(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】洗浄システム及び装置間搬送装置
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20240726BHJP
B65G 47/82 20060101ALI20240726BHJP
B65G 1/04 20060101ALN20240726BHJP
【FI】
A47L15/24
B65G47/82 A
B65G1/04 561
(21)【出願番号】P 2020083709
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】加藤 園生
(72)【発明者】
【氏名】堀 史幸
(72)【発明者】
【氏名】木全 祐也
(72)【発明者】
【氏名】永井 洋
(72)【発明者】
【氏名】石川 亨
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-024617(JP,U)
【文献】米国特許第09144365(US,B1)
【文献】特開2001-039505(JP,A)
【文献】実開昭51-099386(JP,U)
【文献】特開2017-080160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00-21/06
B08B 1/00-13/00
B65G 1/00-1/133
B65G 1/14-1/20
B65G 47/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物を洗浄する第1洗浄室と、前記第1洗浄室に供給する洗浄水を貯留する第1洗浄水タンクと、前記第1洗浄室に供給するすすぎ水を貯留する第1すすぎタンクと、前記第1洗浄室を開閉する第1ドアと、を有する予備洗浄機と、
前記予備洗浄機に前記被洗浄物を収容するラックを搬入する第1搬送装置と、
前記予備洗浄機によって洗浄された前記被洗浄物を洗浄する第2洗浄室と、前記第2洗浄室に供給する洗浄水を貯留する第2洗浄水タンクと、前記第2洗浄室に供給するすすぎ水を貯留する第2すすぎタンクと、前記第2洗浄室を開閉する第2ドアと、を有する本洗浄機と、
前記予備洗浄機と前記本洗浄機との間に配置されており、前記予備洗浄機
の前記第1ドアが開いた部分から搬出される前記ラックを
前記第2ドアの開いた部分から前記本洗浄機に搬入する第2搬送装置と、
前記本洗浄機から搬出される前記ラックを貯留するラック貯留部と、
前記予備洗浄機の前記第1洗浄室及び前記本洗浄機の前記第2洗浄室の両方を開放するように前記第1ドア及び前記第2ドアを制御した後、前記予備洗浄機から搬出される前記ラックを前記本洗浄機に搬入するように前記第2搬送装置を制御するコントローラと、を備え、
前記第2搬送装置は、
前記予備洗浄機から搬出される前記ラックを前記本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトによって前記第1所定位置にまで搬送された前記ラックを前記本洗浄機における前記第2洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有する、洗浄システム。
【請求項2】
被洗浄物を洗浄する第1洗浄室と、前記第1洗浄室に供給する洗浄水を貯留する第1洗浄水タンクと、前記第1洗浄室に供給するすすぎ水を貯留する第1すすぎタンクと、前記第1洗浄室を開閉する第1ドアと、を有する予備洗浄機と、
前記予備洗浄機に前記被洗浄物を収容するラックを搬入する第1搬送装置と、
前記予備洗浄機によって洗浄された前記被洗浄物を洗浄する第2洗浄室と、前記第2洗浄室に供給する洗浄水を貯留する第2洗浄水タンクと、前記第2洗浄室に供給するすすぎ水を貯留する第2すすぎタンクと、前記第2洗浄室を開閉する第2ドアと、を有する本洗浄機と、
前記予備洗浄機と前記本洗浄機との間に配置されており、前記予備洗浄機
の前記第1ドアが開いた部分から搬出される前記ラックを
前記第2ドアの開いた部分から前記本洗浄機に搬入する第2搬送装置と、
前記本洗浄機から搬出される前記ラックを貯留するラック貯留部と、
前記予備洗浄機の前記第1洗浄室及び前記本洗浄機の前記第2洗浄室の両方を開放するように前記第1ドア及び前記第2ドアを制御した後、前記予備洗浄機から搬出される前記ラックを前記本洗浄機に搬入するように前記第2搬送装置を制御するコントローラと、を備え、
前記第2搬送装置は、
前記予備洗浄機から前記ラックが搬出される搬出方向に沿って配列された複数の回転ローラを有し、前記予備洗浄機から搬出される前記ラックを前記本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送するローラコンベヤと、
前記ローラコンベヤによって前記第1所定位置にまで搬送された前記ラックを前記本洗浄機における前記第2洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有し、
前記ローラコンベヤは、前記搬出方向において下流側に配置される前記回転ローラほど鉛直方向において低い位置に配置されている、洗浄システム。
【請求項3】
前記ラック貯留部は、前記ラックを1個以上載置可能なテーブル状の貯留台である、請求項1又は2記載の洗浄システム。
【請求項4】
前記ラック貯留部は、
前記本洗浄機によって洗浄された前記ラックを収納するワゴンと、
