(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】空気循環式電気ロースター用機能性カバー及びこれを備える空気循環式電気ロースター
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A47J37/06 321
(21)【出願番号】P 2024100417
(22)【出願日】2024-06-21
【審査請求日】2024-06-21
(31)【優先権主張番号】10-2024-0063492
(32)【優先日】2024-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522072725
【氏名又は名称】ディーエヌダブリュー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DNW, LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヒョンホ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2371249(EP,A2)
【文献】特許第7438587(JP,B1)
【文献】特許第7438586(JP,B1)
【文献】特許第7281219(JP,B2)
【文献】特開2001-037651(JP,A)
【文献】実開平5-026025(JP,U)
【文献】実開昭57-163505(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0014162(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
F24C 7/04
F24C 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディー、熱を発生するためのヒーター、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファン、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板、及び前記調理板の上部の空気を前記ボディー側に吸入するための空気吸入部と前記ボディーの内部を通過した空気を外部に排出するための空気排出部を含む空気循環板を備える空気循環式電気ロースター用の機能性カバーであって、
フレームと、
前記フレームの前記空気吸入部側に形成された第1開放口と、
前記フレームの前記空気排出部側に形成された第2開放口と、
前記フレームの前記第1開放口と前記第2開放口との間の空間に位置する透明な耐熱性の窓部材と、
を備え、
前記第1開放口は、前記第1方向に沿って前記空気吸入部の長さに相当する長さW1及び前記空気吸入部の位置から内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、
前記第2開放口は、前記第1方向に沿って前記空気排出部の長さに相当する長さW2及び前記空気排出部の位置から内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される、
空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項2】
前記第1方向に沿って前記フレームの下部の第1側に設けられる少なくとも一つ以上のパッドをさらに備える、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項3】
前記第1方向に沿って前記フレームの前記第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピンと、
一側に前記ヒンジピンが回転可能に挿入されるヒンジ溝が形成され、他側が前記ボディーに固定されるように形成されたヒンジフレームと、
をさらに備え、
前記ヒンジフレームが前記ボディーに固定された状態で前記ヒンジピンを前記ヒンジ溝に挿入することで前記空気循環式電気ロースターに着脱可能に構成された、
請求項2に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項4】
前記ヒンジ溝は、前記ボディーから前記パッドの厚さに相当する高さを有するように形成された、
請求項3に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項5】
前記フレームの一部に位置するつまみをさらに備える、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項6】
前記第1開放口及び前記第2開放口の少なくとも一つの内側から所定の角度で下方に延長形成されたフラップ部をさらに備える、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項7】
前記第1開放口は、外側が開放されるように形成された、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項8】
前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記フレームの少なくとも一側の一部に形成された第3開放口をさらに備える、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項9】
前記第1開放口の幅d1と前記第2開放口の幅d2は同等の大きさを有する、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項10】
前記第1開放口の幅d1と前記第2開放口の幅d2は互いに異なる、
請求項1に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバー。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10の何れか一項に記載の空気循環式電気ロースター用機能性カバーを備える空気循環式電気ロースター。
【請求項12】
ボディーと、
熱を発生するためのヒーターと、
