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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】ヘルスケアアプリの情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240726BHJP
【FI】
G16H20/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024071045
(22)【出願日】2024-04-25
【審査請求日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2024052712
(32)【優先日】2024-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724002759
【氏名又は名称】キラル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】下川 千草
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄彦
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-139310(JP,A)
【文献】特開2023-109273(JP,A)
【文献】特開昭59-132029(JP,A)
【文献】特開2018-025933(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123628(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/059794(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00- 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報を利用者に提供する情報処理端末であって、
前記情報処理端末が、
制御装置と、
入力装置と、
出力装置と
ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報とを関連付ける関連付け情報とを記憶する記憶装置とを有し、
前記制御装置が、
利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報の前記入力装置を介した前記情報処理端末上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者情報を監視し、入力された前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報が前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報であることを検出すると、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能の中から、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、前記関連付け情報を利用して、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と関連付けられた前記特定情報または前記特定機能を選択し、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記情報処理端末の出力装置を介して前記利用者に提供する、情報処理端末。
【請求項2】
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記端末記憶装置に、ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報とを関連付ける関連付け情報とが記憶され、
前記端末制御装置が、前記入力装置を介した前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報の前記情報処理端末上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者情報を監視し、入力された前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報が所定の心身および/または感情に関わる利用者情報であることを検出すると、
前記サーバ制御装置が、前記端末制御装置と連携して前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と関連付けられた特定情報または特定機能を選択し、
前記端末制御装置が、前記サーバ制御装置と連携して、前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する、ヘルスケア情報提供システム。
【請求項3】
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記サーバ記憶装置に、ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報とを関連付ける関連付け情報とが記憶され、
前記端末制御装置が、前記入力装置を介した前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報の前記情報処理端末上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者情報を監視し、前記サーバ記憶装置と連携して入力された前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報が所定の心身および/または感情に関わる利用者情報であることを検出すると、
前記サーバ制御装置が、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と関連付けられた特定情報または特定機能を選択し、
前記端末制御装置が、前記サーバ制御装置と連携して、前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する、ヘルスケア情報提供システム。
【請求項4】
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記サーバ記憶装置に、ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報とを関連付ける関連付け情報とが記憶され、
前記端末制御装置が、前記サーバ記憶装置と連携して入前記入力装置を介した前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報の前記情報処理端末上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者情報を監視し、入力された前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報が所定の心身および/または感情に関わる利用者情報であることを検出すると、
前記端末制御装置が、前記サーバ記憶装置と連携して前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と関連付けられた特定情報または特定機能を選択し、
前記端末制御装置が、前記出力装置を介して、前記サーバ記憶装置に記憶された前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する、ヘルスケア情報提供システム。
【請求項5】
前記情報処理端末がさらに監視装置を備えるか、または、前記ヘルスケア情報提供システムがネットワーク接続された監視装置を含み、
前記監視装置が、前記利用者のバイタルデータを監視し、前記利用者の所定のバイタルデータの状態が検出されると、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能の中から、前記端末記憶装置と連携して前記端末記憶装置に記憶された前記所定のバイタルデータの状態、利用者入力情報、利用者の年齢、利用者の性別、利用者の行動特性および/または利用者の心身の状態を選択条件として利用して、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、関連付け情報に基づいて、前記特定情報または前記特定機能を選択する、請求項2のヘルスケア情報提供システム。