前記本洗浄機から搬出される前記ラックを前記ワゴンに搬入するリフト装置と、を含んで構成されている、請求項1~3の何れか一項記載の洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄システム及び装置間搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄機に食器が収容された食器ラックを搬入する食器搬入装置と、食器を洗浄する洗浄機と、上下方向に配列されると共に食器ラックを収容可能な棚部を有するワゴンと、洗浄機によって洗浄された食器をワゴンにおける棚部に搬入するリフター装置と、を備えた洗浄システムが知られている。このような洗浄システムでは、洗浄機への食器の搬入からワゴンへの食器の搬入までの工程を自動で実行することができるので、食器洗浄作業において省人化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄前の食器等の被洗浄物には残菜が付着していることが多く、被洗浄物を洗浄機に格納する前に、被洗浄物を水が貯留された浸漬槽に浸漬させる等して被洗浄物に付着した残菜等を予備的に取り除く予備洗浄が人の手を介して行われている。しかしながら、昨今のより一層の省人化の要請から、このような予備洗浄を行う必要がない洗浄機が求められている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、より一層の省人化を図ることができる洗浄システム及び装置間搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、予備洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入する第1搬送装置と、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機に搬入する第2搬送装置と、本洗浄機から搬出されるラックを貯留するラック貯留部と、を備える。
【0007】
この構成の洗浄システムでは、予備洗浄機によって被洗浄物から残菜等を洗い流す予備洗浄を実施し、本洗浄機によって残菜等が取り除かれた被洗浄物の本洗浄を実施することができる。これにより、人の手を介さずに被洗浄物の予備洗浄をすることを可能になる。また、この構成の洗浄システムでは、第2搬送装置によって予備洗浄機から本洗浄機への被洗浄物が収容されたラックの搬送がなされる。これにより、人の手を介さずに予備洗浄機から本洗浄機への被洗浄物が収容されたラックを搬送することが可能となる。この結果、より一層の省人化を図ることができる。
【0008】
本発明の洗浄システムでは、ラック貯留部は、ラックを1個以上載置可能なテーブル状の貯留台としてもよい。この構成では、より多くのラックを省スペースで貯留することが可能となる。
【0009】
本発明の洗浄システムでは、ラック貯留部は、本洗浄機によって洗浄されたラックを収納するワゴンと、本洗浄機から搬出されるラックをワゴンに搬入するリフト装置と、を含んで構成されていてもよい。この構成では、ラックを貯留する部分を簡易に構成することができる。
【0010】
本発明の洗浄システムでは、第2搬送装置は、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトによって第1所定位置にまで搬送されたラックを本洗浄機における洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有していてもよい。この構成では、予備洗浄機から排出されるラックを本洗浄機に確実に搬入することができる。
【0011】
本発明の洗浄システムでは、第2搬送装置は、予備洗浄機からラックが搬出される搬出方向に沿って配列された複数の回転ローラを有し、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送するローラコンベヤと、ローラコンベヤによって第1所定位置にまで搬送されたラックを本洗浄機における洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有し、ローラコンベヤは、搬出方向において下流側に配置される回転ローラほど鉛直方向において低い位置に配置されていてもよい。この構成では、予備洗浄機から排出されるラックを本洗浄機に確実に搬入することができる。
【0012】
本発明の装置間搬送装置は、被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、予備洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入するキャリーテーブルと、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、本洗浄機から搬出されるラックを貯留するラック貯留部とを備える洗浄システムに配備され、予備洗浄機と本洗浄機との間に配置されると共に、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機に搬入する装置間搬送装置であって、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトによって第1所定位置にまで搬送されたラックを本洗浄機における洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有する。この構成では、より一層の省人化を図ることができると共に予備洗浄機から排出されるラックを本洗浄機に確実に搬入することができる。
【0013】
本発明の装置間搬送装置は、被洗浄物を洗浄する予備洗浄機と、予備洗浄機に被洗浄物を収容するラックを搬入するキャリーテーブルと、予備洗浄機によって洗浄された被洗浄物を洗浄する本洗浄機と、本洗浄機から搬出されるラックを貯留するラック貯留部とを備える洗浄システムに配備され、予備洗浄機と本洗浄機との間に配置されると共に、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機に搬入する装置間搬送装置であって、予備洗浄機からラックが搬出される搬出方向に沿って配列された複数の回転ローラを有し、予備洗浄機から搬出されるラックを本洗浄機が配置された方向に第1所定位置まで搬送するローラコンベヤと、ローラコンベヤによって第1所定位置にまで搬送されたラックを本洗浄機における洗浄室の第2所定位置に押し込む搬送アームと、を有し、ローラコンベヤは、搬出方向において下流側に配置される回転ローラほど鉛直方向において低い位置に配置されている。この構成では、より一層の省人化を図ることができると共に予備洗浄機から排出されるラックを本洗浄機に確実に搬入することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より一層の省人化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る洗浄システムの全体を示す斜視図である。
