(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】スリープモード及び部分ネットワーキングサポートを有する物理層デバイス、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3209 20190101AFI20240726BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20240726BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
G06F1/3209
G06F1/3287
G06F3/00 R
(21)【出願番号】P 2021573460
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 US2020016645
(87)【国際公開番号】W WO2020251631
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-02-06
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】バゲット、ウィリアム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ヴェンカトラマン
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-532949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0351765(US,A1)
【文献】特開2011-138468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-1/3296
G06F 3/00
H02J 1/00-1/16
H02J 13/00
B41J 29/00-29/70
B60R 16/00-17/02
H04N 1/00
H04L 12/40-12/417
H04L 12/28;12/44-12/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチドロップネットワークのネットワークセグメント用の物理層デバイスであって、
遮断可能な電力ドメインに関連付けられた送信/受信回路と、
遮断可能な電力ドメインに関連付けられたコア論理であって、共有バスとインターフェース接続するための
物理層デバイスの1つ以上の動作を実行するように構成されているコア論理と、
遮断不可能な電力ドメインに関連付けられた電力管理論理であって、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の供給を可能及び不能にするように構成されている電力管理論理と、
を備え
、
前記送信/受信回路及び前記コア論理はそれぞれ、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の供給状態に応答した状態を示し、前記状態は、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の供給不能に応答した電力供給されていない状態、及び前記遮断可能な電力ドメインへの電力の供給可能に応答した電力供給されている状態を含む、物理層デバイス。
【請求項2】
前記物理層デバイスの入力においてアサートされたウェイクアップ信号を検出するように構成された検知回路を更に備え、前記電力管理論理は、前記検知回路による前記検出されたアサートされたウェイクアップ信号の検出に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項3】
バスアクティビティを検出するように構成されたエネルギ検出回路を更に備え、前記電力管理論理は、有効なバスアクティビティの前記エネルギ検出回路による検出に応答して、遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、請求項2に記載の物理層デバイス。
【請求項4】
前記電力管理論理は、
有効なウェイクアップ信号、及び
有効なバスアクティビティのうちの1つ以上に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項5】
前記電力管理論理は、
スリープ制御信号、
ウェイクアップ信号を受信するために割り当てられた非アクティブ入力、及び
非アクティブバスのうちの1つ以上に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を不能にするように構成されている、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項6】
前記コア論理は、スリープモードからウェイクアップすることに応答して、前記物理層デバイスの出力においてウェイクアップ信号をアサートするように構成されている、請求項1に記載の物理層デバイス。
【請求項7】
システムであって、
第1のステーションコントローラと、
第1の物理層デバイスであって、前記第1のステーションコントローラをネットワークセグメントの共有バスとインターフェース接続するように構成されている第1の物理層デバイスと、を備え、
前記第1の物理層デバイスは、前記第1のステーションコントローラ、及び前記物理層デバイスの遮断可能な電力ドメイ
ンへの電力の供給を可能及び不能にするように構成されている、システム。
【請求項8】
前記物理層デバイスは、
前記第1の物理層デバイスの遮断不可能な電力ドメインに関連付けられた電力管理論理を備え、前記電力管理論理
は前記第1のステーションコントローラへの前記電力の前記供給を可能及び不能にするように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記物理層デバイスは、
前記第1の物理層デバイスの前記遮断可能な電力ドメインに関連付けられたコア論理を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電力管理論理は、前記コア論理によって提供されたスリープ制御信号に応答して、前記第1のステーションコントローラへの電力の前記供給を不能にするように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記電力管理論理によって電力の前記供給を可能及び不能に制御する、制御レジスタを更に備え、
前記コア論理は、前記制御
レジスタを介して前記電力管理論理に前記スリープ制御信号を提供するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前
記ネットワークセグメントによってネットワークに動作可能に結合された機器を更に備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記機器に電力を供給するための遮断可能な経路を提供するように構成されたスイッチを更に備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ネットワーク用の電力制御信号を生成するように構成された電力マスタを更に備え、前記電力マスタは、ステーションのそれぞれのステーションコントローラにスリープモードに入るように指示することによって、前記ネットワークのネットワークセグメントの前記ステーションを選択的にリセットするように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ネットワーク用の電力制御信号を生成するように構成された電力マスタを更に備え、前記電力マスタは、前記共有バスにおいて電力制御信号をアサートすることによって、ネットワークセグメントのステーションがスリープモードに強制的に入らせるように構成され、前記電力制御信号は、前記ネットワークセグメントを介して伝達される通信メッセージに関連付けられたエネルギレベルとは異なるエネルギレベルを示す、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
第2のステーションコントローラと、
前
記ネットワークセグメントの第2の物理層デバイスと、を更に備え、
前記第2の物理層デバイスは、前記第1の物理層デバイスから受信したウェイクアップ信号に応答して、前記第2のステーションコントローラへの電力の供給を可能にするように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
方法であって、
該方法は、
電力スレーブの第1の電力ドメイン、及び前記電力スレーブの第2の電力ドメインへ電力を供給するステップと、
スリープ制御信号を認めること、又は
共有バスにおいてバス非アクティビティを示す信号を認めることに応答して、
前記電力スレーブの
前記第1の電力ドメインへの電力の供給を不能にするステップ
であって、
ステーションの前記第1の電力ドメインは、
物理層デバイスの送信/受信回路と、
前記物理層デバイスのコア論理と、を含み、
前記送信/受信回路及び前記コア論理はそれぞれ、前記第1の電力ドメインへの電力の供給状態に応答した状態を示し、前記状態は、前記第1の電力ドメインへの電力の供給不能に応答した電力供給されていない状態、及び前記第1の電力ドメインへの電力の供給可能に応答した電力供給されている状態を含む、ステップと、
前記電力スレーブの
前記第1の電力ドメインへの電力の前記供給が不能にされている一方で、前記電力スレーブの第2の電力ドメインへの電力の供給を継続するステップと、を含む、方法。
【請求項18】
前記認められたスリープ制御信号、又は前記共有バスにおけるバス非アクティビティを示す前記認められた信号に応答して、前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインへの電力の前記供給を不能にすることは、
前記認められたスリープ制御信号、又は
前記共有バスにおけるバス非アクティビティを示す前記認められた信号に応答して、可能化信号をデアサートし、それによって電力が前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインへ供給されるべきではないことを示すステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
バスの非アクティビティを示す前記信号を前記認めるステップは、前記信号のエネルギレベルを認めるステップと、前記エネルギレベルが有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベルとは異なると判定するステップと、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記電力スレーブの物理層デバイスの入力においてウェイクアップ信号を認めること、又は
