(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/32 20060101AFI20240726BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20240726BHJP
B65D 21/032 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B65D5/32 B
B65D5/44 H
B65D21/032
(21)【出願番号】P 2020117941
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】岡野 啓人
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-069661(JP,U)
【文献】実開昭64-032333(JP,U)
【文献】国際公開第2000/068103(WO,A1)
【文献】実公昭42-015646(JP,Y1)
【文献】米国特許第05487505(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0038051(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/32
B65D 5/44
B65D 21/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隅部に切欠き部を備える裏側底板を備える第1の板紙と、該裏側底板上に位置する表側底板を備える第2の板紙とからなる包装箱であって、
該裏側底板と、該裏側底板上に位置
して前記切欠き部を覆う該表側底板とからなる底部と、
該裏側底板の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板と、該第1側壁板の該裏側底板と反対側に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板と、
該表側底板の、該1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板と、該第2側壁板の両側端に折目線を介して連接し、第1側壁板と折返板との間に挟まれる1対のフラップと、
該折返板の両側端に折目線を介して連接し、該折返板から該第2側壁板方向に斜行し、側端が該第2側壁板に当接する斜行片と、該斜行片の該底部と反対側の端部から突出する突出部と、
該底部の裏面に位置し、該切欠き部に対応する凹部とを備え、
複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、該突出部が該凹部
及び前記表側底板に当接することを特徴とする包装箱。
【請求項2】
隅部に切欠き部を備える裏側底板を備える第1の板紙と、該裏側底板上に位置する表側底板を備える第2の板紙とからなる包装箱であって、
該裏側底板と、該裏側底板上に位置
して前記切欠き部を覆う該表側底板とからなる底部と、
該表側底板の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板と、該第1側壁板の該表側底板と反対側に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板と、
該裏側底板の、該1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板と、該第2側壁板の両側端に折目線を介して連接し、第1側壁板と折返板との間に挟まれる1対のフラップと、
該折返板の両側端に折目線を介して連接し、該折返板から該第2側壁板方向に斜行し、側端が該第2側壁板に当接する斜行片と、該斜行片の該底部と反対側の端部から突出する突出部と、
該底部の裏面に位置し、該切欠き部に対応する凹部とを備え、
複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、該突出部が該凹部
及び前記表側底板に当接することを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の包装箱において、
前記包装箱は、上側が開放された直方体形状であって、
前記突出部は、前記第1の板紙の厚さに相当する長さで突出するように形成され、
