IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プラテック株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】車両用ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/08 20060101AFI20240726BHJP
   B60R 7/04 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B60N3/08
B60R7/04 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022162370
(22)【出願日】2022-10-07
(65)【公開番号】P2023106289
(43)【公開日】2023-08-01
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008700
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104242
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516289845
【氏名又は名称】プラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朴 賛文
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09868375(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0017790(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0334845(US,A1)
【文献】中国実用新案第212047133(CN,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0317782(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00、08
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ゴミ箱であって、
フロントシート(20)およびセンターコンソール(10)の間隙に嵌め込まれる嵌合部(110)と、
前記嵌合部(110)の一側面から前方に向かって所定長さだけ突出して設けられた保持部(121)を前端部に有している取付ブラケット(120)と、
保持手段(150)により、前記取付ブラケット(120)の保持部(121)に着脱自在に取り付けられているゴミ収納箱(130)と、を備え、
前記保持手段(150)は、前記センターコンソール(10)側に設けられ、かつ、前記保持部(121)により保持されており、
前記取付ブラケット(120)が、複数の前記保持部(121)を備え、前記ゴミ収納箱(130)の前記保持手段(150)が前記複数の保持部(121)のうち選択された1つに固定されて前記ゴミ収納箱(130)の装着高さが調節可能である
車両用ゴミ箱。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ゴミ箱において、
物品収納および携帯電話機の充電が同時に可能になるように、前記嵌合部(110)が、前記嵌合部(110)の上部に設けられ、携帯電話機または充電ケーブルを含む物品を収納する収納空間を有している物品収納部(111)を有し、前記物品収納部(111)の下部に充電ケーブル孔(112)が形成され
車両用ゴミ箱。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用ゴミ箱において、
前記取付ブラケット(120)の前記保持部(121)が、上下方向に第1保持部(121a)および第2保持部(121b)により2段に形成され、または第1保持部(121a)、第2保持部(121b)および第3保持部(121c)により3段に形成され、または、メス面ファスナ部により構成され、
前記ゴミ収納箱(130)の前記保持手段(150)が、前記保持部(121)またはメス面ファスナ部に装着されるフック(150a)またはオス面ファスナ部により構成され、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて前記ゴミ収納箱(130)の上下高さが調節可能である
車両用ゴミ箱。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用ゴミ箱において、
前記嵌合部(110)には、一方側にブラケット孔(113)が設けられ、前記取付ブラケット(120)には、前記ブラケット孔(113)に出し入れされる後部に支持部(122)が設けられ、
座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて前記ゴミ収納箱(130)の位置が前後方向に調節可能である
車両用ゴミ箱。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の車両用ゴミ箱において、
