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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】田植機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20240726BHJP
【FI】
A01C11/02 350G
A01C11/02 350H
A01C11/02 350D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021064026
(22)【出願日】2021-04-05
(65)【公開番号】P2022159681
(43)【公開日】2022-10-18
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮西 吉秀
(72)【発明者】
【氏名】山内 一喜
(72)【発明者】
【氏名】西村 浩二
(72)【発明者】
【氏名】原野 朱莉
(72)【発明者】
【氏名】尼崎 喬士
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-000022(JP,U)
【文献】特開2020-092716(JP,A)
【文献】国際公開第2020/235209(WO,A1)
【文献】特開2018-174846(JP,A)
【文献】特開2016-029913(JP,A)
【文献】特開2019-083711(JP,A)
【文献】特開2021-000045(JP,A)
【文献】特開2019-165719(JP,A)
【文献】特開2019-106932(JP,A)
【文献】特開2019-047786(JP,A)
【文献】特開2020-110107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00-69/08
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体と、
前記走行機体の後方に設けられ、苗を田面に植え付ける植付部と、
前記走行機体の上方に設けられ、苗マットを前記植付部に向けて搬送する苗搬送装置と、
自機の位置を測位する衛星測位アンテナユニットと、を備え、
前記苗搬送装置は、前下がりに傾斜する状態で設けられ、前記苗マットを後上方に向けて搬送する前苗搬送装置と、前記植付部と前記前苗搬送装置との間において、後下がりに傾斜する状態で設けられ、前記前苗搬送装置からの前記苗マットを後下方に向けて搬送する後苗搬送装置と、を有し、
前記衛星測位アンテナユニットは、前記前苗搬送装置の後端部と前記後苗搬送装置の前端部との境界部よりも上側に配置され
前記前苗搬送装置の後端部を機体左右方向に沿って延びる揺動軸心周りで揺動可能に支持する搬送フレームを備え、
前記衛星測位アンテナユニットは、前記搬送フレームに支持されている田植機。
【請求項2】
前記衛星測位アンテナユニットを支持するステーを備え、
前記衛星測位アンテナユニットは、前記ステーを介して前記搬送フレームに支持されている請求項に記載の田植機。
【請求項3】
前記ステーに、前記衛星測位アンテナユニットとは別の機器が支持されている請求項に記載の田植機。
【請求項4】
前記機器として、外部と通信するための通信ユニット、遠隔操作するためのリモコン送信機の信号を受信するリモコン受信アンテナ、及び自機の状態を表示する状態表示灯のうち少なくとも何れかが備えられている請求項に記載の田植機。
【請求項5】
前記衛星測位アンテナユニットは、前記走行機体の左右中央位置に配置され、
前記機器は、前記衛星測位アンテナユニットに対して左右一方側に配置されている請求項又はに記載の田植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、田植機として、例えば、特許文献1に記載の田植機が知られている。特許文献1に記載の田植機には、走行機体(文献では「走行機体〔4〕」)と、走行機体の後方に設けられ、苗を田面に植え付ける植付部(文献では「苗植付装置〔8〕」)と、走行機体の上方に設けられ、苗マットを植付部に向けて搬送する苗搬送装置(文献では「苗搬送装置〔1〕」)と、が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-45号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の田植機では、自機の位置を測位するために、衛星測位アンテナユニットを設けることがある。しかし、特許文献1に記載の田植機では、測位を良好に行うために、衛星測位アンテナユニットを何処に配置すればよいのか何ら開示されていない。
【0005】
