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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】電気光学ベースの光学デバイス
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20240726BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240726BHJP
   G02B 7/06 20210101ALI20240726BHJP
   G02B 23/00 20060101ALI20240726BHJP
   G02B 23/12 20060101ALI20240726BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240726BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20240726BHJP
【FI】
G02B7/04 B
G02B7/02 E
G02B7/06
G02B23/00
G02B23/12
G03B17/02
H04N23/53
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021567025
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020032661
(87)【国際公開番号】W WO2020232113
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】62/846,882
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521375287
【氏名又は名称】マラノン,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ジェイムス
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0098971(US,A1)
【文献】米国特許第06288386(US,B1)
【文献】米国特許第04221966(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0001927(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0264310(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0257005(US,A1)
【文献】特開平07-049456(JP,A)
【文献】特開2001-333312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/02
G02B 7/06
G02B 23/00
G02B 23/12
G03B 17/02
H04N 23/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察者に対して物理的な位置に固定された少なくとも1つの接眼レンズと、
画像センサ、少なくとも1つの電気接続、および前記接眼レンズを介した出力画像を有する少なくとも1つの画像センシングアセンブリと、
少なくとも1つの対物レンズであって、前記少なくとも1つの対物レンズおよび前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリは少なくとも1つのチャネルを形成する、少なくとも1つの対物レンズと、を備え、
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリ、または前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリおよび前記少なくとも1つの対物レンズは前記少なくとも1つの接眼レンズを介して投影された画像を前記観察者の目に焦点を合わせるため移動する、光学デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの対物レンズが、前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリに対して焦点を合わせる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリは、前記少なくとも1つの接眼レンズに独立して焦点を合わせる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの対物レンズは、前記少なくとも1つの接眼レンズおよび前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリとは独立してパージされる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの対物レンズは、前記少なくとも1つの接眼レンズおよび前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリと同時にパージされる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気接続が、前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリに組