(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】ワーク撮影装置
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20240726BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20240726BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240726BHJP
H04N 23/66 20230101ALI20240726BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01B11/26 H
H04N5/222 100
H04N23/66
(21)【出願番号】P 2021042069
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮保 勝信
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-149182(JP,A)
【文献】特開平06-241719(JP,A)
【文献】特開昭63-20176(JP,A)
【文献】特開2017-96750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00
G01B 11/26
H04N 5/222
H04N 23/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに操作される入力装置と、
対象に光を投光することにより前記対象のうちの前記光が照射される照射部位が配置される位置を検出する光センサと、
カメラと、
前記カメラを移動させるアクチュエータと、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記入力装置に施されるティーチング操作に基づいてティーチング情報を作成し、
ワークのうちの前記ティーチング情報のエッジ情報が示すエッジが配置されるエッジ位置が検出されるように、前記光センサを制御し、
前記ワークが配置される傾きを前記エッジ位置に基づいて算出し、
前記ティーチング情報の撮影領域情報と、前記傾きとに基づいて算出される撮影位置に前記カメラが配置されるように、前記アクチュエータを制御し、
前記カメラが前記撮影位置に配置されたときに前記ワークの画像が撮影されるように、前記カメラを制御する
ワーク撮影装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
ティーチング用ワークのうちの前記エッジ情報が示すティーチング用エッジが配置されるティーチング用エッジ位置が検出されるように、前記光センサを制御し、
前記ティーチング用ワークが配置されるティーチング用傾きを前記ティーチング用エッジ位置に基づいて算出し、
前記ティーチング操作のうちのカメラ移動操作に基づいて前記カメラが移動するように、前記アクチュエータを制御し、
前記カメラ移動操作により前記カメラが配置された位置と前記ティーチング用傾きに基づいて前記撮影領域情報を算出する
請求項1に記載のワーク撮影装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記ティーチング操作のうちの撮影面指定操作に基づいて前記撮影領域情報の撮影面情報を取得し、
前記カメラ移動操作に基づいて前記カメラが移動するときに、前記ティーチング用傾きに基づいて、前記ティーチング用ワークのうちの前記撮影面情報が示す撮影面が撮影される向きに前記カメラが配置されるように、前記アクチュエータを制御する
請求項2に記載のワーク撮影装置。
【請求項4】
表示装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記カメラ移動操作により前記カメラが移動している最中に、前記カメラにより撮影される画像が表示されるように、前記表示装置を制御する
請求項2または請求項3に記載のワーク撮影装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記ティーチング用ワークのうちの前記ティーチング情報の原点情報が示すティーチング用原点が配置されるティーチング用原点位置が検出されるように、前記光センサを制御し、
前記ティーチング操作のうちの対角位置指定操作により前記ティーチング用ワークのうちの前記光が照射される部位が移動するように、前記光センサを制御し、
前記対角位置指定操作により前記部位が配置された対角位置が検出されるように、前記光センサを制御し、
前記エッジ位置と前記ティーチング用原点位置と前記対角位置とに基づいて前記ティーチング情報のサイズ情報を算出し、
前記ワークのうちの前記原点情報が示す原点が配置される原点位置が検出されるように、前記光センサを制御し、
前記撮影位置は、前記サイズ情報と前記原点位置とにさらに基づいて算出される
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のワーク撮影装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記対角位置指定操作により、前記ティーチング用エッジが沿う直線に対して垂直または平行である方向に前記部位が移動するように、前記光センサを制御する
請求項5に記載のワーク撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、ワーク撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
少量多品種生産による製品には、複数のラベルが複数の領域にそれぞれ貼付されることがある。これらの製品は、ラベルに記載された内容に間違いがないか作業者が目視で確認するラベル確認作業が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-208065号公報
【文献】特開2003-141511号公報
