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特許7526995リニアモータ用コイルブロックの連結構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】リニアモータ用コイルブロックの連結構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/02 20060101AFI20240726BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
H02K41/02 A
H02K41/03 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020170496
(22)【出願日】2020-10-08
(65)【公開番号】P2022062470
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2023-07-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390028783
【氏名又は名称】株式会社フジックス
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(72)【発明者】
【氏名】中込 文彦
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-205841(JP,A)
【文献】特開2004-357353(JP,A)
【文献】特開平08-140329(JP,A)
【文献】特開2002-136096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/02
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルが絶縁材によって封止されている複数のコイルブロックと、これらのコイルブロックの内の隣り合うコイルブロックにかけ渡して配設される連結部材と、を備え、該連結部材は、両端が前記隣り合うコイルブロックに対して固定されることで、前記隣り合うコイルブロック同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、前記隣り合うコイルブロック内のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を発揮するリニアモータ用コイルブロックの連結構造であって、前記隣り合うコイルブロックの前記絶縁材には凹部が形成され、前記隣り合うコイルブロックの前記凹部内に前記連結部材の両端が固定されることで、前記連結部材による前記相対位置固定機能と前記導電機能の双方が発揮される、リニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項2】
コイルが絶縁材によって封止されている複数のコイルブロックと、これらのコイルブロックの内の隣り合うコイルブロックにかけ渡して配設される連結部材と、を備え、該連結部材は、両端が前記隣り合うコイルブロックに対して固定されることで、前記隣り合うコイルブロック同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、前記隣り合うコイルブロック内のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を発揮するリニアモータ用コイルブロックの連結構造であって、前記連結部材は全長に亘って導電性を有しており、前記連結部材の両端が、前記隣り合うコイルブロックにおける前記絶縁材内の前記コイルに電気的に接続される、リニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項3】
前記連結部材は、導電体の丸棒材で形成されている、請求項1又は2に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項4】
前記連結部材は、両端部がL字状に形成され、該L字状の両端部の下面が前記隣り合うコイルブロックに対して固定される、請求項1,2又は3に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項5】
前記連結部材は、両端に貫通孔を有する棒材又は板材であり、前記各コイルブロックには、前記貫通孔に挿入される固定具と係合する係合部が配設される、請求項1に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項6】
前記各コイルブロックには、内部のコイルに繋がる中継導電部材が前記絶縁材の外側からアクセス可能に配設され、前記連結部材が前記中継導電部材に電気的に接続される、請求項1に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項7】
前記中継導電部材は、前記連結部材との接続部を除くほとんどの部分が前記絶縁材内に埋め込まれている、請求項6に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項8】
