(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】エッチング組成物
(51)【国際特許分類】
H01L 21/308 20060101AFI20240726BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20240726BHJP
C23F 1/28 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
H01L21/308 F
H01L21/306 F
C23F1/28
(21)【出願番号】P 2021573938
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 US2020035697
(87)【国際公開番号】W WO2020251800
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-02
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514251329
【氏名又は名称】フジフイルム エレクトロニック マテリアルズ ユー.エス.エー., インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クニール、エミル エー.
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-140651(JP,A)
【文献】国際公開第2014/168037(WO,A1)
【文献】特表2017-513238(JP,A)
【文献】特開2015-002284(JP,A)
【文献】特開2005-163108(JP,A)
【文献】特表2014-505167(JP,A)
【文献】特開2010-001556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/308
H01L 21/306
C23F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コバルト(Co)を選択的に除去するエッチング組成物であって、
1)少なくとも1種の酸化剤、
2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、
3)少なくとも1種のキレート剤、
4)少なくとも1種のレベリング剤、及び
5)水
を含
み、
1と5との間のpHを有する、エッチング組成物。
【請求項2】
1.5と
5との間のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の酸化剤が過酸化水素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して
0.01重量%~
20重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して
0.1重量%~
10重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して
0.5重量%~
1重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、3~10個の炭素原子を有するカルボン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、プロペン酸、3-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、又は9-ウンデシレン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、前記組成物に対して
0.005重量%~
3重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1種の第2のカルボン酸をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸がモノカルボン酸を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記モノカルボン酸はC1~C10モノカルボン酸である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記モノカルボン酸は、グリコール酸、グルコン酸、酢酸、没食子酸、及び乳酸である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸がポリカルボン酸を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリカルボン酸はC2~C10ポリカルボン酸である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記ポリカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フタル酸、又は1,2,3-ベンゼントリカルボン酸である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸は、前記組成物に対して
0.005重量%~
3重量%の量である、請求項10に記載の組成物。
【請求項18】
前記少なくとも1種のレベリング剤は含硫黄ポリマー又は含窒素ポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1種のレベリング剤は、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン、スルホン化ポリアニリン、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン-co-ホルムアルデヒド)、ポリアミノアミド、又はポリアルカノールアミンを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1種のレベリング剤は、前記組成物に対して
0.01重量%~
3重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1種の金属防錆剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
前記少なくとも1種の金属防錆剤は置換又は無置換のアゾールを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記アゾールは、トリアゾール、イミダゾール、チアジアゾール、又はテトラゾールである、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基によって任意に(optionally)置換されたベンゾトリアゾールを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、ベンゾトリアゾール、5-アミノベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、5-フェニルチオール-ベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、4-クロロベンゾトリアゾール、5-ブロモベンゾトリアゾール、4-ブロモベンゾトリアゾール、5-フルオロベンゾトリアゾール、4-フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5-フェニル-ベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール、4-ニトロベンゾトリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-(5-アミノ-ペンチル)-ベンゾトリアゾール、1-アミノ-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、4-メチルベンゾトリアゾール、4-エチルベンゾトリアゾール、5-エチルベンゾトリアゾール、4-プロピルベンゾトリアゾール、5-プロピルベンゾトリアゾール、4-イソプロピルベンゾトリアゾール、5-イソプロピルベンゾトリアゾール、4-n-ブチルベンゾトリアゾール、5-n-ブチルベンゾトリアゾール、4-イソブチルベンゾトリアゾール、5-イソブチルベンゾトリアゾール、4-ペンチルベンゾトリアゾール、5-ペンチルベンゾトリアゾール、4-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-メトキシベンゾトリアゾール、5-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]-ベンゾトリアゾール、5-t-ブチルベンゾトリアゾール、5-(1’1’-ジメチルプロピル)-ベンゾトリアゾール、5-(1’1’3’-トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5-n-オクチルベンゾトリアゾール、及び5-(1’1’3’3’-テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールからなる群から選択される化合物を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、前記組成物に対して
0.005重量%~
3重量%の量である、請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種のキレート剤はポリアミノポリカルボン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種のキレート剤は、ブチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、1,6-ヘキサメチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N-ジ酢酸、ジアミノプロパンテトラ酢酸、イミノジ酢酸1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンテトラ酢酸、ジアミノプロパノールテトラ酢酸、又は(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種のキレート剤は、前記組成物に対して
0.005重量%~
3重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記水は、前記組成物に対して
60重量%~
