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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/00 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
B65D3/00 Z
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020169992
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2021059388
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】102019000018173
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520390715
【氏名又は名称】ソシエタ’ パー アジオーニ クルチ-コストゥルジオーニ メカニーチェ
【氏名又は名称原語表記】SOCIETA’ PER AZIONI CURTI-COSTRUZIONI MECCANICHE
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】バセッティ ファビオ
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0084361(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144993(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0020277(US,A1)
【文献】特開2013-158925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0252617(US,A1)
【文献】米国特許第02069033(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 3/00
B65D 67/00-79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を包装するための容器であって、
紙基材からなり、内部に前記製品が収容される収容容積を画定するグラス状体と
紙基材からな封じ込め体と
を備え、
前記グラス状体は、底壁によって底部で閉じられ、前記グラス状体のすべての側面を画定する側壁によって周囲と区切られ、円形状の頂縁によって区切られた円形状の上部開口を備え、
前記グラス状体の前記側壁が、円形状の前記上部開口と円形状の前記頂縁とを画定する円筒部を備え、
前記グラス状体の前記側壁が、前記円筒部及び前記上部開口と同軸の直角柱の形状を有する角柱状部を備え、
該角柱状部が、前記円筒部及び前記底壁よりも大きな短手方向伸長部を有し、
前記封じ込め体が、前記グラス状体の前記頂縁に固定され、前記製品の出口穴を有し、
該封じ込め体が、前記グラス状体の前記収容容積の方に向けられて、前記グラス状体の前記頂縁から前記出口穴の方へテーパがつけられた凹面を有する凹形状を有する容器。
【請求項2】
前記封じ込め体が、軸対称形状を有する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記封じ込め体が、紙基材の平面円板の塑性変形によって得られる請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記グラス状体の前記上部開口を画定し、該上部開口の前記頂縁を利用可能とする鍔を備える請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記鍔が、前記グラス状体の上部ストリップをそれ自体の上に折ることによって得られる請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記鍔が、前記グラス状体に固定されるプラスチック材料の別体として作られる請求項4に記載の容器。
【請求項7】
前記グラス状体および前記封じ込め体が、紙およびポリエチレンをベースとした積層複合材料から作られる請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記出口穴に関連付けられた注ぎ口を備える請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記出口穴を閉じるための、前記注ぎ口と結合する取り外し可能なキャップを備える請求項に記載の容器。
【請求項10】
前記グラス状体の前記側壁の前記角柱状部、直体の形状を有する請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体製品および/または液体製品、例えば、薬品、食品または他の分野の製品を包装するための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