前記中継導電部材が薄板状に形成される、請求項6又は7に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項9】
前記連結部材が、両端部に貫通孔を有する板材であり、前記中継導電部材も、両端部に貫通孔を有する板材であり、前記連結部材の前記貫通孔と前記中継導電部材の前記貫通孔とに挿通されるねじによって前記連結部材と前記中継導電部材とが連結される、請求項6から8のいずれか一項に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項10】
前記中継導電部材の前記貫通孔の内周に前記ねじと結合可能なねじ溝が形成される、請求項9に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項11】
前記各コイルブロックには、前記連結部材の取付位置を定める位置決め部が前記絶縁材で形成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項12】
前記各コイルブロックは、前記絶縁材内にU相、V相、W相の各コイルが埋設されているコイルブロックであり、各コイルブロックにおいては、前記各相のコイルに前記絶縁材の外側からアクセス可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【請求項13】
前記各コイルブロックにおいて、前記コイルの巻始端と巻終端のそれぞれに前記絶縁材の外側からアクセス可能な構成とし、隣り合うコイルブロック又は単一のコイルブロックにおける前記コイルの巻始端と巻終端のいずれか同士を互いに連結することで、異なる態様のコイルブロック又はコイルブロックの連続体を形成できる、請求項1から12のいずれか一項に記載のリニアモータ用コイルブロックの連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータ用のコイルブロック同士を連結するための連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工作機械や測定機器等の各種の機械において、移動体を移動させ且つ所望位置で停止させるための手段として、リニアモータが使用されている。リニアモータは、回転式モータに比べて、高精度な機械に用いられることが多い。
【0003】
ところで、例えば、U相,V相,W相のコイルを樹脂にてモールドしたコイルブロックを固定子としてリニアモータのロングストローク化を図る場合、複数のコイルブロックをモジュール化して共通規格で形成し、モジュール化したコイルブロックを必要な長さになるまで数珠つなぎ状に連結することが有効である。このような技術は、例えば特許文献1の0040段落に記載されている。
【0004】
特許文献1には、隣り合うコイルブロック同士を電気的に接続する方法として、プラグタイプのコネクタ5とソケットタイプのコネクタ6との結合が記載されている(特許文献1の0041段落及び図5参照)。また、特許文献1には、複数のコイルブロックを整列状態に固定する手段として、複数のコイルブロックを貫通する長尺ボルト9A~9Dの使用が開示されている(特許文献1の0037段落及び図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-275336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のものは、隣り合うコイルブロック同士の電気的な接続と整列状態への固定にそれぞれ別の手段を用いる構成であるので、コイルブロック同士の連結作業に手間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、コイルが絶縁材によって封止されたリニアモータ用のコイルブロック同士を少しでも簡単に連結できる、リニアモータ用コイルブロックの連結構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造は、コイルが絶縁材によって封止されている複数のコイルブロックと、これらのコイルブロックの内の隣り合うコイルブロックにかけ渡して配設される連結部材と、を備え、該連結部材は、両端が前記隣り合うコイルブロックに対して固定されることで、前記隣り合うコイルブロック同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、前記隣り合うコイルブロック内のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を発揮するリニアモータ用コイルブロックの連結構造であって、前記隣り合うコイルブロックの前記絶縁材には凹部が形成され、前記隣り合うコイルブロックの前記凹部内に前記連結部材の両端が固定されることで、前記連結部材による前記相対位置固定機能と前記導電機能の双方が発揮されることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明によれば、隣り合うコイルブロック同士が、相対位置固定機能と導電機能とを有する連結部材によって互いに連結される。連結部材の相対位置固定機能により、隣り合うコイルブロックの相対位置が固定され、且つ、連結部材の導電機能により、隣り合うコイルブロック内のコイル同士が電気的に接続される。連結部材が二つの機能を有するので、それぞれの機能を有する二種類の手段を用いて連結する場合に比べて、隣り合うコイルブロックの連結作業が容易となる。また、本発明によれば、隣り合うコイルブロック同士の間にスペースが必要な場合でもコイルブロック同士を連結することができる。さらに、連結部材が相対位置固定機能を有することから、連結部材には相応の強度が必要であり、したがって、大電流にも耐えられる。