99重量%の量である、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、及び水溶性エーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種の有機溶媒は、前記組成物に対して
0.5重量%~
30重量%の量である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
少なくとも1種のpH調整剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記少なくとも1種のpH調整剤が塩基又は酸を含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記塩基は、4級アンモニウム水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、イミン、又はグアニジン塩である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
コバルト(Co)を選択的に除去するエッチング組成物であって、
1)少なくとも1種の酸化剤、
2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、
3)少なくとも1種の第2のカルボン酸、ここで第2のカルボン酸はモノカルボン酸及びポリカルボン酸からなる群から選ばれ、前記モノカルボン酸又は前記ポリカルボン酸は任意に(optionally)少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、
4)少なくとも1種のレベリング剤、及び
5)水
を含
み、
1と5との間のpHを有する、エッチング組成物。
【請求項37】
Coフィーチャを含む半導体基板を請求項1に記載のエッチング組成物と接触させて前記Coフィーチャの少なくとも一部を除去すること、を含む方法。
【請求項38】
前記半導体基板がTiNフィーチャをさらに含み、前記方法が前記TiNフィーチャの少なくとも一部を除去する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記接触ステップの後で前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記リンスステップの後で前記半導体基板を乾燥させることをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記方法は前記半導体基板上に酸化コバルト水酸化物(cobalt oxide hydroxide)層を実質的に形成しない、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は2019年6月13日に出願された米国仮特許出願番号62/860,864からの優先権を主張し、該米国仮特許出願の内容はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
【0002】
本開示はエッチング組成物、及びエッチング組成物を用いるプロセスに関する。特に、本開示は、エッチングされた基板上に不動態層を実質的に形成すること無しに窒化チタン(TiN)とコバルト(Co)の一方又は両方を選択的にエッチングできるエッチング組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体産業は、マイクロ電子デバイス、シリコンチップ、液晶ディスプレイ、MEMS(マイクロ電気機械システム)、プリント配線板、等々における電子回路及び電子コンポーネントの寸法を急速に減少させ、それらの密度を急速に増加させている。それらの中の集積回路を積層あるいは重ね合わせる際の各回路層間の絶縁層の厚さは絶えず減少し、フィーチャサイズはより小さくなってきている。フィーチャサイズが縮小したことに伴って、パターンはより小さなものとなってきており、デバイス性能パラメータはより厳しく、かつより堅固なものとなってきている。その結果、これまでは許容することが可能であった様々な問題は、より小さいフィーチャサイズのためにもはや許容できず、あるいはより大きな問題となってきている。
【0004】
先進的集積回路の生産において、高められた密度に付随する問題を最小化し、性能を最適化するために、高k絶縁体及び低k絶縁体の両方並びに取り揃えられたバリア層材料が用いられてきた。
窒化チタン(TiN)及びコバルト(Co)は半導体デバイス、液晶ディスプレイ、MEMS(マイクロ電気機械システム)、プリント配線板、等々のために利用することができ、また、貴金属、アルミニウム(Al)及び銅(Cu)による配線のためのグラウンド層及びキャップ層として利用することができる。半導体デバイスにおいて、TiNはバリア金属、ハードマスク、又はゲート金属として用いられてよく、Coは金属コンタクト、相互接続、トレンチ充填、又はキャップ層として用いられてよい。これらの用途のためのデバイスの構築においては、TiN及びCoをエッチングする必要がしばしば存在する。TiN及びCoの様々な種類の用途及びデバイス環境においては、他の層が接触し、又はその他の様式で、TiN及びCoがエッチングされるのと同時に他の層が曝される。これら他の材料(例えば、金属導電体、誘電体、及びハードマスク)の存在する状況においては、TiN及びCoを高度に選択的にエッチングすることが、デバイス収率及び長寿命のためには必須である。
【発明の概要】
【0005】
ある種のエッチング組成物は、半導体デバイス中においてコバルト酸化物である副生物(例えば、(例えばCo層又はCoOx層上の)不動態CoOx水酸化物層又は過剰量のCoOx)を実質的に形成すること無しにTiN及びCoのうち一方又は両方を選択的にエッチングでき、そのことにより、向上した均一性を有し、残留CoOx水酸化物(CoOx-OH)が低度又は存在しない、効率的なTiN及び/又はCoエッチングが可能となる、という予想外の発見に本開示は基づく。
【0006】
1つの態様では、本開示は、1)少なくとも1種の酸化剤、2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、3)少なくとも1種のキレート剤、4)少なくとも1種のレベリング剤、及び5)水を含むエッチング組成物を1つの特色とする。
【0007】
別の態様では、本開示は、1)少なくとも1種の酸化剤、2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、3)少なくとも1種の第2のカルボン酸、ここで第2のカルボン酸はモノカルボン酸及びポリカルボン酸からなる群から選ばれ、前記モノカルボン酸又は前記ポリカルボン酸は任意に(optionally)少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、4)少なくとも1種のレベリング剤、及び5)水を含むエッチング組成物を1つの特色とする。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は前記少なくとも1種の第2のカルボン酸は含まない(exclude)ものであってもよい。
【0008】
別の態様では、本開示は、Coフィーチャを含む半導体基板を本開示に記載のエッチング組成物と接触させて前記Coフィーチャの少なくとも一部を除去することを含む方法を1つの特色とする。いくつかの実施形態では、前記半導体基板は、TiNフィーチャをさらに含み、前記方法は前記TiNフィーチャの少なくとも一部を除去する。
さらに別の態様では、本開示は前記方法によって形成される物品であって、半導体デバイス(例えば、集積回路)である物品を1つの特色とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示における定義では、他に断りの無い限り、記載された全てのパーセント値は組成物の全重量に対する重量パーセントであると理解すべきである。他に断りの無い限り、大気温度(ambient temperature)とは摂氏約16度(℃)と摂氏約27度(℃)の間(between)と定義される。
【0010】
本開示における定義では、「水溶性」物質(例えば、水溶性のアルコール、ケトン、エステル、エーテル、等々)とは、25℃で水中において0.5重量%以上(例えば、1重量%以上又は5重量%以上)の溶解度を有する物質のことを指す。
【0011】
互変異性化とは単結合及び隣接する二重結合のスイッチを伴う、水素原子又はプロトンの形式的な移動と本開示では定義される。トリアゾール化合物との言及(mention)、記載(description)、及びクレーム中の記載(claim)は、トリアゾール環系における互変異性化の活性化エネルギーが低いことから、トリアゾール化合物の互変異性体をも含む。
【0012】
概して、本開示は、1)少なくとも1種の酸化剤、2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、3)少なくとも1種のキレート剤及び/又は少なくとも1種の第2のカルボン酸、ここで第2のカルボン酸はモノカルボン酸及びポリカルボン酸からなる群から選ばれ、前記モノカルボン酸又は前記ポリカルボン酸は任意に(optionally)少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、4)少なくとも1種のレベリング剤、並びに5)水を含む(例えば、を含む(comprises)、から本質的になる(consists essentially of)、又は、のみからなる(consists of))エッチング組成物(例えば、TiN及びCoのうち一方又は両方を選択的に除去するためのエッチング組成物)を1つの特色とする。
【0013】