前記嵌合部(110)が、上部から下部に向かって徐々に厚みが小さくなるように形成され、前記センターコンソール(10)と当接する一方側または両側に所定の深さの複数の凹部(114)を有し、
圧縮スポンジのように弾性的に押圧される圧縮部材(115)が前記凹部(114)のそれぞれに1~2mmだけ突出して設けられ、
前記嵌合部(110)が前記フロントシート(20)と前記センターコンソール(10)の間隙に密着して嵌め込まれている
車両用ゴミ箱。
【請求項6】
車両用ゴミ箱であって、
フロントシート(20)とセンターコンソール(10)との間隙に嵌め込まれ、かつ、片面または両面に凹部(114)が設けられた嵌合部(110)と、
前記嵌合部(110)の一方の側面から所定長さだけ突出し、複数の保持部(121)を有している取付ブラケット(120)と、
前記センターコンソール(10)側に設けられた保持手段(150)を前記取付ブラケット(120)に設けられた前記複数の保持部(121)のいずれか1つに選択的に固定することによって装着高さが調節されるゴミ収納箱(130)と、
前記嵌合部(110)の片面または両面の前記凹部(114)に設けられ、前記車両用ゴミ箱が前記フロントシート(20)と前記センターコンソール(10)との間に密着して嵌め込まれるように、前記嵌合部(110)が前記フロントシート(20)と前記センターコンソール(10)との間に挿入される際に弾性的に押圧され、前記嵌合部(110)が取り外される際に元の位置に復元する弾性手段(170)と、を備えている
車両用ゴミ箱。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用ゴミ箱において、
前記凹部(114)が、前記嵌合部(110)の片側または両側に複数の凹部部分を備え、
前記嵌合部(110)が前記フロントシート(20)と前記センターコンソール(10)との間隙に密着して嵌め込まれるように、前記凹部(114)の一または複数の前記凹部部分には弾性手段(170)が設けられ、かつ、前記凹部(114)の残りの凹部部分には弾性的に押圧されるように部分的に突出する圧縮部材(115)が設けられている
車両用ゴミ箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ゴミ箱に関する。より具体的には、本発明は。フロントシートとセンターコンソールとの間隙に簡単かつ着脱自在に装着でき、ゴミ捨てに加えて、携帯電話機の充電および持ち物の収納が容易で、清掃ブラシまたは筆記用具を収容して便利に使用できる多目的車両用ゴミ箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両を長時間にわたり運転する運転者の利便性を考慮して、運転席とフロントシートとの間のセンターコンソールの後部にコンソール箱付きのアームレストが設けられ、コンソール箱に種々の物品が収納される。センターコンソールの前部には、カップホルダ等の収納部が設けられている。
【0003】
さらに、車両の走行中には、車両に設けられたシガージャック、給電用のUSBタブ、または、ワイヤレスチャージャーなどを用いて、車両内で携帯電話機の充電が行われる。また、近年では、センターコンソールの前部に、携帯電話機が収納可能な携帯電話機収納部が別途に車両に搭載されている。
【0004】
しかし、コンソール箱または携帯電話機収納部の空間は、一般的な物品または携帯電話機を収納できる程度の大きさしかない。このため、走行中に発生するゴミをコンソール箱または携帯電話機収納部の空間に十分に入れることが困難であった。
【0005】
すなわち、車両の運転中、運転者または同乗者が車内でお菓子または果物を食べることにより、多量のゴミが発生する。このようなゴミを車内で収容することができるビニール袋等があれば、そのビニール袋にゴミを当面は保管することができる。しかし、ビニール袋等がない場合、車内にゴミが放置されるため、シートまたは床がゴミで汚れてしまうという問題がある。
【0006】
このような問題を解決するための車両用ゴミ箱が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のゴミ箱によれば、ゴミを収容するように下方に長く形成されたケースの開放上面部にヒンジ式カバーが装着され、固定アームと可動アームとの間隔を広げてシート後部の側面に連結されるようにケースの一側面に連結部材が設けられ、運転席と運転席横の助手席との間に配置されるようにしたもので、運転席と助手席との間に配置されたケースは運転席の後部の側面に連結される。
【0007】
また、車内に装着されるゴミ箱が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2のゴミ箱によれば、ビニール袋の上部がポケット形状になるように保持キャップおよびベースキャップにより挟持され、開口部を形成する保持キャップにカバーが装着され、後部に設けられた装着部材によって冷気または暖気が放出されるグリルにゴミ箱が装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許公開公報10-2008-0009468号
