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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A44C7/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022113217
(22)【出願日】2022-07-14
(62)【分割の表示】P 2022092943の分割
【原出願日】2022-06-08
(65)【公開番号】P2023180195
(43)【公開日】2023-12-20
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】311010394
【氏名又は名称】サンライズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】堀内 秀和
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-188964(JP,A)
【文献】特開2020-168223(JP,A)
【文献】特開2019-181053(JP,A)
【文献】特開2012-170766(JP,A)
【文献】特開2005-049381(JP,A)
【文献】特開2019-138450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 7/00
A44C 25/00 - 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部と、
互いの端部が前記軸部によって回転自在に取り付けられ、一方の当該端部には、他方の当該端部と重なり合う面のうち前記軸部を含む領域において、切り欠きを有する円盤形状に刳り抜かれた固定用凹部が形成されている、第一装飾部材及び第二装飾部材と、
記固定用凹部に対応した形状であって、前記軸部の周方向において固定されるようにして前記固定用凹部に嵌入されるワッシャーと、
を備える装身具。
【請求項2】
前記第一装飾部材の前記端部は、一対の脚部であり、
前記第二装飾部材の前記端部は、前記一対の脚部の間に挿入される基部であり、
記一対の脚部及び前記基部のうち一方における2か所の前記領域に前記固定用凹部が形成され、各固定用凹部に対し、それぞれ前記ワッシャーが嵌入されている、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
2つの前記固定用凹部は、前記軸部を中心として互いに対称位置に前記切り欠きを有する、
請求項1又は2に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイヤリングにおいては、回転部分に2つの円盤形状のワッシャーが設けられており、使用者によってイヤリングを開閉させる際に、これらワッシャー間に摩擦が生じることで、その状態(開度)を保持することができるようになっている。これによって、従来のイヤリングは、使用者によって耳に取り付けられた際に外れないようになっている。
【0003】
ところが、上述のようなイヤリングにおいては、製造時にワッシャー間の摩擦力を十分に確保するように加締めることが難しく、実際には耳に取り付けられた際に外れてしまう虞がある。
【0004】
そのため、下記特許文献1に開示された発明では、上述のワッシャー間の摩擦力を確保することを目的として、全てのワッシャーを円形以外の平板形状としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-90675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記特許文献1に開示された発明では、対となるワッシャー同士の摩耗が激しく、使用していくうちにワッシャーが著しく劣化し、ワッシャー間の摩擦力を確保することが困難になってしまう。
【0007】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転部分に設けられたワッシャー間の摩擦力の向上及び維持を図ることができる装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る装身具は、軸部と、互いの端部が前記軸部によって回転自在に取り付けられ、一方の当該端部には、他方の当該端部と重なり合う面のうち前記軸部を含む領域において、切り欠きを有する円盤形状に刳り抜かれた固定用凹部が形成されている、第一装飾部材及び第二装飾部材と、互いに対向して加締められ、一方は、前記固定用凹部に対応した形状であって、前記軸部の周方向において固定されるようにして前記固定用凹部に嵌入され、他方は、当該軸部を中心として回転自在に設けられる、対となるワッシャーと、を備える。
【0009】
また、本発明の第二態様では、前記第一装飾部材の前記端部は、一対の脚部であり、前記第二装飾部材の前記端部は、前記一対の脚部の間に挿入される基部であり、前記対となるワッシャーを2組備え、前記一対の脚部及び前記基部のうち一方における2か所の前記領域に前記固定用凹部が形成され、各固定用凹部に対し、前記対となるワッシャーのうち一方が嵌入されている。
【0010】