本開示のエッチング組成物は、マイクロ電子用途で用いるのに適した少なくとも1種(例えば、2種、3種、又は4種)の酸化剤を含むことができる。適切な酸化剤の例には、酸化性の酸又はその塩(例えば、硝酸、過マンガン酸、又は過マンガン酸カリウム)、過酸化物(例えば、過酸化水素、ジアルキルペルオキシド、過酸化水素尿素)、過スルホン酸(persulfonic acid)(例えば、ヘキサフルオロプロパン過スルホン酸、メタン過スルホン酸、トリフルオロメタン過スルホン酸、又はp-トルエン過スルホン酸)及びその塩、オゾン、過カルボン酸(例えば過酢酸)及びその塩、過リン酸及びその塩、過硫酸及びその塩(例えば、過硫酸アンモニウム又は過硫酸テトラメチルアンモニウム)、過塩素酸及びその塩(例えば、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、又は過塩素酸テトラメチルアンモニウム)、並びに過ヨウ素酸及びその塩(例えば、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸アンモニウム、又は過ヨウ素酸テトラメチルアンモニウム)が含まれるがこれらに限定されない。これらの酸化剤は、一種のみで用いることも、組み合わせて用いることもできる。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の酸化剤は、本開示のエッチング組成物の全重量に対して、0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以上)~約20重量%以下(例えば、約18重量%以下、約16重量%以下、約15重量%以下、約14重量%以下、約12重量%以下、約10重量%以下、約8重量%以下、約6重量%以下、約4重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、酸化剤が(例えば、エッチング組成物に溶解させることができるTiOx型材料を形成することにより)半導体基板上のTiNの除去を促進及び増強できると考えられ、また、エッチング組成物中の酸化剤の量を増加又は減少させることでTiNエッチング速度を調整することができると考えられる。さらに、理論に拘束されることを望むものではないが、酸化剤は半導体基板中の露出した金属(例えばCo)上に酸化層(例えばCoOx)を形成し得、このことは前記露出した金属上での不動態層(例えば、CoOx水酸化物層)の形成を防止し得ると考えられる。加えて、理論に拘束されることを望むものではないが、酸化剤はCo金属表面を平滑化してその粗さを減少させるのを助けることができると考えられる。
【0015】
一般的には、本開示のエッチング組成物は、不飽和のユニットを少なくとも1つ(例えば2つ、3つ、又は4つ)含む第1のカルボン酸(つまり、不飽和カルボン酸)を少なくとも1種(例えば2種、3種、又は4種)含むことができる。本開示で用いられる用語「不飽和のユニット」とは、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を指す。いくつかの実施形態では、第1のカルボン酸は、1つ又は複数の炭素-炭素間二重又は三重結合、及び/又は、1つ又は複数(例えば2つ又は3つ)のカルボン酸基を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1のカルボン酸は、非芳香族及び/又は非環状(例えば、環構造を有しない)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のカルボン酸は3~10個(例えば、4個、5個、6個、7個、8個、及び9個)の炭素原子を含んでいてもよい。例えば、前記不飽和カルボン酸は、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、プロペン酸、3-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、又は9-ウンデシレン酸を含んでいてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、本開示のエッチング組成物の全重量に対して、約0.005重量%以上(例えば、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、又は約0.5重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、第1のカルボン酸は、半導体基板中のCoOx層上の不動態CoOx水酸化物(CoOx-OH)層の形成を最小化又は防止することができると考えられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は、少なくとも1種(例えば2種、3種、又は4種)の第2のカルボン酸(例えばヒドロキシカルボン酸)を任意に(optionally)含むことができる。いくつかの実施形態では、第2のカルボン酸は、モノカルボン酸(つまり、カルボキシル基を1つ含むカルボン酸)及びポリカルボン酸(つまり、カルボキシル基を2つ又は3つ以上含むカルボン酸)からなる群から選ばれてもよく、ここで、前記モノカルボン酸又は前記ポリカルボン酸は少なくとも1つのヒドロキシル基を任意に(optionally)含んでいてもよい。例えば、第2のカルボン酸は、少なくとも1つ(例えば2つ、3つ、又は4つ)のカルボキシル(COOH)基及び/又は少なくとも1つ(例えば2つ又は3つ)のヒドロキシル(OH)基を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第2のカルボン酸は非芳香族及び/又は非環状(例えば、環構造を有さない)であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のカルボン酸は芳香環を含むもの(例えば没食子酸)であってもよい。いくつかの実施形態では、本開示に記載のエッチング組成物は第2のカルボン酸を実質的に含まないものであってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、第2のカルボン酸は1~10(例えば、2、3、4、5、6、7、8、及び9)個の炭素原子を有するモノカルボン酸であってもよい。例えば、このようなモノカルボン酸はグリコール酸、グルコン酸、酢酸、没食子酸、及び乳酸であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のカルボン酸は、2~10(例えば、3、4、5、6、7、8、及び9)個の炭素原子を有するポリカルボン酸であってもよい。例えば、このようなポリカルボン酸はシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フタル酸、及び1,2,3-ベンゼントリカルボン酸であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の第2のカルボン酸は、本開示のエッチング組成物の全重量に対して、約0.005重量%以上(例えば、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、又は約0.15重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、又は約0.3重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、第2のカルボン酸は、半導体基板上のCoの除去を促進することができると考えられる。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は少なくとも1種のレベリング剤を含むことができる。本明細書で用いられる用語「レベリング剤」とは、実質的に平坦な金属層を与えることが可能な有機化合物を指す。いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のレベリング剤はポリマー、例えば含硫黄ポリマー又は含窒素ポリマー、を含んでいてもよい。レベリング剤の例には、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン、スルホン化ポリアニリン、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン-co-ホルムアルデヒド)、ポリアミノアミド、又はポリアルカノールアミンが含まれる。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のレベリング剤は、本開示に記載のエッチング組成物の全重量に対して、約0.01重量%以上(例えば、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、又は約0.5重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、レベリング剤は、半導体基板上に実質的に平坦な金属層を形成することを容易化できると考えられる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は溶媒として(例えば、唯一の溶媒として)水を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記水は、脱イオンされ超純粋であり、有機夾雑物を含まず、約4~約17メガオーム、又は約17メガオーム以上の最小抵抗率を有するものであってもよい。いくつかの実施形態では、前記水は、エッチング組成物に対して、約60重量%以上(例えば、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、又は約85重量%以上)~約99重量%以下(例えば、約98重量%以下、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、又は約65重量%以下)の量である。理論に拘束されることを望むものではないが、水の量がエッチング組成物の99重量%より大きいと、そのことがTiN又はCoのエッチング速度に悪影響を与え、エッチングプロセスにおけるそれらの除去を減少させると考えられる。また、理論に拘束されることを望むものではないが、本開示のエッチング組成物は、全ての他の成分を溶解した状態に維持し、エッチング性能の低下を避けるために、ある程度の水(例えば約60重量%以上)を含むのがよいと考えられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は、任意に(optionally)、少なくとも1種(例えば2種、3種又は4種)の有機溶媒、例えば水溶性有機溶媒、を含むことができる。水溶性有機溶媒の例には、水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、及び水溶性エーテルが含まれる。他の実施形態では、本開示のエッチング組成物は有機溶媒を何ら含まない。
【0024】
水溶性アルコールの種別(classes)は、アルカンジオール(アルキレングリコールを含むがこれに限定されない)、グリコール、アルコキシアルコール(グリコールモノエーテルを含むがこれに限定されない)、飽和脂肪族一価アルコール、不飽和非芳香族一価アルコール、及び環構造を含む低分子量アルコール、を含むがこれらに限定されない。
【0025】
水溶性アルカンジオールの例には、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-ジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ピナコール、及びアルキレングリコール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0026】
水溶性アルキレングリコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0027】
