(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/045 20180101AFI20240726BHJP
【FI】
F25C1/045 A
(21)【出願番号】P 2020151271
(22)【出願日】2020-09-09
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】富永 祐之
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-054209(JP,A)
【文献】特開2008-039393(JP,A)
【文献】特開2017-036894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/04-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に開口する製氷部(11)と、該製氷部(11)の開口側に対向して取付部材(15)に回動可能に枢支した水皿(12)と、前記取付部材(15)に回動可能に枢支したカム部材(25)と、該カム部材(25)を回転駆動する駆動手段(27)とを備え、該駆動手段(27)によりカム部材(25)を回転することで水皿(12)を、前記製氷部(11)に氷塊を生成する製氷位置および該製氷部(11)からの氷塊の放出を許容する除氷位置の間で傾動する製氷機において、
前記取付部材(15)に設けられて
、前記水皿(12)の回転軸方向と平行に延在するカムシャフト(23)を回動可能に枢支する支持部材(22)
を備え、
前記カムシャフト(23)に前記カム部材(25)が一体的に回転するよう配設され、
前記支持部材(22)に、
前記カム部材(25)が除氷姿勢および製氷姿勢の少なくとも何れかの姿勢を越えて回転した際に、カム部材(25)が当接して該カム部材(25)の回転を規制する規制部(22b,22c)を設けた
ことを特徴とする製氷機。
【請求項2】
前記駆動手段(27)に同期して正転および逆転する回転部材(32)に設けた被検知部(33)と、前記駆動手段(27)の回転により前記水皿(12)が前記製氷位置に至ったときに被検知部(33)を検知する第1検知部(35)および前記駆動手段(27)の回転により前記水皿(12)が前記除氷位置に至ったときに被検知部(33)を検知する第2検知部(36)とを備え、各検知部(35,36)が被検知部(33)を検知することで前記駆動手段(27)を停止するよう構成され、
前記回転部材(32)が駆動手段(27)に同期して回転可能な可動可能範囲内で、前記カム部材(25)は、前記支持部材(22)に設けられてカム部材(25)の回転を規制する規制部(22b,22c)に当接するよう構成した請求項1記載の製氷機。
【請求項3】
前記駆動手段(27)の回転開始後、異常時間内に前記第1検知部(35)または第2検知部(36)が被検知部(33)を検知しない場合は、前記駆動手段(27)を停止するよう構成した請求項2記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製氷部に対して水皿を傾動可能に枢支した製氷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多量の氷塊を製造し得る製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房において好適に使用されている。製氷機としては、製氷室(製氷部)に設けた製氷小室に対して該製氷小室の開口を閉成した水皿から製氷水を対応的に噴射供給して氷塊を製造し、生成された氷塊を、製氷室に対して離間する方向に傾動機構によって水皿を傾動することで落下放出するよう構成した所謂クローズドセルタイプの製氷機構を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記傾動機構は、電動モータと減速機との組み合わせからなるアクチュエータと、該アクチュエータにより正転方向および逆転方向に回転されるカム部材と、該カム部材と水皿とを連繋するスプリングとを備える。そして、製氷機では、製氷運転に入ると、アクチュエータによりカム部材を正転方向に回転させて、製氷室から離間する開放位置の水皿をスプリングを介して斜め上方へ引き上げて閉成位置へ到来させ、製氷室を下方から閉成する。また除氷運転に入ると、アクチュエータによりカム部材を逆転方向へ回転させ、水皿を斜め下方へ強制的に下降させて製氷室を全面的に開放し、水皿を開放位置にスプリングを介して保持する。また、製氷機は、前記アクチュエータを制御して水皿を閉成位置および開放位置に停止保持する検知機構を備えている。検知機構は、アクチュエータの回転軸に連動して回転するレバーと、該レバーに設けた磁石等の被検知部と、該被検知部を検知可能な磁気センサ等の2つの検知部とを備える。2つの検知部は、水皿が閉成位置のときに一方の検知部が被検知部を検知し、水皿が開放位置のときに他方の検知部が被検知部を検知するように配置されており、各検知部が被検知部を検知したときに、アクチュエータに停止信号が送信されて、水皿を閉成位置または開放位置に停止保持するよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記製氷機では、前記検知機構の故障や、外来の電気ノイズ等によって停止信号がアクチェエータに送信されなくなる等の異常事態が発生した場合、水皿を閉成位置から開放位置または開放位置から閉成位置に向けて移動させるアクチュエータは回転を継続し、所謂オーバーラン状態になる。このため、前記傾動機構のカム部材が回転を継続し、水皿に連繋している前記スプリングが過度に伸ばされて塑性変形してしまったり、破損してしまうおそれがあった。また、検知機構のレバーが、可動可能範囲を越えて回転してしまい、該レバーが他の部品に接触して破損するおそれもあった。
【0006】
すなわち本発明は、前述した従来技術に内在する前記課題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、水皿を傾動するカム部材のオーバーランを規制して、構成部品が破損等するのを防止し得る製氷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る製氷機は、
一方に開口する製氷部と、該製氷部の開口側に対向して取付部材に回動可能に枢支した水皿と、前記取付部材に回動可能に枢支したカム部材と、該カム部材を回転駆動する駆動手段とを備え、該駆動手段によりカム部材を回転することで水皿を、前記製氷部に氷塊を生成する製氷位置および該製氷部からの氷塊の放出を許容する除氷位置の間で傾動する製氷機において、
前記取付部材に設けられて、前記水皿の回転軸方向と平行に延在するカムシャフトを回動可能に枢支する支持部材を備え、
前記カムシャフトに前記カム部材が一体的に回転するよう配設され、
前記支持部材に、前記カム部材が除氷姿勢および製氷姿勢の少なくとも何れかの姿勢を越えて回転した際に、カム部材が当接して該カム部材の回転を規制する規制部を設けたことを要旨とする。
