(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】半導体光源およびその駆動回路
(51)【国際特許分類】
H01L 33/02 20100101AFI20240726BHJP
H01S 5/40 20060101ALI20240726BHJP
H01S 5/183 20060101ALI20240726BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240726BHJP
H01S 5/026 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
H01L33/02
H01S5/40
H01S5/183
G01S7/481 A
H01S5/026 650
(21)【出願番号】P 2023510464
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2021123693
(87)【国際公開番号】W WO2022213573
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】202110857072.8
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519028014
【氏名又は名称】常州縦慧芯光半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】VERTILITE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 FengXiang Road, WuJin High-tech Industrial Zone, Changzhou, Jiangsu, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁 棟
(72)【発明者】
【氏名】張 成
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-073585(JP,A)
【文献】特開2014-217126(JP,A)
【文献】特開2018-201009(JP,A)
【文献】国際公開第2009/102032(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/006312(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104465856(CN,A)
【文献】特開2012-209529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/46
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性層と、
それぞれ前記活性層の対向両側に位置する第1半導体層および第2半導体層と、
第1電極、第2電極および第3電極であって、前記第1電極が前記第1半導体層にオーミック接触し、前記第3電極が前記第2半導体層にオーミック接触し、前記第1電極と前記第2電極との間に第1誘電体層が設けられる第1電極、第2電極および第3電極と、
を備え、
第2誘電体層をさらに含み、
前記第1半導体層はP型半導体層で、前記第2半導体層はN型半導体層であり、または、前記第1半導体層はN型半導体層で、前記第2半導体層はP型半導体層であ
り、
前記第2誘電体層は、
前記第2電極が第1電極の前記第2半導体層に近い側に位置し、前記前記第2電極の前記第1電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成され、
或いは、前記第2電極が前記第1電極の前記第2半導体層から遠い側に位置し、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成されている、
半導体光源であって、
前記活性層が位置する平面における前記第2電極および前記第3電極の正投影は重ならない、
前記活性層が位置する平面における前記第2電極および前記第2半導体層の正投影は重ならない、
ことを特徴とする半導体光源。
【請求項2】
前記第1半導体層は、少なくとも2つの異なる材料の第1サブ半導体層を含み、
前記第2半導体層は、少なくとも2つの異なる材料の第2サブ半導体層を含む、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項3】
前記第1誘電体層の材料は、空気、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウムおよびポリマーの少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項4】
前記活性層が位置する平面における前記第1電極および前記第2電極の正投影は重なり、
前記第1誘電体層は、少なくとも2つの第1サブ誘電体層および少なくとも1つの第2サブ誘電体層を含み、前記第1サブ誘電体層は、前記活性層が位置する平面に平行であり、前記第2サブ誘電体層は、隣接する2つの前記第1サブ誘電体層の同じ側に位置し、且つ、前記隣接する2つの第1サブ誘電体層と連通し、
前記第1電極および前記第2電極は、それぞれ同一な前記第1サブ誘電体層の対向両側に位置し、且つ、同じ前記第2サブ誘電体層の対向両側に位置する、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項5】
前記活性層が位置する平面における前記第1電極および前記第2電極の正投影は重ならず、第1平面における前記第1電極および前記第2電極の正投影は重なり、前記第1平面は、前記活性層が位置する平面と交差し、
前記活性層が位置する平面における前記第1誘電体層の投影形状は、ジグザグ状または螺旋状を含み、
前記第1電極および前記第2電極は、それぞれ前記第1誘電体層の対向両側に位置する、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項6】
前記活性層が位置する平面に垂直な方向に沿って、前記半導体光源は複数の活性層を含み、隣接する2つの前記活性層の間は、トンネル接合により接続される、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項7】
前記半導体光源は、1つのエミッターを備え、或いは、
前記半導体光源は、複数のアレイ状に配列されたエミッターを備え、隣接する前記エミッターの間に、パッシベーション層および誘電体層が設けられ、前記誘電体層は、少なくとも前記第1誘電体層を含む、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項8】
前記半導体光源は、垂直共振器型面発光レーザであり、
前記第1半導体層は第1ブラッグ反射鏡を備え、前記第2半導体層は第2ブラッグ反射鏡を備え、或いは、
前記半導体光源は、発光ダイオード又は端面発光型レーザである、
請求項1に記載の半導体光源。
【請求項9】
下地を更に備え、前記第1半導体層は、前記第2半導体層の前記下地から遠い側に位置し、
前記半導体光源は、前記下地から前記活性層に向かう方向に沿ってビームを出射し、または、前記半導体光源は、前記活性層から前記下地に向かう方向に沿ってビームを出射する、
請求項
8に記載の半導体光源。
【請求項10】
前記半導体光源は発光ダイオードである場合、前記第1半導体層は前記発光ダイオードの出光側に位置し、前記第1半導体層の前記活性層から遠い側に透明電極が設けられ、前記透明電極は前記第1半導体層にオーミック接触し、前記第1電極は前記透明電極に接触する、
請求項
8に記載の半導体光源。
【請求項11】
活性層と、
それぞれ前記活性層の対向両側に位置する第1半導体層および第2半導体層と、
第1電極、第2電極および第3電極であって、前記第1電極が前記第1半導体層にオーミック接触し、前記第3電極が前記第2半導体層にオーミック接触し、前記第1電極と前記第2電極との間に第1誘電体層が設けられる第1電極、第2電極および第3電極と、
を備え、
前記第1半導体層はP型半導体層で、前記第2半導体層はN型半導体層であり、または、前記第1半導体層はN型半導体層で、前記第2半導体層はP型半導体層である、
半導体光源であって、
前記半導体光源は端面発光型レーザであり、前記半導体光源は、第2誘電体層をさらに含み、
前記第2電極は、前記第1電極の前記活性層に近い側に位置し、
前記第2電極と前記活性層との間には、積層設置された前記第2誘電体層および前記第1半導体層が含まれ、前記第1半導体層は、前記第2誘電体層の前記第2電極から遠い側に位置する、
ことを特徴とする半導体光源。
【請求項12】
活性層と、
それぞれ前記活性層の対向両側に位置する第1半導体層および第2半導体層と、