水溶性アルコキシアルコールの例には、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキシ-2-ブタノール、及び水溶性グリコールモノエーテル、が含まれるがこれらに限定されない。
【0028】
水溶性グリコールモノエーテルの例には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-メトキシ-1-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、2-エトキシ-1-プロパノール、プロピレングリコールモノn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、及びジエチレングリコールモノベンジルエーテル、が含まれるがこれらに限定されない。
【0029】
水溶性飽和脂肪族一価アルコールの例には、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、2-ペンタノール、t-ペンチルアルコール、及び1-ヘキサノール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0030】
水溶性不飽和非芳香族一価アルコールの例には、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、2-ブテニルアルコール、3-ブテニルアルコール、及び4-ペンテン-2-オール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0031】
環構造を含む水溶性低分子量アルコールの例には、テトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、及び1,3-シクロペンタンジオール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0032】
水溶性ケトンの例には、アセトン、プロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2-ブタノン、5-ヘキサンジオン、1,4-シクロヘキサンジオン、3-ヒドロキシアセトフェノン、1,3-シクロヘキサンジオン、及びシクロヘキサノン、が含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
水溶性エステルの例には、酢酸エチル、グリコールモノエステル(例えば、エチレングリコールモノアセテート及びジエチレングリコールモノアセテート)、並びにグリコールモノエーテルモノエステル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)が含まれるがこれらに限定されない。
【0034】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の有機溶媒は、本開示に記載のエッチング組成物の全重量に対して、約0.5重量%以上(例えば、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、又は約10重量%以上)~約30重量%以下(例えば、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、又は約1重量%以下)であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は、任意に(optionally)、少なくとも1種(例えば2種、3種、又は4種)の金属防錆剤を含むことができる。適切な防錆剤の例には、アゾール化合物(例えば、置換若しくは無置換のアゾール化合物)又はその塩が含まれる。アゾール化合物の例には、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物、チアジアゾール化合物、及びテトラゾール化合物が含まれる。トリアゾール化合物には、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、置換トリアゾール、又は置換ベンゾトリアゾールが含まれうる。トリアゾール化合物の例には、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、又は、C1~C8アルキル基(例えば5-メチルトリアゾール)、アミノ基、チオール基、メルカプト基、イミノ基、カルボキシ基及びニトロ基等の置換基によって置換されたトリアゾール、が含まれるがこれらに限定されない。置換トリアゾール化合物の具体例には、トリルトリアゾール、5-メチル-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,2,3-トリアゾール、1-アミノ-5-メチル-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-チオール、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-イソプロピル-1,2,4-トリアゾール、等々が含まれる。
【0036】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の金属防錆剤は、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基によって任意に(optionally)置換されたベンゾトリアゾールを含んでいてもよい。例には、ベンゾトリアゾール(あるいは1H-ベンゾトリアゾール)、5-アミノベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール(例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)、5-フェニルチオール-ベンゾトリアゾール、ハロ-ベンゾトリアゾール(ハロ=F、Cl、Br又はI)(例えば、5-クロロベンゾトリアゾール、4-クロロベンゾトリアゾール、5-ブロモベンゾトリアゾール、4-ブロモベンゾトリアゾール、5-フルオロベンゾトリアゾール、及び4-フルオロベンゾトリアゾール)、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5-フェニル-ベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール、4-ニトロベンゾトリアゾール、2-(5-アミノ-ペンチル)-ベンゾトリアゾール、1-アミノ-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-1-メタノール、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、4-メチルベンゾトリアゾール、4-エチルベンゾトリアゾール、5-エチルベンゾトリアゾール、4-プロピルベンゾトリアゾール、5-プロピルベンゾトリアゾール、4-イソプロピルベンゾトリアゾール、5-イソプロピルベンゾトリアゾール、4-n-ブチルベンゾトリアゾール、5-n-ブチルベンゾトリアゾール、4-イソブチルベンゾトリアゾール、5-イソブチルベンゾトリアゾール、4-ペンチルベンゾトリアゾール、5-ペンチルベンゾトリアゾール、4-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-ヘキシルベンゾトリアゾール、5,6-ジメチル-1H-ベンゾトリアゾール、5-メトキシベンゾトリアゾール、5-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]-ベンゾトリアゾール、5-t-ブチルベンゾトリアゾール、5-(1’1’-ジメチルプロピル)-ベンゾトリアゾール、5-(1’1’3’-トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5-n-オクチルベンゾトリアゾール、及び5-(1’1’3’3’-テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールが含まれる。
【0037】
イミダゾール化合物の例には、2-アルキル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-アルキルイミダゾール、2-メチル-4(5)-ニトロイミダゾール、5-メチル-4-ニトロイミダゾール、4-イミダゾールメタノール塩酸塩、及び2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、が含まれるがこれらに限定されない。
【0038】
チアジアゾール化合物の一例は、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾールである。
【0039】
テトラゾール化合物の例には、1-H-テトラゾール、5-メチル-1H-テトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-アミノ-1H-テトラゾール、1-フェニル-5-メルカプト-1H-テトラゾール、5,5’-ビス-1H-テトラゾール、1-メチル-5-エチルテトラゾール、1-メチル-5-メルカプトテトラゾール、1-カルボキシメチル-5-メルカプトテトラゾール、等々、が含まれるがこれらに限定されない。
