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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】改良型締結テープ
(51)【国際特許分類】
   A44B 18/00 20060101AFI20240726BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20240726BHJP
【FI】
A44B18/00
A44B99/00 601L
A44B99/00 611J
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022502434
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 EP2020069670
(87)【国際公開番号】W WO2021009082
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】1907999
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリメルプレズ、ダミアン、ジャン、ジャック
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0288765(US,A1)
【文献】特表2002-530512(JP,A)
【文献】特表2019-514531(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1878413(EP,A1)
【文献】特表2010-524573(JP,A)
【文献】特表2019-513595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B18/00、99/00
A61F13/56-13/58、13/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの互いに反対側にある面が基体層(2)の第1の外側面(2A)および第2の外側面(2B)を規定する、不織層を含む基体層(2)と、
前記基体層(2)の前記第1の外側面(2A)に設けられる少なくとも1つの締結要素(3)と、
を含む締結テープ(1)であって、
前記基体層(2)の前記不織層が、直径が8mmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って0l.m-2.s-1超であり、かつ30l.m-2.s-1未満である通気性を示すことを特徴とする、締結テープ(1)。
【請求項2】
前記不織層は、直径が0.02mm未満である繊維を含む、請求項1に記載の締結テープ(1)。
【請求項3】
前記不織層は、直径が0.01mm未満である繊維を含む、請求項1に記載の締結テープ(1)。
【請求項4】
前記不織層は、直径が0.005mm未満である繊維を含む、請求項1に記載の締結テープ(1)。
【請求項5】
前記基体層の前記通気性と、前記不織層の表面重量との間での積が、直径が8mmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って800g.l.m-4.s-1満である、請求項1に記載の締結テープ(1)。
【請求項6】
前記基体層の前記通気性と、前記不織層の表面重量との間での積が、直径が8mmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って400g.l.m -4 .s -1 未満である、請求項1に記載の締結テープ(1)。
【請求項7】
前記不織層が、少なくとも1層のメルトブローン材および/または少なくとも1層のスパンボンド材を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項8】
前記不織層が、少なくとも2層のスパンボンド材の間に配置される少なくとも1層のメルトブローン材を含む、請求項に記載の締結テープ(1)。
【請求項9】
前記基体層(2)の前記第2の外側面(2B)がシリコーン被覆(4)を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項10】
接着層(5)が前記基体層(2)の前記第1の外側面(2A)に設けられる、請求項1~のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項11】
前記締結要素(3)が、少なくともフックおよび/またはステム(32)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項12】
前記締結要素(3)が、複数のフックおよび/または複数のステム(32)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項13】