第1電極、第2電極および第3電極であって、前記第1電極が前記第1半導体層にオーミック接触し、前記第3電極が前記第2半導体層にオーミック接触し、前記第1電極と前記第2電極との間に第1誘電体層が設けられる第1電極、第2電極および第3電極と、
を備え、
第2誘電体層をさらに含み、
前記第1半導体層はP型半導体層で、前記第2半導体層はN型半導体層であり、または、前記第1半導体層はN型半導体層で、前記第2半導体層はP型半導体層であり、
前記第2誘電体層は、
前記第2電極が第1電極の前記第2半導体層に近い側に位置し、前記前記第2電極の前記第1電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成され、或いは、
前記第2電極が前記第1電極の前記第2半導体層から遠い側に位置し、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成されている、半導体光源であって、
前記第2電極が第1電極の前記第2半導体層に近い側に位置し、前記前記第2電極の前記第1電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられる場合、前記第2誘電体層は、第1誘電体支部、第2誘電体支部、第3誘電体支部および第4誘電体支部を含み、
前記活性層が位置する平面における前記第1電極および前記第1誘電体層の正投影は、いずれも前記活性層が位置する平面における前記第1誘電体支部の正投影と重なり、前記活性層が位置する平面における第1誘電体支部の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第2電極の正投影と重ならず、
前記活性層が位置する平面における前記第1電極、前記第1誘電体層および前記第2電極の正投影は、いずれも前記活性層が位置する平面における前記第2誘電体支部の正投影と重なり、
前記活性層が位置する平面における前記第2電極の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第3誘電体支部の正投影と重なり、前記活性層が位置する平面における前記第3誘電体支部の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第1電極および前記第1誘電体層の正投影といずれも重ならず、
前記活性層が位置する平面における前記第1誘電体層および前記第2電極の正投影は、いずれも前記活性層が位置する平面における前記第4誘電体支部の正投影と重なり、前記活性層が位置する平面における前記第4誘電体支部の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第1電極の正投影と重ならず、
前記活性層が位置する平面に垂直な方向に沿って、前記第1誘電体支部の厚さは、前記第2誘電体支部の厚さよりも大きく、前記第3誘電体支部の厚さは、前記第2誘電体支部の厚さ以上である、
ことを特徴とする半導体光源。
【請求項13】
活性層と、
それぞれ前記活性層の対向両側に位置する第1半導体層および第2半導体層と、
第1電極、第2電極および第3電極であって、前記第1電極が前記第1半導体層にオーミック接触し、前記第3電極が前記第2半導体層にオーミック接触し、前記第1電極と前記第2電極との間に第1誘電体層が設けられる第1電極、第2電極および第3電極と、
を備え、
第2誘電体層をさらに含み、
前記第1半導体層はP型半導体層で、前記第2半導体層はN型半導体層であり、または、前記第1半導体層はN型半導体層で、前記第2半導体層はP型半導体層であり、
前記第2誘電体層は、
前記第2電極が第1電極の前記第2半導体層に近い側に位置し、前記前記第2電極の前記第1電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成され、或いは、
前記第2電極が前記第1電極の前記第2半導体層から遠い側に位置し、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられるように構成されている、半導体光源であって、
前記第2電極が前記第1電極の前記第2半導体層から遠い側に位置し、前記第1電極の前記第2電極から遠い側に前記第2誘電体層が設けられる場合、前記第2誘電体層は、第5誘電体支部、第6誘電体支部および第7誘電体支部を含み、
前記活性層が位置する平面における前記第1電極の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第5誘電体支部の正投影と重なり、前記活性層が位置する平面における第5誘電体支部の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第1誘電体層および前記第2電極の正投影といずれも重ならず、
前記活性層が位置する平面における前記第1電極および前記第1誘電体層の正投影は、いずれも前記活性層が位置する平面における前記第6誘電体支部の正投影と重なり、前記活性層が位置する平面における前記第6誘電体支部の正投影は、前記活性層が位置する平面における前記第2電極の正投影と重ならず、
前記活性層が位置する平面における前記第1電極、前記第1誘電体層および前記第2電極の正投影は、いずれも前記活性層が位置する平面における前記第7誘電体支部の正投影と重なり、
前記活性層が位置する平面に垂直な方向に沿って、前記第7誘電体支部の厚さは、前記第6誘電体支部の厚さ以上である、
ことを特徴とする半導体光源。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか1項に記載の半導体光源を駆動するように構成され、第1電圧源、第2電圧源、充電抵抗、電界効果トランジスターおよび制御信号源を備える半導体光源の駆動回路であって、
前記第1電圧源の電圧は前記第2電圧源の電圧よりも大きく、
前記電界効果トランジスターの第1極は、前記半導体光源の第3電極に電気的に接続され、前記電界効果トランジスターの第2極は、前記半導体光源の第2電極と第1ノードに電気的に接続され、前記電界効果トランジスターのゲートは、前記制御信号源に電気的に接続され、前記第1極は前記電界効果トランジスターのドレインで、前記第2極は前記電界効果トランジスターのソースであり、または、前記第1極は前記電界効果トランジスターのソースで、前記第2極は前記電界効果トランジスターのドレインであり、
前記第1電圧源は、前記半導体光源における正電極に電気的に連結され、前記第2電圧源は、前記半導体光源における負電極に電気的に連結され、前記正電極は、前記半導体光源における前記P型半導体層にオーミック接触する電極であり、前記負電極は、前記半導体光源における前記N型半導体層にオーミック接触する電極であり、
前記充電抵抗は、前記第1電圧源、前記第1電極、前記第2電極および前記第2電圧源からなる回路に直列に接続される、
半導体光源の駆動回路。
【請求項15】
前記第1半導体層はP型半導体層であり、前記第1電極は前記正電極であり、前記第2半導体層はN型半導体層であり、前記第3電極は前記負電極であり、
前記充電抵抗の第1端は前記第1電圧源に電気的に接続され、前記充電抵抗の第2端は前記半導体光源の第1電極に電気的に接続され、前記第1ノードは前記第2電圧源に電気的に接続されている、
請求項
14に記載の駆動回路。
【請求項16】
前記第1半導体層はN型半導体層であり、前記第1電極は前記負電極であり、前記第2半導体層はP型半導体層であり、前記第3電極は前記正電極であり、
前記充電抵抗の第1端は前記第2電圧源に電気的に接続され、前記充電抵抗の第2端は前記半導体光源の第1電極に電気的に接続され、前記第1ノードは前記第1電圧源に電気的に接続されている、
請求項
14に記載の駆動回路。
【請求項17】
前記第1電圧源の電圧は0Vよりも大きく、前記第2電圧源は接地する、
請求項
14に記載の駆動回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年4月5日に米国専利局に提出された仮特許出願番号が63/171066である米国仮出願に対して優先権を主張するものであり、上記出願の全ての内容を引用により本願に援用する。
【0002】
本願は、2021年7月28日に中国専利局に提出された出願番号が202110857072.8である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、上記出願の全ての内容を引用により本願に援用する。
【0003】
本願の実施例は、半導体光源の技術分野に関し、例えば、半導体光源およびその駆動回路に関する。
【背景技術】
【0004】
飛行時間(Time of Flight、ToF)技術は、発射した光と受信した光との間の遅延を測定することにより、物体の位置および形状等の情報を取得するため、3D画像取得および3Dセンシング等の分野に広く適用される。
【0005】
直接飛行時間(Direct Time of Flight、dToF)方法を採用して半導体光源を駆動することは、短パルス、大電流、高パワー等の利点を有するため、レーザレーダー等の応用に広く適用される。
【0006】