請求項1の発明では、水皿を傾動させるカム部材が除氷姿勢および製氷姿勢の少なくとも何れかの姿勢を越えて回転した場合に、該カム部材の回転を規制するよう構成したので、カム部材のオーバーランによって構成部品が破損等するのを防止することができる。また、カム部材の回転を規制する規制部は、該カム部材を枢支する支持部材に設けたので、回転規制するための別部品を追加する必要はなく、構成が複雑化したりコストが上昇したりするのを抑えることができる。更に、支持部材は、カム部材を枢支する部材であることから、支持部材にカム部材を枢支した状態で規制部とカム部材との位置関係が決まる。すなわち、カム部材が規制部に当接して回転規制する位置を、細かく調節することなく決めることができ、部品の組み付け工程を簡単化できる。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記駆動手段に同期して正転および逆転する回転部材に設けた被検知部と、前記駆動手段の回転により前記水皿が前記製氷位置に至ったときに被検知部を検知する第1検知部および前記駆動手段の回転により前記水皿が前記除氷位置に至ったときに被検知部を検知する第2検知部とを備え、各検知部が被検知部を検知することで前記駆動手段を停止するよう構成され、
前記回転部材が駆動手段に同期して回転可能な可動可能範囲内で、前記カム部材は、前記支持部材に設けられてカム部材の回転を規制する規制部に当接するよう構成したことを要旨とする。
請求項2の発明では、カム部材の回転を規制する規制部は、駆動手段を停止制御して水皿を製氷位置や除氷位置で停止させるための被検知部が設けられた回転部材の可動可能範囲内で、カム部材が当接するように設けたので、該回転部材が可動可能範囲を越えて回転することで他の部品に接触して破損等するのを防ぐことができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記駆動手段の回転開始後、異常時間内に前記第1検知部または第2検知部が被検知部を検知しない場合は、前記駆動手段を停止するよう構成したことを要旨とする。
請求項3の発明では、異常時間内に検知部が被検知部を検知しない場合は、駆動手段を強制的に停止制御するので、カム部材の回転が規制部で規制される時間が長くなることで、駆動手段が負荷によって損傷するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る製氷機によれば、水皿を傾動するカム部材のオーバーランを規制して、構成部材が破損等するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例に係る製氷機の製氷機構を、水皿が閉成位置の状態で示す概略正面図である。
【
図2】実施例に係る製氷機を示す概略斜視図である。
【
図3】実施例に係る製氷機の冷凍回路を示す概略図である。
【
図4】実施例に係る製氷機の製氷機構を、水皿が開放位置の状態で示す概略正面図である。
【
図5】実施例に係る製氷機の製氷機構を、水皿が閉成位置の状態で一部破断して示す概略側面図である。
【
図6】後カム部材と後支持部材との関係を後側から見た概略図である。
【
図7】検知機構を示す概略図であって、(a)は第1検知部が被検知部を検知した状態を示し、(b)は第2検知部が被検知部を検知した状態を示している。
【
図8】後支持部材の規制部と後カム部材の後カム部との関係を示す概略図であって、(a)は後カム部が第1規制部に当接した状態を示し、(b)は後カム部が第2規制部に当接した状態を示している。
【
図9】(a)は、連結ホースから流出管部および排水管を外した状態を示す概略図であり、(b)は、連結ホースに流出管部および排水管を嵌挿した状態を示す概略図である。
【
図10】膨張弁の断熱カバーを分解した状態で示す側面図である。
【
図12】実施例に係る製氷機の制御ブロック図である。
【
図13】実施例に係る製氷機における洗浄モードでの洗浄運転を示すタイミングチャート図である。
【
図14】第1の別実施例に係る製氷機における洗浄モードでの洗浄運転を示すタイミングチャート図である。
【
図15】第2の別実施例に係る製氷機における洗浄モードでの洗浄運転を示すタイミングチャート図である。
【
図16】第3の別実施例に係る製氷機における洗浄モードでの洗浄運転を示すタイミングチャート図である。
【
図17】第4の別実施例の製氷機における昇温判定処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る製氷機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、製氷機として、所謂クローズドセルタイプの製氷機構を備えた噴射式自動製氷機を挙げて説明する。また、以下の説明において、
図2に示す製氷機の扉が設けられる側を前側として、前後方向を指称し、左右方向とは、
図2において製氷機を正面から見た左右方向をいう。
【実施例】
【0013】
図1、
図2は、実施例の製氷機を示す概略図である。製氷機は、その本体となる箱体10の内部に貯氷室10aが画成されると共に、箱体10の内部上方には、製氷室(製氷部)11、水皿12および製氷水タンク13等からなる製氷機構14が配設されている。具体的には、箱体10の上部に水平に配置した取付部材15の下方に、下向きに開口する多数の製氷小室11aを画成した製氷室11が固定支持される。製氷室11の上面には、冷凍回路16(
図3参照)を構成する蒸発器17が密着的に蛇行配置され、製氷運転時に冷媒を循環させて製氷室11を強制冷却し、除氷運転時に高温冷媒(ホットガス)を循環させて製氷室11を加温するよう構成される。また、製氷室11の直下に水皿12が配設され、この水皿12の下側に、製氷水を貯留する製氷水タンク13が配設されている。箱体10の前面には、貯氷室10aの前方に対応して取出口10bを開閉する扉10cが開閉可能に設けられ、この扉10cを開放することで貯氷室10aに貯留した氷塊を、取出口10bから取り出すことができるよう構成される。
【0014】
図1、
図4に示す如く、前記水皿12は、前記取付部材15の左側に偏った位置に設けられた支持部15aに対して前後方向に延在する支持軸18を介して回動可能に枢支される。水皿12は、板状部材12aの前後および左側が壁部12b,12b,12bにより囲繞されると共に、枢支側とは反対側(右端部側)は開放している。なお、板状部材12aにおける各製氷小室11aと対応する位置には、図示しないが、前記製氷水タンク13内の製氷水を製氷室11の各製氷小室11aへ噴射するための噴射孔および製氷室11へ供給されて氷結に至らなかった製氷水を製氷水タンク13へ戻す戻り孔が夫々開設されている。
【0015】
前記製氷機構14には、水皿12の枢支側と反対側(右側)に、製氷室11に対して水皿12を開閉(傾動)させるための傾動機構19が設けられている。製氷機構14では、製氷運転において水皿12が、
図1、
図5に示す如く、傾動機構19によって製氷室11の各製氷小室11aの下面を塞いだ閉成位置(製氷位置)に保持され、水皿12に配設された製氷水タンク13の製氷水が、循環ポンプ20により水皿12から蒸発器17によって冷却された各製氷小室11aに対して噴射供給されて、該製氷小室11aに氷塊が生成される。また、製氷機構14では、除氷運転において水皿12が、