前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファンと、
前記ヒーターからの熱で加熱される調理板と、
前記調理板の上部の空気を前記ボディー側に吸入するための空気吸入部と前記ボディーの内部を通過した空気を外部に排出するための空気排出部を含む空気循環板と、
前記調理板の上部の調理空間を覆うための機能性カバーと、
を備え、
前記機能性カバーは、全体の外観を形成するフレーム、前記フレームの前記空気吸入部側に形成された第1開放口、前記フレームの前記空気排出部側に形成された第2開放口、前記フレームの前記第1開放口と前記第2開放口との間の空間に位置する透明な耐熱性の窓部材、前記第1方向に沿って前記フレームの下部の第1側に設けられる少なくとも一つ以上のパッド、及び前記第1方向に沿って前記フレームの前記第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピンを含み、
前記ボディーは、一側に前記ヒンジピンが回転可能に挿入されるヒンジ溝が形成され、他側が前記ボディーに一体に形成されたヒンジフレームを含み、
前記第1開放口は、前記第1方向に沿って前記空気吸入部の長さに相当する長さW1及び前記空気吸入部の位置から内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、
前記第2開放口は、前記第1方向に沿って前記空気排出部の長さに相当する長さW2及び前記空気排出部の位置から内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される、
空気循環式電気ロースター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気循環式電気ロースター用機能性カバー及びこれを備える空気循環式電気ロースターに関する。
【背景技術】
【0002】
空気循環式電気ロースターは、本体下部の一側に長型のファンを配置し、上部に調理板を配置して調理時にファンを作動させて電気ロースターの内部に空気の流れを形成することで、煙が外部に排出されずに調理板の油抜け孔を介して内部の油受け部に油が落ちる構造を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような空気循環式電気ロースターでは、空気循環板の両側面にそれぞれ空気吸入部と空気排出部が形成され、ファンが作動することによって調理板から空気吸入部を介して空気が吸入され、空気循環板の下部を経て空気が空気排出部を介して排出される。
【0004】
このような空気循環式電気ロースターを用いて食材量、例えば、肉を美味しく調理するためには、高熱で素早い調理が必要であるが、これによる油の飛散、煙の発生、内部構成品の洗浄、周辺の油の掃除などの不便を伴うことになる。
【0005】
特に、肉を美味しく焼くためにはメイラード反応(Maillard Reaction)またはブラウニング反応(Browning Reaction)を起こすように調理しないと、外はこんがりと焼き上がって旨味が出て中は柔らかくて肉汁が生きているように調理することができない。
【0006】
水分約70%と有機質約30%で構成された肉は、調理板の上で摂氏100度以上の温度で加熱すると水分が徐々に水蒸気になってなくなり、肉自体が薄くなってメイラード反応が起こらない温度が維持されて肉が硬くて不味く調理される。
【0007】
メイラード反応が起こりやすい摂氏177度以上の温度で加熱するためには、十分な調理板の温度と油が必要となる。例えば、十分な熱量を得るために調理板を前もって予熱してから肉を焼くことで肉の表面の温度を高温に上げることができる。
【0008】
通常の電気グリル(ロースター)はこのような十分な熱量を得ることが容易ではなく、調理板を予熱するとしても調理板に肉を乗せると同時に肉に熱量を奪われて温度が下がり、また高温に上昇する過程で調理板の上の肉から水分が蒸発し始める。高温を維持した状態で調理することで表面の油が被膜となり、こんがりとメイラード反応が起きながら肉が焼かれるが、一旦温度が下がってしまうと肉の水分が蒸発してしまうので肉が不味く焼かれることになる。
【0009】
空気循環式電気ロースターを用いて肉を焼く際に、肉の水分が蒸発しないでメイラード反応が容易に起こるようにするためには、蓋を使用することが考えられる。しかし、従来の蓋を使用すると、内部に水分が蓄積されてメイラード反応が起こらないか、またはファンが位置する下部が過熱する危険を招く恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国公開特許公報第10-2007-0008383号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供することを一つの目的とする。
【0012】
さらに、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持しながら外部への油の飛散を防止することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供することをもう一つの目的とする。
【0013】
本発明の解決課題は以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の解決課題は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ボディー、熱を発生するためのヒーター、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファン、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板、及び前記調理板の上部の空気を前記ボディー側に吸入するための空気吸入部と前記ボディーの内部を通過した空気を外部に排出するための空気排出部を含む空気循環板を備える空気循環式電気ロースター用の機能性カバーであって、全体の外観を形成するフレームと、前記フレームの前記空気吸入部側に形成された第1開放口と、前記フレームの前記空気排出部側に形成された第2開放口と、前記フレームの前記第1開放口と前記第2開放口との間の空間に位置する透明な耐熱性の窓部材と、を備え、前記第1開放口は、前記第1方向に沿って前記空気吸入部の長さに相当する長さW1及び前記空気吸入部の位置から内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、前記第2開放口は、前記第1方向に沿って前記空気排出部の長さに相当する長さW2及び前記空気排出部の位置から内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される、空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供する。