通常のdToF駆動回路は、コンデンサを充放電する方法を採用し、半導体光源を駆動して光パルスを発生させることに使用される。dToF駆動回路にコンデンサおよび充電抵抗が配置され、且つ、コンデンサを充放電する方式で半導体光源を駆動する。関連技術におけるdToF駆動回路において、コンデンサと半導体光源とは基板の引き回しにより電気的に接続され、両者の間に直列インダクタンスが存在する。光パルス幅は直列インダクタンスの0.5乗に比例し、光パワーは光パルス幅に反比例するため、直列インダクタンスが大きいほど、光パルス幅は広くなり、光パワーは低くなる。従って、直列インダクタンスを低減することは、dToF駆動回路性能を向上させるキーとなる。
【0007】
直列インダクタンスを低減するために、多くのdToF駆動回路は、インダクタンスが低い基板を採用したり、半導体光源のワイヤボンディングの本数を増加したりする等のような最適化された半導体光源パッケージ方式を採用する。しかし、これらの直列インダクタンスを低減する方法の作用は非常に限られ、最適化された基板およびパッケージ方式を採用しても、実現可能な直列インダクタンスも0.5nH以上であり、dToF駆動回路の性能を制約する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願の実施例は、半導体光源およびその駆動回路を提供し、該半導体光源にコンデンサが集積され、半導体光源とコンデンサとの直列インダクタンスを低減し、短い光パルス幅および大きな光パワーを実現し、dToF駆動回路の設計を簡素化し、dToF駆動回路の性能を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
態様1において、本願の実施例は、
活性層と、
それぞれ活性層の対向両側に位置する第1半導体層および第2半導体層と、
第1電極、第2電極および第3電極であって、第1電極が第1半導体層にオーミック接触し、第3電極が第2半導体層にオーミック接触し、第1電極と第2電極との間に第1誘電体層が設けられる第1電極、第2電極および第3電極と、
を備える半導体光源であって、
第1半導体層はP型半導体層で、第2半導体層はN型半導体層であり、または、第1半導体層はN型半導体層で、第2半導体層はP型半導体層である、
半導体光源を提供する。
【0010】
態様2において、本願の実施例は、
態様1に記載の半導体光源を駆動するように構成され、第1電圧源、第2電圧源、充電抵抗、電界効果トランジスターおよび制御信号源を備える半導体光源の駆動回路であって、
第1電圧源の電圧は第2電圧源の電圧よりも大きく、
電界効果トランジスターの第1極は、半導体光源の第3電極に電気的に接続され、電界効果トランジスターの第2極は、半導体光源の第2電極と第1ノードに電気的に接続され、電界効果トランジスターのゲートは、制御信号源に電気的に接続され、第1極は電界効果トランジスターのドレインで、第2極は電界効果トランジスターのソースであり、または、第1極は電界効果トランジスターのソースで、第2極は電界効果トランジスターのドレインであり、
第1電圧源は、半導体光源における正電極に電気的に連結され、第2電圧源は、半導体光源における負電極に電気的に連結され、正電極は、半導体光源におけるP型半導体層にオーミック接触する電極であり、負電極は、半導体光源におけるN型半導体層にオーミック接触する電極であり、
充電抵抗は、第1電圧源、第1電極、第2電極および第2電圧源からなる回路に直列に接続される、
半導体光源の駆動回路を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】関連技術における半導体光源の駆動回路の模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図3】
図2に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図4】本願の実施例に係る別の半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図6】
図5におけるQ領域に対応する半導体光源の部分的な3次元構造の模式図である。
【
図7】
図6におけるBB’に沿って切断した半導体光源の内部構造の模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図9】
図8に対応する半導体光源の部分的構成の平面模式図である。
【
図10】別の
図8に対応する半導体光源の部分的構成の平面模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図12】
図11に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る更なる半導体光源の
断面構造の模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図15】
図14に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図16】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図17】
図16に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図18】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図19】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図20】
図19に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図21】本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図である。
【
図22】
図21に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
【
図23】本願の実施例に係る半導体光源の駆動回路の構造模式図である。
【
図24】本願の実施例に係る別の半導体光源の駆動回路の構造模式図である。
【
図25】駆動回路のコンデンサの充電段階過程の模式図である。
【
図26】駆動回路のコンデンサの放電段階過程の模式図である。
【
図27】
図1に示す関連技術における駆動回路内の電流パルスの模式図である。
【
図28】本願の実施例に係る駆動回路内の電流パルスの模式図である。
【符号の説明】
【0012】
100 半導体光源
10 活性層
21 第1半導体層
22 第2半導体層
31 第1電極
32 第2電極
33 第3電極
41 第1誘電体層
411 第1サブ誘電体層
412 第2サブ誘電体層
42 第2誘電体層
421 第1誘電体支部
422 第2誘電体支部
423 第3誘電体支部
424 第4誘電体支部
425 第5誘電体支部
426 第6誘電体支部
427 第7誘電体支部
50 下地
60 リング電極
70 酸化層
80 パッシベーション層
90 透明電極
101 エミッター
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願について更に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではないことが理解できる。なお、説明の便宜上、図面には、全ての構造ではなく、本願に関連する部分のみが示され、且つ、図面における各構造の形状および大きさは、実際の比率を反映せず、本願の内容を模式的に説明するためのものに過ぎない。下記「第1」および「第2」は、実質的な意味がなく、区別を容易にするためのものに過ぎない。
【0014】
好ましくは、本願の実施例に係る半導体光源は、例えば、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser、VCSEL)、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)、または端面発光型レーザ(Edge Emitting Laser Diodes、EELD)であってもよく、本願の実施例は、半導体光源のタイプについて特に限定しない。
【0015】
図1は、関連技術における半導体光源の駆動回路の模式図であり、半導体光源がLEDであることを例として示す。
図1に示すように、従来のLEDは、通常、正電極および負電極という2つの電極を備える。該駆動回路は、コンデンサCと充電抵抗Rとを備えるdToF駆動回路であってもよく、ここで、コンデンサCとLEDとは並列に接続され、コンデンサを充放電する方式でLEDを駆動して光パルスを発生させる。コンデンサCおよびLEDは、いずれも回路の基板に設けられ、両者は、引き回しにより電気的に接続されているため、コンデンサCとLEDとの間に直列インダクタンスL(直列インダクタンスは、ワイヤボンディング(wire bonding)、基板(submount)、回路基板の引き回し等に由来する)が存在することが理解できる。上記のように、直列インダクタンスは、光パルス幅および光パワーに影響を与え、直列インダクタンスが大きいほど、光パルス幅は広くなり、光パワーは低くなり、更にdToF駆動回路の性能は悪くなる。