【0010】
実施の一形態として、コイルが絶縁材によって封止されている複数のコイルブロックと、これらのコイルブロックの内の隣り合うコイルブロックにかけ渡して配設される連結部材と、を備え、該連結部材は、両端が前記隣り合うコイルブロックに対して固定されることで、前記隣り合うコイルブロック同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、前記隣り合うコイルブロック内のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を発揮するリニアモータ用コイルブロックの連結構造であって、前記連結部材は全長に亘って導電性を有しており、前記連結部材の両端が、前記隣り合うコイルブロックにおける前記絶縁材内の前記コイルに電気的に接続される態様としてもよい(請求項2)。
【0011】
好適な実施の一形態として、前記連結部材が導電体の丸棒材で形成されている態様としてもよい(請求項3)。
【0012】
好適な実施の一形態として、前記連結部材は、両端部がL字状に形成され、該L字状の両端部の下面が前記隣り合うコイルブロックに対して固定される態様としてもよい(請求項4)。
【0013】
好適な実施の一形態として、前記連結部材は、両端に貫通孔を有する棒材又は板材であり、前記各コイルブロックには、前記貫通孔に挿入される固定具と係合する係合部が配設される態様としてもよい(請求項5)。
【0014】
好適な実施の一形態として、前記各コイルブロックには、内部のコイルに繋がる中継導電部材が前記絶縁材の外側からアクセス可能に配設され、前記連結部材が前記中継導電部材に電気的に接続される態様としてもよい(請求項6)。この場合、中継導電部材を介してコイルと連結部材とが電気的に接続される。
【0015】
好適な実施の一形態として、前記中継導電部材は、前記連結部材との接続部を除くほとんどの部分が前記絶縁材内に埋め込まれている態様としてもよい(請求項7)。このようにすれば、絶縁上有効である。
【0016】
好適な実施の一形態として、前記中継導電部材が薄板状に形成される態様としてもよい(請求項8)。この場合、各コイルブロック内における中継導電部材の配設スペースが節約できる。
【0017】
好適な実施の一形態として、前記連結部材が、両端部に貫通孔を有する板材であり、前記中継導電部材も、両端部に貫通孔を有する板材であり、前記連結部材の前記貫通孔と前記中継導電部材の前記貫通孔とに挿通されるねじによって前記連結部材と前記中継導電部材とが連結される態様としてもよい(請求項9)。この場合、ねじによって連結部材と中継導電部材とが連結されるので、簡単な作業で強固な連結状態が得られる。
【0018】
好適な実施の一形態として、前記中継導電部材の前記貫通孔の内周に前記ねじと結合可能なねじ溝が形成される態様としてもよい(請求項10)。この場合、中継導電部材にねじ溝が形成されるので、ねじを受けるためのナットが不要となり、連結部材と中継導電部材相互の連結構造のコンパクト化に貢献できる。
【0019】
好適な実施の一形態として、前記各コイルブロックには、前記連結部材の取付位置を定める位置決め部が前記絶縁材で形成される態様としてもよい(請求項11)。この場合、連結部材の取付が容易となる。
【0020】
好適な実施の一形態として、前記各コイルブロックは、前記絶縁材内にU相、V相、W相の各コイルが埋設されているコイルブロックであり、各コイルブロックにおいては、前記各相のコイルに前記絶縁材の外側からアクセス可能である態様としてもよい(請求項12)。
【0021】
好適な実施の一形態として、前記各コイルブロックにおいて、前記コイルの巻始端と巻終端のそれぞれに前記絶縁材の外側からアクセス可能な構成とし、隣り合うコイルブロック又は単一のコイルブロックにおける前記コイルの巻始端と巻終端のいずれか同士を互いに連結することで、異なる態様のコイルブロック又はコイルブロックの連続体を形成できるようにしてもよい(請求項13)。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造が適用されるコイルブロックの配列状態及び電気的接続状態の一例を示す説明図である。
図2図1の変形例を示す説明図である。
図3図1の他の変形例を示す説明図である。
図4】本発明の実施の一形態に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造の内部を開示した正面図である。