【0015】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記第1方向に沿って前記フレームの下部の第1側に設けられる少なくとも一つ以上のパッドをさらに備える。
【0016】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気循環式電気ロースター用機能性カバーは、前記第1方向に沿って前記フレームの前記第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピンと、一側に前記ヒンジピンが回転可能に挿入されるヒンジ溝が形成され、他側が前記ボディーに固定されるように形成されたヒンジフレームと、をさらに備え、前記ヒンジフレームが前記ボディーに固定された状態で前記ヒンジピンを前記ヒンジ溝に挿入することで前記空気循環式電気ロースターに着脱可能に構成される。
【0017】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記ヒンジ溝は、前記ボディーから前記パッドの厚さに相当する高さを有するように形成される。
【0018】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気循環式電気ロースター用機能性カバーは、前記フレームの一部に位置するつまみをさらに備える。
【0019】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気循環式電気ロースター用機能性カバーは、前記第1開放口及び前記第2開放口の少なくとも一つの内側から所定の角度で下方に延長形成されたフラップ部をさらに備える。
【0020】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記第1開放口は、外側が開放されるように形成される。
【0021】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記空気循環式電気ロースター用機能性カバーは、前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記フレームの少なくとも一側の一部に形成された第3開放口をさらに備える。
【0022】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記第1開放口の幅d1と前記第2開放口の幅d2は同等の大きさを有する。
【0023】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記第1開放口の幅d1と前記第2開放口の幅d2は互いに異なる。
【0024】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、前記空気循環式電気ロースター用機能性カバーを備える空気循環式電気ロースターを提供する。
【0025】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ボディーと、熱を発生するためのヒーターと、前記ボディーの第1方向に沿って前記ボディーの内側に配置されるファンと、前記ヒーターからの熱で加熱される調理板と、前記調理板の上部の空気を前記ボディー側に吸入するための空気吸入部と前記ボディーの内部を通過した空気を外部に排出するための空気排出部を含む空気循環板と、前記調理板の上部の調理空間を覆うための機能性カバーと、を備え、前記機能性カバーは、全体の外観を形成するフレーム、前記フレームの前記空気吸入部側に形成された第1開放口、前記フレームの前記空気排出部側に形成された第2開放口、前記フレームの前記第1開放口と前記第2開放口との間の空間に位置する透明な耐熱性の窓部材、前記第1方向に沿って前記フレームの下部の第1側に設けられる少なくとも一つ以上のパッド、及び前記第1方向に沿って前記フレームの前記第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピンを含み、前記ボディーは、一側に前記ヒンジピンが回転可能に挿入されるヒンジ溝が形成され、他側が前記ボディーに一体に形成されたヒンジフレームを含み、前記第1開放口は、前記第1方向に沿って前記空気吸入部の長さに相当する長さW1及び前記空気吸入部の位置から内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、前記第2開放口は、前記第1方向に沿って前記空気排出部の長さに相当する長さW2及び前記空気排出部の位置から内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される、空気循環式電気ロースターを提供する。
【0026】
本明細書でそれぞれの実施例は互いに独立に記載されている場合であっても、それぞれの実施例は相互組合せが可能であり、組合せによる実施例も本発明の権利範囲に含まれる。
【0027】
本明細書に記載の実施例は単に説明のためのものであり、如何なる形でも限定を意図するものではない。上述した説明様態、実施例、及び特徴に加え、追加の様態、実施例、及び特徴が図面及び詳細な説明を参照することで明確になるはずである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の少なくとも一つの実施例によれば、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供できるという効果を奏する。