【0016】
本願の実施例は、半導体光源を提供し、該半導体光源は、活性層、第1半導体層、第2半導体層、第1電極、第2電極および第3電極を備え、第1半導体層および第2半導体層は、それぞれ活性層の対向両側に位置し、第1電極は、第1半導体層にオーミック接触し、第3電極は、第2半導体層にオーミック接触し、第1電極と第2電極との間に第1誘電体層が設けられ、ここで、第1半導体層はP型半導体層で、第2半導体層はN型半導体層であり、または、第1半導体層はN型半導体層で、第2半導体層はP型半導体層である。
【0017】
以上の技術案を採用することにより、半導体光源における第1電極、第1誘電体層および第2電極でコンデンサを構成することができ、コンデンサを半導体光源内に集積し、コンデンサを半導体光源に非常に接近させて半導体光源に良好に電気的接触し、両者の間の直列インダクタンスをできるだけ小さくすることができ、短い光パルス幅および大きな光パワーを実現し、dToF駆動回路の性能を向上させ、更に、以上の形態を採用することにより、従来のdToF駆動回路におけるコンデンサを省略し、回路設計を簡素化することもできる。
【0018】
図2は、本願の実施例に係る半導体光源の断面構造の模式図であり、
図3は、
図2に対応する半導体光源の平面構造の模式図である。
図2を参照し、半導体光源100は、活性層10、第1半導体層21、第2半導体層22、第1電極31、第2電極32および第3電極33を備え、第1半導体層21と第2半導体層22とは、それぞれ活性層10の対向両側に位置し、第1電極31は、第1半導体層21にオーミック接触し、第3電極33は、第2半導体層22にオーミック接触し、第1電極31と第2電極32との間に第1誘電体層41が設けられ、ここで、第1半導体層21はP型半導体層で、第2半導体層22はN型半導体層であり、または、第1半導体層21はN型半導体層で、第2半導体層22はP型半導体層である。
【0019】
図2に示すように、下地50には、第2半導体層22、活性層10および第1半導体層21が順に積層設置されている。第2半導体層22は、N型半導体層またはP型半導体層であってもよく、言い換えれば、下地50に近い側の半導体層は、N型半導体層またはP型半導体層であってもよく、それに対応し、下地50から遠い側の半導体層は、P型半導体層またはN型半導体層であってもよく、本願の実施例は、これについて特に限定しない。
【0020】
ここで、第1電極31および第3電極33は、いずれも半導体光源100の正電極または負電極であってもよい。P型半導体層の多くのキャリアが正孔であるため、P型半導体層にオーミック接触する電極は正電極であり、一方、N型半導体層の多くのキャリアが電子であるため、N型半導体層にオーミック接触する電極は負電極であり、第1半導体層21および第2半導体層22のドープタイプに基づき、第1電極31および第3電極33の極性を確定することができることが理解できる。例示的には、第1半導体層21がP型半導体層で、第2半導体層22がN型半導体層である場合、第1電極31は正電極で、第3電極33は負電極であり、第1半導体層21がN型半導体層で、第2半導体層22がP型半導体層である場合、第1電極31は負電極で、第3電極33は正電極である。
【0021】
例示的には、第1電極31と第2電極32との間に第1誘電体層41が設けられるため、活性層10が位置する平面における第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32の正投影の重なっている部分は、コンデンサを構成することができ、第1電極31および第2電極32は、それぞれコンデンサの2つのコンデンサ極板であり、コンデンサと半導体光源とは、第1電極31を共用する。このように、第2電極32を増設し、第1電極31と第2電極32との間に第1誘電体層41を設けることにより、コンデンサを半導体光源内に集積し、半導体光源とコンデンサとの距離を短縮し、両者を良好に電気的接触させ、半導体光源とコンデンサとの直列インダクタンスを低減することができ、更に、短い光パルス幅および大きな光パワーを実現し、dToF駆動回路の性能を向上させることができる。更に、コンデンサが半導体光源に集積されるため、本願の実施例の形態を採用することにより、従来のdToF駆動回路におけるコンデンサを省略し、dToF駆動回路の設計を簡素化することもできる。
【0022】
コンデンサの大きさは、第1電極31と第2電極32との正対面積、第1電極31と第2電極32との相対距離、および第1誘電体層41の誘電率等の要因に関連し、当業者は、実際の状況に応じて自ら設計することができ、ここでは説明を省略することが理解できる。好ましくは、第1誘電体層41の材料は、空気、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、およびポリマーの少なくとも一方を含み、且つ、上記材料に限定されない。例示的には、第1電極、第2電極、および第3電極は、導電性が良好な金属材料(金、銅等を含んでもよいが、これらに限定されない)を堆積することで形成され得る。
【0023】
なお、
図2および後続の図面において、いずれも半導体光源が1つの活性層(活性領域)を有することを例として示すが、該構造に限定されず、他の実施例において、好ましくは、活性層10が位置する平面に垂直な方向に沿って、半導体光源100は複数の活性層10を備え、隣接する2つの活性層10の間は、トンネル接合により接続され、多接合型半導体光源を形成し、半導体光源のパワーを上昇させる。
【0024】
本願の実施例に係る半導体光源は、第2電極を増設し、第1電極と第2電極との間に第1誘電体層を設けることにより、第1電極、第1誘電体層および第2電極でコンデンサを形成し、コンデンサを半導体光源内に集積し、半導体光源とコンデンサとの距離を短縮し、両者を良好に電気的接触させ、半導体光源とコンデンサとの直列インダクタンスを低減することができ、更に、短い光パルス幅および大きな光パワーを実現し、dToF駆動回路の設計を簡素化し、dToF駆動回路の性能を向上させることができる。
【0025】
以下、第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32でコンデンサを形成するために、2種の異なる形態を提供する。
【0026】
1つの実行可能な形態として、
図2を参照し、好ましくは、活性層10が位置する平面における第1電極31および第2電極32の正投影は重なっている。このように、第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32は、半導体光源のエピタキシャル成長に平行な方向にコンデンサを形成することができる。この場合、好ましくは、第2電極32は第1電極31の第2半導体層22に近い側に位置し(
図2に示すように)、または、
図4を参照し、
図4は、本願の実施例に係る別の半導体光源の断面構造の模式図であり、好ましくは、第2電極32は第1電極31の第2半導体層22から遠い側に位置する。
【0027】
図5は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図5を参照し、好ましくは、第1誘電体層41は、少なくとも2つの第1サブ誘電体層411および少なくとも1つの第2サブ誘電体層412を含み、第1サブ誘電体層411は、活性層10が位置する平面に平行であり、第2サブ誘電体層412は、隣接する2つの第1サブ誘電体層411の同じ側に位置し、且つ、該隣接する2つの第1サブ誘電体層411と連通し、第1電極31および第2電極32は、それぞれ同じ第1サブ誘電体層411の対向両側に位置し、且つ、同じ第2サブ誘電体層412の対向両側に位置する。
【0028】
例示的には、
図5に示すように、第1誘電体層41は、2つの第1サブ誘電体層411および1つの第2サブ誘電体層412を含み、第1サブ誘電体層411は、活性層10が位置する平面に平行であり、第2サブ誘電体層412は、隣接する2つの第1サブ誘電体層411の同じ側に位置し、且つ、該隣接する2つの第1サブ誘電体層411と連通し、このように、コンデンサの等価面積を増加させ、コンデンサ容量を引き上げる効果を達成することができる。
【0029】
例示的には、
図6は、
図5におけるQ領域に対応する半導体光源の部分的な3次元構造の模式図であり、
図5におけるQ領域の構造は、
図6におけるAA’に沿って切り出した断面構造であってもよく、区別を容易にするために、
図6において、第2電極32は他の充填方式を採用する。
図7は、
図6におけるBB’に沿って切断した半導体光源の内部構造の模式図であり、
図5および