図5図4の上面図である。
図6図4及び図5中の連結部材の斜視図である。
図7図6の連結部材の変形例を示す斜視図である。
図8図7の連結部材による連結構造の断面図である。
図9図7の連結部材による連結構造の上面図である。
図10】本発明の他の実施の一形態に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造の分解斜視図である。
図11図10の連結構造のX-X矢視拡大断面図である。
図12図10の連結構造の上面図である。
図13】本発明に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造が適用されるコイルブロックの他の配列状態及び電気的接続状態の一例を示す説明図である。
図14図13の変形例を示す説明図である。
図15図13の他の変形例を示す説明図である。
図16図3及び図15中の破線で囲んだコイルブロックに相当する汎用コイルブロックの説明図である。
図17図16とは別の例の汎用コイルブロックの説明図である。
図18】隣り合うコイルブロック同士の間にスペースを設けて連結する場合の連結構造を示す平面図であり、(a)はタンデム駆動の場合、(b)はパラレル駆動の場合の例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
まず、図1を参照して、本発明に係るリニアモータ用コイルブロックの連結構造が適用されるコイルブロックの配列状態及び電気的接続状態の一例を説明する。
【0025】
図1において、整列される各コイルブロックは、リニアモータ用の三相交流式のコイルブロックBである。各コイルブロックBにおいては、U相、V相、W相の各コイルCU,CV,CW(以下の説明及び図中の添え字nは、端からn番目のコイルブロックBのコイルであることを示す。)が、樹脂等の絶縁材R内に封止されている。各コイルCU,CV,CWは、図示しない鉄心に巻回されて電機子を構成する。このようなコイルブロックBは、三相交流式リニアモータのコイル側構成要素として知られている。図1の実施の一形態では、複数のコイルブロックBが隣り合うように数珠つなぎ状に整列され、全てのコイルブロックBのコイルCU,CV,CWが端のコイルブロックBから順にU相、V相、W相、U相、V相、W相・・・と連続している。但し、本発明の連結構造の適用対象は、三相交流式のコイルブロックに限定されないことは勿論である。
【0026】
端に位置する第一コイルブロックBのU相、V相、W相の各コイルCU,CV,CWの巻始端sには、電源であるサーボアンプAのU相、V相、W相の各入力線AU,AV,AWが接続される。三相の各入力線AU,AV,AWは、第一コイルブロックB以降の第二コイルブロックB、第三コイルブロックB・・・の各相のコイルCU,CV,CW,CU,CV,CW・・・の巻始端sにも接続される。各コイルブロックBにおいて、三相のコイルの巻終端eは一点で短絡されている。すなわち、図1の各コイルブロックBは、三相の各コイルCU,CV,CWがそれぞれ一つずつY結線(スター結線)されたコイルブロックである。
【0027】
なお、図1の例では、各コイルブロックBの三相のコイルCU,CV,CWの巻終端eが絶縁材R内において一点で短絡されているが、各コイルブロックBの三相のコイルCU,CV,CWの巻終端eは、図2及び図3に示すように、絶縁材R外において一点で短絡されてもよい。図2及び図3の例は、各コイルブロックBにおける各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して、絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成である。
【0028】
本発明の実施の一形態では、図4及び図5に示すように、複数の連結部材1が隣り合うコイルブロックB,Bn+1(添え字n,n+1は、端からn番目、n+1番目のコイルブロックであることを示す。)にかけ渡して配設される。各連結部材1は、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、隣り合うコイルブロックB,Bn+1内の同相のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を具備する。図4及び図5の例は、図1図3の例において、隣り合うコイルブロックB,Bn+1の同相のコイルの巻始端s同士を、前記二つの機能を有する連結部材1で互いに連結したものに相当する。
【0029】
本実施の一形態では、連結部材1が二つの機能を有するので、それぞれの機能を有する二種類の手段を用いて連結する場合に比べて、隣り合うコイルブロックB,Bn+1の連結作業が容易となる。また、連結部材1が相対位置固定機能を有することから、連結部材1には相応の強度が必要であり、したがって、大電流にも耐えられる。
【0030】