【文献】韓国実用新案登録公報20-0247895号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1によれば、ゴミ箱が長く、運転席と助手席との両方の背もたれの間隙を完全に塞ぐ。このため、フロントシートに座る乗員とリアシートに座る乗員との間で物品またはお菓子を交換する際に、フロントシートの背もたれの間隙に手を通すのではなく、それよりも上側に手を通すのが面倒であり、不便であり、かつ、事故の危険性があるという使用上および安全上の問題がある。また、運転席または助手席に座っている人がゴミを捨てようとする場合、いちいち頭を後ろに回してカバーを開閉する必要がある。
【0010】
特許文献2によれば、グリルに装着された車両用ゴミ箱が使用される場合、車両の運転に必要な車両用ナビゲーションモニタ、および、オーディオシステム、冷暖房用の空調システム、車両用ナビゲーションシステムを操作するための各種スイッチがビニール袋により覆われる。このため、各種スイッチの操作がしにくく、大きなビニール袋を使用できない問題がある。また、収容されるゴミの容量を増やすために長尺のポリ袋が使用された場合、ポリ袋がシフトレバーの操作に干渉し、安全運転に支障をきたすという問題がある。
【0011】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、フロントシートとセンターコンソールとの間隙に取り外し可能にしっかりと嵌着され、座席の乗員の脚と干渉しない、運転者が使いやすい車両用ゴミ箱を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、携帯電話機の充電および持ち物の収納を容易に行うことができ、清掃用ブラシまたは筆記用具などの物品を便利に収納して使用することができる多目的車両用ゴミ箱を提供することにある。
【0013】
本発明の更なる目的は、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて、座席の乗員の脚への干渉が防止されるように、ゴミ収納箱の高さが上下方向に調整可能であり、かつ、ゴミ収納箱の位置を前後に調整可能である車両用ゴミ箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、
フロントシートとセンターコンソールとの間隙に嵌め込まれ、かつ、片面または両面に凹部が設けられた嵌合部と、
前記嵌合部の一方の側面から所定長さだけ突出し、複数の保持部を有している取付ブラケットと、
後面に設けられた保持手段を前記取付ブラケットに設けられた前記複数の保持部のいずれか1つに選択的に固定することによって装着高さが調節されるゴミ収納箱と、を備えている
車両用ゴミ箱を提供することにより前記目的が達成される。
【0015】
前記構成の車両用ゴミ箱が、前記嵌合部の片面または両面の前記凹部に設けられ、前記車両用ゴミ箱が前記フロントシートと前記センターコンソールとの間に密着して嵌め込まれるように、前記嵌合部が前記フロントシートと前記センターコンソールとの間に挿入される際に弾性的に押圧され、前記嵌合部が取り外される際に元の位置に復元する弾性手段と、を備えていてもよい。
【0016】
前記凹部が、前記嵌合部の片側または両側に複数の凹部部分を備え、
前記嵌合部が前記フロントシートと前記センターコンソールとの間隙に密着して嵌め込まれるように、前記凹部の一または複数の前記凹部部分には弾性手段が設けられ、かつ、前記凹部の残りの凹部部分には弾性的に押圧されるように部分的に突出する圧縮部材が設けられていてもよい。
【0017】
ここで、前記弾性手段が、中央に外側に突出する湾曲部が形成された板バネにより構成され、前記弾性手段である板バネの両端部が、前記弾性手段が設けられる前記凹部の上部および下部に形成された離脱防止部に嵌合され、前記離脱防止部によって前記板バネの離脱が防止される
ことが好ましい。
【0018】
さらに、前記弾性手段が、
前記凹部の下端部にヒンジ部により連結されるように設けられている支持プレートと、
前記支持プレートのヒンジ結合された上端部が弾性的に広がる状態を維持するように、前記支持プレートと前記嵌合部との間に設けられているコイルバネと、を有している
ことが好ましい。
【0019】
前記弾性手段を構成する前記支持プレートが前記嵌合部の両端部のそれぞれに設けられている場合、前記凹部が配置されるとともに前記支持プレートが設けられている前記嵌合部に所定のサイズの貫通孔が設けられ、前記コイルバネが前記貫通孔に挿入され、前記嵌合部の両端部の前記支持プレートが単一の前記コイルバネの両端部によって弾性的に付勢されている
ことが好ましい。
【0020】
本発明の他の態様によれば、
前記ゴミ収納箱に自己組立式の上側フレームが設けられ、
前記上側フレームが、その上面部の一方側に形成され、ヒンジ式カバーにより開閉される開口部と、その上面部の他方側に形成されて収納孔を有し、前記収納孔を介して筆記具または清掃ブラシが収容される収納部と、を有している
車両用ゴミ箱が提供されることにより前記目的が達成される。
上記目的は、ゴミ収納箱に自己組立式の上側フレームが設けられ、上側フレームの上部の側面にはヒンジ式カバーによって開閉されるように開口部が設けられている車両用ゴミ箱を提供することによって達成することができる。上部の他方の側面には、清掃ブラシや筆記具を収納孔から受けるように収納部が設けられ、嵌合部の上部には、携帯電話機と充電ケーブルとを収納して携帯電話機を充電するための物品収納部が設けられ、物品収納部の底部には、充電ケーブル孔が形成されていることを特徴としている。したがって、車両用ゴミ箱が多目的に利用されうる。