【0029】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持しながら外部への油の飛散を防止することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供できるという効果を奏する。
【0030】
本発明の効果は以上で言及されたものなどに限定されず、言及されていない他の効果は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーを装着した空気循環式電気ロースターの斜視図である。
【
図2】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターの側断面図である。
【
図3】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターの側断面斜視図である。
【
図4】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの上側斜視図及び下側斜視図である。
【
図5】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの上面図、正面図、下面図、及び側面図である。
【
図6】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーを空気循環式電気ロースターにヒンジ結合する形態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーを空気循環式電気ロースターにヒンジ結合して調理空間を閉じた状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーを空気循環式電気ロースターにヒンジ結合して調理空間を閉じた状態を示す側面図である。
【
図9】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの上面図である。
【
図10】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの第2開放口の幅を固定し、第1開放口の幅の変化による調理板の温度及び油受け部の温度の変化を示すグラフである。
【
図11】本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの第1開放口の幅を固定し、第2開放口の幅の変化による調理板の温度及び油受け部の温度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照し、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー及びこれを備える空気循環式電気ロースターについて詳しく説明する。
【0033】
図1は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を装着した空気循環式電気ロースター200の斜視図である。
【0034】
図1に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、一側に設けられたヒンジピン(またはヒンジ溝)が空気循環式電気ロースター200の一側に設けられたヒンジ溝(またはヒンジピン)と結合して回転可能なヒンジ構造を形成することで、空気循環式電気ロースター200に着脱可能に装着され、空気循環式電気ロースター200の調理空間を開閉可能に構成される。
【0035】
図2は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター200の側断面図である。
図3は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター200の側断面斜視図である。
【0036】
図2及び
図3に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター200は、ボディー210、熱を発生するためのヒーター220、ヒーター220に電源を供給するための電源部(不図示)、ボディー210の第1方向に沿ってボディー210の内側に配置されるファン230、少なくとも一つ以上の第1貫通孔(油抜け孔)を有し、ヒーター220の上部に配置されてヒーター220からの熱で加熱される調理板240、調理板240の上部の空気をボディー210側に吸入するための空気吸入部252を有する第1側壁、ボディー210の内部を通過した空気を調理板240の上部に向けて排出させるための空気排出部253を有する第2側壁、及び少なくとも一つ以上の第2貫通孔251を有する底面を含む空気循環板250、及び油受け部260で構成される。
【0037】
ボディー210はテーブルや床などの平らな面に置かれ、各種の部品を内部に収容し、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター200の全体の外観を形成し、ボディー210の下部の内側にファン230が位置し、下から上方に油受け部260、空気循環板250、ヒーター220、及び調理板240が順に配置される。
【0038】
図3に示すように、ボディー210の内部に配置されるファン230はモーターを内蔵する長型ファンで、ファン230の作動を介して内部の空気を循環させることで調理時に発生する煙(油と臭いを含む熱風)を吸入してボディー210の外部に油と臭いが除去された空気を放出する機能をする。
【0039】
即ち、
図2に示すように、ファン230が作動すると、調理板240の上部の空気が空気循環板250の空気吸入部252を介して矢印Aの方向に吸入され、矢印Bの方向に本体210の下部を介して油受け部260の上部を通過し、矢印Cの方向に反対側の側面に移動し、空気循環板250の空気排出部253を介して矢印Dの方向に排出される。
【0040】
本発明の少なくとも一つの実施例において、第1貫通孔241は調理板240の中央付近に形成され、第2貫通孔251は空気循環板250の第1貫通孔241に対向する位置に第1貫通孔241と同等の大きさでまたは第1貫通孔241より大きく形成される。
【0041】