前記共有バスにおける有効なバスアクティビティを示す信号を認めること、に応答して、電力を前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインに供給するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記認められたウェイクアップ信号、又は
前記共有バスにおける有効なバスアクティビティを示す前記認められた信号に応答して、可能化信号をアサートして、それによって、電力が前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインに供給されるべきであることを示すステップと、
前記アサートされた可能化信号に応答して、前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインへ前記電力の前記供給を開始するステップと、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
電力
を主電力ドメインに供給することに応答して、前記物理層デバイスの出力において第2のウェイクアップ信号をアサートするステップであって、前記出力は、別の物理層デバイスの入力に動作可能に結合されている、アサートするステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、「PHYSICAL LAYER DEVICE WITH SLEEP MODE AND PARTIAL NETWORKING SUPPORT AND RELATED SYSTEMS,METHODS AND DEVICES」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,226号の優先権の利益を主張するものであり、その開示及び内容の全体が参照として本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本明細書に記載される実施形態は、概して、単一ペアのイーサネットに使用されるネットワークセグメントに関し、より具体的には、マルチドロップネットワークセグメントとして構成されたネットワークセグメントに関する。いくつかの実施形態は、スリープモード及び部分ネットワークネットワーキングサポートを有する物理層デバイスに関する。いくつかの実施形態は、ネットワークのネットワークセグメントに結合されたステーションに関する。
【背景技術】
【0003】
相互接続は、ネットワークのデバイス間の通信を容易にするために広く使用されている。一般的に言えば、電気信号は、物理メディア(例えば、バス、同軸ケーブル、差動ペア、ツイストペア、又は導線の他のペア、及び場合により単に「回線」と称されるもの)上で、その物理メディアに結合されたデバイスによって送信される。
【0004】
開放型システム間相互接続モデル(OSIモデル)によれば、イーサネットベースのコンピュータネットワーキング技術は、ベースバンド伝送(すなわち、離散的な電気パルスとしての電気信号)を使用して、ネットワークデバイス間で通信されるデータパケット及び究極的にはメッセージを伝送する。OSIモデルによれば、回線のアナログドメインと、パケットシグナリングに従って動作するデータリンク層(又は、単に「リンク層」)のデジタルドメインとの間のインターフェースをとるために、物理層(PHY)デバイス又はコントローラと呼ばれる特殊回路が使用される。データリンク層は1つ以上の副層を含み得るが、イーサネットベースのコンピュータネットワーキングでは、データリンク層は、通常、物理層の制御抽象化を提供する少なくとも1つのメディアアクセス制御(MAC)層を含む。一例として、ネットワーク上の別のデバイスにデータを送信するとき、MACコントローラは、物理メディアのためのフレームを準備し、誤り訂正要素を追加し、衝突回避を実施してもよい。更に、別のデバイスからデータを受信するとき、MACコントローラは、受信したデータの完全性を確保し、より高い層のフレームを準備してもよい。
【0005】
典型的なポイントツーポイントバストポロジーは、各デバイス間の回線(例えば、専用ポイントツーポイント)又はデバイスとスイッチとの間の回線(例えば、限定することなく、スイッチドポイントツーポイント)を実装することができる。マルチドロップトポロジーでは、物理メディアは共有バスであり、各ネットワークデバイスは、例えば、物理メディアの種類(例えば、限定するものではないが、同軸、ツイストペア、差動ペア、又は導線の他のペア)に基づいて選択される回路を介して共有バスに結合される。
【0006】
専用ポイントツーポイントトポロジー又はスイッチドポイントツーポイントトポロジーなどのポイントツーポイントバストポロジーは、デバイス間のリンクが多くなることに部分的に起因して、マルチドロップトポロジーよりも多くのワイヤ及びより高価な材料を必要とする。自動車や工業などの特定の用途では、デバイスを直接接続することを困難にする物理的な制約が存在することがあり、そのため、ネットワーク又はサブネットワーク内において直接接続を必要としないか、又は同数の直接接続を必要としないトポロジー(例えば、限定することなく、マルチドロップバストポロジー)は、そのような制約の影響を受けにくくなり得る。
【0007】
ベースバンドネットワーク(例えば、これに限定しないが、マルチドロップネットワーク)にあるデバイスは、同じ物理伝送メディアを共有し、典型的には、伝送のためにそのメディアの帯域幅全体を使用する(すなわち、ベースバンド伝送において使用されるデジタル信号は、メディアの帯域幅全体を占有する)。その結果、ベースバンドネットワーク上の1つのデバイスのみが、所与の瞬間に伝送し得る。
【0008】
本開示は、特定の実施形態を具体的に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読むと、以下の説明からより容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】1つ以上の実施形態によるステーションを示す。
【
図2】1つ以上の実施形態によるネットワークの第1の使用事例を示す。
【
図3】1つ以上の実施形態によるネットワークの第2の使用事例を示す。
【
図4】1つ以上の実施形態によるネットワークの第3の使用事例を示す。
【
図5】1つ以上の実施形態による、デイジーチェーン化された電力スレーブデバイスを有するネットワークを示す。
【
図6】1つ以上の実施形態による、混合したデイジーチェーン化されたネットワークを示す。
【
図7】1つ以上の実施形態による、第1の予定された動作のタイミング図を示す。
【
図8】1つ以上の実施形態による、第2の予定された動作のタイミング図を示す。
【
図9】1つ以上の実施形態による、ウェイク移行プロセスのスイムレーン図を示す。
【
図10】1つ以上の実施形態による、スリープ移行プロセスのスイムレーン図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が用いられ得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスを変えられ得る。
【0011】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0012】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、いくつかの実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単にいくつかの実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0013】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0014】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0015】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実装され得る、又は実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来式プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成などのコンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0016】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行できる。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。更に、本明細書で開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実施され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読メディア上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されてよい、又は送信されてよい。コンピュータ可読メディアは、コンピュータ記憶メディア及び、コンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意のメディアなどの通信メディアの両方を含む。
【0017】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対する任意の言及は、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含んでよい。
【0018】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0019】
自動車、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機などの車両は、車両通信ネットワークを含んでもよい。車両通信ネットワークの複雑性は、ネットワーク内の電子デバイスやサブシステムの数に応じて変化することがある。例えば、高度車両通信ネットワークは、例えば、エンジン制御、変速機制御、安全制御(例えば、アンチロックブレーキ)、及び排出制御のための様々な制御モジュールを含んでもよい。別の非限定的な例として、高度な車両通信ネットワークは、音声及び他の情報及び娯楽システム、オンボード充電、外部カメラ、外部デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス接続性)及びドア制御(例えば、ロック、窓、サイドビューミラー)用の接続性、並びに自動車診断をサポートするためのモジュールを限定することなく含んでもよい。産業用制御、建物操作システム、建物管理システム、住宅用ユーティリティシステム、接続された照明システム、並びに制御及びセンサネットワークで使用される通信ネットワークに対しても、より一般的に、限定するものではないが、同様の考慮が起きている。