【0021】
本発明のさらに他の側面によれば、
前記取付ブラケットの前記保持部が、上下方向に2段または3段に形成された複数の保持部または複数の面ファスナ部により構成され、前記ゴミ収納箱の前記保持手段が、前記保持部またはメス面ファスナ部に装着されるフックまたはオス面ファスナ部により構成され、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて前記ゴミ収納箱の上下高さが調節可能である車両用ゴミ箱により前記目的が達成される、前記嵌合部には、一方側にブラケット孔が設けられ、前記取付ブラケットには、前記ブラケット孔に出し入れされる後部に支持部が設けられ、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて前記ゴミ収納箱の位置が前後方向に調節可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る車両用ゴミ箱は、フロントシートとセンターコンソールとの間隙に嵌め込まれる嵌合部の取付ブラケットによって容易に着脱でき、多目的に使用できるため、装着が容易であり、使い勝手が良い。
【0023】
また、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて、ゴミ収納箱の上下方向の装着高さおよび前後方向の装着位置を容易に調整することができ、使用上の利便性を向上させることができる。
【0024】
さらに、ゴミ収納箱は、取付ブラケットから分離して、単体で車両のフロントシートまたはリアシートの任意の場所に便利に吊り下げまたは取り付けることができ、それにより、使用上の利便性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a】物品収納部がセンターコンソールとフロントシートとの間に設けられていないタイプの本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の平面図。
図1b】物品収納部がセンターコンソールとフロントシートとの間に設けられているタイプの本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の平面図。
図2a】物品収納部が設けられていないタイプの本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の全体構造を示す正面透視図。
図2b】物品収納部が設けられているタイプの本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の全体構造を示す正面透視図。
図3】本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の後方組付構造を示す後方透視図。
図4】本発明のゴミ箱が取付ブラケットに多段階に保持される構造を示す部分拡大断面図。
図5a】本発明の第1実施形態に係る挿入型取付ブラケットによりゴミ収納箱の位置が変更された一の状態を示す背面図。
図5b】本発明の第1実施形態に係る挿入型取付ブラケットによりゴミ収納箱の位置が変更された他の状態を示す背面図。
図6】本発明の第2実施形態に係る車両用ゴミ箱の全体構成を示す前方透視図。
図7】本発明の第2実施形態に係る車両用ゴミ箱の後側組立構造を示す背面透視図。
図8】本発明の第2実施形態に係る弾性手段を備えた嵌合部の構造を示す断面図。
図9a】本発明のさらなる実施形態に係る弾性手段を示す断面図。
図9b】本発明のさらなる実施形態に係る弾性手段を示す断面図。
図10a】本発明の第2実施形態に係る挿入型取付ブラケットによりゴミ収納箱の位置が変更された一の状態を示す背面図。
図10b】本発明の第2実施形態に係る挿入型取付ブラケットによりゴミ収納箱の位置が変更された他の状態を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
以下に説明する本発明で使用される用語または単語は、従来の意味または辞書的な意味に限定して解釈されるべきものではなく、本発明者がその発明を最適に表現するために用語の概念を適切に定義できるという原則に基づいて本発明の技術的思想に合致する意味および概念として解釈されるべきである。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態および図面に示された構成は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて表すものではないので、種々の均等物への置換および変更が可能であることを理解されたい。
【0029】
(第1実施形態)