図2に示す例では調理板240の中心部(または中心付近)に一つの貫通孔を有するように図示しているが、これは一つの実施例を示すのに過ぎず、ボディー210、ヒーター220、ファン230、調理板240、空気循環板250、または油受け部260の特定の形状によって本発明が限定されないことは言うまでもない。
【0042】
空気吸入部252及び空気排出部253は、
図3に示すように、複数の通気口がボディー210の長手方向に沿って(即ち、ファン230の長手方向に沿って)形成された構造を有し、これは通常ファン230の長さに相当するかこれより長く形成される。
【0043】
本発明の少なくとも一つの実施例において、空気排出部253の全体の大きさは、空気吸入部252の全体の大きさと同等にまたは空気吸入部252の全体の大きさより大きく形成される。
【0044】
空気排出部253の大きさを空気吸入部252の大きさと同等にまたは空気吸入部252の大きさより大きく形成することで排出される空気の流路をより確保し、空気排出部253側に行くほど低くなる排出圧力による排出効率の減少を最小化することができる。
【0045】
上記のような構造を有する空気循環式電気ロースター200は、特に分厚いステーキ状の肉を焼く際にメイラード反応を起こすのに十分な熱量を得ることが容易ではなく、調理板を予熱して置いても調理板に肉を乗せると同時に肉に熱量を奪われて温度が降下し、また高温に上昇する過程の中で調理板の上の肉から水分が蒸発し始める。高温を維持した状態で調理することで表面の油が被膜となり、メイラード反応を起こしながらこんがりと肉が焼かれるが、一旦温度が下がってしまうと肉の水分が蒸発してしまうので肉が不味く焼かれることになる。
【0046】
さらに、調理する肉の厚さが空気吸入部252の高さに対して厚すぎると、調理板240の上部の空気を十分に吸入できなくなり、油及び臭いが外部に放出される結果を招くことになる。
【0047】
本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、空気循環式電気ロースターを用いて肉を焼く際に、肉の水分を蒸発しにくくしてメイラード反応が容易に起こるようにし、厚いステーキ状の肉を焼く場合でも油及び臭いが外部に放出されないようにしながら、内部に水分が蓄積されてメイラード反応が適切に起こらないことやファンが位置する下部が過熱することを防ぐことができる。
【0048】
図4は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100の上側斜視図及び下側斜視図である。
図5は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100の上面図(a)、正面図(b)、下面図(c)、及び側面図(d)である。
【0049】
図4及び
図5に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、ボディー、熱を発生するためのヒーター、ボディーの第1方向に沿ってボディーの内側に配置されるファン、ヒーターからの熱で加熱される調理板、及び調理板の上部の空気をボディー側に吸入するための空気吸入部とボディーの内部を通過した空気を外部に排出するための空気排出部を有する空気循環板を含む空気循環式電気ロースター用の機能性カバーであって、空気循環式電気ロースター200に結合され、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100の全体の外観を形成する平板状のフレーム110、フレーム110の空気吸入部側に形成された第1開放口130、フレーム110の空気排出部側に形成された第2開放口140、フレーム110の第1開放口130と第2開放口140との間の空間に位置する透明な耐熱性材質で平板状の窓部材120で構成される。
【0050】
本発明の少なくとも一つの実施例において、フレーム110は、複合PP(Polypropylene)またはアルミニウム素材を用いて制作することができる。
【0051】
本発明の少なくとも一つの実施例において、窓部材120は、耐熱ガラスまたは耐熱強化ガラスを用いて制作することができる。
【0052】
図4及び
図5に示すフレーム110は窓部材120と共に空気循環式電気ロースター用機能性カバー100全体を平板状に構成しているが、これは一つの実施例に過ぎず、フレーム110は平板状で窓部材120が上方に盛り上がる凸レンズ状にする形態やフレーム110と窓部材120とが合わせて上方に盛り上がる凸レンズ状にする形態なども本発明の権利範囲に含まれる。
【0053】
即ち、本発明の少なくとも一つの実施例において、フレーム110は、フレーム110は平板状で、窓部材120が上方に盛り上がる凸レンズ状に形成される。
【0054】
本発明の少なくとも一つの実施例において、フレーム110と窓部材120は、両方が合わせて上方に盛り上がる凸レンズ状に形成される。
【0055】
図5で点線で示した灰色の領域が大略の空気循環板250の上方から見下ろした全体面積を表わし、上面図(a)で灰色領域の上側が空気吸入部252の位置に該当し、灰色領域の下側が空気排出部253の位置に該当する。
【0056】
本発明の少なくとも一つの実施例において、第1開放口130は、第1方向に沿って空気吸入部252の長さに相当するかまたはこれより長い長さW1及び空気吸入部252の位置を基準として内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、第2開放口140は、第1方向に沿って空気排出部253の長さに相当するかまたはこれより長い長さW2及び空気排出部253を基準として内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される。
【0057】
本発明の少なくとも一つの実施例において、第1開放口130の幅d1は、第2開放口140の幅d2と同等の大きさを有するかまたは第2開放口140と異なる大きさを有する。例えば、第1開放口130は、第2開放口140より大きい幅を有するように形成しても良い。
【0058】
