(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/24 20060101AFI20240726BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
B65D51/24
B65D43/08 100
(21)【出願番号】P 2020198962
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】中村 弘幸
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-134949(JP,U)
【文献】実開昭62-003441(JP,U)
【文献】実開昭48-020851(JP,U)
【文献】特開2007-062762(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102072950(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/24
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容されるとともに、上方に開口する開口部を有する有底筒状の容器本体と、
前記容器本体に対する容器軸回りの回転操作に伴い、前記開口部を開閉可能に前記容器本体に装着される蓋体と、
上下方向の一方側を向くとともに、周方向の一方側に向かうに上下方向の一方側に向けて延びる傾斜面に形成された第1摺接面を有し、前記容器本体及び前記蓋体のうち第1部材において、前記容器軸回りの周方向の一部に設けられ
た被摺接部と、
前記容器本体及び前記蓋体のうち第2部材に上下方向に弾性変位可能に備えられ、前記蓋体の閉操作に伴い周方向の一方側に向けて前記第1摺接面上を摺接することで上下方向の一方側に弾性変位する乗越え片と、
前記第2部材
のうち前記乗越え片に対して周方向及び上下方向で異なる位置に備えられ、前記乗越え片と一体で上下方向に弾性変位する衝突部と、
前記第1部材及び前記第2部材の何れかにおいて、前記衝突部に対して上下方向の他方側に備えられ、前記乗越え片が前記被摺接部を周方向の一方側に乗り越えた後、前記乗越え片及び前記衝突部が上下方向の他方側へ弾性復帰するのに伴い前記衝突部が上下方向の一方側から衝突する被衝突部と、を有している蓋付き容器。
【請求項2】
内容物が収容されるとともに、上方に開口する開口部を有する有底筒状の容器本体と、
前記容器本体に対する容器軸回りの回転操作に伴い、前記開口部を開閉可能に前記容器本体に装着される蓋体と、
上下方向の一方側を向くとともに、周方向の一方側に向かうに上下方向の一方側に向けて延びる傾斜面に形成された第1摺接面を有し、前記容器本体及び前記蓋体のうち第1部材において、前記容器軸回りの周方向の一部に設けられた被摺接部と、
前記容器本体及び前記蓋体のうち第2部材に上下方向に弾性変位可能に備えられ、前記蓋体の閉操作に伴い周方向の一方側に向けて前記第1摺接面上を摺接することで上下方向の一方側に弾性変位する乗越え片と、
前記第2部材に備えられ、前記乗越え片と一体で上下方向に弾性変位する衝突部と、
前記第1部材及び前記第2部材の何れかにおいて、前記衝突部に対して上下方向の他方側に備えられ、前記乗越え片が前記被摺接部を周方向の一方側に乗り越えた後、前記乗越え片及び前記衝突部が上下方向の他方側へ弾性復帰するのに伴い前記衝突部が上下方向の一方側から衝突する被衝突部と、を有し、
前記蓋体は、
前記容器本体に装着される内蓋と、
前記内蓋の外側を覆う外蓋と、を備え、
前記被摺接部は、前記容器本体の外周面に設けられ、
前記乗越え片は、前記蓋体において前記内蓋と前記外蓋との間に弾性変位可能に支持され、
前記内蓋は、
前記容器本体に螺着される雌ねじ部が形成された周壁と、
上下方向から見て前記容器軸に交差する径方向において、前記周壁から外側に張り出す蓋フランジと、を備え、
前記周壁の周囲を取り囲むとともに、前記周方向の一部に前記衝突部が設けられたリング部と、
前記リング部のうち、前記周方向で前記衝突部とは異なる位置から下方に延びるとともに、前記乗越え片が設けられた舌片部と、を備え、
前記蓋フランジには、前記舌片部が上下方向に移動可能に挿入された貫通孔が形成され、
前記衝突部は、前記乗越え片の弾性復帰に伴い前記蓋フランジに上方から衝突す
る蓋付き容器。
【請求項3】
前記被摺接部は、上下方向の他方側を向く
とともに、周方向の他方側に向かうに上下方向の他方側に向けて延びる
傾斜面に形成された第2摺接面を有し、
前記乗越え片は、前記蓋体の開操作に伴い周方向の他方側に向けて前記第2摺接面上を摺接する請求項