【
図2】
図2(A)はキャリーテーブルの正面図であり、
図2(B)はキャリーテーブルの平面図である。
【
図3】
図3は、予備洗浄機及び本洗浄機の概略構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、装置間搬送装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)はリフト装置をワゴン側から見た側面図であり、
図5(B)はリフト装置を本浄機側から見た側面図である。
【
図7】
図7(A)~(C)は、装置間搬送装置が予備洗浄機から本洗浄機へ食器ラックを搬送するときの動きを示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る洗浄システムの全体を示す斜視図である。
【
図9】
図9(A)は搬出装置を示す平面図であり、
図9(B)は搬出装置を示す斜視図である。
【
図10】
図10(A)~(D)は、変形例に係る装置間搬送装置が予備洗浄機から本洗浄機へ食器ラックを搬送するときの動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、
図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0017】
[第1実施形態]
図1に示されるように、第1実施形態に係る洗浄システム1は、キャリーテーブル(第1搬送装置)3と、予備洗浄機2Aと、装置間搬送装置(第2搬送装置)4と、本洗浄機2Bと、リフト装置(ラック貯留部)5と、ワゴン(ラック貯留部)6と、を備えている。洗浄システム1では、キャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6が、左右方向に並べて配置されている。
【0018】
キャリーテーブル3は、食器(被洗浄物)Dが収容される食器ラック(ラック)Rを予備洗浄機2Aに搬送する。
図1、
図2(A)、及び
図2(B)に示されるように、キャリーテーブル3は、基台10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、センサ14と、コントローラ12と、を有している。
【0019】
基台10は、食器ラックRが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックRが載置される載置面10aを有している。基台10には、載置面10aから突出すると共に食器ラックRの搬送方向に沿って延在する、食器ラックRを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。
【0020】
搬送機構11は、食器ラックRを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、キャリーテーブル3を正面から見たとき基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10aよりも上方に突出して設けられている。
【0021】
アーム部材11Aは、食器ラックRを押し出す部材であって、載置面10a上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
【0022】
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端がキャリーテーブル3の右側に向く状態とキャリーテーブル3の前側に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10a上の進出領域に進出するようになっている。
【0023】
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって、キャリーテーブル3を正面から見たときの左右方向に回動する。アーム部材11Aは、食器ラックRを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10a上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10a上の食器ラックRがセンサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB1が押下されたタイミングで載置面10a上に進出する。
【0024】
アーム部材11Aは、予備洗浄機2Aに向けて食器ラックRを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックRに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。アーム部材11Aは、食器ラックRを予備洗浄機2Aにまで搬送すると、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
【0025】