図7からわかるように、第2電極32は第1誘電体層41を覆い、第1誘電体層41は第1電極31を覆い、これにより、コンデンサの等価面積を増加させ、コンデンサ容量を引き上げることができる。
【0030】
なお、
図5に示す構造は、例示的なものに過ぎず、それに限定されるものではなく、他の実施例において、第1誘電体層41は、より多くの第1サブ誘電体層411および第2サブ誘電体層412を含んでもよい。第2サブ誘電体層412の数は、第1サブ誘電体層411の数よりも1つ少なく、且つ、(i-1)個目の第1サブ誘電体層411とi個目の第1サブ誘電体層411とを接続する第2サブ誘電体層412、およびi個目の第1サブ誘電体層411と(i+1)個目の第1サブ誘電体層411とを接続する第2サブ誘電体層412は、対向する両側に位置し、iは2以上の整数であることが理解できる。
【0031】
更なる実行可能な形態として、
図8は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図8を参照し、好ましくは、活性層10が位置する平面における第1電極31および第2電極32の正投影は重ならず、第1平面における正投影は重なり、第1平面は、活性層10が位置する平面と交差する。
【0032】
ここで、第1平面は、
図8に示す断面とも活性層10が位置する平面とも交差する平面を指してもよい。
図8から見られるように、本願の実施例は、活性層10が位置する平面における第1電極31および第2電極32の正投影が重ならず、第1平面における第1電極31および第2電極32の正投影が重なるように設定することにより、第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32は、半導体光源のエピタキシャル成長に垂直な方向にコンデンサを形成することができる。
【0033】
図9は、
図8に対応する半導体光源の部分的構成の平面模式図であり、
図10は、別の
図8に対応する半導体光源の部分的構成の平面模式図であり、第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32の2種の平面構造を示し、
図9および
図10を参照し、好ましくは、活性層10が位置する平面における第1誘電体層41の投影の形状は、ジグザグ状(
図9に示すように)または螺旋状(
図10に示すように)を含み、第1電極31および第2電極32は、それぞれ第1誘電体層41の対向両側に位置する。上記と同様に、
図9および
図10の方式を採用することにより、第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32は互いに絡み合い、コンデンサの等価面積を増加し、コンデンサ容量を上げることができる。
【0034】
図2を参照し、第2電極32が第1電極31の第2半導体層22に近い側に位置する場合、好ましくは、第2電極32の第1電極31から遠い側に第2誘電体層42が設けられている。
【0035】
本実施例は、第2電極32を第1電極31の第2半導体層22に近い側に設けることにより、半導体光源100全体の厚さを増加すること回避でき、例示的には、第2電極32の前記第1電極31から遠い側に第2誘電体層42を設けることにより、第2電極32と、第1半導体層21、活性層10および第2半導体層22等の構造との間が絶縁状態であることを確保し、半導体光源100の正常な動作を確保することができる。また、第2誘電体層42を用いて第1誘電体層41および第2電極32を高くし、半導体光源の歩留りを改善し、半導体光源と外部駆動回路との電気的接続方式を改良する等のような効果を達成することもでき、後で具体的な実施例を参照しながらこれについて詳細に説明するため、ここでは説明を省略する。
【0036】
もちろん、この構造は、限定されるものではない。
図4を参照し、上記のように、活性層10が位置する平面における第1電極31および第2電極32の正投影が重なっている場合、第2電極32が第1電極31の第2半導体層22から遠い側に位置するように設定しもよく、この場合、好ましくは、第1電極31の第2電極32から遠い側に第2誘電体層42が設けられる。同様に、第1電極31の第2電極32から遠い側に第2誘電体層42を設けることにより、第1電極31と第2半導体層22との間が絶縁状態であることを確保し、半導体光源100の正常な動作を確保することができる。また、半導体光源100の厚さを小さくするために、
図4を参照して第1電極31に対応する一部の活性層10および第1半導体層21をエッチングで除去してもよい。
【0037】
以下、異なるタイプの半導体光源により、半導体光源の構造について詳細に説明する。
【0038】
1つの好ましい形態として、半導体光源は、例えば、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)であってもよい。
図2および
図3を参照し、好ましくは、半導体光源100は垂直共振器型面発光レーザであり、第1半導体層21は第1ブラッグ反射鏡を備え、第2半導体層22は第2ブラッグ反射鏡を備える。
【0039】
VCSELの場合、第1半導体層21および第2半導体層22はブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector、DBR、分布ブラッグ反射鏡とも呼ばれる)であってもよい。ここで、第1半導体層21は上部ブラッグ反射鏡を指してもよく、第2半導体層22は下部ブラッグ反射鏡を指してもよく、上部ブラッグ反射鏡、活性層10および下部ブラッグ反射鏡で共振器を形成し、レーザのエネルギーを高める。例示的には、上部ブラッグ反射鏡はP型であってもよく、下部ブラッグ反射鏡はN型であってもよく、または、上部ブラッグ反射鏡はN型であってもよく、下部ブラッグ反射鏡はP型であってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0040】
半導体光源がVCSELである場合、第1半導体層21は、少なくとも2つの異なる材料の第1サブ半導体層を含んでもよく、第2半導体層22は、少なくとも2つの異なる材料の第2サブ半導体層(図示せず)を含んでもよい。例えば、第1半導体層21および第2半導体層22は、いずれも複数ペアの高屈折率材料と低屈折率材料とを周期的に積層設置することにより形成でき、その材料系および構造は、ここで限定しない。
【0041】
好ましくは、
図2および
図3に示すように、半導体光源は、複数のアレイ状に配列された
エミッター101を含んでもよく、隣接する
エミッター101の間にパッシベーション層80および誘電体層が設けられ、誘電体層は、少なくとも第1誘電体層41を含む。
【0042】
例示的には、
図2において、隣接する
エミッター101の間は、パッシベーション層80、第1誘電体層41および第2誘電体層42によって隔てられている。例示的には、調製時に、複数の
エミッター101を形成するために、第1半導体層21、活性層10および第2半導体層22をエッチング処理して溝を形成する必要があり、ブラッグ反射鏡の材料は、通常、アルミニウム(Aluminium、Al)成分を含むため、エッチング後のAlが酸化されて酸化層70を形成し、
図1における酸化層70は、Al含有量が最も高い膜層で形成された酸化層のみを表し、該酸化層70は、
エミッター101に光学的、電気的な制約を与えることができ、また、エミッター101の
酸化孔(oxidation aperture (OA))の孔径を限定することができる。Alの酸化を防止するために、溝の内壁に、窒化ケイ素のようなパッシベーション層80を形成することができる。本実施例において、パッシベーション層80を形成した後、第2誘電体層42、第2電極32、第1誘電体層41、および第1電極31を順に調製
(例えば、堆積(deposition))することができ、この場合、各
エミッター101を隔てるために、溝を第1誘電体層41および第2誘電体層42等の構造で充填することができる。
【0043】
もちろん、該構造は、限定されるものではなく、他の実施例において、半導体光源(例えば、VCSEL)は、1つのエミッターのみを含んでもよい。当業者は、必要に応じて設定することができ、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0044】
好ましくは、
図2に示すように、半導体光源は下地50を更に備え、第1半導体層21は、第2半導体層22の下地50から遠い側に位置し、VCSELの場合、半導体光源は、下地50から活性層10に向かう方向に沿ってビームを出射してもよいし、半導体光源は、活性層10から下地50に向かう方向に沿ってビームを出射してもよい。即ち、VCSELは、表面(下地50から遠い側)からレーザを発射してもよいし、裏面(下地50に近い側)からレーザを発射してもよい。出光方向によって、第1電極31および第3電極33は、異なる適応的な配置を行うことができる。
図2および
図3に示すように、VCSELは表面からレーザを出射し、第1電極31は発光孔の周囲に堆積し、
酸化孔を露出させる。第3電極33は、全面電極であってもよい。