空気循環式電気ロースターでは、内部のファンが作動すると、調理板の上部の空気が空気循環板の空気吸入部を介して吸入され、ボディーの下部を通って油受け部の上を通過して反対側の側面に流れ、空気循環板の空気排出部を介して排出される。空気排出部を介して排出される空気は一部が再び空気吸入部を介して吸入されてボディーの内部を循環し、残りは外部に排出される。
【0059】
このように空気の吸入と排出が必要な空気循環式電気ロースターの作動時に通常の蓋をして調理空間を覆うと、空気の循環が乱れるのみならず、内部に熱が籠って過熱ないしは火災の危険を招くことになり得る。
【0060】
このような問題を解決するために、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、空気吸入部側に第1開放口130を形成し、空気排出部側に第2開放口140を形成し、さらに第1開放口130の幅d1を第2開放口140の幅d2と同等な大きさにまたは第2開放口140の幅d2より大きくすることで、調理時に下部の過熱を防止しながら調理板の温度を高温に維持することを可能とする。
【0061】
図4では第1開放口130と第2開放口140を共に長型の開口部(穴)で形成した例を示しているが、第1開放口130と第2開放口140の少なくとも一方を外側が開放されるように形成しても良い。
【0062】
即ち、
図5に示すように、少なくともヒンジ構造が設けられる側の開放口の外側を切り取って開放されるようにすることで製造の容易性を向上させることができる。
【0063】
本発明の少なくとも一つの実施例において、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、第1方向に沿ってフレーム110の下部の一側に設けられる少なくとも一つ以上のパッド180をさらに備える。
【0064】
本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、一般的な蓋のように調理空間を密閉する構造ではなく、空気循環式電気ロースターの調理時に空気の循環を円滑に維持して下部の過熱を防止しながら調理板の温度を高温に保つためのものであり、カバーを閉じたときに空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を空気循環式電気ロースターのボディーから所定の距離だけ離隔されるようにする必要がある。
【0065】
このように、パッド180は、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を閉じたときに調理空間を密閉しないように空気循環式電気ロースターのボディーからの離隔距離を確保するためのものであり、ゴム、シリコンなどの弾性を有する材質で形成することができる。
【0066】
本発明の少なくとも一つの実施例において、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、フレーム110の一部に設けられるつまみ150をさらに備える。
【0067】
本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100において、つまみ150の形状及び位置は特に限定されず、空気循環式電気ロースター全体のデザインや使用時の便宜性などを考慮して適切に設定しても良い。
【0068】
本発明の少なくとも一つの実施例において、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、第1方向に沿ってフレーム110の第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピン160をさらに備える。
【0069】
上記のような構造を有する空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、別途の固定構造がなくても調理時に調理空間の上に乗せて使用することも可能であるが、ヒンジピン160を形成することで後述するヒンジ溝にヒンジピン160を挿入して回転可能に固定し、調理空間の開閉を容易に行うことができる。
【0070】
本発明の少なくとも一つの実施例において、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、第2開放口140の内側から、窓部材120の面の方向に対して所定の角度(例えば、90度以下の角度)で下方に延長形成されるフラップ部170をさらに備える。
【0071】
空気の吸入と排出が必要な空気循環式電気ロースターの作動時に空気の循環を円滑にして過熱ないしは火災の危険を防止するために空気吸入部側に第1開放口130を形成して空気排出部側に第2開放口140を形成し、第1開放口130の幅d1を第2開放口140の幅d2と同等にまたは第2開放口140の幅d2より大きく形成しているが、より円滑に空気を循環させるために、
図5に示すように、フラップ部170を第2開放口140の内側から所定の角度で下方に延長して形成してもよい。所定の角度は、例えば、空気排出部253から排出される空気の少なくとも一部が空気吸入部252まで到達することを阻害または最小化することができる角度である。
【0072】
空気循環式電気ロースターでは、内部のファンが作動すると調理板の上部の空気が空気循環板の空気吸入部を介して吸入され、吸入された空気がボディーの下部を通過して空気循環板の空気排出部を介して排出される。このときに、空気排出部を介して排出される空気の一部が再び空気吸入部を介して吸入されるが、フラップ部170は空気排出部を介して排出される空気が空気吸入部を介して吸入され過ぎないようにし、内部に熱が籠って過熱する危険を防ぐ二次的な安全装置の機能をする。
【0073】
図6は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を空気循環式電気ロースター200にヒンジ結合する形態を示す斜視図である。
図7は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を空気循環式電気ロースター200にヒンジ結合して調理空間を閉じた状態を示す斜視図である。
図8は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を空気循環式電気ロースター200にヒンジ結合して調理空間を閉じた状態を示す側面図である。