【0020】
これらのモジュールをサポートするために、車載産業は様々な通信プロトコルに依存している。10SPE(すなわち、10Mbps Single Pair Ethernet)は、IEEE Std 802.3cg(商標)-2020として米国電気電子学会(IEEE)によって現在開発中のネットワーク技術仕様である。10SPEは、ネットワークのマルチドロップバス上で軋轢のない、有界遅延(例えば、送信前にパケットが制限することなく、どのくらい遅延されるかに対する上位拘束)送信を提供するために使用されることができる。現在の草案の10SPE仕様は、通常動作に対するPHY要件を提供するが、低電力モード又はスリープモード(低電力モード、省電力モード、及びスリープモードは、本明細書ではまとめて「スリープモード」と称される)に対する要件はない。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「ウェイク」及び「ウェイキング」は、スリープモードからアウェイクモードに移行することを意味する。
【0022】
いくつかの実施形態は、一般に、限定するものでないが、マルチドロップネットワークのネットワークセグメント(限定するものではないが混合セグメントを含む)などのイーサネット通信用ネットワークセグメントのPHYに関する。このような実施形態では、PHYは、本明細書に記載されるように、自動的にかつ/又は選択的にスリープモードに出入りするように構成される。より一般的には、このようなPHYの実施形態を含むネットワークセグメントはまた、自動的にかつ/又は選択的にスリープモードに出入りすることができる。
【0023】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、ステーション100のブロック図を示す。
図1によって描かれる実施形態では、ステーション100は、ネットワークセグメント146と通信するステーションコントローラ116を含み、ネットワークセグメント146は、物理層デバイス102、共有バス134、並びにそれらの間のデバイス及び接続部を含む。より具体的には、ステーションコントローラ116は、管理インターフェース130(例えば、限定するものではないが、管理データ入出力(MDIO)インターフェース)及びデータインターフェース132(例えば、限定するものではないが、メディア独立インターフェース(MII))を介して物理層デバイス102と通信する。ステーションコントローラ116もまた、物理層デバイス102を介して共有バス134と通信し、物理層デバイス102は、ステーションコントローラ116と共有バス134との間のインターフェースとして動作することが理解され得る。図示されていないが、
図1に示すステーション100の実施形態は、管理インターフェース130及びデータインターフェース132を介して物理層デバイス102と通信するためのメディアアクセスコントローラ(MAC)を含むステーションコントローラ116を企図している。ステーション100の他の実施形態では、MACは、限定するものではないが、物理層デバイス102、物理層デバイス102又はステーションコントローラ116からの別個のデバイス、及びそれらの組み合わせと同一デバイスの一部であってもよい。
【0024】
非限定的な例として、ステーションコントローラ116は、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、及び本明細書で論じられるステーションコントローラの機能又は特徴のうちの1つ以上を実行するように構成されたステートマシンのうちの1つ以上によって実装されてもよい。開示される実施形態(例えば、限定しないが、ステーションコントローラ116)のステーションコントローラは、イーサネットネットワーキング用のステーションを含むと理解されるべきであるが、これに限定されず、他のネットワークノードコントローラを含んでもよい。
【0025】
本開示の文脈において、共有バス134は任意選択であり、必ずしもステーション100の一部ではないが、ステーション100の動作の説明を容易にするために、同様に、物理層デバイス102及び共有バス134を含むネットワークセグメント146を示すために
図1に示されている。いくつかの場合において、ネットワークセグメントは、共有バス、及びそれに動作可能に結合された物理層デバイス(例えば、限定するものではないが、物理層デバイス102)を含むことが理解され得る。そのような場合、ネットワークセグメント146は、他のネットワークセグメント部分146を含むネットワークセグメントのネットワークセグメント部分146であると理解され得る。
【0026】
ネットワークセグメント146の全てのステーション100が、特定のアプリケーションの動作に関連して必要でなくてもよい。ネットワークセグメント146の1つ以上のステーション100が、一部の時間に必要ではない場合、システム電力消費を節約するために、それらのステーション100のうちの1つ以上を電源切断することが望ましい場合がある。自動車の文脈の中では、バック方向に移動していない間に後方物体検知システムを無効化し、高速道路で走行している間にドライバ駐車支援機能を不能にすることは、システム電力消費を節約するためのそのような望ましい電源切断の非限定的な例である。1つ以上の実施形態では、ステーションコントローラ116は、限定するものではないが、上述の実施例及び他の用途において電力消費を制御することを含む、ネットワークセグメント146に関連付けられたノードの機器を制御するように構成されてもよい。
【0027】
物理層デバイス102は、少なくとも2つのパワードメイン、主電力ドメイン104、及び遮断されていない電力ドメイン108のために構成されている。物理層デバイス102のコア動作(例えば、限定することなく、(例えば、
図1においてTx/Rx142として示される送信/受信回路を介して)共有バス134へデータを送信することと、共有バス134からデータを受信することの1つ以上、同様に、ステーションコントローラ116へデータを送信することと、ステーションコントローラ116からデータを受信することの1つ以上、衝突回避、並びにトラフィックシェービング)に関与するコア論理106は、主電力ドメイン104の一部である。電力管理論理110、検知回路114及びエネルギ検出回路112は、遮断されていない電力ドメイン108の一部である。特に、主電力ドメイン104及び遮断されていない電力ドメイン108は、
図1に示されるものに追加的な回路を含んでもよい。
【0028】
主電力ドメイン104(及びそれの一部である要素)は、電源120から主電力124に供給される。特に、主電力ドメイン104への主電力124の供給は、遮断可能である。
図1に示す実施形態では、スイッチ118は、物理層デバイス102の主電力ドメイン104への主電力124の経路上に配置されている。具体的には、スイッチ118は、主電力124の経路上で電源120と主電力ドメイン104との間に位置する。
【0029】
ステーションコントローラ116はまた、電源120及びスイッチ118によって主電力124に供給される。ステーションコントローラ116、物理層デバイス102の主電力ドメイン104の要素、更に、
図1に示されていない他のデバイス、チップ、カード、及び機器は、ステーション100の主電力ドメインの一部であると理解され得る。ステーション100の文脈において、主電力ドメイン104への電力の供給を可能/不能することは、より一般的に、ステーション100の主電力ドメインへの電力の可能/不能を含むと理解されたい。
【0030】
スイッチ118の1つ以上の出力は「オフ」にされている間、スイッチ118は、主電力124が主電力ドメイン104(及びステーションコントローラ116(
図1に示される実施形態では、これもまた、スイッチ118のそれぞれの出力を介して主電力124によって供給されている))で受け取られる経路を提供しない。スイッチ118の1つ以上の出力が「オン」にされる間、スイッチ118は、主電力ドメイン104及び/又はコントローラ116で受け取られる主電力124のための経路を提供する。スイッチ118がオフである間、ステーションコントローラ116と物理層デバイス102との間の管理インターフェース130及びデータインターフェース132は非アクティブである。いくつかの実施形態では、スイッチ118の1つ以上の出力が1つ以上の他の電力経路(図示せず)を介してオフにされている間、ステーションコントローラ116の部分は、電力供給されることができる。
【0031】
開示された実施形態では、スイッチ118は、電流の流れを遮断するための当業者に既知の任意の好適なスイッチング技術であってもよい。非限定的な例として、スイッチ118は、限定するものではないが、アナログスイッチ、デジタルスイッチ、及びこれらの組み合わせであってもよい。
図1に示される実施形態では、スイッチ118は、以下により詳細に説明されるように、電力管理論理110によって提供される可能化信号126に応答して制御される(すなわち、オン及び/又はオフにされる)。このようにして、電力管理論理110は、主電力ドメイン104への電力供給を可能かつ/又は不能にすることができる(主電力ドメイン104は、「遮断可能な電力ドメイン」としても特徴付けることもできる)。
【0032】
遮断されていない電力ドメイン108及びその一部である要素は、電源120から遮断されていない電力122によって供給される。換言すれば、電源120から遮断されていない電力ドメイン108への遮断されていない電力122の経路は、遮断されていない。非限定的な例として、スイッチ118がオフにされている間、遮断されていない電力122は依然として、遮断されていない電力ドメイン108に供給される。そのため、物理層デバイス102では、電力が主電力ドメイン104に供給されない間(又は不十分な電力が供給される間)、遮断されていない電力ドメイン108に電力が供給され得る。
【0033】
特に、遮断されていない電力122及び主電力124は、同じか(すなわち、実質的に同じか)又は異なる電圧レベルで動作することができる。更に、
図1には示されていないが、いくつかの実施形態では、電圧調整器、保護回路、及び他の電気構成要素は、主電力124及び/又は遮断されていない電力122の経路に加えられることができ、非限定的な例として、ステーション100を信頼できない電源から保護するか、又は、入力が異なる電圧で動作するステーションコントローラ116及び/又は物理層デバイス102の入力に電力を供給する。
【0034】