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリが焦点合わせのため移動するとき、前記少なくとも1つの電気接続が、電源および/または信号接続を提供する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電気接続が、焦点合わせ機構の一部として組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの電気接続が、スリップリング式接続である、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電気接続が、並進摺動式接続である、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電気接続が、フレックス回路である、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリおよび前記少なくとも1つの対物レンズのうちの少なくとも一方が、回転運動を介して焦点を合わせ、前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリおよび前記少なくとも1つの対物レンズのうちの他方が、並進運動を介して焦点を合わせる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリおよび前記少なくとも1つの対物レンズの両方が、回転運動または並進運動を介して焦点を合わせる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つの対物レンズおよび前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリの前記チャネルは、前記チャネルに設計された調整できないコリメーションを有する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの機械式取り付けアセンブリが、接眼レンズハウジングと一体化する、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項16】
画像増強管を含む暗視デバイスに組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項17】
熱画像センサを含む暗視デバイスに組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項18】
対物レンズおよび画像センシングアセンブリの少なくとも4つのチャネル、ならびに少なくとも2つの接眼レンズを含む暗視デバイスに組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項19】
画像ディスプレイが、前記画像センシングアセンブリに接続される暗視デバイスに組み込まれる、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つのチャネルが、少なくとも1つの画像ディスプレイをさらに備える、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項21】
前記少なくとも1つの画像センシングアセンブリが、少なくとも第1の画像センシングアセンブリおよび第2の画像センシングアセンブリをさらに備え、前記第1の画像センシングアセンブリが、第1の画像センサを有し、前記第2の画像センシングアセンブリが、第2の画像センサを有し、前記第1の画像センサおよび前記第2の画像センサが、異なる種類の撮像センサである、請求項1に記載の光学デバイス。
【請求項22】
前記接眼レンズを介した前記出力画像が、少なくとも前記第1の画像センサからの画像と前記第2の画像センサからの画像との組み合わせである、請求項21に記載の光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、先願の同時継続中の、2019年5月13日付けで出願された米国仮特許出願第62/846,882号の利益を主張するものであり、その内容全体は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、イメージングの分野に関する。より詳細には、本出願は、軍用ならびに商用画像強調デバイス、およびそのために改善された光学アセンブリの分野に関する。
【0003】
多くの光学デバイスは、一般に重いデバイスになる構造に閉じ込められている。例えば、暗視ゴーグル用の通常の構造は、対物レンズ、画像センサ、および接眼レンズからなる。これら3つの主要構成要素は、光学アセンブリとしてパッケージングされる。次に、このアセンブリは、頭部に装着されたヘルメット上に取り付けられたとき、1つまたは複数の目と位置合わせするためアセンブリの調節を可能にする機械部材上に取り付けられる。従来技術の構造は、設計の全ての他の態様のための基準フレームとして画像センサハウジングを有する。すなわち、対物レンズがセンサに対して移動して、焦点を合わせる。同様に、接眼レンズは、接眼レンズの焦点のためセンサ出力に対して移動する。最後に、取り付け機構および光学チャネルの調節も、センサに対してなされる。この種の構造は、画像増強管および熱センサなど両方の主な種類のセンサ、ならびに暗視双眼鏡、ヘルメットに取り付けられた単眼鏡、センサフュージョンシステム、およびライフルスコープなどの用途のために存在する。
【0004】
