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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】サービス提供機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240726BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240726BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240726BHJP
   G10K 15/04 20060101ALI20240726BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20240726BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240726BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240726BHJP
【FI】
H02J7/00 302A
H02J7/00 303A
H02J7/00 303B
H02J7/34 A
H02J7/35 A
G10K15/04 303B
H04R3/00 310
H05B47/17
H05B47/19
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023215991
(22)【出願日】2023-12-21
【審査請求日】2023-12-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523481469
【氏名又は名称】AOBAENERGY株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三沢 一浩
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-350962(JP,A)
【文献】特開2001-230433(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104912375(CN,A)
【文献】中国実用新案第204559191(CN,U)
【文献】中国実用新案第204304873(CN,U)
【文献】特開2021-111168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
G10K 15/04
H04R 3/00
H05B 47/17
H05B 47/19
F21S 8/08
F21S 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される太陽光発電装置と、
前記太陽光発電装置の下側に配置される風力発電装置と、
前記太陽光発電装置及び前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
収音手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記収音手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される太陽光発電装置と、
前記太陽光発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
収音手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記収音手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される風力発電装置と、
前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
収音手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記収音手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される太陽光発電装置と、
前記太陽光発電装置の下側に配置される風力発電装置と、
前記太陽光発電装置及び前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
撮像手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記撮像手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される太陽光発電装置と、
前記太陽光発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
撮像手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記撮像手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、
前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、
前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、
前記枝部に支持される風力発電装置と、
前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、
前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段と
を具備するサービス提供機器であって、
前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定し、
前記被駆動手段は、発光手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させ、
前記被駆動手段は、音出力手段を含み、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させ、
