14において面方向の幅が相対的に狭い部分は第2底壁部に相当する。
【0035】
ベース側底壁部14には複数のベース側孔部14aが形成されている。ベース側孔部14aは、ベース側底壁部14の右側端部及び左側端部、左右方向の中央付近、並びに、左右方向の中央よりも左側寄りの部分にそれぞれ形成されている。
【0036】
図2及び
図4に示すように、背壁部11におけるベース側底壁部14よりも底面側の部分には、複数(ここでは3つ)のベース側係合孔16が設けられている。ベース側係合孔16は、カバー部20の後述するカバー側係合部27とそれぞれ係合する。
【0037】
カバー部20は、背壁部11と面方向に対向する前壁部21と、ベース側右側壁部12を右側から覆うように形成されたカバー側右側壁部22と、ベース側左側壁部13を左側から覆うように形成されたカバー側左側壁部23と、ベース側底壁部14を底面側から覆うように形成されたカバー側底壁部24と、第1収納部30と第2収納部40とを区画する区画壁25とを有する。
【0038】
区画壁25は、
図9に示すように、所定方向に真っ直ぐに延びている。区画壁25の上面側の端部は、背壁部11の上面側の端縁部よりも底面側に位置している。
【0039】
図7及び
図9に示すように、区画壁25は、面方向において背壁部11とは離間している。つまり、区画壁25の背壁部11側の端部と該背壁部11との間には隙間Sが形成されている。区画壁25の背壁部11側の端部における上面側の部分は、上面側に向かって背壁部11から離れるように傾斜した傾斜部25aとなっている。
【0040】
図3に示すように、前壁部21は、第1収納部30を区画する第1前壁部31と、第2収納部40を区画する第2前壁部41と、を含む。
【0041】
第1前壁部31は、第1右側前壁部31aと第1左側前壁部31bとに、左右に分離されている。第1右側前壁部31aは、前面側から見て、上面側に向かって段階的に右側に凹む階段状をなしている。第1左側前壁部31bは、前面側から見て、上面側に向かって段階的に左側に凹む階段状をなしている。第1左側前壁部31bの所定方向の長さは、区画壁25の所定方向の長さよりも短い。これらにより、第1収納部30の前面側の部分は、底面側寄りの一部が覆われるだけで、大半が開放された状態となっている。第1右側前壁部31aの右側の端部は、カバー側右側壁部22の前面側の端部と一体になっており、第1左側前壁部31bの左側の端部は、区画壁25の前面側の端部と一体になっている。第1右側及び第1左側前壁部31a、31bの底面側の端部は、カバー側底壁部24とそれぞれ一体になっている。
【0042】
第2前壁部41は、背壁部11における第2収納部40の部分と類似の形状をなしている。具体的には、第2前壁部41は、所定方向における区画壁25が設けられた範囲は、第2収納部40の左右方向全体を覆っている一方で、所定方向における区画壁25よりも上面側の部分は、上面側かつ左側の部分が円弧状に切り欠かれた形状となっている。第2前壁部41の上面側の端部は、左側に向かって上面側に湾曲して延びた後、左側に向かって真っ直ぐに延びている。第2前壁部41の上面側の端部は、背壁部11の上面側の端部よりも底面側に位置する。第2前壁部41の右側の端部は、区画壁25の面直方向の途中部分と一体となっており、第2前壁部41の左側の端部は、カバー側左側壁部23と一体となっている。つまり、第1左側前壁部31bと第2前壁部41とは、区画壁25により連結されている。第2前壁部41の底面側の端部は、カバー側底壁部24と一体となっている。
【0043】
図7に示すように、第1前壁部31と背壁部11との間の距離H1は、第2前壁部41と背壁部11との間の距離H2よりも大きい。具体的には、距離H1は、距離H2の略2倍の大きさに設定されている。
【0044】
図7に示すように、カバー側右側壁部22は区画壁25と対向して広がっている。また、カバー側左側壁部23も、カバー側右側壁部22と同様に、区画壁25と対向して広がっている。
図5に示すように、カバー側右側壁部22には、ベース側係合爪15に対応する位置にカバー側係合孔26がそれぞれ設けられている。また、
図2及び
図7に示すように、カバー側左側壁部23には、ベース側係合爪15に対応する位置にカバー側係合孔26がそれぞれ設けられている。各ベース側係合爪15が、各カバー側係合孔26に係合することで、カバー部20がベース部10に取り付けられる。カバー側右側壁部22は、第1側壁部の一部を構成する。カバー側左側壁部23は、第2側壁部の一部を構成する。
【0045】
カバー側底壁部24は、区画壁25よりも右側の部分における面方向の幅が、区画壁25よりも左側の部分における面方向の幅よりも大きい。カバー側底壁部24は、区画壁25よりも右側の部分において、背面側側に凹んだ凹部24aを有する。凹部24aは、ベース側底壁部14において、ベース側底壁部14を左右に分離した部分に対応している。カバー側底壁部24において凹部24aが形成された部分は、背壁部11に形成された切欠部11bに嵌まり込む。カバー側底壁部24には、複数のカバー側切欠部24bが形成されている。カバー側切欠部24bは、ベース側孔部14aに対応する位置、すなわち、カバー側底壁部24の右側端部及び左側端部、左右方向の中央付近、並びに、左右方向の中央よりも左側寄りの部分にそれぞれ形成されている。これにより、ベース部10とカバー部20とを組み合わせたときには、各ベース側孔部14aと各カバー側切欠部24bとがそれぞれ所定方向に連通する。所定方向の底面側から見て、カバー側底壁部24における区画壁25よりも右側の部分は第1底壁部に相当する。一方で、カバー側底壁部24における区画壁25よりも左側の部分は第2底壁部に相当する。