前記凹部は、前記第1の板紙の厚さに相当する深さを有することを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、段ボールの板紙からなる包装箱として、略正方形状の底面板の各辺から立ち上がる4枚の側壁板を備え、相対向する1対の第1側壁板の両側端に折目線を介して連接されたフラップを隣接する第2側壁板に接着し、該底面板を囲繞する胴部としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の包装箱は、前記第1側壁板に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板を備え、該折返板を前記第1側壁板側に折り返す一方、該折返板の両側端に折目線を介して連接された斜行片を該包装箱内面に向けて折り曲げ、該斜行片の側端を前記第2側壁板に当接させることにより、四隅に前記第1側壁板と前記第2側壁板と該斜行片とからなる三角柱状体を形成するようにしている。
【0004】
特許文献1記載の包装箱は、四隅に備える前記三角柱状体により補強されているので、垂直方向の荷重に対する強度に優れており、複数の該包装箱を垂直方向に重ねたときにも下方の包装箱が押し潰されることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1記載の包装箱は、前記底面板の裏面が平面となっているので、複数の該包装箱を上下に重ねると、上方の包装箱が下方の包装箱に対して該底面板に平行な方向で移動自在であり、上方の包装箱が滑り落ちる虞があるという不都合がある。
【0007】
本発明は、かかる不都合を解消して、複数の包装箱を上下に重ねたときに、上方の包装箱が底面板に平行な方向で移動することを規制して、上方の包装箱が滑り落ちることを防止することができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、第1の本発明の包装箱は、隅部に切欠き部を備える裏側底板を備える第1の板紙と、該裏側底板上に位置する表側底板を備える第2の板紙とからなる包装箱であって、該裏側底板と、該裏側底板上に位置する該表側底板とからなる底部と、該裏側底板の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板と、該第1側壁板の該裏側底板と反対側に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板と、該表側底板の、該1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板と、該第2側壁板の両側端に折目線を介して連接し、第1側壁板と折返板との間に挟まれる1対のフラップと、該折返板の両側端に折目線を介して連接し、該折返板から該第2側壁板方向に斜行し、側端が該第2側壁板に当接する斜行片と、該斜行片の該底部と反対側の端部から突出する突出部と、該底部の裏面に位置し、該切欠き部に対応する凹部とを備え、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、該突出部が該凹部に当接することを特徴とする。
【0009】
本発明の包装箱は、隅部に切欠き部を備える裏側底板を備える第1の板紙と、該裏側底板上に位置する表側底板を備える第2の板紙とを組み合わせることにより、形成されている。
【0010】
本発明の包装箱は、前記裏側底板と、該裏側底板上に位置する前記表側底板とから底部が形成されており、該裏側底板の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板と、該表側底板の、該1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板とにより、該底部が囲繞されている。このとき、前記第1側壁板は、前記裏側底板と反対側に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板を備え、前記第2側壁板は、両側端に折目線を介して連接する1対のフラップを備えており、該フラップは第1側壁板と折返板との間に挟まれている。
【0011】
一方、前記折返板は、その両側端に折目線を介して連接する斜行片を備えており、該斜行片は、該折返板から前記第2側壁板方向に斜行し、側端が該第2側壁板に当接している。この結果、本発明の包装箱は、前記斜行片により隅部が補強されており、複数の該包装箱を上下に重ねることができる。
【0012】