【文献】特開2015-155911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め定められた形状の物体が配置される位置と姿勢とを検出する位置認識装置が知られている(特許文献1~3)。ラベル確認作業は、このような位置認識装置を用いて検出される製品の位置と姿勢とに基づいて適切に配置されたカメラにより撮影されたラベルの画像を画像処理することにより、自動化することができる。しかしながら、製品に突起・穴等が形成されている場合に、製品の位置と姿勢とが適切に検出されないことがあり、ラベルの画像が適切に撮影されないことがある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、対象のうちの所定の部位の画像を適切に撮影するワーク撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によるワーク撮影装置は、ユーザに操作される入力装置と、対象に光を投光することにより前記対象のうちの前記光が照射される照射部位が配置される位置を検出する光センサと、カメラと、前記カメラを移動させるアクチュエータと、制御装置とを備えている。前記制御装置は、前記入力装置に施されるティーチング操作に基づいてティーチング情報を作成し、ワークのうちの前記ティーチング情報のエッジ情報が示すエッジが配置されるエッジ位置が検出されるように、前記光センサを制御し、前記ワークが配置される傾きを前記エッジ位置に基づいて算出し、前記ティーチング情報の撮影領域情報と、前記傾きとに基づいて算出される撮影位置に前記カメラが配置されるように、前記アクチュエータを制御し、前記カメラが前記撮影位置に配置されたときに前記ワークの画像が撮影されるように、前記カメラを制御する。
【発明の効果】
【0007】
開示のワーク撮影装置は、対象のうちの所定の部位の画像を適切に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1のワーク撮影装置を示す上面図である。
【
図2】
図2は、実施例1のワーク撮影装置を示す測面図である。
【
図3】
図3は、実施例1のワーク撮影装置を示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施例1のワーク撮影装置により撮影されるワークを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、ティーチング情報テーブルを示す図である。
【
図7】
図7は、複数のワーク種類識別情報のうちの1つのティーチング情報を示す図である。
【
図8】
図8は、装置本体にセットされたワークを示す上面図である。
【
図9】
図9は、装置本体にセットされたワークを示す正面図である。
【
図10】
図10は、装置本体にセットされたワークを示す他の上面図である。
【
図11】
図11は、装置本体にセットされたワークを示すさらに他の上面図である。
【
図12】
図12は、ワークの傾きに無関係に配置されたカメラを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかるワーク撮影装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0010】
実施例1のワーク撮影装置1は、
図1に示されているように、装置本体2と台車3とを備えている。
図1は、実施例1のワーク撮影装置1を示す上面図である。装置本体2は、X軸レール5とY軸レール6とZ軸レール7とレーザ変位センサ8とを備え、図示されていないフレームをさらに備えている。フレームは、ワーク撮影装置1が設置される設置面に載置されている。X軸レール5は、棒状に形成されている。X軸レール5は、X軸に平行である直線に沿うように、配置され、フレームに固定されている。X軸は、設置面が沿う平面に平行である。Y軸レール6は、棒状に形成されている。Y軸レール6は、Y軸に平行である直線に沿うように、配置され、X軸に平行に並進可能にX軸レール5とフレームとに支持されている。Y軸は、設置面が沿う平面に平行であり、かつ、X軸に垂直である。
【0011】
図2は、実施例1のワーク撮影装置1を示す測面図である。Z軸レール7は、棒状に形成されている。Z軸レール7は、Z軸に平行である直線に沿うように、配置され、Y軸に平行に並進可能にY軸レール6に支持されている。Z軸は、設置面が沿う平面に垂直であり、すなわち、X軸に垂直であり、かつ、Y軸に垂直である。レーザ変位センサ8は、光路10に沿って進行するレーザを発光する。レーザ変位センサ8は、光路10がZ軸に平行になるように、配置され、Z軸レール7に固定されている。レーザ変位センサ8は、さらに、レーザが発光されているときに、レーザが照射された照射部位を反射した反射光を受光し、照射部位のZ座標を検出する。照射部位のZ座標は、照射部位のZ軸方向における位置を示している。
【0012】
図3は、実施例1のワーク撮影装置1を示す正面図である。ワーク撮影装置1は、カメラ支持部材11とカメラ12とをさらに備えている。カメラ支持部材11は、Z軸に平行に並進可能にZ軸レール7に支持されている。カメラ12は、Y軸に平行である第1回転軸を中心に回転可能に、かつ、第1回転軸に垂直である第2回転軸を中心に回転可能に、カメラ支持部材11に支持されている。
【0013】
台車3は、図示されていない複数の自在キャスターを備えている。複数の自在キャスターは、台車3の下部に取り付けられている。台車3は、複数の自在キャスターを介して設置面に載置される。複数の自在キャスターは、回転することにより、台車3を設置面に沿って移動させる力を低減する。台車3には、載置面14が形成されている。台車3は、設置面に載置されるときに、設置面が沿う平面と平行である他の平面に載置面14が沿うように、形成されている。
【0014】
ワーク撮影装置1により撮影されるワーク21は、
図4に示されているように、概ね直方体状に形成されている。
図4は、実施例1のワーク撮影装置1により撮影されるワーク21を示す斜視図である。ワーク21には、ワーク21が形成する直方体の6面にそれぞれ沿う下面と天面22と前面23と背面24と左側面25と右側面26とが形成されている。ワーク21は、下面が載置面14に対向するように、台車3に載置される。天面22は、ワーク21のうちの下面の反対側に形成されている。前面23は、ワーク21のうちの天面22が沿う平面に垂直である他の平面に沿うように形成され、すなわち、下面と天面22とに隣接している。背面24は、ワーク21のうちの前面23の反対側に形成され、すなわち、前面23に隣接しないで、下面と天面22とに隣接している。左側面25は、ワーク21のうちの下面と前面23とがそれぞれ沿う2つの平面に垂直である他の平面に沿うように形成され、すなわち、下面と天面22と前面23と背面24とに隣接している。右側面26は、ワーク21のうちの左側面25の反対側に形成され、すなわち、左側面25に隣接しないで、下面と天面22と前面23と背面24とに隣接している。
【0015】
ワーク21には、前面エッジ31と背面エッジ32と左側面エッジ33と右側面エッジ34とがさらに形成されている。前面エッジ31は、天面22と前面23との間に形成されている。背面エッジ32は、天面22と背面24との間に形成されている。左側面エッジ33は、天面22と左側面25との間に形成されている。右側面エッジ34は、天面22と右側面26との間に形成されている。
【0016】