電源120は、任意の好適な調節された、又は調節されていない電源、及びこれらの組み合わせであることができるか、若しくは、これらによって供給されることができる。非限定的な例として、電源120は、発電機、電池、又はユーティリティによって供給される電力(例えば、限定するものではないが、住宅又は商用建物向け)であってもよい。
【0035】
図1では、電源120は、主電力ドメイン104及び遮断されていない電力ドメイン108の両方に電力を供給することが示されているが、共通の電源は必ずしも必要としていない。いくつかの実施形態では、主電力ドメイン104及び遮断されていない電力ドメイン108は、異なる電源及び/又は電源によって供給されてもよい。非限定的な例として、主電力ドメイン104は、発電機によって供給されてもよく、遮断されていない電力ドメイン108は、電池によって供給されてもよく、任意選択的に、遮断されていない電力ドメイン108を供給する電池は、主電力ドメイン104を供給する同一の発電機から、又は異なる発電機から受け取った電力を保存することができる。
【0036】
電力管理論理110は、概して、主電力ドメイン104及びステーションコントローラ116への主電力124の供給を制御するように構成され、より具体的には、可能化信号126をアサート/デアサートすることによってスイッチ118をオン及びオフにするように構成される。「正論理」コンベンションと一致する企図された動作において、デアサートされた可能化信号126は、スイッチ118を「オフ」にし、主電力124は、限定するものでないが、ステーションコントローラ116及び/又はメイン電力ドメイン104を含むデバイスに供給されず、アサートされた可能化信号126は、スイッチ118を「オン」にし、主電力124は、限定するものでないが、ステーションコントローラ116及び/又はメイン電力ドメイン104を含むデバイスに供給される。限定するものではないが、「負論理」コンベンションを含む他のコンベンションが使用され得る。電力管理論理110は、エネルギ検出回路112及び検知回路114によってそれぞれ電力管理論理110に示されるように、共有バス134で検出された非アクティビティに応答して、かつ/又は、デアサートされたウェイクアップ信号128に応答して、可能化信号126をスイッチ118にデアサートするように構成され得る。更に、電力管理論理110は、共有バス134で検出されたバスアクティビティ136に応答して、又はアサートされたウェイクアップ信号128を検出することに応答して、可能化信号126をスイッチ118にアサートするように構成されてもよい。
【0037】
加えて、又は代替的に、電力管理論理110は、コア論理106からの命令、例えば、コア論理106から
図1に示す電力管理論理110へのスリープ制御信号140に応答して、可能化信号126をデアサートするように構成されてもよい。非限定的な例として、コア論理106は、電力管理論理110(別個に示されていない)の制御レジスタの電力制御ビットを設定するように構成されてもよく、電力管理論理110は、電力制御ビットが、そのような制御レジスタに設定されていることに応答して、可能化信号126をデアサートするように構成されてもよい。
【0038】
別の実施形態では、エネルギ検出回路112は、概して、バスアクティビティ136のエネルギレベルを測定し、測定されたエネルギレベルを示す値を電力管理論理110に提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギ検出回路112は、一定期間にわたって蓄積され得る電力管理論理110に値を提供するように構成されてもよく、期間の長さは、共有バスにおける意図したアクティビティと共有バスにおけるノイズとを区別するために有効な信号に関連付けられ得る。
【0039】
電力管理論理110は、エネルギ検出回路112から受信した値が指定された非アクティビティ閾値を下回ることに応答して、可能化信号126をデアサートするように構成されてもよく、エネルギ検出回路112から受信した値が指定されたアクティビティ閾値を上回ることに応答して、可能化信号126をアサートするように構成されてもよい。加えて、又は代替的に、電力管理論理110は、エネルギ検出回路112から受信した値が指定の非アクティビティ閾値を下回ることに応答して、可能化信号126をデアサートするように構成されてもよい。
【0040】
1つ以上の実施形態では、アクティビティ及び/又は非アクティビティを判定するために使用される閾値は、イーサネット信号に関連付けられたエネルギレベルに従って指定され得る。より具体的には、1つ以上の実施形態では、非アクティビティ閾値は、イーサネット信号又は他の有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベルを下回るか又はそれを上回る1つ以上のエネルギレベルとして指定されることができ(換言すれば、イーサネット信号に関連付けられたエネルギレベルの範囲外)、また、アクティビティ閾値は、イーサネット信号又は他の有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベルの範囲内の(例えば、限定するものではないが、ネットワーク上のイーサネットフレームを通信するために使用されるエネルギレベルに等しい)1つ以上のエネルギレベルとして指定されることができる。
【0041】
本明細書で論じられるように、複数のステーション及び/又はネットワークセグメントは、ネットワークを強制的に(例えば、限定することなく、伝送メディアを強制的に)非アクティブにすることによって、及び/又はネットワーク上でデータを通信するために使用される閾値を上回る(例えば、イーサネットフレームを通信するために使用されるよりも大きい)信号を提供することによって、スリープモードに置かれることができる。
【0042】
開示される実施形態では、エネルギ検出回路112は、共有バス134が当業者に知られている、アクティブ又は非アクティブであることを検出するための任意の好適な技術を使用するエネルギ検出を実行するように構成されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、ステーションコントローラ116は、主電力124が遮断された場合に、ステーション100のパワーオンリセット又は他のリセット動作を実行し、その後、ステーションコントローラ116に復元(すなわち、供給される)するように構成されてもよい。例えば、ステーション100が正しく動作していない場合、例えば、所定の期間にわたって共有バス134上で通信されないか、若しくは、予期されるときにデータ又はビーコンを送信しない場合、次いで、この異常な挙動を検出するマスターデバイス(図示せず)は、物理層デバイス102においてスリープ信号(図示せず)をアサートすることができ、ステーションコントローラ116を電源オフさせ、次いで、ウェイクアップ信号128をアサートして電源オンさせ、それによって、その(すなわち、ステーションコントローラ116)の電源オンリセットルーチンを実行し、このことがステーション100における異常な挙動を修正することになり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、物理層デバイス102は、1つ以上のウェイクアップ信号128の物理層デバイス102の出力への選択的な伝搬であるように構成され得る。一実施形態では、物理層デバイス102は、別の物理層デバイスの1つ以上の入力に(例えば、リンクによって)動作可能に結合するための1つ以上の出力を含み得、そこでは、他の物理層デバイスの入力は、ウェイクアップ信号又はスリープ信号(スリープ信号は図示せず)のためのものである。一実施形態では、電力管理論理110は、非限定的に、可能化信号126をアサートすることに応答して、ウェイクアップ信号138をアサートするように構成されてもよい。非限定的な例として、電力管理論理110は、本明細書に記載されるようなデイジーチェーン動作のために構成されていることに応答して、ウェイクアップ信号138をアサートするように構成されてもよい。特に、デイジーチェーン操作用に構成された物理層デバイス102の実施形態、及びデイジーチェーン操作用に構成されていない物理層デバイス102の実施形態が、本開示によって具体的に企図されている。
【0045】
物理層デバイス102として構成されたデバイス(例えば、マイクロコントローラ又は埋め込まれたシステム)の観点から、ウェイクアップ信号128は、ウェイクアップ入力信号(例えば、信号はデバイスの入力において見られ、入力はウェイクアップ信号128に関連付けられている)として特徴付けられることができ、また、ウェイクアップ信号138は、ウェイクアップ出力信号(例えば、信号はデバイスの出力で見られ、出力はウェイクアップ信号138に関連付けられている)として特徴付けられることができる。
【0046】
多くの利益、利点、及び使用事例が、スリープモードを出るための2つの方法、及びスリープモードに入る2つの方法を有するマルチドロップネットワークのための物理層デバイスについて、当業者によって理解されるであろう。非限定的な例として、設計上の考慮事項及び適用制約が、物理層デバイスを必要し得、このデバイスは、スリープモードに入る1つの方法とウェイクアップされる2つの方法、スリープモードに入る2つの方法とウェイクアップされる1つの方法、及びスリープモードに入る1つの方法とウェイクアップされる1つの方法を有し、かかる実施形態が、本開示によって具体的に企図されている。
【0047】
図2、
図3、及び
図4は、1つ以上の実施形態による、マルチドロップネットワークとして構成されたネットワーク200のブロック図を示す。後述するように、
図2及び
図3に示されるネットワーク200の実施形態は、概して、部分的なネットワーキングのために構成され、物理層デバイス102、ネットワークセグメント146及び
図1のステーション100のための使用事例をより一般的に示している。
【0048】
ネットワーク200は、電力マスタ202、電力スレーブ204、電力スレーブ206及び電力スレーブ208を含むことができ、これらは、限定しないが、共有バス212(例えば、マルチドロップバスとして構成される)及び有線接続214、216及び218を含む、1つ以上のバス及び有線接続を介して通信している。電力スレーブ204、電力スレーブ206及び電力スレーブ208のそれぞれは、ステーション100として構成されている。いくつかの実施形態では、電力マスタ202は、限定しないが、マルチドロップネットワーク又はネットワークの混合セグメントのためのステーション100、ネットワーキングスイッチ、又は専用電力制御デバイスであってもよく、又はそのように構成されてもよい。電力マスタ202は、概して、本明細書で説明されるように、部分的ネットワーキングを実行するための1つ以上の動作を実行するように構成されてもよい。
【0049】