また、本発明の包装箱は、前記斜行片が前記底部と反対側の端部から突出する突出部と、該底部の裏面に位置し、前記切欠き部に対応する凹部とを備え、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、該突出部が該凹部に当接するようにされている。この結果、本発明の包装箱は、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、前記突出部が前記凹部に当接することにより、上方の包装箱の底部が、下方の包装箱の前記突出部により保持されることとなり、上方の包装箱が底部に平行な方向で移動することを規制して、上方の包装箱が滑り落ちることを防止することができる。
【0013】
また、本発明の包装箱は、四隅に平面視三角形状の前記切欠き部を備え、前記斜行片は前記側端が前記第2側壁板に当接したときに、前記折返板及び該第2側壁板と該切欠き部の三角形状に対応する断面を備える三角柱状体を形成し、前記突出部が前記凹部の三角形状の斜辺に平面視線接触することが好ましい。
【0014】
本発明の包装箱は、このような構成を備えることにより、前記切欠き部に対応する凹部も平面視三角形状であり、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、前記突出部が前記凹部の三角形状の斜辺に線接触することにより、上方の包装箱の底部が、下方の包装箱の前記突出部により該底部の対角線方向の四方から保持されることとなる。この結果、上方の包装箱が底部に平行な方向で移動することを確実に規制することができ、上方の包装箱が滑り落ちることを確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明の包装箱は、前記第1の板紙及び前記第2の板紙は段ボールからなり、前記第1の板紙は紙幅方向が1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行であり、前記第2の板紙は紙幅方向が1対の第2側壁板を結ぶ方向と平行であることが好ましい。
【0016】
前記段ボールは、表ライナーと裏ライナーとの間に波形の中芯が挟まれた構成を備えており、波形は複数の波が互いに平行に配設されている。本願では、前記平行な複数の波形が延在する方向を「紙幅方向」、前記平行な複数の波形を横切る方向を「流れ方向」という。前記紙幅方向と、前記流れ方向とは、互いに直交している。
【0017】
本発明の包装箱では、前記第1の板紙は紙幅方向が1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行であり、前記第2の板紙は紙幅方向が1対の第2側壁板を結ぶ方向と平行であるので、該第1側壁板及び第2側壁板では、それぞれ段ボールの波形が垂直方向で平行になり、垂直方向の荷重に対して優れた強度を得ることができる。
【0018】
また、本発明の包装箱では、底部において、前記裏側底板の段ボールの波形と前記表側底板の段ボールの波形とが互いに直交することとなり、該包装箱に収容された物品の重量により該底部を撓みにくくすることができる。
【0019】
また、第2の本発明の包装箱は、隅部に切欠き部を備える裏側底板を備える第1の板紙と、該裏側底板上に位置する表側底板を備える第2の板紙とからなる包装箱であって、該裏側底板と、該裏側底板上に位置する該表側底板とからなる底部と、該表側底板の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板と、該第1側壁板の該表側底板と反対側に狭幅の橋絡部を介して連接する折返板と、該裏側底板の、該1対の第1側壁板を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板と、該第2側壁板の両側端に折目線を介して連接し、第1側壁板と折返板との間に挟まれる1対のフラップと、該折返板の両側端に折目線を介して連接し、該折返板から該第2側壁板方向に斜行し、側端が該第2側壁板に当接する斜行片と、該斜行片の該底部と反対側の端部から突出する突出部と、該底部の裏面に位置し、該切欠き部に対応する凹部とを備え、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、該突出部が該凹部に当接することを特徴とする。
【0020】
すなわち、第1の包装箱では、隅部に切欠き部を備える裏側底板から第1側壁板と折返板とが立ち上がり、表側底板から第2側壁板とそれに連接し、第1側壁板と折返板とに挟まれる一対のフラップが立ち上がり包装箱を形成するものと説明した。しかしながら、本発明はこれに限られず、第2の包装箱では、表側底板から第1側壁板と折返板とが立ち上がり、裏側底板から第2側壁板とそれに連接し、第1側壁板と折返板とに挟まれる一対のフラップが立ち上がり包装箱を形成する。
【0021】