図6に示すように、連結部材1は、銅等の導電体の棒材2を備え、両端部がL字状に形成されている。連結部材1の両端部をL字状にしてあるのは、隣り合うコイルブロックB,Bn+1上で離間している一方の取付位置と他方の取付位置との間を跨いで延在できるようにするためと、コイルブロックBへの固着の便宜のためである。棒材2は、コイルブロックBの表面に沿って延びる本体部2Aと、本体部2Aの両端から直角に延びる二本の取付脚部2B,2Bと、を備える。棒材2は、二本の取付脚部2B,2Bの先端部2b,2b以外の部分が、絶縁性を有する被覆材Cで被覆されている。露出状態の先端部2b,2bが、コイルブロックB内のコイルCU,CV,CWに接続される。なお、図6の例では、連結部材1の棒材2が丸棒材で形成されているが、細長い板材で形成してもよい。連結部材1を棒材又は板材で形成すると、大電流への耐性を持たせるのに好適である。
【0031】
図4及び図5に示すように、各コイルブロックBには、内部の各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sに繋がる銅板等の中継導電部材3が配設される。各中継導電部材3に対しては、絶縁材Rの外側からアクセス可能である。このため、絶縁材Rの外側から連結部材1を各中継導電部材3に接続することができる。中継導電部材3を薄板状に形成すれば、各コイルブロックB内における中継導電部材3の配設スペースが節約できて好適である。但し、本発明において、中継導電部材3は必須のものではなく、各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sに対して絶縁材Rの外側から直接的にアクセス可能な構成であってもよい。
【0032】
図4及び図5の例では、図4に拡大して示すように、コイルブロックBの絶縁材Rの表面に凹部4が形成され、この凹部4の底面4aに板状の中継導電部材3が埋設されている。中継導電部材3の上面は凹部4内に露出しており、この上面に対して連結部材1の取付脚部2Bの先端部2bが固着される。固着方法の好適例として、半田付けを挙げることができる。図4に示すように、隣り合うコイルブロックB,Bn+1を連結部材1で連結した状態において、連結部材1の被覆状態の本体部2Aは、コイルブロックBの絶縁材Rの表面に近接して延在する。各中継導電部材3上における二つの連結部材1,1の配置は、図5に示すような直列式でもよいし、後述する図9のような並列式でもよい。
【0033】
コイルブロックBは、互いに同一の規格で形成され、連結部材1も互いに同一の規格で形成される。このため、複数のコイルブロックBを一定のピッチで互いに連結することができ、さらに、コイルブロックB及び連結部材1の製造効率も向上する。
【0034】
図4及び図5の例では、隣り合うコイルブロックB,Bn+1が接触状態で連結されているが、これには限定されず、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士の間に所定のスペースを設けた状態で、コイルブロックB,Bn+1同士を連結することもできる。この場合には、連結部材1の本体部2Aの長さを図4及び図5の例より長くすればよい。
【0035】
コイルブロックB,Bn+1同士の間にスペースを設ける場合の例として、図18に示すように、磁石Mを内蔵した固定子SA上で可動子としてのコイルブロックB,Bn+1を駆動させるリニアモータの、タンデム駆動(図18(a))やパラレル駆動(図18(b))を挙げることができる。図18(b)のパラレル駆動においては、固定子SAの延び方向に対して直行方向に延びる連結部材1によって、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士が互いに連結される。
【0036】
図6の連結部材1の変形例として、図7の連結部材5を採用することもできる。図7の連結部材5は、図6の連結部材1の取付脚部2B,2Bの先端部2b,2bに取付用の丸端子2c,2cを固着したものに相当する。図8に示すように、丸端子2cの貫通孔2dに固定具としてのねじ6を挿通し、このねじ6を中継導電部材3に配設される係合部としてのねじ孔3aにねじ込んで、連結部材5をコイルブロックB,Bn+1に固定する。この場合、簡単な作業で強固な連結状態が得られる。また、ねじ6を受けるためのナットが不要となり、連結部材5と中継導電部材3の相互連結部のコンパクト化に貢献できる。中継導電部材3の貫通孔3aにバーリング加工を施しておけば、ねじ結合が確実なものとなるほか、中継導電部材3の補強にもなり、好適である。限定はされないが、ねじ6の好適例は座金組み込みねじである。
【0037】
中継導電部材3にねじ孔3aを設けることに代えて、ねじ6を受け入れる係合部としてのナット(図示せず)を中継導電部材3の裏側に固着しておき、中継導電部材3の貫通孔3aに挿通したねじをナットにねじ結合させる態様としてもよい。なお、中継導電部材3上における連結部材5,5の配置は、図5のような直列式でもよいし、図9に示す並列式でもよい。
【0038】
次に、図10図12を参照して、本発明の他の実施の一形態に係る連結構造を説明する。図10図12の例も、図1の例において、隣り合うコイルブロックB,Bn+1の同相のコイルの巻始端s同士を、連結部材で互いに連結するものに相当する。
【0039】