図1aおよび図1bのそれぞれは、本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱を示す平面図である。図1aには、センターコンソールとフロントシートとの間に物品収納部が設けられていないタイプの車両用ゴミ箱が示されている。図1bには、センターコンソールとフロントシートとの間に物品収納部が設けられているタイプの車両用ゴミ箱が示されている。図2aおよび図2bのそれぞれは、本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の全体構造を示す平面図である。図2aには、物品収納部が設けられていないタイプの車両用ゴミ箱が示されている。図2bには、物品収納部が設けられているタイプの車両用ゴミ箱が示されている。図3は、本発明の第1実施形態に係る車両用ゴミ箱の背面側の組立構造を示す背面透視図である。
【0030】
図1A図3を参照すると、本発明に係る車両用ゴミ箱は、嵌合部110、取付ブラケット120およびゴミ収納箱130を有している。
【0031】
嵌合部110は、フロントシート20とセンターコンソール10との間隙に嵌め込まれるように薄板状に形成され、その厚さが上部から下部に向かって徐々に小さくなっている。このため、嵌合部110は、フロントシート20とセンターコンソール10との間隙に容易に嵌め込み可能である。
【0032】
取付ブラケット120は、嵌合部110の一方の側面から前方に所定長さだけ突出するように形成されている。取付ブラケット120には、保持部121が設けられている。保持部121は、その後面に設けられた複数の支持リブにより強度の向上が図られている。
【0033】
ゴミ収納箱130には、その上面の開口部にヒンジ式のカバー140が設けられ、当該カバー140が開かれると、当該開口部からゴミを入れることができる。ゴミ収納箱130は、保持部121に取り付けられるように、その後面に設けられている保持手段150を備えている。このため、ゴミ収納箱130は、取付ブラケット120の保持部121に着脱自在に取り付けられる。
【0034】
図4は、本発明に係るゴミ収納箱を取付ブラケットに多段階に保持する構造を示す部分拡大断面図である。
【0035】
図4に示されているように、取付ブラケット120の保持部121は、保持部121またはメス面ファスナ部により構成され、当該保持部121は、上下方向または鉛直方向に2段または3段に形成された第1保持部121a、第2保持部121bおよび第3保持部121cを有している。ゴミ収納箱130の保持手段150は、保持部121またはメス面ファスナ部に取り付けられるように、これらに対応するフック150aまたはオス面ファスナ部により構成されている。
【0036】
ゴミ収納箱130の上下高さを第1段階、第2段階または第3段階の位置に調整することができるので、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じてゴミ収納箱130の上下高さを使用時に容易に調整可能である。
【0037】
前述した本発明においては、ゴミ収納箱130には、その上部開口部に上側フレーム131がプレハブ式に個別に設けられている。上側フレーム131は、ヒンジ式のカバー140によって開閉されるように上側フレーム131の上面部の一方側に形成されている開口部と、上側フレーム131の上面部の他方側に形成され、収納孔を有している収納部133であって、当該収納孔132を介して筆記具または清掃ブラシ160が収納できるように構成されている収納部133と、を備えていることが好ましい。
【0038】
そして、収納部133は、ゴミ収納箱130における一方側で別個に隔離された状態になっているので、ゴミ収納箱130の内部に湿気または汚物が進入しても、収納部133に収納された筆記具または清掃ブラシ160が汚れるおそれはない。
【0039】
また、収納部133の底部には小孔が設けられているので、収納孔132に水が浸入しても、当該小孔を通ってゴミ収納箱130の内部から流出するので、収納部133の内部を常に清潔で乾いた状態に維持することが可能である。
【0040】
ここで、嵌合部110の上面には、携帯電話機および充電ケーブルなどの物品を収納できるように、所定幅の収納空間を有している物品収納部111が設けられてもよい。運転者が運転中に物品収納部111を利用しやすいように、嵌合部110がフロントシート20とセンターコンソール10との間に嵌装されたときに、物品収納部111がフロントシート20の上部よりも一定の高さで突出してもよい。
【0041】
物品収納部111の底部には、充電ケーブルが通る充電ケーブル孔112が形成されている。このため、物品収納部111に携帯電話機および充電ケーブルなどの物品が収納されるほか、物品収納部111に収容された携帯電話機が充電ケーブル孔112を介してシガージャックに接続された充電ケーブルによって充電されうる。
【0042】
図5aおよび図5bのそれぞれは、本発明に係る挿入型取付ブラケットによってゴミ収納箱の位置が変更された状態を示す背面図である。
【0043】
図5aおよび図5bに示されているように、嵌合部110の一方側にブラケット孔113が設けられ、取付ブラケット120は、ブラケット孔113を通じて嵌合部110に導入または導出されるように取付ブラケット120の後部に所定長さで形成された支持部122を有していてもよい。
【0044】
この場合、支持部122には、その出し入れが多段階に調節されるように一方側に凹凸溝が設けられ、支持部122の凹凸溝によって弾性的に保持されるようにブラケット孔113の一方側に段差部が設けられ、当該出し入れ操作が多段階に調節されることが好ましい。
【0045】