【0040】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種の金属防錆剤は、本開示のエッチング組成物の全重量に対して、約0.005重量%以上(例えば、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、又は約0.5重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2.8重量%以下、約2.6重量%以下、約2.5重量%以下、約2.4重量%以下、約2.2重量%以下、約2重量%以下、約1.8重量%以下、約1.6重量%以下、約1.5重量%以下、約1.4重量%以下、約1.2重量%以下、又は約1重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、金属防錆剤は、エッチングプロセスの際にエッチング組成物に曝される半導体基板上におけるCo以外の金属の腐食又は除去を減少又は最小化することができると考えられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は、任意に(optionally)、少なくとも1種(例えば、2種、3種、又は4種)のキレート剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記キレート剤はホスホン酸又はその塩を含んでいてもよい。前記キレート剤の具体例には、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)又はそのヘキサカリウム塩、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、テトラメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、又はその塩が含まれる。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記キレート剤はポリアミノポリカルボン酸又はその塩を含むことができる。前記ポリアミノポリカルボン酸は、2つ以上(例えば、3つ又は4つ)のアミノ基及び2つ以上(例えば3つ又は4つ)のカルボキシル基を含んでいてもよい。前記キレート剤の具体例には、ブチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、1,6-ヘキサメチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N-ジ酢酸、ジアミノプロパンテトラ酢酸、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンテトラ酢酸、ジアミノプロパノールテトラ酢酸、又は(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸が含まれる。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1種のキレート剤は、本開示のエッチング組成物の全重量に対して、約0.005重量%以上(例えば、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.04重量%以上、約0.05重量%以上、約0.06重量%以上、約0.08重量%以上、約0.1重量%以上、又は約0.15重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.8重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5重量%以下、約0.4重量%以下、約0.2重量%以下、又は約0.15重量%以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、キレート剤は、エッチング組成物を(例えば、浴安定剤(bath stabilizer)として)安定化し、ピット形成を防止し、及び/又はその浴安定効果によりCoエッチング速度の均一性及び安定性を制御することができると考えられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は、任意に(optionally)、少なくとも1種(例えば2種、3種、又は4種)のpH調整剤、例えば酸又は塩基、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記pH調整剤は金属イオンを含まない塩基であってもよい。適切な金属イオン非含有塩基には、4級アンモニウム水酸化物(例えば、TMAH等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物)、水酸化アンモニウム、アミン(アルカノールアミンを含む)、イミン、及び/又はアミジン(例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)及び1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN))、並びにグアニジン塩(例えば、炭酸グアニジン)、が含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、前記塩基は4級アンモニウム水酸化物(例えば、TMAH等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物)ではない。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記pH調整剤は有機酸、例えばスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸)又はカルボン酸(例えば、クエン酸などのヒドロキシルカルボン酸)であってもよい。いくつかの実施形態では、前記pH調整剤は無機酸(例えばハロゲン化水素)ではない。いくつかの実施形態では、前記pH調整剤は本開示に記載の第1若しくは第2のカルボン酸又はキレート剤ではない。
【0046】
一般的に、本開示のエッチング組成物中のpH調整剤は、エッチング組成物のpHを所望の値に調整するのに十分な量とすることができる。いくつかの実施形態では、pH調整剤は、本開示に記載のエッチング組成物の全重量に対して、約0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、又は約1重量%以上)~約3重量%以下(例えば、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下)であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物はpHが約1以上(例えば、約1.2以上、約1.4以上、約1.5以上、約1.6以上、約1.8以上、約2以上、約2.2以上、約2.4以上、約2.5以上、約2.6以上、約2.8以上、約3以上)及び/又は約5以下(例えば、約4.8以下、約4.6以下、約4.5以下、約4.4以下、約4.2以下、約4以下、約3.8以下、約3.6以下、約3.5以下、約3.4以下、約3.2以下、若しくは約3以下)であってもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、5超のpHを有するエッチング組成物は十分なTiN及び/又はCoエッチング速度を有しないであろうと考えられる。さらに、1未満のpHを有するエッチング組成物は過剰なCoエッチングを生み出す、組成物中のある成分(例えば金属防錆剤)が機能するのを妨げる、又は強い酸性のため組成物中のある成分を分解する、おそれがあると考えられる。
【0048】
さらに、いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は添加剤を任意成分として含んでもよく、その例としては、追加的な防錆剤、界面活性剤、追加的な有機溶媒、殺生物剤(biocides)、及び消泡剤が挙げられる。適切な消泡剤の例には、ポリシロキサン消泡剤(例えば、ポリジメチルシロキサン)、ポリエチレングリコールメチルエーテルポリマー、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、及びグリシジルエーテルでキャップされたアセチレン性ジオールエトキシラート(例えば、本開示に参照により取り込まれる米国特許第6,717,019号に記載されたもの)が含まれる。適切な界面活性剤の例は、カチオン性でも、アニオン性でも、ノニオン性でも、両性でもよい。
【0049】
一般に、本開示のエッチング組成物は適切なTiNエッチング速度を有することができる。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は約0.1オングストローム/分以上(例えば、約0.5オングストローム/分以上、約1オングストローム/分以上、約2オングストローム/分以上、約3オングストローム/分以上、約4オングストローム/分以上、約5オングストローム/分以上、約6オングストローム/分以上、約8オングストローム/分以上、約10オングストローム/分以上、約12オングストローム/分以上、約14オングストローム/分以上、約15オングストローム/分以上、又は約20オングストローム/分以上)であって、約100オングストローム/分以下(例えば、約50オングストローム/分以下、約30オングストローム/分以下、約20オングストローム/分以下、約10オングストローム/分以下、約5オングストローム/分以下、又は約1オングストローム/分以下)であるTiNエッチング速度を有してもよい。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は約0オングストローム/分のTiNエッチング速度を有し(つまり、前記エッチング組成物がTiNをエッチングしない)てもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、TiNエッチング速度はエッチング組成物中の酸化剤の量を調整することにより調節することができると考えられる。例えば、いくつかの実施形態においてはエッチング組成物中の酸化剤の量を増加させるとTiNエッチング速度が上昇し得、エッチング組成物中の酸化剤の量を減少させるとTiNエッチング速度が減少しうると考えられる。
【0050】
一般に、本開示のエッチング組成物は適切なCoエッチング速度を有することができる。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は約20オングストローム/分以上(例えば、約25オングストローム/分以上、約30オングストローム/分以上、約35オングストローム/分以上、約40オングストローム/分以上、約50オングストローム/分以上、約60オングストローム/分以上、約70オングストローム/分以上、約80オングストローム/分以上、約90オングストローム/分以上、又は約100オングストローム/分以上)であって、約1000オングストローム/分以下(例えば、約500オングストローム/分以下、約300オングストローム/分以下、又は約200オングストローム/分以下)であるCoエッチング速度を有してもよい。
【0051】