ネットワーク200、より具体的には電力スレーブ204、206及び208は、共有バス212を介して、又は有線接続214、216、及び218を介して電力マスタ202によって電力スレーブ204、206及び208に提供された電力制御信号210に応答して、スリープモードに入る/スリープモードから出るように構成されてもよい。加えて、又は代替的に、ネットワーク200及び電力スレーブ204、206及び208は、電力マスタ202によって共有バス212でアサートされた電力制御信号210、及び/又は様々なネットワーク化されたデバイスによって送信されたデータフレームに応答することを含む、共有バス212のアクティビティレベルに応答して、スリープモードに入る/スリープモードから出るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、電力制御信号210は、ウェイクアップ信号(例えば、限定しないが、
図3のウェイクアップ信号220)及びスリープ信号(例えば、限定しないが、スリープ信号222)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電力制御信号210は、共有バス212において、有効なバスアクティビティ(例えば、限定されないが、イーサネットデータフレームなどのネットワーク200を介して伝達される通信メッセージに関連付けられたエネルギレベルを示す信号)、又は無効なバスアクティビティ(例えば、限定しないが、イーサネットフレームなどのネットワーク200を介して伝達される通信メッセージに関連付けられたエネルギレベルとは異なるエネルギレベルを示す信号)を表すために電力マスタ202によってアサートされた信号を含んでもよい。
【0050】
ネットワーク200の企図された動作において、電力マスタ202は、電力スレーブ204、電力スレーブ206及び電力スレーブ208に電力制御信号210を提供される。電力制御信号210に応答して、電力スレーブ204、電力スレーブ206、及び電力スレーブ208のうちの1つ以上のそれぞれのノードコントローラ(例えば、
図1のノードコントローラ116)は、それぞれの電力管理論理(例えば、
図1の電力管理論理110)に電力又は割り込み電力を供給するように命令することができ、その場合、それによって、それらのノードがスリープモードに入るか、アウェイクモードに入るかさせることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、電力制御信号210は、論理値1及び0をそれぞれ表す高電圧及び低電圧を含むデジタル信号を含んでもよい。
【0052】
別の企図された動作では、電力スレーブ204、電力スレーブ206、及び電力スレーブ208のうちの1つ以上は、共有バス212が非アクティブであること(例えば、限定しないが、バスアクティビティ136が有効なバスアクティビティに関連付けられた閾値を下回っているか、又はそれを上回る)を検出することに応答してスリープモードに入ることができる。場合によっては、電力マスタ202は、共有バス212において信号レベルを制御することができ、信号レベルが有効なバスアクティビティに対応しないようになっている。他の場合には、ネットワーク200の特定の用途に関連した特定の動作により、共有バス212においてアクティビティが存在し得ない。同様に、電力スレーブ204、電力スレーブ206、及び電力スレーブ208のうちの1つ以上は、共有バス212における有効なバスアクティビティ(例えば、限定しないが、指定された閾値又はイーサネット信号などの有効なアクティビティに関連付けられたバスアクティビティ136)を検出することに応答してアウェイクモードに入ることができる。場合によっては、電力マスタ202は、信号レベルが有効なバスアクティビティに対応するように、共有バス212における信号レベルを制御することができる。他の場合には、非限定的な例として、バスを介したデータフレームの通信により、共有バス212において有効なバスアクティビティが存在し得る。
【0053】
図3は、1つ以上の実施形態によるネットワーク200の使用ケースを示している。
図3によって企図される動作では、電力スレーブ204、電力スレーブ206及び電力スレーブ208は、電力マスタ202によってスリープモードにされているか、又は、非アクティブの共有バス212を検出することに応答してスリープモードに入る。
【0054】
電力マスタ202は、電力スレーブ204をウェイクアップするために、電源スレーブ204にウェイクアップ信号220を提供する。いくつかの実施形態では、ウェイクアップ信号220は、非限定的な例として、共有バス212及び有線接続214のうちの1つ以上を含む通信経路を介して電力マスタ202から電力スレーブ204に通信されてもよい。非限定的な例として、有線接続214は、共有バス212(例えば、限定しないが、配線、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、又はローカル相互接続ネットワーク(LIN)バス)から物理的に分離する制御バス、及び/又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0055】
ウェイクアップ信号220に応答して、電力スレーブ204は(電力スレーブ204の実線の黒輪郭によって
図3に示すように)スリープモードを出る一方で、電力スレーブ206及び電力スレーブ208は、(電力スレーブ206及び電力スレーブ208の破線の輪郭によって
図3に示すように)スリープモードに留まる。
【0056】
図4は、1つ以上の実施形態によるネットワーク200の別の使用ケースを示す。
図4によって企図される動作では、電力スレーブ204、電力スレーブ206及び電力スレーブ208は、(すなわち、スリープモードではない、本明細書で「アウェイク」モードとも呼ばれる)動作電力モードで開始する。電力マスタ202は、電力スレーブ204がスリープモードに入るように指示するために、電力スレーブ204においてスリープ信号222をアサートする。
【0057】
いくつかの実施形態では、スリープシグナル222は、電力スレーブ204のPHYデバイスで受信されたアナログ信号であることができるか、又は、電力スレーブ204をスリープモードにするようにPHYデバイスに指示するために電力スレーブ204のノードコントローラにコマンドを伝えるデジタル信号であることができる。スリープシグナル222は、共有バス212から物理的に分離された制御バス(例えば、限定しないが、配線、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、又はローカル相互接続ネットワーク(LIN)バス)、及び/又はこれらの組み合わせを介して提供されてもよい。
図1を再び参照すると、スリープ信号222におけるスリープ指示は、デジタル信号の2つの論理レベルのうちの1つに対応し得る(例えば、論理‘0’又は論理「1」に対応する)。更に、ウェイクアップ信号128及び/又はウェイクアップ信号138におけるウェイクアップ指示は、デジタル信号の2つの論理レベルの他方に対応することができる。電力マスタ202から電力スレーブ204への直接接続を介したアナログ通信の場合、ウェイクアップ信号は、高信号(例えば、限定することなく3ボルト)に対応することができ、スリープ信号222は低信号に対応することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、スリープ信号は、電力スレーブ204のノードコントローラによって受信される、より高いレベルのプロトコルコマンドとしてネットワーク200によって提供されてもよく、電力スレーブ204のステーションコントローラ116は、(例えば、電力管理制御レジスタ、図示せず、のスリープビットを制限なしに設定することにより)スリープ信号222をアサートすることによって電力スレーブ204の電力スレーブ204をスリープモードにするように電力管理論理110に命令できる。
【0059】
スリープ信号222に応答して、電力スレーブ204はスリープモードに入り(破線の輪郭によって
図4に示されるように)、電力スレーブ206及び電力スレーブ208は、動作電力モードに留まる(実線の輪郭によって
図4に示されるように)。特に、電力スレーブ204がスリープモードに留まるべき場合には、電力マスタ202は、スリープ信号222をアサートし続けることができ、そうでない場合、共有バス212でのアクティビティ(例えば、電力スレーブ206と電力スレーブ208との間にある)が電力スレーブ204をウェイクアップすることができる。
【0060】
図3及び
図4を参照して説明した方法では、電力マスタ202は、ネットワークの1つ以上の他の電力スレーブがスリープモードに留まる間に、ウェイクアップ信号220を使用して、選択的にネットワーク200の電力スレーブがスリープモードを出るようにすることができ、また、1つ以上の他の電力スレーブがアウェイクにある間に、スリープ信号222を使用して、選択的にネットワークの電力スレーブがスリープモードに入るようにすることができる。別の言い方をすれば、ネットワーク200は、ネットワークの別の部分がスリープ状態にある間にネットワークの一部分がアウェイクされ得るように構成される。
【0061】
図5は、ネットワーク500の一実施形態のブロック図を示し、1つ以上の実施形態に従って、共有バス510に動作可能に結合された電力スレーブデバイスが互いにデイジーチェーン化されている。より具体的には、電力スレーブ504の出力は、ウェイクアップ信号について監視される電力スレーブ506の入力に(接続部516によって)動作可能に結合され、電力スレーブ506の出力は、ウェイクアップ信号について監視される電力スレーブ508の入力に(接続部518によって)動作可能に結合されている。電力マスタ502は、それぞれの接続部520、522及び524によって電力スレーブ504、506及び508の各々に動作可能に接続されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、ウェイクアップ信号514(及び
図1のウェイクアップ信号138)は、有線接続516を介して電力スレーブ504から電力スレーブ506に通信されてもよい。非限定的な例として、自動車ネットワークの場合、有線接続516と同様に、電力スレーブ506から電力スレーブ508への有線接続518は、自動車のワイヤリングハーネス内のワイヤであり得る。
【0063】
この実施形態では、物理層デバイスの電力マネージャ(例えば、物理層デバイス102の電力管理論理110に類似するもの)が、入力でアサートされたウェイクアップ信号を検出することに応答して、物理層デバイス及びその関連ノードをウェイクアップするとき、次に、ウェイクアップに応答して、電力マネージャ―がデイジーチェーン内の別の電力スレーブの入力に結合されているその出力においてウェイクアップ信号をアサートし、全ての電力スレーブがアウェイクになるまでそれを続ける。
【0064】