撮像手段を具備し、
前記通信制御装置は、
前記撮像手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、
前記通信制御装置は、
前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、
前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードと
を有し、
前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択する
ことを特徴とするサービス提供機器。
【請求項7】
投影手段を具備し、
前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、投影態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記投影手段に、各面に向けた投影を行わせる
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス提供機器。
【請求項8】
前記太陽光発電装置は、
真円状又は楕円状の太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルの上面に配置された支持部材であって、上端が前記枝部の先端に固定される支持部材と
を有し、
前記風力発電装置は、
前記太陽光発電パネルの下面から下側に向かって延伸する回転軸と、
前記回転軸の側面から外側に向かって延在する複数のファンと
を有し、
前記ファンは、真円状又は楕円をその長軸を切断線として半割したような形状をなしており、
上側から見て、前記ファンの外周は、前記太陽光発電パネルの外周の内側にある
ことを特徴とする請求項又はに記載のサービス提供機器。
【請求項9】
前記太陽光発電装置の太陽光発電パネルは、
上向きと下向きの2つの太陽光発電パネルを合わせたものである
ことを特徴とする請求項1、2、4、又は、5に記載のサービス提供機器。
【請求項10】
前記複数の枝部は、
所定の間隔をあけて配置された第m(m=1・・・N:mは上から数えた層を示すインデックス、Nは2以上の自然数)層の枝部を有し、
下の層に属する枝部の数が、上の層に属する枝部の数と同数、又は上の層に属する枝部の数よりも多くなっている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のサービス提供機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野外に設置され、風力発電や太陽光圧電により蓄電池に蓄電された電力を使ってサービスを提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、公道や市街地などの公的な場所に設置されている街路灯を再生可能なエネルギーで駆動する技術が開示されている。この文献1に記載の設備管理システムは、太陽光発電パネル、照明機器、蓄電池、制御装置、及び無線通信機を備える街路灯と、基地局と、サーバと、システム管理者端末と、街路灯管理者端末とを有する。文献1の記載の設備管理システムでは、サーバが、街路灯の無線通信機から送信される情報から照明機器の所定期間の電力使用量を算出し、算出された電力使用量に相当するCO2排出量を計算して、その計算結果を、街路灯管理者端末に通知するようになっている。これによって、再生可能エネルギーによる節電効果や遠隔監視だけでなく、CO2排出量の低減量の可視化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-198212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、自然電力により蓄電池に蓄電された電力だけでは、LEDライトなどの被駆動手段の駆動電力の全てを賄うことができず、自然電力のみによる自律的な運転ができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、自然電力発電装置と、発光手段や音出力手段などの被駆動手段を有する装置を、自然電力のみによって自律的に運転できるようにする技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様であるサービス提供機器は、筐体と、前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、前記枝部に支持される太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置の下側に配置される風力発電装置と、前記太陽光発電装置及び前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段とを具備し、前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定することを特徴とする。
【0007】
本発明の好適な態様であるサービス提供機器は、筐体と、前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、前記枝部に支持される太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段とを具備し、前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定することを特徴とする。
【0008】
本発明の好適な態様であるサービス提供機器は、筐体と、前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、前記枝部に支持される風力発電装置と、前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段とを具備し、前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定することを特徴とする。
【0009】