コントローラ12は、キャリーテーブル3を含む、洗浄システム1の動作全般を制御する。コントローラ12は、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)、及び通信回路等を有する。コントローラ12は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。コントローラ12は、例えば、キャリーテーブル3の動作、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bにおけるドア23の開閉動作(駆動機構7及び駆動機構76の駆動動作)、装置間搬送装置4における搬送動作、リフト装置5の動作等を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。コントローラ12は、予備洗浄機2Aのコントローラ35と、通信可能に接続されている。
【0026】
操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2、及び作業者に音声で各種状態を報知するスピーカ等の報知部Mが配置されている。
【0027】
図1に示されるように、予備洗浄機2Aは、キャリーテーブル3の左側に、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。予備洗浄機2Aは、本洗浄機2Bにおける食器Dの洗浄に先だち、食器Dの表面に付着した残菜等を洗い流すために設けられる洗浄機である。すなわち、予備洗浄機2Aは、予備浸漬タンク等において人の手を介して行われていた食器Dの予備洗浄を実施する洗浄機である。予備洗浄機2Aは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。
図1及び
図3に示されるように、予備洗浄機2Aは、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
【0028】
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、後段にて詳述する連結部材76C(
図4参照)に連結されている。連結部材76Cは、コントローラ12によって制御される駆動モータ76Aによって駆動される。ドア23は、駆動モータ76Aによる駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0029】
本実施形態では、ドア23は駆動モータ76Aに連動して開閉されるが、
図1に示されるように、手動でドア23を開閉するためのハンドル24Aが設けられている。ハンドル24Aは、ドア23の前面23Aに配置されている。ハンドル24Aの両端には左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定され、回動アーム24Bはドア23の側面23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24Bには、ドア23の側面23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピン24Dを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。なお、本実施形態ではドア23に上述のハンドル24Aが設けられた例を挙げて説明したが、設けられていなくてもよい。
【0030】
図3に戻り、洗浄室21内には、食器ラックRが載置されるラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から予備洗浄機2Aに搬出される食器ラックRは、ラックレール25上に押し出される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックRに並べられた食器は、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0031】
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
【0032】
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
【0033】
機械室22内には、予備洗浄機2Aの動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)等が収容されている。コントローラ35は、洗浄(予備洗浄)が終了したことを示す洗浄終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
【0034】
予備洗浄機2Aは、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。予備洗浄機2Aは、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
【0035】
図1に示されるように、装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aから搬出された食器ラックRを本洗浄機2Bに搬入する。装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aの左側に隣接して配置されている。装置間搬送装置4は、左右方向において予備洗浄機2Aと本洗浄機2Bとの間に配置されている。
図4に示されるように、装置間搬送装置4は、本体71と、搬送アーム72と、アーム駆動部73と、搬送ベルト74と、ベルト駆動部75と、駆動機構76と、脚部79と、を備えている。本体71は、装置間搬送装置4の外形を形成すると共に搬送アーム72、アーム駆動部73、搬送ベルト74、ベルト駆動部75、及び駆動機構76のそれぞれの一部又は全部を収容する。
【0036】
搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから搬出される食器ラックRを本洗浄機2B方向に第1所定位置まで搬送する。第1所定位置は、搬送ベルト74の本洗浄機2B側の端部である。搬送ベルト74は、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出されて食器ラックRの一部が搬送ベルト74上に位置したことが図示しないセンサで検知されることにより作動して、本洗浄機2B方向に第1所定位置まで移動させる。搬送ベルト74は、ベルト駆動部75によって駆動される。ベルト駆動部75は、例えばモータである。