【0074】
図6に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例において、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、一側にヒンジピン160が回転可能に挿入されるヒンジ溝270が形成され、他側が空気循環式電気ロースター200のボディーに固定されるように形成されたヒンジフレーム280をさらに備える。
【0075】
空気循環式電気ロースター用機能性カバー100の第1方向に沿って一側に形成されたヒンジピン160をヒンジ溝270に挿入することで、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を空気循環式電気ロースター200に分離可能に装着することができる。
【0076】
図7及び
図8に示すように、ヒンジ溝270は、ヒンジピン160をヒンジ溝270に挿入した状態でフレーム110とボディー210との離隔距離がパッド180の高さ(厚さ)に相当するように形成される。
【0077】
即ち、パッド180は、空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を閉じた際に調理空間を密閉しないで空気循環式電気ロースター200のボディーから離隔距離h1だけ離隔されるようにし、ヒンジ溝270は、ヒンジピン160をヒンジ溝270に挿入した際にフレーム110が空気循環式電気ロースター200のボディーから離隔距離h2だけ離隔されるようにする。
【0078】
離隔距離h1と離隔距離h2は同一になるようにしても良いし、空気循環式電気ロースター200の構造、機能などを考慮して離隔距離h1と離隔距離h2を異なるようにしても良い。
【0079】
図6に示す例では空気循環式電気ロースター用機能性カバー100にヒンジピン160を形成して空気循環式電気ロースター200のボディー210にヒンジ溝270を形成することでヒンジ構造を構成する形態を示しているが、反対に空気循環式電気ロースター用機能性カバー100にヒンジ溝を形成して空気循環式電気ロースター200のボディー210にヒンジピンを形成することでヒンジ構造を構成することも可能である。
【0080】
図9は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー900の上面図である。
【0081】
図9に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバー900は、
図4及び
図5に示す空気循環式電気ロースター用機能性カバー100の構成要素の他に、第1方向に直交する第2方向に沿って少なくとも一側の一部に形成される第3開放口190をさらに備える。
【0082】
空気循環式電気ロースターでは内部のファンが作動すると調理板の上部の空気が空気循環板の空気吸入部を介して吸入され、吸入された空気がボディーの下部を通過して空気循環板の空気排出部を介して排出される循環が繰り返されるが、調理空間の上部が覆われていると、調理板及び内部の温度が上昇して過熱の危険があるので、長手方向の両側または片側に第3開放口190を形成することで調理空間の一部がさらに露出されるようにすることができる。
【0083】
本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターは、前述した空気循環式電気ロースター用機能性カバー100を備える。
【0084】
上記のような構造を有する空気循環式電気ロースター用機能性カバー100は、従来の空気循環式電気ロースターにヒンジフレーム280を装着することで使用することが可能であるが、以下のようにヒンジフレーム280を空気循環式電気ロースターのボディーに一体に形成して使用することもできる。
【0085】
即ち、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースターは、少なくともボディー210、熱を発生するためのヒーター220、ボディー210の第1方向に沿ってボディー210の内側に配置されるファン230、ヒーター220の上部に配置されてヒーター220からの熱で加熱される調理板240、調理板240の上部の空気をボディー210側に吸入するための空気吸入部252とボディー210の内部を通過した空気を調理板240の上部に向けて排出させるための空気排出部253を含む空気循環板250、及び調理板240の上部の調理空間を覆うための機能性カバー100を備える。
【0086】
本発明の少なくとも一つの実施例において、機能性カバー100は、全体の外観を形成するフレーム110、フレーム110の空気吸入部側に形成された第1開放口130、フレーム110の空気排出部側に形成された第2開放口140、フレーム110の第1開放口130と第2開放口140との間の空間に位置する透明な耐熱性材質の窓部材120、第1方向に沿ってフレーム110の下部の一側に設けられる少なくとも一つ以上のパッド180、及び第1方向に沿ってフレーム110の第1側の反対側である第2側に形成されたヒンジピン160を含む。ボディー210は、一側にヒンジピン160が回転可能に挿入されるヒンジ溝270が形成され、他側がボディー210に一体に形成されたヒンジフレーム280を含む。
【0087】
本発明の少なくとも一つの実施例において、第1開放口130は、第1方向に沿って空気吸入部252の長さに相当するかまたはこれより長い長さW1及び空気吸入部252の位置を基準として内側に所定の幅d1を有する長型の開口部で形成され、第2開放口140は、第1方向に沿って空気排出部253の長さに相当するかまたはこれより長い長さW2及び空気排出部253を基準として内側に所定の幅d2を有する長型の開口部で形成される。
【0088】
図10は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの第2開放口の幅を固定し、第1開放口の幅の変化による調理板の温度及び油受け部の温度の変化を示すグラフである。