また、本発明の第三態様では、前記第一装飾部材及び前記第二装飾部材のうち前記他方には、前記対となるワッシャーのうち前記他方が回転自在状態で嵌入される回転用凹部が形成されている。
【0011】
また、本発明の第四態様では、前記第一装飾部材の前記端部は、一対の脚部であり、前記第二装飾部材の前記端部は、前記一対の脚部の間に挿入される基部であり、前記対となるワッシャーを2組備え、前記一対の脚部及び前記基部のうち一方における2か所の前記領域に前記固定用凹部が形成され、各固定用凹部に対し、前記対となるワッシャーのうち一方が嵌入され、前記一対の脚部及び前記基部のうち他方における2か所の前記領域に前記回転用凹部が形成され、各回転用凹部に対し、前記対となるワッシャーのうち他方が嵌入されている。
【0012】
また、本発明の第五態様では、2つの前記固定用凹部は、前記軸部を中心として互いに対称位置に前記切り欠きを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る装身具によれば、回転部分に設けられたワッシャー間の摩擦力の向上及び維持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施形態に係る装身具の全体を表す斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態における第一装飾部材、及び、第二装飾部材の一端周辺を分解した状態を表す断面図である。
図3】本発明の第一実施形態における第一装飾部材、及び、第二装飾部材の一端周辺の断面図である。
図4】本発明の第一実施形態における第一内側面、第二内側面、第一外側面、及び、第二外側面を表す拡大図である。(A)は第一内側面を表す拡大図、(B)は第二内側面を表す拡大図(C)は第一外側面を表す拡大図、(D)は第二外側面を表す拡大図である。
図5】本発明の第二実施形態における第一内側面、第二内側面、第一外側面、及び、第二外側面を表す拡大図である。(A)は第一内側面を表す拡大図、(B)は第二内側面を表す拡大図(C)は第一外側面を表す拡大図、(D)は第二外側面を表す拡大図である。
図6】本発明の第一実施形態における軸部周辺の回転による変化を表したものである。(A)は、第一装飾部材及び第二装飾部材の他端同士を近づけた状態を表し、(B)は、この他端同士を離した状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては極力同一の符号を付して、重複する説明は極力省略する。
【0016】
===第一実施形態===
以下では、第一実施形態について説明する。
【0017】
[構成]
まず、本実施形態に係る装身具の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る装身具Pの全体を表す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る装身具Pは、第一装飾部材1と、第二装飾部材2と、軸部3とを備えている。なお、これらは例えばプラチナをその材質としてなるものとする。
【0018】
第一装飾部材1及び第二装飾部材2は、共に湾曲した部材であり、一端と他端とを有する。
第一装飾部材1の一端は、対向する2枚の板部材が延びた一対の脚部11,12となっている。第二装飾部材2の一端は、脚部11,12の間に挿入される凸部を有した基部21となっている。そして、脚部11,12と基部21とは、軸部3によって回転自在に取り付けられている。
【0019】
また、第一装飾部材1及び第二装飾部材2は、共に湾曲した部材であり、これらが軸部3によって組み合わされることで、略円環形状を為している。そして、第一装飾部材1と第二装飾部材2が軸部3を中心として互いに回転することで、第一装飾部材1の他端10及び第二装飾部材2の他端20が互いに近づいたり離れたりする。この構成によって、これら他端10,20は、例えば耳などを挟むようにして取り付けることができる。
【0020】
図2,3は、脚部11,12及び基部21の周辺を表す断面図である。図2,3に示すように、軸部3は、脚部11,12に対する基部21の挿入方向と垂直な方向に、脚部11,12、基部21、及び、後述するワッシャー31~34を貫通するようにして設けられる。また、軸部3の両端は脚部11,12に対し溶接されて固定される。
【0021】
一対の脚部11,12のうち一方の脚部11には、基部21と重なり合う第一内側面13のうち軸部3を含む領域において、第一固定用凹部15が形成されている。他方の脚部12には、基部21と重なり合う第二内側面14のうち軸部3を含む領域において、第二固定用凹部16が形成されている。
【0022】
基部21には、脚部11と重なり合う第一外側面22のうち、軸部3を含む領域において、第一回転用凹部24が形成されている。さらに基部21には、脚部12と重なり合う第二外側面23のうち、軸部3を含む領域において、第二回転用凹部25が形成されている。
【0023】
図4(A)は第一内側面13を表す拡大図、図4(B)は第二内側面14を表す拡大図、図4(C)は第一外側面22を表す拡大図、図4(D)は第二外側面23を表す拡大図である。図4(A),(D)に示すように、固定用凹部15,16は、それぞれ切り欠き15A,16Aを有する円盤形状に刳り抜かれたものである。また、図4(B),(C)に示すように、回転用凹部24,25は、それぞれ円盤形状に刳り抜かれたものである。