図5で企図される例では、電力スレーブ504、電力スレーブ506及び電力スレーブ508は、スリープモードにあり、上述のようなデイジーチェーン構成にある。電力マスタ502は、電力スレーブ504においてウェイクアップ信号512をアサートする。ウェイクアップすると、電力スレーブ504は、電力スレーブ506において有線接続516を介してウェイクアップ信号514をアサートする。
図5には示されていないが、ウェイクアップすると、電力スレーブ506は、電力スレーブ508において有線接続518を介してウェイクアップ信号をアサートする。電力スレーブ504、506と電力スレーブ508との間の接続は、一般的に、特定の実装に応じて、一方向通信用に構成され得、また、双方向通信用に構成され得、電力スレーブ506から電力スレーブ504へ、かつ、電力スレーブ508から電力スレーブ506へウェイクアップ信号を伝達することができることを理解されたい。
【0065】
いくつかの実施形態では、各有線接続516、518及び526は、電力スレーブ504、506及び508の間の双方向通信のための接続を表し得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク500における通信は、電力スレーブ504、506及び508のウェイクアップを任意の順序で促すように構成されてもよい。
【0066】
一実施形態では、デイジーチェーン構成でのウェイクアップ順序を構成することを容易にするために、電力スレーブ504、506及び508は各々が、1つ以上の他の電力スレーブの対応する入力又は出力への、有線接続516、518及び526を介した動作可能な接続用の1つ以上の出力及び入力を含むことができる。このような接続の各々は、本明細書に記載される実施形態により、ウェイクアップ信号通信のために可能/不能にされ得る。
【0067】
別の実施形態では、デイジーチェーン構成でウェイクアップ順序を構成することを促すために、電力スレーブ504、506及び508の各々が、共有バス510から分離したバスに動作可能に結合されることができ(例えば、ネットワーク500は、有線接続部516、518及び526を含むか、又はそれに接続されるバスを含んでもよく、そのようなバスは、
図5には具体的に示されていない)、このバスは、任意の順序で電力スレーブ504、506及び508間で通信されるウェイクアップ信号(例えば、限定しないが、ウェイクアップ信号514、より一般的には、
図1のウェイクアップ信号138)の送信及び受信を可能/不能にするためのアドレス指定をサポートする。ウェイクアップ順序を構成する非限定的な例として、電力スレーブ504、506及び508の各々は、特定のアドレスに関連付けられた電力スレーブにウェイクアップ信号138を送信するように予め構成されてもよい。ウェイクアップ順序を構成する別の非限定的な例として、電力マスタ502は、ウェイクアップ信号512内にメッセージを含んでもよく、このメッセージは、アドレス及びウェイクアップ順序情報を含み得、電力スレーブ504、506及び/又は508は、ウェイクアップ信号を判定し、ウェイクアップ順序で規定された次の電力スレーブにウェイクアップ信号を送信するために使用することができる。
【0068】
非限定的な例として、1つ以上の実施形態に従って通信の順序を可能/不能にするように構成することは、電力マスタ502、より高次の電力マスタ(図示せず)、又はネットワーク500が展開されたときのシステムアーキテクチャによって実行されてもよい。
【0069】
図5に示す実施形態によるネットワーク及びネットワークセグメントのための使用事例では、電力マスタ502は、特定の順序で電力スレーブデバイスをウェイクアップすることができる。
図5によって企図されるウェイクアップ動作の一実施形態では、ウェイクアップ順序は、電力スレーブ504、電力スレーブ506及び電力スレーブ508である。別の企図される動作では、電力マスタ502は、初めに、有線接続522を介して電力スレーブ506においてウェイクアップ信号をアサートすることができ、ウェイクアップすると、有線接続518を介して電力スレーブ508においてウェイクアップ信号をアサートし、ウェイクアップすると、(有線接続526を介して)電力スレーブ504でウェイクアップ信号をアサートする。電力マスタ502から電力スレーブ506及び電力スレーブ508への点線の通信接続は、いくつかの実施形態において、電力マスタ502が、スレーブデバイス504、506、及び508のウェイクアップシーケンスを選択するために構成され得ることを描くために示されており、非限定的な例として、電力スレーブ506又は508へのウェイクアップ信号で開始し、特定のアプリケーションが、リセットされるノードの特定の順序を必要とするか、又は好む場合がある、マルチドロップ又は混合ネットワークに対するアプリケーション要件に基づいている。
【0070】
図6は、ネットワーク612及びネットワーク614がデイジーチェーン化された混合ネットワーク600の実施形態を示す。
図6に示す実施形態では、ネットワーク612の電力マスタ604及びネットワーク614の電力マスタ602は、デイジーチェーン実装のために構成された、
図1の物理層デバイス102を含む。
【0071】
企図された動作では、ネットワーク612の電力マスタ604は、非限定的な例として、別のネットワーク又は高レベルの電力マスタから受信したウェイクアップ信号608に応答して、ウェイクアップ信号をアサートするか、又は開示された実施形態に従って共有バス上のアクティビティレベルを設定することによって、ネットワーク612の電力スレーブをウェイクアップする。
【0072】
リンク606は、電力マスタ604と電力マスタ602との間の通信経路を提供し、電力マスタ604と電力マスタ602との間のバス及び有線接続部のうちの1つ以上を含み得る。
【0073】
電力マスタ604は、リンク606を使用して、電力マスタ602においてウェイクアップ信号610をアサートする。ウェイクアップ信号610がアサートされたことに応答して、電力マスタ602は、開示された実施形態に従って、ウェイクアップ信号をアサートすることによって、又はアクティビティレベルを共有バス上に設定することによって、ネットワーク614の電力スレーブをウェイクアップする。ネットワーク612とネットワーク614とともにデイジーチェーンの一部である別のネットワークがウェイクアップ信号を受信していない場合、電力マスタ602は、そのネットワークの電力マスタのためにウェイクアップ信号をアサートすることができ、それを継続する。
【0074】
図7は、1つ以上の実施形態による、ステーション100の、より具体的にはネットワークセグメント146の企図された動作のためのタイミング
図700を示す。タイミング
図700の信号は、
図1に示す信号に対応しており、具体的には、遮断されていない電力122、主電力124、可能化信号126、ウェイクアップ信号128、任意選択のウェイクアップ信号138、及びスリープ制御信号140に対応している。
【0075】
図7に示す信号の中で、信号は意図されるウェイク移行に関連付けられている(すなわち、ウェイクモードに入ることに関連する)。時間702において、物理層デバイス102の入力においてウェイクアップ信号128がアサートされる。時間704における有効なウェイクアップ信号128の検出に応答して、電力管理論理110は、可能化信号126をアサートする。ウェイクアップ信号128は、非限定的な例として、
図1の検知回路114を検知されることによって検出されてもよく、それに応答して、有効なウェイクアップ信号128の電力管理論理110に通知する。特に、遮断されていない電力122は、限定しないが、電力管理論理110、エネルギ検出回路112及び検知回路114などの、遮断されていない電力ドメイン108の要素を供給する。
【0076】
いくつかの実施形態では、電力管理論理110及び/又は検知回路114は、ウェイクアップ信号128が、有効なウェイクアップ信号に対応する(
図7では、twipに対応する時間)に対応する特定の期間(又は少なくとも特定の期間)にわたってアサートされたままであることを検出することに応答して、有効なウェイクアップ信号を検出するように構成されてもよい。有効なウェイクアップ信号の最小期間を指定することによって、ネットワークセグメントは、物理層デバイスの入力で検出されたいくつかの過渡信号に応答して、スリープモードを出ることはない。いくつかの実施形態では、有効なウェイクアップ信号128が検出されたときと、時間704において可能化信号126がアサートされるときとの間には、
図7の期間twinとして示されるいくらかの遅延が存在し得る。
【0077】
可能化信号126のアサーションに応答して、時間706において主電力124は、限定しないが、スイッチオンされ、物理層デバイス102及び/又はステーションコントローラ116の主電力ドメイン104などの、ネットワークセグメントの要素に供給される。いくつかの実施形態では、時間704において可能化信号126がアサートされたときと、主電力124がスイッチオンされて供給されるときとの間に、
図7において時間期間tivpとして示される遅延が存在し得る。
【0078】
主電力124がスイッチオンされた後、時間708にて、ウェイクアップ信号138がコア論理106によってアサートされて、デイジーチェーン内の次のネットワークセグメントに有効なウェイクアップ信号を生成する。いくつかの実施形態では、時間706において主電力124がスイッチオンにされるときと、ウェイクアップ信号138が時間708においてアサートされるときとの間には、
図7において期間tvwoとして示される遅延が存在し得る。
【0079】
上述のように、いくつかの実施形態では、有効なウェイクアップ信号は、有効なウェイクアップ信号に対応するように予め指定されているある期間にわたってアサートされているウェイクアップ信号に応答して検出されてもよい。そのため、コア論理106は、有効なウェイクアップ信号を検出するために、デイジーチェーン内の次のネットワークセグメントによって使用される予め指定された期間twopに対応する期間にわたり、ウェイクアップ信号138をアサートするように構成されてもよい。
【0080】
図7にはまた、1つ以上の実施形態による企図されるスリープ移行に関連付けられた(すなわち、スリープモードに入ることに関連付けられた)信号も示されている。時間710において、スリープ制御レジスタの制御ビットは、スリープモードに入る/出ることを制御するために設定されている。
図7に示す企図された動作において、スリープ制御信号140は、ウェイクアップ信号128が予め指定された期間twis(すなわち、タイムアウト状態)に対してデアサートされていることに応答して、アサートされる(すなわち、制御ビットがスリープ制御レジスタのために設定されている)。
【0081】