図10の実施の一形態では、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士が、導電性を有する銅板等の板材からなる連結部材7で連結される。この連結部材7も、図6及び図7の連結部材1,5と同じく、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、隣り合うコイルブロック内の同相のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を具備する。連結部材7の両端部には、後述する中継導電部材8との接続用の貫通孔7a,7aが形成される。
【0040】
また、図10の実施の一形態では、中継導電部材8として、コイルブロックBの配列方向に延びる銅板等の細長い板材が採用される。この中継導電部材8は、各コイルブロックBの一端から他端に至るまで延在する。各コイルブロックBにおいて、U相、V相、W相の各コイルCU,CV,CWに対応して、中継導電部材8が配設される。三本の中継導電部材8は互いに平行に配設される。
【0041】
図12に示すように、各コイルブロックBにおいて、各中継導電部材8には、絶縁材R内で三相の各コイルCU,CV,CWの巻始端sが接続される。中継導電部材8は、コイルブロックBの配列方向に延び、各コイルブロックBの一端から他端に至るまで延在する。このため、中継導電部材8に対する三相の各コイルCU,CV,CWの巻始端sの接続位置の自由度が高い。隣り合うコイルブロックB,Bn+1において、三相の各コイルCU,CV,CWの互いに対応するもの同士が、中継導電部材8と連結部材7とを介して互いに連結される。三相のコイルの巻終端eは、前述と同様に、絶縁材R内(図1参照)又は絶縁材R外(図2,3参照)において一点で短絡される。
【0042】
図10の中継導電部材8は、連結部材7との接続部を除くほとんどの部分が絶縁材R内に埋め込まれている。この構成により、中継導電部材8の絶縁性が確保される。また、図10の中継導電部材8は、薄板状に形成されている。このため、各コイルブロックB内における中継導電部材8の配設スペースが節約できて好適である。
【0043】
中継導電部材8の両端部は連結部材7との接続部となる。このため、中継導電部材8の両端部は絶縁材Rから露出しており、コイルブロックBの外部からアクセス可能である。中継導電部材8は、コイルブロックBの配列方向に延び、各コイルブロックBの一端から他端に至るまで延在するので、中継導電部材8と連結部材7との接続は、各コイルブロックBの端部においてなされることになる。このため、中継導電部材8と連結部材7との接続作業が行いやすい。
【0044】
中継導電部材8の両端部には、連結部材7との接続用の貫通孔8a,8aが形成される。連結部材7の貫通孔7aと中継導電部材8の貫通孔8aとに挿通される固定具としてのねじ9によって、連結部材7と中継導電部材8とが連結される。この場合、簡単な作業で強固な連結状態が得られる。限定はされないが、ねじ9の好適例は座金組み込みねじである。中継導電部材8の貫通孔7aの内周に、前記ねじ9と結合可能な係合部としてのねじ溝を形成しておけば、ねじ9を受けるためのナットが不要となり、連結部材7と中継導電部材8の相互連結部のコンパクト化に貢献できる。この場合、中継導電部材8の貫通孔8aにバーリング加工を施しておけば、ねじ結合が確実なものとなるほか、中継導電部材8の補強にもなり、好適である。中継導電部材8の貫通孔8aにねじ溝を設けることに代えて、ねじ9を受け入れる係合部としてのナット10を中継導電部材8の裏側に固着しておき、中継導電部材8の貫通孔8aに挿通したねじ9をナット10にねじ結合させてもよい(図11参照)。
【0045】
なお、図10図12の例では、隣り合うコイルブロックB,Bn+1が近接状態で連結されているが、これには限定されず、隣り合うコイルブロックB,Bn+1同士の間により大きな所定のスペースを設けた状態で、コイルブロックB,Bn+1同士を連結することもできる。この場合には、連結部材7の長さを図示例のものより長くすればよい。コイルブロックB,Bn+1同士の間により大きなスペースを設ける場合の例は、前記と同様である。
【0046】
連結部材7と中継導電部材8とを接続したら、図10及び図11に示すように、連結部材7と中継導電部材8との接続部を絶縁蓋11で覆う。これにより、隣接するコイルブロックB,Bn+1の一体として絶縁性が確保される。連結部材7が長尺の場合には、図6及び図7の例のように、連結部材7における中継導電部材8との接続部以外の領域を絶縁材で被覆しておけばよい。一連のコイルブロックの中の終端のコイルブロックについては、図10に示すように、中継導電部材8の端部を、幅の狭い絶縁蓋12で覆って絶縁性を確保してもよい。
【0047】
連結部材7と中継導電部材8は、板材のほか、棒材で形成してもよい。板材又は棒材で連結部材7と中継導電部材8とを形成すると、大電流への耐性上有効である。連結部材7や中継導電部材8を棒材で形成する場合には、両端部に平板部を形成し、各平板部に接続用の貫通孔又はねじ孔を形成する。なお、連結部材7と中継導電部材8の固着は、ねじ止めに代えて半田付けによって行うこともできる。
【0048】