従来技術は、固定されたハウジングまたは増強管などであるが、それらに限定されないセンサおよび/または他の固定されたシステムの構成要素に対して接眼レンズおよび/または対物レンズを移動して、暗視ゴーグルの焦点を得る。同様に、従来技術は、固定されたハウジング内の接眼レンズを移動して、双眼鏡の焦点を合わせる。調節可能なレンズを有する中心ハウジングのこの構造には多くの理由がある。第1に、これは、望遠鏡および双眼鏡からこれらのシステムの電気光学形への技術発展の自然の流れである。望遠鏡、双眼鏡、およびライフルスコープでは、接眼レンズは、焦点調節のための道筋であった。対物レンズの機械式本体は、三脚または小銃などのデバイス上の自然の取り付け点に固定されることが多かった。対物レンズは、大抵大きく、場所によっては届くのに困難な場合がある。接眼レンズは、はるかに小さく目の近くに配置される。電気光学センサがこれらの光学システムの2つのレンズの間に位置するとき、対物および接眼レンズの両方が、独立して焦点を合わせることが要求される。その結果、設計者は、単に対物レンズを調節可能にした。
【0005】
追加で、電気光学センサは、動作するために電源を必要とする。これは、設計の障害となる。対物、または接眼レンズのいずれかが、固定される場合、センサは回転する必要がある。回転しながらセンサが動作するため非常に特別な電気接続が、要求される。こうした接続は、当技術分野では既知であるが高価であり、電気光学システムの全体的な複雑さを増大させる。
【0006】
これらの問題は、複数の光学チャネルが、パノラマ暗視ゴーグル(Panoramic Night Vision Goggles(PNVG))などに組み合わされるとき、際立つ。ここで、システム設計者は、位置合わせおよび動作するための4式のレンズおよびセンサを有する。この設計に対する過去の取り組みは、センサ出力に対して接眼レンズを固定すること、例えば、センサのレンズに対する調節、選別および一致が不能で、対物レンズのみ調節可能にすることである。しかし、電気光学性能は低減され、費用が増大する。ここで、接眼レンズの焦点がないため、電気光学性能は低減される。観察者が、接眼レンズによって設定される処方とは異なる光学処方を有する場合、センサからの画像出力は焦点が合ってなく、曖昧に見えるであろう。管の接眼レンズへの一致は、全ての4つのセンサの公称焦点が同一であるようにするためにされるが、製造者は焦点距離用にレンズを選別し、レンズをセンサの光機械距離に一致させる必要がある。同じ対が見つけられない場合、新しいレンズ、新しいセンサ、またはその両方のいずれかを作り、一致プロセスを再度始めなければならない。明らかに、これは費用がかかる。マルチチャネル設計の程度でない場合、この問題はまた、双眼鏡にも存在する。
【0007】
上記理由のほか、他の理由により、異なる構造は、光学産業では探求されなかった。提案された技術は、単純であるが、画期的な構造でこれらの問題を解決するであろう。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、観察者に対して物理的位置に固定された接眼レンズを備える光学アセンブリである。アセンブリはまた、画像センサ、少なくとも1つの電気接続、および接眼レンズを介する出力画像、ならびに対物レンズを有する画像センシングアセンブリを含む。画像センシングアセンブリおよび対物レンズのうちの少なくとも一方は、観察者の目に接眼レンズを介して投影される画像の焦点を合わせるために移動する。
【0009】
本発明の目的および利点は、本発明の実施形態および実施例の以下の詳細な説明からより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1a図1aは、光学アセンブリの例示的な実施形態の斜視図を示す。
図1b図1bは、光学アセンブリの例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図1c図1cは、光学アセンブリの例示的な実施形態の部分上面図を示す。
図1d図1dは、光学アセンブリの例示的な実施形態の部分斜視図を示す。
図1e図1eは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の上面透視図を示す。
図1f図1fは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の部分透視図を示す。
図1g図1gは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の部分斜視図を示す。
図2a図2aは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図2b図2bは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の部分断面図を示す。
図2c図2cは、光学アセンブリの別の例示的な実施形態の部分透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本説明中、特定の用語は、簡潔さ、明瞭さおよび理解のために使用されている。こうした用語は、説明目的のためにのみ使用され、広く解釈されることが意図されるので、従来技術の要件を越えて不要な制限をそこから適用するべきではない。本明細書に記載の異なるシステムおよび方法は、単独でまたは他のシステムおよび方法と組み合わせて使用されてもよい。図面および出願書類で明確にされた寸法及び材料は、例示に過ぎず、特許請求された本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本出願の目的と整合しない任意の他の寸法および材料がまた使用されてもよい。様々な等価物、代替および変更が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能である。添付の特許請求の範囲内の各制限は、「のための手段(means for)」または「のためのステップ(step for)」という用語のみが、それぞれの制限において明示的に列挙される場合、米国特許法第112条、第6項に基づいて解釈することが意図される。