従って、第2の本発明の包装箱は、前記斜行片により隅部が補強されており、複数の該包装箱を上下に重ねることができる。また、本発明の包装箱は、複数の該包装箱を上下に積み重ねたときに、前記突出部が前記凹部に当接することにより、上方の包装箱の底部が、下方の包装箱の前記突出部により保持されることとなり、上方の包装箱が底部に平行な方向で移動することを規制して、上方の包装箱が滑り落ちることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1の本発明の包装箱を構成する板紙の展開図。
【
図2】第1の本発明の包装箱の組立方法を示す斜視図。
【
図4】複数の本発明の包装箱を上下に重ねる状態を示す斜視図。
【
図5】第2の本発明の包装箱を構成する板紙の展開図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の第1の実施の形態(第1実施形態)についてさらに詳しく説明する。
【0024】
第1実施形態の包装箱1は、
図1に示す第1の板紙2と第2の板紙3とを組み合わせることにより構成される。第1の板紙2と第2の板紙3とはいずれも段ボールを所定の形状に打ち抜くことにより形成されている。
【0025】
第1の板紙2は、矩形状の裏側底板21と、裏側底板21の相対向する辺に第1折目線22を介して連接される1対の第1側壁板23と、第1側壁板23の裏側底板21と反対側に狭幅の橋絡部24を介して連接される折返板25とを備えている。裏側底板21は四隅に直角二等辺三角形状の切欠き部21aを備える一方、第1折目線22に沿って細い長方形状の差込孔部21bを備えている。
【0026】
橋絡部24は第2の板紙3の厚さに相当する幅を備えており、第1側壁板23との境界に第2折目線24aを、折返板25との境界に第3折目線24bを備えている。第2折目線24aと第3折目線24bとは、第2の板紙3の厚さに相当する間隔を存して平行に形成されている。そして、第1側壁板23の上端は、第2折目線24aに隣接する箇所が下方に切り取られ矩形波形状に形成されており、また、折返板25の下端は、第3折目線24bに隣接する位置が上方に切り取られ逆凸状に形成されている。
【0027】
折返板25は両側端に第4折目線25aを介して斜行片26を備え、第4折目線25aに接する位置に、第2の板紙3の厚さに相当する長さで突出する1対の第1舌片25bを備えている。
【0028】
斜行片26は切欠き部21aの直角二等辺三角形状の斜辺の長さに相当する幅を備えている。また、斜行片26は、包装箱1としたときに、裏側底板21と反対側になる端部から、第1の板紙2の厚さに相当する長さで突出する長方形状の突出部26aを備えている。そして、第1の板紙2は、段ボールの紙幅方向が1対の第1側壁板23、23を結ぶ方向と平行になっている。
【0029】
一方、第2の板紙3は、矩形状の表側底板31と、表側底板31の相対向する辺に第5折目線32を介して連接する1対の第2側壁板33と、第2側壁板33の両側端に第6折目線34を介して連接する各1対のフラップ35とを備えている。また、表側底板31は、第5折目線32に隣接する辺の中央から、第1の板紙2の厚さに相当する長さで突出する第2舌片31aと、該辺の両端から、第1の板紙2の厚さに相当する長さで突出する第3舌片31bとを備え、第2舌片31aと第3舌片31bとの間に凹部31cを備えている。そして、第2の板紙3は、段ボールの紙幅方向が1対の第2側壁板33、33を結ぶ方向と平行になっている。
【0030】
次に、
図2を参照して、本実施形態の包装箱1の組立方法について説明する。
【0031】
包装箱1を組立てる際には、まず、第1の板紙2の第1側壁板23、23を裏側底板21から立ち上がるように第1折目線22に沿って折り曲げる。また、第2の板紙3の第2側壁板33、33を表側底板31から立ち上がるように第5折目線32に沿って折り曲げる一方、1対のフラップ35を互いに対向するように第6折目線34に沿って折り曲げる。
【0032】
このとき、第1の板紙2は、段ボールの紙幅方向が1対の第1側壁板23、23を結ぶ方向と平行になっており、第2の板紙3は、段ボールの紙幅方向が1対の第2側壁板33、33を結ぶ方向と平行になっている。そこで、第1側壁板23及び第2側壁板33では、それぞれ段ボールの波形が垂直方向で平行になり、垂直方向の荷重に対して優れた耐久性を得ることができる。
【0033】
次に、
図2に矢示するように、第1の板紙2の裏側底板21上に、第2の板紙3の表側底板31が位置するように、第1の板紙2に第2の板紙3を重ね合わせる。このとき、第1の板紙2の第1側壁板23、23を結ぶ方向と、第2の板紙3の第2側壁板33、33を結ぶ方向とが直交するようにする。このようにすることにより、第1の板紙2の裏側底板21の段ボールの波形と、第2の板紙3の表側底板31の段ボールの波形とが互いに直交することになる。