図10に示すように、各コイルブロックBには、連結部材7の取付位置を定める位置決め部13が絶縁材Rで形成される。これにより、連結部材7の取付が容易となり、さらに、各コイルブロックB上で隣接する連結部材7,7間の絶縁性もより確実となる。
【0049】
なお、図2及び図3の例のように、各コイルブロックBが、各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成である場合には、各コイルブロックBにおいて、各相のコイルCU,CV,CWの巻終端e同士を一点で短絡させる際に、前記連結部材1,5,7と同じく棒材又は板材の連結部材を用いることもできる。この場合にも、各コイルブロックBを互いに同一の規格で形成し、且つ、各相のコイルCU,CV,CWの巻終端e同士を連結する連結部材も同一の規格で形成することで、コイルブロックB及び連結部材の製造効率の向上に寄与することができる。
【0050】
次に、図13図15を参照して、コイルブロック間の他の電気的接続状態の一例を説明する。
【0051】
図13において、整列される各ブロックは、図1図3と同じく三相交流式のコイルブロックDである。各コイルブロックDにおいては、被接続要素としてのU相、V相、W相の各コイルCU,CV,CWがそれぞれ二つずつ(第一コイルと第二コイル)、樹脂等の絶縁材R内に封止されている。図13のコイルブロックDに付された添え字1,2は、連結されるコイルブロックの先頭からの順番を示している。また、図13の各コイルCU,CV,CWに付されている二桁の添え字は、先頭(左側)の数字がコイルブロックの番号を、二番目(右側)の数字が当該コイルブロックD内における第一コイルと第二コイルの別を、それぞれ示している。
【0052】
各コイルブロックD内において、U相、V相、W相の各コイルCU,CV,CWは、第一U相、第一V相、第一W相、第二U相、第二V相、第二W相の順に配列される。そして、隣り合うコイルブロックD,Dn+1において、先のコイルブロックDの第二W相のコイルCWn2の次に後のコイルブロックDn+1の第一U相のコイルCU(n+1)2が続くように、複数のコイルブロックが数珠つなぎ状に整列される。
【0053】
端に位置する第一コイルブロックDの第一U相、第一V相、第一W相の各コイルCU11,CV11,CW11の巻始端sには、電源であるサーボアンプAのU相、V相、W相の各入力線AU,AV,AWが接続される。三相の各入力線AU,AV,AWは、第一コイルブロックD以降の第二コイルブロックD、第三コイルブロックD・・・の第一U相、第一V相、第一W相の各コイルCU21,CV21,CW21,CU31,CV31,CW31・・・の巻始端sにも接続される。また、各コイルブロックDにおいて、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻始端sには、第一U相、第一V相、第一W相の各コイルの巻終端eが接続される。さらに、各コイルブロックDにおいて、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻終端eは一点で短絡されている。すなわち、図13の各コイルブロックDは、三相の各コイルCU,CV,CWがそれぞれ複数個ずつY結線(スター結線)されたコイルブロックの一例としての、三相の各コイルCU,CV,CWがそれぞれ二つずつY結線(スター結線)されたコイルブロックである。
【0054】
なお、図13の例では、各コイルブロックDにおいて、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻終端eが絶縁材R内において一点で短絡されているが、各コイルブロックDの第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻終端eは、図14及び図15に示すように、絶縁材R外において一点で短絡されてもよい。図14及び図15の例は、各コイルブロックDにおける各相のコイルの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して、絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成である。
【0055】
また、図13の例では、各コイルブロックDにおいて、第一U相、第一V相、第一W相の各コイルの巻終端eと、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻始端sとが、それぞれ絶縁材R内において接続されているが、図14及び図15の例では、それら同士の接続が絶縁材R外でなされている。
【0056】
図13図15の例において、隣り合うコイルブロックD,Dn+1の第一U相、第一V相、第一W相の各コイルの巻始端s同士を連結する際に、前述した図6図7図10の連結部材1,5,10による連結構造を採用することができる。
【0057】
また、図14及び図15の各コイルブロックDにおいて、第一U相、第一V相、第一W相の各コイルの巻終端eと、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻始端sとの絶縁材R外での接続を、前記連結部材1,5,10と同じく棒材又は板材の連結部材を用いて行ってもよい。