2に記載の蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋付き容器において、蓋体の開閉状況を利用者に把握させるための構成として下記特許文献1に記載された構成が知られている。下記特許文献1に記載された蓋付き容器は、容器本体の外周面に設けられたリブと、蓋体に設けられてリブを乗り越え可能な凸部と、を備えている。
この構成によれば、蓋体の装着完了時及び蓋体の取り外し開始時に凸部がリブを乗り越えることで、音が発生する。これにより、利用者に蓋体の開閉状況を把握させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術にあっては、装着完了時及び取り外し開始時の双方において、凸部がリブを乗り越える必要があるため、装着完了時及び取り外し開始時の双方で利用者に対して同等の操作感覚が与えられる。この場合、特に蓋体の取り外し時において凸部がリブを乗り越える際に、利用者に対して開操作における抵抗や違和感を与える要因となり、操作性や製品の品位を向上させる点で未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、操作性や製品の品位を向上させることができる蓋付き容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る蓋付き容器は、
内容物が収容されるとともに、上方に開口する開口部を有する有底筒状の容器本体と、前記容器本体に対する容器軸回りの回転操作に伴い、前記開口部を開閉可能に前記容器本体に装着される蓋体と、前記容器本体及び前記蓋体のうち第1部材において、前記容器軸回りの周方向の一部に設けられ、上下方向の一方側を向く面に周方向の一方側に向かうに上下方向の一方側に向けて延びる第1摺接面を有する被摺接部と、前記容器本体及び前記蓋体のうち第2部材に上下方向に弾性変位可能に備えられ、前記蓋体の閉操作に伴い周方向の一方側に向けて前記第1摺接面上を摺接することで上下方向の一方側に弾性変位する乗越え片と、前記第2部材に備えられ、前記乗越え片と一体で上下方向に弾性変位する衝突部と、前記第1部材及び前記第2部材の何れかにおいて、前記衝突部に対して上下方向の他方側に備えられ、前記乗越え片が前記被摺接部を周方向の一方側に乗り越えた後、前記乗越え片及び前記衝突部が上下方向の他方側へ弾性復帰するのに伴い前記衝突部が上下方向の一方側から衝突する被衝突部と、を有している。
【0007】
本態様によれば、乗越え片が被摺接部を周方向の一方側に乗り越えた後、乗越え片が弾性復帰する際に衝突部が被衝突部に衝突することで、衝突音や振動が発生する。これにより、利用者は、蓋体が閉位置まで移動したことを音や感触で判断することができる。特に、蓋体の閉操作に伴い、乗越え片を上下方向の一方側に弾性変位させることで、衝突部と被衝突部との衝突により発生する衝突音や振動を大きくすることができる。この場合、従来のように凸部がリブを乗り越える際に発生する音に比べ、大きい音や振動を発生させることができる。その結果、利用者は、蓋体が閉位置に到達したことを音や感触により判断し易くなる。
一方、蓋体が開方向に移動する場合、乗越え片が被摺接部に対して上下方向の他方側を通過することで、衝突部と第1部材及び第2部材の何れかとの衝突音や振動が発生し難くなる。そのため、開閉操作の度に凸部がリブを乗り越える従来の構成に比べ、衝突部が開操作時の抵抗となり難く、利用者に与える違和感も軽減できる。その結果、開操作時に不要な音等が発生するのを抑制しつつ、操作性や製品の品位の向上を図ることができる。
【0008】
上記態様の蓋付き容器において、前記蓋体は、前記容器本体に装着される内蓋と、前記内蓋の外側を覆う外蓋と、を備え、前記被摺接部は、前記容器本体の外周面に設けられ、前記乗越え片は、前記蓋体において前記内蓋と前記外蓋との間に弾性変位可能に支持されていることが好ましい。
本態様によれば、弾性変位可能な乗越え片が蓋体に備えられることで、蓋体を開位置として容器本体から内容物を取り出す際に、乗越え片が利用者の手等に干渉するのを抑制できる。そのため、内容物を取り出す際の利便性を損なわない。
【0009】
上記態様の蓋付き容器において、前記内蓋は、前記容器本体に螺着される雌ねじ部が形成された周壁と、上下方向から見て前記容器軸に交差する径方向において、前記周壁から外側に張り出す蓋フランジと、を備え、前記周壁の周囲を取り囲むとともに、前記周方向の一部に前記衝突部が設けられたリング部と、前記リング部のうち、前記周方向で前記衝突部とは異なる位置から下方に延びるとともに、前記乗越え片が設けられた舌片部と、を備え、前記蓋フランジには、前記舌片部が上下方向に移動可能に挿入された貫通孔が形成され、前記衝突部は、前記乗越え片の弾性復帰に伴い前記蓋フランジに上方から衝突することが好ましい。