図11は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る空気循環式電気ロースター用機能性カバーの第1開放口の幅を固定し、第2開放口の幅の変化による調理板の温度及び油受け部の温度の変化を示すグラフである。
【0089】
実験に用いた空気循環式電気ロースターは、空気吸入部と空気排出部の大きさが共に約329.0mm x 23.5mmで形成され、空気吸入部と空気排出部間の距離が約248.6mmだけ離隔されて調理空間を形成するもので、このための機能性カバーは、約427.5mm x 311.5mmのサイズで、第1開放口の長さW1は約320.1mm、第2開放口の長さW2は約319.4mmで製作した。
【0090】
この空気循環式電気ロースターに用いられたファンは、DC12V、0.25Aで駆動されるClass A長型ファンで、作動時の回転速度は3,500rpmに設定されている。
【0091】
空気循環式電気ロースター用機能性カバーの第1開放口の幅d1は、第2開放口の幅d2を20.0mmに固定した状態で25.0mm、30.0mm、35.0mmに変化させ、第2開放口の幅d2は、第1開放口の幅d1を35.0mmに固定した状態で15.0mm、20.0mm、25.0mmに変化させながら調理板の温度及び油受け部の温度をそれぞれ測定した。
【0092】
図10に示すように、第2開放口の幅d2を20.0mmに固定した状態で第1開放口の幅d1を25.0mm、30.0mm、35.0mmに変化させると、調理板の温度は308.7℃、300.0℃、302.6℃に変化し、油受け部の温度は121.6℃、118.4℃、118.1℃に変化した。
【0093】
図11に示すように、第1開放口の幅d1を35.0mmに固定した状態で第2開放口の幅d2を15.0mm、20.0mm、25.0mmに変化させると、調理板の温度は305.3℃、302.6℃、301.1℃に変化し、油受け部の温度は122.2℃、118.1℃、118.2℃に変化した。
【0094】
空気循環式電気ロースターで内部のファンの作動時に調理空間を覆うと空気の循環に影響を与えて内部の温度が上昇するが、この際に最も影響を受ける部分の一つが油受け部である。
【0095】
油受け部は、グラスファイバーを結合することで耐熱性を向上させた複合PP材質で制作され、使用上の物性(熱変形)温度は約140.0℃である。従って、本実験では調理板の温度を230度に設定し、調理板に何も乗せてない状態でヒーターに電源を供給して調理板の温度は高温に維持しながら油受け部の温度が120.0℃以下に抑えられるd1とd2の組合せを見つけることが目的である。
【0096】
図10に示す例では、第1開放口の幅d1を25.0mm、30.0mm、35.0mmに変化させると、調理板の温度が308.7℃、300.0℃、302.6℃に変化すると共に油受け部の温度が121.6℃、118.4℃、118.1℃に変化したので、第1開放口の幅d1は30.0mmまたは35.0mmが適切であると言える。
【0097】
図11に示す例では、第2開放口の幅d2を15.0mm、20.0mm、25.0mmに変化させると、調理板の温度が305.3℃、302.6℃、301.1℃に変化すると共に油受け部の温度が122.2℃、118.1℃、118.2℃に変化したので、第2開放口の幅d2は20.0mmまたは25.0mmが適切であると言える。
【0098】
このような実験を介して、第1開放口の幅d1を35.0mmに設定し、第2開放口の幅d2を20.0mmに設定して機能性カバーを制作し、商用の空気循環式電気ロースターに適用した場合、同一の温度設定で調理板の温度がより上昇し、カバーによるオーブン効果で肉を焼く時間が約30%程度減少し、優れたメイラード反応で外はこんがりと焼き上がり中は柔らかくて肉汁が溢れるように調理されることが確認できた。
【0099】
このように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る機能性カバーを使用すると、空気循環式電気ロースターを用いて調理時に周辺に油が飛散することを防止し、臭いの発生をさらに抑制しながら、高熱でより短い時間に調理が可能で、メイラード反応が容易に起こるような環境を提供することができる。
【0100】
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供できる。
【0101】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の過熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持しながら外部への油の飛散を防止することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供できる。
【0102】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0103】
100:空気循環式電気ロースター用機能性カバー
110:フレーム
120:窓部材
130:第1開放口
140:第2開放口
150:つまみ
160:ヒンジピン
170:フラップ部
180:パッド
190:第3開放口
200:空気循環式電気ロースター
210:ボディー
220:ヒーター
230:ファン
240:調理板
241:第1貫通孔
250:空気循環板
251:第2貫通孔
252:空気吸入部
253:空気排出部
260:油受け部
270:ヒンジ溝
280:ヒンジフレーム
【要約】
【課題】空気循環式電気ロースターにおいて、調理時に下部の加熱を防止しつつ調理板の温度を高温に維持することが可能な空気循環式電気ロースター用機能性カバーを提供する。
【解決手段】空気循環式電気ロースター用の機能性カバーは、全体の外観を形成するフレームと、フレームの空気吸入部側に形成された第1開放口と、フレームの空気排出部側に形成された第2開放口と、フレームの第1開放口と第2開放口との間の空間に位置する透明な耐熱性の窓部材と、を備える。第1開放口は、第1方向に沿って空気吸入部の長さに相当する長さ及び空気吸入部の位置から内側に所定の幅を有する長型の開口部で形成され、第2開放口は、第1方向に沿って空気排出部の長さに相当する長さ及び空気排出部の位置から内側に所定の幅を有する長型の開口部で形成される。
【選択図】
図1