この態様において、前記被駆動手段は、発光手段を含み、前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、発光態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記発光手段を発光させてもよい。
【0010】
また、前記被駆動手段は、音出力手段を含み、前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、音響信号と、この音響信号と同期した発光態様とを示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記音出力手段から音を出力するとともに、前記発光手段を発光させてもよい。
【0011】
また、投影手段を具備し、前記通信制御装置は、前記サーバ装置から、投影態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記投影手段に、各面に向けた投影を行わせてもよい。
【0012】
また、収音手段を具備し、前記通信制御装置は、前記収音手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、前記通信制御装置は、前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードとを有し、前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択するようにしてもよい。
【0013】
また、撮像手段を具備し、前記通信制御装置は、前記撮像手段の出力信号を基に、当該サービス提供機器の周囲の状態を解析する解析手段を有し、前記通信制御装置は、前記制御情報に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する通常駆動モードと、前記制御情報に従わず、当該通信制御装置が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、前記音出力手段及び前記発光手段を駆動する自立駆動モードとを有し、前記解析手段による解析の結果に応じて、前記通常駆動モード及び前記自立駆動モードのうち一方を選択するようにしてもよい。
【0014】
また、前記太陽光発電装置は、真円状又は楕円状の太陽光発電パネルと、前記太陽光発電パネルの上面に配置された支持部材であって、上端が前記枝部の先端に固定される支持部材とを有し、前記風力発電装置は、前記太陽光発電パネルの下面から下側に向かって延伸する回転軸と、前記回転軸の側面から外側に向かって延在する複数のファンとを有し、前記ファンは、真円状又は楕円をその長軸を切断線として半割したような形状をなしており、上側から見て、前記ファンの外周は、前記太陽光発電パネルの外周の内側にあってもよい。
【0015】
また、前記太陽光発電装置の太陽光発電パネルは、上向きと下向きの2つの太陽光発電パネルを合わせたものであってもよい。
【0016】
また、前記複数の枝部は、所定の間隔をあけて配置された第m(m=1・・・N:mは上から数えた層を示すインデックス、Nは2以上の自然数)層の枝部を有し、下の層に属する枝部の数が、上の層に属する枝部の数と同数、又は上の層に属する枝部の数よりも多くなっていてもよい。
【0017】
また、前記支柱の上部に、アンテナが設けられていてもよい。
【0018】
また、前記通信制御装置は、無線LANのプロトコルに従った通信を行う第1通信モジュールと、移動体パケット通信網のプロトコルに従った通信を行う第2通信モジュールとを有してもよい。
【0019】
また、前記通信制御装置は、携帯端末から、前記被駆動手段の駆動態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、前記被駆動手段を駆動してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、筐体と、前記筐体内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、前記筐体から上方に向かって延伸する支柱と、前記支柱から分岐して外側に延伸する複数の枝部と、前記枝部に支持される太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置の下側に配置される風力発電装置と、前記太陽光発電装置及び前記風力発電装置から、前記枝部及び前記支柱を介して前記蓄電装置に至る電線と、前記通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段とを具備し、前記通信制御装置は、前記蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立し、前記サーバ装置から情報を受信し、この情報に基づいて、前記被駆動手段の駆動態様を決定する。よって、本発明によると、自然電力発電装置と、被駆動手段を有する装置を、自然電力のみによって自律的に運転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態である野外サービス提供機器2を含む情報通信システム1の構成を示す図である。
図2図1の野外サービス提供機器2の外見を示す斜視図である。
図3図2を上方から見た図である。
図4図1の通信制御装置41のモード選択を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態である野外サービス提供機器2Aを含む情報通信システム1Aの構成を示す図である。
図6】本発明の第3実施形態である野外サービス提供機器2Bの外観を示す斜視図である。
図7】本発明の第4実施形態である野外サービス提供機器2Cの外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態である野外サービス提供機器2を含む情報通信システム1の構成を示す図である。図2は、野外サービス提供機器2の外観を示す斜視図である。図3は、図2を上方から見た図である。
【0023】