支持部122によって、取付ブラケット120の嵌合部110からの突出長さが多段階に調節されうる。したがって、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて、取付ブラケット120に取り付けられたゴミ収納箱130の位置が前後に調整可能であり、ゴミ収納箱130が座席の乗員の大腿部または膝に干渉しないようにすることができるという利便性がある。
【0046】
本発明では、嵌合部110が、上部から下部に向かって徐々に厚み幅が小さくなるように形成され、センターコンソール10に接する片面または両面に所定深さの複数の凹部114が形成され、圧縮スポンジのように弾性的に押圧される圧縮部材115が、の表面が1~2mm程度わずかに突出するように、それぞれの凹部114に挿入されていることが好ましい。
【0047】
嵌合部11の厚さが上部から下部に向かって徐々に小さくなっているので、嵌合部110がフロントシート20とセンターコンソール10との間隙に容易に挿入されうる。この際、嵌合部110が挿入されたまま、片側または両側の凹部114に嵌め込まれた圧縮部材115の僅かに突出した面が押圧される。したがって、嵌合部110がフロントシート20とセンターコンソール10との間でよりしっかりと(堅固に)嵌合されるので、ゴミ収納箱130の取付状態がより確実に維持されうる。
【0048】
さらに、図1および図2に示されているように、物品収納部111が、ケーブル孔112が形成された前部の幅が後部の幅よりも大きくなるように形成され、ゴミ収納箱130が、収納孔132が形成された部分が物品収納部111よりも突出して、カバー140においてヒンジが設けられた前方に向かって徐々に大きくなるように形成されていることが好ましい。
【0049】
そして、人がフロントシート20に座ったときに、その大腿部または膝が物品収納部111またはゴミ収納箱130に干渉することが可及的に防止され、フロントシート20の前方の空間が可及的に有効活用されうる。
【0050】
(第2実施形態)
図6は本発明に係る車両用ゴミ箱の全体構造を示す正面透視図であり、図7は本発明に係る車両用ゴミ箱の背面側の組立構造を示す背面透視図であり、図8は本発明に係る弾性手段を備えた嵌合部の構造を示す断面図である。
【0051】
図6図8を参照すると、本発明に係る車両用ゴミ箱は、嵌合部110、取付ブラケット120、ゴミ収納箱130および弾性手段170を備えている。
【0052】
嵌合部110は、フロントシート20とセンターコンソール10との間隙に嵌合するように薄板状に形成され、上部から下部に向かって徐々に狭くなる厚さ幅を有している。このため、嵌合部110がフロントシート20とセンターコンソール10との間隙に容易に嵌合されうる。さらに、嵌合部110は、片側または両側に凹部114を備えている。
【0053】
取付ブラケット120は、嵌合部110の一側面から前方に向かって所定長さだけ突出するように形成され、上下方向に複数の保持部121を備えている。保持部121の強度が向上するように、保持部121の後面に複数の支持リブが設けられている。
【0054】
ゴミ収納箱130には、ゴミ収納箱130の頂部で組み立てられた上側フレーム131の開口部を開閉するヒンジ式のカバー140が設けられており、カバー140が開かれることにより開口部からゴミを入れることができる。ゴミ収納箱130の後面には保持手段150が設けられ、ゴミ収納箱130の装着高さが調節され、かつ、ゴミ収納箱130が取付ブラケット120に結合されるように、複数の保持部121のうち選択した1つに保持される。
【0055】
弾性手段170は、嵌合部110の片側または両側における一または複数の凹部114に装着され、嵌合部110がフロントシート20とセンターコンソール10との間に挿入される際に弾性的に押圧されて密着状態が確実に維持される。弾性手段170は弾性を有しているため、嵌合部110が抜かれる際に元の位置に復帰させることが可能である。
【0056】
図4に示されているように、取付ブラケット120の第1保持部121a、第2保持部121bおよび第3保持部121cのうち1つが選択され、選択された保持部にゴミ収納箱130の背面側に設けられた保持手段150が連結されることにより、上下方向に数段階に高さが調節可能である。したがって、座席の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて、ゴミ収納箱130の高さを調節することができるという利点がある。
【0057】
図4では、取付ブラケット120の保持部121が、第1保持部121a、第2保持部121bおよび第3保持部121cを有している多段階形状に形成され、保持手段150がフック150aの形状に形成されているが、取付ブラケット120の保持部121および保持手段150が相互に対応するメスおよびメスの面ファスナ要素により構成されていてもよい。
【0058】
一方、シート20の上部から一定の高さで突出した物品収納部111に携帯電話機および充電ケーブルが収納され、当該充電ケーブルによって当該携帯電話機が充電されてもよい。
【0059】
凹部114が、相互に隔てられた複数の凹部部分に分割されて嵌合部110の片側または両側に設けられ、当該複数の凹部部分のうちの1つの凹部部分に弾性手段170が設けられ、残りの凹部部分に表面が部分的に突出して弾性的に押圧される圧縮部材115が設けられていてもよい。