ワーク21には、前面左コーナー35と前面右コーナー36と背面左コーナー37と背面右コーナー38とが形成されている。前面左コーナー35は、前面エッジ31のうちの左側面25に近い側の端に形成され、左側面エッジ33のうちの前面23に近い側の端に形成されている。前面右コーナー36は、前面エッジ31のうちの右側面26に近い側の端に形成され、右側面エッジ34のうちの前面23に近い側の端に形成されている。背面左コーナー37は、背面エッジ32のうちの左側面25に近い側の端に形成され、左側面エッジ33のうちの背面24に近い側の端に形成されている。背面右コーナー38は、背面エッジ32のうちの右側面26に近い側の端に形成され、右側面エッジ34のうちの背面24に近い側の端に形成されている。
【0017】
図5は、装置本体2を示すブロック図である。装置本体2は、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44と入力装置45と表示装置46と制御装置47とをさらに備えている。X軸アクチュエータ41は、制御装置47に制御されることにより、Y軸レール6をX軸に平行に並進させる。X軸アクチュエータ41は、さらに、X軸レール5に対してY軸レール6が配置される位置を検出することにより、レーザ変位センサ8の光路10のX座標を検出し、カメラ12のX座標を検出する。光路10のX座標は、光路10のX軸方向における位置を示し、カメラ12のX座標は、カメラ12のX軸方向における位置を示している。
【0018】
Y軸アクチュエータ42は、制御装置47に制御されることにより、Z軸レール7をY軸に平行に並進させる。Y軸アクチュエータ42は、Y軸レール6に対してZ軸レール7が配置される位置を検出することにより、レーザ変位センサ8の光路10のY座標を検出し、カメラ12のY座標を検出する。光路10のY座標は、光路10のY軸方向における位置を示し、カメラ12のY座標は、カメラ12のY軸方向における位置を示している。Z軸アクチュエータ43は、制御装置47に制御されることにより、カメラ支持部材11をZ軸に平行に並進させる。Z軸アクチュエータ43は、Z軸レール7に対してカメラ支持部材11が配置されるZ座標を検出することにより、カメラ12のZ座標を検出する。カメラ12のZ座標は、カメラ12のZ軸方向における位置を示している。カメラ回転機構44は、制御装置47に制御されることにより、第1回転軸を中心にカメラ12を回転させ、第2回転軸を中心にカメラ12を回転させる。
【0019】
入力装置45は、コードリーダ51とスタートボタン52とトップキー53とフロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とを備えている。コードリーダ51は、印刷物に印刷されたコード(たとえば、バーコード、2次元コード)から情報を読み出し、その読み出された情報を制御装置47に出力する。入力装置45は、さらに、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とが押下されているか否かを制御装置47に出力する。入力装置45は、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その生成された情報を制御装置47に出力する。表示装置46は、表示面を備え、制御装置47により生成された画面を表示面に表示する。
【0020】
制御装置47は、コンピュータであり、記憶装置61とCPU(Central Processing Unit)62とを備えている。記憶装置61は、制御装置47にインストールされるコンピュータプログラムを記録し、CPU62により利用される情報を記録する。記憶装置61としては、RAM・ROM等のメモリ、ハードディスクのような固定ディスク装置、SSD(Solid State Drive)が例示される。CPU62は、制御装置47にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置61を制御する。CPU62は、レーザ変位センサ8とカメラ12とX軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44と入力装置45と表示装置46とをさらに制御する。
【0021】
たとえば、制御装置47は、レーザが発光されたり発光されなかったりするように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、さらに、物体にレーザが投光されたときに、物体のうちのレーザに照射された照射部位のZ座標が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。
【0022】
記憶装置61には、
図6に示されているように、ティーチング情報テーブル65が記録されている。
図6は、ティーチング情報テーブル65を示す図である。ティーチング情報テーブル65は、複数のワーク種類識別情報66を複数のティーチング情報67に対応付けている。複数のワーク種類識別情報66の各々は、ワーク撮影装置1で画像が撮影される製品の種類を示している。複数のティーチング情報67のうちのあるワーク種類識別情報に対応する1つのティーチング情報は、そのワーク種類識別情報が示す種類のワークが取り扱われるときに利用される情報を示している。
【0023】
複数のワーク種類識別情報66のうちのワーク21の種類に対応する1つのティーチング情報68は、
図7に示されているように、原点情報71とエッジ情報72とサイズ情報73と複数の撮影領域情報74とを備えている。
図7は、複数のワーク種類識別情報66のうちの1つのティーチング情報68を示す図である。原点情報71は、前面左コーナー35と前面右コーナー36と背面左コーナー37と背面右コーナー38とのうちの1つのコーナーを示している。エッジ情報72は、前面エッジ31と背面エッジ32と左側面エッジ33と右側面エッジ34とのうちの1つのエッジを示している。
【0024】
サイズ情報73は、ワーク21のサイズを示し、すなわち、ワーク21の幅とワーク21の奥行とを示している。ワーク21の幅は、前面エッジ31の長さを示し、または、背面エッジ32の長さを示している。ワーク21の奥行は、左側面エッジ33の長さを示し、または、右側面エッジ34の長さを示している。複数の撮影領域情報74は、ワーク21のうちのワーク撮影装置1により撮影される複数の撮影領域に対応し、たとえば、ワーク21に貼付されている複数のラベルに対応している。すなわち、複数の撮影領域情報74の個数は、ワーク21のうちのワーク撮影装置1により撮影される複数の撮影領域の数に等しい。複数の撮影領域情報74のうちのある撮影領域に対応する1つの撮影領域情報75は、撮影面情報76とカメラ相対位置情報77とを示している。撮影面情報76は、ワーク21のうちのその撮影領域が配置される1つの面を示し、天面22と前面23と背面24と左側面25と右側面26とのうちの1つの面を示している。カメラ相対位置情報77は、その撮影領域の画像を適切に撮影するカメラ12の位置を示し、撮影面情報76が示す面に対してカメラ12が配置される相対位置を示している。複数の撮影領域情報74のうちの撮影領域情報75と異なる他の撮影領域情報も、撮影領域情報75と同様に、撮影面情報とカメラ位置情報とを示している。