【0024】
さらに、第一固定用凹部15の切り欠き15Aは、脚部12の先端から最も遠い位置に形成されており、第二固定用凹部16の切り欠き16Aは、軸部3を中心として切り欠き16Aと対称の位置に形成されている。
【0025】
また、図2~4に示すように、本実施形態に係る装身具Pは、それぞれ対となる第一ワッシャー31と第二ワッシャー32、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34の2組を備えている。これらワッシャー31~34は、例えば、プラチナよりも高強度の材質である白銅(銅を主体としてニッケルを含む合金)をその材質としてなるものとする。
【0026】
第一ワッシャー31は、第一固定用凹部15に対応した形状、すなわち、切り欠き31Aを有する円盤形状であって、軸部3の周方向において固定される(つまり回転しない)ようにして第一固定用凹部15に嵌入されている。
【0027】
第二ワッシャー32は、第一回転用凹部24に対応した形状、すなわち円盤形状であって、軸部3を中心として回転自在な状態で第一回転用凹部24に嵌入されている。
【0028】
第三ワッシャー33は、第二回転用凹部25に対応した形状、すなわち円盤形状であって、軸部3を中心として回転自在な状態で第二回転用凹部25に嵌入されている。
【0029】
第四ワッシャー34は、第二固定用凹部16に対応した形状、すなわち、切り欠き34Aを有する円盤形状であって、軸部3の周方向において固定される(つまり回転しない)ようにして第二固定用凹部16に嵌入されている。
【0030】
そして、第一ワッシャー31と第二ワッシャー32とが対となって互いに対向して加締められており、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34とが対となって互いに対向して加締められている。
【0031】
なお、切り欠き15A,16A,31A,34Aについては、図4(A),(D)に示すように直線形状にすることで、製造時に、第一ワッシャー31及び第四ワッシャー34を嵌入しやすくしている。ただし、これらの切り欠きによって、第一ワッシャー31及び第四ワッシャー34を回転不可状態として固定用凹部15,16に嵌入することができれば、切り欠き15A,16A,31A,34Aは直線形状であっても曲線形状であってもよい。
【0032】
また、軸部3の延伸方向において、各ワッシャー31~34の厚みは、それぞれ自身が嵌入する各凹部15,16,24,25の厚み以上、かつ、各凹部15,16,24,25の厚みの2倍未満であるものとする。
以上が本実施形態に係る装身具Pの構成の説明である。
【0033】
[動作及び作用効果]
以下では、本実施形態に係る装身具Pの動作及び作用効果について説明する。
【0034】
使用者は、まず、第一装飾部材1の他端10と第二装飾部材2の他端20との間に十分な隙間ができるように、第一装飾部材1及び第二装飾部材2を回転させ、相対角度を調整する。
【0035】
そして使用者は、上述の隙間に耳などの部位を位置させ、その状態から、当該隙間を狭くするように、すなわち第一装飾部材1の他端10と第二装飾部材2の他端20とを近づけるように、第一装飾部材1及び第二装飾部材2を回転させ、耳などの部位を挟むようにして取り付ける。
【0036】
図6は、軸部3周辺の回転による変化を表したものである。(A)は、他端10,20(図1参照)を互いに近づけた状態を表し、(B)は、他端10,20を互いに離した状態を表している。
【0037】
図6(A),(B)に示すように、軸部3を中心に脚部11,12と基部21が回転する際、対となるワッシャー31,32が互いに回転し摺動する。このワッシャー31,32間の摩擦によって、第一装飾部材1及び第二装飾部材2を耳などに取り付けた状態を維持することができる。
【0038】
ここで、切り欠き31Aを有する第一ワッシャー31は、自身が嵌入されている第一固定用凹部15に対して、軸部3を中心に回転することが不可となっている。つまり、脚部11,12と基部21が回転する際、第一ワッシャー31は、第二ワッシャー32に対して回転するが、第一固定用凹部15に対しては回転しないことになる。
【0039】
また、製造時において、円盤形状の第二ワッシャー32に対して、切り欠き31Aを有する第一ワッシャー31が加締められることで、切り欠き31A部分が第二ワッシャー32に食い込むような格好になる。
【0040】
以上のことから、対となるワッシャー31,32(及びワッシャーが嵌入する凹部)が互いに円盤形状である場合と比べて、本実施形態のように第一ワッシャー31が切り欠き31Aを有するものとした方が、摩擦力が高くなり、第一装飾部材1及び第二装飾部材2を耳などに取り付けた状態を維持しやすい(第一装飾部材1及び第二装飾部材2の相対角度を固定しやすい)。
【0041】
一方で、円盤形状の第二ワッシャー32は、自身が嵌入されている第一回転用凹部24(図2~4参照)に対して、軸部3を中心に回転可能となっている。つまり、脚部11,12と基部21が回転する際、第二ワッシャー32は、第一ワッシャー31に対して回転すると同時に第一回転用凹部24に対しても回転することになる。