一般に、本開示のエッチング組成物は適切なCo/TiNエッチング選択性を有することができる。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は、約1以上(例えば、約1.5以上、約2以上、約2.5以上、約3以上、約3.2以上、約3.4以上、約3.5以上、約3.6以上、約3.8以上、約4以上、約4.2以上、約4.4以上、約4.5以上、約4.6以上、約4.8以上、又は約5以上)及び/又は約500以下(例えば、約100以下、約80以下、約60以下、約50以下、約40以下、約20以下、約10以下、約8以下、約6以下、約5.8以下、約5.6以下、約5.5以下、約5.4以下、約5.2以下、約5以下、約4.8以下、約4.6以下、約4.5以下、約4.4以下、約4.2以下、又は約4以下)であるCo/TiNエッチング選択性を有してもよい。理論に拘束されることを望むものではないが、適切なCo/TiNエッチング選択性を有するエッチング組成物を用いることにより、一回のエッチングステップ(Co膜とTiN膜を2回の別々のエッチングステップでエッチングすることを伴わない)の中でCo膜厚及びTiN膜厚を所望のレベルに減少させることが可能になると考えられる。例えば、TiN膜とCo膜とが同様の厚さを有して同様の速度で除去されることが必要な実施形態においては、低いCo/TiNエッチング選択性を与えるようにエッチング組成物の調合を調整することができる。別の例として、Co膜がTiN膜よりもずっと大きな厚さを有する、又はTiN膜をエッチング中に大部分残すことが求められる場合には、高いCo/TiNエッチング選択性を与えるようにエッチング組成物の調合を調節することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示のエッチング組成物は前記添加成分のうちの1つ又は複数(複数の場合は任意の組み合わせ)を特に含まない(exclude)ものであってもよい。そのような成分は、有機溶媒、pH調整剤、ポリマー(例えば、カチオン性又はアニオン性ポリマー)、酸素スカベンジャー、4級アンモニウム化合物(例えば、塩又は水酸化物)、アミン、アルカリ塩基(例えばアルカリ水酸化物)、消泡剤以外の界面活性剤、消泡剤、フッ化物含有化合物、研磨剤(例えば、カチオン性又はアニオン性研磨剤)、シリケート、ヒドロキシカルボン酸(例えば、3個以上のヒドロキシ基を含むもの)、モノカルボン酸及びポリカルボン酸(例えばアミノ基を含むもの又は含まないもの)、シラン(例えばアルコキシシラン)、イミン(例えばアミジン)、ヒドラジン類、環状化合物(例えばアゾール(例えば、ジアゾール、トリアゾール、又はテトラゾール)、トリアジン、及び2個以上の環を含む環状化合物、例えば置換若しくは無置換のナフタレン、又は置換若しくは無置換のビフェニルエーテル)、緩衝剤、非アゾール防錆剤、ハロゲン化物塩(halide salt)、並びに金属塩(例えば金属ハロゲン化物)からなる群から選択される。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示に記載のエッチング組成物は半導体デバイス中にコバルト酸化物副生物(例えば、不動態状のCoOx水酸化物層)あるいはその他のCoエッチング副生物を実質的に形成すること無しに単回のエッチングステップにおいて(異なる厚さを有していてもよい)TiNとCoの両方を選択的にエッチングすることができ、それにより2回の別個のエッチングステップによりTiN及びCoをエッチングすることを回避し、そしてこのことは製造効率を向上し製造コストを低減することができる、ということが本開示に記載のエッチング組成物の一つの利点である。いくつかの実施形態では、(異なる厚さを有していてもよい)TiNとCoの両方をそれぞれの所望の厚さへと単回のエッチングステップでエッチングすることができるように、前記エッチング組成物はTiNエッチング速度とCoエッチング速度とが異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は実質的にTiNをエッチングしたり、Coエッチング副生物を生成したりすること無しにCoを選択的にエッチングすることができる。
【0054】
本開示に記載のエッチング組成物の別の利点は、エッチングプロセスの完了後におけるCo金属層の表面粗さ(Ra)を減少させることができるということである。いくつかの実施形態では、エッチング組成物は、Co金属層上の表面粗さ(Ra)を約1nm以下(例えば約0.8nm以下、約0.6nm以下、約0.5nm以下、約0.4nm以下、約0.2nm以下、又は約0.1nm以下)及び/又は約0.01nm以上とすることができる。本開示に記載のエッチング組成物の他の利点には、長いシェルフライフ、プロセス時間についての要求を満たす適切なエッチング速度、及び低い製造コストが含まれる。
【0055】
本開示のエッチング組成物は、単純に成分同士を一緒に混合することにより調製することができ、あるいはキット中の2つの組成物同士をブレンドすることにより調製することもできる。前記キットにおける第1の組成物は、酸化剤(例えばH2O2)の水溶液とすることもできる。前記キットにおける第2の組成物は、これら2種の組成物をブレンドすることで本開示の所望のエッチング組成物が生み出されるように、本開示のエッチング組成物における残りの成分を所定の比で濃縮形態で含んでいてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示に記載のエッチング組成物を用いて、少なくとも1つのCoフィーチャ(例えば、Co膜又はCo層)を含む半導体基板をエッチングする方法を一つの特色とする。いくつかの実施形態では、前記CoフィーチャはCoが充填されたビア又はトレンチであってもよい。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は前記Coフィーチャ(例えば、ビア又はトレンチに充填されたCo)の10%以上(例えば、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%)を除去することができる。いくつかの実施形態では、前記半導体基板は少なくとも1つのTiNフィーチャ(例えば、TiN膜又はTiN層)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記TiNフィーチャは、Coが充填されたビア又はトレンチの周りの(例えば、厚さが約1nm以上である)ライナー又はバリアであっても、Coが充填されたビア又はトレンチの側壁をコーティングする膜であってもよい。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は、前記TiNフィーチャの10%以上(例えば、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は100%)を除去することができる。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は、TiNフィーチャを実質的に除去すること無しに前記Coフィーチャの少なくとも一部を選択的に除去することができる。いくつかの実施形態では、前記エッチング組成物は、前記Coフィーチャの少なくとも一部及び前記TiNフィーチャの少なくとも一部を適切なエッチング選択性(例えば、最大500:1、あるいは約1:1~約10:1)で除去することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、前記方法は、少なくとも1つのCoフィーチャを含む半導体基板を本開示のエッチング組成物と接触させて、前記Coフィーチャの少なくとも一部を除去することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記半導体基板はTiNフィーチャをさらに含み、前記方法は前記TiNフィーチャの少なくとも一部を除去する。前記方法は、前記接触ステップの後で前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすること、及び/又は、前記リンスステップの後で前記半導体基板を乾燥させること、をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、本開示に記載の方法の利点は、該方法が、エッチングプロセスの際にエッチング組成物に曝された半導体基板上の金属(例えばCu)を実質的に除去しないことである。
【0058】
いくつかの実施形態では、前記エッチング方法は:
(A)Coフィーチャ(及び/又はTiNフィーチャ)を含む半導体基板を提供するステップ;
(B)前記半導体基板を本開示に記載のエッチング組成物と接触させるステップ;
(C)前記半導体基板を1種又は複数種の適切なリンス溶媒でリンスするステップ;及び
(D)任意に(optionally)、(例えば、リンス溶媒を除去するものの、前記半導体基板の一体性を損ない(compromise)はしない任意の適切な手段により)前記半導体基板を乾燥させるステップ
を含む。
【0059】
本開示に記載の半導体基板(例えばウエハ)は、典型的には、シリコン、シリコンゲルマニウム、GaAs等のIII~V族化合物、又はそれらの任意の組み合わせで構成される。前記半導体基板は、相互接続フィーチャ(例えば、金属線及び誘電材料)等の露出した集積回路構造を追加で含んでもよい。相互接続フィーチャに用いられる金属及び金属合金は、アルミニウム、銅と合金化したアルミニウム、銅、チタン、タンタル、コバルト、シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、及びタングステン、を含むがこれらに限定されない。前記半導体基板は、層間絶縁体(interlayer dielectrics)層、ポリシリコン層、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層、炭化ケイ素層、酸化チタン層、及び炭素ドープ酸化ケイ素層も含んでいてもよい。
【0060】
半導体基板は任意の適切な方法でエッチング組成物と接触させられてよく、その例としては、エッチング組成物をタンク内に配置して半導体基板を前記エッチング組成物中に浸漬(immersing)させる及び/又は沈める(submerging)、エッチング組成物を半導体基板上にスプレーする、エッチング組成物を半導体基板上に流す(streaming)、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0061】
本開示のエッチング組成物は、約85℃の温度まで(例えば、約20℃~約80℃、約55℃~約65℃、又は約60℃~約65℃)効率的に用いることができる。この範囲内ではCo及び/又はTiNのエッチング速度は温度と共に上昇し、このため、より高温でのプロセスはより短い時間で実行することができる。逆に、より低いエッチング温度は、普通は、より長いエッチング時間を必要とする。
【0062】
用いられる具体的なエッチング方法、厚さ、及び温度に依存して、エッチング時間は広い範囲で変動しうる。浸漬バッチ型プロセスでのエッチングの場合、適切な時間の範囲は、例えば、約10分以下(例えば、約1分~約7分、約1分~約5分、又は約2分~約4分)である。シングルウエハプロセスのためのエッチング時間は、約30秒~約5分(例えば、約30秒~約4分、約1分~約3分、又は約1分~約2分)の範囲であってもよい。
【0063】