【0037】
搬送アーム72は、一方向に延在する回動軸を回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。搬送アーム72は、アーム駆動部73によって駆動されることにより回動し、所定位置に位置する食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21に押し出す。アーム駆動部73は、例えば、モータである。装置間搬送装置4は、本体71を支持する四つの脚部79を備えている。
【0038】
駆動機構76は、予備洗浄機2Aのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構76は、駆動モータ76Aと、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ76Bと、連結部材76Cと、ガイドレール76Dと、を有している。
【0039】
駆動モータ76Aは、例えば、ギアモータである。駆動モータ76Aは、例えば、装置間搬送装置4の上部に配置されている。駆動モータ76Aの動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ76Aの出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0040】
スライダ76Bは、チェーンに接続されている。スライダ76Bは、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ76Bは、上下方向に沿って延在しているガイドレール76Dに接続されており、ガイドレール76Dに沿って移動する。連結部材76Cは、スライダ76Bと予備洗浄機2Aのドア23とを連結している。連結部材76Cは、前後方向に沿って延在している。連結部材76Cの一端部は、スライダ76Bに固定されており、連結部材76Cの他端部は、軸ピン(図示せず)を介して予備洗浄機2Aのドア23に連結されている。連結部材76Cには、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材76Cと予備洗浄機2Aのドア23の下端部とに接続されており、予備洗浄機2Aのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0041】
図1に示されるように、本洗浄機2Bは、装置間搬送装置4の左側に隣接して配置されている。本洗浄機2Bは、食器ラックRに収容されている食器を洗浄する。本洗浄機2Bは、予備洗浄機2Aによって予備洗浄された食器を洗浄する。本洗浄機2Bの構成は、上述した予備洗浄機2Aと下記の構成を除き同じであるので、ここでは異なる点のみ詳述する。すなわち、本洗浄機2Bのドア23は、後段にて詳述する連結部材64(
図5(A)及び
図5(B)参照)に連結されている。連結部材64は、コントローラ12によって制御される駆動モータ60によって駆動される。ドア23は、駆動モータ60による駆動によって、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(
図3に示す位置)と、上下方向において最上高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(
図1に示す位置)と、の間で移動する。
【0042】
本実施形態の本洗浄機2Bでは、予備洗浄機2Aと同様に、ドア23は駆動モータ60によって開閉されるが、
図1示されるように、手動でドア23を開閉するためのハンドル24Aが設けられている。ハンドル24Aは、ドア23の前面23Aに配置されている。ハンドル24Aの両端には左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定され、回動アーム24Bはドア23の側面23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24Bには、ドア23の側面23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピン24Dを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。なお、本実施形態ではドア23に上述のハンドル24Aが設けられた例を挙げて説明したが、設けられていなくてもよい。
【0043】
図1に示されるように、リフト装置5は、本洗浄機2Bの左隣りに、本洗浄機2Bに隣接して配置されている。リフト装置5は、本洗浄機2Bから搬出された食器ラックRを、ワゴン6の所定位置に移載する。
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構7と、を備えている。本体40は、フレーム40Aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42A,42Bを有している。一対の側部42A,42Bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42A,42Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、本洗浄機2B側の開口の上側の一部を覆う側部42Cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
【0044】
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックRをワゴン6に搬出するベルト43A,43Bを有している。リフト41は、本洗浄機2Bによる洗浄が完了した際、本洗浄機2Bのラックレール25(