包装業界では、缶、瓶、バイアルなどの容器の内部に液体製品および/または固体製品を包装することが知られている。しかしながら、缶、瓶、バイアルなどの容器は、処分が難しく、したがって、環境負荷が高いという欠点を有することもある。
【0003】
この欠点を解決するために、同一出願人の代理として、紙基材から作られる製品包装用容器が説明されている(特許文献1参照)。
【0004】
この容器は一般に、包装される製品のための収納容積を画定し、上部アクセス口が設けられたグラスの形状を有する。
【0005】
しかしながら、この上部アクセス口は、かなり大きな寸法であり、よって、保管中および販売段階での製品の効果的な保存を可能にする閉鎖システムを提供する必要がある。
【0006】
この閉鎖システムは、例えば、防水材料、例えば、アルミニウムまたはプラスチックから作られたフィルムまたは平板状の蓋を備えることができ、その蓋は、グラス状体の上部口に加えられ、その後、中に含まれる製品にアクセスするために、エンドユーザがそこから取り外すことができる。
【0007】
しかしながら、上部口の幅のため、製品が過度にこぼれることがないように、および/または無駄になることがないように、ユーザが細心の注意を払わなければならないので、フィルムまたは蓋の全体的または部分的な除去の後、精確かつ制御された方法でグラス状体の外で製品を注ぐことは一般に不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】ITRE2014A000045
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、環境負荷は低いが、開封後に、エンドユーザが、包装された製品を快適で規則的に流体分配することができる容器を利用可能とすることである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、単純で合理的であり比較的安価な解決方法の文脈の中で前述の目的に到達することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的は、独立請求項に示される本発明の特徴によって達成される。
【0012】
従属請求項は、本発明の好適で、および/または特に有利な態様を概説する。
【0013】
具体的には、本発明の実施形態は、
-紙基材からなり、内部に製品が収容される収容容積を画定するグラス状体であって、底壁によって底部で閉じられており、頂縁によって境界が定められた円形の上部開口が設けられたグラス状体と、
-紙基材からなり、グラス状体の頂縁で固定され、製品のための出口穴を有する封じ込め体と、を備え、
該封じ込め体が、グラス状体の収容容積の方に向けられて、グラス状体の頂縁から出口穴の方へテーパがつけられた(すなわち、狭くなっている)凹面を有する、例えば、ボウル、カップまたはベルのうちの1つのような凹形状を有する製品包装用容器を利用可能とする。
【0014】
この解決手段によって、本発明は、グラス状体および上部口を閉じる封じ込め体の両方が、紙基材から作られるため、環境負荷を減らした容器を利用可能とする。
【0015】
さらに、封じ込め体の凹形状によって、グラス状体の上部開口の通過断面よりも小さな通過断面を有し、製品自体のより快適で簡単に制御可能な分配を可能にする出口穴の方へ、包装された製品を効果的に搬送可能な一種の漏斗または瓶首部を封じ込め体が画定する。
【0016】
実際に、本発明は、全体として、通常のガラスまたはプラスチック瓶と同一の使いやすさを有するが、実質的に、紙基材から作られ、したがって、環境負荷が減らされている容器を利用可能とする。
【0017】
本発明のある態様によると、封じ込め体は、(すなわち、回転体の)略軸対称形状、例えば、円錐台または丸い形状を有することができる。
【0018】
これらの形状は、比較的簡単かつ経済的に作ることができるという利点を有する。
【0019】
この点について、本発明の好ましい態様は、封じ込め体を、塑性変形によって、例えば、紙基材の平面円板の熱成形、成形または絞りのプロセスによって得ることができるということを提供する。
【0020】
この解決手段によって、封じ込め体は、例えば、高い生産性を有する自動機械によって、単純かつ経済的な方法で作ることができる。
【0021】
本発明の別の態様は、容器が、グラス状体の上部開口を画定し、上部開口の頂縁を利用可能とする鍔をさらに備えることができることを提供する。
【0022】
この鍔は、グラス状体の上部開口のすぐ近くで容器により大きな剛性を与える効果を有し、封じ込め体に有効な支持を提供して、保管および販売中ならびに/または使用中に、容器が曲がる、またはつぶれる可能性がある危険性を減少させる。
【0023】
本発明のさらなる態様は、鍔が、グラス状体の上部ストリップをそれ自体の上に折ることによって得ることができることを提供する。
【0024】
この解決手段によって、グラス状体および鍔は、一体として得られることができ、生産コストが最小化される。
【0025】