野外サービス提供機器2は、遊歩道、公園、テーマパークなどの屋外の場所に設置される、ツリーを模した外観を有する機器である。サーバ装置9aは、野外サービス提供機器2を運営する事業者の管理の下に稼働するものである。
【0024】
サーバ装置9aは、CPU91、RAM92、ROM93、ハードディスク94、通信インターフェース95を有する。ハードディスク94には、制御プログラム96が記憶されている。制御プログラム96は、野外サービス提供機器2を制御するためのものである。サーバ装置9aは、インターネット11及び移動体パケット通信網12を介して、野外サービス提供機器2に制御情報を送信し、それらの動作を制御する。
【0025】
サーバ装置9bは、各種ウェブコンテンツの配信事業者の管理の下に稼働するものである。サーバ装置9bは、インターネット11に接続された装置や移動体パケット通信網12に接続された装置からのリクエストに応じ、天気情報やニュースなどのウェブコンテンツを送信する。
【0026】
次に、野外サービス提供機器2の構成について、説明する。図2に示すように、野外サービス提供機器2は、外筐体21と、外筐体21内に収められた内筐体22と、内筐体22の上面の中央部から上方に向かって突出し、外筐体21の穴から上方に向かって延伸する支柱8と、支柱8上に所定の間隔をあけて配置された第m(m=1・・・・N:mは上から数えた層を示すインデックス、Nは2以上の自然数、図3の例では、N=3)層の枝部81-m(m=1~3)と、枝部81-m(m=1~3)の先端に支持部材82-m(m=1~3)を介して支持された太陽光発電装置6-m(m=1~3)と、第2層及び第3層の太陽光発電装置6-2及び6-3の下に配置された風力発電装置7-2及び7-3と、を有する。
【0027】
より詳細に説明すると、外筐体21及び内筐体22は、直方体状をなしている。内筐体22内には、図1に示す通信制御装置41と蓄電装置45が収められている。通信制御装置41は、制御部42、Wifi(登録商標)通信モジュール43、及びパケット通信モジュール44を有する。制御部42は、野外サービス提供機器2の制御中枢としての役割と、野外サービス提供機器2の周囲の状況を解析する解析手段としての役割とを果たすものである。Wifi(登録商標)通信モジュール43は、野外サービス提供機器2の周囲の端末との間で、無線LANプロトコルに従った通信を行う第1通信モジュールとしての役割を果たすものである。パケット通信モジュール44は、インターネット11または移動体パケット通信網12に接続された端末との間で、移動体パケット通信網12のプロトコルに従った通信を行う第2通信モジュールとしての役割を果たすものである。外筐体21の前面には、充電器46が設けられている。充電器46は、Qiプロトコルに従い、当該充電器46のホルダに置かれた端末に蓄電装置45内の電力を給電する。
【0028】
図2において、支柱8の基端側には、収音手段であるマイクロホン36と、撮像手段であるカメラ37が、設けられている。第1層の3つの枝部81-1は、支柱8の上縁から距離D1(例えば、D1=1m)だけ下の位置から分岐して外側斜め上方向に延伸し、延伸した先で水平方向に折れ曲がっている。第2層の4つの枝部81-2は、支柱8における枝部81-1の基端よりも距離D2(例えば、D2=1.2m)だけ下の位置から分岐して外側斜め上方向に延伸し、延伸した先で水平方向に折れ曲がっている。第3層の4つの枝部81-3は、支柱8における枝部81-2の基端よりも距離D3(例えば、D3=1.5m)だけ下の位置から分岐して外側斜め上方向に延伸し、延伸した先で水平方向に折れ曲がっている。支柱8の上部には、アンテナ(図示略)が設けられている。
【0029】
第1層の枝部81-1における水平方向に折れ曲がった先の先端部には、支持部材82-1が固定されており、この支持部材82-1に太陽光発電装置6-1が釣り下がっている。太陽光発電装置6-1は、真円状の2つの太陽光発電パネル61a-1、61b-1を、各々の受光面を上向きと下向きにして貼り合わせたものである。支持部材82-1は、上側の太陽光発電パネル61a-1における中心から離れた位置に配置されている。太陽光発電装置6-1の周面には、被駆動手段である複数のLED光源33(発光手段)と1個のスピーカ34(音出力手段)が設けられている。
【0030】
第2層の枝部81-2における水平方向に折れ曲がった先の先端部には、支持部材82-2が固定されており、この支持部材82-2に太陽光発電装置6-2及び風力発電装置7-2が釣り下がっている。太陽光発電装置6-2は、第1層のものと同じである。太陽光発電装置6-2の周面には、被駆動手段である複数のLED光源33(発光手段)と1個のスピーカ34(音出力手段)が設けられている。
【0031】
太陽光発電装置6-2の下には、風力発電装置7-2がある。風力発電装置7-2は、回転軸71-2と、6枚のファン72-2と、発電機73-2とを有する。回転軸71-2は、太陽光発電パネル61b-2の下面における支持部材82-2の真下の位置から下側に向かって延伸している。6枚のファン72-2は、回転軸71-2の側面から外側に向かって延伸している。ファン72-2は、楕円をその長軸を切断線として半割したような形状をなしている。発電機73-2は、ファン72-2が受ける風力により回転軸71-2が回転すると、その回転力を電力に変換する。
【0032】
第3層の枝部81-3における水平方向に折れ曲がった先の先端部には、支持部材82-3が固定されており、この支持部材82-3に太陽光発電装置6-3及び風力発電装置7-3が釣り下がっている。太陽光発電装置6-3及び風力発電装置7-3は、第2層のものと同じである。太陽光発電装置6-3の周面には、被駆動手段である複数のLED光源33(発光手段)と1個のスピーカ34(音出力手段)が設けられている。
【0033】