図4に示す如く、傾動機構19によって製氷室11から下方へ離間して製氷小室11aからの氷塊の放出を許容する傾斜姿勢となる開放位置(除氷位置)で保持され、蒸発器17によって加熱された製氷小室11aから離脱した氷塊が水皿12の傾斜した上面に案内されて貯氷室10aに落下するよう構成される。
【0016】
図5に示すように、前記取付部材15の下面には、前後方向に所定間隔離間して前支持部材21と後支持部材(支持部材)22とが垂下するように配設され、両支持部材21,22の下端部に設けた軸受部21a,22aにカムシャフト23が回動可能に枢支されている。カムシャフト23における軸方向の両端部に、前カム部材24および後カム部材(カム部材)25が、その基部24a,25aを介して夫々連結されて、両カム部材24,25はカムシャフト23と一体的に回転するよう構成される。取付部材15の前面には、前カム部材24を上方から覆うように、下方に開放するコ字状に形成されたブラケット26が配設される。また、ブラケット26の前面には、ギヤードモータ等のモータ(駆動手段)27が取り付けられ、該モータ27の回転軸27aが、前カム部材24の基部24aに連結されている。すなわち、モータ27を正転または逆転することで、一対のカム部材24,25が一体的に正転方向または逆転方向に回転するよう構成される。
【0017】
図1、
図5に示す如く、前記前カム部材24は、前記カムシャフト23が連結される基部24aに、径方向に膨出する前カム部24bが形成され、この前カム部24bの外周面で前記水皿12の前側の壁部12bを押圧し得るよう構成される。また、前記後カム部材25は、カムシャフト23が連結される基部25aに、前側に延出してカムシャフト23が挿通されるボス部25dが設けられ、該ボス部25dに、径方向に膨出する後カム部(カム部)25bが形成され、この後カム部25bの外周面で水皿12の後側の壁部12bを押圧し得るよう構成される(
図6参照)。前後のカム部24b,25bは同一形状に形成され、その外周面は、カム部材24,25の閉成姿勢(水皿12が閉成位置に位置付く製氷姿勢)において最下端位置を始点として、カム部材24,25の回転中心から漸次離間するよう上方に延在する形状に形成される。すなわち、前後のカム部材24,25が閉成姿勢から開放方向(実施例では、
図1の反時計方向)に回転するにつれてカム部24b,25bの外周面が水皿12の前後の壁部12b,12bを押圧し、前記製氷室11に生成された氷塊と水皿12との氷結を強制的に解除するよう構成される。
【0018】
図5に示す如く、前後のカム部材24,25の基部24a,25aからアーム部24c,25cが径方向に延出するよう形成され、該アーム部24c,25cの先端部に第1突部28が夫々突設される。また、前記水皿12の前後の壁部12b,12bに第2突部29が夫々突設されており、対応する第1突部28と第2突部29との間に弾性部材としてのコイルばね30が夫々弾力的に介装されている。カム部材24,25の閉成姿勢においては、
図1に示す如く、前記アーム部24c,25cは基部24a,25aに対して上方に延出するように臨み、第1突部28と第2突部29との間に介装されているコイルばね30を引き伸ばして、前記水皿12を閉成位置に引き上げて、前記製氷室11を下方から閉成するよう構成される。また、カム部材24,25の開放姿勢(水皿12が開放位置に位置付く除氷姿勢)においては、
図4に示す如く、前記アーム部24c,25cは基部24a,25aに対して斜め下方に延出するように臨み、第1突部28と第2突部29との間に介装されているコイルばね30を介して水皿12を、製氷室11から下方に離間して開放する開放位置に懸吊支持するよう構成される。なお、以後の説明では、水皿12を開放させる際のモータ27の駆動を「正駆動」とし、水皿12を閉成させる際のモータ27の駆動を「逆駆動」と指称する。実施例では、カム部材24,25と、モータ27と、コイルばね30,30から傾動機構19が構成される。
【0019】
図5、
図6に示す如く、前記後支持部材22には、前記後カム部材25における後カム部25bの上方に臨む位置に、該後カム部25bが当接可能な第1規制部(規制部)22bおよび第2規制部(規制部)22cが設けられる。第1規制部22bは、後カム部材25が閉成姿勢から開放姿勢に向けて回転する際(水皿12が閉成位置から開放位置に向けて傾動する際)に、該開放姿勢を越えて回転した場合に後カム部25bが当接する位置に設けられ、該第1規制部22bに後カム部25bが当接することで後カム部材25の回転を規制する(
図8(a)参照)。また、第2規制部22cは、後カム部材25が開放姿勢から閉成姿勢に向けて回転する際(水皿12が開放位置から閉成位置に向けて傾動する際)に、該閉成姿勢を越えて回転した場合に後カム部25bが当接する位置に設けられ、該第2規制部22cに後カム部25bが当接することで後カム部材25の回転を規制する(
図8(b)参照)。具体的に、第1規制部22bは、カム部材24,25の回転によって水皿12を閉成位置から開放位置に向けて傾動させる後カム部材25が開放姿勢を越えて回転した際に後カム部25bが当接する位置に設けられ、第2規制部22cは、カム部材24,25の回転によって水皿12を開放位置から閉成位置に向けて傾動させる後カム部材25が閉成姿勢を越えて回転した際に後カム部25bが当接する位置に設けられる。なお、後カム部材25の回転が規制されることで、前記カムシャフト23によって連結されている前カム部材24および前記モータ27の回転も規制される。また、第1規制部22bおよび第2規制部22cは、後カム部材25が開放姿勢と閉成姿勢との間を回転する間は、後カム部25bが当接しないよう位置決めされている。
【0020】
前記製氷機構14は、水皿12の傾動を停止する検知機構31を備えている。検知機構31は、
図7に示す如く、前記モータ27の回転軸27aに連動して回転するレバー(回転部材)32と、該レバー32に配設した永久磁石等の被検知部33と、レバー32の端面に対向して配置した基板34に配設した磁気センサ等からなる第1検知部35および第2検知部36とから構成される。前記被検知部33は、レバー32において回転軸心から半径方向外側へ所要間隔離間した位置に配設されて、レバー32と共に正転方向または逆転方向に円弧状の軌道で移動する。第1検知部35および第2検知部36は、基板34における被検知部33と同一半径の回転軌動上において、前記水皿12における閉成位置と開放位置との間の傾動角度に応じた所要角度だけ被検知部33の回転方向に沿って離間配置されている。すなわち、被検知部33が下方に位置する第1検知部35で検知されたときに(
図7(b)参照)、水皿12は閉成位置に位置し(後カム部材25が
図6の実線で示す閉成姿勢となり)、被検知部33が上方に位置する第2検知部36で検知されたときに(
図7(a)参照)、水皿12は開放位置に位置する(後カム部材25が