本態様によれば、リング部が周壁の周囲を取り囲み、かつ舌片部が蓋フランジの貫通孔内を通過している。そのため、内蓋に対する乗越え片の周方向の相対移動を規制した上で、乗越え片が内蓋に対して安定して弾性変位する。そして、衝突部が内蓋に衝突することで、閉位置において確実に衝突音を発生させることができる。
【0010】
上記態様の蓋付き容器において、前記被摺接部は、上下方向の他方側を向く面に周方向の他方側に向かうに上下方向の他方側に向けて延びる第2摺接面を有し、前記乗越え片は、前記蓋体の開操作に伴い周方向の他方側に向けて前記第2摺接面上を摺接することが好ましい。
本態様によれば、開操作時に乗越え片と被摺接部とが接触した際に、乗越え片の周方向の他方側への移動を促すことができる。これにより、開操作時の操作性を維持できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作性や製品の品位を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る蓋付き容器において、蓋体が閉位置にある状態を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態に係る蓋付き容器において、変位部材及び内容器の側面図である。
【
図3】第1実施形態に係る蓋付き容器において、変位部材の底面図である。
【
図4】第1実施形態に係る蓋付き容器において、蓋体が閉操作を説明するための断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る蓋付き容器において、蓋体の閉操作を説明するための
図2に対応する側面図である。
【
図6】第1実施形態に係る蓋付き容器において、蓋体の開操作を説明するための
図2に対応する側面図である。
【
図7】第2実施形態に係る蓋付き容器において、変位部材及び内容器の側面図である。
【
図8】変形例に係る蓋付き容器において、蓋体が閉位置にある状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示す蓋付き容器1は、有底筒状の容器本体(第1部材)10と、容器本体10に着脱可能に設けられた有頂筒状の蓋体(第2部材)11と、を備えている。容器本体10及び蓋体11の各中心軸は、共通の軸線上に配置されている。以下、この共通の軸線を蓋付き容器1の容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器軸O方向を上下方向という。また、上下方向に沿う容器本体10(外容器21)の底壁21c側を下方といい、蓋体11(外蓋32)の頂壁32b側を上方という。上下方向から見た平面視で容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。なお、蓋付き容器1の各構成部品は、特に記載がなければ、合成樹脂を用いた成形品とされている。
【0014】
容器本体10は、外容器21と、内容器22と、を備えている。
外容器21は、容器軸Oと同軸の有底筒状に形成されている。外容器21の周壁21aに対して径方向の内側に位置する部分には、取付筒21bが形成されている。取付筒21bは、底壁21cから上方に突出するとともに、容器軸Oと同軸の筒状に形成されている。
【0015】
内容器22は、外容器21の内側に取り付けられている。内容器22は、収容部22aと、嵌合筒22bと、囲繞筒22cと、を備えている。
収容部22aは、周壁22d及び底壁22eを有し、容器軸Oと同軸の有底筒状に形成されている。収容部22aにおいて、周壁22dの上部は、外容器21の上端開口縁よりも上方に突出している。周壁22dの上端部には、雄ねじ部22fが形成されている。
【0016】
嵌合筒22bは、収容部22aのうち周壁22dと底壁22eとの境界部分から下方に延びている。嵌合筒22bは、取付筒21bの内側に嵌合されている。
囲繞筒22cは、外容器21の内側で周壁22dの周囲を取り囲んでいる。囲繞筒22cの上端部は、径方向の内側に延びる内フランジ22gを介して周壁22dの上部に連なっている。囲繞筒22cの下端は、外容器21の底壁21cに上方から近接又は当接している。
【0017】
囲繞筒22cの上端部において、周方向の一部には、径方向の外側に突出する被摺接部25が設けられている。本実施形態において、被摺接部25は、例えば容器軸Oを間に挟んで径方向で対向する位置に一対で設けられている。以下の説明では、一方の被摺接部25を例にして説明する。
【0018】
図2に示すように、被摺接部25は、径方向から見て台形状に形成されている。具体的に、被摺接部25の周面は、第1摺接面25a、第1遷移面25b、第2摺接面25c及び第2遷移面25dを有している。
第1摺接面25aは、被摺接部25の上面(上下方向の一方側を向く面)である。第1摺接面25aは、周方向の一方側(蓋体11の閉方向P1)に向かうに従い上方に延びる傾斜面である。