上記状況に鑑み、田植機において、衛星測位アンテナユニットを測位を良好に行うことが可能な位置に配置することが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、走行機体と、前記走行機体の後方に設けられ、苗を田面に植え付ける植付部と、前記走行機体の上方に設けられ、苗マットを前記植付部に向けて搬送する苗搬送装置と、自機の位置を測位する衛星測位アンテナユニットと、を備え、前記苗搬送装置は、前下がりに傾斜する状態で設けられ、前記苗マットを後上方に向けて搬送する前苗搬送装置と、前記植付部と前記前苗搬送装置との間において、後下がりに傾斜する状態で設けられ、前記前苗搬送装置からの前記苗マットを後下方に向けて搬送する後苗搬送装置と、を有し、前記衛星測位アンテナユニットは、前記前苗搬送装置の後端部と前記後苗搬送装置の前端部との境界部よりも上側に配置され、前記前苗搬送装置の後端部を機体左右方向に沿って延びる揺動軸心周りで揺動可能に支持する搬送フレームを備え、前記衛星測位アンテナユニットは、前記搬送フレームに支持されていることにある。
【0007】
本特徴構成によれば、衛星測位アンテナユニットが前苗搬送装置及び後苗搬送装置よりも高い位置に位置することになる。これにより、衛星測位アンテナユニットが衛星からの位置情報を前苗搬送装置及び後苗搬送装置に妨げられることなく、良好に受信することができる。すなわち、田植機において、衛星測位アンテナユニットを測位を良好に行うことが可能な位置に配置することを実現することができる。
【0008】
【0009】
搬送フレームは、重量物である前苗搬送装置を支持可能なほど剛性の高い部材である。
本特徴構成によれば、衛星測位アンテナユニットをしっかりと支持することができる。
【0010】
さらに、本発明において、前記衛星測位アンテナユニットを支持するステーを備え、前記衛星測位アンテナユニットは、前記ステーを介して前記搬送フレームに支持されていると好適である。
【0011】
本特徴構成によれば、ステーの長さや形状によって、衛星測位アンテナユニットの位置を設定することができる。すなわち、衛星測位アンテナユニットの位置の自由度を高めることができる。
【0012】
さらに、本発明において、前記ステーに、前記衛星測位アンテナユニットとは別の機器が支持されていると好適である。
【0013】
本特徴構成によれば、機器を支持する部材として、ステーを利用することができ、衛星測位アンテナユニットや機器を一箇所にコンパクトに配置することができる。
【0014】
さらに、本発明において、前記機器として、外部と通信するための通信ユニット、遠隔操作するためのリモコン送信機の信号を受信するリモコン受信アンテナ、及び自機の状態を表示する状態表示灯のうち少なくとも何れかが備えられていると好適である。
【0015】
本特徴構成によれば、通信ユニット、リモコン受信アンテナ及び状態表示灯のうち少なくとも何れかが、衛星測位アンテナユニットと同様に苗搬送装置及び後苗搬送装置よりも高い位置に位置することになる。これにより、機器が通信ユニットである場合は、外部との通信を前苗搬送装置及び後苗搬送装置に妨げられることなく、良好に行うことができる。また、機器がリモコン受信アンテナである場合は、リモコン送信機の信号を前苗搬送装置及び後苗搬送装置に妨げられることなく、良好に受信することができる。また、機器が状態表示灯である場合は、前苗搬送装置及び後苗搬送装置に妨げられることなく、機外から良好に視認することができる。
【0016】
さらに、本発明において、前記衛星測位アンテナユニットは、前記走行機体の左右中央位置に配置され、前記機器は、前記衛星測位アンテナユニットに対して左右一方側に配置されていると好適である。
【0017】
本特徴構成によれば、衛星測位アンテナユニットが衛星から受信した位置情報が走行機体の左右中央位置に対応することになる。これにより、自機の位置を精度良く測位することができる。また、衛星測位アンテナユニットに対して左右一方側のスペースを利用して、機器を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】田植機に係る左側面図であって、前苗搬送装置を下降させた状態を示す図である。
図2】田植機に係る左側面図であって、前苗搬送装置を上昇させた状態を示す図である。
図3】田植機を示す平面図である。
図4】衛星測位アンテナユニット及び機器の支持構造を示す平面図である。
図5】衛星測位アンテナユニット及び機器の支持構造を示す背面図である。
図6】別実施形態に係る衛星測位アンテナユニットの支持構造を示す左側面図である。
図7】別実施形態に係る衛星測位アンテナユニットの支持構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Lの方向を「機体左側」、矢印Rの方向を「機体右側」とする。
【0020】
〔田植機の全体構成〕
図1から図3には、田植機を示している。本田植機には、走行機体1と、原動部2と、運転部3と、植付部4と、苗搬送装置5と、が備えられている。走行機体1には、左右一対の前輪1Fと、左右一対の後輪1Bと、が備えられている。
【0021】
原動部2は、走行機体1上の前部に設けられている。原動部2には、エンジンEと、エンジンEを覆うボンネット6と、が備えられている。運転部3は、原動部2の後方に設けられている。運転部3には、運転者が着座する運転座席7と、走行機体1を操向操作するためのステアリングハンドル8と、が備えられている。
【0022】