【0045】
なお、
図2において、第1電極31は、リング電極(オーミック金属)60により第1半導体層21にオーミック接触することができ、ここで、リング電極60の調製は、第1半導体層21を調製した後、第1半導体層21等の構造をエッチングする前にあり、リング電極60の内径は、酸化層70の内径よりも大きくなってもよく、パッシベーション層80に孔を開けることにより、第1電極31とリング電極60とを接触させ、更に第1半導体層21とのオーミック接触を実現する。該構造は、限定されるものではなく、他の実施例において、第1電極31を第1半導体層21に直接オーミック接触し、即ち、リング電極60を調製しなくてもよい。
【0046】
なお、
図2は、第3電極33が下地50の第2半導体層22から遠い側に位置することを例として示し、この場合、電流の閉ループを実現するために、下地50が導電特性を備える必要がある。この構造は、限定されるものではない。例示的には、
図11は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図12は、
図11に対応する半導体光源の平面構造の模式図であり、
図11および
図12を参照し、VCSELが表面からレーザを出射する際、第3電極33は、第2半導体層22の下地50から遠い側に位置してもよく、この場合、活性層10が位置する平面における第2電極32および第3電極33の正投影は重ならず、下地50は絶縁性または半絶縁性下地であってもよく、パッシベーション層80に孔を開けることにより、第3電極33を第2半導体層22にオーミック接触させる。他の実施例において、第3電極33と前記オーミック接触層とのオーミック接触を実現するために、オーミック接触層(図示しないが、
図2におけるオーミック金属60の設計を参照できる)を備えてもよく、ここで、前記オーミック接触層は、第2半導体層22内に設けられてもよいし、第2半導体層22と下地50との間に設けられてもよく、実際の必要に応じて設計する。
【0047】
図13は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図13を参照し、活性層10が位置する平面における第2電極32および第3電極33の正投影が重ならない場合、好ましくは、活性層10が位置する平面における第2電極32および第2半導体層22の正投影は重ならない。第3電極33が第2半導体層22に設けられて導電効果を有するため、このように設定することにより、第2電極32、第2誘電体層42および第2半導体層22でコンデンサ構造を形成することを回避でき、半導体光源100を外部回路に接続する際、該コンデンサの発生による回路性能への影響を回避することができる。例示的には、活性層10が位置する平面における第2電極32および第2半導体層22の正投影が重ならないように、
図13を参照して少なくとも第2電極32に対応する一部の第2半導体層22をエッチングで除去してもよい。
【0048】
図14は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図15は、
図14に対応する半導体光源の平面構造の模式図であり、
図14および
図15に示すように、VCSELは、裏面からレーザを出射することもでき、第3電極33が下地50の第2半導体層22から遠い側に位置するため、第3電極33は出光孔の周囲に堆積し、
酸化孔を露出させ、且つ、下地50は導電下地50である必要がある。第1電極31は全面電極であってもよく、全ての
エミッター101を覆い、パッシベーション層80に孔を開けることにより、第1電極31を第1半導体層21にオーミック接触させる。
【0049】
上記と同様に、この構造は、限定されるものではない、他の実施例において、
図16および
図17を参照し、
図16は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図17は、
図16に対応する半導体光源の平面構造の模式図であり、VCSELが裏面からレーザを出射する際、第3電極33は、第2半導体層22の下地50から遠い側に設けられてもよく、この場合、下地50は絶縁性または半絶縁性下地であってもよく、パッシベーション層80に孔を開けることにより、第3電極33を第2半導体層22にオーミック接触させる。
【0050】
図18は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図18を参照し、本実施例において、活性層10が位置する平面における第2電極32および第3電極33の正投影は重ならず、この場合、好ましくは、活性層10が位置する平面における第2電極32および第2半導体層22の正投影は重ならず、第2電極32、第2誘電体層42および第2半導体層22でコンデンサ構造を形成することを回避し、該コンデンサの発生による回路性能への影響を回避する。
【0051】
なお、ここで、第3電極33が第2半導体層22の下地50から遠い側に位置する場合、活性層10が位置する平面における第2電極32および第2半導体層22の正投影が重ならないように設定することのみを例として例示的に説明する。図18を参照し、第3電極33が下地50の第2半導体層22から遠い側に位置する場合、活性層10が位置する平面における第2電極32、第2半導体層22および第3電極33の正投影が重ならないようにし、第2電極32および第2半導体層22/第3電極33でコンデンサを形成することを回避するために、少なくとも第2電極32に対応する一部の第3電極33および第2半導体層22をエッチングで除去してもよい。
【0052】
なお、ここで、活性層10が位置する平面における第2電極32、第3電極33および第2半導体層22の正投影が重ならないように設定し、半導体光源がVCSELであることのみを例として例示的に説明する。後続の実施例において、半導体光源100は、発光ダイオードまたは端面発光型レーザであってもよく、このような半導体光源の場合、同様に、活性層10が位置する平面における第2電極32、第3電極33および第2半導体層22の正投影が重ならないように設定してもよく、以下では説明を省略する。
【0053】
更なる好ましい形態として、半導体光源は、例えば、発光ダイオード(LED)であってもよい。
図19は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図20は、
図19に対応する半導体光源の平面構造の模式図であり、
図19および
図20を参照し、好ましくは、半導体光源100は発光ダイオードであり、第1半導体層21は発光ダイオードの出光側に位置し、第1半導体層21の活性層10から遠い側に透明電極90が設けられ、透明電極90は第1半導体層21にオーミック接触し、第1電極31は透明電極90に接触する。
【0054】
発光ダイオードの場合、活性層10は発光層を指してもよく、第1半導体層21は、少なくとも2つの異なる材料の第1サブ半導体層を含んでもよく、第2半導体層22は、少なくとも2つの異なる材料の第2サブ半導体層(図示せず)を含んでもよい。例示的には、第1半導体層21がP型半導体層で、第2半導体層22がN型半導体層である場合、第1半導体層21は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、および電子ブロック層等の膜層を含んでもよく、第2半導体層22は、例えば、電子注入層、電子輸送層、および正孔ブロック層等の膜層を含んでもよい。
【0055】
図19に示すように、第1半導体層21は発光ダイオードの出光側に位置し、第1半導体層21がP型半導体層である場合、第1電極31は正極(陽極)であり、発光ダイオードから発された光は、陽極から出射され、第1半導体層21がN型半導体層である場合、第1電極31は負極(陰極)であり、発光ダイオードから発された光は、陰極から出射される。第1電極31が非透光性であるため、第1半導体層21の活性層10から遠い側に、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide 、ITO)等の透明導電材料のような透明電極90を設ける必要があり、第1電極31は、透明電極90に接触することにより、第1半導体層21とのオーミック接触を実現する。
【0056】
なお、
図19は、第3電極33が第2半導体層22の下地50から遠い側に位置することのみを例として示し、該構造は、限定されるものではなく、他の実施例において、導電下地50を選択して第3電極33を下地50の第2半導体層22から遠い側に位置させてもよい。
【0057】
なお、
図19は、半導体光源(例えば、発光ダイオード)が1つの
エミッターを含むことのみを例として示し、他の実施例において、
図2に示すように、半導体光源が複数のアレイ状に配列された
エミッターを含むように設定され、且つ、複数の
エミッターを隔てるために、隣接する