【請求項6】
前記情報処理端末がさらに監視装置を備えるか、または、前記ヘルスケア情報提供システムがネットワーク接続された監視装置を含み、
前記監視装置が、前記利用者のバイタルデータを監視し、前記利用者の所定のバイタルデータの状態が検出されると、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能の中から、前記サーバ記憶装置と連携して前記サーバ記憶装置に記憶された前記所定のバイタルデータの状態、利用者入力情報、利用者の年齢、利用者の性別、利用者の行動特性および/または利用者の心身の状態を選択条件として利用して、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と、関連付け情報に基づいて、前記特定情報または前記特定機能を選択する、請求項3または請求項4のヘルスケア情報提供システム。
【請求項7】
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記サーバ記憶装置に、ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定のバイタルデータの状態と、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定のバイタルデータの状態とを関連付ける関連付け情報と、前記情報処理端上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者入力情報、利用者の年齢、利用者の性別、利用者の行動特性および/または利用者の心身の状態の情報とが記憶され、
前記情報処理端末がさらに監視装置を備えるか、または、前記システムがネットワーク接続された監視装置を含み、
前記監視装置が、前記サーバ記憶装置と連携しながら前記利用者のバイタルデータを監視し、前記利用者の前記所定のバイタルデータの状態が検出されると、
前記サーバ制御装置が、前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能の中から、利用者入力情報、利用者の年齢、利用者の性別、利用者の行動特性および/または利用者の心身の状態を選択条件として利用して、前記所定のバイタルデータの状態と前記関連付け情報に基づいて、特定情報または特定機能を選択し、
前記端末制御装置が、前記サーバ制御装置と連携して、入前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供し、前記利用者の前記入力でユーザの意図しない情報または機能を提供する、ヘルスケア情報提供システム
【請求項8】
所定の心身および/または感情に関わる利用者情報の前後の文脈を抽出し、ユーザの心身および/または感情にかかわる利用者情報との関係性の判断を行い、特定機能または特定情報の提供の要否を判断する、請求項1の情報処理端末。
【請求項9】
所定の心身および/または感情に関わる利用者情報の前後の文脈を抽出し、ユーザの心身および/または感情にかかわる利用者情報との関係性の判断を行い、特定機能または特定情報の提供の要否を判断する、請求項2、請求項3または請求項のヘルスケア情報提供システム。
【請求項10】
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムを用いたヘルスケア情報提供方法であって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記サーバ記憶装置に、ヘルスケア関連情報コンテンツである複数の特定情報および/またはセルフケア機能である複数の特定機能と、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と前記複数の特定情報および/または前記複数の特定機能と前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報とを関連付ける関連付け情報とが記憶されており、
前記端末制御装置が、前記入力装置を介した前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報の前記情報処理端末上の前記利用者が利用するアプリでのヘルスケアを意図しない機能のために入力された利用者情報を監視し、入力された前記利用者による心身および/または感情に関わる利用者情報が所定の心身および/または感情に関わる利用者情報であることを検出する監視工程と、
前記サーバ制御装置が、前記端末制御装置と連携しながら、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、所定の心身および/または感情に関わる利用者情報と関連付けられた特定情報または特定機能を選択する選択工程と、
前記端末制御装置が、前記サーバ制御装置と連携しながら、前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する提供工程と
を含む、ヘルスケア情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報提供システムおよびその方法、特に、ヘルスケア情報提供システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理端末を利用した情報検索が一般的になってきた。そして、ユーザは必要に迫られて、検索エンジンを介して必要な情報を獲得している。また、健康の自己管理の必要性が広く認識され、多くのヘルスケア用のスマホアプリが開発されてきている。特に最近ではヘルスケアリテラシー教育の重要性が認識されつつあり、ヘルスケアの教育情報等をヘルスケアアプリに導入することが試みられている。
【0003】
特許文献1は、ユーザの入力したキーワードを取得し、そのキーワードに基づいて検索を行い、その検索結果とユーザ嗜好情報とを比較して、検索結果からユーザの嗜好に適合する情報を抽出して提示する技術を開示している。
特許文献2は、ネットショッピングサイトの情報提供システムにおいて、ユーザの発話による入力を受診し、その入力とユーザタイプからおすすめ商品を提示する技術を開示している。
特許文献3は、ユーザのテレビから収集したデータに基づいて、ユーザに関連すると思われるターゲット情報(つまり広告)を携帯電話ユーザに提供するシステムに関する技術を開示している。
特許文献4は、ユーザ情報を収集し、ユーザ情報に基づいて広告コンテンツを選択する技術を開示している。
特許文献5は、ユーザが提供された情報の中で興味を持った内容を集計し、ワークを修正し、必要に応じて、簡易化、詳細化、補足説明追加、その他の措置を施して、当該サービス利用者に提供する技術を開示している。
特許文献6は、バイタルデータの異常を検出するとバイタルデータの異常が心因的なものか器質的なものかを判定するためにアセスメントを行う技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-052901号広報
【文献】特開2017-062741号広報
【文献】米国特許第9,386,356号広報
【文献】特表2012-503821号広報
【文献】特開2023-125167号広報
【文献】特許7274253号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ユーザにとって、ヘルスケア情報の提供、ヘルスケアアプリやヘルスケアソフトウェアプログラムでは、提供するプログラムの一つとして教育関連や治療用のコンテンツを含んでいた。しかしながらこれらのコンテンツをユーザが必要と感じていない時(例えば健康な時)に読むことは苦痛であって、集中力を欠いたり、読み飛ばしたりすることになり、十分な教育効果が得られず、ヘルスケアアプリ等の効果が十分には得られなかった。また、ユーザが必要に迫られて必要な情報を検索して同様の情報を入手する際には、既に健康状態が悪化していたり、一般的な検索エンジンを利用しての情報検索では情報の真偽があやふやだったり、必ずしも効果的な情報収集ができなかった。