【0025】
[実施例1のワーク撮影装置1の動作]
ワーク撮影装置1の動作は、ティーチング動作と撮影動作とを備えている。ティーチング動作は、ティーチング情報テーブル65の複数のワーク種類識別情報66のいずれにも示されていない種類のワークの画像を撮像するときに実行される。ティーチング動作では、ワーク21の下面が載置面14に対向するように、ワーク21が台車3に載置される。ユーザは、ワーク21が台車3に適切に載置されているときに、装置本体2のフレームに対して予め定められた位置に台車3が配置されるように、台車3を装置本体2にセットする。ワーク21は、台車3が装置本体2にセットされることにより、
図8に示されているように、装置本体2にセットされる。
図8は、装置本体2にセットされたワーク21を示す上面図である。ワーク21は、装置本体2にセットされることにより、前面23が概ねY軸方向を向くように、右側面26が概ねX軸方向を向くように、配置される。ワーク21は、前面エッジ31が沿う直線がX軸に対して傾斜するように、傾斜して配置されることがある。
【0026】
ワーク21には、ワーク21の種類を示すコードが印刷された印刷物が添付されている。ユーザは、ワーク21が装置本体2にセットされた後に、コードリーダ51を用いてコードからワーク21の種類を読み取る。ユーザは、ワーク21が装置本体2にセットされた後に、さらに、スタートボタン52を押下する。
【0027】
制御装置47は、スタートボタン52が押下されたことが検出されたときに、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とを制御することにより、レーザ変位センサ8を中央位置に配置する。制御装置47は、スタートボタン52が押下されたことが検出されたときに、さらに、レーザ変位センサ8を制御することにより、レーザを発光させる。ユーザは、装置本体2にセットされたワーク21にレーザが照射されないときに、中央位置に配置されたレーザ変位センサ8から発光されたレーザがワーク21に照射されるように、ワーク21を装置本体2にセットしなおす。
【0028】
ユーザは、ワーク21が装置本体2にセットされた後に、さらに、入力装置45を用いてティーチング操作を実行する。ティーチング操作は、エッジ原点指定操作と対角位置指定操作と撮影領域指定操作とを備えている。
【0029】
ユーザは、入力装置45を用いてエッジ原点指定操作を実行することにより、制御装置47に原点情報71とエッジ情報72とを入力する。制御装置47は、原点情報71とエッジ情報72とが入力された後に、エッジ探索動作と原点探索動作とを実行する。
【0030】
[エッジ探索動作]
エッジ探索動作では、制御装置47は、レーザ変位センサ8を中央位置に配置し、レーザをワーク21に投光する。
図9は、装置本体2にセットされたワーク21を示す正面図である。制御装置47は、ワーク21の天面22のうちのレーザが照射されている高さ検出点81のZ座標を検出する。制御装置47は、高さ検出点81のZ座標に基づいてエッジ検出範囲82を算出する。エッジ検出範囲82の下限は、高さ検出点81のZ座標より5mm低い位置を示し、エッジ検出範囲82の上限は、高さ検出点81のZ座標より5mm高い位置を示している。
【0031】
制御装置47は、たとえば、エッジ情報72が前面エッジ31を示している場合に、X軸アクチュエータ41を制御することにより、光路10がX軸方向の反対方向に移動するように、レーザ変位センサ8をX軸方向の反対方向に高速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がX軸方向の反対方向に並進するときに、レーザ変位センサ8を制御することにより、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたか否かを監視する。ワーク検出範囲の下限は、載置面14のZ座標より高く、かつ、エッジ検出範囲82の下限より低い。ワーク検出範囲の上限は、エッジ検出範囲82の上限より高い。
【0032】
制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れた後に、X軸アクチュエータ41を制御することにより、光路10がX軸方向に移動するように、レーザ変位センサ8をX軸方向に低速度で並進させる。低速度は、高速度より遅い。制御装置47は、レーザ変位センサ8がX軸方向に並進するときに、レーザ変位センサ8を制御することにより、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたときに、レーザ変位センサ8が並進することを停止させる。レーザは、レーザ変位センサ8が停止することにより、左側面エッジ33のうちの第1ワーク端点83に照射される。制御装置47は、レーザ変位センサ8が停止しているときに、X軸アクチュエータ41を制御することにより、光路10のX座標を検出し、第1ワーク端点83のX座標を検出する。
【0033】
制御装置47は、第1ワーク端点83のX座標が検出された後に、レーザ変位センサ8をX軸方向に高速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がX軸方向に並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れた後に、レーザ変位センサ8をX軸方向の反対方向に低速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がX軸方向の反対方向に並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたときに、レーザ変位センサ8がX軸方向に並進することを停止させる。レーザは、レーザ変位センサ8が停止することにより、
図8に示されているように、右側面エッジ34のうちの第2ワーク端点84に照射される。制御装置47は、レーザ変位センサ8が停止しているときに、光路10のX座標を検出し、第2ワーク端点84のX座標を検出する。
【0034】
制御装置47は、第2ワーク端点84のX座標が検出された後に、X軸アクチュエータ41を制御することにより、第1内分点85に光路10が交差するように、レーザ変位センサ8を配置する。第1内分点85は、第1ワーク端点83と第2ワーク端点84とを結ぶ線分を3:1に内分している。制御装置47は、たとえば、エッジ情報72が前面エッジ31を示している場合に、光路10が第1内分点85に交差するようにレーザ変位センサ8が配置された後に、レーザ変位センサ8をY軸方向に高速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がY軸方向に移動するときに、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れた後に、レーザ変位センサ8をY軸方向の反対方向に低速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がY軸方向の反対方向に並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたか否かを監視する。