エミッターの間にパッシベーション層および誘電体層(誘電体層は、少なくとも第1誘電体層を含む)を設けることができ、具体的には、上述を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0058】
更なる好ましい形態として、半導体光源は、例えば、端面発光型レーザ(EELD)であってもよい。
図21は、本願の実施例に係る更なる半導体光源の断面構造の模式図であり、
図22は、
図21に対応する半導体光源の平面構造の模式図であり、
図21および
図22を参照し、好ましくは、半導体光源100は端面発光型レーザであり、第2電極32は第1電極31の活性層10に近い側に位置し、第2電極32と活性層10との間に、積層設置された第2誘電体層42および第1半導体層21が含まれ、第1半導体層21は、第2誘電体層42の第2電極32から遠い側に位置する。
【0059】
半導体光源が端面発光型レーザである場合、第1半導体層21は、少なくとも2つの異なる材料の第1サブ半導体層を含んでもよく、第2半導体層22は、少なくとも2つの異なる材料の第2サブ半導体層(図示せず)を含んでもよい。例えば、第1半導体層21は、少なくとも2層がIII-V族半導体材料で構成される膜層を含んでもよく、第2半導体層22は、少なくとも2層がIII-V族半導体材料で構成される膜層等を含んでもよい。ここで、III-V族半導体材料は、GaAs、AlGaAs、InGaAs、AlAs、InAs、InP、GaAsP、InGaP、GaP、AlAsP、AlP、GaN、AlGaN、AlN、InAlN、およびInGaNを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0060】
図22に示すように、端面発光型レーザは、デバイスのエッジからレーザを出射する。
図21に示すように、第2電極32が第1電極31の活性層10に近い側に位置する場合、第1半導体層21をエッチング処理することができ、且つ、第2電極32と第1半導体層21とを絶縁するために、第1半導体層21と第2電極32との間に第2誘電体層42を設ける。
【0061】
なお、
図21は、半導体光源(例えば、端面発光型レーザ)が1つの
エミッターを含むことのみを例として示し、他の実施例において、
図2に示すように、半導体光源が複数のアレイ状に配列された
エミッターを含むように設定され、且つ、複数の
エミッターを隔てるために、隣接する
エミッターの間にパッシベーション層および誘電体層(誘電体層は、少なくとも第1誘電体層を含む)を設けることができ、具体的には、上述を参照することができ、ここでは説明を省略する。端面発光型レーザがデバイスのエッジからレーザを出射するため、端面発光型レーザが複数のアレイ状に配列された
エミッターを含む場合、好ましくは、複数の
エミッターが1×m式のアレイ状に配列される(mは2以上の整数である)。
【0062】
以上をまとめ、上記実施例は、それぞれ半導体光源が垂直共振器型面発光レーザ、発光ダイオードおよび端面発光型レーザであることを例とし、様々なタイプのデバイスの構造について詳細に説明した。当業者は、実際の状況に応じて様々なタイプの半導体光源の構造を設計することができ、本願の実施例の形態により得られたコンデンサを集積した半導体光源の形態であれば、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【0063】
上記実施例の基に、以下、第2誘電体層42の構造について詳細に説明する。例示的には、
図2または
図14を参照し、第2電極32が第1電極31の第2半導体層22に近い側に位置し、第2誘電体層42が第2電極32の第1電極31から遠い側に設けられている場合、好ましくは、第2誘電体層42は、第1誘電体支部421、第2誘電体支部422、第3誘電体支部423、および第4誘電体支部424を含み、活性層10が位置する平面における第1電極31および第1誘電体層41の正投影は、いずれも活性層10が位置する平面における第1誘電体支部421の正投影と重なり、活性層10が位置する平面における第1誘電体支部421の正投影は、活性層10が位置する平面における第2電極32の正投影と重ならない。活性層10が位置する平面における第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32の正投影は、いずれも活性層10が位置する平面における第2誘電体支部422の正投影と重なっている。活性層10が位置する平面における第2電極32の正投影は、活性層10が位置する平面における第3誘電体支部423の正投影と重なり、活性層10が位置する平面における第3誘電体支部423の正投影は、活性層10が位置する平面における第1電極31および第1誘電体層41の正投影といずれも重ならない。活性層10が位置する平面における第1誘電体層41および第2電極32の正投影は、いずれも活性層10が位置する平面における第4誘電体支部424の正投影と重なり、活性層10が位置する平面における第4誘電体支部424の正投影は、活性層10が位置する平面における第1電極31の正投影と重ならない。活性層10が位置する平面に垂直な方向に沿って、第1誘電体支部421の厚さは第2誘電体支部422の厚さよりも大きく、第3誘電体支部423の厚さは第2誘電体支部422の厚さ以上である。
図2は、第3誘電体支部423の厚さが第2誘電体支部422の厚さに等しいことを例として示し、
図14は、第3誘電体支部423の厚さが第2誘電体支部422の厚さよりも大きいことを例として示す。
【0064】
本実施例において、第2誘電体層42と、第1電極31、第2電極32および第1誘電体層41との重なり状況に従い、第2誘電体層42を、第1誘電体支部421、第2誘電体支部422、第3誘電体支部423および第4誘電体支部424という4つの部分に分け、ここで、第2誘電体支部422と第4誘電体支部424の厚さは等しくなってもよく、第1誘電体支部421、第2誘電体支部422および第3誘電体支部423は、異なる厚さを有してもよく、上記半導体光源の歩留りを改善し、半導体光源と外部駆動回路との電気的接続方式を改良する等の効果を実現する。
【0065】
図14を例とし、第1誘電体支部421および第3誘電体支部423の厚さを第2誘電体支部422の厚さよりも大きくすることにより、部分的な第1電極31および第2電極32を高くすることができ、第1電極31と第2電極32の上面が面一になり、これにより、貼り付けの方式で第1電極31および第2電極32を外部駆動回路に電気的に接続させることができ、第1電極31および第2電極32に金ワイヤをボンディングする必要がなく、半導体光源と外部駆動回路との電気的接続方式を簡素化する。また、
図14において、VCSELが裏面からレーザを出射し、且つ、第3電極33が出光側に位置するため、第3電極33は、金ワイヤをボンディングする方式で外部駆動回路に電気的に接続することができる。
【0066】
もちろん、他の実施例において、第1誘電体支部421の厚さを第2誘電体支部422の厚さよりも大きく設定してもよく、例えば、
図2に示すように、これにより、第1誘電体支部421は、第1電極31に十分な支持力を提供し、第1電極31に金ワイヤをボンディングする際にデバイス品質に影響を及ぼすことを回避し、半導体光源の歩留りを改善することができる。
【0067】
また、
図4を参照し、第2電極32が第1電極31の第2半導体層22から遠い側に位置し、第2誘電体層42が第1電極31の第2電極32から遠い側に設けられている場合、好ましくは、第2誘電体層42は、第5誘電体支部425、第6誘電体支部426および第7誘電体支部427を含む。活性層10が位置する平面における第1電極31の正投影は、活性層10が位置する平面における第5誘電体支部425の正投影と重なり、活性層10が位置する平面における第5誘電体支部425の正投影は、活性層10が位置する平面における第1誘電体層41および第2電極32の正投影といずれも重ならない。活性層10が位置する平面における第1電極31および第1誘電体層41の正投影は、いずれも活性層10が位置する平面における第6誘電体支部426の正投影と重なり、活性層10が位置する平面における第6誘電体支部426の正投影は、活性層10が位置する平面における第2電極32の正投影と重ならない。活性層10が位置する平面における第1電極31、第1誘電体層41および第2電極32の正投影は、いずれも活性層10が位置する平面における第7誘電体支部427の正投影と重なっている。活性層10が位置する平面に垂直な方向に沿って、第7誘電体支部427の厚さは第6誘電体支部426の厚さ以上である。
【0068】
この設計思想は
図2/
図14の設計思想と同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、
図4は、第7誘電体支部427の厚さが第6誘電体支部426の厚さに等しいことのみを例として示し、他の実施例において、好ましくは、第7誘電体支部427の厚さは第6誘電体支部426の厚さよりも大きく、第2電極32と第1電極31との上面が面一にならない場合、厚さがより大きな第7誘電体支部427で第2電極32を高くし、第2電極32と第1電極31との上面を面一にし、ワイヤボンディングプロセスを省略する。