【0046】
カバー側底壁部24の背面側の端部において、ベース側係合孔16に相当する部分には、該ベース側係合孔16と係合するカバー側係合部27がそれぞれ設けられている。
【0047】
ベース部10にカバー部20を組み付けるときには、まず、各カバー側係合部27を各ベース側係合孔16にそれぞれ係合させる。このとき、カバー側底壁部24の凹部24aの部分とベース部10の切欠部11bと用いて位置合わせをすると、各カバー側係合部27と各ベース側係合孔16との位置合わせが容易になる。次に、カバー側右側壁部22をベース側右側壁部12に沿わせる一方、カバー側左側壁部23をベース側左側壁部13に沿わせるように、カバー部20をベース部10に重ねていく。そして、各ベース側係合爪15と各カバー側係合孔26とがそれぞれ係合すれば、ベース部10のカバー部20への組み付けが完了して、端末収納具1が組み上がる。
【0048】
図10は、端末収納具1の使用例を示す。
図10に示す例では、携帯端末Tは、所謂手帳型端末ケースCに収納された状態である。本実施形態の端末収納具1では、
図10に示すように、携帯端末Tを手帳型端末ケース200に収納しかつ該手帳型端末ケース200を開いたまま端末収納具1に収納することができる。すなわち、端末収納具1は、区画壁25と背壁部11との間に隙間Sが形成されているため、手帳型端末ケース200における携帯端末Tが収納された部分(以下、端末部201という)を第1収納部30に収納させる一方、手帳型端末ケース200のカバー部分(以下、端末カバー部202という)を第2収納部40に収納させ、端末部201と端末カバー部202との連結部を隙間Sに収納させることができる。これにより、ユーザーは、端末収納具1に携帯端末Tを収納させる際に、携帯端末Tを端末部201から取り外すという手間を省略することができる。また、手帳型端末ケース200の端末カバー部202には、カードやクーポン券等を収納する収納ポケットが設けられていることが一般的である。端末収納具1では、収納ポケットに収納されたカードやクーポン券も、該収納ポケットから取り出すことなく端末カバー部202ごと収納させることができる。また、第1収納部30の前面側は大半が第1前壁部31に覆われずに開放された状態となっているため、ユーザーは、携帯端末Tを第1収納部30に収納したまま操作することができる。したがって、携帯端末を利用した作業(ここでは特に買い物)に利用する他の物品(ここでは特にカードやクーポン券)を利用しやすくなる。
【0049】
図11は、端末収納具1の他の使用例を示す。
図11に示す例では、携帯端末Tは、所謂背面カバー型の端末ケース300に収納された状態である。背面カバー型の端末ケース300は、携帯端末Tよりも厚み方向の幅が大きい。このため、背面カバー型の端末ケース300に携帯端末Tが収納された状態では、携帯端末T自体よりも厚み方向の幅が大きくなる。第1収納部30は、面方向の幅を比較的大きくしてあるため、背面カバー型の端末ケース300ごと携帯端末Tを収納することができる。端末ケース300ごと携帯端末Tを収納できるため、手帳などの筆記具を第2収納部40に収納させたとしても、それらが携帯端末Tに直接当接することを抑制することができる。また、第1収納部30の側方に第2収納部40が隣接されているため、ユーザーは容易に筆記具等を視認することができ、筆記具等を第2収納部40から取り出す際に携帯端末Tを避けるのが容易になる。したがって、携帯端末を利用した作業に利用する他の物品を利用しやすくなる。
【0050】
したがって、本実施形態に係る端末収納具1は、携帯端末Tを収納可能な第1収納部30と、第1収納部30に携帯端末Tが収納された状態で、携帯端末T以外の物品を収納可能な第2収納部40と、を備え、第2収納部40は、第1収納部30の側方に隣接して設けられている。これより、第1収納部30に携帯端末Tを収納した状態であっても、ユーザーは第2収納部40に収納された物品を容易に視認することができる。このため、第2収納部40に収納された物品の取り出しが容易になる。また、他の物品を取り出す際に、携帯端末Tと当接することを抑制することができる。この結果、携帯端末Tを利用した作業を行う際に、作業に利用する他の物品を利用しやすくなる。
【0051】