図3参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、本洗浄機2Bから食器ラックRが搬出されて、食器ラックRの一部がリフト41上に位置したことがセンサ44で検知されると、ベルト43A,43Bを作動させて食器ラックRを取り入れる。
【0045】
リフト41は、食器ラックRを取り入れると、ワゴン6において食器ラックRが収容されていない棚部(段)に食器ラックRを移載する。リフト41は、ベルト43A,43Bを作動させて、食器ラックRをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられたセンサ(図示せず)又はリフト41に設けられたセンサ(図示せず)によって検知される。
【0046】
駆動機構7は、本洗浄機2Bのドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
【0047】
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63と本洗浄機2Bのドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介して本洗浄機2Bのドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64と本洗浄機2Bのドア23の下端部とに接続されており、本洗浄機2Bのドア23が上昇するときに上記ドア23を下方から支持する。
【0048】
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックRを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックRが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
【0049】
図6に示されるように、ワゴン6は、互いに対向して配置されている一対の側部50A,50Bと、一対の側部50A,50Bの上端部に設けられている上部51と、一対の側部50A,50Bの下端部に設けられている底部52と、を有している。一対の側部50A,50Bは、パネル状の部材により形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50B、上部51及び底部52によって、食器ラックRを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、一対の側部50A,50Bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。
【0050】
一対の側部50A,50Bのそれぞれの内面には、互いに対向する位置に、一対の支持レール53A,53Bが設けられている。一対の支持レール53A,53Bは、食器ラックRを支持する。一対の支持レール53A,53Bは、ワゴン6において食器ラックRを収容する棚部を構成している。支持レール53A,53Bは、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。一方の側部50Aの外面には、作業者によって把持可能な操作ハンドル54A,54Bが設けられている。底部52には、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする4個のローラ55A,55B,55C,55Dと、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する設置機構56A,56Bと、が設けられている。
【0051】
続いて、洗浄システム1の動作について説明する。作業者は、食器ラックRに使用済みの食器Dを収容し、食器ラックRを載置面10aに載置する。そして、センサ14によって食器ラックRが検知されたとき、又は、作業者によって操作部18のスタートボタンB1が押下されたときに、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの洗浄室21が開放された状態となっている場合、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送が開始される。コントローラ12は、アーム部材11Aが予備洗浄機2Aへ食器ラックRを押し出したことが検知されると、所定時間経過後に、装置間搬送装置4における駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉められる。
【0052】
センサ14によって食器ラックRが検知されたこと、又は、作業者によって操作部18のスタートボタンB1が押下されたとしても、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの少なくとも一方のドア23が閉まっている場合(洗浄動作中の場合)、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送は開始されず、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの両方の洗浄動作が終了するまでそのまま待機する。コントローラ12は、予備洗浄機2Aの洗浄動作が終了すると、装置間搬送装置4の駆動機構76を制御して、予備洗浄機2Aの洗浄室21を開放し、本洗浄機2Bの洗浄動作が終了すると、リフト装置5の駆動機構7を制御して、本洗浄機2Bの洗浄室21を開放する。
【0053】
コントローラ12は、予備洗浄機2A及び本洗浄機2Bの両方の洗浄室21を開放させた後、アーム部材11Aによる食器ラックRの搬送を開始させる。コントローラ12は、アーム部材11Aが予備洗浄機2Aへ食器ラックRを押し出したことを検知すると、所定時間経過後に、装置間搬送装置4における駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる。これにより、予備洗浄機2Aのドア23が閉められる。予備洗浄機2Aは、ドア23が閉められると、洗浄動作を開始する。予備洗浄機2Aは、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構76の駆動モータ76Aを作動させる、これにより、予備洗浄機2Aのドア23が開けられる。