本開示のエッチング組成物のエッチング能をさらに高める(promote)ために機械的攪拌手段を用いることができる。適切な撹拌手段の例には、エッチング組成物を基板上(over the substrate)で循環させること、エッチング組成物を基板上(over the substrate)に流す(streaming)又はスプレーすること、エッチングプロセス中に超音波又はメガソニックによる撹拌を行うこと、が含まれる。地面(ground)に対する半導体基板の向きは任意の角度であってよい。水平又は垂直の向きが好ましい。
【0064】
エッチングの後に、前記半導体基板は適切なリンス溶媒で約5秒~約5分、撹拌手段を用いて又は用いずにリンスしてもよい。異なるリンス溶媒を用いる複数のリンスステップを用いてもよい。適切なリンス溶媒の例は、脱イオン(DI)水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N-メチルピロリジノン、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、乳酸エチル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、を含むがこれらに限定されない。これに代えて又はこれに加えて、pH8超での水性リンス(例えば希水酸化アンモニウム水溶液)を用いることもできる。リンス溶媒の例は、希水酸化アンモニウム水溶液、脱イオン水、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール、を含むがこれらに限定されない。リンス溶媒は、本開示に記載のエッチング組成物を適用する(apply)のに用いられる手段と同様の手段を用いて適用することができる。エッチング組成物は、リンスステップの開始の前に半導体基板から除去されていてもよいし、リンスステップの開始の際には依然として半導体基板と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、リンスステップで用いられる温度は16℃と27℃の間(between)である。
【0065】
任意に(optionally)、前記半導体基板はリンスステップの後で乾燥させられる。当業界で知られている任意の適切な乾燥手段を用いることができる。適切な乾燥手段の例には、スピン乾燥、半導体基板を横切るように乾燥ガスを流すこと、ホットプレート又は赤外線ランプ等の加熱手段を用いて半導体基板を加熱すること、マランゴニ乾燥、rotagoni乾燥、イソプロピルアルコール(IPA)乾燥、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。乾燥時間は用いられる具体的な方法に依存することになるが、典型的には、30秒~数分のオーダーである。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示に記載のエッチング方法は、上記方法により得られる半導体基板から半導体デバイス(例えば、半導体チップ等の集積回路デバイス)を形成することをさらに含む。例えば、前記半導体基板は、その後に、該基板上に1つ又は複数の回路を形成するように処理されてもよく、あるいは、例えばアセンブリング(例えばダイシング及びボンディング)及びパッケージング(例えばチップシーリング)により、半導体チップを形成するように処理されてもよい。
【0067】
以下の実施例を参照して本開示をより詳細に説明するが、実施例は例示目的のものであり、実施例が本開示の範囲を限定するものと解釈してはならない。
【実施例】
【0068】
記載されたパーセントは、いずれも、他に断りが無い限りは重量基準(重量%)である。試験中の制御された撹拌は、他に断りが無い限り、1インチの撹拌棒を325rpmで用いて行った。
【0069】
一般的手順1
配合ブレンディング
計算された量の溶媒に、配合の残りの成分を、撹拌しながら加えることにより、エッチング組成物のサンプルを調製した。均一な溶液を達成した後、任意的(optional)添加剤を、該添加剤を使用する場合には、添加した。
【0070】
一般的手順2
材料及び方法
一般的手順1により調製した試験溶液中で、一般的手順3に記載の手順に従って、ブランケットテストクーポンをエッチング及び材料適合性について評価した。
【0071】
膜についてのブランケット膜エッチング速度測定を、1.0インチ×1.0インチの評価用テストクーポン(Coサンプルについて)又は0.5インチ×0.5インチの評価用テストクーポン(TiNサンプルについて)へと角切りされた、パターン形成されていない直径200mmの市販ウエハを用いて行った。試験に用いられたブランケット膜材料は、(1)シリコン基板上に堆積された厚さ約170オングストロームのTiN膜、及び(2)シリコン基板上に堆積された厚さ約2000オングストロームのCo膜であった。
【0072】
ブランケット膜テストクーポンを、処理前及び処理後の厚さについて測定して、ブランケット膜エッチング速度を決定した。Co膜の厚さは、処理前及び処理後にCDE RESMAP4点プローブを用いて測定し、TiN膜の厚さは、処理前及び処理後にWoollamエリプソメーターを用いて測定した。
【0073】
CoOx-OH層を、Woolamエリプソメーターを用いて以下のとおり測定した。最初に、いくつかの(several)異なる予備清浄化されたCo膜を用いて、自然に生成した(native)CoOx層を有するCo膜をエリプソメトリーモデルに基づいて測定し、不透明(opaque)なCo金属層上にのみ厚さ約10オングストロームのCoOx層が検出されたことを確認した。続いて、このCoOx層を第1層として用いて、この10オングストロームCoOx層上のCoOx-OH層の厚さを測定するためのエリプソメトリーモデルを確立した。CoOx層及びCoOx-OH層の存在はXPSで確認した。
【0074】
一般的手順3
ビーカーテストによるエッチング評価
325rpmで連続して撹拌しながら、600mLガラスビーカーウォーターバスに格納された、100gのサンプル溶液を含む125mLのPTFEボトル内で全ブランケット膜エッチング試験を50℃で行ったが、ここで蒸発による損失を最小化するために加熱の間PTFEボトルキャップシールを用いた。一面がサンプル溶液に曝されたブランケット絶縁膜(dielectric film)を有する全てのブランケットテストクーポンを、ビーカースケールの試験のために、ダイアモンドスクライブで0.5インチ×0.5インチ平方(TiN)又は1インチ×1インチ平方(Co)のテストクーポンサイズへと角切りした。それぞれの個別テストクーポンは、単一の4インチ長のロック付きプラスチックピンセットクリップを用いて定位置へと保持された。一端をロック付きピンセットクリップによって保持されたテストクーポンを125mL PTFEボトル中に吊し、100gの試験溶液に、溶液を連続的に325rpm50℃で撹拌しながら浸漬した。前記PTFEボトルは短時間のクーポン処理時間の間だけ大気に開放し、処理時間中のいかなる加熱又は遅延の間もボトルキャップは戻してあった。
処理時間(例えば、2~5分間)が経過するまで、前記テストクーポンはクリップにより前記撹拌された溶液中に、各試験について全く同じ位置に静的に吊るした。試験溶液中での処理時間が経過した後、テストクーポンを前記125mL PTFEボトルからすぐに取り出し、一般的手順3Aに従ってリンスした。最後のDIリンスステップ後に、全てのテストクーポンを、手持ち窒素ガスブロアーを用いたフィルター済み窒素ガス吹き飛ばし(blow off)ステップに供して、DI水の全ての痕跡を強制的に除去して、試験測定用の最終的な乾燥サンプルを製造した。
【0075】
一般的手順3A(ブランケットテストクーポン)
一般的手順3による2~5分の処理時間の直後に、クーポンを、500mL固定量の20℃超高純度脱イオン(DI)水に穏やかに撹拌しながら10~15秒浸漬し、次に600mLのビーカーを用いて穏やかに撹拌しながら約1L/分のオーバーフロー速度で20℃で15秒、第2のDIリンスステップを行った。処理は一般的手順3に従って完了させた。
【0076】
実施例1
配合例1~55(FE-1~FE-55)を一般的手順1に従って調製し、一般的手順2及び3に従って評価した。TiN膜は4分間エッチングし、Co膜は2分間エッチングした。配合を表1にまとめ、試験結果は表2にまとめた。
【0077】
【表1-1】
【表1-2】
PSSA = ポリ(4-スチレンスルホン酸)
BTA = ベンゾトリアゾール
DTPA = ジエチレントリアミンペンタ酢酸
DBU = 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン
【表2-1】
【表2-2】
ER = エッチング速度
【0078】
表2に示されるように、テスト条件において、配合物FE-1~FE-14及びFE-16~FE-55は、CoOx-OH層を実質的に形成することが一般的に無しに、TiNとCoの両方について許容可能なエッチング速度を示した。加えて、配合物FE-44~FE-55の結果は、より多量の酸化剤(例えばH2O2)を含むエッチング組成物は一般に、より少量(lower levels)の酸化剤を含むエッチング組成物と比べてより高いTiNエッチング速度を示し、また、pHがより高い配合物(例えば、より多量のDBUを含む)は典型的にはより低いCoエッチング速度を有し、一方、同じ配合ながらもより少量のDBUを用いたpHがより低い変形例は上昇したCoエッチング速度を有することを示している。
【0079】
実施例2
配合例56~67(FE-56~FE-67)を一般的手順1に従って調製し、一般的手順2及び3に従って評価した。TiN膜を5分間エッチングし、Co膜を2分間エッチングした。配合物を表3にまとめ、試験結果を表4にまとめた。
【0080】
【0081】
【0082】
表4に示されるように、配合物FE-56~FE-65は様々なCo/TiNエッチング選択性を示し、このことはこれらの配合物を、様々な要求を伴う様々な半導体製造プロセスにおいて用いることを可能とする。さらに、配合物FE-66及びFE-67は、本開示に記載の第2のカルボン酸の存在無しに、許容可能なCo/TiNエッチング選択性を示した。最後に、配合物FE-56~FE-67のうち多くのものは、試験条件においてCoOx-OH層を実質的に形成しなかった。
【0083】
本発明を、発明の特定の実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、改変及びバリエーションも、記載されまたクレームされた事項の精神及び範囲内であることが理解されよう。
[1]
1)少なくとも1種の酸化剤、
2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、
3)少なくとも1種のキレート剤、
4)少なくとも1種のレベリング剤、及び
5)水
を含むエッチング組成物。
[2]
約1と約5との間のpHを有する、前記[1]に記載の組成物。
[3]