【0012】
提案された構造は、機械エンベロープ内に接眼レンズを物理的に固定すること、接眼レンズの焦点合わせのため移動するハウジング内に電気光学センサを配置すること、およびセンサハウジング内に対物レンズを設置することからなる。接眼レンズアセンブリは、ヘルメットマウントなどの外部ハードウェアにデバイスを取り付けるための機構、センサハウジングに電力およびまたは信号を供給するための手段、センサの移動のためのインターフェース手段、および接眼レンズ自体を有する。電気光学センサアセンブリは、接眼レンズに対してセンサアセンブリを移動する手段、センサを駆動するための電気信号およびまたは必要であり得る他の信号を受信する手段、およびセンサ入力への対物レンズの焦点を保持し、それを容易にするための手段を有する。
【0013】
図1a~1dは、PNVGデバイスとして光学アセンブリ100の実施形態を示す。アセンブリ100は、4つの主要サブアセンブリ、すなわち、接眼レンズハウジング104、単眼鏡105、対物レンズ119、および機械式取り付けアセンブリ103からなる。アセンブリ100は、ユーザのヘッドギヤ(図示せず)に取り付ける機械式取り付けアセンブリ103に連結された2つの接眼レンズハウジング104を含む。機械式取り付けアセンブリ103はまた、ブリッジおよび前/後アセンブリとして知られる。接眼レンズハウジング104と機械式取り付けアセンブリ103との間の連結は、一体であっても、または取り外し可能であってもよい。
【0014】
単眼鏡105内に見られる対物レンズ119および画像センシングアセンブリは、撮像チャネル130を形成し、したがって、図1a~1dに示される例示的なアセンブリ100は、総計4つの撮像チャネル130を有する。特定の実施形態では、チャネル130は、チャネル130に設計された調整できないコリメーションを有してもよい。アセンブリ130内の少なくとも1つのチャネル130は、接眼レンズ102を介して画像を表示するための画像ディスプレイ131を組み込むことができる。
【0015】
2つの接眼レンズハウジング104はそれぞれ、通常はシリコーンゴム接着剤によるが、他の手段も許容される、恒久的に接眼レンズハウジング104に固定され得る2つの接眼レンズ102を有する。接眼レンズハウジング104はまた、対物レンズ119が単眼鏡105に対して移動する間、単眼鏡105が接眼レンズハウジング104に対して移動できるようにする構成要素を含む。これにより、観察者の目に接眼レンズ102を介して投影される画像の焦点合わせが可能になる。
【0016】
図1a~1dの実施形態では、これらの構成要素は、単眼鏡105を受け入れる接眼レンズハウジング104の拡張嵌合部106の内面に取り付けられた2つの単眼鏡焦点合わせピン122である。単眼鏡ハウジング107の対応する外面は、単眼鏡105を特定の経路に沿って移動させるこれらのピンを支える運動機構110を有し、運動機構110は、直線状、らせん状、またはその組み合わせであってもよい。特定のPNVGの実施形態では、単眼鏡焦点合わせピン122はまた、電圧信号を単眼鏡105に供給する手段である。
【0017】
単眼鏡105は、それぞれの目的用に適切な画像センサ(複数可)108、センサ電子回路、および電源109を含む。例示的な実施形態では、画像センサ108は、画像増強管であり、電源109は、高電圧電源である。これらは、接眼レンズハウジング104上で単眼鏡焦点合わせピン122に嵌合する運動機構110を有する単眼鏡ハウジング107に封入され、それにより単眼鏡105は回転されると、接眼レンズハウジング104に対して出入りする。図1bの実施形態では、運動機構110は、螺旋ねじ山であるが、それらは、図1eおよび1gに示される、カムアセンブリまたは摺動スロットであってよい。いずれにしても、単眼鏡105は、前後に移動して、接眼レンズ102に焦点調節を与える。したがって、ここで、単眼鏡105の出力画像は、アセンブリ100を使用する各人が動作中に調節可能に焦点合わせできる。追加で、PNVGの場合、すべての単眼鏡105は、独立して焦点を合わせることができる。
【0018】
図1bの実施形態では、電源接続部111は運動機構110の螺旋ねじ山の一部である。1つの螺旋ねじ山は、正極性接続112を含むが、他の螺旋ねじ山は、負極性接続113を含む。この実施形態では、電気接触が接眼レンズハウジング104上で単眼鏡焦点合わせピン122になされるが、他の実施形態は、別個の電気ピン接続128を使用してもよい。接触のほか、正と負の隔離を確実にするため、電源接続部111は、様々な手段で実装され得る。
【0019】