植付部4は、苗を田面に植え付けるものである。本実施形態では、植付部4は、八条植型式の植付部によって構成されている。植付部4は、走行機体1の後方に設けられている。植付部4は、走行機体1の後部にリンク機構9を介して昇降可能に支持されている。植付部4には、苗マットが載置される苗載せ台10と、苗載せ台10から苗を取り出して田面に植え付ける複数(本実施形態では、八つ)の植付装置11と、が備えられている。本実施形態では、詳しくは後述するように、苗マットが苗搬送装置5によって苗載せ台10に自動的に補給されることになる。
【0023】
〔苗搬送装置〕
苗搬送装置5は、苗マットを植付部4に向けて搬送するものである。苗搬送装置5は、走行機体1の上方に設けられている。苗搬送装置5には、苗マットを後上方に向けて搬送する前苗搬送装置12と、前苗搬送装置12からの苗マットを後下方に向けて搬送する後苗搬送装置13と、が備えられている。前苗搬送装置12は、前下がりに傾斜する状態で設けられている。前苗搬送装置12には、各条の苗マットを搬送する複数(本実施形態では、八つ)の前搬送コンベア12Aが備えられている。後苗搬送装置13は、植付部4と前苗搬送装置12との間において、後下がりに傾斜する状態で設けられている。後苗搬送装置13には、各条の苗マットを搬送する複数(本実施形態では、八つ)の後搬送機構13Aが備えられている。
【0024】
前苗搬送装置12は、前下がりに傾斜した状態(図1参照)と機体前後方向に水平(又は略水平)な状態(図2参照)とに亘って、機体左右方向に沿って延びる揺動軸心X1周りで揺動昇降可能に構成されている。前苗搬送装置12の前部の左右両側部の夫々には、リンク機構15の一端部が連結されている。左右のリンク機構15の夫々には、油圧シリンダ16の一端部が連結されている。左右の油圧シリンダ16が伸縮することにより、前苗搬送装置12が左右のリンク機構15を介して揺動軸心X1周りで揺動昇降されることになる。
【0025】
前苗搬送装置12が前下がりに傾斜した状態で、前搬送コンベア12Aの前部に各条の苗マットが載せられて、各条の苗マットが前搬送コンベア12Aによって後上方に向けて搬送されることになる。そして、各条の苗マットが前苗搬送装置12の後端部から後苗搬送装置13に移送された後、各条の苗マットが後搬送機構13Aによって後下方に向けて搬送されることになる。最終的には、各条の苗マットが後苗搬送装置13の後端部から苗載せ台10に移送されることになる。こうして、苗マットが苗搬送装置5によって苗載せ台10に自動的に補給されることになる。
【0026】
〔苗搬送装置の支持構造〕
前苗搬送装置12の後端部及び後苗搬送装置13の前端部は、搬送フレーム14に支持されている。前苗搬送装置12の後端部は、搬送フレーム14に揺動軸心X1周りで揺動可能に支持されている。前苗搬送装置12の前部は、前苗搬送装置12が下降した状態で前搬送フレーム17に受け止め支持されている。後苗搬送装置13の後部は、後搬送フレーム18に支持されている。後搬送フレーム18は、機体前後方向視で略門形形状に形成されている。
【0027】
搬送フレーム14は、機体前後方向視で略門形形状に形成されている。搬送フレーム14は、運転座席7を機体左右方向に跨ぐように構成されている。搬送フレーム14には、機体左右方向に沿って延びる横フレーム部14Aと、横フレーム部14Aの左端部から下方に向かって延びる左側の縦フレーム部14Bと、横フレーム部14Aの右端部から下方に向かって延びる右側の縦フレーム部14Bと、が備えられている。横フレーム部14A、左側の縦フレーム部14B及び右側の縦フレーム部14Bは、一の丸パイプによって一体に構成されている。
【0028】
走行機体1の後部の左右両側部の夫々には、後フレーム19が設けられている。左側の縦フレーム部14Bの下端部は、左側の後フレーム19に連結されている。右側の縦フレーム部14Bの下端部は、右側の後フレーム19に連結されている。
【0029】
走行機体1の前部の左右両側部の夫々には、前フレーム20が設けられている。左側の縦フレーム部14Bと左側の前フレーム20とに亘って、左側の縦フレーム部14Bと左側の前フレーム20とを連結する左側の前連結フレーム21が設けられている。右側の縦フレーム部14Bと右側の前フレーム20とに亘って、右側の縦フレーム部14Bと右側の前フレーム20とを連結する右側の前連結フレーム21が設けられている。横フレーム部14Aの左右中央部(又は略左右中央部)と後搬送フレーム18の左右中央部(又は略左右中央部)とに亘って、横フレーム部14Aと後搬送フレーム18とを連結する後連結フレーム22が設けられている。
【0030】
左側の前フレーム20には、左側のリンク機構15の他端部及び左側の油圧シリンダ16の他端部が連結されている。右側の前フレーム20には、右側のリンク機構15の他端部及び右側の油圧シリンダ16の他端部が連結されている。
【0031】
〔衛星測位アンテナユニット〕
本田植機には、自機の位置を測位する衛星測位アンテナユニット23が備えられている。本田植機は、衛星測位アンテナユニット23の測位結果に基づいて自動運転可能に構成されている。具体的には、本田植機は、運転者が搭乗していない状態での自動運転(無人自動運転)と、運転者が搭乗している状態での自動運転(有人自動運転)と、を実現可能に構成されている。