前記締結要素(3)が直接的な積層化によって前記基体層(2)の前記第1の外側面(2A)に接合される、請求項1~12のいずれか一項に記載の締結テープ(1)。
【請求項14】
前記基体層(2)が5gsm~100gsmの間の坪量を有する、請求項1~13に記載の締結テープ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可能な用途の中でも特に、例えば、衛生製品の分野において、または健康製品および医療製品の分野において使用することができる、締結要素を含む締結テープの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(最新技術)
締結テープまたはフックテープは通常、不織材から作製される基体層、例えば、スパンボンド不織材から作製される基体層を含む。この基体はポリプロピレン被覆を一方の面に備え、シリコン被覆を反対側の面に備える。接着層がポリプロピレン被覆部の一部に設けられ、フック要素が接着層の一部に設けられる。ポリプロピレン被覆は、不織材を通り抜けるかもしれないシリコン被覆の起こり得る移動から接着層を保護することを目的とする。
【0003】
しかしながら、そのようなポリプロピレン被覆を加えることは、多数の欠点を引き起こす。第1に、ポリプロピレン被覆を施すことは費用がかかり、また、ポリプロピレン層は、接着層の接着を確実にするためにコロナ処理を受けなければならない。加えて、ポリプロピレンはテープの剛性を増大させ、かつ、製品の外観を劣化させ、そのため、これらはともに避けなければならないであろう。
【0004】
したがって、本開示は、これらの問題に対する少なくとも部分的な解決策を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0005】
上述の問題に少なくとも部分的に対処するために、本開示は、
2つの互いに反対側にある面が当該基体層の第1の外側面および第2の外側面を規定する、不織層を含む基体層と、
前記基体層の前記第1の外側面に設けられる少なくとも1つの締結要素と、
を含む締結テープであって、
前記基体が、直径が8mmである試験域(50.27mmの円形表面に相当する)を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って0l.m-2.s-1超であり、かつ30l.m-2.s-1未満である、または25l.m-2.s-1未満である、または15l.m-2.s-1未満である、または12.8l.m-2.s-1未満である通気性を示し、あるいは面積が20cmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って0l.m-2.s-1超であり、かつ1200l.m-2.s-1未満である、または1000l.m-2.s-1未満である、または600l.m-2.s-1未満である、または509l.m-2.s-1未満である通気性を示すことを特徴とする、締結テープに関する。したがって、そのような特徴により、本発明の締結テープは、組み立て/製造ラインで、例えば、幼児用おむつおよび/または大人の失禁用おむつのための組み立て/製造ラインでつかむことができるように十分である空気不透過性の特性を示す。
【0006】
一例の実施形態によれば、基体は、直径が8mmである試験域(50.27mmの円形表面に相当する)を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って0.1l.m-2.s-1超であり、かつ10l.m-2.s-1未満である通気性を示し、あるいは面積が20cmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って4l.m-2.s-1超であり、かつ398l.m-2.s-1未満である通気性を示す。
【0007】
一例の実施形態によれば、不織層は、直径が0.02mm未満である、または優先的には0.01mm未満である、より具体的には0.005mm未満である繊維および/またはフィラメントを含む。
【0008】
一例の実施形態によれば、基体層の透過性と、不織層の表面重量との間での積が1800g.l.m-4.s-1未満であり、または1500g.l.m-4.s-1未満であり、または800g.l.m-4.s-1未満であり、特に400g.l.m-4.s-1未満であり、この場合、通気性は、直径が8mmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って測定される。基体層の透過性と、不織層の重量との間での積もまた、典型的には0超である。
【0009】
一例の実施形態によれば、不織層は、少なくとも1層のメルトブローン材および/または少なくとも1層のスパンボンド材を含む。不織層はその場合、少なくとも2層のスパンボンド材の間に配置される少なくとも1層のメルトブローン材を含むことができる。