一実施形態では、単眼鏡ハウジング107が、アルミニウムなどであるが、それらに限定されない導電性材料からである場合、電源接続部111は、スリップリング式接続で運動機構110の螺旋ねじ山に沿って導電性ストリップ129を直接めっきすることによって作製され得る。運動機構110は、正極性接続112および接地、または負極性接続113を含む。こうした実施形態では、負極性接続113は、単眼鏡ハウジング107上の導電性ストリップ129を直接めっきすることによって作製されるが、正極性接続112は、導電性ストリップ129と単眼鏡ハウジング107との間に金属酸化物の層を含む。金属酸化物は、陽極酸化によって作成でき、その後、導電性ストリップ129が、相補的メッキプロセスによって作製される。ちょうど説明された構造は、電磁干渉(EMI)から画像センサ108および電源109を保護するため接地面にファラデーシールドを提供する金属単眼鏡ハウジング107の利点を有する。代替で、フレックス回路ストリップ117が、螺旋ねじ山110の底部に配置される。次に、電源109に至る配線は、フレックス回路ストリップ117にはんだ付けされる。
【0020】
特定の実施形態では、追加の導電性ストリップ129が、陽極酸化金属の追加の領域の単眼鏡ハウジング107の表面に配置されてもよい。非限定的な例は、遠隔用の2つの導電性ストリップ129が、基本情報のサーマルカメラへの伝送用のミニUSB接続のような基本アイテム用の画像増強管、または追加の導電性ストリップ129の制御を得ることであろう。接続はまた、外部画像ディスプレイになされてもよい。
【0021】
図1e~1gに示される実施形態では、焦点合わせはまた、単眼鏡105を回転せずに接眼レンズハウジング104から単眼鏡105を並進的、直線的に出し入れすることであってよい。本実施形態では、運動機構110は、少なくとも1つの摺動スロットである。 フレックス回路カード118上の接点として形成された直線的導電性ストリップ129は、単眼鏡105の正極性接続112および負極性接続113として作用し得る。EMIフィルタは、フレックス回路カード118の一部であってよい。
【0022】
導電性ストリップ129を単眼鏡ハウジング107または運動機構110上に配置することの代替または追加として、単眼鏡105は、電気接触のため接眼レンズハウジング104上に押下されるばね付勢された接触ピン121を組み込んでもよい。こうした実施形態では、接眼レンズハウジング104の内部は、単眼鏡105から接眼レンズハウジング104へおよびそこから電池または他の電源109に電気的接続をもたらす導電性材料でめっきされてもよい。本実施形態では、接眼レンズハウジング104の内部は、導電性ストリップ129である必要はないが、こうした設計は、他の実施形態では考えられる。
【0023】
この単眼鏡ハウジング107はまた、対物レンズ119がセンサの入力に対して移動することを可能にする必要な焦点機能を有する。この特定の実施形態では、焦点ピンホールおよびピン114がある。最後に、単眼鏡ハウジング105は、環境のロバスト性のため焦点停止115およびシール116を組み込んでいる。
【0024】
対物レンズ119に関するものとして、対物レンズ119は、適切に設計されたハウジング内の一組の光学構成要素である。対物レンズ119は、画像センサ108の入力に関する対物焦点を調節するための対物焦点機構123を含む。例示的な実施形態では、対物焦点機構123は、対物レンズ鏡筒124上の少なくとも1つの対物焦点ねじ締り嵌めである。対物レンズ鏡筒124上に取り付けられた焦点調節ノブ127により、ユーザは対物レンズ119を把持し、調節することができる。対物レンズ119はまた、一体型対物停止125および対物環境シール126を包含する。
【0025】
1つの新規の要素は、対物レンズ119の焦点トルクが、光学アセンブリ100の他の部分の焦点トルクより小さくなるように設計されていることである。従来技術のシステム設計では、焦点トルクは、各レンズが独立して設計された。それぞれが、固定されたハウジングに対して回転するので、必要なトルクが、接眼レンズより強かろうが、弱かろうが関係なかった。しかし、この場合、焦点動作は、トルクを互いに異なるようにする計画的試みなしでは、失われる危険を冒す。非限定的な例として、所望の動作は、接眼レンズ102が第1に焦点合わせされる場合、その後対物レンズ119が焦点合わせされるときに、接眼レンズ102が移動することは非常に望ましくない。したがって、2つのトルクは、1つの焦点合わせが達成されたとき、他の動作が試みられた場合に、それが失われないように、明らかに異なるように設計されなければならない。独立した焦点合わせを可能にする設計の特徴が、限定されるものではないが、異なる硬度計を有するOリング材料、著しく異なるOリング圧縮、異なる接合設計、および当技術分野で既知であり得る他の機構からなってもよい。別の実施形態は、異なるトルクの代わりに異なる種類の動きを用いる。接眼レンズ102、単眼鏡105、および/または対物レンズ119の構成要素のうちの1つは、線形並進運動(カムアセンブリまたは摺動スロット)を使用して焦点合わせするが、別の構成要素は、回転運動(螺旋ねじ山)を使用して焦点合わせする。
【0026】
Oリングはまた、単眼鏡/接眼レンズの境界面で環境シールの機能を果たすことに留意すべきである。Oリンググランド132aおよび132bはまた、単眼鏡ハウジング107と一体化する。Oリング133は、Oリンググランド132aおよび132bに乗り、単眼鏡105を接眼レンズハウジング104の光機械軸上の中心に置き、単眼鏡ハウジング107をシールし、抵抗力を与えて単眼鏡105を接眼レンズ102および/または対物レンズ119と焦点合わせすることを区別する。本明細書で使用されるように、Oリング133への参照は、任意の種類の断面を有する任意のエラストマーリングを指す。対物レンズ119は、独立してまたは接眼レンズ102および単眼鏡105と同時にパージされてもよい。
【0027】