【0032】
衛星測位アンテナユニット23は、Global Navigation Satellite System(GNSS)と称されるものである。衛星測位アンテナユニット23は、例えば、Global Positioning System(GPS)、Global Navigation Satellite System(GLONASS)、Galileo、みちびき、北斗衛星導航系統によって構成することができる。
【0033】
衛星測位アンテナユニット23は、後苗搬送装置13の上方において、揺動軸心X1よりも上側に配置されている。揺動軸心X1は、前苗搬送装置12の後端部と後苗搬送装置13の前端部との境界部Pに位置している。すなわち、衛星測位アンテナユニット23は、境界部Pよりも上側に配置されている
【0034】
図3には、走行機体1の左右中央位置をC1で示している。衛星測位アンテナユニット23は、走行機体1の左右中央位置C1に配置されている。具体的には、衛星測位アンテナユニット23は、その左右中央位置が走行機体1の左右中央位置C1と一致する位置に配置されている。
【0035】
〔機器〕
図1から図3に示すように、本田植機には、通信ユニット24と、リモコン受信アンテナ25と、状態表示灯26と、警報器27と、が備えられている。通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25、状態表示灯26及び警報器27は、夫々、本発明に係る「機器」に相当する。すなわち、本発明に係る「機器」として、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25、状態表示灯26及び警報器27が備えられている。
【0036】
通信ユニット24は、外部と通信するためのである。通信ユニット24により、クラウドシステムと通信することができる。
【0037】
リモコン受信アンテナ25は、遠隔操作するためのリモコン送信機(図示省略)の信号を受信するものである。無人自動運転において、前記リモコン送信機により、例えば、自動運転の開始や自動運転の停止、前進、後進、植付等を行うことができる。
【0038】
状態表示灯26は、自機の状態を表示するものである。状態表示灯26は、積層灯によって構成されている。無人自動運転において、状態表示灯26の点灯状態により、例えば、異常が発生していることや、自動運転中であること、自動運転が開始可能な状態であること等を外部から視認することができる。
【0039】
警報器27は、本田植機が所定の動作を行なった場合に、警報を音声で知らせるためのものである。所定の動作として、例えば、自動運転の開始や自動運転の停止、前進の開始、後進の開始、旋回の開始、植付部4の昇降等が設定されている。警報器27は、衛星測位アンテナユニット23の下方に配置されている。すなわち、衛星測位アンテナユニット23と警報器27とは、平面視で互いに重複する状態で配置されている。
【0040】
衛星測位アンテナユニット23(警報器27)、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、左側からこの順で配置されている。通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、衛星測位アンテナユニット23(警報器27)に対して左右一方側に配置されている。本実施形態では、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、衛星測位アンテナユニット23(警報器27)に対して右側に配置されている。言い換えると、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、走行機体1の左右中央位置C1に対して左右一方側(本実施形態では、右側)に配置されている。
【0041】
〔衛星測位アンテナユニット及び機器の支持構造〕
図4及び図5に示すように、衛星測位アンテナユニット23、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25、状態表示灯26及び警報器27は、ステー28に支持されている。衛星測位アンテナユニット23、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25、状態表示灯26及び警報器27は、ステー28を介して搬送フレーム14に支持されている。
【0042】
ステー28は、横フレーム部14Aから後方に向かって張り出している。すなわち、ステー28は、横フレーム部14Aに片持ち状に支持されている。ステー28には、機体左右方向に沿って延びる横ステー部28Aと、横ステー部28Aの右端部から前方に向かって延びる前ステー部28Bと、横フレーム部14Aと横ステー部28Aとに亘って設けられ、横フレーム部14Aと横ステー部28Aとを連結する左右の連結ステー部28Cと、が備えられている。
【0043】