また、本実施形態に係る端末収納具1は、第1収納部30及び第2収納部に亘って連続して広がり、携帯端末Tの背面側に位置する背壁部11と、第1収納部30と第2収納部40とを区画する区画壁25と、を備え、区画壁25の背壁部11側の端部と該背壁部11との間には隙間Sが形成されている。これにより、例えば、携帯端末Tが手帳型端末ケース200に収納されているときであっても、該手帳型端末ケース200を開いた状態で、手帳型端末ケース200ごと携帯端末Tを収納させることができる。この結果、携帯端末Tを利用した作業に利用する他の物品をより利用しやすくなる。また、手帳型端末ケース200に収納したまま、第1収納部30に収納した携帯端末を利用できるため、ユーザーの手間を軽減することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る端末収納具1において、前記第1収納部は、背壁部11と、区画壁25と、背壁部11と対向して設けられた第1前壁部31と、区画壁25と対向しかつ背壁部11における第2収納部40とは反対側の側端部に設けれた第1側壁部(ベース側右側壁部12及びカバー側右側壁部22)と、携帯端末Tの底面を受ける第1底壁部(ベース側底壁部14及びカバー側底壁部24)とにより区画され、第2収納部40は、背壁部11と、区画壁25と、背壁部11と対向して設けられた第2前壁部41と、区画壁25と対向しかつ背壁部11における第1収納部30とは反対側の側端部に設けれた第2側壁部(ベース側左側壁部13及びカバー側左側壁部23)と、物品の一端部を受ける第2底壁部(ベース側底壁部14及びカバー側底壁部24)とにより区画され、第1前壁部31と背壁部11との間の距離は、第2前壁部41と背壁部11との間の距離よりも大きい。これにより、携帯端末Tを手帳型端末ケース200や背面カバー型の端末ケース300を含むケース類に収納した状態で第1収納部30にできるようにすることが可能である。これにより、携帯端末Tをこれらのケースから取り外すという、ユーザーの手間を軽減することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る端末収納具1において、背壁部11は、第1及び第2収納部30,40の内部に向かって突出するリブ11aを有する。これにより、第1収納部30に収納させた携帯端末Tや、第2収納部40に収納させた物品と背壁部11との摩擦が減少するため、該携帯端末Tや該物品を容易に取り出すことができる。
【0054】
また、本実施形態に係る端末収納具1は、背壁部11等を含むベース部10と、該ベース部10に着脱可能に取り付けられるカバー部20とを有し、カバー部20をベース部10に取り付けることで、第1及び第2収納部30,40が形成される。このため、カバー部20を交換することで、第1及び第2収納部30,40の面方向の大きさを調整することができる。これにより、種々の厚みの携帯端末Tに対応することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る端末収納具1において、第1及び第2底壁部には、複数の孔部(ベース側孔部14a及びカバー側切欠部24b)が形成されている。これにより、孔部を介して第1及び第2収納部30,40内のほこりを排除することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る端末収納具1において、背壁部11の上面側の端部は、前面側の部分が面取りされている。これにより、携帯端末Tやその他の物品を第1及び第2収納部30,40に出し入れする際に、携帯端末Tやその他の物品が引っ掛かるのを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る端末収納具1において、区画壁25の背壁部11側の端部における上面側の部分は、上面側に向かって背壁部11から離れるように傾斜した傾斜部25aとなっている。これにより、特に手帳型端末ケース200ごと携帯端末Tを収納させたときに、携帯端末Tを出し入れする際に、手帳型端末ケース200が区画壁25に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0058】
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0059】
例えば、前述の実施形態では、端末収納具1は、ベース部10とカバー部20とに分かれて形成されていた。これに限らず、ベース部10とカバー部20とが一体になって形成されていてもよい。
【0060】
また、前述の実施形態では、ショッピングカートの持ち手やキャリーの持ち手に取り付ける場合について説明した。これに限らず、クランプ部分の構成を変更することで、机に取り付けるようにしてもよい。
【0061】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
ここに開示された技術は、携帯端末を使用可能な状態で収納する携帯端末収納具において、携帯端末を利用した作業に用いる他の物品を利用しやすくするために有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯端末収納具
11 背壁部
11a リブ
12 ベース側右側壁部(第1側壁部)
13 ベース側左側壁部(第2側壁部)
14 ベース側底壁部(第1底壁部、第2底壁部)
22 カバー側右側壁部(第1側壁部)
23 カバー側左側壁部(第2側壁部)
24 カバー側底壁部(第1底壁部、第2底壁部)
25 区画壁
30 第1収納部
31 第1前壁部
40 第2収納部
41 第2前壁部
S 隙間