図6の二点鎖線で示す開放姿勢となる)よう設定される。具体的に、水皿12が閉成位置から開放位置に向けて傾動した該水皿12が開放位置に至った際に、モータ27に連動して回転するレバー32の被検知部33が第1検出部35で検知され、水皿12が開放位置から閉成位置に向けて傾動した該水皿12が閉成位置に至った際に、モータ27に連動して回転するレバー32の被検知部33が第2検出部36で検知される。そして、前記第1検知部35および第2検知部36は、被検知部33を検知すると後述する制御手段40に対して検知信号を出力する。前記後支持部材22に設けられる第1規制部22bおよび第2規制部22cは、検知機構31との関係では、該検知機構31におけるレバー32が、前記モータ27に同期して回転可能な可動可能範囲内で、前記後カム部25bが当接する位置に設けられている。ここで、被検知部33を検知部35,36で検知してから、後述するように制御手段40によってモータ27が停止制御されるまでのタイムラグ等を考慮して、レバー32の可動可能範囲は、第1検知部35で被検知部33が検知された位置(
図7(a))より所定角度(許容量)だけ検知位置を過ぎた位置から、第2検知部36で被検知部33が検知された位置(
図7(b))より所定角度(許容量)だけ検知位置を過ぎた位置までの範囲に設定され、被検知部33が各検知部35,36で検知される検知位置の間の範囲より広い範囲でのレバー32の回転が許容されるよう構成されている。
【0021】
図1に示す如く、前記水皿12の上方には、図示しない水道源に連通する給水管37が設けられ、該給水管37に給水弁WVが介挿されている。そして、製氷運転の初期段階および洗浄運転時に給水弁WVが開放され、給水管37から常温の水が水皿12の表面へ供給される。給水管37から供給された水は、水皿12に設けた戻り孔等を介して製氷水タンク13に貯溜され、製氷水、洗浄水およびすすぎ水として使用される。
【0022】
図2に示す如く、前記製氷機構14の下方には、該製氷機構14から流下する排水(製氷残水、オーバーフロー水、結露水等)を受けるドレンパン41が配設されている。ドレンパン41には、底部に筒状の流出管部41aが設けられ、該流出管部41aには、排水管42の上端部が、連結ホース43を介して連通接続されている。排水管42の下端部は、貯氷室10aの底部に設けた図示しない排水口に挿入されており、ドレンパン41で受けた排水は、流出管部41a、連結ホース43および排水管42を介して排水口に排出される。
図9に示す如く、排水管42は、ドレンパン41の流出管部41aより小径に設定され、連結ホース43は、排水管42が嵌挿される小径部43aと、流出管部41aが嵌挿される大径部43bとを備え、小径部43aと大径部43bとは、大径部43bから小径部43aに向かうにつれて小径となるテーパ部43cで連結されている。なお、流出管部41aや排水管42は、例えばポリプロピレン等を材質とし、連結ホース43は、流出管部41aや排水管42より軟質のシリコン等を材質として、連結ホース43に対する流出管部41aおよび排水管42の嵌挿を容易にしている。
【0023】
前記連結ホース43における小径部43aの内径は、前記排水管42の外径より僅かに小さく設定されて、該小径部43aに排水管42を嵌挿した状態で水漏れしないよう構成される。また、前記テーパ部43cにおける小径部側の端部に、小径部43aの内径側に突出するストッパ44が設けられており、小径部43aに嵌挿した排水管42の端部が、該ストッパ44に当接して位置決めされるよう構成される(
図9(b)参照)。また、テーパ部43cの内周面には、大径部側から小径部側に向かうにつれて厚み大きくなる肉盛部45が形成されており、該肉盛部45によって、大径部43bに嵌挿した前記流出管部41aから排出された排水を小径部43aに嵌挿した排水管42に向けて流下させるよう構成されている。
【0024】
図9に示す如く、前記連結ホース43における大径部43bの内周面に、内側に突出する第1リブ46が、長手方向に離間して複数設けられている。第1リブ46は、大径部43bの内周面から突出するにつれて、該大径部43bの開放端側に向けて傾斜するよう形成される。また、大径部43bの内周面における第1リブ46の形成領域よりテーパ部側に近接する位置に、第1リブ46と同一形状の第2リブ47が設けられている。これら第1リブ46および第2リブ47は、大径部43bに対して嵌挿した前記流出管部41aに対する接触面積を低減し、該流出管部41aの大径部43bに対する着脱性を向上させるべく機能する。なお、連結ホース43は、流出管部41aより軟質に構成されているので、大径部43bに流出管部41aを嵌挿した際にはリブ46,47が変形することで水密性が確保される。また、第2リブ47は、連結ホース43におけるテーパ部内に存在する水が、大径部43bの内面と流出管部41aの外面との間を伝って外部に滲み出るのを流出管部41aの開口端側の近傍で防ぐべく機能する。
【0025】
前記冷凍回路16は、
図3に示す如く、圧縮機CM、凝縮器CD、膨張弁(膨張手段)EVおよび蒸発器17の順番で冷媒が循環するよう構成され、各機器は冷媒配管38で連通接続されている。すなわち、圧縮機CMで圧縮された気化冷媒は、冷媒配管38を経て凝縮器CDで凝縮液化された後、膨張弁EVで減圧され、蒸発器17に流入してここで一挙に膨張して蒸発し、前記製氷室11と熱交換を行って該製氷室11を氷点下にまで強制冷却させる。そして蒸発器17で蒸発し熱交換した気化冷媒は、冷媒配管38を経て圧縮機CMに帰還するサイクルを反復する。なお、凝縮器CDに対向して設けられたファンモータFMは、凝縮器CDを冷却するべく機能している。
【0026】
前記冷凍回路16には、ホットガス弁HVが介挿されたバイパス管39が配設されている。このバイパス管39は、その始端が前記圧縮機CMの吐出側から前記凝縮器CDの吸込み側を連通する冷媒配管38に接続され、終端は前記膨張弁EVから蒸発器17の吸込み側を連通する冷媒配管38に接続されている。ホットガス弁HVは、電磁弁や電動弁等が好適に採用され、後述する制御手段40により開閉されて、バイパス管39内のホットガスの流通を制御する。すなわち、ホットガス弁HVは、製氷運転時にバイパス管39の管路を閉成してホットガスの流通を規制すると共に、除氷運転時にバイパス管39の管路を開放し、ホットガスの流通を許容する。
【0027】
ここで、前記膨張弁EVは、
図10、
図11に示す断熱カバー48に収容されている。断熱カバー48は、筒状部材を半割りした第1半割体49および第2半割体50から構成され、両半割体49,50を、壁部49a,50aの端面を突き合わせて固定することで、内部に膨張弁EVの収容室48aが画成される。断熱カバー48には、収容室48aに収容した膨張弁EVに接続する冷媒配管38が挿通される通孔48bが、両半割体49,50に形成した凹部によって形成されている。また、第1半割体49(一方の半割体)における壁部外面側に、両半割体49,50を固定した状態で、第2半割体50(他方の半割体)に向けて延出する保護壁51が設けられている。この保護壁51は両半割体49,50における壁部49a,50aの合わせ面の外側を覆うように設けられ、該保護壁51によって断熱カバー内への水分の侵入を抑制するよう機能する。具体的に、壁部49a,50aの合わせ面の外側を保護壁51で覆うことで、
図11に示す如く、水分が侵入する可能性のある経路Sをラビリンス形状(L形状)とすることができ、水分の侵入を抑制し得るようになっている。なお、両半割体49,50の長手方向の両端部には、前記保護壁51が設けられていない領域に、周溝49b,50bが形成されており、両半割体49,50の壁部端面を突き合わせたもとで、周溝49b,50bに図示しないクランプ部材を嵌めることで、両半割体49,50が固定されるよう構成される。すなわち、クランプ部材を周溝49b,50bから取り外すことで、両半割体49,50を簡単に分解できるようになっている。