第1層の支持部材82-1と枝部81-1、第2層の支持部材82-2と枝部81-2、第3層の支持部材82-3と枝部81-3、及び支柱8には、太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3から蓄電装置45に至る電力線、及び通信制御装置41からLED光源33、スピーカ34、マイクロホン36、及びカメラ37に至る信号線が埋設されている。太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3が発電した電力は、電力線を介して蓄電装置45に送られ、蓄電装置45に充電される。カメラ37の撮影信号、及びマイクロホン36の収音信号は、信号線を介して通信制御装置41に送信される。LED光源33は、通信制御装置41から、信号線を介して与えられる駆動信号に従って、発光する。スピーカ34は、通信制御装置41から、信号線を介して与えられる音響信号を、音として出力する。
【0034】
図3に示すように、支柱8の延伸方向から見ると、最も上の層である第1層の3つの太陽光発電装置6-1を支持する各枝部81-1は、支柱8から、120度ずつの間隔をあけた方向に向かって放射状に広がっている。第2層の4つの太陽光発電装置6-2を支持する各枝部81-2と、第3層の4つの太陽光発電装置6-3を支持する各枝部81-3は、支柱8から、90度ずつの間隔をあけた方向に向かって放射状に広がっている。第2層の枝部81-2の延伸の方向は、第3層の枝部81-3の延伸の方向に対して、45度ずれている。支柱8から第2層の太陽光発電装置6-2までの距離と、支柱8から第3層の太陽光発電装置6-3までの距離は同じである。支柱8から第1層の太陽光発電装置6-1までの距離は、支柱8から第2層や第3層の太陽光発電装置6-2、6-3までの距離よりも近くなっている。また、上側(図3における紙面の手前側)から見ると、風力発電装置7-2の6つのファン72-2の外周は、太陽光発電装置6-2の太陽光発電パネル61a-2、61b-2の外周の内側にあり、風力発電装置7-3の6つのファン72-3の外周は、太陽光発電装置6-3の太陽光発電パネル61a-3、61b-3の外周の内側にある。このため、風力発電装置7-2の6つのファン72-2、及び風力発電装置7-3の6つのファン72-3は、上側から見えない。
【0035】
以上が、野外サービス提供機器2の構成の詳細である。野外サービス提供機器2は、以下のサービスを提供する。
【0036】
a1.光演出サービス
これは、LED光源33を所定の発光態様で発光させ、野外サービス提供機器2の周囲の状況に応じて、LED光源33の発光態様を変化させるサービスである。
【0037】
b2.音演出サービス
これは、スピーカ34から所定のBGMの音信号を出力し、野外サービス提供機器2の周囲の状況に応じて、スピーカ34の音信号の出力態様を変化させるサービスである。
【0038】
c1.ネット接続サービス
これは、Wifi(登録商標)通信モジュール43、及びパケット通信モジュール44により、野外サービス提供機器2の周囲にある端末と通信を確立し、この端末と、サーバ装置9bやインターネット11に接続された端末との間のデータの送受信を仲介するサービスである。
【0039】
d1.充電サービス
これは、充電器46のホルダに装着された端末に、蓄電装置45内の電力を給電するサービスである。
【0040】
次に、本実施形態の動作について、説明する。本実施形態では、サーバ装置9aは、制御情報送信処理を行う。制御情報送信処理は、野外サービス提供機器2に制御情報を送信する処理である。
【0041】
制御情報は、所定時間(例えば、1時間)の間に、野外サービス提供機器2のスピーカ34から流すBGMの音響信号を示す音制御情報と、この音響信号と同期したLED光源33の発光態様(発光色、発光タイミング、発光継続時間)を示す発光制御情報とを含む。
【0042】
サーバ装置9aのハードディスク94には、野外サービス提供機器2毎の個別の制御情報が記憶されている。制御情報におけるBGMの曲調とLED光源33の発光態様は、野外サービス提供機器2の設置されている場所の状況や時間帯に応じて変えるとよい。例えば、公園の野外サービス提供機器2のスピーカ34から流すBGMは、ゆっくりしたテンポのものにし、LED光源33は、寒色系の1種類の色でこのBGMのテンポに合わせて発光させるようにするとよい。また、テーマパークの野外サービス提供機器2のスピーカ34から流すBGMは、公園のものよりも早いテンポのものにし、LED光源33は、複数種類の色を所定の順序で循環的に発光させるようにするとよい。また、ある一つの野外サービス提供機器2について、複数種類の制御情報をハードディスク94内に準備し、時間帯に応じて、複数種類の制御情報の中の一つを選択して野外サービス提供機器2に送信するようにしてもよい。
【0043】
野外サービス提供機器2の通信制御装置41は、外部の電力系統、及びその他の給電装置とは接続されておらず、蓄電装置45に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置9aとの通信を確立し、サーバ装置9aから制御情報を受信し、この制御情報と、当該野外サービス提供機器2の周囲の状況とに基づいて、被駆動手段であるLED光源33及びスピーカ34の駆動態様を決定する。
【0044】
より詳細に説明すると、通信制御装置41は、以下の2つのモードを有し、マイクロホン36の収音信号及びカメラ37の撮影信号を基に、当該野外サービス提供機器2の周囲の状況を解析し、この解析結果に基づいて、2つのモードのうち一方を選択する。
【0045】
a2.通常駆動モード
これは、野外サービス提供機器2から送信される制御情報に従って、LED光源33及びスピーカ34を駆動するモードである。
b2.自立駆動モード
これは、野外サービス提供機器2から送信される制御情報に従わず、通信制御装置41が、音響信号及び発光態様を決定し、この決定に従って、LED光源33及びスピーカ34を駆動するモードである。
【0046】
通常駆動モードでは、通信制御装置41は、サーバ装置9aから受信した制御情報が示す音響信号をスピーカ34に送信するとともに、この制御情報が示す駆動信号をLED光源33に送信する。自立駆動モードでは、通信制御装置41は、当該通信制御装置41のメモリ内に記憶されている自立駆動モード用の制御情報を読み出し、読み出した制御情報が示す音響信号をスピーカ34に送信するとともに、この制御情報が示す駆動信号をLED光源33に送信する。自立駆動モード用の制御情報は、通常駆動モード用のBGMよりも早いテンポのBGM、及びそのBGMのテンポに合わせた発光色、発光タイミング、及び発光継続時間を示すものにするとよい。