特許文献1-特許文献4はヘルスリテラシ向上やメンタルセルフケアのために心身や感情に関する情報を収集するものではない。また、特許文献5は与えられた情報の中でユーザが情報を選択する技術でユーザの自由な入力を監視するものではない。特許文献6は、ユーザ入力(アセスメントのための入力と異なる)に基づくものでも、バイタルデータとユーザの心身や感情の状態とを組みあわせて評価するものでもない。
また、特許文献1-6は複数の情報を同時に提供するプラットフォームで情報を提供するものでもなく、特に女性の月経管理機能(アプリ)で収集された特定の情報と組み合わせて情報や機能を提供するものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明1)
複数の情報を利用者に提供する情報処理端末であって、
前記情報処理端末が、
制御装置と、
入力装置と、
出力装置と
複数の特定情報および/または複数の特定機能と、関連付け情報と、を記憶する記憶装置とを有し、
前記制御装置が、
利用者による心身や感情に関わる利用者情報の前記入力装置を介した入力を監視し、所定の心身や感情に関わる利用者情報の入力を検出すると、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身や感情に関わる利用者情報と、前記関連付け情報を利用して、特定情報または特定機能を選択し、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記情報処理端末の出力装置を介して前記利用者に提供する、情報処理端末。本発明は情報処理端末がスタンドアロンで動作する、情報提供システムである。情報処理端末でのユーザのチャットアプリ、SNSや日記アプリでのユーザ入力を監視して、所定のキーワード等の入力が検出されると、記憶装置に記憶された、あるいはプログラムの一部として得られる所定の条件(関連付けリスト、ヘッダ情報、条件分岐、組み合わせ検出)に基づいて提供する情報や機能を選択してユーザに提供する技術である。
(発明2)
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記端末記憶装置および/または前記サーバ記憶装置に複数の特定情報および/または複数の特定機能と関連付け情報とが記憶され、
前記端末制御装置が、前記入力装置を介した前記利用者による心身や感情に関わる利用者情報の入力を監視し、所定の心身や感情に関わる利用者情報の入力を検出すると、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身や感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、特定情報または特定機能を選択し、
前記端末制御装置が、前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する、ヘルスケア情報提供システム。本発明は情報処理端末とサーバが連携して動作するシステムで動作する、情報提供システムである。情報処理端末でのユーザのチャットアプリ、SNSや日記アプリでのユーザ入力を監視して、所定のキーワード等の入力が検出されると、サーバまたは情報処理端末の記憶装置に記憶された、あるいはプログラムの一部として得られる所定の条件(関連付けリスト、ヘッダ情報、条件分岐、組み合わせ検出)に基づいて提供する情報や機能をサーバまたは情報処理端末の記憶装置に記憶された情報や機能から選択してユーザに提供する技術である。
(発明3)
前記情報処理装置がさらに監視装置を備え、または、前記システムがネットワーク接続された監視装置を含み、
前記監視装置が、前記利用者のバイタルデータを監視し、前記利用者の所定のバイタルデータの状態が検出されると、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能から、前記所定のバイタルデータの状態、利用者入力情報、利用者の年齢、性別、行動特性や心身の状態を条件として、前記所定の心身や感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報に基づいて、前記特定情報または特定機能を選択する、発明2のシステム。
発明2のシステムがさらにバイタルデータを取得する手段を有し、さらに、バイタルデータの状態、利用者入力情報、利用者の年齢、性別、行動特性や心身の状態を条件として情報や機能の選択を行う技術である。
(発明4)
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムであって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成された、複数の情報を提供する
前記端末記憶装置および/または前記サーバ記憶装置に複数の特定情報および/または特定機能と関連付け情報とが記憶され、
前記情報処理装置がさらに監視装置を備え、または、前記システムがネットワーク接続された監視装置を含み、
前記監視装置が、前記利用者のバイタルデータを監視し、前記利用者の所定のバイタルデータの状態が検出されると、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能から、利用者入力情報、利用者の年齢、性別、行動特性や心身の状態を条件として、前記所定のバイタルデータの状態と前記関連付け情報に基づいて、前記特定情報または特定機能を選択し、前記特定情報または前記特定機能を前記情報処理端末の出力で前記特定情報または特定機能を前記利用者に提供する、ヘルスケア情報提供システム。情報や機能の選択・提供のトリガーとして、発明3では、キーワード等であったものを、特定のバイタルデータの状態をトリガーに変更したものである。情報や機能の選択をユーザが過去に入力したデータ等を用いて行うことでユーザに新たな負担を強いることがないのでユーザが受け入れやすい。
(発明5)
さらに月経管理機能が含まれ、前記心身の状態は前記月経管理機能で取得される発明3または発明4のシステム。
本発明のシステムは月経管理機能を有するシステムで利用すると、月経管理機能を持つシステムがもともと継続率の高いシステムであるので、本発明を当該システムで利用すると継続性も達成できるので好ましい。
(発明6)
前記特定情報または特定機能が宣伝広告情報または宣伝広告機能ではない、発明1の情報処理端末、発明2のヘルスケア情報提供システム、または発明4のヘルスケア情報提供システム。
本発明の情報処理端末またはシステムの提供する情報や機能は宣伝広告のための情報や機能ではない。本発明の提供する情報や機能はヘルスケア情報、ヘルスリテラシ教育情報、セルフヘルスケア機能あるいはセルフメンタルヘルスケア機能であると、健康でメンタルに不調がない状態だと意識的に求めることのない情報や機能にも興味を持ってユーザが接することが可能となり、また心身に不調がある状態では正しい情報をユーザが入手できるという効果がある。
(発明7)
前記利用者情報が、ヘルスケアのために意識的に入力した情報ではない、発明1の情報処理端末、発明2のヘルスケア情報提供システム、または発明4のヘルスケア情報提供システム。
本発明で検出されるキーワード等の利用者情報は医療機関に対する問診や健康情報に対するアンケートのように意識的に入力する情報ではなく、SNS、チャットアプリや日記アプリのようなヘルスケアを意図したような情報ではなく、日常のユーザの行動を反映した入力を監視するものであると都合がよい。前者の場合は第三者へ伝えることを前提とし、意識的に伝えたい情報で、後者のように、意図しない潜在的な情報を日常の行動から検出するものとは全く異なるものである。
(発明8)
複数の情報を提供するヘルスケア情報提供システムを用いたヘルスケア情報提供方法であって、
前記ヘルスケア情報提供システムが
端末制御装置、入力装置、出力装置および端末記憶装置を有する利用者の情報処理端末と、
サーバ制御装置とサーバ記憶装置とを有するサーバと、を含み、
前記情報処理端末と前記サーバがネットワークで接続されて構成され、
前記端末記憶装置および/または前記サーバ記憶装置に複数の特定情報および/または複数の特定機能と関連付け情報とが記憶されており、
前記端末制御装置が、前記入力装置を介した前記利用者による心身や感情に関わる利用者情報の入力を監視し、所定の心身や感情に関わる利用者情報の入力を検出する監視工程と、
前記サーバ制御装置または前記端末制御装置が、前記複数の特定情報および/または複数の特定機能の中から、前記所定の心身や感情に関わる利用者情報と前記関連付け情報とを利用して、特定情報または特定機能を選択する選択工程と、