【0028】
製氷機の制御手段40には、
図12に示す如く、給水弁WV、循環ポンプ20、圧縮機CM、ファンモータFM、ホットガス弁HV、傾動機構19のモータ27、検知機構31の第1検知部35および第2検知部36等の各機器と電気的に接続され、冷凍回路16および製氷機構14を統括的に制御する。制御手段40は、第1検知部35または第2検知部36から被検知部33を検知した検知信号が入力されると、モータ27に対して停止信号を出力して該モータ27を停止し、前後のカム部材24,25を閉成姿勢または開放姿勢に停止保持することで、水皿12を閉成位置または開放位置に停止保持するよう構成される。また制御手段40には、前記製氷水タンク13に貯留されている水(製氷水や洗浄水等)の温度(水温)を検出する温度検出手段52が接続されている。
【0029】
前記制御手段40には、製氷運転から除氷運転に切り替わった際や、除氷運転から製氷運転に切り替わった際に、前記モータ27が正駆動または逆駆動を開始したときに作動して時間をカウントする保護タイマ53が設けられている。そして、制御手段40は、保護タイマ53が、予め設定された異常時間をカウントしたときに、モータ27を強制的に停止制御するよう構成される。前記異常時間としては、前記検知機構31の検知部35,36に異常がない状態で、前後のカム部材24,25が閉成姿勢と開放姿勢との間を回転するのに要する時間より所定長さだけ長い時間に設定される。具体的には、前記第1規制部22bおよび第2規制部22cに後カム部25bが当接して後カム部材25の回転が規制された状態で、前記モータ27が負荷によって損傷することのない時間に設定される。また、制御手段40には、前記給水弁WVおよび給水管37による給水時間をカウントする給水タイマ54や、後述する洗浄モードでの洗浄時間Tをカウントする洗浄タイマ55等、各種のタイマが設けられている。
【0030】
実施例の製氷機は、製氷運転において、前記製氷室11に配設された温度センサ(図示せず)が製氷完了温度を検知した際に、製氷小室11aに所定の大きさの氷塊が生成されたと判断した制御手段40によって、循環ポンプ20が停止されて製氷運転が終了され、除氷運転に移行するよう構成される。また、製氷機は、除氷運転において、前記温度センサが除氷完了温度を検知した際に、製氷室11の加熱により全ての氷塊が離脱したと判断した制御手段40によって、蒸発器17による製氷室11の加熱が停止されると共に、モータ27が逆駆動されて水皿12が開放位置から閉成位置まで戻され、除氷運転が終了される。実施例では、温度センサを、製氷小室11aに氷塊が生成されたことを検知する製氷検知手段および製氷室11から全ての氷塊が落下したことを検知する除氷検知手段として用いているが、タイマ等、その他の手段を製氷検知手段や除氷検知手段として用いることができる。
【0031】
ここで、前記製氷水タンク13に供給される製氷水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分等の様々なものが含まれているので、製氷運転と除氷運転とからなる製氷サイクルを繰り返し行うことで、製氷室11や配管等の循環経路に、前記ミネラル分が濃縮したスケールや水垢などの異物が付着してしまう。そこで、実施例の製氷機は、製氷水が循環する循環経路を水で洗浄する洗浄モードによる洗浄運転を行って、前記異物を除去するよう構成される。実施例の洗浄運転は、
図13に示す如く、薬剤を水に入れた洗浄水で循環経路を洗浄する洗浄工程を行った後に、製氷水と同じ水であるすすぎ水で循環経路をすすぐすすぎ工程を行うよう構成されている。
【0032】
前記洗浄運転は、前記水皿12を閉成位置に保持した状態で、前記循環ポンプ20を駆動(ON)すると同時に、圧縮機CMを駆動(ON)すると共にホットガス弁HVを開放する。この制御により、前記蒸発器17を流通するホットガスにより製氷室11が加熱されると共に、前記製氷水タンク13に貯留されている洗浄水が製氷小室11aに供給され、該洗浄水が水皿12を介して製氷水タンク13に戻る循環を繰り返すことで、製氷水タンク内の洗浄水の温度が次第に上昇する。そして、洗浄水の温度が予め設定された洗浄温度K(給水管37から供給される水の温度(常温)より高い、例えば、30℃)まで上昇させる。
【0033】
洗浄モードは、以下の工程で実行される(
図13参照)。
1.制御手段40に接続する操作盤のモード切り替えボタンを押すことで、洗浄モードに移行する。
2.除氷工程が行われ、製氷室11から氷塊を離脱させる。
3.除氷工程が終了し、水皿12を開放位置から閉成位置に傾動し、水皿12を閉成位置に保持すると共に、給水弁WVを開放して製氷水タンク13への給水を開始する。給水弁WVを閉成後、循環ポンプ20および圧縮機CMを駆動(ON)すると共に、ホットガス弁HVを開放し、洗浄水の昇温工程を行う。なお、実施例では、このときに製氷水タンク13に薬液を投入して薬液洗浄を行うが、薬液を用いることなく水のみの洗浄であってもよい。
4.製氷氷タンク内の洗浄水が、予め定された洗浄温度Kになったことを温度検出手段52が検出すると、洗浄タイマ55がカウントを開始(洗浄工程の開始)する。
5.洗浄タイマ55が、洗浄時間Tをカウントすると、循環ポンプ20を停止(OFF)する。
6.循環ポンプ20の停止後、水皿12を開放位置に向けて傾動し、製氷水タンク内の洗浄水を排出する。
7.水皿12を開放位置から閉成位置に傾動し、水皿12を閉成位置に保持すると共に、給水弁WVを開放して製氷水タンク13への給水を開始し、給水弁WVの閉成後に循環ポンプ20を駆動(ON)する。
8.予め設定されたすすぎ時間が経過すると、水皿12を開放位置に傾動してすすぎ水の排出を行う。なお、すすぎ時間のカウントは、前記洗浄タイマ55で兼用する。
9.7-8のすすぎ工程を所定回数繰り返す。
10.所定回数のすすぎ工程が完了すると、製氷サイクルに自動復帰する。
【0034】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る製氷機の作用について説明する。
【0035】
製氷機の製氷運転に際し、前記傾動機構19は、
図1、
図5に示す如く、閉成姿勢に保持されている前後のカム部材24,25の第1突部28,28と、前記水皿12の第2突部29,29との間に弾力的に介装されているコイルばね30,30の弾力によって、該水皿12を、前記製氷室11を下方から閉成する閉成位置に保持している。前記水皿12が閉成位置に臨む状態で製氷運転が行われ、前記製氷小室11aに氷塊が生成されたことを製氷検知手段が検知することで製氷運転を終了して除氷運転に移行すると、前記モータ27が正駆動されて、前後のカム部材24,25は
図1の反時計方向に回転される。両カム部材24,25の回転に伴い、前記カム部24b,25bによって水皿12における前後の壁部12b,12bが押し下げられることで、水皿12と製氷室11との氷結面が剥離される。
【0036】