非限定的な例として、タイムアウト条件は、指定された期間にわたってバスが非アクティブであり得るか、又は有効なウェイクアップ信号が指定された期間にわたり検出されていないことであり得る。いくつかの実施形態では、ネットワークの1つ以上のネットワークセグメントによってバスアクティビティタイムアウトを防止することが望ましいことがある。電力マスタは、マルチドロップバスにおいて、有効なバスアクティビティを表すように構成され、ネットワーク内の様々なネットワークセグメントによって有効なバスアクティビティとして検出可能である信号を周期的にアサートするように構成されてもよい。
【0082】
時間712において、電力管理論理110は、期間tstiにわたってアサートされているスリープ制御信号140に応答して、可能化信号126をデアサートする。時間714では、主電力124がスイッチオフされる。いくつかの実施形態では、可能化信号126がデアサートされて主電力12
4がオフにされたときからの、
図7で期間tivpとして示される遅延が存在し得る。
【0083】
特に、時間714において主電力124がスイッチオフされた後、遮断されていない電力122はオンであることを維持し、遮断されていない電力ドメイン108の要素を供給する。
【0084】
図8は、1つ以上の実施形態による、ネットワークセグメント100の企図された動作のためのタイミング
図800を示す。タイミング
図800の信号は、
図1に示す信号に対応しており、具体的には、遮断されていない電力122、主電力124、可能化信号126、バスアクティビティ136、任意選択のウェイクアップ信号138、及びスリープ制御信号140に対応している。
図7における期間twip、twin、tivp、tvwo、twop、tsti及びtivpの説明は、
図8の同様にラベル付けされた期間にも適用される。
【0085】
なかでも、
図8に示された信号は、1つ以上の実施形態によるWAKE移行(すなわち、ウェイクモードに入る)に関連付けられた信号である。時間802では、共有バス134におけるデータフレーム(ここでは、ディファレンシャルマンチェスタ符号化(DME)フレームにおける擬似バイナリシーケンス(PRBS)に応答してバスアクティビティ136が検出される。バスアクティビティ136に応答して、時間804において電力管理論理110は、可能化信号126をアサートし、可能化信号126のアサートに応答して、時間806において主電力124がスイッチオンされ、限定しないが、物理層デバイス102及び/又はステーションコントローラ116の主電力ドメイン104などの、ネットワークセグメントの要素に供給される。
【0086】
一実施形態では、電力管理論理110及び/又はエネルギ検出回路112は、バスアクティビティ136が指定された期間にわたりアクティブを維持していることを検出したことに応答して、共有バス134での有効なアクティビティを検出するように構成されてもよく、
図8では、指定された期間は、期間twipである。非限定的な例として、期間twipは、データフレームの長さ、制御フレームの長さ、又はバス上のノイズに対応しないと理解される時間に対応し得る。有効なアクティビティの期間を指定することによって、ネットワークセグメントは、共有バス134上のいくつかの過渡信号に応答して、スリープモードを出ることはない。
【0087】
時間806で主電力124がスイッチオンされた後、ウェイクアップ信号138が、時間808でコア論理106によってアサートされて、デイジーチェーン内の次のネットワークセグメントのために有効な、ここでは期間twopを有するウェイクアップ信号を生成する。
【0088】
特に、データフレーム810が到着すると、主電力ドメイン104は通常動作し、データフレームを受信することができる。
【0089】
1つ以上の実施形態による、企図されるSLEEP移行(すなわち、スリープモードに入る)のための信号が、同様に
図8に示されている。時間810において、スリープモードに入る/出ることを制御するために、制御レジスタの制御ビットが設定される。非限定的な例として、制御ビットは、タイムアウト条件を検出するように構成された、コア論理106又は電力管理論理110の非アクティビティ検出論理によって設定されてもよい。非限定的な例として、タイムアウト条件は、指定された期間にわたってバスが非アクティブであることであり得るか、又は有効なウェイクアップ信号が指定された期間にわたり検出されていないことであり得る。
【0090】
時間812において、電力管理論理110は、スリープ制御信号140がアサートされていること(すなわち、スリープ制御ビットがスリープ制御レジスタに設定されていること)に応答して、可能化信号126をデアサートする。時間814では、主電力124がスイッチオフされる。特に、時間814において主電力124がオフにされた後、遮断されていない電力122はオンであることを維持し、遮断されていない電力ドメイン108の要素を供給する。
【0091】
図9は、1つ以上の実施形態による、ウェイク移行プロセス900のスイムレーン図を示す。
【0092】
動作902では、プロセス900は、ウェイクアップ信号が、電力スレーブ(例えば、電力スレーブ204)への直接接続でアサート(例えば、電力マスタ202によってアサートされる)されており、又は代替的に、共有バスにおける(例えば、電力マスタ202によってアサートされた)有効なバスアクティビティを示す信号をアサートする。一実施形態では、信号が有効なバスアクティビティを示す場合、次いで、信号は有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベル(例えば、限定しないが、イーサネットデータフレームのエネルギレベル)に対応するエネルギレベルによって特徴付けられる。
【0093】
動作904では、プロセス900は、電力スレーブ204の物理層デバイスの入力でウェイクアップ信号を認める(例えば、電力スレーブ204によって認める)、又は代替的に、共有バスにおける有効なバスアクティビティを示す信号を認める(例えば、電力スレーブ204によって認められる)。
【0094】
動作906では、プロセス900は、可能化信号を(例えば、電力スレーブ204によって)アサートし、それによって、認められたウェイクアップ信号に応答して、又は代替的に有効なバスアクティビティを示す認められた信号に応答して、電力を電力スレーブの第1の(例えば、メイン)電力ドメインに供給すべきであることを示す。
【0095】
動作908では、プロセス900は、認められたウェイクアップ信号に応答して、又は代替的に、有効なバスアクティビティを示す認められた信号に応答して、電力を電力スレーブ204の第1の(例えば、メイン)電源ドメインに供給する。より具体的には、動作906においてアサートされた可能化信号に応答して、電力が電力スレーブ204の第1の(例えば、メイン)電力ドメインに供給される。
【0096】
動作910では、プロセス900は、主電力ドメインに電力を供給することに応答して、電力スレーブ204の物理層デバイスの出力において、第2のウェイクアップ信号(例えば、電力スレーブ204によってアサートされた)を任意選択的にアサートする。出力は、別の電力スレーブの物理層デバイスの入力に動作可能に結合されるため、出力にアサートされるウェイクアップ信号は、他の電力スレーブの他の物理層デバイスの入力においてアサートされる。
【0097】
図10は、1つ以上の実施形態による、スリープ移行プロセス1000のスイムレーン図を示す。
【0098】
動作1002では、プロセス1000は、共有バスにおいて、又は電力スレーブ(例えば、電力スレーブ204へ)への直接接続においてスリープ信号(例えば、電力マスタ202によってアサートされた)をアサートするか、若しくは、代替的に共有バスにおいて(例えば、電力マスタ202によってアサートされた)バスの非アクティビティを示す信号をアサートする。一実施形態では、バスの非アクティビティを示す信号をアサートする場合、信号は、有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベルとは異なる(例えば、限定しないが、イーサネット信号とは異なる)エネルギレベルによって特徴付けられる。
【0099】
動作1004では、プロセス1000は、電力スレーブ204の物理層デバイスの入力又は共有バスにおいてアサートされたスリープ信号を認める(例えば、電力スレーブ204によって認められる)、又は、代替的に、共有バスにおいてバスの非アクティビティを示す信号を認める(例えば、電力スレーブ204によって認められる)。
【0100】
動作1006では、プロセス1000は、可能化信号(例えば、電力スレーブ204によってデアサートされたもの)をデアサートし、それによって、認められたスリープ信号に応答して、又は、代替的に、認められたバスの非アクティビティに応答して、電力が電力スレーブの第1の(例えば、メイン)電力ドメインに供給されるべきではないことを示す。
【0101】
動作1008では、プロセス1000は、認められたスリープ信号に応答して、又は、代替的に、認められたバスの非アクティビティに応答して、電力スレーブ204の第1の(例えば、メイン)電力ドメインへの電力の供給を不能にする(例えば、限定しないが、
図1の主電力124を伝達するためのスイッチ118をオフにする)。より具体的には、プロセス1000は、デアサートされた可能化信号に応答して、電力スレーブ204の第1の(例えば、メイン)電力ドメインへの電力の供給を不能にする。
【0102】
動作1010では、プロセス1000は、電力スレーブの第1の(例えば、メイン)電力ドメインへの電力供給が不能にされている間に、電力スレーブ204の第2の(例えば、遮断不可能な)電力ドメインに電力(例えば、限定しないが、
図1の電源120によって供給される遮断不可能な電力122)を供給し続ける。
【0103】
動作1012では、プロセス1000は、ウェイクアップ信号のための電力スレーブ204の物理層デバイスの入力を監視(例えば、電力スレーブ204の第2の電力ドメインに関連付けられた回路によって監視される)する、かつ/又は有効なバスアクティビティのために共有バスを監視する。
【0104】
本開示で使用される用語、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)において使用される用語は、一般に「オープン」用語として意図される(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「含んでいるが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している」という用語は、「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、限定することなく、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである。
【0105】