【0010】
一例の実施形態によれば、基体層の第2の外側面はシリコーン被覆を含む。
【0011】
一例の実施形態によれば、接着層が基体層の第1の外側面に設けられる。
【0012】
一例の実施形態によれば、締結要素は少なくともフックおよび/またはステムを含み、特に複数のフックおよび/または複数のステムを含む。
【0013】
一例によれば、保持要素の高さが5マイクロメートル~5000マイクロメートルの間であり、より具体的には5マイクロメートル~2000マイクロメートルの間であり、またはより具体的には20マイクロメートル~800マイクロメートルの間であり、この場合、高さは、基部の上部表面に直交する方向で測定される。
【0014】
一例の実施形態によれば、締結要素は直接的な積層化によって基体層の第1の外側面に接合される。一例によれば、締結要素は、基部と、少なくともフックおよび/またはステム、具体的には基部の一方の面から突き出る複数のフックおよび/または複数のステムとを含むことができる。不織物としての基体層の繊維および/またはフィラメントのいくつかの部分が、基部ならびに/あるいは基部の別の面(反対側面)から直接に伸びるいくつかの繊維および/またはフィラメントの中に包まれることが可能である。
【0015】
一例の実施形態によれば、締結要素は、参照によって組み込まれ、かつ、本開示を検討するときに参照することができる国際公開WO2017187096(A1)に記載される通りである。
【0016】
一例の実施形態によれば、基体層は、5gsm~100gsmの間、特に25gsm~65gsmの間の坪量を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示およびその利点が、以下に列挙される同封された図面を考慮して最もよく理解されるであろう。
【0018】
図1】本発明の1つの局面による締結テープの一例である。
【0019】
図2】本発明の1つの局面による締結テープの別の一例である。
【0020】
図3】本発明の1つの局面による締結テープの別の一例である。
【0021】
図4】締結テープの通気性を測定するためのアダプターの一例である。
【0022】
図5】締結テープの通気性を測定するためのアダプターの一例の別の図である。
【0023】
すべての図において、共通の要素は、同一の参照数字によって示される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の一例の実施形態による締結テープが図1に表される。
【0025】
図1に示される締結テープ1は、基体層2と、基体層2の一方の外側面に設けられる少なくとも1つの締結要素3とを含む。
【0026】
基体層2は、例えば、テープの形状である不織層から構成されており、第1の外側面2Aおよび第2の外側面2Bを規定する2つの互いに反対側にある面を与える。図1の例示された例において、締結要素3は基体層2の第1の外側面2Aに配置される。
【0027】
締結要素3は、例えば、基部31、ならびに少なくとも1つの保持要素32、例えば、フックおよび/またはステムなど、すなわち、より一般的には、基部から伸びるステムと、ステムの上部に配置される頭部とを含む要素を含み、頭部が、別の類似する保持要素32と、および/またはループと、および/または不織材とのいずれとでも協同して、解除可能な締結を規定するように構成される。
【0028】
不織物とは、圧密化された繊維および/またはフィラメントのウエブを形成することによって得られる製造物である。圧密化は、機械的、化学的または熱的であることが可能であり、接合が繊維および/またはフィラメントの間に存在することを生じさせる。この圧密化は直接的であること、すなわち、溶着によって繊維および/またはフィラメントの間に直接的に行われることが可能であり、あるいは間接的であること、すなわち、繊維および/またはフィラメントの間における中間層を介して、例えば、接着層またはバインダー層を介して間接的であることが可能である。不織物という用語は、不均一、不規則またはランダムな様式で絡み合わされる繊維および/またはフィラメントのリボン形状の構造物またはウエブを示す。不織物は単層構造または多層構造を有することができる。不織布が同様に、積層体を形成するために別の材料と組み合わされることが可能である。不織物が様々な異なる合成物および/または天然物から作製されることが可能である。天然物の例として、セルロース繊維、例えば、綿、ジュート、亜麻などがある。天然物の例にはまた、再加工セルロース繊維、例えば、レーヨンまたはビスコースなども含まれる場合がある。不織物のための天然繊維を、カーディングなどの様々なプロセスを使用して調製することができる。