【0047】
ここで、通信制御装置41は、マイクロホン36の収音信号及びカメラ37の撮影信号に基づく当該野外サービス提供機器2の周囲の状況の解析の手順は次の通りである。
【0048】
通信制御装置41は、マイクロホン36の収音信号が示す音波形から無音区間を特定し、無音区間が所定時間以上に渡って継続しているか否かを判定する。また、通信制御装置41は、カメラ37の撮影信号が示す一連のフレーム画像から、当該フレーム画像内における動いている人の数が所定数以上であるか否かを判定する。フレーム画像内における動いている人の数のカウントは、フレーム画像を人物検出用の学習済みモデルに入力することにより行うとよい。図4(A)に示すように、通信制御装置41は、無音区間が所定時間以上に渡って続いており、且つ動いている人の数が所定数以上である場合は、自立駆動モードを選択し、それ以外の場合は、通常駆動モードを選択する。図4(B)に示すように、通信制御装置41は、無音区間が所定時間以上に渡って続いておらず、且つ動いている人の数が所定数未満である場合は、通常駆動モードを選択し、それ以外の場合は、自立駆動モードを選択するようにしてもよい。
【0049】
以上が、本実施形態の詳細である。本実施形態では、筐体21、22と、筐体21内に配置される蓄電装置45及び通信制御装置41と、筐体21から上方に向かって延伸する支柱8と、支柱8から分岐して外側に延伸する複数の枝部81-m(m=1~3)と、枝部81-m(m=1~3)に支持される太陽光発電装置6-m(m=1~3)と、太陽光発電装置6-2、6-3の下側に配置される風力発電装置7-2、7-3と、太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3から、枝部81-m(m=1~3)及び支柱8を介して蓄電装置45に至る電線と、通信制御装置41から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段であるLED光源33及びスピーカ34と、を具備し、通信制御装置41は、蓄電装置45に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置9aとの通信を確立し、サーバ装置9aから情報を受信し、この情報に基づいて、被駆動手段であるLED光源33及びスピーカ34の駆動態様を決定する。よって、自然電力発電装置である太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3と、被駆動手段を有する装置を、自然電力のみによって自律的に運転できるようにすることができる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図5は、本発明の第2実施形態である野外サービス提供機器2Aを含む情報通信システム1Aの構成を示す図である。本実施形態の野外サービス提供機器2Aでは、被駆動手段として、プロジェクタ35が追加されている。プロジェクタ35は、野外サービス提供機器2の太陽光発電装置6-m(m=1~3)の下面に設置されてもよいし、支柱8や枝部81-m(m=1~3)に設置されてもよい。
【0051】
本実施形態では、サーバ装置9aから野外サービス提供機器2Aに送信される制御情報は、プロジェクタ35の投影態様を示す制御情報を含む。より具体的には、本実施形態では、サーバ装置9aから野外サービス提供機器2Aに送信される制御情報は、所定時間(例えば、1時間)の間に、野外サービス提供機器2のスピーカ34から流すBGMの音響信号を示す音制御情報と、この音響信号と同期したLED光源33の発光態様(発光色、発光タイミング、発光継続時間)を示す発光制御情報、プロジェクタ35から地面に向かって投射する投射映像の映像信号を示す映像制御情報を含む。
【0052】
野外サービス提供機器2Aの通信制御装置41は、マイクロホン36の収音信号及びカメラ37の撮影信号を基に、当該野外サービス提供機器2Aの周囲の状況を解析し、この解析結果に基づいて、通常駆動モードと自立駆動モードのうち一方を選択し、通常駆動モードを選択している間は、野外サービス提供機器2Aに送信される通行駆動モード用の制御情報に基づいて、スピーカ34、LED光源33、及びプロジェクタ35を駆動し、自立駆動モードを選択している間は、通信制御装置41のメモリに予め記憶されている自立駆動モード用の制御情報に基づいて、スピーカ34、LED光源33、及びプロジェクタ35を駆動する。
【0053】
以上が、本発明の第2実施形態の詳細である。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0054】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図6は、本発明の第3実施形態である野外サービス提供機器2Bの外観を示す斜視図である。本実施形態の野外サービス提供機器2Bは、風力発電装置7-2、7-3を有していない。また、野外サービス提供機器2Bは、枝部81-m(m=1~3)における水平方向に折れ曲がった先の先端部の上部に、支持部材82-m(m=1~3)が固定されており、この支持部材82-m(m=1~3)により、太陽光発電装置6-m(m=1~3)の下側の太陽光発電パネル61b-m(m=1~3)の中心から離れた位置が支持されている。すなわち、本実施形態では、太陽光発電装置6-m(m=1~3)が、太陽光発電パネル61b-m(m=1~3)を水平にした姿勢で、支持部材82-m(m=1~3)により下側から支持されている。
【0055】