【0035】
制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたときに、レーザ変位センサ8がY軸方向に並進することを停止させる。レーザは、レーザ変位センサ8が停止することにより、前面エッジ31のうちの第1エッジ上点86に照射される。制御装置47は、レーザ変位センサ8が停止しているときに、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とを制御することにより、光路10のX座標とY座標とを検出し、第1エッジ上点86の位置を検出する。第1エッジ上点86の位置は、第1エッジ上点86のX座標とY座標とを示している。
【0036】
制御装置47は、第1エッジ上点86の位置が検出された後に、第2内分点87に光路10が交差するように、レーザ変位センサ8を配置する。第2内分点87は、第1ワーク端点83と第2ワーク端点84とを結ぶ線分を1:3に内分している。制御装置47は、光路10が第2内分点87に交差するようにレーザ変位センサ8が配置された後に、レーザ変位センサ8をY軸方向に高速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がY軸方向に並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れた後に、レーザ変位センサ8をY軸方向の反対方向に低速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8がY軸方向の反対方向に並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたときに、レーザ変位センサ8がY軸方向に並進することを停止させる。レーザは、レーザ変位センサ8が停止することにより、前面エッジ31のうちの第2エッジ上点88に照射される。制御装置47は、レーザ変位センサ8が停止しているときに、光路10のX座標とY座標とを検出し、第2エッジ上点88の位置を検出する。第2エッジ上点88の位置は、第2エッジ上点88のX座標とY座標とを示している。
【0037】
制御装置47は、第1エッジ上点86の位置と第2エッジ上点88の位置に基づいてワーク21の傾きを算出する。ワーク21の傾きは、前面エッジ31が沿う直線がX軸に対して傾斜している程度を示し、たとえば、Y座標の変化量をX座標の変化量で除算した値を示している。Y座標の変化量は、第1エッジ上点86のY座標から第2エッジ上点88のY座標を減算した値を示している。X座標の変化量は、第1エッジ上点86のX座標から第2エッジ上点88のX座標を減算した値を示している。
【0038】
[原点探索動作]
原点探索動作は、ワーク21の傾きが算出された後に実行される。制御装置47は、たとえば、原点情報71が前面左コーナー35を示す場合に、第2エッジ上点88にレーザが照射された後に、前面エッジ31が沿う直線に沿って光路10が前面右コーナー36から遠ざかるように、レーザ変位センサ8を高速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8が並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れた後に、前面エッジ31が沿う直線に沿って光路10が前面右コーナー36に近づくように、レーザ変位センサ8を低速度で並進させる。制御装置47は、レーザ変位センサ8が低速度で並進するときに、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたか否かを監視する。制御装置47は、レーザの照射部位のZ座標がエッジ検出範囲82に含まれたときに、レーザ変位センサ8の並進を停止させる。レーザは、レーザ変位センサ8が停止することにより、前面左コーナー35に照射される。制御装置47は、前面左コーナー35がレーザに照射されているときに、光路10のX座標とY座標とを検出し、前面左コーナー35の位置を検出する。前面左コーナー35の位置は、前面左コーナー35のX座標とY座標とを示している。
【0039】
ユーザは、前面左コーナー35の位置が検出された後に、入力装置45を用いて対角位置指定操作を実行することにより、前面左コーナー35の対角位置である背面右コーナー38の位置を指定する。すなわち、ユーザは、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とのうちの1つのキーを押下する。制御装置47は、フロントキー54が押下されているときに、光路10が鉛直平面89に垂直である前方向に移動するように、レーザ変位センサ8を前方向に並進させる。鉛直平面89は、Z軸に平行であり、かつ、前面エッジ31が沿う直線に平行である。制御装置47は、バックキー55が押下されているときに、光路10が前方向の反対方向に移動するように、レーザ変位センサ8を並進させる。制御装置47は、レフトキー56が押下されているときに、前面エッジ31に平行である左方向に光路10が移動するように、レーザ変位センサ8を並進させる。左方向は、鉛直平面89に平行であり、かつ、Z軸に垂直である。制御装置47は、ライトキー57が押下されているときに、左方向の反対の右方向に移動するように、レーザ変位センサ8を並進させる。制御装置47は、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とのいずれも押下されていないときに、レーザ変位センサ8の並進を停止させる。
【0040】
ユーザは、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とを押したり離したりすることにより、光路10が背面右コーナー38に交差するように、レーザ変位センサ8を配置する。ユーザは、光路10が背面右コーナー38に交差するようにレーザ変位センサ8が配置された後に、スタートボタン52を押下する。制御装置47は、スタートボタン52が押下されたときに、光路10のX座標とY座標とを検出し、背面右コーナー38の位置を検出する。背面右コーナー38の位置は、背面右コーナー38のX座標とY座標とを示している。
【0041】