【0054】
予備洗浄機2Aのドア23が開けられると、
図7(A)に示されるように、キャリーテーブル3によって新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aにおける洗浄室21の所定位置に搬入される。これにより、洗浄後の食器ラックRは、新たな食器ラックRによって装置間搬送装置4に押し出されて、装置間搬送装置4の搬送ベルト74に搬出される。予備洗浄機2Aは、新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aにおける洗浄室21の所定位置に搬入された後、所定時間経過後にドア23が閉められ、新たに搬入された食器ラックRに収容された食器Dの洗浄を開始する。
【0055】
装置間搬送装置4は、上述したように新たな食器ラックRによる押し出しによって食器ラックRが搬出されてくると、搬送ベルト74を駆動して、食器ラックRを本洗浄機2Bの方向に引き込み、
図7(B)に示されるように、搬送ベルト74の左側端部(第1所定位置)まで搬送する。装置間搬送装置4は、食器ラックRが搬送ベルト74の左側端部まで搬送されると、搬送アーム72を駆動して、
図7(C)に示されるように、食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21の所定位置(第2所定位置)にまで押し込む。コントローラ12は、搬送アーム72が本洗浄機2Bへ食器ラックRを押したことを検知すると、所定時間経過後に、リフト装置5における駆動機構7の駆動モータ60を作動させる。これにより、本洗浄機2Bのドア23が閉められる。本洗浄機2Bは、ドア23が閉められると、洗浄動作を開始する。
【0056】
本洗浄機2Bは、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構7の駆動モータ60を作動させる。これにより、本洗浄機2Bのドア23が開けられる。本洗浄機2Bのドア23及び予備洗浄機2Aのドア23が開けられると、キャリーテーブル3によって更なる新たな食器ラックRが予備洗浄機2Aに搬入される。これにより、予備洗浄機2Aにおける洗浄後の食器ラックRは、更なる新たな食器ラックRによって予備洗浄機2A内にある食器ラックRが装置間搬送装置4に押し出され、本洗浄機2B内にある食器ラックRは、装置間搬送装置4から搬入された食器ラックRによってリフト装置5に押し出されて、リフト装置5のリフト41に搬出される。リフト41は、本洗浄機2Bから搬入された食器ラックRをワゴン6において空いている棚部に移載する。
【0057】
上記実施形態の洗浄システム1における作用効果について説明する。上記実施形態の洗浄システム1では、予備洗浄機2Aによって食器Dから残菜等を洗い流す予備洗浄を実施し、本洗浄機2Bによって残菜等が取り除かれた食器Dの本洗浄を実施することができる。これにより、人の手を介さずに食器Dの予備洗浄をすることを可能になる。また、上記実施形態の洗浄システム1では、装置間搬送装置4によって予備洗浄機2Aから本洗浄機2Bへの食器Dが収容された食器ラックRの搬送がなされる。これにより、人の手を介さずに予備洗浄機2Aから本洗浄機2Bへの食器Dが収容された食器ラックRを搬送することが可能となる。この結果、より一層の省人化を図ることができる。
【0058】
上記実施形態の洗浄システム1では、装置間搬送装置4は、予備洗浄機2Aから搬出される食器ラックRを本洗浄機2Bが配置された方向に搬送ベルト74の本洗浄機2B側端部(第1所定位置)まで搬送する搬送ベルト74と、搬送ベルト74によって搬送ベルト74の本洗浄機2B側端部にまで搬送された食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21の所定位置(第2所定位置)に押し込む搬送アーム72と、を有しているので、予備洗浄機2Aから排出される食器ラックRを本洗浄機2Bに確実に搬入することができる。
【0059】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る洗浄システム1Aについて説明する。なお、ここでは、第1実施形態に係る洗浄システム1と異なる構成のみ詳細に説明し、同じ構成については説明を省略する。
図8に示されるように、第2実施形態に係る洗浄システム1Aは、第1実施形態に係る洗浄システム1を構成するキャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6を備える点では同じであるが、その配置方法が異なっている。
【0060】
すなわち、第1実施形態に係る洗浄システム1では、キャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6が左右方向に一直線上に配置されていたが、第2実施形態に係る洗浄システム1Aでは、
図8に示されるように、キャリーテーブル3及び予備洗浄機2Aが前後方向に並べて配置され、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5及びワゴン6が、左右方向に並べて配置されている。第2実施形態に係る洗浄システム1Aでは、食器Dが収容される食器ラックRが前側から後側に向かって移動した後、右側から左側に向かって移動するように、平面視においてキャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6がL字状に配置されている。
【0061】
また、第2実施形態に係る洗浄システム1Aでは、キャリーテーブル3、予備洗浄機2A、装置間搬送装置4、本洗浄機2B、リフト装置5、及びワゴン6をL字状に配置するにあたり、