図4に示す如く、両カム部材24,25の回転に伴い、前記水皿12は前記支持軸18を支点として下方へ傾動し、水皿12が製氷室11から完全に剥離すると、水皿12は自重により傾動する。カム部材24,25が所要角度だけ回転した時点で、
図7(a)に示す如く、前記検知機構31の第1検知部35が前記被検知部33を検知し、前記制御手段40によってモータ27が停止制御されて、該水皿12はコイルばね30,30で懸吊された状態で開放位置に停止保持される。前記後カム部材25の後カム部25bは、該後カム部材25が開放姿勢を越えて回転しない限り、前記後支持部材22の第1規制部22bに後カム部25bが当接して回転が規制されることはないので(
図6参照)、水皿12は規定の開放位置で保持される。そして、水皿12が開放位置で停止している間に除氷運転が進行し、各製氷小室11aから脱氷された氷塊は、水皿12の上面を滑落して貯氷室10aに向けて放出される。
【0037】
前記製氷室11から全ての氷塊が落下したことを除氷検知手段が検知すると、前記モータ27は逆駆動される。これにより前後のカム部材24,25は時計方向に回転し、前記コイルばね30,30を介して連繋されている水皿12は、支持軸18を支点として斜め上方への傾動を開始する。そして、水皿12が閉成位置に復帰し、
図7(b)に示す如く、前記検知機構31の第2検知部36が前記被検知部33を検知すると、前記制御手段40によってモータ27が停止制御されて、該水皿12は閉成位置で停止して再び製氷運転に入る。また、前記後カム部材25の後カム部25bは、該後カム部材25が閉成姿勢を越えて回転しない限り、前記後支持部材22の第2規制部22cに後カム部25bが当接して回転が規制されることはないので(
図6参照)、水皿12は規定の閉成位置で保持される。
【0038】
前記製氷機構14での製氷運転および除氷運転に際して、前記水皿12は、前記傾動機構19によって閉成位置と開放位置との間で傾動される。製氷運転から除氷運転に移行する状況において、前記検知機構31の故障や、外来の電気ノイズ等によって前記制御手段40からの停止信号がモータ27に送信されなくなる等の異常事態が発生した場合、モータ27は停止しないので、前記水皿12を更に下方へ傾動させるというオーバーラン現象を生じる。このため、前記後カム部材25は時計方向への回転を継続し、開放姿勢を越えて同一方向に回転するが、
図8(a)に示す如く、後カム部25bが前記後支持部材22の第1規制部22bに当接することで回転が規制される。そして、前記モータ27が正駆動を開始することでカウントを開始した前記保護タイマ53が異常時間をカウントすると、制御手段40は、モータ27を停止制御する。
【0039】
また、前記製氷機構14において除氷運転から製氷運転に移行する状況において、前記検知機構31の故障や、外来の電気ノイズ等によって前記制御手段40からの停止信号がモータ27に送信されなくなる等の異常事態が発生した場合、モータ27は停止しないので、前記水皿12を更に上方へ傾動させるというオーバーラン現象を生じる。このため、前記後カム部材25は反時計方向への回転を継続し、閉成姿勢を越えて同一方向に回転するが、
図8(b)に示す如く、後カム部25bが前記後支持部材22の第2規制部22cに当接することで回転が規制される。そして、前記モータ27が逆駆動を開始することでカウントを開始した前記保護タイマ53が異常時間をカウントすると、制御手段40は、モータ27を停止制御する。
【0040】
実施例の製氷機では、前記後カム部材25が、開放姿勢または閉成姿勢を越えて同一方向に回転した場合には、該後カム部材25の後カム部25bが、対応する後支持部材22の第1規制部22bまたは第2規制部22cに当接して後カム部材25の回転を規制するよう構成したので、前記コイルばね30,30が塑性変形したり破損するまで引き延ばされるのを防ぐことができる。また、後カム部材25の回転規制によって前記モータ27の回転軸27aも回転規制され、該回転軸27aと連動する検知機構31のレバー32も回転規制される。従って、レバー32が、第1検知部35や第2検知部36が被検知部33を検知する検知位置を過ぎた前記許容量を越えて回転するのを規制することができる。すなわち、レバー32は、当該レバー32の回転が許容される可動可能範囲を越えて回転しないので、該レバー32が他の部品に接触して破損等するのを防ぐことができる。
【0041】
実施例の製氷機では、前記後カム部材25を支持する後支持部材22に、該後カム部材25の回転を規制するための規制部22b,22cを設けたので、回転規制するための別部品を追加する必要はなく、構成が複雑化したりコストが上昇したりするのを抑えることができる。また、後支持部材22は、後カム部材25が連結されるカムシャフト23を枢支する部材であることから、後支持部材22で支持されたカムシャフト23に後カム部材25を連結することで、後支持部材22の規制部22b,22cと後カム部材25の後カム部25bと位置関係が決まる。すなわち、後カム部材25の後カム部25bが規制部22b,22cに当接して回転規制する位置を、細かく調節することなく決めることができ、部品の組み付け工程を簡単化できる。
【0042】
実施例の製氷機では、前記モータ27が正駆動または逆駆動を開始したときに作動して時間をカウントする保護タイマ53が、予め設定された異常時間をカウントしたときに前記モータ27を強制的に停止制御するよう構成したので、モータ27の回転規制状態が長くなって該モータ27が負荷によって損傷するのを防ぐことができる。
【0043】
前記ドレンパン41の流出管部41aと排水管42とを連通接続する連結ホース43における前記テーパ部43cに、排水管42がテーパ部側まで入り込むのを規制するストッパ44を設けたので、排水管42がテーパ部側まで入り込んでしまうことで、排水管42の外面とテーパ部43cの内面との間に隙間ができるのを防ぐことができる。すなわち、隙間に排水が溜ってしまって衛生性が低下するのを防ぐことができる。また、テーパ部43cの内周側に設けた肉盛部45によって、大径部43bに嵌挿した前記流出管部41aから排出された排水を小径部43aに嵌挿した排水管42に向けて円滑に流下させることができる。すなわち、連結ホース内に排水が溜まらない構成としたので、衛生性が向上する。
【0044】
前記連結ホース43における大径部43bの内周面に、第1リブ46および第2リブ47を設けたので、大径部43bに対して嵌挿した前記流出管部41aに対する接触面積を低減することができ、該流出管部41aの大径部43bに対する着脱性を向上することができる。また、連結ホース43は、流出管部41aより軟質であるので、着脱性を向上したもとで、大径部43bに流出管部41aを嵌挿した際にはリブ46,47が変形して水密性を確保することができる。すなわち、水漏れによる衛生性の低下を防ぐことができる。更に、大径部43bのテーパ部側に近接して第2リブ47を設けているので、連結ホース43におけるテーパ部43cに存在する水が、大径部43bの内面と流出管部41aの外面との間を伝って外部に滲み出るのを第2リブ47によって早い段階で防ぐことができ、衛生性を向上し得る。
【0045】