【0060】
シート20とセンターコンソール10との間隙に嵌合部110が挿入された場合、弾性手段170および圧縮部材115のそれぞれの表面が押圧されるので、嵌合部110が強く押圧された状態になる。したがって、嵌合部110は、シート20とセンターコンソール10との間隙において非常にしっかりと保持される。
【0061】
弾性手段170は、図8に示されているように、中央部に外側に突出する湾曲部171を有している板バネにより構成され、弾性手段170が装着される凹部114の上部および下部に離脱防止部116が設けられ、弾性手段170である板バネの両端部172が離脱防止部116に嵌合されていることが好ましい。
【0062】
板バネからなる弾性手段170の湾曲部171が押圧されている間、嵌合部110がシート20とセンターコンソール10との間隙にしっかりと嵌め込まれた状態が維持される。弾性手段170が圧縮された場合、弾性手段170の上端部および下端部が離脱防止部116に確実に支持されるので、板バネからなる弾性手段170が凹部114から離れることが防止される。
【0063】
弾性手段170の上部または下部のうち一方が、ネジなどの固定手段によって固定されてもよい。この場合、固定されていない弾性手段170の上部または下部のうち他方が十分に伸張できるように、離脱防止部116に空間が設けられている。
【0064】
図9aおよび図9bのそれぞれは、本発明のさらなる実施形態に係る弾性手段を示す断面図である。
【0065】
図9aに示されているように、嵌合部110の片側または両側に設けられた弾性手段170が、凹部114の下端部にヒンジピンによってヒンジ部174が連結されるように装着される支持プレート173と、支持プレート173のヒンジ結合されている上端部が弾性的に広がる状態が維持されるように、支持プレート173と嵌合部110との間に設けられたコイルバネ175と、を有していてもよい。
【0066】
当該構成によれば、シート20とセンターコンソール10との間隙に嵌合部110が挿入される際に、コイルバネ175を押圧する支持プレート173の支持力により、嵌合部110の挿入状態が非常にしっかりと維持されうる。
【0067】
図9bに示されているように、弾性手段170を構成する支持プレート173が嵌合部110の両側に装着される場合、支持プレート173が装着される嵌合部110に貫通孔117が設けられ、当該貫通孔117に単一のコイルバネ175が挿入されるように所定のサイズを有していてもよい。したがって、両方の支持プレート173が支持されるように、単一のコイルバネ175の両端部が貫通孔117に装着されていてもよい。
【0068】
嵌合部110の両側に対向して装着された両方の支持プレート173に対して、単一のコイルバネ175によってより強い付勢力を作用させることができ、シート20とセンターコンソール10との間隙に挿入された嵌合部110の取付状態がより確実に維持されうる。
【0069】
図10aおよび図10bのそれぞれは、本発明の第2実施形態に係る挿入型取付ブラケットによってゴミ収納箱の位置が変更された状態を示す背面図である。
【0070】
図10aおよび図10bに示されているように、嵌合部110が、一方の側面にブラケット孔113を有し、取付ブラケット120が、その後部に所定長さの支持部122を有し、支持部122がブラケット孔113を通じて嵌合部110に出し入れされてもよい。
【0071】
支持部122の出し入れが多段階に調節されるように、支持部122の片面に凹凸溝が設けられ、支持部122の片面に形成された凹凸溝によって弾性的に保持されるように、ブラケット孔113の片面に段差部が設けられれば、出し入れ操作が的確に多段階に調節されうる。
【0072】
支持部122によって、取付ブラケット120の嵌合部110からの突出長さが多段階に調整されうる。
【0073】
したがって、シート20の乗員の身体的条件または車両の構造に応じて、取付ブラケット120に取り付けられたゴミ収納箱130の位置が前後に調整され、ゴミ収納箱130がシート20の乗員の大腿部または膝に干渉することが防止されるという利便性を有している。
【0074】
以上、本発明者が創作した発明を実施形態にしたがって詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざま変更・修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0075】
10:センターコンソール
20:シート
110:嵌合部
111:物品収納部
112:充電ケーブル孔
113:ブラケット孔
114:凹部
115:圧縮部材
116:離脱防止部
117:貫通孔
120:取付ブラケット
121:保持部
121a:第1保持部
121b:第2保持部
121c:第3保持部
122:支持部
130:ゴミ収納箱
131:上側フレーム
132:収納孔
133:収納部
140:カバー
150:保持手段
160:清掃ブラシ
170:弾性手段
171:湾曲部
172:両端部
173:支持プレート
174:ヒンジ部
175:コイルバネ。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b