図9(A)及び
図9(B)に示されるような、第1実施形態では備えられていなかった搬出装置90が備えられている。
【0062】
搬出装置90は、予備洗浄機2Aに搬入された食器ラックRを押し出して装置間搬送装置4に搬出する。
図9(A)に示されるように、搬出装置90は、予備洗浄機2Aの右側側面の前方に設けられている。
図9(B)に示されるように、搬出装置90は、アーム91と、モータ93と、規制部96と、を有している。モータ93は、キャリーテーブル3に設けられているコントローラ12(
図2(A)参照)によって制御される。
【0063】
アーム91は、一方向に延在する回動軸91Aを回動中心に回動することで食器ラックRを押し出す。アーム91によって押し出された食器ラックRはラックレール25を摺動し、予備洗浄機2Aから装置間搬送装置4に搬出される。アーム91は、回動軸91Aを中心に回転可能に設けられると共に、食器ラックRに接触可能に設けられた第1ベアリング92A及び第2ベアリング92Bを有している。モータ93は、出力軸である回動軸91Aを中心にアーム91を回動させる。規制部96は、アーム91が食器ラックRを押し出す方向とは逆方向に原点位置を超えて回動することを規制する。
【0064】
搬出装置90は、アーム91が取り付けられたモータ93及び規制部96が、取付板97に固定された状態のユニットとして構成されている。取付板97は、予備洗浄機2Aに取り付けられる第1取付部97Aと、キャリーテーブル3に取り付けられる第2取付部97Bと、を有している。
【0065】
洗浄システム1Aの動作は、下記の点で洗浄システム1と異なっている。すなわち、第1実施形態の洗浄システム1では、予備洗浄機2A内の食器ラックRは、キャリーテーブル3のアーム部材11Aによって搬出される新たな食器ラックRによって押し出されることによって装置間搬送装置4に搬出されるのに対し、第2実施形態の洗浄システム1Aでは、予備洗浄機2A内の食器ラックRは、搬出装置90のアーム91によって装置間搬送装置4に搬出される。そして、予備洗浄機2A内への新たな食器ラックRの搬入は、アーム91によって予備洗浄機2Aから食器ラックRが装置間搬送装置4に搬出された後、キャリーテーブル3のアーム部材11Aによって行われる。装置間搬送装置4からワゴン6までの食器ラックRの搬送は、第1実施形態の洗浄システム1と同様である。
【0066】
上述した第2実施形態の洗浄システム1Aにおいても、上記第1実施形態の洗浄システム1と同様の作用効果を得ることができる。
【0067】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0068】
上記第1実施形態及び第2実施形態の装置間搬送装置4は、搬送ベルト74を駆動することによって、装置間搬送装置4に搬出された食器ラックRを本洗浄機2B側に搬送する例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、搬送ベルト74及びベルト駆動部75に代えて、
図10(A)~
図10(D)に示されるローラコンベヤ77を有する構成の装置間搬送装置4Aであってもよい。
【0069】
装置間搬送装置4Aのローラコンベヤ77は、複数の回転ローラ77Aから構成されている。複数の回転ローラ77Aは、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出される搬出方向に沿って配列されている。本変形例では、三つの回転ローラ77Aが配列されている。三つの回転ローラ77Aは、搬出方向において下流側に配置される回転ローラ77Aほど鉛直方向において低い位置に配置されている。また、本変形例の装置間搬送装置4Aにおいても、上記実施形態と同じ搬送アーム72及びアーム駆動部73を備えている。
【0070】
本変形例に係る装置間搬送装置4Aでは、
図10(A)に示されるように、予備洗浄機2Aから食器ラックRが搬出されると、食器ラックRは、
図10(B)及び
図10(C)に示されるように、重力の作用によってローラコンベヤ77を構成する回転ローラ77A上を本洗浄機7B側に転がり、ローラコンベヤ77の本洗浄機7B側端部(第1所定位置)に停止する。装置間搬送装置4Aは、食器ラックRがローラコンベヤ77の左側端部まで搬送されると、搬送アーム72を駆動して、
図10(D)に示されるように、食器ラックRを本洗浄機2Bの洗浄室21の所定位置(第2所定位置)にまで押し込む。
【0071】
本変形例に係る装置間搬送装置4Aであっても、予備洗浄機2Aから排出される食器ラックRを本洗浄機2Bに確実に搬入することができる。
【0072】
上記実施形態及び変形例では、リフト装置5とワゴン6とを含んで構成されるラック貯留部を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本洗浄機2Bから搬出される食器ラックRを貯留するラック貯留部として、食器ラックRを1個以上載置可能なテーブル状の貯留台を適用してもよい。貯留台の上面は、本洗浄機2Bからのラックレール25におけるラック摺動面と略同一レベルとなるように設けられている。貯留台には、貯留台の上面に載置された食器ラックRを検知するセンサ等が設けられていてもよく、コントローラ12は、当該センサからの検知情報に基づいて、キャリーテーブル3及び/又は装置間搬送装置4,4Aによる食器ラックRの搬送を制御してもよい。
【0073】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1A…洗浄システム、2A…予備洗浄機、2B…本洗浄機、3…キャリーテーブル(第1搬送装置)、4,4A…装置間搬送装置(第2搬送装置)、5…リフト装置(ラック貯留部)、6…ワゴン(ラック貯留部)、7B…本洗浄機、72…搬送アーム、74…搬送ベルト、76…駆動機構、90…搬出装置、91…アーム、93…モータ、D…食器(被洗浄物)、R…食器ラック(ラック)。