同時に、これにより、補強されて強化された鍔が設けられたグラス状体を利用可能とすることができ、鍔も、環境負荷を減らした材料から作られる。
【0026】
あるいは、鍔は、プラスチック材料、好ましくは、バイオプラスチックの別体として作られてもよく、グラス状体に堅固に固定、例えば、溶着することができる。
【0027】
本発明の異なる態様は、グラス状体および封じ込め体が、紙ベースの積層材料から作ることができるということを提供する。
【0028】
この種の材料は、環境負荷の低さ、ならびに、構造的剛性および耐湿性などの最適な機械物性を同時に保証する効果を有し、それにより、容器は、さまざまな種類の製品を包装するための使用に適合する。
【0029】
本発明のさらなる態様は特に、グラス状体および封じ込め体が、ポリエチレンおよび紙繊維を備える複合材料から作ることができるということを提供する。
【0030】
この解決手段によって、グラス状体および封じ込め体は、相当な機械的および熱的な耐性をグラス状体および封じ込め体に保証し、同時に、所望の形状を得るために簡単に変形させることができる材料から作られる。
【0031】
本発明のある実施形態によると、容器は、出口穴を閉じるように封じ込め体に溶着されたタブをさらに備えることができ、タブには、封じ込め体の出口穴を開けるための少なくとも取り外し可能部分が設けられる。
【0032】
この解決手段によって、封じ込め体の出口穴を(漏洩しない方法で)閉じて、必要に応じて、単にタブの前記取り外し可能部分を取り除くことによってユーザが簡単に開けることができるタブのおかげで、容器は、保管中および販売段階に、完全に漏れないようにすることができる。
【0033】
しかしながら、本発明の好ましい実施形態は、封じ込め体は、出口穴と関連付けられた注ぎ口を備えることができるということを提供する。
【0034】
この解決手段によって、ユーザには、分配が特に規則的かつ流動的である容器が提供され、製品の無駄な廃棄を回避することができる。
【0035】
本発明の別の態様は、容器が、出口穴を閉じるために、例えば、螺合することによって前記注ぎ口に結合されるように適合された取り外し可能なキャップを備えてもよいということを提供する。
【0036】
この解決手段によって、容器には、キャップが設けられ、そのキャップは、必要に応じて、出口穴を何度か閉じて、再び開くことができるように、封じ込め体の注ぎ口への結合/注ぎ口からの分離が可能であり、製品の適切な保存を常に保証する。
【0037】
本発明の別の態様によると、容器のグラス状体は、角柱形状の少なくとも一部を有する、例えば、直方体などの直角柱の形状を有する側壁を備えることができる。
【0038】
これによって、容器は、ユーザが安定した安全な方法でつかむことができる略角形をとることができる。
【0039】
さらに、この角形は、いくつかの容器を並べて置いて小さくまとめることができ、取扱いがより簡単で、保管時にかさばらないことを意味する。
【0040】
本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的な例として提供される以下の説明を、添付図面に示される図を参照して読んだ後で、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第1の実施形態による容器の斜視図の分解図である。
図2】本発明の代替的な実施形態による容器の斜視図の分解図である。
図3】本発明の別の実施形態による容器の斜視図の分解図である。
図4】本発明の第4の実施形態による容器の斜視図の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
特に上記の図を参照すると、符号10は、製品を包装するための容器を全体的に示し、この容器は、さまざまな固体製品および液体製品、例えば、食品もしくは医薬品または他の種類の製品のために使用することができるので、特に汎用的である。
【0043】
まず、容器10は、製品を含むことができる収容容積を画定する、内部が中空のグラス状体15を備える。
【0044】
グラス状体15は、底壁20によって底部で閉じられ、グラス状体15のすべての側面を画定する側壁25によって周囲と区切られ、底壁20に対して対向する位置にあり、略円形状の頂縁35によって周囲と区切られた上部開口30が設けられている。
【0045】
底壁20は、略平面であり、グラス状体15のための安定した支持体として働くことができるように形づくられている。
【0046】
換言すれば、グラス状体15は、略垂直に(安定して)配置することができ、支持面上に底壁20を介して立っている。
【0047】
好ましくは、グラス状体15は一体として作られる、すなわち、側壁25および底壁20は、一体として作ることができる。
【0048】
グラス状体15は、紙基材からなり、例えば、紙繊維に基づく複合材料から作ることができる。好ましくは、グラス状体15は、紙繊維およびポリエチレンを備える積層材料からなり、積層材料の抗接着性のため、製品を包装するための使用に特に適している。
【0049】