前記膨張弁EVを収容する断熱カバー48において、両半割体49,50を固定した状態で、両半割体49,50の合わせ面の外側を覆う保護壁51を設けたので、カバー内部に水分が侵入する可能性のある経路Sをラビリンス形状とすることができ、水分の侵入を抑制することができる。これにより、収容されている膨張弁EVに氷が付着するのを抑制し、膨張弁EVの品質を保ち得ると共に、該膨張弁EVが故障等するのを防ぐことができる。また、断熱カバー48は、両半割体49,50に設けた周溝49b,50bからクランプ部材を取り外すだけで分解できるので、膨張弁EVの開度調節が容易となる。すなわち、両半割体49,50を接着剤によって固定する場合に比べ、膨張弁EVの開度調節が容易で、調節の度に断熱カバー48を交換する必要もなくなる。
【0046】
実施例の製氷機では、洗浄モードにおいて、洗浄水の温度を高めるよう構成したので、前記循環経路に付着する異物の化学反応を促進させると共に拡散する作用が促され、薬剤洗浄での洗浄能力を高めることができる。また、洗浄水の温度を、除氷運転に際して用いられるホットガスを利用して上昇させるので、加熱だけのためのヒータ等を設ける必要はなく、既存の回路で洗浄水の温度を上昇させることができ、設備コストが上昇することはない。また、製氷水タンク内の洗浄水を加熱するため、洗浄専用の温水タンク等を設ける必要もない。
【0047】
次に、製氷機の別実施例について説明する。なお、実施例と同じ部材等には同一符号を付すものとする。
【0048】
〔第1の別実施例〕
第1の別実施例の製氷機では、
図14に示す如く、洗浄工程が完了した後、およびすすぎ工程が完了した後に、前記循環ポンプ20を停止した状態で、前記水皿12を、予め設定された水切り時間T1(例えば、2分)だけ閉成位置に保持し、その後に水皿12を開放位置に向けて傾動して製氷水タンク内の洗浄水やすすぎ水を排出するよう構成される。第1の別実施例の製氷機では、洗浄工程の完了、およびすすぎ工程の完了からカウントを開始する水切りタイマ(図示せず)が水切り時間T1をカウントしたときに、前記制御手段40によって水皿12を開放位置に向けて傾動するよう傾動機構19が作動制御される。なお、水切り時間T1は、制御手段40に設けた調節手段によって、任意に設定変更可能に構成されている。
【0049】
また、第1の別実施例の製氷機では、前記水切り時間T1の経過後に開放位置に向けて傾動して開放位置に至った水皿12を、予め設定された待機時間T2(例えば、2秒)だけ該開放位置に保持するよう構成される。第1の別実施例の製氷機では、前記検知機構31により水皿12が開放位置に至ったことを検知してからカウントを開始する待機タイマ(図示せず)が待機時間T2をカウントしたときに、前記制御手段40によって水皿12を閉成位置に向けて傾動するよう傾動機構19が作動制御される。前記待機時間T2は、水皿12と共に開放位置に至った製氷水タンク内の洗浄水やすすぎ水を全て排出可能な時間に設定されている。また、待機時間T2は、制御手段40に設けた調節手段によって、任意に設定変更可能に構成されている。
【0050】
第1の別実施例の製氷機では、洗浄工程やすすぎ工程が完了した後、水皿12を水切り時間T1だけ閉成位置に保持するよう構成したので、洗浄工程やすすぎ工程により製氷室11に供給されて滴下することなく残っていた洗浄水やすすぎ水を、水皿12上に回収することができる。すなわち、製氷室11から滴下した洗浄水やすすぎ水が、ドレンパン41や貯氷室10aに飛び散ってしまう飛水を防ぐことができる。従来は、飛水が生ずるおそれのある場合は、使用者が覆い等で製氷機構14の周囲を覆っていたが、このような煩雑な作業を省略することができる。すなわち、使用者が立ち会う必要はなく、自動運転が可能である。また、構成を付加することなく制御によって対応可能であるので、コストの上昇を抑えることができる。
【0051】
第1の別実施例の製氷機では、前記水皿12を、開放位置において待機時間T2の間に亘って保持するよう構成したので、製氷水タンク内の洗浄水やすすぎ水を全て排出することができ、製氷水タンク内に洗浄水やすすぎ水が残留したまま水皿12が閉成位置に戻るのを防ぐことができる。すなわち、開放位置から閉成位置に向けて水皿12が傾動する際に、該水皿12や製氷水タンク13から滴る水分が減り、貯氷室内への飛水のリスクを低減することができる。
【0052】
第1の別実施例の製氷機では、前記水皿12を水切り時間T1の間に亘って閉成位置に保持するよう構成したが、閉成位置に近い領域において水皿12の傾動速度を低速としたり、寸動したりすることで、製氷室11から滴下する洗浄水やすすぎ水を水皿上に受けて、ドレンパン41や貯氷室10aへの飛水を防ぐ構成を採用することができる。また、第1の別実施例の製氷機では、水皿12を待機時間T2の間に亘って開放位置に保持するよう構成したが、開放位置に近い領域において水皿12の傾動速度を低速としたり、寸動したりすることで、製氷水タンク13から全ての洗浄水やすすぎ水を排出する構成を採用することができる。
【0053】
〔第2の別実施例〕
ここで、製氷機において、冬期のように外気温が低温(例えば、5℃)の場合は、凝縮器CDにある程度の冷媒が寝込み、冷媒循環量が少なくなるため、洗浄モードにおける洗浄水の温度上昇は緩やかとなる。逆に、夏季のように外気温が高温(例えば、25℃)の場合は、凝縮器CDには冷媒が殆ど寝込むことはなく、冷媒循環量が多くなって、洗浄モードにおける洗浄水の温度上昇は急激となる。すなわち、製氷水タンク内の洗浄水の温度が、洗浄温度Kとなるまでに要する上昇時間は、外気温の違いによって差異を生ずる。上昇時間に差異が生ずる状況では、洗浄モードにおいてすすぎ工程に至るまでに要する時間が大きく異なるため、正常であるのに異常と思われてしまい、ナンセンスクレームを招くおそれがある。そこで、第2の別実施例の製氷機では、
図15に示す如く、外気温が高温時の場合には、洗浄モードにおいて前記循環ポンプ20を駆動するタイミングで前記ファンモータFMも駆動(ON)させるよう構成している。なお、外気温の検出は、凝縮器用の温度センサ(図示せず)で兼用するが、専用の外気温センサを用いることができる。
【0054】
外気温が高温時に、ファンモータFMを駆動することで、凝縮器内の冷媒が凝縮されるため、ホットガスの一部が凝縮器CDへ引き込まれて更に凝縮し、凝縮器内にある程度の冷媒が寝込む状況となる。これにより、製氷室11を加熱するために蒸発器17に流通するホットガスの量が減少し、製氷水タンク内の洗浄水の急激な温度変化は抑えられる。すなわち、外気温が高温時と低温時とで、洗浄モードでの洗浄水の温度上昇をある程度均一化することができ、外気温の相違に応じて洗浄時間Tを変えることなく、共通の洗浄時間Tを設定しても、トータルの洗浄モードに要する時間の変動を所定の範囲内に納めることができる。また、前記ナンセンスクレームを防ぐことができる。
【0055】
〔第3の別実施例〕
前記第2の実施例では、温度センサによる外気温の検出温度を条件として、洗浄モードにおいてファンモータFMを駆動(ON)するよう構成したが、第3の別実施例では、
図16に示す如く、前記製氷水タンク13に貯留されている洗浄水の温度を検出する温度検出手段52による検出温度を条件として、洗浄モードにおいてファンモータFMを駆動(ON)するよう構成される。第3の別実施例では、温度検出手段52が予め設定された駆動温度K1(洗浄温度Kより低い、例えば、20~25℃)を検知したことを条件として、ファンモータFMを駆動(ON)するよう構成される。