以上が、本発明の第3実施形態の詳細である。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0056】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図7は、本発明の第4実施形態である野外サービス提供機器2Cの外観を示す斜視図である。本実施形態の野外サービス提供機器2Cは、図2の野外サービス提供機器2における第1層の3つの太陽光発電装置6-1のうち2つが、太陽光発電装置6C-1及び6D-1に置き換わっている。太陽光発電装置6C-1は、薄板状の底部65C-1の上側に、四方に向かって傾斜した4つの太陽光発電パネル66C-1、67C-1、68C-1、69C-1を配置したものである。底部65C-1の下側に、第1~第3実施形態の太陽光発電パネル61b-1と同じものを配置してもよい。
【0057】
太陽光発電装置6C-1の太陽光発電パネル66C-1、67C-1、68C-1、69C-1は寄棟屋根状に組み合わされている。太陽光発電パネル66C-1と太陽光発電パネル67C-1は、等脚台形状をなしている。太陽光発電パネル68C-1と太陽光発電パネル69C-1は、二等辺三角形状をなしている。太陽光発電パネル66C-1と太陽光発電パネル67C-1は、互いの上底において接している。太陽光発電パネル68C-1及び太陽光発電パネル69C-1における頂角を挟む2辺は、それぞれ、太陽光発電パネル66C-1及び太陽光発電パネル67C-1における上底及び下底間の各辺と接している。
【0058】
太陽光発電装置6C-1における太陽光発電パネル66C-1と太陽光発電パネル67C-1とが交差する辺の真ん中から離れた位置に、支持部材82-1の下端部が固定されている。
【0059】
太陽光発電装置6D-1は、薄板状の底部65D-1の上側に、太陽光発電パネル69C-1を配置したものである。底部65D-1の下側に第1~第3実施形態の太陽光発電パネル61b-1と同じものを配置してもよい。太陽光発電パネル69C-1は、卵を半割したような形状を有している。太陽光発電パネル69C-1の外周は、上側から見て、ほぼ楕円状をなしている。
【0060】
以上が、本発明の第4実施形態の詳細である。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
以上、本発明の第1~第4実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えてもよい。
【0062】
(1)上記第1、第2、及び第3実施形態では、通信制御装置41から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段は、LED光源33とスピーカ34の2つであり、第2実施形態では、通信制御装置41から与えられる信号に従って駆動する駆動手段が、LED光源33、スピーカ34、及びプロジェクタ35の3つであった。これに対し、LED光源33だけを被駆動手段としてもよいし、スピーカ34だけを被駆動手段としてもよい。
【0063】
(2)上記第1~第4実施形態において、野外サービス提供機器2、2A、2B、2Cは、スマートフォンなどの携帯端末と、無線LANのプロトコルによる接続を確立し、携帯端末から、被駆動手段の駆動態様を示す制御情報を受信し、この制御情報に従って、被駆動手段であるLED光源33やスピーカ34を駆動してもよい。
【0064】
(2)上記第1~第4実施形態において、野外サービス提供機器2、2A、2B、2Cは、遊歩道、公園、テーマパークなどの屋外の場所に設置されるものであった。しかし、野外サービス提供機器2、2A、2B、2Cを、屋内の場所に設置するサービス提供機器2、2A、2B、2Cとしてもよい。
【0065】
(3)上記第1~第3実施形態において、太陽光発電装置6-m(m=1~3)の太陽光発電パネル61a-m(m=1~3)及び61b-m(m=1~3)の外周は楕円状をなしていた。しかし、太陽光発電装置6-m(m=1~3)の太陽光発電パネル61a-m(m=1~3)及び61b-m(m=1~3)の外周を真円状にしてもよい。
【0066】
(4)上記第1~第2、及び第4実施形態において、野外サービス提供機器2、2A、2Cのファン72-2、72-3は、楕円をその長軸を切断線として半割したような形状をなしていた。しかし、ファン72-2、72-3を、真円を半割したような形状にしてもよい。
【0067】
(4)上記第1~第4実施形態では、第1層に属する枝部81-1の数が3つであり、第2層に属する枝部81-2の数が4つであり、第3層に属する枝部81-3の数が4つであり、第2層に属する枝部81-2と第3層に属する枝部81-3の数が同数であった。しかし、下の層に行くほど、その層に属する枝部81-mの数が多くなるようにしてもよい。例えば、第1層に属する枝部81-1の数を3つとし、第2層に属する枝部81-2の数を4つとし、第3層に属する枝部81-3の数を5つとしてもよい。
【0068】
(5)上記第1~第2、及び第4実施形態では、野外サービス提供機器2、2A、2Cは、第2層と第3層に、太陽光発電装置6-2、6-3と風力発電装置7-2、7-3の2種類の自然発電装置を有していた。しかし、野外サービス提供機器2、2A、2Cの各層に、太陽光発電装置6-mを設けず、風力発電装置7-mだけを設けてもよい。この変形例では、各層の枝部81-mにおける水平方向に折れ曲がった先の先端部に、支持部材82-mを固定し、この支持部材82-mに風力発電装置7-mを吊り下げるようにするとよい。
【0069】
(6)上記第1~第4実施形態では、通信制御装置41は、自立駆動モードでは、当該通信制御装置41のメモリ内に記憶されている自立駆動モード用の制御情報を読み出し、読み出した制御情報が示す音響信号をスピーカ34に送信するとともに、この制御情報が示す駆動信号をLED光源33に送信した。しかし、自立駆動モード用の制御情報を予めメモリに記憶しておくのでなく、通信制御装置41が、野外サービス提供機器22、2A、2B、2Cの周囲の状況に応じて、LED光源33、及びスピーカ34の駆動態様をリアルタイムで決定してもよい。例えば、マイクロホン36の収音信号及びカメラ37の撮影信号を駆動態様決定用の学習済みモデルに入力し、学習済みモデルに、野外サービス提供機器2の周囲の状況に最適な駆動態様を決定させてもよい。
【0070】
(7)上記第1~第4実施形態では、野外サービス提供機器2、2A、2B、2Cの太陽光発電装置6-m(m=1~3)の周面に、複数のLED光源33と1個のスピーカ34が設けられていた。しかし、野外サービス提供機器2、2A、2B、2Cにおける太陽光発電装置6-m(m=1~3)の周面以外の場所(例えば、支柱8や枝部81-m(m=1~3))に、LED光源33とスピーカ34を設けてもよい。