前記少なくとも1種の酸化剤が過酸化水素を含む、前記[1]に記載の組成物。
[4]
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して約0.01重量%~約20重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[5]
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して約0.1重量%~約10重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[6]
前記少なくとも1種の酸化剤は、前記組成物に対して約0.5重量%~約1重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[7]
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、3~10個の炭素原子を有するカルボン酸を含む、前記[1]に記載の組成物。
[8]
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、プロペン酸、3-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、又は9-ウンデシレン酸を含む、前記[1]に記載の組成物。
[9]
前記少なくとも1種の第1のカルボン酸は、前記組成物に対して約0.005重量%~約3重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[10]
少なくとも1種の第2のカルボン酸をさらに含む、前記[1]に記載の組成物。
[11]
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸がモノカルボン酸を含む、前記[10]に記載の組成物。
[12]
前記モノカルボン酸はC1~C10モノカルボン酸である、前記[11]に記載の組成物。
[13]
前記モノカルボン酸は、グリコール酸、グルコン酸、酢酸、没食子酸、及び乳酸である、前記[12]に記載の組成物。
[14]
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸がポリカルボン酸を含む、前記[10]に記載の組成物。
[15]
前記ポリカルボン酸はC2~C10ポリカルボン酸である、前記[14]に記載の組成物。
[16]
前記ポリカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フタル酸、又は1,2,3-ベンゼントリカルボン酸である、前記[15]に記載の組成物。
[17]
前記少なくとも1種の第2のカルボン酸は、前記組成物に対して約0.005重量%~約3重量%の量である、前記[10]に記載の組成物。
[18]
前記少なくとも1種のレベリング剤は含硫黄ポリマー又は含窒素ポリマーを含む、前記[1]に記載の組成物。
[19]
前記少なくとも1種のレベリング剤は、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリ(アリルアミン)、ポリアニリン、スルホン化ポリアニリン、ポリウレア、ポリアクリルアミド、ポリ(メラミン-co-ホルムアルデヒド)、ポリアミノアミド、又はポリアルカノールアミンを含む、前記[1]に記載の組成物。
[20]
前記少なくとも1種のレベリング剤は、前記組成物に対して約0.01重量%~約3重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[21]
少なくとも1種の金属防錆剤をさらに含む、前記[1]に記載の組成物。
[22]
前記少なくとも1種の金属防錆剤は置換又は無置換のアゾールを含む、前記[21]に記載の組成物。
[23]
前記アゾールは、トリアゾール、イミダゾール、チアジアゾール、又はテトラゾールである、前記[22]に記載の組成物。
[24]
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、アルキル基、アリール基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、及びヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つの置換基によって任意に(optionally)置換されたベンゾトリアゾールを含む、前記[21]に記載の組成物。
[25]
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、ベンゾトリアゾール、5-アミノベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、5-フェニルチオール-ベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、4-クロロベンゾトリアゾール、5-ブロモベンゾトリアゾール、4-ブロモベンゾトリアゾール、5-フルオロベンゾトリアゾール、4-フルオロベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、トリルトリアゾール、5-フェニル-ベンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール、4-ニトロベンゾトリアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、2-(5-アミノ-ペンチル)-ベンゾトリアゾール、1-アミノ-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、4-メチルベンゾトリアゾール、4-エチルベンゾトリアゾール、5-エチルベンゾトリアゾール、4-プロピルベンゾトリアゾール、5-プロピルベンゾトリアゾール、4-イソプロピルベンゾトリアゾール、5-イソプロピルベンゾトリアゾール、4-n-ブチルベンゾトリアゾール、5-n-ブチルベンゾトリアゾール、4-イソブチルベンゾトリアゾール、5-イソブチルベンゾトリアゾール、4-ペンチルベンゾトリアゾール、5-ペンチルベンゾトリアゾール、4-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-メトキシベンゾトリアゾール、5-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]-ベンゾトリアゾール、5-t-ブチルベンゾトリアゾール、5-(1’1’-ジメチルプロピル)-ベンゾトリアゾール、5-(1’1’3’-トリメチルブチル)ベンゾトリアゾール、5-n-オクチルベンゾトリアゾール、及び5-(1’1’3’3’-テトラメチルブチル)ベンゾトリアゾールからなる群から選択される化合物を含む、前記[21]に記載の組成物。
[26]
前記少なくとも1種の金属防錆剤は、前記組成物に対して約0.005重量%~約3重量%の量である、前記[21]に記載の組成物。
[27]
前記少なくとも1種のキレート剤はポリアミノポリカルボン酸を含む、前記[1]に記載の組成物。
[28]
前記少なくとも1種のキレート剤は、ブチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、プロピレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、エチレンジアミンジ酢酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、1,6-ヘキサメチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラ酢酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N-ジ酢酸、ジアミノプロパンテトラ酢酸、イミノジ酢酸1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンテトラ酢酸、ジアミノプロパノールテトラ酢酸、又は(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸を含む、前記[1]に記載の組成物。
[29]
前記少なくとも1種のキレート剤は、前記組成物に対して約0.005重量%~約3重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[30]
前記水は、前記組成物に対して約60重量%~約99重量%の量である、前記[1]に記載の組成物。
[31]
水溶性アルコール、水溶性ケトン、水溶性エステル、及び水溶性エーテルからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒をさらに含む、前記[1]に記載の組成物。
[32]
前記少なくとも1種の有機溶媒は、前記組成物に対して約0.5重量%~約30重量%の量である、前記[31]に記載の組成物。
[33]
少なくとも1種のpH調整剤をさらに含む、前記[1]に記載の組成物。
[34]
前記少なくとも1種のpH調整剤が塩基又は酸を含む、前記[33]に記載の組成物。
[35]
前記塩基は、4級アンモニウム水酸化物、水酸化アンモニウム、アミン、イミン、又はグアニジン塩である、前記[34]に記載の組成物。
[36]
1)少なくとも1種の酸化剤、
2)少なくとも1種の第1のカルボン酸、ここで第1のカルボン酸は不飽和のユニットを少なくとも1つ含む、
3)少なくとも1種の第2のカルボン酸、ここで第2のカルボン酸はモノカルボン酸及びポリカルボン酸からなる群から選ばれ、前記モノカルボン酸又は前記ポリカルボン酸は任意に(optionally)少なくとも1つのヒドロキシル基を含む、
4)少なくとも1種のレベリング剤、及び
5)水
を含むエッチング組成物。
[37]
Coフィーチャを含む半導体基板を前記[1]に記載のエッチング組成物と接触させて前記Coフィーチャの少なくとも一部を除去すること、を含む方法。
[38]
前記半導体基板がTiNフィーチャをさらに含み、前記方法が前記TiNフィーチャの少なくとも一部を除去する、前記[37]に記載の方法。
[39]
前記接触ステップの後で前記半導体基板をリンス溶媒でリンスすることをさらに含む、前記[37]に記載の方法。
[40]
前記リンスステップの後で前記半導体基板を乾燥させることをさらに含む、前記[39]に記載の方法。
[41]
前記方法は前記半導体基板上に酸化コバルト水酸化物(cobalt oxide hydroxide)層を実質的に形成しない、前記[37]に記載の方法。
[42]
半導体デバイスである、前記[41]に記載の方法により形成された物品。
[43]
前記半導体デバイスは集積回路である、前記[42]に記載の物品。