合成物の例には、限定されないが、様々な合成プラスチックポリマーが含まれ、これらは、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよび類似物)、ポリアミド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド10、ポリアミド12および同類物)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリ乳酸および同類物)、ポリカルボナート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー、ポリマー状ビニル、ポリウレタンならびにそれらの混合物およびコポリマー(これらに限定されない)が含まれる様々な繊維を形成することが知られているものである。例えば、不織物は、Spunbond、Spunmelt、熱接着カーディング処理物、SMS、SMMS、SS、SSS、SSMMS、SSMMS、SSMMMS、またはAir throughなどの不織物が可能である。これらの例は限定としてでなく示される。例えば、メルトブローン技術またはエレクトロスピニング技術のプロセスによって製造されるナノ繊維層を有する不織物もまた使用することができる。
【0029】
基体層2は、1995年8月にISSN0335-3931において公表されたフランス・欧州規則NF EN ISO9237で規定される測定方法に従って、直径が8mmであるディスクの形状である測定表面と、200Paの圧力とを用いて、0l.m-2.s-1超であり、かつ、30l.m-2.s-1未満である、またはより正確には25l.m-2.s-1未満である、または、例えば、15l.m-2.s-1未満である、またはより正確には12.8l.m-2.s-1未満である通気性を示す。
【0030】
試験領域は、締結テープ1の予想された用途のいくつかに起因して、例えば、小さい寸法を有する締結テープ1の一部をもたらすことになるおむつに対しては、直径が8mmである(すなわち、面積が大雑把には0.50cmである)ディスクに減じられる。図4および図5は、直径が8mmである試験領域を有するサンプルに対する、フランス・欧州規則NF EN ISO9237で規定される測定を行うための一例のアダプター100を表す。
【0031】
示されるようなアダプター100は、2つの部分、すなわち、ヒンジ130によってつながれる上部部分110および下部部分120を含む。上部部分110は、内側面110iと、外側面110oとを与える。下部部分120は、内側面120iと、外側面120oとを与える。上部部分の内側面110iは、アダプターが閉じられたときに下部部分120の内側面120iと接触するようになっている。上部部分110および下部部分120はそれぞれが貫通開口部(それぞれ、112および122)を与える。開口部112および開口部122はそれぞれが、直径が8mmである円形形状を呈しており、空気または流体の流れがアダプター100を通り抜けることを可能にするために互いに位置合わせされる。下部部分120の開口部は、上部部分110に面する下部部分120の面に配置される、すなわち、下部部分120の内側面120iに配置される封止リング124によって取り囲まれる。この封止リング124は、上部部分110をアダプター100の下部部分120と接触させたときの気密封止を保証する。試験されるサンプル製造物がアダプター100の上部部分110と下部部分120との間において、それらのそれぞれの開口部(112および122)の前に配置され、その後、上部部分110が下部部分120に接して閉じられる。
【0032】
封止リング124は、下部部分120に作製される開口部の周りにおいて内側面120iに設けられる封止リングの代わりに、またはそのような封止リングに加えて、上部部分110に作製される開口部112の周りにおいて上部部分の内側面に配置され得るかもしれないことが理解される。
【0033】
下部部分120の外側面120oは、例えば、アダプター100を通り抜ける流れ、すなわち、試験される製造物を通り抜ける流れの測定を容易にし得る封止リング126を備えることができる。
【0034】
基体層2が接着層および/またはシリコン層を備えるならば(下記で記載される実施形態を参照のこと)、これらの層は、基体層2の通気性を測定する前に、例えば、アセトンまたは酢酸エチルを使用して除かれる。
【0035】
欧州規則NF EN ISO9237に従った測定を、規則の提唱されたパラメーターに従って面積が20cmである試験領域を用いて、かつ、200Paの圧力を用いて行ったとき、その場合、基体層2は、0l.m-2.s-1超であり、かつ1200l.m-2.s-1未満である、または1000l.m-2.s-1未満である、または600l.m-2.s-1未満である、または典型的には500l.m-2.s-1未満である通気性を示す。本出願人は、直径が8mmである試験領域により得られる結果と、表面が20cmである試験領域により得られる結果との間には、これら2つの測定方法が同等であるように線形関係があると判断している。