図から分かるように、グラス状体15の側壁25は、上部開口30と、これに関連する円形の頂縁35とを画定する円筒部分40を有していてもよい。
【0050】
側壁25は、角柱形部分50を有することもでき、好ましくは、直角柱の形状、例えば、直方体を有し、角柱形部分50の軸は、円筒部分40、したがって、円筒部分40によって画定される上部開口30の軸と平行である(通常は一致する)。
【0051】
このように、角柱状部分50は、好ましくは、長方形で円筒部分40の軸に平行な複数の平面を備え、それらは、同数の隅部で相互に接続されている。
【0052】
グラス状体15のより人間工学的な握りを可能にするために、隅部は、場合によっては面取りすることができる。
【0053】
角柱状部分50は、例えば、面取りされたまたは丸い形状の、側壁25の接続伸長部52によって接続することができる円筒部分40より大きい短手方向の延在を有することができる。
【0054】
側壁25は、例えば、角柱状部分50を底壁20と接続する、面取りされたまたは丸い形状の第2の接続伸長部54を備えることもできる。
【0055】
底壁20は、角柱状部分50より小さい短手方向の延在を有することができ、多角形形状、例えば、角柱状部分50の断面と同じ多角形形状(しかし、異なる大きさ)を有することができる。
【0056】
図では見ることができないが、底壁20は平坦とすることができ、または、より好ましくは、それは、グラス状体15の内部の方へ凹部を画定するように(例えば、丸く)形づくられてもよい。
【0057】
この凹部は、グラス状体15が底壁20の外周縁上にのみ載るという効果を有し、そのため、結果として一層安定し安全になる。
【0058】
なお、しかしながら、他の実施形態では、グラス状体15は、他の形状、例えば、四面体形もしくは円筒形または任意の他の形状で存在してもよく、そのすべてが本発明の範囲内である。
【0059】
容器10は、鍔45をさらに備えることができ、鍔45は、グラス状体15の上部開口30を画定する環状体によって実質的に画定される。
【0060】
特に、鍔45は、グラス状体15の側壁25の円筒部分40と関連付けられ、グラス状体15自体の上部開口30の境界を定める頂縁35を利用可能とする。
【0061】
鍔45は、実質的に剛性であり、すなわち、グラス状体15の高められた剛性の一部分を画定する。
【0062】
詳細には、鍔45は、側壁25の円筒部分40から半径方向に(示されているように外側に、あるいは、内側に)引き出され、グラス状体15の頂縁35を利用可能とする肩部を画定する。
【0063】
1つの実施形態では、鍔45は、グラス状体15と一体として作ることができる。
【0064】
換言すれば、底壁20、側壁25および鍔45は、紙基材を処理するための同一のプロセスによって、一体構造として得ることができる。
【0065】
したがって、この場合、鍔45は、グラス状体15が作られるのと同じ材料から、例えば、ポリエチレンおよび紙繊維に基づく積層材料で作られる。
【0066】
本実施形態では、鍔45は、グラス状体15の側壁25の、この場合、頂縁35が画定された円筒部分40の端部の上部ストリップをそれ自体の上で折ることによって得られることができる。
【0067】
鍔45は、側壁25の前記上部ストリップの、単一の折り曲げによって、または、複数の連続する折り曲げによって得られることができる。
【0068】
実際には、側壁25の上部ストリップは、フラップを得るために、それ自体の上で折られ、そのため、ストリップの一部は、底壁20に近づく方向に、側壁25自体に沿って下降し、二重形状層を生成する。
【0069】
代替的な実施形態(例示されていない)では、鍔45は、グラス状体15から独立した別個の本体として作ることができる。
【0070】
この代替的な実施形態では、鍔45は、グラス状体15に固定され、例えば、溶着または接着される。
【0071】
本変形形態では、鍔45は好ましくは、プラスチック材料から、好ましくは、バイオプラスチック材料から作られる。
【0072】
換言すれば、鍔45は、プラスチックリングによって実質的に画定することができ、それは、グラス状体15の側壁25に、この場合、周辺を完全に囲むように、上部開口30の円筒部分40に、同軸状にかつ堅固に固定される。
【0073】
前記プラスチックリングは、底壁20から遠位の側壁25の上端と実質的に面一に、グラス状体15の内側または外側に挿入することができる。
【0074】
これらの検討の他に、容器10は、グラス状体15の頂縁35に固定、例えば、溶着または接着されて、グラス状体15の上部開口30を閉じるように適合された封じ込め体55も備える。
【0075】
グラス状体15によって画定された収容容積内に含まれる製品が分配される出口穴60が、封じ込め体55に作られる。
【0076】
封じ込め体55は、紙基材から作られ、例えば、紙繊維に基づく複合材料から作ることができる。
【0077】
好ましくは、封じ込め体55は、グラス状体15が作られるのと同一の材料から作られ、すなわち、ポリエチレンおよび紙繊維を備える積層材料から作られる。
【0078】