第1遷移面25bは、第1摺接面25aにおける周方向の一方側端部から下方に直線状に延びている。
【0019】
第2摺接面25cは、被摺接部25の下面(上下方向の他方側を向く面)である。第2摺接面25cは、第1遷移面25bの下端から周方向の他方側(蓋体11の開方向P2)に向かうに従い下方に延びる傾斜面である。図示の例において、第2摺接面25cは、第1摺接面25aと平行に延び、かつ周方向に沿う寸法が第1摺接面25aよりも短くなっている。但し、第2摺接面25cは、必須の構成ではない。また、第1摺接面25aと第2摺接面25cの周方向に対する傾斜角度は互いに異なっていてもよい。第1摺接面25aと第2摺接面25cの寸法は、同等であってもよい。
第2遷移面25dは、被摺接部25の下面(上下方向の他方側を向く面)である。第2遷移面25dは、第2摺接面25cにおける周方向の他方側端部からさらに周方向に直線状に延びている。第2遷移面25dにおける周方向の他方側端部は、第1摺接面25aに連なっている。
【0020】
図1に示すように、蓋体11は、内蓋31と、外蓋32と、パッキン33と、変位部材34と、を備えている。
内蓋31は、内蓋本体31aと、蓋フランジ(被衝突部)31bと、嵌合筒31cと、を備えている。
【0021】
内蓋本体31aは、容器軸Oと同軸に配置された有頂筒状に形成されている。内蓋本体31aの周壁31fには雌ねじ部31gが形成されている。雌ねじ部31gは、容器本体10に対する蓋体11の周方向の一方側への回転操作に伴い、雄ねじ部22fに螺着される。これにより、蓋体11が容器本体10に取り付けられ、蓋体11が閉位置となる。閉位置において、内蓋本体31aの頂壁31jは、周壁22dの上端に当接している。
一方、雌ねじ部31gは、蓋体11が閉位置にあるとき、容器本体10に対する蓋体11の周方向の他方側への回転操作に伴い、雄ねじ部22fとの螺着が解除される。これにより、蓋体11が容器本体10から取り外され、蓋体11が開位置となる。蓋体11の開位置において、利用者は内容器22の上端開口部を通じて内容物を取り出すことができる。
【0022】
蓋フランジ31bは、周壁31fから径方向の外側に張り出している。蓋フランジ31bにおける周方向の一部には、蓋フランジ31bを上下方向に貫通する貫通孔31hが形成されている。貫通孔31hは、蓋フランジ31bにおいて容器軸Oを間に挟んで径方向で対向する位置に一対で形成されている。
嵌合筒31cは、蓋フランジ31bの外周縁から下方に延びている。
【0023】
パッキン33は、内蓋本体31aの頂壁31jに取り付けられている。パッキン33の外周面は、蓋付き容器1が閉位置にあるとき、収容部22aの内周面に密接する。
【0024】
外蓋32は、容器軸Oと同軸に配置された有頂筒状に形成されている。外蓋32は、内蓋31を上方及び径方向の外側から取り囲んでいる。外蓋32の周壁32aは、内蓋31の周壁31fに対して径方向に間隔をあけて配置されている。周壁32aの下部には、嵌合筒31cが嵌合されている。なお、外蓋32は、回り止め部等(不図示)によって内蓋31に相対回転可能に取り付けられている。
【0025】
変位部材34は、内蓋31及び外蓋32の間に上下方向に弾性変位可能に設けられている。変位部材34は、リング部34aと、ばね部34bと、舌片部34eと、乗越え片34fと、衝突部34gと、を備えている。
【0026】
図1、
図3に示すように、リング部34aは、内蓋31及び外蓋32の間において、周壁31f,32aで囲まれた空間(変位空間S1)内に設けられている。リング部34aは、周壁22dの周囲を取り囲んでいる。
図1に示すように、ばね部34bは、変位空間S1内において、リング部34aから上方に向けて螺旋状等に延在することで弾性変形可能に構成されている。ばね部34bの上端は、外蓋32の頂壁32bに下方から接離可能に構成されている。ばね部34bは、蓋体11が容器本体10から取り外された状態において、自然長の状態であってもよく、外蓋32の頂壁32bと内蓋31の蓋フランジ31bとの間で圧縮された状態であってもよい。なお、本実施形態において、ばね部34bは、リング部34aに一体で形成されている。但し、ばね部34bは、リング部34aと別体で形成されていてもよい。
【0027】
舌片部34eは、リング部34aのうち、平面視で貫通孔31hと重なり合う部分から下方に延びている。舌片部34eは、貫通孔31hを通じて変位空間S1から下方に突出している。すなわち、舌片部34eは、変位部材34の上下動に伴い上下方向に移動可能に貫通孔31h内に挿入されている。
【0028】
乗越え片34fは、舌片部34eの下端部から径方向の内側に突出している。乗越え片34fは、容器本体10に対する蓋体11の回転に伴い、被摺接部25に摺接することで、上下方向に変位する。