【0069】
図2~
図20の他の図面において、第2誘電体層42の設計思想は、いずれもこれと同じであるため、ここでは説明を省略し、
図2、
図4および
図14のみを例として説明する。
【0070】
本願の実施例は、半導体光源の駆動回路を更に提供し、上記いずれかの実施例に係る半導体光源100を駆動するように構成され、該駆動回路は、従来のdToF駆動回路に基づいて改良され、コンデンサが半導体光源に集積されるため、コンデンサと半導体光源との間の直列インダクタンスは大きく低下し、駆動回路の性能を向上させることができ、更に、従来の駆動回路におけるコンデンサを省略し、回路設計を簡素化することができる。
【0071】
図23は、本願の実施例に係る半導体光源の駆動回路の構造模式図であり、
図24は、本願の実施例に係る別の半導体光源の駆動回路の構造模式図であり、
図23または
図24を参照し、好ましくは、駆動回路は、第1電圧源HV、第2電圧源LV、充電抵抗R、電界効果トランジスターFET、および制御信号源V-clを備え、ここで、第1電圧源HVの電圧は第2電圧源LVの電圧よりも大きく、電界効果トランジスターFETの第1極は、半導体光源100の第3電極33に電気的に接続され、電界効果トランジスターFETの第2極は、半導体光源100の第2電極32と第1ノードN1に電気的に接続され、電界効果トランジスターFETのゲート(G)は、制御信号源V-clに電気的に接続され、第1極は電界効果トランジスターFETのドレイン(D)で、第2極は電界効果トランジスターFETのソース(S)であり、または、第1極は電界効果トランジスターFETのソースで、第2極は電界効果トランジスターFETのドレインであり、第1電圧源HVは、半導体光源100における正電極に連結され(直接または間接的に電気的に接続されている)、第2電圧源LVは、半導体光源100における負電極に連結され、正電極は、半導体光源100におけるP型半導体層にオーミック接触する電極であり、負電極は、半導体光源100におけるN型半導体層にオーミック接触する電極であり、充電抵抗Rは、第1電圧源HV、第1電極31、第2電極32および第2電圧源LVからなる回路に直列に接続される。好ましくは、第1電圧源の電圧は0Vよりも大きく、第2電圧源は接地する。
【0072】
図23および
図24は、半導体光源100が発光ダイオードであることを例として示し、本願の実施例に係る半導体光源100において、発光ダイオードLEDとコンデンサCとは一体に集積され、両者は第1電極31を共用する。
【0073】
図23または
図24に示すように、充電抵抗Rを第1電圧源HV、第1電極31、第2電極32および第2電圧源LVからなる回路に直列に接続することにより、コンデンサCを充電することができる。
【0074】
半導体光源100における正電極および負電極は、それぞれ半導体光源100の第1電極31および第3電極33であり、発光ダイオードLEDとコンデンサCとが第1電極31を共有し、且つ、発光ダイオードLEDの別の電極(即ち、第3電極33)が、コンデンサCの別のコンデンサ極板(即ち、第2電極32)と第1ノードN1に電気的に接続されているため、第1電圧源HVを半導体光源100における正電極に電気的に接続し、第2電圧源LVを半導体光源100における負電極に電気的に接続することにより、第1電圧源HVと第2電圧源LVとを、それぞれコンデンサCの2つのコンデンサ極板(即ち、第1電極31および第2電極32)に電気的に接続することができ、コンデンサCを充電することを実現し、更に、コンデンサCを充電した後、その高電位のコンデンサ極板が発光ダイオードLEDの正極に対応し、低電位のコンデンサ極板が発光ダイオードLEDの負極に対応することを確保することができる。
【0075】
半導体光源100の第3電極33を電界効果トランジスターFETの第1極(例えば、ドレインD)に電気的に接続し、半導体光源100の第2電極32を電界効果トランジスターFETの第2極(例えば、ソースS)と第1ノードN1に電気的に接続することにより、コンデンサCを充電した後、電界効果トランジスターFETを導通させ、コンデンサCを発光ダイオードLEDに対して放電させ、発光ダイオードLEDを駆動して発光させることができる。電界効果トランジスターFETのスイッチング状態は、制御信号源V-clによって制御され、例示的には、制御信号源V-clの信号はパルス電圧信号であってもよいことが理解できる。
【0076】
上述した半導体光源100に関連する実施例の記載のように、第1電極31および第3電極33は、いずれも半導体光源100の正電極または負電極であり得、第1半導体層21および第2半導体層22のドープタイプに応じて確定される。以下、第1電極31および第3電極33の極性に基づき、駆動回路と半導体光源100との接続関係について詳細に説明する。
【0077】
1つの実行可能な実施形態として、
図23を参照し、好ましくは、第1半導体層はP型半導体層であり、第1電極31は正電極であり、第2半導体層はN型半導体層であり、第3電極33は負電極である。この場合、好ましくは、充電抵抗Rの第1端が第1電圧源HVに電気的に接続され、充電抵抗Rの第2端が半導体光源100の第1電極31に電気的に接続され、半導体光源100の第3電極33が電界効果トランジスターFETの第1極に電気的に接続され、第1ノードN1が第2電圧源LVに電気的に接続され、電界効果トランジスターFETのゲートが制御信号源V-clに電気的に接続されている。動作過程は上述を参照し、ここでは説明を省略する。
【0078】
別の実行可能の実施形態として、
図24を参照し、好ましくは、第1半導体層がN型半導体層であり、第1電極31が負電極であり、第2半導体層がP型半導体層であり、第3電極33が正電極である。この場合、好ましくは、充電抵抗Rの第1端が第2電圧源LVに電気的に接続され、充電抵抗Rの第2端が半導体光源100の第1電極31に電気的に接続され、半導体光源100の第3電極33が電界効果トランジスターFETの第1極に電気的に接続され、第1ノードN1が第1電圧源HVに電気的に接続されている。動作過程は上述を参照し、ここでは説明を省略する。
【0079】
例示的には、
図25は、駆動回路のコンデンサの充電段階過程の模式図であり、
図26は、駆動回路のコンデンサの放電段階過程の模式図であり、半導体光源100がVCSELで、第1電極31が正電極で、第3電極33が負電極であることを例とし、充放電中のコンデンサ極板(即ち、第1電極31および第2電極32)における電荷の変化状況を示す。
図25を参照し、コンデンサの充電段階では、第1電極31に正電荷が蓄積され、第2電極32に負電荷が蓄積される。
図26を参照し、コンデンサの放電段階では、電界効果トランジスターが導通し、第2電極32および第3電極33がいずれも接地するため、第1電極31における正電荷が低下し、第2電極32における負電荷が低下し、コンデンサは半導体光源(例えば、VCSEL)に対して放電し、VCSELは電気エネルギーを吸収してエネルギー励起を発生させ、ある波長の光を発し、続いて、光は、上部ブラッグ反射鏡(例えば、第1半導体層21)および下部ブラッグ反射鏡(例えば、第2半導体層22)により往復反射されて共振増幅を発生し、高エネルギーのレーザビームを発生して
酸化孔から出射する。
【0080】
図23および
図24からわかるように、コンデンサが半導体光源100に集積されているため、コンデンサCと半導体光源(例えば、LED)との間に直列インダクタンスがほとんどなく、駆動回路における直列インダクタンスL’は、ほぼ充電抵抗RとコンデンサCとの間の下地引き回しにより生じ、従って、本願の実施例の技術案は、駆動回路の性能を著しく向上させ、回路設計を簡素化することができる。
【0081】
例示的には、半導体光源が発光ダイオードであることを例とし、
図27は、
図1に示す関連技術における駆動回路内の電流パルスの模式図であり、
図28は、本願の実施例に係る駆動回路内の電流パルスの模式図であり、ここで、横軸は時間を表し、縦軸は電流を表す。
図27と
図28とを比較することによりわかるように、本願の実施例に係る半導体光源100にコンデンサが集積されているため、電流のパルス幅は著しく狭くなり、これにより、光パワーは著しく向上し、駆動回路の性能も伴って向上する。また、計算により関連技術における駆動回路において、コンデンサと半導体光源との間の直列インダクタンスは約0.6nHであるが、本願において、コンデンサが半導体光源に集積されているため、両者の直列インダクタンスは著しく低下し、約0.1nHとなることが分かる。
【0082】
以上をまとめ、本願の実施例に係る集積コンデンサの半導体光源は、半導体光源とコンデンサとの間の直列インダクタンスを大きく低減し、短い光パルス幅および大きな光パワーを実現し、dToF駆動回路の性能を向上させることができ、且つ、複雑なパッケージ方式を採用する必要がなく、駆動回路の設計を簡素化する。