封じ込め体55は、例えば、ボウル、カップまたはベルのうちの1つのような、グラス状体15の収容容積の方に向けられ、頂縁35から出口穴60の方へテーパがつけられた(すなわち、狭くなっている)凹面を有する凹形状を有する。
【0079】
詳細には、封じ込め体55には、円形下端縁65が設けられ、グラス状体15の頂縁35で鍔45に堅固に固定され、そして、グラス状体15の外側の方へ突出し、出口穴60が作られる最上部が設けられる。
【0080】
好ましくは、封じ込め体55の形状は、グラス状体15の軸と一致する軸で略軸対称(すなわち、回転体の形状)、例えば、円錐台または丸い(カップ)の形状とすることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、封じ込め体は、出口穴60が得られる平面頂部(例えば、図1、2、または4を参照)を備えることができ、平面頂部は、円形とすることができ、例えば、円錐状または曲線的な中間突出環状部を通して下端65の円形縁に接続することができ、下端縁65自体に対して軸方向に離れている。
【0082】
他の実施形態(例えば、図3を参照)では、さらに、封じ込め体55の頂部は、出口穴60で丸くすることができる、または、いずれの場合でも、テーパをつけることができる。
【0083】
いかなる場合でも、凹形状のため、封じ込め体55は、可変的な、好ましくは、徐々に変化する通過断面を利用可能とする一種の漏斗または瓶首部を画定するような方法で構成され、容器10の内部に含まれる製品を効果的に出口穴60の方へ搬送できるように、下端縁65から頂部の方へ狭くなっている。
【0084】
より正確には、封じ込め体55は、(グラス状体の軸と直交する平面に対して作られる)通過断面を有することができ、それは、下端縁55で最大であり、出口穴60ではより小さく、例えば、最小である。
【0085】
いくつかの実施形態(例えば、図1、3、および4を参照)では、出口穴60は、封じ込め体55の頂部に、すなわち、グラス状体15から最も遠い封じ込め体55の部分に正確に作ることができる。
【0086】
さらにまた、出口穴60は、封じ込め体65の中央に完全に配置することができ、すなわち、グラス状体15の軸と一直線に並んで同軸とすることができる。
【0087】
しかしながら、他の実施形態では、出口穴60は、中心からずれていてもよく、すなわち、グラス状体の軸に対してオフセットされていてもよいことは除外されない(例えば、図2を参照)。
【0088】
また、出口穴60は、常に、グラス状体15の頂縁頂部35からの特定の軸方向距離である限り、封じ込め体55の中間部に、例えば、下端縁65から頂部の方へ突出する表面の1つで作ることができることも除外されない。
【0089】
添付の図で分かるように、封じ込め体55は、平坦な円板状体から効果的に作ることができ、その後、例えば、熱成形、成形または絞りプロセスによって、上で概説された凹形状を与え、グラス状体15の頂縁35に重ね合わせられて、固定されるように下周縁65を作るように、塑性的に変形させることができる。
【0090】
なお、この点について、鍔45によって作られる肩部も、封じ込め体55の下縁65のために固定する面を増加させるように、広い頂縁35を利用可能とすることができる。
【0091】
容器10は、封じ込め体55の出口穴60を取り外し可能に閉じる締付要素75をさらに備えることができる。
【0092】
締付要素75は、一時的に取り外し可能なタイプである、すなわち、それは製品を分配するために取り外すことができて、その後、出口穴60を閉じるために再配置することができる、あるいは、恒久的に取り外し可能なタイプとすることができる。
【0093】
特に、締付要素75は、以下でより良く説明されるように、直接または間接的に、封じ込め体55の出口穴60と関連付けることができる。
【0094】
特に、図2に示される容器10のある実施形態では、締付要素75は、封じ込め体55の出口穴60と直接関連付けられる。
【0095】
本実施形態では、締付要素75は、少なくとも部分的に取り外し可能なタブTを備える、すなわち、少なくとも取り外し可能な部分、または、完全に取り外し可能な部分が設けられる。
【0096】
タブTは、好ましくは、漏洩しない方法で、封じ込め体55の出口穴60を閉じるように、封じ込め体55に溶着、または場合によっては接着される。
【0097】
本実施形態では、締付要素75は、プラスチック材料、好ましくは、紙に基づくまたはアルミニウムから作られるバイオプラスチックから作られる。
【0098】
3つの異なるバージョンが図1、3および4に示されている容器10の代替的な実施形態では、締付要素75は、間接的に封じ込め体55の出口穴60と関連付けられている。
【0099】
特に、この代替的な実施形態では、容器10は、略チューブ状の形状(例えば、円筒形)の注ぎ口70をさらに備えることができ、それは、実質的に出口穴60の延長を作成するように、封じ込め体55の出口穴60と関連付けられる。
【0100】
換言すれば、注ぎ口70は、出口穴60と同軸に配置することができ、封じ込め体55と協業し、グラス状体15の内部に含まれた製品の制御された分配を可能にする漏斗構造を画定することができる。