前記端末制御装置が、前記出力装置を介して、前記選択された特定情報または前記特定機能を前記利用者に提供する提供工程と
を含む、ヘルスケア情報提供方法。
本発明は上述の情報処理端末またはヘルスケア情報提供システムでの情報提供方法を示したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のヘルスケアシステムによれば、ユーザが意識していないが関心を持ち得る心身や感情についての事項、または、潜在的に興味を持っている事項についての情報や機能が提供されることによって、ユーザが興味を持って情報に接することになり、教育効果やメンタルコンデションの維持・改善効果が高まる。本発明では情報処理端末で検出される無意識あるいは第三者に伝えることは意図しないようなキーワード等を利用するものであり、第三者に伝えることを前提とした意識して伝えたい情報とは全く異なるものを利用したところが特徴である。さらに、本発明では、キーワード入力やバイタルデータの状態とをトリガーとし、それらと記録されたユーザのパーソナルデータ等から提供する情報や機能を選択するために、ユーザに新たな負担をかけることがない。とまた、仮にユーザが意識して検索していた健康情報についてのキーワードが検出された場合でも玉石混交の情報の中からユーザが情報を選択するのではなく、本発明のシステムから正しい情報が提供されることでユーザの誤った情報に基づく判断を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のシステムを示す概念図である。
図2】本発明のプログラムの機能ブロックを示す図である。
図3】本発明のシステムの動作フローと画面イメージを示す概念図である。
図4】本発明の画面イメージを示す図である。
図5】本発明のキーワードと関連情報の対応関係を示すリストの一例を示す図である。
図6】本発明の表示情報のリストを示す図である。
図7】本発明の特定情報または特定機能を選択するアルゴリズムの一例を示す概念図である。
図8】本発明の特定機能の一つのメンタルヘルスケアアプリの動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ユーザの行動の中でのユーザの入力(文章、発話などのユーザ入力)やユーザのバイタルデータなどのユーザの行動をシステムが監視し、抽出された情報に関連するヘルスケア情報、ヘルスケア教育コンテンツまたは、セルフケア機能を提供する技術を開示するものである。
(本発明のヘルスケア情報提供システムの構成1)
本発明の一実施形態として、PC、ノートパソコンや、典型的にはスマホやタブレットなどの利用者の情報処理端末にインストールされたプログラムが挙げられる。図1を用いて本発明のヘルスケア情報提供システムの一例を説明する。情報処理端末110は、ヘルスケアプログラムを制御する制御装置101、記憶装置102、液晶モニタなどの出力用の表示装置103(ただし、出力は表示に限られず、音声などでもよい)、タッチパネルやキーボードあるいは音声入力用のマイクなどの入力装置104、外部ネットワークとの通信用の通信装置105、ユーザの入力やバイタルデータを測定する監視装置106等を備える。監視装置106は情報処理端末内のハードウェアデバイスだけでなく、ソフトウェアやアプリケーションプログラムの機能モジュールとして導入された機能モジュールとして実現されても良い。また、情報処理端末110とインターネットや無線接続あるいは有線接続などのネットワークであるネットワーク120を介して接続された、腕時計型、イヤホン型、バンド型、身体貼付型などのウェアラブル端末や、トイレなどに設置された血糖値測定装置、スマートミラーに搭載された撮像装置などの据え置き型測定器である監視装置116を情報処理端末に内蔵された監視装置106に代えて用いても良い。
【0010】
(本発明のヘルスケア情報提供システムの構成2)
本発明の一実施形態として、PC、ノートパソコンや、典型的にはスマホやタブレットなどの利用者の情報処理端末とネットワーク120を介して接続されたサーバ130にインストールされた制御プログラムが挙げられる。図1を用いて本発明のヘルスケア情報提供システムの一例を説明する。情報処理端末110は、ヘルスケアプログラムを制御する制御装置101、記憶装置102、液晶モニタなどの出力用の表示装置103(ただし、出力は表示に限られず、音声などでもよい)、タッチパネルやキーボードあるいは音声入力用のマイクなどの入力装置104、外部ネットワークとの通信用の通信装置105、ユーザの入力やバイタルデータを測定する監視装置106等を備える。監視装置106は情報処理端末内のハードウェアデバイスだけでなく、ソフトウェアやアプリケーションプログラムの機能モジュールとして導入された機能モジュールとして実現されても良い。また、情報処理端末110とインターネットや無線接続あるいは有線接続などのネットワークであるネットワーク120を介して接続された、腕時計型、イヤホン型、バンド型、身体貼付型などのウェアラブル端末や、トイレなどに設置された血糖値測定装置、スマートミラーに搭載された撮像装置などの据え置き型測定器である監視装置116を情報処理端末に内蔵された監視装置106に代えて用いても良い。また、サーバ130は、本システムの制御用プログラムを記録する記憶装置133、ネットワーク120を介して情報処理端末110等の外部機器と連携するための通信装置131、サーバ130の制御、制御プログラムの実行、ネットワーク接続された機器の制御、本システムにおいては情報処理端末110との連携を行う制御装置132を備える。また、上述の構成では情報処理端末にプログラムや必要なデータ等を情報処理端末110に実装してスタンドアローンで動作するシステム、制御プログラムをサーバ130に記憶させサーバ130が情報処理端末110を含めたシステムの全体を制御する例を挙げているが、サーバ130と情報処理端末110のそれぞれにプログラムやデータを分散、あるいは、サーバ130にプログラムやデータを集約し、情報処理端末は単なるウェブブラウザやタッチパネルを入出力装置として利用した構成とすることも可能である。
【0011】
監視装置106の例としてはユーザの文字入力、音声入力やバイタルデータを測定できるデバイスが利用可能である。バイタルデータの例として以下に歩行速度と心拍数、通話の測定を例に挙げるがこれに限定されるものではなく、体温上昇、皮膚の電気抵抗の変化、血圧変化、血流量変化、睡眠時間、体重、歩数、活動量やその他の当業者に周知の様々なバイタルデータが本発明で利用できることは言うまでもない。また、監視するバイタルデータとして、監視装置106が対象者が意識することなく測定可能なバイタルデータ、歩行速度や、対話の分析、トイレ利用時の血糖値測定、洗面所のスマートミラー内蔵撮像素子による心拍測定などのパッシブなデータであると特に都合が良い。さらに監視装置が常時駆動され、無意識状態で常に測定ができるバイタルデータであるとさらに都合がよい。
【0012】
(歩行速度測定装置)
対象者の情報処理端末110には、監視装置106の例として、GPS測位機能等が供えられ、その測位機能によって得られた情報処理端末110の位置を示す情報は、対象者の位置情報とされる。位置情報は、例えば、緯度及び経度を示す情報である。また、情報処理端末110は、加速度センサ等の加速度を測定する機能を有している。情報処理端末110は、その測位及び加速度の測定を定期的(例えば、数秒又は数分毎)に行い、その結果を記憶装置102に記憶する。次に、制御装置101は歩行速度計測・判断ソフトウェアプログラムによって、前記測位データと加速度のデータから当該対象者が歩行しているかを判断して、当該対象者が歩行していると判断されたタイミングにおける当該対象者の移動速度を示す情報を歩行速度として取得する(詳細な歩行速度およびストレス状態の判断手段は特許文献1に記載の方法などを利用することができる)。これらから算出された歩行速度の一定期間ごと(例えば1日、1週間あるいは1か月)の平均値を比較して、歩行速度が前回の測定より遅い場合、あるいは所定の閾値より遅い場合、ストレス状態と判断する。
【0013】
(心拍数測定装置)
スマホ等の情報処理端末110に具備されているカメラ(監視装置106)を利用する心拍数測定装置などが知られている。例えば、顔などの皮膚表面を撮影したカメラ映像、あるいは指先などの皮膚表面を撮影したカメラ映像から、脈波信号を取り出し、心拍数を推定するものである。心拍数の測定には「映像脈波抽出」という技術を利用し、血液中のヘモグロビンが持つ、緑色光を吸収する性質に着目し、血管の収縮と拡張に伴う皮膚表面の反射光を画像解析して脈波信号を抽出するものである。