【0056】
外気温が高温時は、前記凝縮器CDには冷媒が殆ど寝込むことはなく、ホットガスの循環量が多くなって、洗浄モードにおける洗浄水の温度上昇は急激となる。そして、温度検出手段52が前記駆動温度K1を検知すると、前記制御手段40は、ファンモータFMを駆動(ON)する。これにより、凝縮器内の冷媒が凝縮されるため、ホットガスの一部が凝縮器CDへ引き込まれて更に凝縮し、凝縮器内にある程度の冷媒が寝込む状況となり、前記製氷室11を加熱するために蒸発器17に流通するホットガスの量が減少し、製氷水タンク内の洗浄水の急激な温度変化は抑えられる。すなわち、洗浄水の急激な温度上昇に起因して、昇温工程が極めて短時間となったり、各種部品が熱により変形したり、蒸気が発生することにより貯氷室内の温度や湿度が上昇する弊害の発生を防ぐことができる。また、構成を付加することなく制御によって対応可能であるので、コストの上昇を抑えることができる。
【0057】
第3の別実施例の製氷機において、温度センサによる外気温の検出温度を条件としてファンモータFMを駆動(ON)する制御を併用することができる。すなわち、第2の別実施例と第3の別実施例とを組み合わせることができる。例えば、外気温が高い(例えば、25℃以上)場合にのみ、洗浄水の温度条件でファンモータFMを駆動(ON)するようにしたり、または外気温に応じて、洗浄水の温度条件で駆動するファンモータFMの回転数を変化させるように該ファンモータFMを制御する構成を採用し得る。
【0058】
〔第4の別実施例〕
洗浄モードにおいて、前記製氷水タンク13に供給される洗浄水(常温の水)の温度は、外気温に影響されて変化し、冬期のように洗浄水の温度が、例えば5℃であると、前記洗浄温度K(30℃)まで上昇させるのに約40分掛かるのに対し、夏季のように洗浄水の温度が、例えば25℃であると、前記洗浄温度K(30℃)まで上昇させるのに約5分で足りる。このように、製氷水タンク13に供給される洗浄水の温度が低い場合には、洗浄モードの時間が著しく長くなり、共通の洗浄時間Tを設定するのが困難となる。そこで、第4の別実施例の製氷機では、洗浄モードにおいて、前記循環ポンプ20を駆動して昇温工程を開始することでカウントを開始する昇温工程用タイマ(図示せず)が制限時間(例えば、30分)をカウントした条件か、または前記温度検出手段52が洗浄温度Kを検知した条件の何れかの条件が成立したときに、昇温工程から洗浄工程に移行するよう構成される。
【0059】
図17は、第4の別実施例の製氷機において、制御手段40の制御下で実行される昇温判定処理を示すフローチャートである。洗浄モードにおいて昇降工程を開始すると(ステップS1)、昇温工程用タイマによるカウントを開始する(ステップS2)。次に、ステップS3において製氷水タンク13に貯留されている洗浄水の温度が洗浄温度Kになったか否かを判定し、該ステップS2が肯定(YES)であれば、ステップS4に移行して洗浄工程を開始する。これに対し、ステップS3が否定(NO)であれば、ステップS5において、昇温工程用タイマが制限時間をカウントしたか否かを判定し、該ステップS5が否定(NO)であれば、ステップS3に戻る。そして、ステップS3が肯定(YES)される前に、ステップS5が肯定(YES)されれば、ステップS4に移行して洗浄工程を開始する。なお、ステップS3またはS5が肯定(YES)されたときに、昇温工程用タイマはリセットされる。
【0060】
第4の別実施例の製氷機によれば、洗浄水の給水時の温度の高低差によって生ずる昇温時間の差を小さくすることができ、洗浄に要する時間をより正確に推定することができるようになる。また、昇温工程に要する時間差が小さくなるので、正常であるのに異常であると思われることで招くナンセンスクレームを防ぐことができる。
【0061】
前記第1~4別実施例の構成は、相互に組み合わせて構成することができる。また、別実施例は、前記実施例と組み合わせることができる。
【0062】
〔変更例〕
本願は、前述した実施例や別実施例の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。また、以下の各変更例を相互に組み合わせた構成を採用することができる。
(1) 実施例では、後カム部材を支持する後支持部材に規制部を設けたが、前カム部材を支持する前支持部材に、前カム部が当接して回転を規制する規制部を設けることができる。また、前後の支持部材の夫々に規制部を設ける構成を採用することもできる。
(2) 実施例では、水皿を押圧するためのカム部を、規制部に当接して回転規制するよう構成したが、カム部材に設けた専用の被当接部を、規制部に当接して回転規制する構成を採用することができる。すなわち、カム部材と一体で回転する何れかの部分が規制部に当接するよう構成すればよい。
(3) 検知機構は、永久磁石からなる被検知部と、磁気センサからなる検知部との構成に限らず、発光・受光素子からなる光センサや近接時の容量変化を電気的に変換する容量センサ等の非接触式の各種検知手段を採用することができる。また、検知機構は、カム部材の回転に伴って回転するレバーで、固定配置したスイッチを切り替えることでモータを停止制御する、接触式(機械式)の各種検知手段を採用することもできる。
(4) 実施例では、水平に配設した製氷室(製氷部)に対して下側に水皿を傾動可能に配置した構成の製氷機を挙げたが、垂直に配設した製氷室(製氷部)に対して側方に水皿を傾動可能に配置した構成の製氷機等、製氷室(製氷部)に対して水皿が傾動可能な構成であれば、公知の各種型式の製氷機であってもよい。
(5) カム部材の回転を規制する規制部は、カム部材が除氷姿勢を越えた回転を規制する第1規制部およびカム部材が製氷姿勢を越えた回転を規制する第2規制部の少なくとも一方の規制部を備える構成を採用することができる。水皿を開放位置から閉成位置に向けて傾動する際にカム部材が製氷姿勢を越えて回転する場合には、コイルばねの弾力によってモータの回転が抑制されて検知機構のレバーの回転量が抑えられることで破損等するのが抑制されることから、検知機構は、水皿を開放位置から閉成位置に向けて傾動する際にカム部材が製氷姿勢を越えて回転する場合より、水皿を閉成位置から開放位置に向けて傾動する際にカム部材が除氷姿勢を越えて回転する場合の方が故障する可能性は高く、支持部材に第1規制部のみを設ける構成によって検知機構の故障発生の可能性を低減できる。
(6) 実施例では、レバーの可動可能範囲について、被検知部が各検知部で検知される検知位置の間の範囲より広い範囲としたが、該検知位置の間の範囲(被検知部が、一方の検知部で検知された位置から他方の検知部で検知される位置までの範囲)とする等、検知機構の組み付け誤差を許容したり、制御手段によるモータの停止制御に係わるタイムラグを許容するために、検知位置の間の範囲以上の任意の範囲に設定することができる。
【符号の説明】
【0063】
11 製氷室(製氷部),12 水皿,15 取付部材,22 後支持部材(支持部材)
22b 第1規制部(規制部),22c 第2規制部(規制部)
25 後カム部材(カム部材),27 モータ(駆動手段),32 レバー(回転部材)
33 被検知部,35 第1検知部,36 第2検知部