【0042】
また、対となるワッシャー31,32(及びワッシャー31,32が嵌入する各凹部)が互いに切り欠きを有するものとした場合、両方のワッシャー31,32が、自身が嵌入する凹部に対して回転しないことになる。すると、ワッシャー31,32間の摺動による摩耗が激しくなってしまう。さらに、ワッシャー31,32間の回転が不安定になる虞もある。そこで本実施形態においては、第二ワッシャー32を円盤形状とし、回転自在とすることによって、摩耗を低減することができ、かつ、回転を安定させることができる。
【0043】
なお、上述の説明は、他方で対となっているワッシャー33,34においても同じである。
【0044】
さらに、本実施形態においては、各ワッシャー31~34の厚みが、それぞれ自身が嵌入する各凹部15,16,24,25の厚み以上であることで、軸部3を中心として脚部11,12及び基部21が回転した際に、ワッシャー31~34同士が摺動し、第一内側面13と第一外側面22、及び、第二内側面14と第二外側面23は、それぞれ接することがない状態となる。これにより、内側面13,14及び外側面22,23の摩耗を防ぐことができる。
【0045】
また、各ワッシャー31~34の厚みが各凹部15,16,24,25の厚みの2倍未満であることで、各ワッシャー31~34を各凹部15,16,24,25から外れにくくすることができる。
【0046】
また仮に、第一固定用凹部15と第二固定用凹部16とを、軸部3を中心として互いに同じ位置に切り欠き15A、切り欠き16Aを有するものとし、そこに各ワッシャーを嵌入させた場合、軸部3の延伸方向における、脚部11,12、基部21、及び、各ワッシャー31~34の合計幅が、切り欠きが形成された部分とされていない部分とで大きく異なり、これが原因でがたつく虞がある。
【0047】
そのため、本実施形態においては、第一固定用凹部15と第二固定用凹部16とは、軸部3を中心として互いに対称位置に切り欠き15A、切り欠き16Aを有するものとする。これによって、切り欠き15A,16Aが形成されることによるがたつきを抑えることができる。
【0048】
本実施形態においては、軸部3と、互いの端部が軸部3によって回転自在に取り付けられ、一方(第一装飾部材1)の当該端部には、他方(第二装飾部材2)の当該端部と重なり合う面のうち軸部3を含む領域において、切り欠き15A,16Aを有する円盤形状に刳り抜かれた固定用凹部15,16が形成されている、第一装飾部材1及び第二装飾部材2と、互いに対向して加締められ、一方(ワッシャー31,34)は、固定用凹部15,16に対応した形状であって、軸部3の周方向において固定されるようにして固定用凹部15,16に嵌入され、他方(ワッシャー32,33)は、軸部3を中心として回転自在に設けられる、対となるワッシャー31,32(ワッシャー33,34)と、を備える。
【0049】
この構成によれば、対となるワッシャー31,32(ワッシャー33,34)間の摩擦力の向上及び維持を図ることができる。
【0050】
また本実施形態においては、第一装飾部材1の端部は、一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部は、一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であり、対となるワッシャーを2組(第一ワッシャー31と第二ワッシャー32、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34)備え、一対の脚部11,12及び基部21のうち一方(脚部11,12)における2か所の領域に固定用凹部15,16が形成され、各固定用凹部15,16に対し、対となるワッシャーのうち一方(ワッシャー31,34)が嵌入されている。
【0051】
この構成によれば、第一装飾部材1の端部が一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部が一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であることで、軸部3による、これら第一装飾部材1の端部と第二装飾部材2の端部との取り付けを安定させることができる。
【0052】
また本実施形態においては、第一装飾部材1及び第二装飾部材2のうち他方(第二装飾部材2)には、対となるワッシャーのうち他方(ワッシャー32,33)が回転自在状態で嵌入される回転用凹部24,25が形成されている。
【0053】
この構成によれば、対となるワッシャーのうち他方のワッシャー32,33の位置を確実に定めることができ、一方のワッシャー31,34と他方のワッシャー32,33との回転を安定させることができる。
【0054】
また本実施形態においては、第一装飾部材1の端部は、一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部は、一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であり、対となるワッシャーを2組(第一ワッシャー31と第二ワッシャー32、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34)備え、一対の脚部11,12及び基部21のうち一方(脚部11,12)における2か所の領域に固定用凹部15,16が形成され、各固定用凹部15,16に対し、対となるワッシャーのうち一方(ワッシャー31,34)が嵌入され、一対の脚部11,12及び基部21のうち他方(基部21)における2か所の領域に回転用凹部24,25が形成され、各回転用凹部24,25に対し、対となるワッシャーのうち他方(ワッシャー32,33)が嵌入されている。