制御装置47は、ワーク21の傾きと前面左コーナー35の位置と背面右コーナー38の位置とに基づいてワーク21のサイズ情報73と前面右コーナー36の位置と背面左コーナー37の位置とを算出する。前面右コーナー36の位置は、前面右コーナー36のX座標とY座標とを示している。背面左コーナー37の位置は、背面左コーナー37のX座標とY座標とを示している。
【0042】
制御装置47は、ワーク21のサイズ情報73が算出された後に、
図10に示されているように、光路10がワーク縁91を辿るように、レーザ変位センサ8を並進させる。
図10は、装置本体2にセットされたワーク21を示す他の上面図である。ワーク縁91は、前面エッジ31と背面エッジ32と左側面エッジ33と右側面エッジ34とを含んでいる。制御装置47は、光路10がワーク縁91を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れるか否かを監視する。制御装置47は、光路10がワーク縁91を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れたときに、表示装置46を制御することにより、ティーチング操作の再実行を促すエラー画面を表示する。
【0043】
制御装置47は、光路10がワーク縁91を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲から外れなかったときに、光路10がワーク外周92を辿るように、レーザ変位センサ8を並進させる。ワーク外周92は、前面側線93と背面側線94と左側面側線95と右側面側線96とを含んでいる。前面側線93は、ワーク21とZ軸方向に重ならず、前面エッジ31が沿う直線に平行であり、予め定められた離間距離だけ前面エッジ31から離れている。背面側線94は、ワーク21とZ軸方向に重ならず、背面エッジ32が沿う直線に平行であり、離間距離だけ背面エッジ32から離れている。左側面側線95は、ワーク21とZ軸方向に重ならず、左側面エッジ33が沿う直線に平行であり、離間距離だけ左側面エッジ33から離れている。右側面側線96は、ワーク21とZ軸方向に重ならず、右側面エッジ34が沿う直線に平行であり、離間距離だけ右側面エッジ34から離れている。制御装置47は、光路10がワーク外周92を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲に含まれるか否かを監視する。制御装置47は、光路10がワーク外周92を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲に含まれたときに、表示装置46を制御することにより、ティーチング操作の再実行を促すエラー画面を表示する。
【0044】
制御装置47は、光路10がワーク外周92を辿る間に、レーザの照射部位のZ座標がワーク検出範囲に含まれなかったときに、撮影領域指定操作の実行を促す画面を表示装置46に表示する。次いで、ユーザは、入力装置45を用いて撮影領域指定操作を実行する。撮影領域指定操作は、撮影面指定操作とカメラ移動操作とを備えている。ユーザは、入力装置45を用いて撮影面指定操作を実行することにより、天面22と前面23と背面24と左側面25と右側面26とのうちの1つの撮影面を指定する。たとえば、ユーザは、ユーザは、トップキー53を押下することにより、天面22を指定する。ユーザは、フロントキー54を押下することにより、前面23を指定する。ユーザは、バックキー55を押下することにより、背面24を指定する。ユーザは、レフトキー56を押下することにより、左側面25を指定する。ユーザは、ライトキー57を押下することにより、右側面26を指定する。
【0045】
制御装置47は、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とを制御することにより、撮影面指定操作により指定された撮影面にカメラ12が向くように、カメラ12を配置する。
図11は、装置本体2にセットされたワーク21を示すさらに他の上面図である。たとえば、制御装置47は、撮影面指定操作により右側面26が指定されたときに、カメラ12が右側面26を向くように、かつ、右側面26が沿う平面にカメラ12の光軸98が垂直になるように、カメラ12を配置する。制御装置47は、さらに、右側面26の一部の画像をカメラ12により撮影し、カメラ12により撮影された画像を表示装置46に表示する。
【0046】
ユーザは、表示装置46に表示された画像を参照して、入力装置45を用いてカメラ移動操作を実行することにより、カメラ12を並進させる。すなわち、ユーザは、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とのうちの1つのキーを押下する。制御装置47は、レフトキー56が押下されているときに、カメラ12により撮影される撮影領域が左に移動するように、右側面エッジ34が沿う直線に平行にカメラ12を並進させる。制御装置47は、ライトキー57が押下されているときに、カメラ12により撮影される撮影領域が右に移動するように、右側面エッジ34が沿う直線に平行にカメラ12を並進させる。制御装置47は、フロントキー54が押下されているときに、カメラ12がZ軸方向の反対方向に移動するように、カメラ12を並進させる。制御装置47は、バックキー55が押下されているときに、カメラ12がZ軸方向に移動するように、カメラ12を並進させる。制御装置47は、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とのいずれも押下されていないときに、カメラ12の並進を停止させる。ユーザは、フロントキー54とバックキー55とレフトキー56とライトキー57とを押したり離したりすることにより、カメラ12が適切な撮影領域を撮影するように、カメラ12を適切に配置する。ユーザは、カメラ12が適切に配置された後に、スタートボタン52を押下する。
【0047】
制御装置47は、スタートボタン52が押下されたときに、カメラ12の位置と姿勢とを検出する。カメラ12の位置は、カメラ12のX座標とY座標とZ座標とを示している。カメラ12の姿勢は、カメラ12の光軸98が向いている向きを示し、カメラ支持部材11に対して第1回転軸を中心にカメラ12が回転した第1角度と、カメラ支持部材11に対して第2回転軸を中心にカメラ12が回転した第2角度とを示している。制御装置47は、撮影面指定操作により指定された撮影面と、カメラ12の位置と姿勢とに基づいて、カメラ位置情報を算出する。
【0048】
ユーザは、複数の撮影領域があるときに、複数の撮影領域ごとに、入力装置45を用いて撮影領域指定操作を繰り返し実行する。制御装置47は、ティーチング動作により導出された情報に基づいてティーチング情報68を作成し、コードリーダ51を用いて読み取られた種類を示すワーク種類識別情報にティーチング情報68が対応するように、ティーチング情報テーブル65を更新する。
【0049】