次にこれらの脈波信号からストレス指数を制御装置101がシステム100に備えられたストレス指数算出・判断ソフトウェアプログラムに従って算出する。ストレス指数は、脈波間隔を基に、心拍変動の時系列データとして得ることができる。心拍変動に基づくストレス指数としては、例えば交感神経と副交感神経の全体のバランスを表すLF/HFがある。LF(低周波)は、心拍変動の時系列データの0.004~0.15Hzの低周波を表し、メイヤー波と呼ばれる約10秒周期の血圧変化を信号源とする変動波である。HF(高周波)は、0.15~0.4Hzの高周波数を表し、3秒から4秒程度の周期を持つ呼吸を信号源とする変動波であり、このLF/HFが高い場合、交感神経が優位の状態で、ストレスが高い状態にあたる。一方で、ストレス指数であるLF/HFが低い場合、副交感神経が優位の状態にあり、リラックスした状態にあたる。このLF/HFについて、例えば、一定時間毎の平均値を対象者ごとに測定し、その経時変化でその値が各人に設定される閾値を超える場合にストレス状態と判断する。ただし、この測定法においても心因性疾患等の原因に基づくストレス状態なのか、例えば、イベント等に伴う一時的な精神的ストレス状態なのか判定がつかないという問題があった。なお、ストレス指数はLF/HFに限定されずに他の指数を用いても良い。
【0014】
(対話によるストレス推定装置)
対象者のスマートフォンでの通話やウェブ会議等でのマイク入力をモニタリングして記録し、その入力データを音声入力時と非音声入力状態に分離し、音声入力時の平均周波数と平均振幅を計測する。これらの変化からストレス状態を推測することができる。ストレス状態の推測方法については、特開2010-259691などに記載された方法が利用できる。
【0015】
(メンタルヘルスケアアプリ1)
次に図8(a)のフローを参照しながら、メンタルヘルスケアアプリの例を示す。本メンタルヘルスケアアプリは、メンタルヘルスのセルフケア/維持/改善/治療用の複数のワークがプログラムだてされて提供される、提供プログラムであり、記憶装置102に記憶されている。この提供プログラムは記憶装置102に記憶された制御プログラムによって提供されるものである。提供プログラムは、動画コンテンツからなる心理教育(801)、チャットボットや、動画コンテンツ、音声コンテンツからなる漸進的筋弛緩法、腹式呼吸法、視覚イメージ法などのリラクゼーション(802)のワーク、行動活性化などのストレスマネジメント(803)のワーク、認知再構成法(804)、マインドフルネス瞑想などのマインドフルネス(805)のワークが含まれる。これらの心理教育やワークが所定の順序(例えば、801、802、803、804、805の順)に従って、スマートフォン等の情報処理端末110の入力装置104を介して必要なやり取りを行い、表示装置103や音声出力装置を介してユーザに提供される。ユーザはこれらの教育やワークを実施することによってメンタルケアを行うことができる。
【0016】
(メンタルヘルスケアアプリ2)
次に図8(b)の図を参照しながら、メンタルヘルスケアアプリの別の例を示す。本メンタルヘルスケアアプリは、メンタルヘルスのセルフケア/維持/改善/治療用の複数のワークが一覧形式で提供される、提供プログラムであり、記憶装置102に記憶されている。この提供プログラムは記憶装置102に記憶された制御プログラムによって制御されて提供されるものである。提供プログラムは、動画コンテンツからなる心理教育、チャットボットや、動画コンテンツ、音声コンテンツからなる漸進的筋弛緩法、腹式呼吸法、視覚イメージ法などのリラクゼーションのワーク、行動活性化などのストレスマネジメントのワーク、認知再構成法、マインドフルネス瞑想などのマインドフルネスのワークが含まれる。これらの心理教育やワークがスマートフォン等の情報処理端末110の表示装置103上でアイコン形式で表示され、タッチパネル等の入力装置で選択されることによって、ユーザに提供される。ユーザはこれらの教育やワークを実施することによってメンタルケアを行うことができる。
【0017】
(実施例)
次に本発明の女性向けプラットフォームアプリ(ソフトウェア)を例に以下に説明する。対象としては例示のアプリでは20代の若い女性を対象としたものであるが、本発明の範囲はこれに限られず、幅広いヘルスケアアプリで利用することができる。本実施例で用いられるアプリ(制御プログラム)は情報処理端末110の記憶装置102に記憶され、記憶装置102から読み出されたプログラムが制御装置101で制御され、表示装置103や入力装置104、監視装置106,116等と連携しながら実行される。本実施例では対象者の情報処理端末110としてスマートフォンを、監視装置116の例としては基礎体温測定用の体温計を用いている。また、本実施例のアプリの構成を図2に示した。アプリはアプリの全体制御やスマートフォンとの入出力制御を行う制御ブロック201、アプリの機能であるユーザの月経を管理する機能(生理日や生理日の予測、日々のユーザの基礎体温、体調、メンタルコンディションなどの管理)を制御する月経管理ブロック202、ユーザのメンタルの状態やフィジカルの状態をセルフケアするための機能(例えば、PMSのイライラを緩和するためのメンタルケア用の治療用アプリなど)を制御するセルフケアブロック203、アプリの動作と日付とを関連付ける機能(例えば、月経管理ブロック202で制御する生理周期や生理日記録、生理日予測などとカレンダー上の日付とを関連付けたり、ユーザから取得した日々の日記や心身の状態、セルフケアの実施状況などを記録、スケジュールに従ったセルフケアの提案や情報の提供)を制御する日付管理ブロック204、本アプリの起動後に、スマートフォン上に常駐し、バックグラウンドで動作し、他のアプリの動作を監視する機能(たとえば、ユーザがチャットアプリを利用した際のユーザ入力を監視し、特定の単語の入力を検出した場合、その単語を制御ブロックに送信(公知の技術が利用できる))を制御する監視ブロック205、本アプリで用いられる情報を管理する機能(各ブロックで入力された情報や、各ブロックからリクエストされた情報の記録、あるいは、情報を記憶した記憶装置102の該当する情報のアドレス情報の管理)を制御する情報DBブロック206からなる。ただし、上記各ブロックの機能は一例であって、各ブロックとその処理すべき機能は関連する他のブロックで処理しても、あるいは、複数の機能を一つのブロックでまとめて処理しても、一つのブロックの機能をさらに細分化したブロックで処理しても良い。
【0018】
次に本アプリの動作を図3を用いて説明する。図3(a)は制御ブロック201が各ブロックをスマートフォンのハードウェアと連携しながら制御するフローの一例を示すものである。まず、アプリを起動すると、(フロー301)アプリは、EMA(Ecological Momentary Assessment:携帯型コンピュータなどを電子日記として用いて、日常生活下での行動ログや自覚症状をリアルタイムに評価・記録を行う方法)を取得する。EMAとして、自動的にスマートフォンから取得される情報とユーザから取得される情報があり、ユーザから取得される情報を得るために、スマートフォンの入出力装置であるタッチパネル310に日々の質問項目を表示する。質問項目は制御ブロック201が月経管理のために必要とされる質問項目を記憶装置102にリクエストし、記憶装置102は、例えば、日々の質問項目、イライラする(たとえば、あてはまらない、ほとんどあてはまらない、すこしあてはまる、あてはまるなどの4点法での入力)、お腹が痛い(4点法)、性交日、オリモノの状態、基礎体温(監視装置106から連携して入力される場合は省略できるが、タッチパネル上の入力ボックスにユーザが入力)などの質問項目として記録されている情報を制御ブロック201に送信する。なお、ユーザの生理に関する周期、や前回の生理日の情報やユーザのバイタルデータ(例えば、周期と基礎体温の関係、健康時の歩行速度や活動量)や基本的なパーソナルデータ(年齢、性別、体重、嗜好情報、行動特性(BIG5、エニアグラム、MBTIなどから得られるもの))などは事前にユーザから取得し記憶装置102に記憶されているものとする。制御ブロック201はスマートフォンの入出力装置を制御してタッチパネル上に質問項目を図4(b)のように表示する。