【0055】
この構成によれば、第一装飾部材1の端部が一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部が一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であることで、軸部3による、これら第一装飾部材1の端部と第二装飾部材2の端部との取り付けを安定させることができ、かつ、対となるワッシャーのうち他方のワッシャー32,33の位置を確実に定めることができ、一方のワッシャー31,34と他方のワッシャー32,33との回転を安定させることができる。
【0056】
また本実施形態においては、2つの固定用凹部15,16は、軸部3を中心として互いに対称位置に切り欠き15A,16Aを有する。
【0057】
この構成によれば、切り欠き15A,16Aが形成されることによるがたつきを抑えることができる。
【0058】
===第二実施形態===
次に、第二実施形態について説明する。
【0059】
本実施形態では、固定用凹部と回転用凹部の形成位置が、第一実施形態と異なるものである。なお、以下では第一実施形態と重複する説明は極力省略する。
【0060】
[構成]
図5(A)は第一内側面13を表す拡大図、図5(B)は第二内側面14を表す拡大図、図5(C)は第一外側面22を表す拡大図、図5(D)は第二外側面23を表す拡大図である。本実施形態においては第一実施形態と異なり、図5(B)に示すように、第一固定用凹部15が基部21の第一外側面22(のうち軸部3を含む領域)に形成され、図5(C)に示すように、第二固定用凹部16が基部21の第二外側面23(のうち軸部3を含む領域)に形成され、図5(A)に示すように、第一回転用凹部24が脚部11の第一内側面13(のうち軸部3を含む領域)に形成され、図5(D)に示すように、第二回転用凹部25が脚部12の第二内側面14(のうち軸部3を含む領域)に形成されている。
【0061】
第一ワッシャー31は、切り欠き31Aを有する円盤形状であって、軸部3の周方向において固定されるようにして第一固定用凹部15に嵌入されている。
【0062】
第二ワッシャー32は、円盤形状であって、軸部3を中心としてその周方向に回転自在な状態で第一回転用凹部24に嵌入されている。
【0063】
第三ワッシャー33は、円盤形状であって、軸部3を中心としてその周方向に回転自在な状態で第二回転用凹部25に嵌入されている。
【0064】
第四ワッシャー34は、切り欠き34Aを有する円盤形状であって、軸部3の周方向において固定されるようにして第二固定用凹部16に嵌入されている。
【0065】
そして、第一ワッシャー31と第二ワッシャー32とが対となって互いに対向して加締められており、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34とが対となって互いに対向して加締められている。
【0066】
すなわち第一実施形態では、脚部11,12側に切り欠き15A、16Aを有する固定用凹部15,16が設けられていたが、本実施形態では、基部21側にこれら固定用凹部15,16が設けられている。
【0067】
[作用効果]
本実施形態においては、軸部3と、互いの端部が軸部3によって回転自在に取り付けられ、一方(第二装飾部材2)の当該端部には、他方(第一装飾部材1)の当該端部と重なり合う面のうち軸部3を含む領域において、切り欠き15A,16Aを有する円盤形状に刳り抜かれた固定用凹部15,16が形成されている、第一装飾部材1及び第二装飾部材2と、互いに対向して加締められ、一方(ワッシャー31,34)は、固定用凹部15,16に対応した形状であって、軸部3の周方向において固定されるようにして固定用凹部15,16に嵌入され、他方(ワッシャー32,33)は、軸部3を中心として回転自在に設けられる、対となるワッシャー31,32(ワッシャー33,34)と、を備える。
【0068】
この構成によれば、対となるワッシャー31,32(ワッシャー33,34)間の摩擦力の向上及び維持を図ることができる。
【0069】
また本実施形態においては、第一装飾部材1の端部は、一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部は、一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であり、対となるワッシャーを2組(第一ワッシャー31と第二ワッシャー32、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34)備え、一対の脚部11,12及び基部21のうち一方(基部21)における2か所の領域に固定用凹部15,16が形成され、各固定用凹部15,16に対し、対となるワッシャーのうち一方(ワッシャー31,34)が嵌入されている。