【0071】
(8)上記第1~第4実施形態では、回転軸71-2、71-3は、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の下面における支持部材82-2、82-3の真下の位置から下側に向かって延伸していた。しかし、回転軸71-2、71-3は、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の下面における支持部材82-2、82-3の真下でない位置(例えば、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の中心の位置)から下側に向かって延伸してもよい。
【0072】
(9)上記第1~第4実施形態では、回転軸71-2、71-3は、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の下面における支持部材82-2、82-3の真下の位置から下側に向かって延伸していた。しかし、回転軸71-2、71-3は、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の下面における支持部材82-2、82-3の真下でない位置(例えば、太陽光発電パネル61b-1、61b-2の中心の位置)から下側に向かって延伸してもよい。
【0073】
(10)上記第1~第4実施形態では、支持部材82-m(m=1~3)は、上側の太陽光発電パネル61a-m(m=1~3)における中心から離れた位置に配置されていた。しかし、支持部材82-m(m=1~3)は、上側の太陽光発電パネル61a-m(m=1~3)における中心の位置に配置されていてもよい。
【0074】
(11)上記第2実施形態では、プロジェクタ35は、映像信号を地面に向かって投射した。しかし、プロジェクタ35は、映像信号を、地面を含む各面(例えば、地面や、壁面)に向かって投射してもよい。
【0075】
(12)上記第1~第4実施形態では、第1層の太陽光発電装置6-1の数は3つであった。しかし、第1層の太陽光発電装置6-1の数を1~2個にしてもよいし、4個以上にしてもよい。また、第2層の太陽光発電装置6-2の数、及び第3層の太陽光発電装置6-3の数は4つであったが、これらの数を1~3個にしてもよいし、5個以上にしてもよい。
【0076】
(13)上記第1~第4実施形態では、第1層の3つの太陽光発電装置6-1を支持する各枝部81-1の間隔は120度ずつ開いていたが、これらの間隔を不均一にしてもよい。また、第2層の4つの太陽光発電装置6-2を支持する各枝部81-2の間隔と、第3層の4つの太陽光発電装置6-3を支持する各枝部81-3の間隔は、それぞれ、90度ずつ開いていたが、これらの間隔を不均一にしてもよい。第2層の4つの枝部81-2と第3層の4つの枝部81-3のずれの大きさも、45度より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0077】
(14)上記第1~第4実施形態では、充電器46は、いわゆるワイヤレス充電器であった。しかし、充電器46は、USBケーブルなどの各種ケーブルにより携帯端末と接続され、このケーブルを介して給電を行う有線充電器であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 情報通信システム
1A 情報通信システム
2 野外サービス提供機器
2A 野外サービス提供機器
2B 野外サービス提供機器
2C 野外サービス提供機器
6-1 太陽光発電装置
6-2 太陽光発電装置
6-3 太陽光発電装置
6C-1 太陽光発電装置
6D-1 太陽光発電装置
6-m 太陽光発電装置
7-2 風力発電装置
7-3 風力発電装置
7-m 風力発電装置
8 支柱
9a サーバ装置
9b サーバ装置
11 インターネット
12 移動体パケット通信網
21 筐体
21 外筐体
22 筐体
22 内筐体
33 光源
34 スピーカ
35 プロジェクタ
36 マイクロホン
37 カメラ
41 通信制御装置
42 制御部
43 WiFi(登録商標)通信モジュール
44 パケット通信モジュール
45 蓄電装置
46 充電器
61a-1 太陽光発電パネル
61a-2 太陽光発電パネル
61a-3 太陽光発電パネル
61b-1 太陽光発電パネル
61b-2 太陽光発電パネル
61b-3 太陽光発電パネル
65C-1 底部
65D-1 底部
66C-1 太陽光発電パネル
67C-1 太陽光発電パネル
68C-1 太陽光発電パネル
69C-1 太陽光発電パネル
71-2 回転軸
72-2 ファン
72-3 ファン
73-2 発電機
81-1 枝部
81-2 枝部
81-3 枝部
82-1 支持部材
82-2 支持部材
82-3 支持部材
94 ハードディスク
95 通信インターフェース
96 制御プログラム
【要約】      (修正有)
【課題】野外に設置され、風力発電や太陽光圧電により蓄電池に蓄電された電力を使ってサービスを提供する装置を提供する。
【解決手段】筐体21と、筐体21内に配置される蓄電装置及び通信制御装置と、筐体21から上方に延伸する支柱8と、支柱8から分岐して外側に延伸する複数の枝部81-m(m=1~3)に支持される太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3と、太陽光発電装置6-m(m=1~3)及び風力発電装置7-2、7-3から、枝部81-m(m=1~3)及び支柱8を介して蓄電装置に至る電線と、通信制御装置から与えられる信号に従って駆動する被駆動手段であるLED光源33及びスピーカ34と、を具備し、通信制御装置は、蓄電装置に蓄電された電力のみにより、外部のサーバ装置との通信を確立して情報を受信し、この情報に基づいて、LED光源33及びスピーカ34の駆動態様を決定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7