加えて、特定の数の導入された請求項列挙が意図される場合、このような意図は請求項に明示的に列挙されることになり、このような列挙がない場合には、このような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の請求項は、請求項の列挙を導入するための導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含むことがある。しかし、このような語句の使用は、たとえ同じ請求項が導入語句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」又は「an」による請求項列挙の導入が、そのような導入された請求項列挙を含む任意の特定の請求項を、そのような列挙のうちの1つのみを含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)。請求項列挙を導入するために使用される明確な冠詞の使用についても同じことが当てはまる。
【0106】
加えて、導入された請求項列挙の特定の数が明示的に列挙されている場合であっても、当業者は、このような列挙が少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであることを、認識するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの列挙」の明白な列挙は、少なくとも2つの列挙又は2つ以上の列挙を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した慣例が使用される場合、一般に、このような構造は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、又はA、B、及びCを一緒に含むことを意図する。
【0107】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は語句は、説明、請求項、又は図面のいずれかにおいて、用語のうちの1つ、用語のいずれか又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0108】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
【0109】
実施形態1:マルチドロップネットワークのネットワークセグメント用の物理層デバイスであって、遮断可能な電力ドメインに関連付けられたコア論理であって、共有バスとインターフェース接続するための1つ以上の動作を実行するように構成されているコア論理と、遮断不可能な電力ドメインに関連付けられた電力管理論理であって、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の供給を可能及び不能にするように構成されている電力管理論理と、を備える、物理層デバイス。
【0110】
実施形態2:前記物理層デバイスの入力においてアサートされたウェイクアップ信号を検出するように構成された検知回路を更に備え、前記電力管理論理は、前記検知回路による前記検出されたアサートされたウェイクアップ信号の検出に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、実施形態1による物理層デバイス。
【0111】
実施形態3:バスアクティビティを検出するように構成されたエネルギ検出回路を更に備え、前記電力管理論理は、有効なバスアクティビティの前記エネルギ検出回路による検出に応答して、遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、実施形態1及び2のいずれかによる物理層デバイス。
【0112】
実施形態4:前記電力管理論理は、有効なウェイクアップ信号、及び有効なバスアクティビティのうちの1つ以上に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を可能にするように構成されている、実施形態1~3のいずれかによる物理層デバイス。
【0113】
実施形態5:前記電力管理論理は、スリープ制御信号、ウェイクアップ信号を受信するために割り当てられた非アクティブ入力、及び非アクティブバスのうち1つ以上に応答して、前記遮断可能な電力ドメインへの電力の前記供給を不能にするように構成されている、実施形態1~4のいずれかによる物理層デバイス。
【0114】
実施形態6:前記コア論理は、スリープモードからウェイクアップすることに応答して、前記物理層デバイスの出力においてウェイクアップ信号をアサートするように構成されている、実施形態1~5のいずれかによる物理層デバイス。
【0115】
実施形態7:システムであって、第1のステーションコントローラと、第1の物理層デバイスであって、前記第1のステーションコントローラをネットワークセグメントの共有バスとインターフェース接続するように構成されている第1の物理層デバイスと、を備え、前記第1の物理層デバイスは、前記第1のステーションコントローラ、及び前記物理層デバイスの遮断可能な電力ドメインのうちの1つ以上への電力の供給を可能及び不能にするように構成されている、システム。
【0116】
実施形態8:前記物理層デバイスは、前記第1の物理層デバイスの遮断不可能な電力ドメインに関連付けられた電力管理論理を備え、前記電力管理論理は前記第1のステーションコントローラへの前記電力の前記供給を可能及び不能にするように構成されている、実施形態7によるシステム。
【0117】
実施形態9:前記物理層デバイスは、前記第1の物理層デバイスの前記遮断可能な電力ドメインに関連付けられたコア論理を備える、実施形態7及び8のいずれかによるシステム。
【0118】
実施形態10:前記電力管理論理は、前記コア論理によって提供されたスリープ制御信号に応答して、前記第1のステーションコントローラへの電力の前記供給を不能にするように構成されている、実施形態7~9のいずれかによるシステム。
【0119】
実施形態11:前記第1の物理層デバイスと前記第1のステーションコントローラを動作可能に結合する制御バスを更に備え、前記コア論理は、前記制御バスを介して前記電力管理論理に前記スリープ制御信号を提供するように構成されている、実施形態7~10のいずれかによるシステム。
【0120】
実施形態12:前記第1のネットワークセグメントによってネットワークに動作可能に結合された機器を更に備える、実施形態7~11のいずれかによるシステム。
【0121】
実施形態13:前記機器に電力を供給するための遮断可能な経路を提供するように構成されたスイッチを更に備える、実施形態7~12のいずれかによるシステム。
【0122】
実施形態14:ネットワーク用の電力制御信号を生成するように構成された電力マスタを更に備え、前記電力マスタは、ステーションのそれぞれのステーションコントローラにスリープモードに入るように指示することによって、前記ネットワークのネットワークセグメントのステーションを選択的にリセットするように構成されている、実施形態7~13のいずれかによるシステム。
【0123】
実施形態15:ネットワーク用の電力制御信号を生成するように構成された電力マスタを更に備え、前記電力マスタは、前記共有バスにおいて電力制御信号をアサートすることによって、ネットワークセグメントのステーションがスリープモードに強制的に入らせるように構成され、前記電力制御信号は、前記ネットワークセグメントを介して伝達される通信メッセージに関連付けられたエネルギレベルとは異なるエネルギレベルを示す、実施形態7~14のいずれかによるシステム。
【0124】
実施形態16:第2のステーションコントローラと、前記第1のネットワークセグメントの第2の物理層デバイスと、を更に備え、前記第2の物理層デバイスは、前記第1の物理層デバイスから受信したウェイクアップ信号に応答して、前記第2のステーションコントローラへの電力の供給を可能にするように構成されている、実施形態7~15のいずれかによるシステム。
【0125】
実施形態17:方法であって、スリープ制御信号を受信することと、又は共有バスにおいてバスの非アクティビティを示す信号を認めることに応答して、電力スレーブの第1の電力ドメインへの電力の供給を不能にするステップと、前記電力スレーブの主電力ドメインへの電力の前記供給が不能にされている一方で、前記電力スレーブの第2の電力ドメインへの電力の供給を継続するステップと、を含む、方法。
【0126】
実施形態18:前記認められたスリープ制御信号、又は前記共有バスにおけるバス非アクティビティを示す前記認められた信号に応答して、前記電力スレーブの第1の電力ドメインへの電力の前記供給を不能にすることは、前記認められたスリープ制御信号、又は前記共有バスにおけるバス非アクティビティを示す前記認められた信号に応答して、可能化信号をデアサートし、それによって電力が前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインへ供給されるべきではないことを示すステップを含む、実施形態17による方法。
【0127】
実施形態19:バス非アクティビティを示す前記信号を前記認めるステップは、前記信号のエネルギレベルを認めるステップと、前記エネルギレベルが有効な通信信号に関連付けられたエネルギレベルとは異なると判定するステップと、を含む、実施形態17及び18のいずれかによる方法。
【0128】
実施形態20:前記電力スレーブの物理層デバイスの入力でウェイクアップ信号を認めること、又は前記共有バスにおける有効なバスアクティビティを示す信号を認めること、に応答して、電力を前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインに供給するステップを更に含む、実施形態17~19のいずれかによる方法。
【0129】
実施形態21:前記認められたウェイクアップ信号、又は前記共有バスにおける有効なバスアクティビティを示す前記認められた信号に応答して、可能化信号をアサートして、それによって、電力が前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインに供給されるべきであることを示すステップと、前記アサートされた可能化信号に応答して、前記電力スレーブの前記第1の電力ドメインへ前記電力の前記供給を開始するステップと、を更に含む、実施形態17~20のいずれかによる方法。
【0130】
実施形態22:電力を前記主電力ドメインに供給することに応答して、前記物理層デバイスの出力において第2のウェイクアップ信号をアサートするステップであって、前記出力は、別の物理層デバイスの入力に動作可能に結合されている、アサートするステップを更に含む、実施形態17~21のいずれかによる方法。
【0131】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物とともに特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。