【0070】
この構成によれば、第一装飾部材1の端部が一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部が一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であることで、軸部3による、これら第一装飾部材1の端部と第二装飾部材2の端部との取り付けを安定させることができる。
【0071】
また本実施形態においては、第一装飾部材1の端部は、一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部は、一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であり、対となるワッシャーを2組(第一ワッシャー31と第二ワッシャー32、第三ワッシャー33と第四ワッシャー34)備え、一対の脚部11,12及び基部21のうち一方(基部21)における2か所の領域に固定用凹部15,16が形成され、各固定用凹部15,16に対し、対となるワッシャーのうち一方(ワッシャー31,34)が嵌入され、一対の脚部11,12及び基部21のうち他方(脚部11,12)における2か所の領域に回転用凹部24,25が形成され、各回転用凹部24,25に対し、対となるワッシャーのうち他方(ワッシャー32,33)が嵌入されている。
【0072】
この構成によれば、第一装飾部材1の端部が一対の脚部11,12であり、第二装飾部材2の端部が一対の脚部11,12の間に挿入される基部21であることで、軸部3による、これら第一装飾部材1の端部と第二装飾部材2の端部との取り付けを安定させることができ、かつ、対となるワッシャーのうち他方のワッシャー32,33の位置を確実に定めることができ、一方のワッシャー31,34と他方のワッシャー32,33との回転を安定させることができる。
【0073】
===変形例===
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び下記変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0074】
例えば、第一実施形態においては、第一装飾部材1、第二装飾部材2、及び、軸部3がプラチナからなり、各ワッシャー31~34が白銅からなるものとして説明したが、変形例として、ワッシャー31~34が、第一装飾部材1、第二装飾部材2、及び、軸部3よりも例えば高強度の材質や低強度の材質であってもよい。
【0075】
さらに、第一実施形態においては、切り欠き15Aについて、第一固定用凹部15における脚部11の先端から最も遠い位置に形成されるものと説明したが、変形例として、切り欠き15Aは、第一固定用凹部15のいずれの位置に形成されるようにしてもよい。切り欠き16Aについても同様に、第二固定用凹部16のいずれの位置に形成されるようにしてもよい。
【0076】
すなわち、固定用凹部15,16の切り欠き15A,16A、及び、それに対応するワッシャー31,34の切り欠き31A,34Aによって、ワッシャー31,34を軸部3の周方向において固定することができれば、各切り欠き15A,16Aの固定用凹部15,16における形成位置はどこでもよい。
【0077】
ただし、第一固定用凹部15と第二固定用凹部16とは、軸部3を中心として互いに対称位置に切り欠き15A、切り欠き16Aを有するものとする。第一実施形態において既に説明したとおり、これによって加締めによる締結時の緩みを防ぐことができるためである。
【0078】
さらに、第一実施形態及び第二実施形態においては、回転自在状態のワッシャー32,33が、それぞれ回転用凹部24,25に嵌入されているものとしたが、変形例として、回転用凹部24,25を設けず、ワッシャー32,33は単に軸部3が貫通することで(ワッシャー31,34にそれぞれ対向して)設けられているものとしてもよい。
【0079】
また、第一実施形態及び第二実施形態においては、第一装飾部材1の一端が脚部11,12となっており、第二装飾部材2の一端が基部21となっているものとしたが、変形例として、第一装飾部材1の一端、及び、第二装飾部材2の一端は他の形状であってもよい。
【0080】
他の形状とは、例えば、互いに重なり合う第一装飾部材1及び第二装飾部材2双方の一端が、ともに基部21のように1本のみとなっている形状などである。
【0081】
したがって、第一実施形態及び第二実施形態においては、互いに重なり合う面が、第一内側面13、第二内側面14、第一外側面22、及び、第二外側面23の4つの面であったが、これが2つの面になる場合もある。その場合は、互いに重なり合う面の一方に固定用凹部(他方に回転用凹部)を形成し、切り欠きを有するワッシャー及び円盤形状のワッシャー、すなわち対となるワッシャーは、各実施形態のように2組ではなく、1組となる。
【符号の説明】
【0082】
P…装身具、1…第一装飾部材、2…第二装飾部材、3…軸部、11,12…脚部、13,14…内側面、15,16…固定用凹部、15A,16A…切り欠き、21…基部、22,23…外側面、24,25…回転用凹部、31,32,33,34…ワッシャー、31A,34A…切り欠き

図1
図2
図3
図4
図5
図6