ユーザはタッチパネルを介して表示された質問項目への回答を入力し、(フロー302)入力された回答を制御ブロック201は月経管理ブロック202に送信し、月経管理ブロック202は日付ブロック204と連携して、生理日の予測、予測の修正や、現在のユーザの状態(例えば、生理周期をホルモンバランスと関連付けて4分割して、月経期、キラキラ期、ニュートラル期、アンバランス期などに分類)の分析を行い、必要なものは日付情報と関連付けて、記憶装置102に送信し、記憶する。続いて、制御ブロック201が、分析した結果や、その他の情報を図3(b)や図4(a)のタッチパネル310のメイン情報画面311に表示する。また、本実施例ではメイン情報画面311の右下のEMA(Ecological momentary assessment)ボタンをユーザがタッチすると図4(b)のデイリーデータ入力画面401に遷移し、こちらからも日々の所定のデータ入力を行うことができるようになっている。またユーザが右下のBackボタンをタッチすると図3(b)の表示画面に遷移するように制御される。ここで、EMAとは日常生活の心理・身体症状などを,スマートフォンなどの情報処理端末を用いて,その場でそ のときに記録する評価手法であって、例えば、抑 う つ 気 分 と 不 安 気 分 に 関 す る 質 問で、;「はつらつとした」「暗い」「気がかりな」「嬉しい」「嫌な」「不安な」「楽しい」「沈んだ」「心配な」の質問や、女性のホルモンバランスの周期に関連した質問など、適宜設計して、情報処理端末を介してユーザーに質問し、回答結果を得るものである。
【0019】
(フロー303)次に監視ブロック205はユーザのスマートフォンを介した、文字入力や音声入力、スマートフォンあるいは監視装置を介したバイタルデータやユーザの行動を監視する。例として、監視ブロック205はスマートフォンで常駐してバックグラウンドで動作する機能モジュールである。そして、例えば、情報処理端末110でのユーザが利用するチャットアプリへのユーザ入力を公知の技術を用いて監視する。図5は監視するキーワードと関連情報と機能の対応関係を示すリストの一例を示したものであり、記憶装置102に記憶されている。生活やヘルスケア関連の情報或いは機能と関連付けるためには、心身や感情に関するキーワードを監視するのが都合がよいが、とくに、心理面に関するキーワードを監視するのが都合がよい。図5ではユーザが恋愛の状態にある時を検出するキーワードで、恋愛情報と関連付けられる例や、ユーザがうつ状態などでメンタルダウンしている状態を検出するキーワードでうつ情報と関連付けられる例が示されたキーワードと関連情報が関連付けられたリストの例である。リストにおいては、複数の関連情報および/または複数の関連機能からなる群の中の特定の関連情報や関連機能を特定のキーワードと関連付けている。関連付けの手段はリストに限られず、たとえば、関連情報や関連機能のそれぞれに対応するキーワードの情報を付随させ(例えば、データのヘッダに書き込んでおく)、キーワードが検出されると、関連情報や関連機能の群の中から対応するキーワード情報をヘッダにもつ関連情報や関連機能を特定するようにするなど公知の他の手段が利用可能なことはいうまでもない。そして、これらの複数の関連情報および/または複数の関連機能が記憶装置102に記憶されている。また、これらのリストや、ヘッダ情報などの関連付けの情報を関連付け情報と呼び、リスト、関連情報や関連機能の一部、プログラムの一部として提供され、記憶装置102に同様に記憶されている。
さらに、初期キーワードと関連情報(や関連機能)の関連付け情報を教師データにしてユーザの入力やインターネット検索からの機械学習などで関連キーワードを収集して、そちらの関連キーワード群を構成し、その中からキーワードを検出するようにしてもよい。さらに機械学習で得られた関連キーワードの中からユーザ本人のユーザ特性や嗜好などに合わせて関連キーワードを限定して利用することもできる。そして、例えば、チャット入力で「好き」というキーワードを認識したら、監視ブロック205から「好き」というキーワードを後述する情報DBブロック206に送信し、情報処理端末110の一時メモリに記憶する(検出されたキーワードについては過去の履歴として所定期間、情報処理端末110の記憶装置102に記憶すると、後述する機能や情報を選択する際の条件の一つとして利用できる)。ここでは、チャットアプリでのユーザ入力からキーワードを検出する例を述べたがキーワードはチャットアプリだけではなく、メールや日記などほかのアプリでのユーザ入力を監視して、キーワードを検出しても構わない。また、文字入力だけでなく、情報処理端末を介した通話や、オンライン会議での音声入力など他の入力方法を監視するようにしてもよい。さらに、監視ブロック205が監視する対象は、これらのキーワードだけでなく、歩行速度や、音声認識といったバイタルデータを監視し、ストレスがあるバイタルデータの状態を検出するようにしてもよい。
【0020】
(フロー304)次に、情報ウィンドウ319への情報等の表示について説明する。情報DBブロック206が情報ウィンドウ319への表示するデータを制御する。図3(b)の情報1、情報2、情報3、、、は、例示として、美容情報、エクササイズや、ヘルスケアワークの説明、教育コンテンツ、時事情報、広告などの情報の表示をさせるボタン、機能1、機能2、、、は、例えば、上述のメンタルヘルスのセルフケアを起動するボタン、あるいは双方向型のエクササイズや心理療法に基づくワークなどを起動するボタンである。情報や機能はサーバから定期的あるいは随時提供される情報や機能と、予め記憶装置102に記憶されている情報や機能がある。図6に記憶装置102に記憶された情報の管理用のリストの例を示した。リストには、情報名と、その情報がシステムに登録された日時、情報の特性、表示位置、情報等の格納先アドレス、起動されるモジュール等のアドレスなどが関連付けられて記憶されている(選択された特定情報や機能については特性欄にキーワードを記録している)。また、リストはサーバから登録された日時の新しいものがリストの上位に記憶されるように設定されているが、例えば、特性によって順番を変えるなどの変形も可能である。情報や機能についてはサーバから情報DBブロック206に送信されて情報DBブロック206が管理する。各情報や各機能がリスト上の表示位置(例として図6の401―405)の画面上の位置(たとえば、図3(b)の312-317、たとえば、図4(c)401-408)に表示されるように制御される。またこの際に、特性によって、例えば、「ALL」はすべてのユーザの情報処理端末上で表示される、「女性」はユーザのパーソナルデータで女性の情報処理端末と設定されていた場合は表示されるというように制御してもよい。また、情報DBブロック206はサーバから送信された情報をフィルタリングし、特性のあった情報や機能、ユーザのあらかじめ指定した情報や機能だけを受信してリストに挿入するように制御してもよい(例えば、図6の情報3は、本アプリの利用者として若い女性を想定しているので、非表示となっている)。画面上に表示される情報は例えば、所定の時間間隔、ユーザがアプリの画面を表示させたタイミング、あるいは画面表示をリロードしたタイミングなどでサーバから情報を得る、あるいはリストを更新させることによって更新することができる。図6にリストアップされた情報や機能は一部であり、サーバから提供されるたびに、情報や機能は増加する。表示された情報や機能は典型的には新しいものが上になるように表示され、古いものは、画面から消えていくので、図3(b)スクロールバー316によってスクロールして閲覧することができる。登録から所定の期間が経過した情報については削除してもよい。リスト上でユーザがよく見る情報や、よく利用する機能はリスト上の上位に維持されるように、あるいは削除される期間を通常より伸ばすといった修正も可能である。
【0021】