【0101】
したがって、締付要素75は、注ぎ口70と取り外し可能に関連付けられ、したがって、出口穴60を完全に塞ぐように、出口穴60と間接的に関連付けられる。
【0102】
図1に示される第1のバージョンでは、注ぎ口70は、独立した別個の本体で作られ、封じ込め体55に堅固に固定され、例えば、封じ込め体55の出口穴60で溶着または接着される。
【0103】
より正確には、この場合、注ぎ口70は、出口穴60が注ぎ口70自体によって完全に囲まれる、すなわち、前記注ぎ口70を通してのみ到達可能であるように、封じ込め体55に固定される。
【0104】
前記第1のバージョンでは、注ぎ口70は、プラスチック材料、好ましくは、バイオプラスチックから作られる。
【0105】
締付要素75は、注ぎ口70の上に螺合可能/螺合解除可能キャップCを備えてもよい。
【0106】
この目的のために、注ぎ口70は、キャップCの、すなわち、締付要素75の対応する雌ねじとの結合を可能にする雄ねじを有することができる。
【0107】
さらにまた、前記螺合可能/螺合解除可能キャップCは好ましくは、封じ込め体55の注ぎ口70に実質的に寸法通りに挿入される嵌合部を備えることができる。
【0108】
このように、そうしなければグラス状体15に含まれる製品の早すぎる劣化を引き起こすことがある空気侵入の最小化を可能とする密封閉鎖を得ることができる
【0109】
前記第1の変形形態では、螺合可能キャップCまたは締付要素75は、プラスチック材料、好ましくは、バイオプラスチックから作られる。
【0110】
図3に示される第2のバージョンでは、注ぎ口70は、封じ込め体55と一体として(すなわち、単一の一体のものとして)作られる。
【0111】
したがって、注ぎ口70は、グラス状体15および封じ込め体55が作られるのと同じ材料から作られ、すなわち、紙基材、例えば、紙繊維に基づく複合材料から、好ましくは、ポリエチレンおよび紙繊維を備える積層材料で作られる。
【0112】
締付要素75は、出口穴60を完全に塞ぐように、注ぎ口70と結合する形状を画定するキャップC2を備えることができる。
【0113】
具体的には、キャップC2は、頂部で注ぎ口70を塞いで、周囲方向に完全に注ぎ口70を囲むように、注ぎ口70の上に寸法通りに挿入されるように適合されている。
【0114】
前記第2の変形形態では、キャップC2、すなわち、締付要素75は、紙基材、例えば、紙繊維に基づく複合材料、好ましくは、ポリエチレンおよび紙繊維を備える積層材料から作ることができる。
【0115】
図4で見ることができる第3の変形形態では、注ぎ口70は、第1の変形形態のように、封じ込め体55に堅固に固定される、例えば、出口穴60で溶着または接着される独立した別個の本体で作られる。
【0116】
より正確には、注ぎ口70は、出口穴60を完全に囲むように、封じ込め体55に固定され、したがって、出口穴60は、注ぎ口70自体を通してのみ到達可能である。
【0117】
前記第3の変形形態では、第1の変形形態とは異なり、注ぎ口70は、紙基材から作られる、例えば、注ぎ口70は、紙繊維に基づく複合材料、好ましくは、ポリエチレンおよび繊維紙を備える積層材料から作ることができる。
【0118】
締付要素75は、封じ込め体の出口穴60を完全に塞ぐように、注ぎ口70と結合する形状を画定するように適合されたキャップC3を備えることができる。
【0119】
特に、キャップC3は、注ぎ口70に寸法通りに挿入されるように適合された第1の部分と、第1の部分から片持式に引き出され、注ぎ口70自体の上縁の上に隣接して置かれるように適合された第2の部分とを有することができる。
【0120】
前記第3の変形形態では、キャップC3、すなわち、締付要素75は、紙基材、例えば、紙繊維に基づく複合材料、好ましくは、ポリエチレンおよび紙繊維を備える積層材料から作られる。
【0121】
しかしながら、明らかに、ここで示されたさまざまな実施形態に加えて、取り外し可能な方法で出口穴60を閉じる目的に適した締付要素75の任意の他の変形形態は、本発明の範囲内にある。
【0122】
さらにまた、締付要素75のすべての実施形態は、上記の変形形態のいずれにも、自明な方法で適応可能である。
【0123】
本明細書から分かるように、本発明による容器10は、すべてのその部分(グラス状体15、封じ込め体55、注ぎ口70、締付要素75)を、環境負荷の低い材料、または、リサイクル可能なおよび/もしくは生物分解可能なおよび/もしくは堆肥化可能な材料から作ることができる。
【0124】
したがって、考えられた本発明は、いくつかの修正および変更を受けやすく、そのすべてが本発明の概念の範囲内にある。
【0125】
さらに、すべての詳細は、他の技術的に等価な要素と置き換えることができる。
【0126】
実際には、使用される材料、ならびに、付随的な形状および寸法は、この理由のために以下の特許請求の範囲の保護の範囲から離れることなく、要件に従うものとすることができる。
図1
図2
図3
図4