【0034】
次に、第1の板紙2の折返板25を、第2折目線24a及び第3折目線24bに沿って第1側壁板23側に折り曲げ、第1側壁板23と折返板25との間にフラップ35を挟み込む。折返板25は、前記のように折り曲げる際に、第1舌片25bが第2の板紙3の凹部31cに挿入されることにより固定される。次に、斜行片26を第4折目線25aに沿って折り曲げ、側端を第2側壁板33に当接させることにより、
図3に示す包装箱1が完成する。
【0035】
本実施形態の包装箱1は、
図3に示すように、裏側底板21と、裏側底板21上に位置する表側底板31とからなる底部4を備え、裏側底板21の相対向する辺から立ち上がる1対の第1側壁板23と、表側底板31の、1対の第1側壁板23を結ぶ方向と平行な相対向する辺から立ち上がる1対の第2側壁板33とを備えている。第2側壁板33は両側端に図示しない各1対のフラップ35を備え、フラップ35は第1側壁板23と、橋絡部24を介し第1側壁板23に連接する折返板25との間に挟まれている。
【0036】
また、包装箱1は、折返板25から第2側壁板33方向に斜行する斜行片26を備え、斜行片26はその側端が第2側壁板33に当接することにより、包装箱1の四隅に、第1側壁板23及び第2側壁板33と、断面視直角二等辺三角形の三角柱状体5を形成している。このとき、斜行片26はその幅が、切欠き部21aの直角二等辺三角形状の斜辺に相当する幅を備えていることから、三角柱状体5の断面形状は、切欠き部21aと同一形状となっている。
【0037】
また、斜行片26は、裏側底板21と反対側になる端部から突出する突出部26aを備えている。突出部26aは、第1の板紙2の厚さに相当する長さで突出している。
【0038】
そして、包装箱1は、裏側底板21上に表側底板31が位置することにより、底部4の裏面に、切欠き部21aに対応する三角形状の凹部6を備えている。凹部6は第1の板紙2の厚さに相当する深さを備えている。
【0039】
次に、
図4を参照して、複数の本実施形態の包装箱1を上下に重ね合わせる場合の作用効果について説明する。
【0040】
前述のように、本実施形態の包装箱1は、四隅に断面視直角二等辺三角形状の三角柱状体5を備えており、底部4の裏面に直角二等辺三角形状の凹部6を備えている。そして、三角柱状体5の断面形状は、切欠き部21aと同一形状、換言すれば凹部6と同一形状となっている。また、三角柱状体5の断面視直角二等辺三角形状の斜辺となる斜行片26は、第1の板紙2の厚さに相当する長さで突出する突出部26aを備え、凹部6は第1の板紙2の厚さに相当する深さを備えている。
【0041】
そこで、複数の本実施形態の包装箱1を上下に重ね合わせると、下方の包装箱1の斜行片26の突出部26aが、上方の包装箱1の凹部6の直角二等辺三角形状の斜辺に面接触(平面視線接触)で当接されることとなる。この結果、上方の包装箱1の底部4が、下方の包装箱1の突出部26aにより底部4の対角線方向の四方から保持されることとなり、上方の包装箱1が裏側底板21に平行な方向で移動することを確実に規制して、上方の包装箱1が滑り落ちることを確実に防止することができる。
【0042】
またこのとき、下方の包装箱1の橋絡部24は、上方の包装箱1の差込孔部21bに嵌入されるため、さらに上方の包装箱1が裏側底板21に平行な方向で移動することを確実に規制して、上方の包装箱1が滑り落ちることを確実に防止することができる。
【0043】
尚、本実施形態では、三角柱状体5の断面形状、切欠き部21a及び凹部6の形状をいずれも直角二等辺三角形状としているが、三角柱状体5の断面形状、切欠き部21a及び凹部6の形状は同一の三角形状であればよく、二等辺三角形状ではなくてもよい。
【0044】
また、本実施形態では、前記突出部26aの形状を長方形状とし、凹部6の直角二等辺三角形状の斜辺に平面視線接触で当接されることとしているが、突出部26aは凹部6に当接することができる形状であれば、三角形状、波形状等どのような形状であってもよく、凹部6に対しても平面視線接触に限定されることなく、どのような接触状態でもよく、平面視点接触であってもよい。
【0045】
次に、
図5を参照しながら、本発明の第2の実施の形態(第2実施形態)について説明する。第1の実施形態では、隅部に切欠き部21aを備える裏側底板21に、第1側壁板23及び折返板25が連設され、表側底板31に第2側壁板33が連設されたものを例に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、第2実施形態の包装箱10は、表側底板121に第1側壁板23及び折返板25が連設され、隅部に切欠き部131aを備える裏側底板131に第2側壁板33が連設されたものを説明する。