図2に示すように、乗越え片34fは、径方向から見た側面視で平行四辺形状に形成されている。具体的に、乗越え片34fの周面は、第1通過面36a、第1ガイド面36b、第2通過面36c及び第2ガイド面36dを備えている。
【0029】
第1通過面36aは、周方向の一方側に向かうに従い上方に向けて延びる傾斜面である。
第1ガイド面36bは、第1通過面36aのうち周方向の他方側端部から周方向に直線状に延びている。
第2通過面36cは、第1ガイド面36bのうち周方向の他方側端部において、第1通過面36aと平行に延びている。図示の例において、第2通過面36cは、周方向に沿う寸法が第1通過面36aと同等になっている。但し、第1通過面36aと第2通過面36cの周方向に対する傾斜角度や寸法等は互いに異なっていてもよい。
第2ガイド面36dは、第2通過面36cにおける周方向の一方側端部から周方向に直線状に延びている。第2ガイド面36dは、第1通過面36aに連なっている。
【0030】
なお、通過面36a,36cの周方向に対する傾斜角度は、摺接面25a,25cの周方向に対する傾斜角度よりも大きくなっている。但し、通過面36a,36cの周方向に対する傾斜角度は、摺接面25a,25cの周方向に対する傾斜角度と同等であってもよい。
【0031】
乗越え片34fは、蓋体11の閉位置において、少なくとも第1通過面36aの下端(周方向の一方側端部)が第2摺接面25cの上端(周方向の他方側端部)よりも下方に位置している。具体的に、乗越え片34fは、第1ガイド面36bが第1遷移面25bよりも下方であって、第2遷移面25dよりも上方に位置している。したがって、乗越え片34fの通過面36a,36cは、被摺接部25の摺接面25a,25cの少なくとも一部と周方向で向かい合っている。なお、乗越え片34fは、蓋体11の閉位置において、全体が被摺接部25よりも下方に位置していてもよい。
【0032】
図1~
図3に示すように、衝突部34gは、リング部34aのうち、舌片部34eと周方向で異なる位置から径方向の内側に突出している。本実施形態において、衝突部34gは、舌片部34eに対して周方向の両側に間隔をあけた状態で、周方向に連続的に延びている。衝突部34gは、変位空間S1において、変位部材34の弾性変位に伴い、蓋フランジ31bに上方から接離可能に構成されている。
【0033】
リング部34aのうち、舌片部34eと衝突部34gとの間に位置する部分は、弾性変形可能な弾性部34hを構成している。弾性部34hは、リング部34aのうち、舌片部34eと衝突部34gとの間に位置する部分が、舌片部34eや衝突部34gが接続されている部分よりも薄肉に形成されて構成されている。なお、衝突部34gの形状等は、適宜変更が可能である。例えば、衝突部34gは、周方向に間欠的に形成されていてもよい。
【0034】
次に、上述した蓋付き容器1の使用方法として、蓋体11の着脱時の作用を説明する。
まず、蓋体11の閉操作時の作用について説明する。なお、
図5、
図6において、鎖線W1は水平面を示し、鎖線W2はねじピッチを示している。
内容器22の上端開口部を通じて内容物を取り出した後、蓋体11を容器本体10に装着する。具体的には、
図4、
図5に示すように、容器本体10に対して蓋体11を閉方向P1(周方向の一方側)に相対回転させ、蓋体11の雌ねじ部31gを容器本体10の雄ねじ部22fに螺着する。蓋体11は、周方向の一方側への移動に伴い、蓋体11は容器本体10に対して下方に移動する。
【0035】
蓋体11が閉方向P1に移動する過程において、乗越え片34fは被摺接部25に周方向の他方側から接触する(
図5中A1参照)。この状態で、さらに蓋体11を閉方向P1に回転させると、乗越え片34fの第1通過面36aが第1摺接面25a上を摺接する。すると、第1通過面36aが蓋体11の閉方向P1の移動に伴い第1摺接面25a上をせり上がることで、第1通過面36aを介して変位部材34が上方に押し上げられる。これにより、変位部材34は、ばね部34bが圧縮変形することで、上方に弾性変位する。変位部材34の上方への弾性変位に伴い、衝突部34gは蓋フランジ31bから上方に離間する。
【0036】
蓋体11をさらに閉方向P1に移動させると、第1通過面36aが第1摺接面25aを通過する。その後、蓋体11がさらに閉方向P1に移動することで、第1ガイド面36bが第1摺接面25aにおける周方向の一方側端部上を摺接する(
図5中A2参照)。これにより、被摺接部25に対する乗越え片34fの下方移動が規制された状態で、蓋体11(内蓋31や外蓋32)が容器本体10に対して下方に移動することで、ばね部34bがさらに圧縮される。
【0037】
その後、第1ガイド面36bが被摺接部25を通過することで、乗越え片34fが被摺接部25を周方向の一方側に乗り越える(