【0058】
さらに、図14及び図15の各コイルブロックDにおいて、第二U相、第二V相、第二W相の各コイルの巻終端eの絶縁材R外における一点での短絡を、前記連結部材1,5,10と同じく棒材又は板材の連結部材を用いて行ってもよい。
【0059】
図16は、図3及び図15中の破線で囲んだコイルブロック14に相当する汎用コイルブロック15を示している。この汎用コイルブロック15は、絶縁材R内に埋設されるU,V,W各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して、絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成である。絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成の具体例は、図4を参照して説明した方式と同様である。
【0060】
図16の汎用コイルブロック15において、例えば、図6又は図7と同様の連結部材1,5を絶縁材Rの外側から各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して接続可能である。連結部材1,5と同様の連結部材で図16の汎用コイルブロック15を複数連結する(隣り合う汎用コイルブロック15,15同士又は単一の汎用コイルブロック15における前記各相のコイルの巻始端sと巻終端eのいずれか同士を互いに連結する)ことで、図3に示すコイルブロックの連続体や、図15に示すコイルブロックや、図15に示すコイルブロックの連続体等、異なる態様のコイルブロック又はコイルブロックの連続体を自在に形成することができる。
【0061】
なお、図16の汎用コイルブロック15において、各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに繋がる中継導電部材3の配設位置は任意であり、隣り合う汎用コイルブロック15,15同士を連結部材1,5と同様の連結部材で連結しやすい位置に中継導電部材3を配設すればよい。但し、中継導電部材3が必須でないことは前述の通りであり、各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して絶縁材Rの外側から直接的にアクセス可能な構成としてもよい。
【0062】
同様に、図17も、図3及び図15中の破線で囲んだコイルブロック14に相当する汎用コイルブロック16を示している。この汎用コイルブロック16も、絶縁材R内に埋設されるU,V,W各相のコイルCU,CV,CWの巻始端sと巻終端eのそれぞれに対して、絶縁材Rの外側からアクセス可能である。絶縁材Rの外側からアクセス可能な構成の具体例は、図10を参照して説明した方式と同様である。
【0063】
具体的には、U,V,W各相のコイルCU,CV,CWの巻始端CUs,CVs,CWsに繋がる中継導電部材17がそれぞれ配設され、且つ、U,V,W各相のコイルCU,CV,CWの巻終端CUe,CVe,CWeに繋がる中継導電部材18がそれぞれ配設される。そして、図6図7図10と同様の連結部材1,5,7によって絶縁材Rの外側から中継導電部材17,18同士を適宜に接続可能である。連結部材1,5と同様の連結部材で図17の汎用コイルブロック16を複数連結する(隣り合う汎用コイルブロック16,16同士又は単一の汎用コイルブロック16における前記各相のコイルの巻始端sと巻終端eのいずれか同士を互いに連結する)ことで、図3に示すコイルブロックの連続体や、図15に示すコイルブロックや、図15に示すコイルブロックの連続体等、異なる態様のコイルブロック又はコイルブロックの連続体を自在に形成することができる。
【0064】
上述したコイルブロックの連結構造においては、隣り合うコイルブロック同士が棒材又は板材からなる連結部材1,5,7によって連結される。連結部材1,5,7は、隣り合うコイルブロック同士の相対位置を固定する相対位置固定機能と、隣り合うコイルブロック内の同相のコイル同士を電気的に接続する導電機能と、の双方を具備する。このため、それぞれの機能を有する二種類の連結手段を用いる場合に比べて、隣り合うコイルブロックの連結作業が容易となる。また、連結部材1,5,7が相対位置固定機能を有することから、連結部材には相応の強度が必要であり、したがって、大電流にも耐えられる。
【0065】
また、棒材又は板材からなる連結部材1,5,7を用いることで、電線での連結の場合に必須となる配線のたるみへの対策が不要である。さらに、棒材又は板材からなる同一規格の連結部材1,5,7を用いることで、隣り合うコイルブロック内の対応する各相のコイルのピッチを一定に保つことができ、ノイズ要因を抑えることができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1,5,7 連結部材
3,8,17,18 中継導電部材
13 位置決め部
B コイルブロック
CU,CV,CW コイル
R 絶縁材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18