次に、特定情報や特定機能について説明する。これは監視ブロック205からキーワードの検出結果が送信されていた場合にユーザが利用可能(本実施例では表示リストに挿入され、情報ウィンドウ319に表示され、ユーザが該当するボタンをタッチすることで得られる、あるいは、起動する)となる情報や機能である。この特定情報や特定機能の、特定(選択)方法の一例としては、単純に、キーワードと1対1で対応付けられた情報や機能、別の例としては、キーワードの検出をトリガーとしてそのキーワードに関連し得る情報の群の中からユーザ特有の条件に従って選択される情報や機能、などがある。この対応付け方法は本アプリのソフトウェアプログラムに組み込まれた情報、情報や機能に付加された関連付け情報、あるいは、記憶装置102に記憶された関連付け情報の記載されたリストなどが挙げられるがこれに限られない。たとえば、図5を参照すると、「すき」とキーワードが検出されていた場合は、制御装置101は恋愛に関する情報を表示するためのボタン(315、402)を表示し、ボタンがタッチされると情報DBブロック206は記憶装置102にリクエストし、恋愛に関する情報を画面上に表示する。つぎに、「イライラ」が検出されて送信されてきていた場合はメンタル情報に関する機能を起動するボタンとして表示され、ボタン(405)がタッチされると情報DBブロック206は記憶装置102にメンタルヘルスケアアプリのプログラムをリクエストし、制御装置101はメンタルヘルスケアアプリを起動してユーザに提供する。情報DBブロック206は対応する特定情報、特定機能として、特定の一つの情報や機能を提供するだけでなく、複数の特定情報や複数の特定機能、特定情報と特定機能の組み合わせを提供することもできる。なお、最も好ましい例として上記のようにキーワードのようなユーザ入力をトリガーとして情報や機能を提供する構成を例示しているが、これだけに限られず、バイタルデータにおける所定の状態(例えば、歩行速度や発話などでのストレス状態、発熱、活動量の低下など)をトリガーとして、バイタルデータにおける所定の状態と、特定情報や特定機能とを関連付けてユーザに提供することも可能である。また、これらの所定の状態を評価してレベルをつけ、レベルごとに特定情報、特定機能とを関連付けることもできる。
【0022】
次に、特定情報や特定機能の提供のその他の一例を示す。図7(a)はキーワード「すき」が監視ブロック205から制御ブロック101に送信されていた場合である。この場合、制御ブロック101は情報DBブロック206を介してユーザの過去のデータ入力の記録データ(この場合、EMAで性交の情報を入力しているものとする)を検索し、「性交」の経験があったことを検出すると、避妊に関する情報を提供するためのボタンを表示させ、ユーザがボタン(402)をタッチすると、避妊に関する情報が表示される。また、ここで、EMAの記録を検索し、性交有を示す記録が抽出されなかった場合、「性交」の経験がなかったと判断し、「モテメイク情報」を提供するためのボタンを表示させ、ユーザがこのボタン(402)をタッチすると、異性受けの良い化粧方法のアドバイス情報が表示される。これはあくまで例示であって適宜健康関連の他の情報を提供するようにしても良いのはいうまでもない。次に図7(b)は、心身や感情に関するキーワードとして、「おしまいだ」が検出されて制御装置101に送信されていた場合を示す。この場合、情報DBブロック206は次に、ユーザのパーソナルデータを検索する。そして、ユーザが過去にBIG5に回答した結果で、情緒安定性の項目で所定の閾値を超えていたら情緒不安定性「なし」、超えていなかったら抑うつ、不安傾向があるとして、「ある」と判断する。そして、「なし」の場合は、システムはユーザはうつ状態にないとして特に情報を図6に例示したようなリストに挿入しない。一方で、他の関連キーワード、例えば、「死にたい」があった場合には、さらに、ユーザのバイタルデータとして歩行速度の記録を検索、評価し、6か月以上、ユーザの過去の平均値よりも歩行速度が低下しているかどうかを判定する。ここで、歩行速度の低下なしと判定された場合は軽いうつ傾向があるとして、メンタルヘルスケアアプリ2を起動するためのボタン(405)を表示する。ユーザがこのボタンをタッチするとメンタルヘルスケアアプリ2がシステムのサーバからダウンロードされて、起動され、ユーザがアプリを実施する。他方、歩行速度の低下がみられた場合は、重症のうつ症状の可能性があるとして、医療機関の受診勧奨するためのボタン(405)が現れる。ユーザがこのボタンをタッチすると、うつ症状についての情報が画面に表示され、合わせてオンライン診療への接続のリンクボタン、あるいは近場の精神科の紹介情報に接することができる。本変形例のように単にキーワードと関連付けた情報や機能を提供するだけでなく、トリガーとなったキーワードと、その他の事前に取得していた、キーワード、生理関連機能と関連して取得されたEMAの記録、ユーザの年齢、性別やユーザの健康状態に関する情報、ユーザの行動特性(BIG5、エニアグラム、性格診断あるいはスマートフォンの利用履歴から取得する行動特性等)、疾患やストレス状態を測定するための評価尺度(QIDS-J、K6、LSAS-J、職業性ストレス簡易調査票など周知の尺度が利用できる)の回答結果等のパーソナルデータ、バイタルデータの状態などとを条件として、例えば条件分岐などのキーワードごとに設定された所定の手順で選択するようにすると提供される情報や機能のその時点でのユーザ適性が向上して都合がよい。また、この条件分岐などの手順のアルゴリズムを初期の教師データとして、機械学習させ、キーワードと提供する情報や機能を機械学習によるモデルに基づいて選択するようにしてもよい。さらに、ユーザの健康状態に関する情報を得るために本プログラムと連携している女性向けの月経管理機能により取得されたデータを用いると周期的な心身の状態を反映できるので好適である。このように、ユーザの入力を監視し(つまりユーザの行動を監視)、所定のキーワードを検出するようにすると、ユーザの意識している趣味や嗜好だけでなく、短期的なその時点での傾向、趣向や嗜好を把握することが可能で、それに合わせた情報や機能を提供できるので都合がよい。
図7(c)にもう一つの例を示した。ここでは「イライラ」が検出され制御ブロック101に送信されたケースである。次に、制御ブロック101が各ブロックと連携して処理を進める。パーソナルデータの性別が判断され「男」の場合は「※」に進む。また、「女」の場合、次にPMSの時期かどうか、つまり、次回の生理予測日の3-7日前かどうかを制御ブロック101が日付ブロック204、月経管理ブロック202、情報DBブロック206と連携して判断する。ここで、本アプリの実施日が生理予測日の3-7日前に入っている場合は、特定情報としてPMS情報を提供する。次に3-7日前に入っていない場合はPMSではないと判断し、次にパーソナルデータとして保存された、事前にユーザから回答を取得していた簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)の結果を参照し、正常か軽症の場合を示す10点以下の場合はうつ情報を特定情報として提供し、それより大きい場合はメンタルアプリ2を特定機能として提供するように処理が進められる。
【0023】
上述の実施例では、一つ一つの情報の特性ごとに表示の有無を決定していたが、ユーザの年齢、性別、キーワードなどの傾向、ユーザの嗜好性、心身や感情の状態などでユーザをカテゴリ分けし、カテゴリに応じてサーバから提供する情報や機能をフィルタリングしてシステムに提供する(この場合、さらにユーザごとのキーワード入力などに応じてさらに提供される情報や機能が変更される)、あるいはカテゴリごとにUI/UXを修正するといった応用も可能なことは言うまでもない。なお、キーワードについて、心身や感情に関するキーワードや、それらを想起させるキーワードを検出させることによって、短期的な、好ましくはリアルタイムに心身や感情の状態を取得することができるので都合がよい。
【0024】
上記実施例では、恒常的に更新(表示順の変更、新規コンテンツの追加、コンテンツの削除、情報のコンテンツの修正など)しながら複数の情報を同時に提供するシステムの例を示したが、これに限られず、ユーザの行動を監視して、ユーザの潜在的な状態に適合する特定情報等を提供するシステムはこれに含まれる。ただし、本実施例のように、恒常的に複数の情報が提供される場合、ユーザが興味を持ち得る情報に接する機会ができるため、ユーザがアプリ(システム)を継続して利用することが期待される、そして、継続利用して情報を参照した際に、ユーザの興味を持つ、通常時は読み飛ばしてしまうような特定情報等が提供された場合、この情報をユーザが集中して閲覧、あるいは実施することが期待できる。
【0025】
上記実施例では、ユーザの行動を監視する例を示しているが、ユーザの行動としてはユーザ入力を監視することが最も好ましい。この場合、ユーザが自発的に入力した情報をトリガーとしているので、ユーザの意識レベルが高いことに起因する。
【0026】