図5中A3参照)。すると、被摺接部25による乗越え片34fの下方移動の規制が解除されることで、乗越え片34fはばね部34bの復元変形によって下方に弾性復帰する(
図5中A4参照)。その結果、衝突部34gが、蓋フランジ31bに上方から衝突することで、衝突音や振動が発生する。これにより、利用者は、蓋体11が閉位置まで移動したことを音や感触で判断することができる。なお、本実施形態において、閉位置とは、内蓋31の頂壁31jが周壁22dの上端に当接し、かつパッキン33が周壁22dの内周面に密接している状態である。
【0038】
続いて、蓋体11を開位置に移動させるには、
図6に示すように、容器本体10に対して蓋体11を開方向P2(周方向の他方側)に向けて回転させる。すると、蓋体11は、周方向の他方側への移動に伴い、容器本体10に対して上方に移動する。
【0039】
蓋体11が開方向P2に移動する過程において、乗越え片34fは被摺接部25に周方向の一方側から接触する(
図6中B1参照)。すなわち、本実施形態の蓋付き容器1では、開操作時に蓋体11に作用する操作荷重が所定値未満の場合、乗越え片34fが被摺接部25に接触して、容器本体10に対する蓋体11の開方向P2への移動が規制される。
【0040】
蓋体11への操作荷重を所定値以上として、さらに蓋体11を開方向P2に移動させると、乗越え片34fの第2通過面36cが第2摺接面25c上を摺接する。すると、乗越え片34fは、蓋体11の開方向への移動に反して下方に案内される。この際、衝突部34gの下方移動が蓋フランジ31bによって規制されている状態であっても、リング部34aの弾性部34hが下方に弾性変形することで、乗越え片34fは容器本体10に対して下方に移動する。なお、弾性部34hの変形量は、ばね部34bの変形量に比べて小さい。
【0041】
その後、第2通過面36cが第2摺接面25cを通過すると、第2ガイド面36dが第2遷移面25d上を摺接する(
図6中B2参照)。これにより、蓋体11の開方向P2への移動に伴い、乗越え片34fの上方への移動が規制された状態で、蓋体11(内蓋31や外蓋32)が容器本体10に対して上方に移動する。
【0042】
その後、第2ガイド面36dが第2遷移面25dを通過すると、乗越え片34fの上方移動が許容される(
図6中B3参照)。これにより、乗越え片34fは、弾性部34hの復元変形に伴い、上方に弾性変位する(
図6中B4参照)。乗越え片34fが開操作時に被摺接部25を乗り越えた後の上方への変位量は、乗越え片34fが閉操作時に被摺接部25を乗り越えた後の下方への変位量よりも小さい。また、乗越え片34fが開操作時に被摺接部25を乗り越えた後、衝突部34gが蓋フランジ31bから離間する方向に移動する。そのため、開操作に伴う衝突音は発生しないようになっている。仮に開操作時に音が発生する場合であっても、開操作時に発生する音が閉操作時に発生する音よりも小さければよい。
【0043】
乗越え片34fが被摺接部25を乗り越えた後、蓋体11をさらに開方向P2へ移動させることで、蓋体11が容器本体10から取り外される。これにより、蓋付き容器1が開位置となる。
【0044】
このように、本実施形態の蓋付き容器1は、蓋体11に弾性変位可能に備えられた乗越え片34fと、蓋体11に備えられ、乗越え片34fが下方に弾性復帰するのに伴い蓋体11に衝突する衝突部34gと、を有している構成とした。
この構成によれば、蓋体11の閉操作に伴い、乗越え片34fを弾性変位させることで、乗越え片34fが弾性復帰する際に衝突部34gと蓋フランジ31bとの衝突により発生する衝突音や振動を大きくすることができる。この場合、従来のように凸部がリブを乗り越える際に発生する音に比べ、大きい音や振動を発生させることができる。その結果、利用者は、蓋体11が閉位置に到達したことを音や感触により判断し易くなる。
一方、蓋体11が開方向P2に移動する場合、乗越え片34fが被摺接部25の下方を通過することで、衝突部34gと蓋フランジ31bとの衝突音や振動が発生し難くなる。この場合、開閉操作の度に凸部がリブを乗り越える従来の構成に比べ、衝突部34gが開操作時の抵抗となり難く、利用者に与える違和感も軽減できる。その結果、開操作時に不要な音等が発生するのを抑制しつつ、操作性や製品の品位の向上を図ることができる。
【0045】
本実施形態の蓋付き容器1は、乗越え片34fが内蓋31と外蓋32との間に弾性変位可能に支持されている構成とした。
この構成によれば、弾性変位可能な乗越え片34fが蓋体11に備えられることで、蓋体11を開位置として容器本体10から内容物を取り出す際に、乗越え片34fが利用者の手等に干渉するのを抑制できる。そのため、内容物を取り出す際の利便性を損なわない。
【0046】