【0046】
以下、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付すとともに、その説明は省略し、異なっている点についてのみ説明する。
【0047】
第3の板紙30は、矩形状の表側底板121と、表側底板121の相対向する辺に第1折目線22を介して連接される1対の第1側壁板23と、第1側壁板23の表側底板121と反対側に狭幅の橋絡部24を介して連接される折返板25とを備えている。表側底板121は第1折目線22に沿って細い長方形状の差込孔部21bを備えている。
【0048】
橋絡部24は第4の板紙30の厚さに相当する幅を備えており、第1側壁板23との境界に第2折目線24aを、折返板25との境界に第3折目線24bを備えている。第2折目線24aと第3折目線24bとは、第4の板紙30の厚さに相当する間隔を存して平行に形成されている。折返板25は両側端に第4折目線25aを介して斜行片26を備え、第4折目線25aに接する位置に、第3の板紙30の厚さに相当する長さで突出する1対の第1舌片25bを備えている。
【0049】
斜行片26は後述する切欠き部131aの直角二等辺三角形状の斜辺の長さに相当する幅を備えている。そして、第3の板紙30は、段ボールの紙幅方向が1対の第1側壁板23、23を結ぶ方向と平行になっている。
【0050】
一方、第4の板紙30は、矩形状の裏側底板131と、裏側底板131の相対向する辺に第5折目線32を介して連接する1対の第2側壁板33と、第2側壁板33の両側端に第6折目線34を介して連接する各1対のフラップ35とを備えている。裏側底板131は四隅に直角二等辺三角形状の切欠き部131aを備えている。
【0051】
また、第4の板紙30の側縁には、第2側壁板33とフラップ35とに跨り、第3の板紙30の厚さに相当する長さで突出する長方形状の突出部131bを備えている。
【0052】
そして、第4の板紙30は、段ボールの紙幅方向が1対の第2側壁板33、33を結ぶ方向と平行になっている。
【0053】
次に、本実施形態の包装箱1の組立方法について説明する。
【0054】
包装箱1を組立てる際には、次に、第4の板紙30の第2側壁板33、33を裏側底板131から立ち上がるように第5折目線32に沿って折り曲げる。
【0055】
次に、第4の板紙30の裏側底板131上に、第3の板紙20の表側底板121が位置するように、第4の板紙30に第3の板紙20を重ね合わせる。これにより、第4の板紙30の裏側底板131の段ボールの波形と、第3の板紙20の表側底板121の段ボールの波形とが互いに直交することになる。
【0056】
次に、第4の板紙30の1対のフラップ35を互いに対向するように第6折目線34に沿って折り曲げる。
【0057】
また、第3の板紙20の第1側壁板23、23を表側底板121から立ち上がるように第1折目線22に沿って折り曲げる。この第1側壁板23,23は第1の板紙2のフラップ35の裏側に当接することとなる。
【0058】
次に、第3の板紙20の折返板25を、第2折目線24a及び第3折目線24bに沿って第1側壁板23側に折り曲げ、第1側壁板23と折返板25との間にフラップ35を挟み込む。同時に、斜行片26を第4折目線25aに沿って折り曲げ、側端を第2側壁板に当接させる。
【0059】
さらに折返板25は、前記のように折り曲げる際に、第1舌片25bが差込孔部21bに挿入されることにより固定される。以上により、包装箱10が完成する。
【0060】
複数の本実施形態の包装箱10を上下に重ね合わせると、下方の包装箱10の斜行片26の突出部26a及び直角に折り曲げられて上方に突出する突出部131bとで形成された直角二等辺三角形状の突起が、裏側底板131の切欠き部131aを介して表側底板121の裏面に当接されることとなる。この結果、上方の包装箱10の底部4が、下方の包装箱10の前記突起により底部4の対角線方向の四方から保持されることとなり、上方の包装箱10が裏側底板131に平行な方向で移動することを確実に規制して、上方の包装箱1が滑り落ちることを確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…包装箱、 2…第1の板紙、 3…第2の板紙、 4…底部、6…凹部、 21…裏側底板、 21a…切欠き部、 23…第1側壁板、 25…折返板、 26…斜行片、 31…表側底板、 33…第2側壁板、 35…フラップ。