本願発明でユーザの行動を監視して提供する特定情報等は、宣伝広告情報以外の情報、特に、ユーザの生活関連情報(教育、生活を行う上での心身や感情に関するものやメンタルヘルスに関するもの)や、メンタル不調やストレス関連疾患の症状のセルフケア機能が好ましい。
【0027】
上記キーワード等に関連して提供される情報や機能と理解度を測定するテスト(クイズ形式などが好適である)を関連付けて記憶装置102に記憶させておき、提供される情報等の実施後に、制御ブロック101はこれらの理解度テストを実行するように各ブロックを制御し、理解度が低い場合、所定の期間をおいて再度ユーザに提供する、あるいは、類似の情報等を提供する処理を行う構成にするといった改変も可能である。また、メンタルヘルスの状態変化を確認するために周知の量的指標を記憶装置に記憶させておき、定期的に情報処理端末を介してユーザの回答を取得するように制御しても良い。この回答をグラフ化してユーザの情報処理端末で表示可能と制御することによって、ユーザの実感を高め、継続率を高めることができる。
【0028】
また、本願発明をヘルスケア教育やメンタルヘルスのセルフケアの目的として用いた場合はその効果を測定するために、定期的にその目的に該当する評価尺度のユーザ回答を情報処理端末を介して促し、その回答結果と日時情報を記録し、継時変化を確認することができるように構成してもよい。
【0029】
上述の実施例ではユーザ入力を監視し、ユーザ入力が検出されると、関連する機能や情報を提供する例を示したが、監視に関しては所定の期間、たとえば、1時間、1日、1週間といった期間に検出されたキーワード等を記憶装置に記憶するように構成し、所定期間ごとに情報や機能を情報処理端末を介して提供するようにしても良い。この際、入力に対応した機能や情報をすべて提供しても、入力の多かったカテゴリのものだけを表示、あるいは、所定のカテゴリの優先度を設定しておき、優先度の高いものだけを表示するように、あるいは、予めキーワードやカテゴリの組み合わせと提供する情報や機能とを対応付けたリストを作成しておきそのリストに基づいて提供するようにしても良い。
【0030】
(変形例)
上述の実施例では、キーワードの検出を基に特定の情報や機能を提供する例を示したが、所定のバイタルデータ(歩行速度や発話、情報処理端末の利用状況からのストレスの検出)などを基に特定の情報や機能を提供するようにしても良い。この場合の好例は、対象となるバイタルデータで関連する特定機能や情報を提供する、対象となるバイタルデータと、その他のバイタルデータ、所定期間の間に検出されたキーワード、ユーザのパーソナルデータ、心身の状態(特に女性の月経管理と関連した情報など)、行動特性(BIG5、エニアグラム、性格診断あるいはスマートフォンの利用履歴から取得する行動特性等)、疾患等の評価尺度の回答結果などの組み合わせと、その組み合わせと関連付けた特定機能と情報のリストを作成して記憶装置102に記憶させ、情報提供時にこのリストを検索し、特定の機能や情報を提供するようにすることもできる(前述の実施例のように条件分岐のロジックやそのほかの同業者に周知の方法を用いても良い)。この例として、図7(d)にバイタルデータとして、歩行速度を監視しておき、所定値より低下した場合をトリガーとしておき、EMAでユーザの入力を記録した記録で、「イライラすることが多い」という質問項目に対して過去10日の間に4点法で、おおいに当てはまるという回答があったかどうかを過去の記録を検索し、あった場合はEMA「なし」と判断した場合は抑うつの兆しありとして「うつ情報」を提供し、EMA「あり」と判断された場合は、さらに、パーソナルデータの年齢を参照し、年齢が40歳以上であることが判断されると更年期障害の可能性ありとして「更年期情報」を、年齢が40歳未満の場合は、軽症から中程度のうつとしてユーザにメンタルアプリ1を起動する表示を行うといった制御を制御ブロック101が各ブロックと連携して行う。また、そのほかのバイタルデータを用いた場合、通常のバイタルデータの異常を示してトリガーとなる状態よりも低い状態の基準を作っておきそちらと比較することもできる。たとえば、歩行速度の低下のトリガーとなる状態を歩行速度が80%となる状態として、条件として使われる場合は歩行速度が90%となっている状態も低下ありと判断する、などである。この場合は、単独では異常が判別できないグレーな場合でも、組み合わせた場合で、他に異常があれば、そのバイタルデータも異常である可能性が高まるからである。
【0031】
また、キーワード「おしまいだ」の前に「この宿題が」のようなワードがあった場合は主体がユーザではないのでヘルスケアリテラシー情報等を提供する必要がない。そこで、キーワード等の監視において、キーワードの前後のワードの前後の文脈も同時に抽出し、公知のテキストマイニングの技術を使って主体を判断するように構成して、主体が違う、あるいは、メンタルに関係ないことが判断できた場合、つまり、ユーザの心身や感情に関わる利用者情報の関係性の判断を行い、関係性がないと判断すると、本発明の情報や機能の提供工程を行わないように構成することもできる。
【0032】
上記実施例では、本発明のヘルスケア情報提供システムの構成1で動作するシステム、つまり、情報処理端末110でスタンドアローンで動作するシステムについて説明したが、本発明のヘルスケア情報提供システムの構成2のシステムとして構成することもできる。この場合、制御プログラム本体、複数の関連情報および/または複数の関連機能、および選択のための関連付け情報はサーバ130の記憶装置133に記憶され、全体の制御プログラムを実行するシステム制御は制御装置132が、制御装置101と連携しながら、情報処理端末110のUIや各ハードウェアを制御して、制御プログラムの実行処理を行う。この場合は、上述の実施例で記憶装置102と記憶されたデータのやりとりを行っていた制御プログラムの各ブロックが記憶装置102の代わりに記憶装置133とやりとりを行うことになる。その他の処理等は構成1と同様である。そして、前述の制御プログラムの各ブロックがハードウェアのサーバ130の制御装置132、記憶装置133と、情報処理端末110の制御装置101、記憶装置102、表示装置103、入力装置104、通信装置105(、必要に応じて監視装置106)と、必要に応じて監視装置116と連携して、上述の実施例と同様に制御プログラムの各機能を実現する。なお、その他の構成において、構成2を用いる場合は、制御プログラム、関連情報、関連機能、関連付け情報は記憶装置133に記憶しても、記憶装置102に記憶しても、あるいは両者に分散して記憶しても良い。また制御プログラムも、制御装置101が、制御装置132と連携しながら主体となって制御を行っても良い。制御プログラムの機能のうち、サーバの動作の制御はサーバの制御装置132が、サーバ側のネットワーク通信は通信装置131が処理し、情報処理端末の制御は制御装置101が、情報処理端末110のネットワーク通信は通信装置105が実行する。また、図2に示した制御プログラムの各機能ブロックが関連する情報処理端末および/またはサーバのハードウェアと連携してプログラムの機能を実行する。
【0033】
上述の実施例では月経管理機能を有するシステムに適応した例を示したが、本発明はこれに限られず、任意の情報提供システムに適応できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0034】
100 ヘルスケアシステム
101 制御装置
102 記憶装置
103 表示装置
104 入力装置
105 通信装置
106 監視装置
110 ユーザの情報処理端末
116 監視装置
120 ネットワーク
130 サーバ
131 通信装置
132 制御装置
133 記憶装置
【要約】      (修正有)
【課題】ヘルスケアアプリの情報提供システムおよびその方法を提供する。
【解決手段】ヘルスケアシステム100は、ヘルスケア情報の提供システムであって、利用者の情報処理端末110と、ヘルスケア情報、特定情報および特定機能とを記憶するサーバ130と、を含み、利用者の情報処理端末におけるプラットフォームアプリは、利用者による利用者情報の入力を監視し、所定の利用者情報または所定のバイタルデータの状態を抽出する監視ブロックを含み、監視ブロックで抽出した所定の利用者情報を検出すると、所定の利用者情報と関連付けられた特定情報または特定機能を選択し、特定情報または特定機能を表示装置に表示させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8