本実施形態の蓋付き容器1において、蓋フランジ31bには舌片部34eが上下方向に通過する貫通孔31hが形成され、衝突部34gが蓋フランジ31bに衝突する構成とした。
この構成によれば、リング部34aが周壁22dの周囲を取り囲み、かつ舌片部34eが蓋フランジ31bの貫通孔31h内を通過している。そのため、内蓋31に対する変位部材34の周方向の相対移動を規制した上で、変位部材34が内蓋31に対して安定して弾性変位する。そして、衝突部34gが蓋フランジ31bに衝突することで、閉位置において確実に衝突音を発生させることができる。
【0047】
本実施形態の蓋付き容器1は、被摺接部25の下面に周方向の他方側に向かうに下方に向けて延びる第2摺接面25cを有し、乗越え片34fは蓋体11の開操作に伴い周方向の他方側に向けて第2摺接面25c上を摺接する構成とした。
この構成によれば、開操作時に乗越え片34fと被摺接部25とが接触した際に、乗越え片34fの周方向の他方側への移動を促すことができる。これにより、開操作時の操作性を維持できる。
【0048】
(第2実施形態)
本実施形態の蓋付き容器1では、蓋体11が閉位置に至る間に複数の被摺接部101~103を乗り越える点で、上述した第1実施形態と相違している。
図7に示すように、被摺接部101~103は、初期被摺接部101、中期被摺接部102及び終期被摺接部103である。初期被摺接部101、中期被摺接部102及び終期被摺接部103は、周方向の他方側から一方側にかけて順に配置されている。なお、各被摺接部101~103間の周方向の間隔は、乗越え片34fの周方向の幅よりも大きい。
【0049】
初期被摺接部101は、径方向から見た側面視で台形状に形成されている。初期被摺接部101は、第1摺接面101a、第1遷移面101b、第2摺接面101c及び第2遷移面101dを有している。
第1遷移面101aは、周方向の一方側に向かうに従い上方に延びる傾斜面である。
第1遷移面101bは、第1摺接面101aにおける周方向の一方側端部から下方に直線状に延びている。
第2摺接面101cは、第1遷移面101bの下端から周方向の他方側に向かうに従い下方に延びる傾斜面である。
第2遷移面101dは、第2摺接面101cにおける周方向の他方側端部から上方に延びている。第2遷移面101dにおける上端は、第1摺接面101aに連なっている。
【0050】
中期被摺接部102は、初期被摺接部101の上端よりも下方に位置している。中期被摺接部102は、初期被摺接部101と同様に、第1摺接面102a、第1遷移面102b、第2摺接面102c及び第2遷移面102dを有している。
第1摺接面102aは、周方向に対する傾斜角度が初期被摺接部101の第1摺接面101aの傾斜角度よりも大きい傾斜面である。
第1遷移面102bは、上下方向の長さが初期被摺接部101の第1遷移面101bよりも長くなっている。なお、第2摺接面102c及び第2遷移面102dは、初期被摺接部101の第2摺接面101c及び第2遷移面101dと同等の形状である。
【0051】
終期被摺接部103は、中期被摺接部102の上端よりも下方に位置している。終期被摺接部103は、中期被摺接部102と同様に、第1摺接面103a、第1遷移面103b、第2摺接面103c及び第2遷移面103dを有している。
第1摺接面103aは、周方向に対する傾斜角度が中期被摺接部102の第1摺接面102aの傾斜角度よりも大きい傾斜面である。
第1遷移面103bは、上下方向の長さが中期被摺接部102の第1遷移面102bよりも長くなっている。なお、第2摺接面103c及び第2遷移面103dは、中期被摺接部102の第2摺接面102c及び第2遷移面102dと同等の形状である。
【0052】
本実施形態において、蓋体11を閉方向P1に移動させると、乗越え片34fが初期被摺接部101に接触する(
図7中C1参照)。蓋体11の閉方向P1の移動に伴い、乗越え片34fはばね部34bの弾性変形によって上方に弾性変位しながら、初期被摺接部101の第1摺接面101a上を摺接する。そして、乗越え片34fが初期被摺接部101を乗り越えることで(
図7中C2参照)、変位部材34が下方に弾性復帰する(
図7中C3参照)。これにより、衝突部34gが蓋フランジ31bに衝突することで、衝突音等が発生する。
【0053】
続いて、蓋体11をさらに閉方向P1に移動させることで、乗越え片34fは中期被摺接部102を乗り越える(
図7中C4参照)。この際、中期被摺接部102の第1摺接面102aは、初期被摺接部101の第1摺接面101aよりも傾斜角度が大きい。そのため、乗越え片34fが中期被摺接部102を乗り越えるに際しての変位部材34の上方への変位量は、乗越え片34fが初期被摺接部101を乗り越えるに際しての変位量よりも大きくなる。その結果、変位部材34が弾性復帰した際において、衝突部34gが蓋フランジ31bに衝突することで発生する衝突音等が、初期被摺接部101を乗り越えた場合に比べて大きくなる(