横ステー部28A及び前ステー部28Bは、一の丸パイプによって一体に構成されている。前ステー部28Bの前端部は、右側の縦フレーム部14Bに連結されている。連結ステー部28Cの前端部は、横フレーム部14Aに連結されている。連結ステー部28Cの後端部は、横ステー部28Aに連結されている。左側の連結ステー部28Cは、横フレーム部14Aの左右中央部(又は略左右中央部)と横ステー部28Aの左端部とに亘って設けられている。右側の連結ステー部28Cは、横フレーム部14Aの右側部分と横ステー部28Aの左右中央部(又は略左右中央部)とに亘って設けられている。
【0044】
衛星測位アンテナユニット23、通信ユニット24及び警報器27は、台座29を介してステー28に支持されている。台座29には、衛星測位アンテナユニット23及び通信ユニット24が載置支持され、かつ、警報器27が吊り下げ支持されている。台座29は、横ステー部28Aの左側部分に取り付けられている。具体的には、台座29は、横ステー部28Aのうち左側の連結ステー部28Cと右側の連結ステー部28Cとの間の部分に取り付けられている。
【0045】
リモコン受信アンテナ25は、横ステー部28Aのうち右側の連結ステー部28Cよりも右側の部分に取り付けられている。具体的には、リモコン受信アンテナ25は、横ステー部28Aの左右中央部(又は略左右中央部)に取り付けられている。状態表示灯26は、横ステー部28Aの右側部分に取り付けられている。具体的には、状態表示灯26は、横ステー部28Aのうち右側の連結ステー部28Cと前ステー部28Bとの間の部分に取り付けられている。
【0046】
〔別実施形態〕
(1)図6及び図7に示すように、衛星測位アンテナユニット23は、支柱30に支持されていてもよい。支柱30は、前苗搬送装置12の左側部分と前苗搬送装置12の右側部分との間に配置されている。支柱30は、使用位置(実線で示す位置)と収納位置(二点鎖線で示す位置)とに亘って、機体左右方向に沿って延びる揺動軸心X2周りで揺動可能に構成されている。支柱30は、前苗搬送装置12を支持する前搬送フレーム31に揺動軸心X2周りで揺動可能に支持されている。苗搬送装置5は、支柱30が前記収納位置に位置していることが検知された場合に、苗マットを搬送可能に構成されている。支柱30の上端部には、衛星測位アンテナユニット23が載置支持される台座が設けられている。
前記台座は、リンク機構(図示省略)によって支柱30に対して折り畳み可能に構成されている。
【0047】
(2)上記実施形態では、衛星測位アンテナユニット23は、後苗搬送装置13の上方において、揺動軸心X1(境界部P)よりも上側に配置されている。しかし、衛星測位アンテナユニット23は、揺動軸心X1(境界部P)の直上に配置されていてもよい。あるいは、衛星測位アンテナユニット23は、前苗搬送装置12と干渉としなければ、前苗搬送装置12の上方において、揺動軸心X1(境界部P)よりも上側に配置されていてもよい。
【0048】
(3)上記実施形態では、衛星測位アンテナユニット23は、搬送フレーム14に支持されている。しかし、衛星測位アンテナユニット23は、搬送フレーム14に支持されていなくてもよい。例えば、走行機体1の横側部(例えば、運転座席7の周囲のステップ)から苗搬送装置5の横外方を通って上方に向かって延びるフレームを設けて、当該フレームに衛星測位アンテナユニット23を支持させてもよい。
【0049】
(4)上記実施形態では、本発明に係る「機器」として、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25、状態表示灯26及び警報器27(以下、これらの夫々を「上記実施形態に係る機器」という。)が備えられている。しかし、本発明に係る「機器」は、上記実施形態に係る機器に限定されるものではない。例えば、本発明に係る「機器」として、上記実施形態に係る機器のうち少なくとも何れかが省略されていてもよい。あるいは、本発明に係る「機器」として、上記実施形態に係る機器以外の機器が、上記実施形態に係る機器に加えて、あるいは、上記実施形態に係る機器のうち少なくとも何れかに代えて備えられていてもよい。
【0050】
(5)上記実施形態では、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、走行機体1の左右中央位置C1に対して右側に配置されている。しかし、通信ユニット24、リモコン受信アンテナ25及び状態表示灯26は、走行機体1の左右中央位置C1に対して左側に配置されていてもよい
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、田植機に利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 走行機体
4 植付部
5 苗搬送装置
12 前苗搬送装置
13 後苗搬送装置
14 搬送フレーム
23 衛星測位アンテナユニット
24 通信ユニット(機器)
25 リモコン受信アンテナ(機器)
26 状態表示灯(機器)
27 警報器(機器)
28 ステー
C1走行機体の左右中央位置
P 境界部
X1 揺動軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7