上記光学アセンブリ100の説明はPNVGシステムを強調したが、限定されるものではないが、双眼鏡、単眼鏡、センサフュージョンシステム、およびライフルスコープなどの他の形態も同様に網羅される。双眼鏡の形態を取る例示的な光学アセンブリ100が、図2a~2cに示される。ユーザが固定接眼レンズを欲し得る1つの理由は、こうした構造は、単眼鏡アセンブリ内のセンサのポッティングを容易にすることである。その内容全体が参照により本明細書に援用される同時継続中の米国特許出願第16/503,297号は、軽量暗視双眼鏡について特許請求をするが、価格が重量より重要な場合、この方法は、安上がりではあるだろうが、少ない重量の罰則を受ける。両方の構造は、既存のデバイスよりかなり軽い。
【0028】
図2a~2cの光学アセンブリ100では、接眼レンズハウジング104は、接眼レンズハウジング104内に固定された接眼レンズ102および接眼レンズハウジング104内に組み込まれた機械式取り付けアセンブリ103を有する。単眼鏡105は、組み立て対物レンズ119を含む。この特定の実施形態について、電池収納部120は、運動機構110の中心に取り付けられる。接眼レンズ102が、接眼レンズハウジング104内に取り付けられると同時に、画像センサ108が、単眼鏡ハウジング107内に取り付けられる。対物レンズ119の焦点機構および焦点調節ノブ127は、前述されたように機能は同じである。
【0029】
図2cは、焦点合わせおよび電気接続のためのキー機構110の別の図を示す。電気ピン接続128は、接眼レンズハウジング104に取り付けられたピンである。嵌合電気接続は、本実施形態では螺旋ねじ山である運動機構110の上部にめっきされた2つの導電性ストリップ129である。前述の通り、一方の導電性ストリップ129は、正極性接続112であり、他方は負極性接続113である。図2cの斜視図では見ることができないが、2つの電気ピン接続128がある。また、焦点ピン114が示される。電気ピン接続128が運動機構110の螺旋スイープに追従するとき、単眼鏡105全体は、電気接続を維持しながら焦点合わせのため前後に回転される。したがって、図2a~2cの双眼鏡ゴーグルは、図1a~1fの広い視野のゴーグルと同じ構造、すなわち、機械式取り付けアセンブリ103に対する固定接眼レンズ102、ジオプトリ焦点合わせのための調節可能な画像センサ108、調節可能な対物レンズ119および画像センサ108が単眼鏡105と共に移動される間、それにより電気接触がなされる電気接触手段を有する。別の実施形態では、螺旋または直線のただ1つの導電性ストリップ129が、単眼鏡ハウジング107に配置される。こうした実施形態では、導電性ストリップ129は、電気接触を維持する正極性接続112であり、単眼鏡105が移動されるとき、回転または並進であろうと、ばね付勢接触ピン121を有する単眼鏡に直接接地がなされる。
【0030】
この設計は、画像増強管などの円形センサを含むセンサ108に限定されない。熱型または短波赤外線(SWIR)センサなどの長方形のセンサは、上下関係の正しい長方形の出力画像を保持するため、直線的に摺動される必要がある。長方形のセンサを回転させることは、画像を傾斜させる、または画像を逆にさえすることであり、その両方ともユーザには不自然に見える。したがって、これらのセンサ108には、摺動焦点機構が必要であろう。
【0031】
複数のセンサ108を組み込む特定の実施形態では、センサ108は、異なる種類のセンサ108であってよい。非限定的な例として、1つのセンサ108は、画像増強センサであってもよく、一方で、別のセンサ108は、熱撮像センサであってよい。こうしたセンサ108は、アセンブリ100が稼働中の場合は、常に作動されてよく、ユーザによって選択的に作動されるかまたは停止され、あるいは限定されるものではないが、特定の環境条件を満たす場合などの特定の状況でアセンブリ100によって自動的に作動されるか又は停止される。非限定的な例として、画像増強センサは、周辺光が特定のレベルより低いとき、作動されてもよく、一方で熱撮像センサは、周辺光が、特定のレベルより高いとき、作動されてもよい。複数の種類のセンサ108を有する実施形態では、センサ108から受信された画像は、1つのセンサ108からの画像が、別のセンサ108からの画像と視覚的に重ねられるディスプレイ内で結合されてもよく、そうして両方が同時に見える。こうした構造の非限定的な例は、米国特許第10,582,133号に見ることができ、その内容は全体が、参照により本明細書に援用される。
【0032】
前述の説明では、特定の用語が簡潔さ、明瞭さ、および理解のために使用された。こうした用語は、便宜的に使用され、広く解釈されることが意図されるので、従来技術の要件を越えて、そこから不要な制限が推測されることはない。本明細書に記載の異なる構成、システム、および方法のステップは、単独でまたは他の構成、システムおよび方法のステップと組み合わせて使用されてもよい。記載の説明は、最良のモードを含む本発明を開示するための、および当業者が本発明を新たに作製することもできる例を使用することを理解されたい。任意の寸法または他のサイズの記載は、例示目的で提供され、特許請求された本発明の範囲を制限することを意図しない。追加の態様は、当産業での仕様のために要求される寸法のわずかな変形、およびより大きな変形を含んでもよい。様々な等価物、代替、および変更が、添付の特許請求の範囲の範囲内で可能であることが期待される。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図2a
図2b
図2c