【0036】
したがって、示されるような基体層2は、0超であり、しかし、限定された範囲の範囲内にある通気性を示す。このことは、空気が基体層2を通り抜けることを完全には防止しないが、そのような範囲の範囲内にある通気性の値により、基体層2の一方の側に設けられるであろう物質(例えば、被覆など)の、移動して基体層2を通り抜け、基体層2の反対側に到達する移動を防止することが可能になる。
【0037】
基体層2の通気性特性は、補助的な層(例えば、追加の被覆など)を加えることを必要とすることなく、基体層2の構造から得られる。したがって、このことは、締結要素3が配置される基体層2の面に設けられる被覆(例えば、ポリプロピレン被覆など)を含む今までに知られている物品の欠点を抑えて、締結要素3を基体層2の反対側に設けられ得る被覆材の移動から保護する。したがって、締結テープ1は、締結テープ1の柔軟性を低下させ、また、達成するには費用がかかり、かつ複雑である補助的な層(例えば、ポリプロピレン被覆)を加えることを必要とすることなく、0超である通気性を依然として示しながら、被覆材の移動を防止することができる。
【0038】
基体層2は、直径が0.02mm未満である、またはより具体的には0.01mm未満である、またはより具体的には0.005mm未満である繊維および/またはフィラメントを含む不織材から作製することができる。
【0039】
一例の実施形態において、不織層2は、少なくとも1層のメルトブローン材および/またはスパンボンド材を含むことができる。不織層2はその場合、少なくとも2層のスパンボンド材の間に配置される少なくとも1層のメルトブローン材を必要に応じて含むことができる。スパンボンド不織層を外側層として使用することによって、メルトブローン層としての外側層として有する不織層よりも柔らかい不織層を得ることができる。スパンボンド不織層を外側層として使用することによって、不織物の2つの面での改善された固定能を、例えば、締結具の基部と、不織物としての基体との間におけるより良好な固定のために有する不織層を得ることができる。加えて、製造物の透過性が、メルトブローン材の層数が増大するにつれて低下する。
【0040】
図2に描かれる本開示の一例の実施形態によれば、基体層はスパンボンドの2つの層を有することができ、この場合、2つのスパンボンド層の一方が、1マイクロメートル~20マイクロメートルの間であることが可能である、または、例えば、12マイクロメートル~19マイクロメートルの間であることが可能である繊維/フィラメントサイズ直径を有し、メルトブローン層が、1マイクロメートル~10マイクロメートルの間であることが可能である、または、例えば、1マイクロメートル~5マイクロメートルの間であることが可能である繊維/フィラメントサイズ直径を有する。基体層はまた、1マイクロメートル未満、場合によっては0.05マイクロメートル~1マイクロメートルの間である(典型的には厳密に1マイクロメートル未満である)繊維/フィラメントサイズ直径を有するナノ繊維の層(N)を有することができる。
【0041】
図2に描かれる本開示の一例の実施形態によれば、基体層は下記リストから選択することができる:Spunbond、Spunmelt、SMS、SMMS、SS、SSS、SSMMS、SSMMS、SSMMMS、またはSpunbond(S)層とMeltblown(M)層との別の組み合わせ、またはSMNMS、またはSpunbond(S)とMeltblown(M)とNanofibers(N)との別の組み合わせ。
【0042】
図2に描かれる本開示の一例の実施形態によれば、基体層は、繊維/フィラメント密度および/または繊維/フィラメント直径および/または下層の厚さおよび/または繊維/フィラメント原料および/または繊維/フィラメント種類(横並び、偏心、コア/シース)および/または繊維/フィラメント重量が異なる下層の組み合わせ体、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたは7つのそのような下層(例えば、スパンボンド下層)を有する下層の組み合わせ体であることが可能である。特に、基体層はスパンボンド下層のみを含む。
【0043】
図2に描かれる本開示の一例の実施形態によれば、基体層2の第2の反対側の面2B(またはより一般的には、締結要素3が設けられない基体層2の面)は、基体層2のための剥離被覆を形成するようにシリコーン被覆4を備えることができる。
【0044】
一例の実施形態において、基体層2は、5gsm~100gsmの範囲にある坪量を有する:この場合、坪量は、他の要素(例えば、締結要素3あるいは随意的な被覆または層など)が基体層2に加えられる前の基体層2の重量である。
【0045】