図7中C5参照)。
【0054】
その後、蓋体11をさらに閉方向P1に移動させることで、乗越え片34fは終期被摺接部103を乗り越える(
図7中C6参照)。この際、終期被摺接部103の第1摺接面103aは、中期被摺接部102の第1摺接面102aよりも傾斜角度が大きい。そのため、乗越え片34fが終期被摺接部103を乗り越えるに際しての変位部材34の上方への変位量は、乗越え片34fが中期被摺接部102を乗り越えるに際しての変位量よりも大きくなる。その結果、変位部材34が弾性復帰した際において、衝突部34gが蓋フランジ31bに衝突することで発生する衝突音等が、中期被摺接部102を乗り越えた場合に比べて大きくなる(
図7中C7参照)。
以上により、蓋体11が閉位置に移動する。
【0055】
このように、本実施形態では、複数の被摺接部101~103を設けるとともに、蓋体11が閉位置に向かうに従い被摺接部101~103を乗り越える際の弾性復帰量を大きくする構成とした。
この構成によれば、蓋体11が閉位置に向かうに従い、被摺接部101~103を乗り越える後に衝突部34gと蓋フランジ31bとの衝突により発生する衝突音等が大きくなるので、利用者は閉位置に向かう過程を段階的に把握し易くなる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、衝突部34gを変位部材34の他の部分と同一材料により形成した場合について説明したが、この構成に限られない。例えば、
図8に示すように衝突部34gを変位部材34の他の部分と異なる材料により形成してもよい。具体的に、衝突部34gは、リング部34aから径方向の内側に突出する張出部34kの先端部に取り付けられている。本実施形態において、衝突部34gは、容器軸Oと同軸に配置された環状に形成されている。本変形例において、衝突部34gを硬質材料(例えば、金属等)により形成することで、高い衝突音を発生させることが可能になる。そのため、利用者が衝突音を認識し易くなる。一方、衝突部34gを軟質材料(例えば、エラストマーやゴム等)により形成することで、低い衝突音を発生させることができる。そのため、蓋付き容器1に高級感を付与できる。また、蓋フランジ31bを内蓋31の他の部分と異なる材料で形成してもよい。
【0057】
上述した実施形態では、第2部材の例として蓋体11に変位部材34が備えられた構成について説明したが、この構成に限られない。変位部材が備えられる第2部材を容器本体としてもよい。
上述した実施形態では、蓋体11の閉方向P1への移動に伴い、変位部材34が上方(上下方向の一方側)に弾性変位する構成について説明したが、この構成に限らず、変位部材34は下方に弾性変位する構成であってもよい。
上述した実施形態では、蓋体11に変位部材34が備えられた状態で、衝突部34gが被衝突部としての蓋体11(蓋フランジ31b)に衝突する構成について説明したが、この構成に限られない。衝突部34gは、蓋体11のうち蓋フランジ31b以外の部分(被衝突部)に衝突してもよい。また、蓋体11に変位部材34が備えられた状態で、衝突部34gが容器本体(被衝突部)10に衝突する構成であってもよい。
上述した実施形態では、蓋体11の開操作時において、乗越え片34fが被摺接部の下面に摺接する構成について説明したが、乗越え片34fが被摺接部に摺接しない構成(被摺接部の下方を通過する構成)であってもよい。
【0058】
上述した実施形態では、容器本体10が外容器21及び内容器22を有し、蓋体11が内蓋31及び外蓋32を有する構成について説明したが、この構成に限られない。
上述した実施形態では、乗越え片34fが通過面36a,36c等を有する平行四辺形状である構成について説明したが、この構成に限られない。乗越え片34fは、被摺接部に摺接可能であれば、平行四辺形状以外の四角形状や三角形、円形状等であってもよい。
上述した実施形態では、乗越え片34fや衝突部34gがリング部34a等を介して変位部材34として一体に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。乗越え片34fと衝突部34gは、一体で上下方向に弾性変位可能であればよい。
【0059】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…蓋付き容器
10…容器本体(第1部材、第2部材)
11…蓋体(第2部材、第1部材)
25…被摺接部
25a…第1摺接面
25c…第2摺接面
31…内蓋
31b…蓋フランジ(被衝突部)
31f…周壁
31g…雌ねじ部
31h…貫通孔
32…外蓋
34a…リング部
34e…舌片部
34f…乗り越え片
34g…衝突部
103…終期被摺接部(被摺接部)
103a…第1摺接面
103c…第2摺接面