既述のエッジ探索動作では、エッジ情報72が前面エッジ31を示している場合の動作が記載されているが、他の場合でも同様に動作する。すなわち、制御装置47は、エッジ探索動作で、ワーク21のうちのエッジ情報72が示しているエッジに含まれる第1エッジ検出点と第2エッジ検出点とが検出され、ワーク21の傾きが算出される。たとえば、エッジ情報72が背面エッジ32を示している場合には、制御装置47は、エッジ探索動作で、エッジ情報72が前面エッジ31を示している場合と同様に、第1ワーク端点83と第2ワーク端点84とを検出する。エッジ情報72が背面エッジ32を示している場合には、制御装置47は、エッジ探索動作で、さらに、背面エッジ32に含まれる第1エッジ検出点と第2エッジ検出点とを検出する。たとえば、エッジ情報72が左側面エッジ33または右側面エッジ34を示している場合には、制御装置47は、エッジ探索動作で、前面エッジ31と背面エッジ32とから第1ワーク端点と第2ワーク端点とをそれぞれ検出する。たとえば、エッジ情報72が左側面エッジ33を示している場合には、制御装置47は、エッジ探索動作で、左側面エッジ33に含まれる第1エッジ検出点と第2エッジ検出点とを検出する。
【0050】
既述の原点探索動作では、原点情報71が前面左コーナー35を示している場合の動作が記載されているが、他の場合でも同様に動作する。すなわち、制御装置47は、ワーク21のうちのエッジ情報72が示しているエッジが沿う直線に光路10が沿うように、レーザ変位センサ8を並進させ、原点情報71が示すコーナーの位置を検出する。
【0051】
[撮影動作]
撮影動作は、ティーチング情報テーブル65の複数のワーク種類識別情報66のいずれかが示す種類のワークの画像を撮像するときに実行される。撮影動作では、ユーザは、コードリーダ51を用いて、ワーク21に貼付された印刷物に印刷されているコードからワーク21の種類を読み取る。制御装置47は、ティーチング情報テーブル65を参照して、複数のティーチング情報67からコードリーダ51を用いて読み取られた種類に対応する1つのティーチング情報を取得する。ユーザは、ワーク21が適切に載置された台車3を装置本体2にセットすることにより、ワーク21を装置本体2にセットする。ワーク21は、装置本体2にセットされることにより、前面23が概ねY軸方向を向くように、右側面26が概ねX軸方向を向くように、配置される。ワーク21は、前面エッジ31が沿う直線がX軸に対して傾斜するように、傾斜して配置されることがある。ユーザは、ワーク21が装置本体2にセットされた後に、スタートボタン52を押下する。
【0052】
制御装置47は、スタートボタン52が押下された後に、エッジ探索動作と原点探索動作と複数の撮影領域撮影動作とを実行する。エッジ探索動作では、制御装置47は、ティーチング動作のエッジ探索動作と同様に、その取得されたティーチング情報のエッジ情報72が示すエッジの位置を検出し、ワーク21の傾きを検出する。原点探索動作では、制御装置47は、ティーチング動作の原点探索動作と同様に、その取得されたティーチング情報の原点情報71が示すコーナーの位置を検出する。制御装置47は、さらに、ワーク21の傾きと、原点情報71が示すコーナーの位置と、その取得されたティーチング情報のサイズ情報73とに基づいて、天面22と前面23と背面24と左側面25と右側面26とがそれぞれ配置される5つの位置を算出する。
【0053】
複数の撮影領域撮影動作は、その取得されたティーチング情報の複数の撮影領域情報74に対応している。複数の撮影領域撮影動作のうちのある撮影領域情報に対応する1つの撮影領域撮影動作では、制御装置47は、その撮影領域情報が示す撮影面情報とカメラ位置情報と、その算出された撮影面の位置とに基づいて、カメラ位置を算出する。その算出されたカメラ位置の撮影面に対する相対位置は、カメラ位置情報に等しい。制御装置47は、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とを制御することにより、その算出されたカメラ位置にカメラ12を配置する。制御装置47は、カメラ12がカメラ位置に配置されているときに、カメラ12を制御することにより、ワーク21の撮影領域の画像を撮影し、その撮影された画像のデータを記憶装置61に記録する。このような撮影領域撮影動作によれば、ワーク撮影装置1は、ティーチング動作で撮影された画像と同様に、ワーク21の撮影領域の画像を適切に撮影することができる。制御装置47は、複数の撮影領域撮影動作のうちのこの撮影領域撮影動作と異なる他の撮影領域撮影動作でも撮影領域撮影動作と同様に実行する。
【0054】
制御装置47は、ワーク21の傾きに無関係にカメラ12を配置したときに、
図12に示されているように、右側面26が沿う平面に対してカメラ12の光軸98が垂直でないことがある。
図12は、ワーク21の傾きに無関係に配置されたカメラ12を示す上面図である。カメラ12は、右側面26に対して光軸98が垂直でないときに、画像の左右でピンボケが発生することがある。制御装置47は、ワーク21の傾きに基づいてカメラ12が配置されることにより、右側面26が沿う平面に対して光軸98が垂直になるように、カメラ12を配置することができ、カメラ12を用いて右側面26を適切に撮影することができる。
【0055】
ワーク21の位置検出用画像を画像処理してワーク21の位置と傾きとを検出する比較例のワーク撮影装置では、ワーク21の画像を撮像するカメラ12と別個の位置検出用カメラを設けたり、ワーク21にランドマークを貼付したりする必要がある。ワーク撮影装置1は、レーザ変位センサ8を用いてワーク21の位置と傾きとを検出しており、位置検出用カメラを設ける必要がなく、製造コストを低減でき、ワーク21にランドマークを貼付する必要がなく、撮影の作業を容易化することができる。ワーク撮影装置1は、さらに、ワーク21の画像を撮影するカメラ12を移動させるX軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とを用いてレーザ変位センサ8を移動させている。ワーク撮影装置1は、レーザ変位センサ8を移動させるアクチュエータが、カメラ12を移動させるアクチュエータと別個に設けられている比較例のワーク撮影装置に比較して、容易に作製されることができ、製造コストを低減することができる。
【0056】
[実施例1のワーク撮影装置1の効果]
実施例1のワーク撮影装置1は、入力装置45とレーザ変位センサ8とカメラ12とX軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44と制御装置47とを備えている。入力装置45は、ユーザに操作される。レーザ変位センサ8は、対象にレーザを投光することにより対象のうちのレーザが照射される照射部位が配置される位置を検出する。X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とは、カメラ12を移動させる。