一例の実施形態において、基体層2の透過性と、基体層の表面重量との間での積が1800g.l.m-4.s-1未満であり、特に1500g.l.m-4.s-1未満であり、または、例えば、800g.l.m-4.s-1未満であり、特に400g.l.m-4.s-1未満であり、この場合、通気性は、直径が8mmである試験域を有するサンプルについては200Paの圧力を用いてISO9237に従って測定される。基体層の透過性と、基体層の重量との間での積もまた、典型的には0超である。
【0046】
したがって、基体層2の通気性の低下した値により、このシリコーン被覆4のシリコーンが移動して基体層2を通り抜け、締結要素3を含む基体層2の反対側に到達することが防止される。
【0047】
図3に描かれるような一例の実施形態によれば、基体層2の第1の外側面2Aは接着層5を備えることができ、その場合、接着層5は、基体層2の第1の外側面2Aと、締結要素3との間に施され、基体層2に対する締結要素3の接合を確実にする。
【0048】
したがって、そのような実施形態では、基体層2の通気性の低下した値により、随意的なシリコーン被覆4のシリコーンが移動して基体層2を通り抜け、基体層2の反対側での接着層5に到達することが防止される。
【0049】
代替となる実施形態において、締結要素3は直接的な積層化によって基体層2に接合させることができる。そのような実施形態において、接着層5は、存在するならば、締結要素3が配置される領域とは異なる基体層2の領域に施すことができる。
【0050】
下記の表1には、ISO9237に従って試験されたサンプルの異なる例が提供されており、本開示による締結テープを提供するために使用することができる基体の様々な例が例示される。
【0051】
【表1】
【0052】
サンプルA:60%wtのメルトブローン層を含み、坪量が60gsmである、FITESA社によって参照番号NA3SB060のもとで製造されるSMS基体。
【0053】
サンプルB:60%wtのメルトブローン層を3.5gsmのシリコン層とともに含み、坪量が60gsmである、FITESA社によって参照番号NA3SB060のもとで製造されるSMS基体。
【0054】
サンプルC:坪量が65gsmである、PEGATEX社によって参照番号SMS 65 GSM ON LINEのもとで製造されるSMS基体。
【0055】
サンプルD:坪量が60gsmである、FITESA社によって参照番号PHOBIC 60 GSM IC3EW 100 060 NN Fのもとで製造されるSMS基体。
【0056】
サンプルE:坪量が60gsmである、DOUNOR社によって参照番号HYMELT PPSM 60 W O S PHOBICのもとで製造されるSMS基体。
【0057】
サンプルF:坪量が60gsmである、UNION社によって参照番号D6003 PHWのもとで製造されるSMS基体。
【0058】
サンプルG:坪量が50gsmである、TEXBOND社によって参照番号NT AX SA 50A 50 gsmのもとで製造されるスパンボンド基体。
【0059】
サンプルH:坪量が60gsmである、UNION社によって参照番号S6000 PHWのもとで製造されるスパンボンド基体。
【0060】
M1は、面積が20cmである試験サンプルについて200Paの圧力を用いてISO9237規則に従って測定された場合のl/m/sでの基体の透過性である。
【0061】
M2は、直径が8mmである試験サンプルについて200Paの圧力を用いてISO9237規則に従って測定された場合のl/m/sでの基体の透過性である。
【0062】
M2/M1は、M2の値をM1の値で割った百分率での比率である。
【0063】
表1に列挙される例において、A、B、C、D、E、FおよびHの各サンプルは、本開示の範囲内である。しかしながら、サンプルGは、その透過性が大きすぎるために本開示の範囲外である。
【0064】
表1における透過性値は、FX3300通気性試験機を使用して得られた。
【0065】
本開示の締結テープは、例えば、吸収性物品のために使用することができ、例えば、おむつ、または大人の失禁用製造物などのために使用することができる。
【0066】
本開示は具体的な実施形態に関連して開示されているとしても、様々な改変が、請求項によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、これらの例に対して行われ得ることを理解しなければならない。特に、示されている、および/または例示されている異なる実施形態からの様々な特徴がさらなる実施形態において個々に取り入れられ、組み合わせられることが可能である。したがって、本開示および図面は非限定的に解釈されなければならない。
【0067】
所与のデバイスに関連して記載されているすべての特徴が所与の方法または所与のプロセスに個々に、または組み合わせで移され得ること、また、相互依存関係において、所与の方法または所与のプロセスに関連して記載されているすべての特徴が所与のデバイスに個々に、または組み合わせで移され得ることもまた理解しなければならない。


図1
図2
図3
図4
図5