【0057】
制御装置47は、入力装置45に実行されるティーチング操作に基づいてティーチング情報68を作成し、ティーチング情報68のエッジ情報72が示すエッジ上の複数の点が配置されるエッジ位置が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、ワーク21が配置される傾きをエッジ位置に基づいて算出する。制御装置47は、ティーチング情報68の撮影領域情報75と、傾きとに基づいて算出される撮影位置にカメラ12が配置されるように、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とを制御する。制御装置47は、カメラ12が撮影位置に配置されたときにワーク21の画像が撮影されるように、カメラ12を制御する。
【0058】
この場合、実施例1のワーク撮影装置1は、ワーク21に突起等がついている場合でも、エッジ位置が検出されやすいエッジをユーザが指定することにより、エッジのエッジ位置を適切に検出することができ、ワーク21の傾きを適切に導出することができる。ワーク撮影装置は、ワーク21の向きが個々で変動する場合でも、ワーク21の傾きに基づいてカメラ12を適切な向きに配置することができ、ワーク21の様々な領域を適切に撮影することができる。
【0059】
また、実施例1のワーク撮影装置1の制御装置47は、ティーチング用ワークのうちのエッジ情報72が示すティーチング用エッジが配置されるティーチング用エッジ位置が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、さらに、ティーチング用ワークが配置されるティーチング用傾きをティーチング用エッジ位置に基づいて算出する。制御装置47は、さらに、ティーチング操作のうちのカメラ移動操作に基づいてカメラ12が移動するように、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とを制御する。制御装置47は、さらに、カメラ移動操作によりカメラ12が配置された位置とティーチング用傾きに基づいて撮影領域情報を算出する。
【0060】
この場合、実施例1のワーク撮影装置1は、ワーク21の傾きが算出されていることにより、ティーチング操作のときに、ワーク21の撮影面が沿う平面に平行にカメラ12を並進させることができる。実施例1のワーク撮影装置1は、カメラ12がこのように並進することにより、ユーザがカメラ12の位置を指定する作業を容易化することができる。
【0061】
また、実施例1のワーク撮影装置1の制御装置47は、ティーチング操作のうちの撮影面指定操作に基づいて撮影領域情報の撮影面情報を取得する。制御装置47は、X軸アクチュエータ41とY軸アクチュエータ42とZ軸アクチュエータ43とカメラ回転機構44とを制御することにより、カメラ12を移動させる。制御装置47は、カメラ移動操作に基づいてカメラ12が移動するときに、ティーチング用傾きに基づいて、ティーチング用ワークのうちの撮影面情報が示す撮影面が撮影される向きにカメラ12が配置されるように、カメラ12を移動させる。
【0062】
この場合、実施例1のワーク撮影装置1は、ワーク21の傾きが算出されていることにより、ティーチング操作のときに、ワーク21のうちの撮影面が沿う面にカメラ12の光軸98が垂直になるように、カメラ12を適切に配置することができる。実施例1のワーク撮影装置1は、カメラ12が適切に配置されることにより、ユーザがカメラ12の位置を指定する作業を容易化することができる。
【0063】
また、実施例1のワーク撮影装置1は、表示装置46をさらに備えている。制御装置47は、カメラ移動操作によりカメラ12が移動している最中に、カメラ12により撮影される画像が表示されるように、表示装置46を制御する。この場合、ユーザは、表示装置46に表示される画像を確認することにより、カメラ12を適切に配置することができる。すなわち、実施例1のワーク撮影装置1は、カメラ12を配置する作業を容易化することができる。
【0064】
また、実施例1のワーク撮影装置1の制御装置47は、ティーチング用ワークのうちのティーチング情報68の原点情報が示すティーチング用原点が配置されるティーチング用原点位置が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、さらに、ティーチング操作のうちの対角位置指定操作によりティーチング用ワークのうちのレーザが照射される部位が移動するように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、さらに、対角位置指定操作により部位が配置された対角位置が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。制御装置47は、さらに、エッジ位置とティーチング用原点位置と対角位置とに基づいてティーチング情報68のサイズ情報を算出する。制御装置47は、さらに、ワーク21のうちの原点情報が示す原点が配置される原点位置が検出されるように、レーザ変位センサ8を制御する。撮影位置は、サイズ情報と原点位置とにさらに基づいて算出される。
【0065】
この場合、実施例1のワーク撮影装置1は、ワーク21の傾きが算出されていることにより、対角位置指定操作のときに、照射部位をエッジに対して平行または垂直に移動させることができる。実施例1のワーク撮影装置1は、カメラ12が適切に配置されることにより、ユーザが対角位置を指定する作業を容易化することができる。
【0066】
ところで、既述の実施例1のワーク撮影装置1は、対角位置指定操作が実行されるときに、前方向または右方向に平行に光路10が移動するようにレーザ変位センサ8を並進させるが、他の方向にレーザ変位センサ8を並進させてもよい。既述の実施例1のワーク撮影装置1は、カメラ移動操作が実行されるときに、カメラ12により撮影される画像が表示装置46に表示されているが、その画像が表示されなくてもよい。このような場合でも、ワーク撮影装置1は、ワーク21の傾きに基づいてワーク21の様々な領域を適切に撮影することができる。
【0067】
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0068】
1 :ワーク撮影装置
8 :レーザ変位センサ
12:カメラ
41:X軸アクチュエータ
42:Y軸アクチュエータ
43:Z軸アクチュエータ
44:カメラ回転機構
45:入力装置
46:表示装置
47:制御装置
68:ティーチング情報
71:原点情報
72:エッジ情報
73:サイズ情報
74:複数の撮影領域情報
75:撮影領域情報
76:撮影面情報
77:カメラ相対位置情報
81:高さ検出点
83:第1ワーク端点
84:第2ワーク端点
85:第1内分点
86:第1エッジ上点
87:第2内分点
88:第2エッジ上点